JP2006291072A - 光硬化型樹脂組成物、有機エレクトロルミネッセンス素子用接着剤、有機エレクトロルミネッセンス表示素子、及び、有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法 - Google Patents

光硬化型樹脂組成物、有機エレクトロルミネッセンス素子用接着剤、有機エレクトロルミネッセンス表示素子、及び、有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 水分を透過し難く耐湿性に優れ、有機エレクトロルミネッセンス素子を封止する封止剤として好適に用いることができる光硬化型樹脂組成物、該光硬化型樹脂組成物を用いてなる有機エレクトロルミネッセンス素子用封止剤、及び、有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法を提供する。
【解決手段】 カチオン重合性化合物、光カチオン重合開始剤、及び、板状の微粒子無機フィラーを含有する光硬化型樹脂組成物であって、前記微粒子無機フィラーは、マイクロトラック法により測定した平均粒子径が5〜50μmであり、長径(a)と短径(b)との比(a/b)の平均値が10以下、かつ、長径(a)と厚さ(c)との比(a/c)の平均値が10以上である光硬化型樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水分を透過し難く耐湿性に優れ、有機エレクトロルミネッセンス素子を封止する封止剤として好適に用いることができる光硬化型樹脂組成物、該光硬化型樹脂組成物を用いてなる有機エレクトロルミネッセンス素子用接着剤、有機エレクトロルミネッセンス表示素子、及び、有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子ともいう)は、互いに対向する一対の電極間に有機発光材料層が挟持された積層体構造を有し、この有機発光材料層に一方の電極から電子が注入されるとともに他方の電極から正孔が注入されることにより有機発光材料層内で電子と正孔とが結合して発光する。このように有機EL素子は自己発光を行うことから、バックライトを必要とする液晶表示素子等と比較して視認性がよく、薄型化が可能であり、しかも直流低電圧駆動が可能であるという利点を有しており、次世代ディスプレイとして着目されている。
しかしながら、このような有機EL素子を構成する有機発光材料や電極は、活性が高く化学的に不安定であるため、空気中の水分等による酸化により特性が劣化しやすく、大気中で駆動させると、その発光特性が急激に劣化し寿命が短いという問題があった。
そこで、一般的な有機EL素子は、積層体の上に乾燥剤が設置されたガラス又は金属からなる蓋を被せ、その周辺を接着剤(封止剤)で封止することにより水分の浸入を遮断する構造が採られていた。
このような有機EL素子に用いられる接着剤は、有機発光材料や電極等を水分等による酸化から保護するため、防湿性に優れることが最も重要な要素の一つである。
このように防湿性に優れる接着剤としては、例えば、特許文献1には、球形又は繊維状の無機微粒子を配合した封止樹脂が開示されており、また、特許文献2には、板状又は鱗片状無機充填剤を配合した封止剤が開示されている。これらの特許文献では、その粒子径が小さいほど高い防湿性が得られるとされている。
しかしながら、実際には、これらの特許文献に開示された条件を満たすフィラーが配合された封止剤は、必ずしも充分な耐湿性を有するものではなかった。
特開平5−315072号公報 特開2001−85155号公報
本発明は、上記の現状に鑑み、水分を透過し難く耐湿性に優れ、有機エレクトロルミネッセンス素子を封止する封止剤として好適に用いることができる光硬化型樹脂組成物、該光硬化型樹脂組成物を用いてなる有機エレクトロルミネッセンス素子用接着剤、有機エレクトロルミネッセンス表示素子、及び、有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、カチオン重合性化合物、光カチオン重合開始剤、及び、板状の微粒子無機フィラーを含有する光硬化型樹脂組成物であって、前記微粒子無機フィラーは、マイクロトラック法により測定した平均粒子径が5〜50μmであり、長径(a)と短径(b)との比(a/b)の平均値が10以下、かつ、長径(a)と厚さ(c)との比(a/c)の平均値が10以上である光硬化型樹脂組成物である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、封止剤に配合するフィラーが板状の微粒子無機フィラーであって、該微粒子無機フィラーが一定の範囲の粒子径を有し、かつ、特定の形状である場合、具体的には、長径と短径との比、及び、長径と厚さとの比が一定の範囲となる形状である場合、このような微粒子無機フィラーを含有する光硬化型樹脂組成物は、他の粒子径又は形状のフィラーを配合した場合に比べて著しく水分を透過し難く耐湿性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、本発明者らは、このような板状のフィラーを含有する光硬化性樹脂組成物を用いて特定の基板同士の貼り合わせ方法を採用することにより、耐湿性に優れた表示素子を製造することができることを見出した。
これは、上記一定の範囲の粒子径と特定の形状とを有する板状の微粒子無機フィラーが、確実に光硬化型樹脂組成物中に浸入する水分の浸入経路を狭めることで、水分が光硬化型樹脂組成物中に浸入することを妨害する効果を高める役割を果たしているからであると考えられる。
これに対し、従来の封止剤に配合するフィラーは、その粒子径は単に小さいほうがよいとされているだけであり、またその形状が板状又は鱗片状であるとされているが、形状についての具体的な検討は全くなされていない。そのため、封止剤に配合するフィラーの形状が板状又は鱗片状であっても、その粒子径を小さくするにつれてその形状は球形に近くなり、水分を通しやすくなってしまうことがあったものと考えられる。逆に、フィラーの粒子径が大きくなりすぎると、フィラー同士が邪魔をしあって、封止剤の耐湿性が低下してしまうものと考えられる。
従って、このような板状の微粒子無機フィラーを含有する光硬化型樹脂組成物を有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)を封止する封止剤として使用することで、有機EL素子を水分から好適に保護することができる。
本発明の光硬化型樹脂組成物は、板状の微粒子無機フィラーを含有する。
上記微粒子無機フィラーの平面形状としては特に限定されず、例えば、正方形、長方形、多角形、円形、楕円形、トラック形、不定形等任意の形状が挙げられる。
上記微粒子無機フィラーは、マイクロトラック法により測定した平均粒子径の下限が5μm、上限が50μmである。5μm未満であると、粒子径が小さくなりすぎ、その形状が球形に近くなり、本発明の光硬化型樹脂組成物の耐湿性が不充分となる。50μmを超えると、本発明の光硬化型樹脂組成物内で微粒子無機フィラー同士が邪魔をしあって、均一に分散されず本発明の光硬化型樹脂組成物の耐湿性が低下する。好ましい上限は30μmである。
