JP2006290206A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ヒステリシスの影響が排除された正確なトルク検出値に基づいて操舵を補助することができる電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】 車両の走行中に、舵角センサ5の操舵角検出値に基づいて、ステアリングホイール30が回転している場合にステアリングホイール30の操舵角が所定操舵角0°を通過したか否かを判定し、右回転及び左回転夫々において所定操舵角0°を通過したときのトルクセンサ4のトルク検出値に基づいて補償値を算出し、算出した補償値に基づいてトルクセンサ4のトルク検出値を補正し、補正されたトルク検出値に基づいてモータ6を駆動制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、操舵部材に加えられる操舵トルクの検出結果に基づいて駆動制御されるモータの回転力により操舵を補助する電動パワーステアリング装置に関する。
操舵部材(ステアリングホイール)の回転操作に応じて操舵補助用のモータを駆動し、該モータの回転力を操舵機構に加えて操舵を補助する電動パワーステアリング装置においては、操舵補助用のモータの駆動制御に用いるべく操舵部材に加えられる操舵トルクを検出する必要があり、この検出のために従来から、操舵部材と操舵機構とを連絡するステアリング軸の中途に設けられたトルクセンサが用いられている。
ところで、電動パワーステアリング装置が操舵機構に良好な操舵を行なわせるためには、トルクセンサの検出値が実際の操舵トルクに対応していることが必要である。実際の操舵トルクに対応する正確なトルクセンサの検出値に基づいて操舵を補助する場合、電動パワーステアリング装置による操舵補助の精度、及び運転者の操舵フィーリングが向上される。
しかしながら、トルクセンサの検出値には、操舵部材、トルクセンサ、操舵機構等の操舵系に生じる機械的な摩擦抵抗が外乱として含まれるため、操舵部材を左から右へ操舵する場合(以下、右回転時という)に検出されるトルクセンサの検出値と、右から左へ操舵する場合(以下、左回転時という)に検出されるトルクセンサの検出値とが異なる現象(ヒステリシス)が生じる。
このようなヒステリシスの影響を排除して、実際の操舵トルクに対応する正確なトルクセンサの検出値を求め得るように、電動パワーステアリング装置を生産工場で製造、検査する場合、又は販売業者で修理、交換する場合にトルク補正値を求めておき、求めておいたトルク補正値に基づいてトルクセンサの検出値を補正する電動パワーステアリング装置が提案されている(特許文献1参照)。この特許文献1では、操舵部材を操舵方向の中立位置に静止保持した状態から、操舵部材を交互に反転しながら微小回転運動させることによって、摩擦抵抗に起因して発生するトルクを“0”に減少させ、この状態でのトルクセンサの検出値をトルク補正値として求めている。
特開2004−276815号公報
しかしながら、操舵系に生じる機械的な摩擦抵抗は一定ではなく、例えば電動パワーステアリング装置を搭載している車両の使用状況、時間経過等によって変化する。このため、予め求めておいたトルク補正値に基づいて補正されたトルクセンサの検出値は、摩擦抵抗の変化に伴って、実際の操舵トルクに対応しなくなり、このため電動パワーステアリング装置による操舵補助の精度が低下し、運転者の操舵フィーリングが悪化するという問題があった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、ヒステリシスの経時的な変化を含めた影響が排除された正確なトルク検出値に基づいて操舵を補助することができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
