JP6527390B2 - 有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤 - Google Patents

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Description

本発明は、塗布性、及び、長期の耐湿性に優れる有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(以下、「有機EL」ともいう)表示素子は、互いに対向する一対の電極間に有機発光材料層が挟持された積層体構造を有し、この有機発光材料層に一方の電極から電子が注入されるとともに他方の電極から正孔が注入されることにより有機発光材料層内で電子と正孔とが結合して発光する。このように有機EL表示素子は自己発光を行うことから、バックライトを必要とする液晶表示素子等と比較して視認性がよく、薄型化が可能であり、しかも直流低電圧駆動が可能であるという利点を有している。
有機EL表示素子を構成する有機発光材料層や電極は、水分や酸素等により特性が劣化しやすいという問題がある。従って、実用的な有機EL表示素子を得るためには、有機発光材料層や電極を大気と遮断して長寿命化を図る必要がある。有機発光材料層や電極を大気と遮断する方法としては、封止剤を用いて有機EL表示素子を封止することが行われている(例えば、特許文献1)。有機EL表示素子を封止剤で封止する場合、通常、水分や酸素等の透過を充分に抑えるため、有機発光材料層を有する積層体上にパッシベーション膜と呼ばれる無機膜を設け、該無機膜上を封止剤で封止する方法が用いられている。
近年、有機発光材料層から発せられた光を、発光素子を形成した基板面側から取り出すボトムエミッション方式の有機EL表示素子に代わって、有機発光層の上面側から光を取り出すトップエミッション方式の有機EL表示素子が注目されている。この方式は、開口率が高く、低電圧駆動となることから、長寿命化に有利であるという利点がある。このようなトップエミッション方式の有機EL表示素子では、発光層の上面側が透明であることが必要であることから、発光素子の上面側に透明な封止樹脂を介してガラス等の透明防湿性基材を積層することにより封止している(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、このようなトップエミッション方式の有機EL表示素子では、光の取り出し方向を遮蔽してしまわないようにするために乾燥剤を配置するスペースがなく、充分な防湿効果が得られにくく寿命が短くなるという問題があった。
特開2007−115692号公報 特開2001−357973号公報
本発明は、塗布性、及び、長期の耐湿性に優れる有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤を提供することを目的とする。
本発明は、カチオン重合性化合物と、重合開始剤及び/又は硬化剤と、粉末状モレキュラーシーブとを含有し、上記粉末状モレキュラーシーブは、平均一次粒子径が0.1μm超、30μm以下であり、上記粉末状モレキュラーシーブは、細孔直径が0.3〜0.4nmであり、上記粉末状モレキュラーシーブの含有量が、上記カチオン重合性化合物100重量部に対して、5〜100重量部である有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、有機EL表示素子用封止剤の耐湿性(透湿防止性)を向上させるため、カチオン重合性化合物中に吸水性材料を配合することを試みた。しかしながら、化学吸着系の吸水性材料として通常用いられている酸化カルシウム等のアルカリ土類金属酸化物を用いた場合、該アルカリ土類金属酸化物の潮解により、硬化阻害やパネル剥がれを引き起こしたり、長期の耐湿性が充分に得られなかったりすることがあった。また、活性アルミナ等の物理吸着系の吸水性材料を用いた場合は、得られる有機EL表示素子用封止剤の塗布性が悪化することがあった。更に、吸水性樹脂としてポリアクリル酸塩やセルロース樹脂を用いることを検討したが、ポリアクリル酸塩は、一定量の吸水をするが、水分を放出しやすく、セルロース樹脂は、充分に吸水性が得られず、いずれも長期の耐湿性を確保できなかった。
そこで本発明者らは鋭意検討した結果、カチオン重合性化合物中に吸水性材料として細孔直径が特定の範囲である粉末状モレキュラーシーブを特定量配合することにより、優れたバリア性を発現できる有機EL表示素子用封止剤を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、粉末状モレキュラーシーブを含有する。
上記粉末状モレキュラーシーブを含有することにより、本発明の有機EL表示素子用封止剤が長期の耐湿性に優れるものとなる。また、モレキュラーシーブとして形状が粉末状のものを用いることにより、水分を効率よく吸着させることができる。
なお、上記「モレキュラーシーブ」は、一般的には分子篩のことであり、表面に無数の穴を持つ多孔質構造をとる天然の鉱物であるゼオライトのことを示しており、組成はアルカリ金属(Na、K)、アルカリ土類金属(Ca)を含み、水分子(HO)を結晶水として構造中にとり込んだ、アルミニウムの含水珪酸塩鉱物である。
上記粉末状モレキュラーシーブは、細孔直径が0.3〜0.4nmである。上記粉末状モレキュラーシーブの細孔直径がこの範囲であることにより、水分を効率よく吸着させることができる。
上記細孔直径が0.3〜0.4nmの粉末状モレキュラーシーブとしては、細孔直径0.3nmの3Aタイプ(例えば、東ソー社製、「ゼオラム A−3」)、細孔直径0.4nmの4Aタイプ(例えば、東ソー社製、「ゼオラム A−4」)を用いることができ、3Aタイプが好ましい。
なお、上記粉末状モレキュラーシーブとして、3Aタイプのものを用いることで、有効直径0.3nm未満の分子を吸着させることができ、4Aタイプのものを用いることで、有効直径0.4nm未満の分子を吸着させることができる。