また、上記微粒子無機フィラーは、長径(a)と短径(b)との比(a/b)の平均値が10以下、かつ、長径(a)と厚さ(c)との比(a/c)の平均値が10以上である。
上記(a/b)の平均値が10を超えると、上記微粒子無機フィラーが棒状や繊維状に近くなり、本発明の光硬化型樹脂組成物の耐湿性が不充分となる。好ましい上限は5である。
上記(a/c)の平均値が10未満であると、上記微粒子無機フィラーが球形や立方体に近くなり、やはり本発明の光硬化型樹脂組成物の耐湿性が不充分となる。好ましい下限は12である。
更に、このような微粒子無機フィラーは、上述した本発明の光硬化型樹脂組成物の耐湿性向上効果のほか、接着力や揺変性付与等にも効果がある。
なお、図1に、本明細書における上記微粒子無機フィラーの長径(a)、短径(b)及び厚さ(c)の例を示す。上記微粒子無機フィラーの長径(a)と短径(b)との比(a/b)の平均値、及び、長径(a)と厚さ(c)との比(a/c)の平均値は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)等により測定することができる。
上記微粒子無機フィラーの材料としては特に限定されず、例えば、シリカ、タルク、アルミナ、マイカ、炭酸カルシウム等が挙げられ、上述した平均粒子径及び形状を有する合成物、層状に積層された天然物のいずれであってもよい。なかでも、タルク、マイカ及びアルミナからなる群より選択される少なくとも1種の材料は、入手が容易であり好適に用いられる。
上記微粒子無機フィラーは、表面未処理のもの、表面処理したもののいずれも使用することができる。表面処理した微粒子無機フィラーとしては、例えば、メトキシ基化、トリメチルシリル基化、オクチルシリル基化、又は、シリコーンオイルで表面処理したもの等が挙げられる。これらの微粒子無機フィラーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明の光硬化型樹脂組成物における上記微粒子無機フィラーの配合量としては特に限定されないが、後述するカチオン重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限は10重量部、好ましい上限は150重量部である。10重量部未満であると、本発明の光硬化型樹脂組成物の耐湿性が不充分となることがあり、150重量部を超えると、本発明の光硬化型樹脂組成物の光硬化性能が低下することがあるとともに、硬化後の硬化物から板状の微粒子無機フィラーがブリードアウトしてくることがある。より好ましい下限は30重量部、より好ましい上限は80重量部である。
本発明の光硬化型樹脂組成物は、カチオン重合性化合物を含有する。
上記カチオン重合性化合物としては特に限定されず、例えば、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂が主に使用されるが、オキセタン化合物、脂環エポキシ化合物を併用することもできる。
上記グリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては特に限定されず、例えば、ビスフェノール型ジグリシジルエーテル、ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
上記ビスフェノール型ジグリシジルエーテルとしては、例えば、ビスフェノールA、又は、そのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ビスフェノールF、又は、そのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールA、又は、そのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等が挙げられる。
上記ノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジフェニロールプロパンノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル及び/又はトリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル及び/又はペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールヘプタグリシジルエーテル及び/又はソルビトールヘキサグリシジルエーテル等が挙げられる。
また、その他のエポキシ樹脂としては、例えば、レゾルシンジグリシジルエーテル等を用いることもできる。
上記グリシジルエーテル型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、エピクロン840、840S、850、850S、860、1050、830、705、707、720、725、N−665(以上、いずれも大日本インキ化学工業社製)、EX−201、EX−211、EX−212、EX−252、EX−321、EX−622、EX−611(以上、いずれもナガセ化成社製)、SR−16H、SR−NPG、16H−DGE低塩素品(以上、いずれも阪本薬品社製)等が挙げられる。
上記オキセタン化合物としては特に限定されず、例えば、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、3−メチル−3−グリシジルオキセタン、3−エチル−3−グリシジルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン等が挙げられる。これらオキセタン化合物の市販品としては、例えば、MOX、XDO(以上、いずれも東亞合成社製)等が挙げられる。
上記脂環エポキシ化合物としては特に限定されず、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、リモネンジエポキシド等が挙げられる。これら脂環エポキシ化合物の市販品としては、例えば、セロキサイド2021、2081、2083、2085、3000(以上、いずれもダイセル化学工業社製)、サイラキュア6105、6110、6128(以上、いずれもユニオンカーバイド社製)等が挙げられる。
本発明の光硬化型樹脂組成物は、光カチオン重合開始剤を含有する。
上記光カチオン重合開始剤としては特に限定されず、例えば、ボレートを対アニオンとするボレート塩、イオン性光酸発生タイプのもの、非イオン性光酸発生タイプのもの等が挙げられる。なかでも、ボレートを対アニオンとするボレート塩からなる光カチオン重合開始剤は、重合効率が高く好適に用いられる。
上記ボレート塩からなる光カチオン重合開始剤としては、下記式(1)で表されるような嵩高い対アニオンを有する光カチオン重合開始剤を指す。
Figure 2006291072
このようなボレート塩の市販品としては、例えば、「Photoinitiator 2074」(ローディア社製)等が挙げられる。