第1発明に係る電動パワーステアリング装置は、操舵部材に加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサを備え、該トルクセンサのトルク検出値に基づいて操舵補助用のモータを駆動制御する電動パワーステアリング装置において、前記操舵部材の回転方向を判定する回転判定手段と、前記操舵部材による操舵中に、前記操舵部材の操舵角が所定操舵角を通過したか否かを判定する通過判定手段と、該通過判定手段が前記所定操舵角を通過したと判定した場合の前記回転判定手段が判定した回転方向及び前記トルクセンサのトルク検出値に基づいて、前記トルクセンサのトルク検出値のヒステリシスによる誤差を補償するためのヒステリシス補償値を算出する算出手段と、該算出手段が算出したヒステリシス補償値に基づいて、前記トルクセンサのトルク検出値を補正する補正手段とを備えることを特徴とする。
第2発明に係る電動パワーステアリング装置は、前記操舵角を検出する舵角センサを備え、該舵角センサの操舵角検出値に基づいて、前記通過判定手段が判定を行なうようにしてあることを特徴とする。
第1発明の電動パワーステアリング装置によれば、例えば操舵部材が右回転している場合に操舵部材の操舵角が操舵角中点を通過したときのトルクセンサのトルク検出値と左回転している場合に操舵角中点を通過したときのトルク検出値とを用い、これら2つのトルク検出値が一致するようなヒステリシス補償値を算出し、算出したヒステリシス補償値に基づいてトルクセンサのトルク検出値を補正する。これら2つのトルク検出値は車両の走行中に容易に求められる。このため、例えば車両の使用状況、時間経過等によって、操舵部材、トルクセンサ、操舵機構等の操舵系に生じる機械的な摩擦抵抗が変化した場合でも、予め求めてあったヒステリシス補償値ではなく、車両の走行中に新たに求めたヒステリシス補償値に基づいて、実際の操舵トルクに対応する正確なトルク検出値を求めることができる。
第2発明の電動パワーステアリング装置によれば、舵角センサの操舵角検出値に基づいて、操舵部材の操舵角が所定操舵角を通過したか否かを正確に判定することができる。このため、操舵中に変化する操舵角が所定操舵角を通過したタイミングを正確に求めることができ、ひいては、このタイミングにおける操舵部材の回転方向及びトルクセンサのトルク検出値に基づいて、高精度のヒステリシス補償値を求めることができる。
以下、本発明を、その実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る電動パワーステアリング装置の構成を示す模式図である。なお、本図においては、ラックピニオン式の操舵機構を備える車両への適用例が示されているが、本発明は、ボールねじ式の操舵機構等、他の形式の操舵機構を備える車両への適用も可能であることは言うまでもない。
ラックピニオン式の操舵機構は、図示しない車体の左右方向に延設されたラックハウジング10の内部に軸長方向への移動自在に支持されたラック軸1と、ラックハウジング10の中途に交差するピニオンハウジング20の内部に回転自在に支持されたピニオン軸2とを備えてなり、ラックハウジング10の両側外部に突出するラック軸1の両端を各別のタイロッド11,11を介して左右の操舵用の車輪(一般的には前輪)12,12に連結し、また、ピニオンハウジング20の外部に突出するピニオン軸2の上端を、中間軸3a及びステアリング軸3を介して操舵部材としてのステアリングホイール30に連結してなる公知の構成を有している。
ピニオンハウジング20の内部に延びるピニオン軸2の下部には、図示しないピニオンが形成されており、該ピニオンは、ラックハウジング10との交叉部において、ラック軸1の外面に適長に亘って形成されたラック歯に噛合させてある。また、ステアリング軸3は、筒形をなすコラムハウジング31の内部に回転自在に支持され、コラムハウジング31を介して図示しない車室の内部に、前方を下とした傾斜姿勢を保って固定されており、コラムハウジング31の下方への突出端に中間軸3aを介してピニオン軸2が連結され、同じく上方への突出端にステアリングホイール30が同軸をなして固設されている。
以上の構成により、操舵のためにステアリングホイール30が回転操作された場合、この回転がステアリング軸3を介してピニオン軸2に伝達され、ピニオン軸2の回転が、ピニオンとラック歯との噛合部においてラック軸1の軸長方向の移動に変換されることとなり、この移動により、左右の操舵用の車輪12,12が各別のタイロッド11,11を介して押し引きされて操舵が行なわれる。