上記粉末状モレキュラーシーブの細孔直径は平均細孔直径を意味し、ガス吸着法等によって測定することができる。
上記粉末状モレキュラーシーブの平均一次粒子径の好ましい下限は0.1μm、好ましい上限は30μmである。上記粉末状モレキュラーシーブの平均一次粒子径が0.1μm未満であると、得られる有機EL表示素子用封止剤が塗布性に劣るものとなることがある。上記粉末状モレキュラーシーブの平均一次粒子径が30μmを超えると、得られる有機EL表示素子用封止剤が耐湿性に劣るものとなることがある。上記粉末状モレキュラーシーブの平均一次粒子径のより好ましい下限は0.5μm、より好ましい上限は10μmである。
なお、上記粉末状モレキュラーシーブの平均一次粒子径は、動的光散乱式粒子径測定装置(大塚電子社製、「ELSZ−1000S」)等を用いて測定することができる。
上記粉末状モレキュラーシーブの含有量は、上記カチオン重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限が5重量部、好ましい上限が100重量部である。上記粉末状モレキュラーシーブの含有量が5重量部未満であると、得られる有機EL表示素子用封止剤の硬化物が耐湿性に劣るものとなることがある。上記粉末状モレキュラーシーブの含有量が100重量部を超えると、得られる有機EL表示素子用封止剤が塗布性に劣るものとなることがある。上記粉末状モレキュラーシーブの含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は80重量部である。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、カチオン重合性化合物を含有する。
上記カチオン重合性化合物の有するカチオン重合性基としては、例えば、エポキシ基、オキセタニル基、ビニルエーテル基等が挙げられる。なかでも、エポキシ基が好ましい。
また、本発明の有機EL表示素子用封止剤は、アウトガスの発生を抑制する観点から、上記カチオン重合性化合物として、下記式(1)で表される化合物及び/又は下記式(2)で表される化合物を含有することが好ましい。
Figure 0006527390
式(1)中、R〜R18は、水素原子、ハロゲン原子、又は、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭化水素基であり、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。Xは、結合手、酸素原子、炭素数1〜5のアルキレン基、オキシカルボニル基、炭素数2〜5のアルキレンオキシカルボニル基、又は、第二級アミノ基である。
Figure 0006527390
式(2)中、R19〜R21は、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数2〜10のアルキレン基であり、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。E〜Eは、それぞれ独立して下記式(3−1)又は下記式(3−2)で表される有機基を表す。
Figure 0006527390
式(3−1)中、R22は、水素原子又はメチル基である。
なかでも、上記カチオン重合性化合物として、下記式(4−1)で表される化合物、下記式(4−2)で表される化合物、及び、下記式(4−3)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
Figure 0006527390
上記カチオン重合性化合物のうち市販されているものとしては、例えば、セロキサイド8000、セロキサイド2021P(いずれもダイセル社製)、TEPIC−VL(日産化学社製)等が挙げられる。
上記カチオン重合性化合物は、後述する充填剤の分散性を高めることや得られる有機EL表示素子用封止剤の粘度を適度に調整すること等を目的として、上記式(1)で表される化合物及び上記式(2)で表される化合物以外の、その他のカチオン重合性化合物を含有してもよい。上記その他のカチオン重合性化合物としては、ビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂、ノボラック骨格を有するエポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、及び、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のエポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂がより好ましく、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が更に好ましい。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、重合開始剤及び/又は熱硬化剤を含有する。
上記重合開始剤としては、光照射によりプロトン酸又はルイス酸を発生する光カチオン重合開始剤や、加熱によりプロトン酸又はルイス酸を発生する熱カチオン重合開始剤が挙げられる。
上記光カチオン重合開始剤は、光照射によりプロトン酸又はルイス酸を発生するものであれば特に限定されず、イオン性光酸発生型であってもよいし、非イオン性光酸発生型であってもよい。
上記イオン性光酸発生型の光カチオン重合開始剤としては、例えば、アニオン部分がBF 、PF 、SbF 、又は、(BX(但し、Xは、少なくとも2つ以上のフッ素又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基を表す)で構成される、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族アンモニウム塩、又は、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)((1−メチルエチル)ベンゼン)−Fe塩等が挙げられる。