上記イオン性光酸発生タイプの光カチオン重合開始剤としては、例えば、カチオン部分が芳香族スルホニウム、芳香族ヨードニウム、芳香族ジアゾニウム、芳香族アンモニウム、又は、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Feカチオンであり、アニオン部分がBF 、PF 、SbF 、又は、[BX(但し、Xは、少なくとも2つ以上のフッ素又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基を表す)で構成されるオニウム塩が挙げられる。
具体的には、芳香族スルホニウム塩としては、例えば、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
芳香族ヨードニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
芳香族ジアゾニウム塩としては、例えば、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、フェニルジアゾニウムテトラフルオロボレート、フェニルジアゾニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
芳香族アンモニウム塩としては、例えば、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムテトラフルオロボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe塩としては、例えば、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロホスフェート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロアンチモネート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)テトラフルオロボレート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
上記イオン性光酸発生タイプの光カチオン重合開始剤の市販品として、例えば、UVI6990、UVI6974(以上、いずれもユニオンカーバイド社製)、SP−150、SP−170(以上、いずれも旭電化社製)、FC−508、FC−512(以上、いずれも3M社製)、イルガキュア261(以上、チバ・ガイギー社製)、RHODORSIL PI2074(以上、ローディア社製)等が挙げられる。
更に、上記イオン性光酸発生タイプの光カチオン重合開始剤としては、例えば、下記一般式(2)、一般式(3)又は一般式(4)で表されるスルホニウムカチオン部分、及び、下記一般式(5)で表される硼素中心アニオン部分を有するものが好適に用いられる。
Figure 2006291072
上記一般式(2)〜(4)中、R〜Rは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよく、それぞれ1価若しくは2価のフェニル基又はナフチル基を表す。また、これらフェニル基又はナフチル基は、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数C〜C12のアルキル基、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数C〜C12のアルコキシル基、ハロゲン原子、水酸基(−OH基)、カルボキシル基(−COOH基)、及び、−COO−アルキルエステル基(ここで、アルキル部分は直鎖状又は分枝鎖状C〜C12の残基である)からなる群より選択される少なくとも1の基で随意に置換されていてもよい。
Figure 2006291072
上記一般式(5)中、Bは、3価の硼素を表し、R〜R10の少なくとも1つは、炭素数6〜30のハロゲン置換芳香族基を表す。
このように中心アニオンが硼素であると、光カチオン重合開始剤の酸強度が強くなるため、この光カチオン重合開始剤を用いた光硬化型樹脂組成物は、硬化性が向上し、高いガラス転移温度を有する硬化物を得ることができる。その結果、光硬化型樹脂組成物の硬化物の透湿性(透湿度)が低下するため、この光硬化型樹脂組成物を、例えば、有機EL素子用封止剤として用いることで、作製した有機エレクトロルミネッセンス表示素子の寿命を長くすることができ、信頼性を高めることができる。
上記一般式(5)中、R〜R10の少なくとも1つは、芳香族基がハロゲン置換基で置換された炭素数6〜30のハロゲン置換芳香族基である。
上記芳香族基としては特に限定されず、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。また、上記ハロゲン置換基としては特に限定されず、例えば、塩素、フッ素等が挙げられ、なかでも、フッ素が好適に用いられる。上記ハロゲン置換基は、上記芳香族基の芳香族環に直接結合したハロゲン基であってもよいし、例えば、ハロ−ヒドロカルビル置換基のように、他の置換基の一部として導入されたものであってもよく、なかでも、フルオロ−ヒドロカルビル置換基が好ましい。
上記光カチオン重合開始剤において、有用な硼素中心アニオンとしては特に限定されず、例えば、[3,5−(CF、(C、(C−p−CF、(C−m−CF、(C−p−F)、(C(CH)B、(C(n−C)B、(C−p−CH(C)B、(CFB、(C(C)B、(CH(C−p−CF、(C(n−C1837O)B等が挙げられる。
上記好ましい硼素中心アニオンは、一般的に、硼素に結合した3個以上のハロゲン置換芳香族基を含有しており、そのハロゲン置換基としては、フッ素が最も好ましい。最も好ましい硼素中心アニオンの例としては特に限定されず、例えば、[3,5−(CF、(C、(C(CH)B、(C(n−C)B、(CFB等が挙げられる。
また、有用な他の金属中心又は半金属中心を含有する適当なアニオンも使用可能であり、そのようなアニオンとしては特に限定されず、例えば、[3,5−(CFAl、(CAl、(C、(C)FSb、(C)F等が挙げられる。
更に、有用であると考えられる他の硼素中心非求核的塩や、他の金属や半金属を含有している他の有用なアニオン等も使用可能である。
上記光カチオン重合開始剤は、上記一般式(5)で表される硼素中心アニオン部分の分子量が400以上であり、かつ、好ましくは波長300nm以上の光、より好ましくは波長300〜400nmの光を吸収することがより好ましい。
本発明の光硬化型樹脂組成物において、上記光カチオン重合開始剤は、上記一般式(2)、一般式(3)又は一般式(4)で表されるカチオン部分、及び、上記一般式(5)で表される硼素中心アニオン部分を有するものが好ましく、更に好ましくは、上記硼素中心アニオン部分の分子量が400以上であり、かつ、好ましくは波長300nm以上の光、より好ましくは波長300〜400nmの光を吸収するものである。
このような光カチオン重合開始剤としては、なかでも、光カチオン重合開始剤を用いた光硬化型樹脂組成物の硬化進行過程における着色防止効果や硬化物のガラス転移温度上昇効果等に優れることから、下記一般式(6)又は一般式(7)で表される光カチオン重合開始剤であることが好ましい。これらの光カチオン重合開始剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