更に、ステアリング軸3を支持するコラムハウジング31の中途には、ステアリングホイール30の回転操作によりステアリング軸3に加わる操舵トルクを検出するトルクセンサ4と、トルクセンサ4よりも上位置に配され、ステアリングホイール30の回転操作量を示す操舵角を検出する舵角センサ5とが並設されており、これらよりも下位置に、操舵補助用のモータ6が取り付けてある。
トルクセンサ4は、検出対象となるステアリング軸3を上下の2軸に分割し、これら2軸を、捩れ特性が既知のトーションバーにより同軸上に連結して、操舵トルクの作用によるトーションバーの捩れを伴って前記2軸間に生じる相対角変位を適宜の手段により検出する構成となっている。
舵角センサ5は、例えば、ステアリング軸3と同軸をなし、ステアリング軸3の回転に応じて軸長方向へ移動自在に支持されている円筒形の図示しない移動筒の端面に対向するようにコラムハウジング31に取り付けられており、前記移動筒の端面に光を照射し、該端面からの反射光を捉えて、受光レベルに応じた出力を発する光センサにより構成されている。光センサの出力は、ステアリング軸3の軸長方向へ移動する移動筒の移動位置、ひいてはステアリング軸3の回転位置に対応する。このため、光センサの出力は、ステアリングホイール30の回転操作量を示す操舵角に対応する操舵角検出値θとして用いられる。
また、操舵補助用のモータ6は、コラムハウジング31の外側に軸芯を略直交させて取り付けてあり、例えば、コラムハウジング31の内部に延びる出力端に固着されたウォームをステアリング軸3に外嵌固定されたウォームホイールに噛合させ、モータ6の回転が、ウォーム及びウォームホイールにより減速してステアリング軸3に伝えられるように伝動構成されている。この構成によれば、操舵補助用のモータ6の回転は、ステアリング軸3に減速伝動され、ステアリング軸3の下端に連設されたピニオン軸2に回転力が付与されることとなり、この回転に応じて前述の如く行なわれる操舵が補助される。
なお、操舵補助用のモータ6の取り付け位置は、図示の位置に限らず、操舵トルクの検出がなされるトルクセンサ4よりも下であれば、ステアリング軸3、ピニオン軸2又はラック軸1に伝動構成して適宜の位置に取り付けることができる。ただし、ラック軸1に伝動構成する場合、モータ6の回転をラック軸1の軸長方向の移動に変換する運動変換手段が必要であることは言うまでもない。
操舵補助用のモータ6は、アシスト制御部7から駆動回路61を介して与えられる動作指令に従って駆動され、また、モータ電流が電流検出回路62によって検出される。アシスト制御部7には、トルクセンサ4のトルク検出値、舵角センサ5の操舵角検出値、電流検出回路62の電流検出値、及び、車両に配した車速センサ8の車速検出値が夫々適宜のサンプリング周期で入力されている。
アシスト制御部7は、トルクセンサ4のトルク検出値を用いてステアリング軸3に加わる操舵トルクを算出し、この算出結果と、車速センサ8から与えられる車速の検出結果とを、車速に応じて複数準備されている制御マップに適用して、必要な操舵補助力を決定し、この操舵補助力を発生すべくモータ6に動作指令を発し、モータ6を駆動制御するアシスト制御動作を行なう。なお、車両の横加速度、ヨーレート等の走行状態を検出し、この検出結果を、決定された操舵補助力の補正に用いてもよい。このようなアシスト制御動作については従来から種々の提案がなされており、アシスト制御部7は、これらのアシスト制御動作を適宜に実施する。
トルクセンサ4のトルク検出値は、ヒステリシスの経時的な変化を含めた影響による誤差を含んでいる。本発明に係る電動パワーステアリング装置の特徴は、ヒステリシスによる誤差を補償するためのヒステリシス補償値(以下、補償値という)を算出する補償値算出処理(図4〜図5参照)、及び補償値算出処理にて算出された補償値に基づいて、トルクセンサ4のトルク検出値を補正するトルク補正処理(図6参照)にある。