上記芳香族スルホニウム塩としては、例えば、ビス(4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル)スルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、ビス(4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル)スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル)スルフィドビステトラフルオロボレート、ビス(4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル)スルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル)スルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、ビス(4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル)スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル)スルフィドビステトラフルオロボレート、ビス(4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル)スルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
上記芳香族ヨードニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
上記芳香族ジアゾニウム塩としては、例えば、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、フェニルジアゾニウムテトラフルオロボレート、フェニルジアゾニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
上記芳香族アンモニウム塩としては、例えば、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムテトラフルオロボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
上記(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)((1−メチルエチル)ベンゼン)−Fe塩としては、例えば、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)((1−メチルエチル)ベンゼン)−Fe(II)ヘキサフルオロホスフェート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)((1−メチルエチル)ベンゼン)−Fe(II)ヘキサフルオロアンチモネート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)((1−メチルエチル)ベンゼン)−Fe(II)テトラフルオロボレート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)((1−メチルエチル)ベンゼン)−Fe(II)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
上記非イオン性光酸発生型の光カチオン重合開始剤としては、例えば、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドスホナート等が挙げられる。
上記光カチオン重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、DTS−200(みどり化学社製)、UVI6990、UVI6974(いずれもユニオンカーバイド社製)、SP−150、SP−170(いずれもADEKA社製)、FC−508、FC−512(いずれも3M社製)、IRGACURE261、IRGACURE290(いずれもBASF社製)、PI2074(ローディア社製)等が挙げられる。
上記熱カチオン重合開始剤としては、BF 、PF 、SbF 、又は、(BX(ただし、Xは、少なくとも2つ以上のフッ素若しくはトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基を表す)を対アニオンとする、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、第4級アンモニウム塩、ジアゾニウム塩、又は、ヨードニウム塩が好ましく、スルホニウム塩、第4級アンモニウム塩がより好ましい。
上記スルホニウム塩としては、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアーセネート、トリ(4−メトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアーセネート、ジフェニル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアーセネート等が挙げられる。
上記ホスホニウム塩としては、エチルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート、テトラブチルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。