Figure 2006291072
上記一般式(6)及び一般式(7)中、Xは、下記式(8)で表されるアニオンを示す。また、上記一般式(6)及び(7)中、R〜Rは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよく、それぞれ直鎖状又は分枝鎖状の炭素数C〜C12のアルキル基、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数C〜C12のアルコキシル基、ハロゲン原子、水酸基(−OH基)、カルボキシル基(−COOH基)、及び、−COO−アルキルエステル基(ここで、アルキル部分は直鎖状又は分枝鎖状C〜C12の残基である)からなる群より選択される少なくとも1の基、又は、水素原子を表す。
Figure 2006291072
本発明の光硬化型樹脂組成物における上記カチオン重合開始剤の添加量としては、上記カチオン重合性化合物100重量部に対して好ましい下限は0.2重量部、好ましい上限は10重量部である。0.2重量部未満であると、光を照射することで本発明の光硬化型樹組成物を充分に硬化させることができず、10重量部を超えると、本発明の光硬化型樹脂組成物の長期信頼性が低下する。より好ましい下限は0.2重量部、より好ましい上限は4重量部である。
また、本発明の光硬化型樹脂組成物の硬化性を一層向上させるために、上記光カチオン重合開始剤に対し増感剤として、例えば、アントラセン、ジブトキシアントラセン、ビレン、ペリレン、2,4−ジエチルチオキサントン、フェノチアジン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等の光ラジカル重合開始剤を併用することもできる。
更に、本発明の光硬化型樹脂組成物は、腐食防止のためにイオン吸着体を含有することが好ましい。上記イオン吸着体は、紫外線等のエネルギー線を照射したときに、カチオン重合開始剤から発生するルイス酸等のアニオン性物質を吸着するものであり、アニオン性物質による腐食作用を制止する。
このようなイオン吸着体としては特に限定されず、従来公知の各種のものを用いることができる。具体的には、イオン交換樹脂、例えば、アンバーライトCG120(オルガノ社製)、トミックスAD500、600(以上、いずれも富田製薬社製)、キョーワード500、600(以上、いずれも協和化学社製)、IXE−500、700、600、1100(以上、いずれも東亜合成社製)等が挙げられる。
上記イオン吸着体の配合量としては、上記カチオン重合開始剤1重量部に対して好ましい下限は2重量部、好ましい上限は12重量部であり、より好ましい下限は4重量部、より好ましい上限は8重量部である。
本発明の光硬化型樹脂組成物は、更に、反応遅延剤を含有することが好ましい。上記反応遅延剤としては特に限定されないが、例えば、ポリオール化合物等を用いることができる。上記反応遅延剤を含有することで、本発明の光硬化型樹脂組成物に光を照射した後の可使時間及び硬化時間を制御することができる。
上記ポリオール化合物のなかでも、脂肪族ポリオールであるが好ましく、このような脂肪族ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール等の(ポリ)アルキレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ポリカプロラクトンポリオール、クラウンエーテル等が挙げられる。
上記反応遅延剤の配合量としては特に限定されないが、上記光カチオン重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は30重量部である。0.1重量部未満であると、光照射後の充分な可使時間が得られないことがあり、30重量部を超えると、光カチオン重合が充分に進行しなかったり、反応が遅くなりすぎたりすることがある。より好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は20重量部である。
本発明の光硬化型樹脂組成物は、光を照射した後硬化反応が進行し、接着ができなくなるまでの可使時間が1分以上であることが好ましい。可使時間が1分未満であると、例えば、本発明の光硬化性樹脂組成物を有機EL表示素子の製造に使用する有機EL素子用接着剤として用いた場合、基板等を貼り合わせる前に本発明の光硬化型樹脂組成物を用いてなる有機EL素子用接着剤が硬化進行してしまい、充分な接着強度を得られなくなることがある。
本発明の光硬化型樹脂組成物は、必要に応じて、熱可塑性樹脂、レベリング剤、酸化防止剤、及び、シランカップリング剤等を併用することもできる。具体的には、例えば、モダフロー(モンサントケミカル社製)、L7604(日本ユニカー社製)等を用いることができる。
このような本発明の光硬化型樹脂組成物を製造する方法としては特に限定されず、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリウムミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて、常温又は加温下でカチオン重合性化合物、光カチオン重合開始剤、及び、板状の微粒子無機フィラーと、必要に応じて添加する各種物質との所定量を混合することにより、所望の耐湿性を有する光硬化型樹脂組成物を製造することができる。なお、上記微粒子無機フィラーが層状に積層された天然物である場合、層状に積層された状態の微粒子無機フィラーを上記カチオン重合性樹脂等とともに剪断をかけながら混合し、各層間の微粒子無機フィラーを剥離させればよい。
また、上記光硬化型樹脂組成物の製造は、光を遮断した状態で行うことが好ましい。
本発明の光硬化型樹脂組成物は、水分を透過し難く耐湿性に優れたものである。従って、本発明の光硬化性樹脂組成物は、有機エレクトロルミネッセンス表示素子(以下、有機EL表示素子ともいう)を製造する際に基板表面に設けた有機EL素子を封止する有機EL素子用接着剤として好適に用いることができる。本発明の光硬化型樹脂組成物からなる有機EL素子用接着剤もまた、本発明の1つである。
本発明の有機EL素子用接着剤の粘度としては特に限定されないが、好ましい下限は0.5Pa・s、好ましい上限は100Pa・sである。0.5Pa・s未満であると、粘度が低すぎて、例えば、本発明の有機EL素子用接着剤を用いて有機EL表示素子を製造する際に、基板表面に形成した接着剤層から本発明の有機EL素子用接着剤が流れる場合がある。100Pa・sを超えると、粘度が高すぎて、例えば、本発明の有機EL素子用接着剤を用いて有機EL表示素子を製造する際に、基板表面に接着剤層を形成したときにムラが生じる場合がある。より好ましい上限は1.0Pa・s、より好ましい上限は50Pa・sである。