図2は、アシスト制御部7の構成を示すブロック図である。アシスト制御部7は、内部バス7aにより相互に接続されたCPU70、ROM71、RAM72及びEEPROM73を備え、RAM72を作業領域として用いてROM71に記憶された制御手順に従うCPU70の動作により前述したアシスト制御動作を行なう電子制御ユニット(ECU)として構成されている。
ROM71には、補償値算出処理及びトルク補正処理を含む各種の処理手順がコンピュータプログラムとして記憶してある。また、このアシスト制御動作に用いる各種の定数、並びに以下に示す補償値算出処理及びトルク補正処理夫々に用いる定数及び初期値(例えば後述する各種上限値、補償値Y0 の初期値)は外部からの書き込みによりEEPROM73に記憶される。更に、補償値算出処理及びトルク補正処理夫々にて算出される算出結果は、CPU70の書き込みによりEEPROM73に記憶される。
アシスト制御部7は、モータ6に係る駆動回路61及び電流検出回路62を更に備えており、CPU70に制御された駆動回路61が動作指令をモータ6へ出力し、また、電流検出回路62がモータ電流を検出する。トルクセンサ4、舵角センサ5、及び車速センサ8の各検出値は、入力インタフェース4a,5a,8aを介してアシスト制御部7に入力されている。
図3は、ステアリングホイール30に係る操舵トルクとトルクセンサ4のトルク検出値との関係を示す特性図である。図中の横軸は、ステアリングホイール30が回転操作されることによって入力されるトルク、即ちステアリング軸3に加わる操舵トルクT[Nm]を示し、縦軸は、トルクセンサ4のトルク検出値Y[V]である。なお、トルク検出値Yの単位は[mA]でもよい。
本実施の形態におけるステアリングホイール30の操舵角は、中立位置を操舵角0°とし、中立位置より右回転方向側を“+”として、中立位置より左回転方向側を“−”とする。また、操舵トルクは、ステアリングホイール30の中立位置における操舵トルクを“0”とし、中立位置より右回転方向側における操舵トルクを“+”として、中立位置より左回転方向側における操舵トルクを“−”とする。更に、本実施の形態においては、操舵角0°に対応する舵角センサ5の操舵角検出値をθG とし、舵角センサ5の操舵角検出値θは、操舵角>0°の場合はθG 超過の値、操舵角<0°の場合はθG 未満の値とする。
図3に示すように、ステアリングホイール30の右回転(右切り)時、即ち操舵角の増加時は、操舵トルクTの増加に伴ってトルク検出値Yが増加し、左回転(左切り)時、即ち操舵角の減少時は、操舵トルクTの減少に伴ってトルク検出値Yが減少する。ここで、右回転時に検出されるトルク検出値YR と、左回転時に検出されるトルク検出値YL とは、ヒステリシスにより一致しない。つまり、端当て(右回転及び左回転の限界)を除き、ステアリング軸3に加わる操舵トルクTに対して、2個のトルク検出値YR ,YL が得られる。本図では、YL >YR >0の場合を例示している。ステアリングホイール30、トルクセンサ4、操舵機構等の操舵系に生じる機械的な摩擦抵抗は、操舵角の大小によらず略一定であるため、ヒステリシス幅YLR=YL −YR は、操舵角の大小によらず略一定である。
所定操舵角0°におけるヒステリシス幅の中点YG は、所定操舵角0°における実際の操舵トルクに対応する正確なトルク検出値である。本実施の形態においては、補償値Y0 を、所定操舵角0°におけるヒステリシス幅の中点YG に基づいて設定する。所定操舵角0°における右回転時のトルク検出値をY1 、及び所定操舵角0°における左回転時のトルク検出値をY2 とすると、所定操舵角0°におけるヒステリシス幅Y21及び補償値Y0 は、次の式に従って求められる。
21=Y2 −Y1 (1)
0 =Y2 −YG =YG −Y1 =Y21/2 (2)
ただしYG =(Y1 +Y2 )/2
ヒステリシス幅YLR=Y21であるため、同一の操舵角における右回転時のトルク検出値YR1と左回転時のトルク検出値YL2とが得られた場合、次の式が成立する。
L2−Y0 =Y0 −YR1 (3)
以上のことから、ヒステリシスの経時的な変化を含めた影響を排除した正確なトルク検出値は、数式(2)に従って求められた補償値Y0 の値に基づいてトルクセンサ4のトルク検出値Yinを補正することによって排除される。右回転時のトルク検出値YRin が得られたとき、及び左回転時のトルク検出値YLin が得られたとき、トルク検出値YRin ,YLin を補償値Y0 で補正してなる補正トルク検出値Yout は、夫々以下の式に従って求められる。