上記第4級アンモニウム塩としては、例えば、ジメチルフェニル(4−メトキシベンジル)アンモニウムヘキサフルオロホスフェート、ジメチルフェニル(4−メトキシベンジル)アンモニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジメチルフェニル(4−メトキシベンジル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジメチルフェニル(4−メチルベンジル)アンモニウムヘキサフルオロヘキサフルオロホスフェート、ジメチルフェニル(4−メチルベンジル)アンモニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジメチルフェニル(4−メチルベンジル)アンモニウムヘキサフルオロテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、メチルフェニルジベンジルアンモニウム、メチルフェニルジベンジルアンモニウムヘキサフルオロアンチモネートヘキサフルオロホスフェート、メチルフェニルジベンジルアンモニウムトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェニルトリベンジルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジメチルフェニル(3,4−ジメチルベンジル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチル−N−ベンジルアニリニウムヘキサフルオロアンチモネート、N,N−ジエチル−N−ベンジルアニリニウムテトラフルオロボレート、N,N−ジメチル−N−ベンジルピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、N,N−ジエチル−N−ベンジルピリジニウムトリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。
上記熱カチオン重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、サンエイドSI−60、サンエイドSI−80、サンエイドSI−B3、サンエイドSI−B3A、サンエイドSI−B4(いずれも三新化学工業社製)、CXC1612、CXC1821(いずれもKing Industries社製)等が挙げられる。
上記光カチオン重合開始剤と上記熱カチオン重合開始剤との両方に記載されているものについては、上記光カチオン重合開始剤として用いることもでき、上記熱カチオン重合開始剤として用いることもできる。
上記重合開始剤の含有量は、上記カチオン重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限が0.01重量部、好ましい上限が10重量部である。上記重合開始剤の含有量が0.01重量部未満であると、重合が充分に進行しなかったり、硬化反応が遅くなりすぎたりすることがある。上記重合開始剤の含有量が10重量部を超えると、得られる有機EL表示素子用封止剤の硬化反応が速くなりすぎて、作業性が低下したり、得られる有機EL表示素子用封止剤の硬化物が不均一となったりすることがある。上記重合開始剤の含有量のより好ましい下限は0.05重量部、より好ましい上限は5重量部である。
上記熱硬化剤としては、例えば、ヒドラジド化合物、イミダゾール誘導体、酸無水物、ジシアンジアミド、グアニジン誘導体、変性脂肪族ポリアミン、各種アミンとエポキシ樹脂との付加生成物等が挙げられる。
上記ヒドラジド化合物としては、例えば、1,3−ビス(ヒドラジノカルボノエチル−5−イソプロピルヒダントイン)、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
上記イミダゾール誘導体としては、例えば、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、N−(2−(2−メチル−1−イミダゾリル)エチル)尿素、2,4−ジアミノ−6−(2’−メチルイミダゾリル−(1’))−エチル−s−トリアジン、N,N’−ビス(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)尿素、N,N’−(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)−アジポアミド、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
上記酸無水物としては、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、エチレングリコールービス(アンヒドロトリメリテート)等が挙げられる。
これらの熱硬化剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
上記熱硬化剤のうち市販されているものとしては、例えば、SDH(日本ファインケム社製)、ADH(大塚化学社製)、アミキュアVDH、アミキュアVDH−J、アミキュアUDH(いずれも味の素ファインテクノ社製)等が挙げられる。
上記熱硬化剤の含有量は、上記カチオン重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限が0.5重量部、好ましい上限が30重量部である。上記熱硬化剤の含有量が0.5重量部未満であると、得られる有機EL表示素子用封止剤に充分な熱硬化性を付与できないことがある。上記熱硬化剤の含有量が30重量部を超えると、得られる有機EL表示素子用封止剤の保存安定性が不充分となったり、得られる有機EL表示素子用封止剤の硬化物の耐湿性が悪くなったりすることがある。上記熱硬化剤の含有量のより好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は15重量部である。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、増感剤を含有してもよい。上記増感剤は、上記カチオン重合開始剤の重合開始効率をより向上させて、本発明の有機EL表示素子用封止剤の硬化反応をより促進させる役割を有する。