本発明の有機EL素子用接着剤は、上述した本発明の光硬化型樹脂組成物からなるものであるため、本発明の有機EL素子用接着剤を基板同士の貼り付けや、有機EL素子の封止に用いることにより、耐湿性に優れた有機EL表示素子を得ることができる。このような、本発明の有機EL素子用接着剤を用いてなる有機EL表示素子もまた、本発明の1つである。
本発明の有機EL表示素子の製造方法としては特に限定されないが、例えば、本発明の有機EL素子用接着剤を介して、2枚の基板を用いて挟持することにより有機EL素子を封止する有機EL表示素子の製造方法であって、一方の基板上に上記有機EL素子用接着剤を塗布して、有機EL素子を封止する接着剤層を形成する接着剤層形成工程、上記接着剤層を介して上記一方の基板に他方の基板を重ね合わせる積層工程、及び、光照射して上記接着剤層を硬化させて上記有機EL素子を封止する光照射工程を有する方法が好適である。このような本発明の有機EL表示素子の製造方法もまた、本発明の1つである。
本発明の有機EL表示素子の製造方法は、本発明の有機EL素子用接着剤を介して、2枚の基板を用いて挟持することにより有機EL素子を封止するものである。
上記2枚の基板としては特に限定されず、例えば、従来から有機EL表示素子に用いられているガラス基板等が挙げられるが、上記2枚の基板のうちいずれか一方は、その表面に従来公知の方法により有機EL素子が形成された有機EL素子基板であることが好ましい。
本発明の有機EL表示素子の製造方法は、一方の基板上に本発明の有機EL素子用接着剤を塗布して、有機EL素子を封止する接着剤層を形成する接着剤層形成工程を有する。
上記一方の基板としては特に限定されず、上述したガラス基板、有機EL素子基板のいずれであってもよい。
上記一方の基板に有機EL素子用接着剤を塗布する方法としては特に限定はされず、例えば、例えばスクリーン印刷、ディスペンザー塗布、フレキソ印刷、グラビア印刷等の方法を用いることができる。
上記有機EL素子用接着剤の塗布は、形成する接着剤層の形状が有機EL素子を封止するものであれば特に限定されず、例えば、形成した接着剤層が有機EL素子を囲うように、又は、有機EL素子形成部分のみを覆うように上記一方の基板上に部分的に行ってもよいし、上記一方の基板上の全面に行ってもよい。
上記一方の基板表面に上記有機EL素子用接着剤を塗布し、形成する接着剤層の厚みとしては有機EL素子の大きさに合わせて適宜決定され特に限定はされないが、好ましい下限は0.1μm、好ましい上限は20μmである。0.1μm未満であると、上記有機EL素子を完全に封止できないことがあり、また、得られる有機EL表示素子の基板間を充分に接着させることができないことがある。20μmを超えると、得られる有機EL表示素子が分厚くなりすぎることがある。より好ましい下限は5μmである。
本発明の有機EL表示素子の製造方法は、上記接着剤層を介して上記一方の基板に他方の基板を重ね合わせる積層工程を有する。
上記他方の基板としては特に限定されないが、上記一方の基板がガラス基板である場合、有機EL素子基板等であることが好ましく、上記一方の基板が有機EL素子基板である場合、ガラス基板であることが好ましい。
本積層工程を行うことにより、上記一方の基板又は他方の基板上に形成された有機EL素子が本発明の有機EL素子用接着剤を介して、上記一方の基板及び他方の基板を用いて挟持される。
本発明の有機EL表示素子の製造方法は、光照射して上記接着剤層を硬化させて上記有機EL素子を封止する光照射工程を有する。
本発明の有機EL表示素子の製造方法において、上記光照射工程を行う順番としては特に限定されず、例えば、上述した接着剤層形成工程及び積層工程の後に行ってもよく、上述した接着剤層形成工程及び積層工程の前に行ってもよく、上述した接着剤層形成工程と積層工程との間に行ってもよく、更に、上述した接着剤層形成工程又は積層工程と同時に行ってもよい。
上記光照射工程を接着剤層形成工程及び積層工程の後、接着剤層形成工程と積層工程との間、又は、積層工程と同時に行う場合、本光照射工程では、上述した一方の基板上に形成した接着剤層に光を照射する。これに対して、上記光照射工程を接着剤層形成工程及び積層工程の前、又は、接着剤層形成工程と同時に行う場合、本光照射工程では、本発明の有機EL素子用接着剤に光を照射する。
本発明の有機EL表示素子の製造方法において、上記他方の基板が表面に有機EL素子が形成された有機EL素子基板である場合、上記光照射工程は、上述した接着剤層形成工程及び積層工程の前、上述した接着剤層形成工程と積層工程との間、又は、上述した接着剤層形成工程と同時に行うことが好ましい。すなわち、上記光照射工程は、上述した積層工程の前に行うことが好ましい。上記他方の基板が有機EL素子基板である場合に光照射工程を上記積層工程の前に行うことで、直接有機EL素子に光が照射されることがなく、有機EL素子が照射された光の影響を受けて劣化することがない。
更に、本発明の光硬化型樹脂組成物が反応遅延剤を含有する場合、本発明の有機EL素子用接着剤は、光照射後の可使時間及び硬化時間を制御することができるため、本光照射工程を上述した積層工程の前に行う方法を好適に用いることができる。
本光照射工程において、光照射の条件としては特に限定されず、上記有機EL素子用接着剤の組成、形成する接着剤層の形状及び厚さ等を考慮して適宜決定される。
上記光を照射するための光源としては特に限定されず、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、エキシマレーザ、ケミカルランプ、ブラックライトライプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、蛍光灯、太陽光、電子線照射装置等が挙げられる。これらの光源は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、これらの光源の使用際しては、例えば、光カットフィルター等を用いて、熱線や波長300nm未満の光を除去することが好ましい。
上記光源の上記光照射を行う対象への照射手段としては、例えば、各種光源の同時照射、時間差をおいての逐次照射、同時照射と逐次照射との組み合わせ照射等が挙げられ、いずれの手段を採ってもよい。
本光照射工程で光照射を行う対象である本発明の有機EL素子用接着剤又は接着剤層は、いずれも上述した本発明の光硬化型樹脂組成物からなるものであるため、本光照射工程を経ることで上記接着剤層を硬化させることができ、有機EL素子が硬化後の接着剤層と2枚の基板とにより封止された本発明の有機EL表示素子を製造することができる。なお、上記光照射工程を上記積層工程の前に行う場合、本発明の有機EL素子用接着剤又は接着剤層に光を照射した後、本発明の有機EL素子用接着剤の可使時間内に上記積層工程までを完了させる必要がある。
このような本発明の有機EL表示素子の製造方法により製造された有機EL表示素子は、有機EL素子等を封止する硬化後の接着剤層中に一定の範囲の粒子径を有し、かつ、特定の形状の微粒子無機フィラーを含有するため、水分を透過し難く耐湿性に優れたものとなる。
また、本発明の有機EL表示素子の製造方法においては、接着剤層を硬化させるに際して、上述した光照射と同時に加熱を行ってもよい。上記加熱硬化を併用する場合の加熱温度としては特に限定はされないが、好ましい下限は50℃、好ましい上限は100℃程度であり、より好ましい下限は60℃、より好ましい上限は80℃程度である。
本発明の有機EL表示素子の製造方法は、更に、2枚の基板を重ね合わせた後、接着剤層が硬化する前に、一方の基板と他方の基板との間隔が大きくなる方向に接着剤層を引き伸ばす工程を有することが好ましい。製造する有機EL表示素子の硬化後の接着剤層がより水分を透過し難くなり、より優れた耐湿性を有することとなるからである。これは以下の理由による。
すなわち、本発明の有機EL表示素子の製造方法において、接着剤層形成工程を経て作製された接着剤層に含有される板状の微粒子無機フィラーは、その板状面が任意の方向を向いた状態となっている。しかし、本工程を行うことで、上記微粒子無機フィラーの板状面は、上記一方の基板表面及び他方の基板表面に対して垂直な方向に揃うように配向され、その結果、製造する有機EL表示素子の硬化後の接着剤層は、非常に耐湿性に優れたものとなる。なお、上記微粒子無機フィラーの板状面とは、上述した板状の微粒子無機フィラーの長径(a)と短径(b)との両方を有する面を意味する。
また、本発明の有機EL素子用接着剤として、上記反応遅延剤を含有する本発明の光硬化性樹脂組成物からなるものを用いると、上記接着剤層形成工程を行う際は、本発明の有機EL素子用接着剤が低粘度で塗布作業を好適に行うことができ、基板間隔が大きくなる方向に接着剤層を引き伸ばす工程を行う際には、反応遅延剤の効果により徐々に粘度が上昇させることができるため、所望の粘度下で外力を加えることができ、好適である。
また、このような本発明の有機EL素子用接着剤を用いると、基板間隔が大きくなる方向に接着剤層を引き伸ばす際に、接着剤層が剥離を起こす、接着剤層の一部分のみが引き伸ばされる、等の問題が生じ難く、接着剤層を所望の程度に引き伸ばすことができ、好適である。
上記基板間隔が大きくなる方向に接着剤層を引き伸ばす方法としては特に限定はされず、例えば、Z軸方向(基板面と垂直な方向)アライメント機能付きのプレス装置等を用いて、積層工程を行った後に基板間隔を大きくする方向に基板同士を引き離す方法;積層工程と光照射工程とを経た後に、どちらか一方の基板をポンプ等の吸引力を有する装置を用いて基板間隔を大きくする方向に吸引して引き離す方法;積層工程において、一方の基板と他方の基板とを重ね合わせる場合の系の圧力に対して、重ね合わせ後の系の圧力を下げる方法等が挙げられる。
本工程において、上記基板間隔を大きくする方向に接着剤層を引き伸ばす際の接着剤層の粘度としては特に限定されないが、好ましい下限は50Pa・s、好ましい上限は1000Pa・sである。50Pa・s未満であると、上記微粒子無機フィラーの板状面の向きが基板表面に対して垂直な方向に向きにくく、1000Pa・sを超えると、粘度が高すぎて接着剤層の引き伸ばしを好適に行うことができない場合がある。
上記接着剤層を引き伸ばした後の接着剤層の厚みとしては特に限定はされないが、好ましい下限は初期の厚みの1.1倍であり、好ましい上限は初期の厚みの2.0倍である。1.1倍未満であると、微粒子無機フィラーの板状面の向きが基板表面に対して垂直な方向に向きにくく、2.0倍を超えると、引き伸ばされた部分の接着剤層の基板表面に対する平行方向の厚みが所望の厚みよりも薄くなってしまい、外気遮断効果が低下することがある。
上記接着剤層を基板間隔が大きくなる方向に引き伸ばした後に、接着剤層を硬化させることにより、本発明の有機EL表示素子を製造することができる。
このようにして製造した本発明の有機EL表示素子は、硬化後の接着剤層に含有される微粒子無機フィラーの板状面が基板表面と垂直な方向に配向された状態となるため、非常に耐湿性に優れたものとなる。
本発明によれば、水分を透過し難く耐湿性に優れ、有機エレクトロルミネッセンス素子を封止する封止剤として好適に用いることができる光硬化型樹脂組成物、及び、該光硬化型樹脂組成物を用いてなる有機エレクトロルミネッセンス素子用接着剤を提供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)光硬化型樹脂組成物の調製
カチオン重合性化合物として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名「エピコート830」、ジャパンエポキシレジン社製)80重量%、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂(商品名「エピクロンN−665」、大日本インキ化学工業社製)20重量%とからなる混合樹脂100重量部、カチオン重合開始剤として、アンチモン系重合開始剤(商品名「アデカオプトマー SP−170」、旭電化社製)3重量部、板状の微粒子無機フィラーとして、板状アルミナ40重量部、カップリング剤3重量部を、ホモディスパー型撹拌混合機(ホモディスパーL型、特殊機化社製)を用い、撹拌速度3000rpmで均一に撹拌混合して、光硬化型樹脂組成物を調製し、これを有機EL素子用接着剤とした。
なお、実施例1で用いた板状アルミナの平均粒子径をマイクロトラック法により測定したところ、5.5μmであった。また、板状アルミナの長径(a)と短径(b)との比(a/b)の平均値、及び、長径(a)と厚さ(c)との比(a/c)の平均値を走査電子顕微鏡により測定したところ、(a/b)の平均値は1.5であり、(a/c)の平均値は50であった。
(2)有機EL表示素子の製造
ガラス基板(25mm×25mm×0.7mm)にITO電極を1000Åの厚さで成膜したものを透明支持基板とした。この透明支持基板をアセトン、アルカリ水溶液、イオン交換水、イソプロピルアルコールにてそれぞれ15分間超音波洗浄した後、煮沸させたイソプロピルアルコールにて10分間洗浄し、更にUV−オゾンクリーナ(NL−UV253、日本レーザー電子社製)にて直前処理を行った。
次に、この透明支持基板を真空蒸着装置の基板フォルダに固定し、素焼きの坩堝にN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD)を200mg、他の異なる素焼き坩堝にトリス(8−ヒドロキシキノリラ)アルミニウム(Alq3)を200mg入れ、真空チャンバー内を、1×10−4Paまで減圧した。
その後、α−NPD入りの坩堝を加熱し、α−NPDを蒸着速度15Å/sで基板に堆積させ、膜厚600Åの正孔輸送層を成膜した。
次いで、Alq3の坩堝を加熱し、15Å/sの蒸着速度で膜厚600Åの発光層を形成した。
その後、透明支持基板を別の真空蒸着装置に移し、この真空蒸着装置内のタングステン製抵抗加熱ボートにフッ化リチウム200mg、別のタングステン製ボートにアルミニウム線1.0gを入れた。
そして、真空槽を2×10−4Paまで減圧してフッ化リチウムを0.2Å/sの蒸着速度で5Å成膜した後、アルミニウムを20Å/sの速度で1000Å成膜した。窒素により蒸着器内を常圧に戻し、透明支持基板を取り出して透明支持基板上に作製した有機EL素子基板を得た。