上記増感剤としては、例えば、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物や、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’メチルジフェニルサルファイド等が挙げられる。
上記増感剤の含有量は、上記カチオン重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限は0.05重量部、好ましい上限は3重量部である。上記増感剤の含有量が0.05重量部未満であると、増感効果が充分に得られないことがある。上記増感剤の含有量が3重量部を超えると、吸収が大きくなりすぎて深部まで光が伝わらないことがある。上記増感剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は1重量部である。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、接着性を向上させること等を目的として、本発明の目的を阻害しない範囲において、上記粉末状モレキュラーシーブに加えて充填剤を含有してもよい。
上記充填剤としては、例えば、シリカ、タルク、アルミナ、石綿、石膏、マイカ、セリサイト、活性白土、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、モンモリロナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、窒化珪素、窒化アルミニウム、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ガラスビーズ等の無機フィラーや、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等の有機フィラー等が挙げられる。なかでも、耐湿性を向上させる効果に優れることから、タルクが好ましい。
上記充填剤の含有量は、上記カチオン重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限が5重量部、好ましい上限が100重量部である。上記充填剤の含有量が5重量部未満であると、接着性を向上させる等の効果が充分に発揮されないことがある。上記充填剤の含有量が100重量部を超えると、得られる有機EL表示素子封止剤が塗布性に劣るものとなることがある。上記充填剤の含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は80重量部である。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、シランカップリング剤を含有してもよい。上記シランカップリング剤は、本発明の有機EL表示素子用封止剤と基板等との接着性を向上させる役割を有する。
上記シランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記シランカップリング剤の含有量は、上記カチオン重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が10重量部である。上記シランカップリング剤の含有量が0.1重量部未満であると、得られる有機EL表示素子用封止剤の接着性を向上させる効果が充分に発揮されないことがある。上記シランカップリング剤の含有量が10重量部を超えると、余剰のシランカップリング剤がブリードアウトすることがある。上記シランカップリング剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は5重量部である。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、本発明の目的を阻害しない範囲において、表面改質剤を含有してもよい。上記表面改質剤を含有することにより、本発明の有機EL表示素子用封止剤の塗膜の平坦性を向上させることができる。
上記表面改質剤としては、例えば、界面活性剤やレベリング剤等が挙げられる。
上記界面活性剤や上記レベリング剤としては、例えば、シリコン系、アクリル系、フッ素系等のものが挙げられる。
上記界面活性剤や上記レベリング剤のうち市販されているものとしては、例えば、BYK−345、BYK−340(いずれもビックケミー・ジャパン社製)、サーフロンS−611(AGCセイミケミカル社製)等が挙げられる。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、本発明の目的を阻害しない範囲で、素子電極の耐久性を向上させるために、封止剤中に発生した酸と反応する化合物又はイオン交換樹脂を含有してもよい。
上記発生した酸と反応する化合物としては、酸と中和する物質、例えば、アルカリ金属の炭酸塩若しくは炭酸水素塩、又は、アルカリ土類金属の炭酸塩若しくは炭酸水素塩等が挙げられる。具体的には例えば、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が用いられる。
上記イオン交換樹脂としては、陽イオン交換型、陰イオン交換型、両イオン交換型のいずれも使用することができるが、特に塩化物イオンを吸着することのできる陽イオン交換型又は両イオン交換型が好適である。
また、本発明の有機EL表示素子用封止剤は、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて、硬化遅延剤、補強剤、軟化剤、可塑剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の公知の各種添加剤を含有してもよい。