(1)で得られた有機EL素子用接着剤をガラス製背面板にディスペンサーにて周辺部分を塗布して接着剤層を形成し、窒素ガスを流通させたグローブボックス中で、(2)で得られた有機EL素子基板と有機EL素子用接着剤を塗布したガラス製背面板とを貼合わせた。
その後、素子部分を金属板でマスクした状態で、高圧水銀灯を用いて波長365nmの紫外線を照射量が2400mJ/cmとなるように接着剤層に照射し、有機EL表示素子を製造した。
(実施例2)
微粒子無機フィラーとして、板状アルミナ(平均粒径:10μm、(a/b)の平均値:2.0、(a/c)の平均値:100)を用いた以外は、実施例1と同様にして光硬化型樹脂組成物を調製し、更に、調製した光硬化型樹脂組成物を有機EL素子用接着剤として用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL表示素子を製造した。
(実施例3)
微粒子無機フィラーとして、板状アルミナ(平均粒径:10μm、(a/b)の平均値:2.0、(a/c)の平均値:100)を60重量部配合した以外は、実施例1と同様にして光硬化型樹脂組成物を調製し、更に、調製した光硬化型樹脂組成物を有機EL素子用接着剤として用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL表示素子を作製した。
(実施例4)
微粒子無機フィラーとして、板状タルク(平均粒径:7.4μm、(a/b)の平均値:10、(a/c)の平均値:25)を用いた以外は、実施例1と同様にして光硬化型樹脂組成物を調製し、更に、調製した光硬化型樹脂組成物を有機EL素子用接着剤として用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL表示素子を作製した。
(実施例5)
微粒子無機フィラーとして、板状タルク(平均粒径:7.4μm、(a/b)の平均値:10、(a/c)の平均値:25)を60重量部配合した以外は、実施例1と同様にして光硬化型樹脂組成物を調製し、更に、調製した光硬化型樹脂組成物を有機EL素子用接着剤として用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL表示素子を作製した。
(実施例6)
微粒子無機フィラーとして、板状タルク(平均粒径:25μm、(a/b)の平均値:5、(a/c)の平均値:35)を用いた以外は、実施例1と同様にして光硬化型樹脂組成物を調製し、更に、調製した光硬化型樹脂組成物を有機EL素子用接着剤として用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL表示素子を作製した。
(実施例7)
微粒子無機フィラーとして、板状タルク(平均粒径:25μm、(a/b)の平均値:5、(a/c)の平均値:35)を60重量部配合した以外は、実施例1と同様にして光硬化型樹脂組成物を調製し、更に、調製した光硬化型樹脂組成物を有機EL素子用接着剤として用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL表示素子を作製した。
(実施例8)
微粒子無機フィラーとして、板状マイカ(平均粒径:7.5μm、(a/b)の平均値:5、(a/c)の平均値:60)を用いた以外は、実施例1と同様にして光硬化型樹脂組成物を調製し、更に、調製した光硬化型樹脂組成物を有機EL素子用接着剤として用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL表示素子を作製した。
(実施例9)
微粒子無機フィラーとして、板状マイカ(平均粒径:22.5μm、(a/b)の平均値:2、(a/c)の平均値:80)を用いた以外は、実施例1と同様にして光硬化型樹脂組成物を調製し、更に、調製した光硬化型樹脂組成物を有機EL素子用接着剤として用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL表示素子を作製した。
(比較例1)
微粒子無機フィラーとして、球状シリカ(平均粒子径:1.0μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして光硬化型樹脂組成物を調製し、更に、調製した光硬化型樹脂組成物を有機EL素子用接着剤として用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL表示素子を作製した。
(比較例2)
微粒子無機フィラーとして、球状シリカ(平均粒子径:1.0μm)を60重量部配合した以外は、実施例1と同様にして光硬化型樹脂組成物を調製し、更に、調製した光硬化型樹脂組成物を有機EL素子用接着剤として用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL表示素子を作製した。
(比較例3)
微粒子無機フィラーとして、板状マイカ(平均粒子径:4μm、(a/b)の平均値:5、(a/c)の平均値:17.5)を用いた以外は、実施例1と同様にして光硬化型樹脂組成物を調製し、更に、調製した光硬化型樹脂組成物を有機EL素子用接着剤として用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL表示素子を作製した。
(比較例4)
微粒子無機フィラーとして、板状アルミナ(平均粒子径:0.65μm、(a/b)の平均値:5、(a/c)の平均値:10)を用いた以外は、実施例1と同様にして光硬化型樹脂組成物を調製し、更に、調製した光硬化型樹脂組成物を有機EL素子用接着剤として用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL表示素子を作製した。
(比較例5)
微粒子無機フィラーとして、タルク(平均粒径:22.5μm、(a/b)の平均値:2、(a/c)の平均値:8)を用いた以外は、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製し、更に、調製した光硬化型樹脂組成物を有機EL素子用接着剤として用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL表示素子を作製した。
(比較例6)
微粒子無機フィラーとして、ガラスファイバー(平均粒径:8.0μm、(a/b)の平均値:100、(a/c)の平均値:100)を用いた以外は、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製し、更に、調製した光硬化型樹脂組成物を有機EL素子用接着剤として用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL表示素子を作製した。
(評価)
(1)膜状硬化物の作製及びその耐湿性評価
実施例1〜9及び比較例1〜6で得られた光硬化型樹脂組成物を、充分に減圧脱泡(80℃、1Torr以下、1時間以上)を行った後、各光硬化型樹脂組成物をベーカー式アプリケーターにて薄く塗工し、超高圧水銀灯により、UVを2000mJ/cmとなるように照射し、その後80℃で30分養生し、膜状の硬化物を作製した。
作製した膜状の硬化物を用いて、耐湿性の評価として、JIS規格(JIS Z 0208)に従い、透湿度試験(85℃、85%、24h)を行い、膜厚100μm換算による透湿度を測定した。その結果を表1に示す。
(2)有機EL表示素子の評価
実施例1〜9及び比較例1〜6で得られた有機EL表示素子を温度60℃、湿度90%の条件下に100時間暴露した後、10Vの電圧を印加し、各有機EL表示素子の発光状態(発光及びダークスポット、並びに、ダークラインの有無)を目視で観察し、下記の基準で評価を行った。その結果を表1に示す。
◎:ダークスポット及びダークラインが全くなく、均一に発光
○:ダークスポット又はダークラインがわずかに見られるが、ほぼ均一に発光
△:ダークスポット又はダークラインが見られる。
×:ダークスポット及びダークラインが見られる。
Figure 2006291072
(実施例10)
反応遅延剤としてポリエチレングリコール(分子量約500)10重量部を加えた以外は実施例1と同様にして、光硬化型樹脂組成物を調製し、これを有機EL素子用接着剤とした。
得られた有機EL素子用接着剤をガラス製背面板にディスペンサーにて周辺部分を塗布して接着剤層を形成し、接着剤層を、高圧水銀灯を用いて波長365nmの紫外線を照射量が2400mJ/cmとなるように照射した。
その後、窒素ガスを流通させたグローブボックス中で、実施例1と同様にして得られた有機EL素子基板と、接着剤層を形成したガラス製背面板とを貼合わせた。
貼り合わせた後、3分後に、有機EL素子基板と接着剤層を形成したガラス製背面板との間隔を、約1.5倍程度になるよう、貼り合わせ装置を用いて引き離し、その後接着剤層を硬化させて有機EL表示素子を製造した。なお、表2に、有機EL素子基板と接着剤層を形成したガラス製背面板とを引き離す前後の基板間隔を示した。
(実施例11)
反応遅延剤としてポリエチレングリコール(分子量約500)10重量部を加えた以外は、実施例4と同様にして、光硬化性樹脂組成物を調製し、更に、調製した光硬化型樹脂組成物を有機EL素子用接着剤として用いた以外は、実施例10と同様にして、有機EL表示素子を製造した。なお、表2に、有機EL素子基板と接着剤層を形成したガラス製背面板とを引き離す前後の基板間隔を示した。
(実施例12)
反応遅延剤としてポリエチレングリコール(分子量約500)10重量部を加えた以外は実施例8と同様にして、光硬化性樹脂組成物を調製し、更に、調製した光硬化型樹脂組成物を有機EL素子用接着剤として用いた以外は、実施例10と同様にして、有機EL表示素子を製造した。なお、表2に、有機EL素子基板と接着剤層を形成したガラス製背面板とを引き離す前後の基板間隔を示した。
(参考例1)
実施例10と同様にして光硬化型樹脂組成物を調製し、更に、調製した光硬化型樹脂組成物を有機EL素子用接着剤として用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL表示素子を製造した。
(参考例2)
実施例11と同様にして光硬化型樹脂組成物を調製し、更に、調製した光硬化型樹脂組成物を有機EL素子用接着剤として用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL表示素子を製造した。
(参考例3)
実施例12と同様にして光硬化型樹脂組成物を調製し、更に、調製した光硬化型樹脂組成物を有機EL素子用接着剤として用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL表示素子を製造した。
(評価)
(有機EL表示素子の評価)
実施例10〜12及び参考例1〜3で得られた有機EL表示素子を温度60℃、湿度90%の条件下に100時間暴露した後、10Vの電圧を印加し、各有機EL表示素子の発光状態(発光及びダークスポット、並びに、ダークラインの有無)を目視で観察し、下記の基準で評価を行った。その結果を表2に示す。
◎:ダークスポット及びダークラインが全くなく、均一に発光
○:ダークスポット又はダークラインがわずかに見られるが、ほぼ均一に発光
△:ダークスポット又はダークラインが見られる。
×:ダークスポット及びダークラインが見られる。
Figure 2006291072
本発明によれば、水分を透過し難く耐湿性に優れ、有機エレクトロルミネッセンス素子を封止する封止剤として好適に用いることができる光硬化型樹脂組成物、及び、該光硬化型樹脂組成物を用いてなる有機エレクトロルミネッセンス素子用接着剤を提供することができる。
本発明における微粒子無機フィラーを説明する説明図である。

Claims (6)

  1. カチオン重合性化合物、光カチオン重合開始剤、及び、板状の微粒子無機フィラーを含有する光硬化型樹脂組成物であって、
    前記微粒子無機フィラーは、マイクロトラック法により測定した平均粒子径が5〜50μmであり、長径(a)と短径(b)との比(a/b)の平均値が10以下、かつ、長径(a)と厚さ(c)との比(a/c)の平均値が10以上である
    ことを特徴とする光硬化型樹脂組成物。
  2. 更に、反応遅延剤を含有することを特徴とする請求項1記載の光硬化型樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2記載の光硬化型樹脂組成物を用いてなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子用接着剤。
  4. 請求項3記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用接着剤を用いてなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示素子。
  5. 請求項3記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用接着剤を介して、2枚の基板を用いて挟持することにより有機エレクトロルミネッセンス素子を封止する有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法であって、
    一方の基板上に前記有機エレクトロルミネッセンス素子用接着剤を塗布して、有機エレクトロルミネッセンス素子を封止する接着剤層を形成する接着剤層形成工程、
    前記接着剤層を介して前記一方の基板に他方の基板を重ね合わせる積層工程、及び、
    光照射して前記接着剤層を硬化させて前記有機エレクトロルミネッセンス素子を封止する光照射工程を有する
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法。
  6. 更に、2枚の基板を重ね合わせた後、接着剤層が硬化する前に、一方の基板と他方の基板との間隔が大きくなる方向に接着剤層を引き伸ばす工程を有することを特徴とする請求項5記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法。
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