本発明の有機EL表示素子用封止剤を製造する方法としては、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて、カチオン重合性化合物と、重合開始剤及び/又は熱硬化剤と、粉末状モレキュラーシーブと、必要に応じて添加する添加剤とを混合する方法等が挙げられる。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、E型粘度計を用いて、25℃、2.5rpmの条件で測定した全体の粘度の好ましい下限が10万mPa・s、好ましい上限が40万mPa・sである。上記粘度がこの範囲外であると、得られる有機EL表示素子用封止剤が塗布性に劣るものとなったり、組成ムラが発生して硬化物が透明性に劣るものとなったりすることがある。
特に、本発明の有機EL表示素子用封止剤を有機EL表示素子の周辺部の封止に用いる場合、上記粘度の好ましい下限は20万mPa・sである。
本発明の有機EL表示素子用封止剤は、E型粘度計を用いて25℃、1rpmの条件で測定した粘度を、E型粘度計を用いて25℃、5rpmの条件で測定した粘度で除した値であるチクソトロピックインデックスの好ましい下限が1、好ましい上限が5である。上記チクソトロピックインデックスが5を超えると、得られる有機EL表示素子用封止剤が塗布性に劣るものとなったり、塗布に用いた部材の洗浄性が悪くなったりすることがある。上記チクソトロピックインデックスのより好ましい上限は3.5である。
塗布により形成される本発明の有機EL表示素子用封止剤の封止部の形状としては、有機発光材料層を有する積層体を外気から保護しうる形状であれば特に限定されず、該積層体を完全に被覆する形状であってもよいし、該積層体の周辺部に閉じたパターンを形成してもよいし、該積層体の周辺部に一部開口部を設けた形状のパターンを形成してもよいが、該積層体の周辺部の封止に好適に用いることができる。
本発明によれば、塗布性、及び、長期の耐湿性に優れる有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
カチオン重合性化合物として、エポキシノボラック樹脂(ダウ・ケミカル社製「D.E.N.431」)65重量部、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、「EPICLON EXA−830LVP」)20重量部、及び、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC社製、「EPICLON HP−7200」)15重量部に、光カチオン重合開始剤として芳香族スルホニウム塩(みどり化学社製、「DTS−200」)1重量部を添加し、80℃で1時間加熱溶解した。その後、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、「KBM−403」)1.5重量部、充填剤としてタルク(日本タルク社製、「NANO ACE D−600」)30重量部、吸水性材料として粉末状モレキュラーシーブ(東ソー社製、「ゼオラム A−3」(細孔直径:0.3nm))20重量部を添加し、撹拌混合機(シンキー社製、「AR−250」)を用い、撹拌速度3000rpmで均一に撹拌混合して、有機EL表示素子用封止剤を作製した。
(実施例2〜7、比較例1〜5)
表1に記載された各材料を、表1に記載された配合比に従い、実施例1と同様にして撹拌混合して、実施例2〜7、比較例1〜5の有機EL表示素子用封止剤を作製した。
<評価>
実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤について、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)粘度及びチクソトロピックインデックス
実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤について、E型粘度計(東機産業社製、「VISCOMETER TV−22」)を用いて、25℃2.5rpmの条件における粘度を測定した。
また、25℃、1rpmの条件、及び、25℃、5rpmの条件で粘度を測定し、チクソトロピックインデックスを導出した。
(2)塗布性
ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)を用い、ディスペンスノズルを400μm、ノズルギャップを30μm、塗出圧を300kPaに固定し、ガラス基板上に実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤を塗布した。かすれやダレがなく塗布できた場合を「◎」、わずかにかすれやダレが生じた場合を「○」、塗布切れはないが大きなかすれやダレが生じた場合を「△」、塗布切れが生じたり、全く塗布できなかったりした場合を「×」として塗布性を評価した。
(3)硬化物の吸湿性
実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤を200μmの厚さとなるように、ベーカー式アプリケーター(テスター産業社製)にて恒温プレート上に塗布した。その後高圧水銀灯にて3000mJ/cm(365nm)の光を照射した後、80℃にて30分加熱しフィルムを得た。得られたフィルムの重量を測定し、85℃、85%RHの条件に24時間暴露して測定した。その後、高温高湿条件下に投入前の重量の比較において吸水率を計算した。その結果、吸水率が7重量%以上であった場合を「◎」、5重量%以上7重量%未満であった場合を「○」、2重量%以上5重量%未満であった場合を「△」、2重量%未満であった場合を「×」として硬化物の吸湿性を評価した。
(4)有機EL表示素子の信頼性
(有機発光材料層を有する積層体が配置された基板の作製)
ガラス基板(長さ25mm、幅25mm、厚さ0.7mm)にITO電極を1000Åの厚さで成膜したものを基板とした。上記基板をアセトン、アルカリ水溶液、イオン交換水、イソプロピルアルコールにてそれぞれ15分間超音波洗浄した後、煮沸させたイソプロピルアルコールにて10分間洗浄し、更に、UV−オゾンクリーナ(日本レーザー電子社製、「NL−UV253」)にて直前処理を行った。
次に、この基板を真空蒸着装置の基板フォルダに固定し、素焼きの坩堝にN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD)を200mg、他の異なる素焼き坩堝にトリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(Alq)を200mg入れ、真空チャンバー内を、1×10−4Paまで減圧した。その後、α−NPDの入った坩堝を加熱し、α−NPDを蒸着速度15Å/sで基板に堆積させ、膜厚600Åの正孔輸送層を成膜した。次いで、Alqの入った坩堝を加熱し、15Å/sの蒸着速度で膜厚600Åの有機発光材料層を成膜した。その後、正孔輸送層及び有機発光材料層が形成された基板を別の真空蒸着装置に移し、この真空蒸着装置内のタングステン製抵抗加熱ボートにフッ化リチウム200mgを、別のタングステン製ボートにアルミニウム線1.0gを入れた。その後、真空蒸着装置の蒸着器内を2×10−4Paまで減圧してフッ化リチウムを0.2Å/sの蒸着速度で5Å成膜した後、アルミニウムを20Å/sの速度で1000Å成膜した。窒素により蒸着器内を常圧に戻し、10mm×10mmの有機発光材料層を有する積層体が配置された基板を取り出した。
(無機材料膜Aによる被覆)
得られた積層体が配置された基板の、該積層体全体を覆うように、13mm×13mmの開口部を有するマスクを設置し、プラズマCVD法にて無機材料膜Aを形成した。
プラズマCVD法は、原料ガスとしてSiHガス及び窒素ガスを用い、各々の流量を10sccm及び200sccmとし、RFパワーを10W(周波数2.45GHz)、チャンバー内温度を100℃、チャンバー内圧力を0.9Torrとする条件で行った。
形成された無機材料膜Aの厚さは、約1μmであった。
(樹脂保護膜の形成)
真空装置内に、無機材料膜Aで被覆された積層体が配置された基板を設置し、真空装置の中に設置された加熱ボートに実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤を0.5g入れ、10Paに減圧して、積層体を含む11mm×11mmの四角形の部分に、有機EL表示素子用封止剤を200℃にて加熱し、厚さが0.5μmになるように真空蒸着を行った。その後、真空環境下で高圧水銀灯を用いて波長365nmの紫外線を照射量が3000mJ/cmとなるように照射して、有機EL表示素子用封止剤を硬化させて樹脂保護膜を形成した。
なお、実施例7で得られた有機EL表示素子用封止剤は、紫外線の照射に代えて、100℃にて30分加熱することにより硬化させて樹脂保護膜を形成した。
(無機材料膜Bによる被覆)
樹脂保護膜を形成した後、該樹脂保護膜の全体を覆うように、12mm×12mmの開口部を有するマスクを設置し、プラズマCVD法にて無機材料膜Bを形成して有機EL表示素子を得た。
プラズマCVD法は、原料ガスとしてSiHガス及び窒素ガスを用い、各々の流量をSiHガス10sccm、窒素ガス200sccmとし、RFパワーを10W(周波数2.45GHz)、チャンバー内温度を100℃、チャンバー内圧力を0.9Torrとする条件で行った。
形成された無機材料膜Bの厚さは、約1μmであった。
有機EL表示素子としては、後述する「(パネルの接着状態の観察)」に用いるもの及び「(有機EL表示素子の発光状態の観察)」に用いるものをそれぞれ作製した。
(パネルの接着状態の観察)
得られた有機EL表示素子を、85℃、85%RHの環境下に500時間暴露した後のパネルの接着状態を目視にて観察した。パネル剥がれがなかった場合を「○」、パネル剥がれが一部確認された場合を「△」、パネル剥がれが大部分から確認された場合を「×」としてパネルの接着性を評価した。
(有機EL表示素子の発光状態の観察)
得られた有機EL表示素子を、温度85℃、湿度85%の環境下で100時間暴露した後、3Vの電圧を印加し、有機EL表示素子の発光状態(ダークスポット及び画素周辺消光の有無)を目視で観察した。ダークスポットや周辺消光が無く均一に発光した場合を「○」、ダークスポットや周辺消光が認められた場合を「△」、非発光部が著しく拡大した場合を「×」として有機EL表示素子の表示性能を評価した。
Figure 0006527390
本発明によれば、塗布性、及び、長期の耐湿性に優れる有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤を提供することができる。

Claims (3)

  1. カチオン重合性化合物と、重合開始剤及び/又は硬化剤と、粉末状モレキュラーシーブとを含有し、
    前記粉末状モレキュラーシーブは、平均一次粒子径が0.1μm超、30μm以下であり、
    前記粉末状モレキュラーシーブは、細孔直径が0.3〜0.4nmであり、
    前記粉末状モレキュラーシーブの含有量が、前記カチオン重合性化合物100重量部に対して、5〜100重量部である
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
  2. E型粘度計を用いて、25℃、2.5rpmの条件で測定した粘度が10万〜40万mPa・sであることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
  3. E型粘度計を用いて25℃、1rpmの条件で測定した粘度を、E型粘度計を用いて25℃、5rpmの条件で測定した粘度で除した値であるチクソトロピックインデックスが1〜5であることを特徴とする請求項1又は2記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
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