out =YLin −Y0 (4)
out =YRin +Y0 (5)
補償値Y0 の初期値は、例えば特許文献1に示されるような手順で車両の製造時に求められ、予めEEPROM73に記憶される。
なお、補償値Y0 を求める際に用いられる所定操舵角は0°以外でもよい。また、所定操舵角0°におけるヒステリシス幅Y21を複数回算出し、算出結果の平均値に基づいて補償値Y0 を算出してもよく、更に、複数の所定操舵角におけるヒステリシス幅を夫々算出し、算出結果の平均値に基づいて補償値Y0 を算出してもよい。更に、ヒステリシス幅の中点YG に基づいて補償値Y0 を算出する場合に限らず、例えば、トルク検出値Y1 ,Y2 夫々に適宜の重み付けをしてから補償値Y0 を算出する手順でもよい。
図4及び図5は、CPU70が実行する補償値算出処理の手順を示すフローチャートである。
CPU70は、適宜のサンプリング周期で入力される車速センサ8の車速検出値を取り込み(S11)、取り込んだ車速検出値が“0”より大きいか否かを判定し(S12)、“0”以下である場合(S12でNO)、車両が走行していないため、処理をS11へ戻す。取り込んだ車速検出値が“0”超過である場合(S12でYES)、車両が走行しているため、CPU10は以下の処理を開始する。
CPU70は、適宜のサンプリング周期で入力される舵角センサ5の操舵角検出値θを3回取り込んで、ステアリングホイール30の回転方向を求める。また、所定操舵角0°におけるトルク検出値Yを取り込む。具体的には、まず、舵角センサ5の操舵角検出値θ1 を取り込み(S13)、次に操舵角検出値θ2 を取り込み(S14)、更に、操舵角検出値θ2 の取り込みと同時的にトルクセンサ4のトルク検出値Y3 を取り込み(S15)、最後に操舵角検出値θ3 を取り込む(S16)。そして、取り込んだ操舵角検出値θ2 が所定操舵角0°に対応する操舵角検出値θG であるか否かを判定し(S17)、θ2 =θG ではない場合(S17でNO)、ステアリングホイール30の操舵角が所定操舵角0°を通過していないため、処理をS13へ戻す。なお、θ2 が、θG を含む微小範囲以内の値であればθ2 =θG であると判定してもよい。
取り込んだ操舵角検出値θ2 =操舵角検出値θG である場合(S17でYES)、CPU70は、操舵角検出値θ1 ,θ2 ,θ3 がこの順で大きくなっているか否かを判定し(S18)、θ1 <θ2 <θ3 である場合(S18でYES)、右回転時に操舵角が所定操舵角0°を通過したため、S15にて取り込んだトルク検出値Y3 を、所定操舵角0°における右回転時のトルク検出値Y1 としてEEPROM73に記憶させる(S19)。
また、θ1 <θ2 <θ3 ではない場合(S18でNO)、CPU70は、操舵角検出値θ1 ,θ2 ,θ3 がこの順で小さくなっているか否かを判定し(S20)、θ1 >θ2 >θ3 である場合(S20でYES)、左回転時に操舵角が所定操舵角0°を通過したため、S15にて取り込んだトルク検出値Y3 を、所定操舵角0°における左回転時のトルク検出値Y2 としてEEPROM73に記憶させる(S21)。更に、θ1 >θ2 >θ3 ではない場合(S20でNO)、処理をS13へ戻す。
S19又はS21の処理完了後、CPU70は、EEPROM73にトルク検出値Y1 ,Y2 が両方とも記憶されているか否かを判定し(S31)、記憶されていない場合(S31でNO)、処理をS11へ戻す。また、トルク検出値Y1 ,Y2 が両方とも記憶されている場合(S31でYES)、数式(1)及び数式(2)に従って、補償値Y0 を算出する(S32)。
更にCPU70は、算出した補償値Y0 が、EEPROM73に予め記憶してある補償上限値以下であるか否かを判定し(S33)、Y0 ≦補償上限値である場合(S33でYES)、EEPROM73に、S32にて算出した補償値Y0 を上書き記憶させる(S34)。このため、EEPROM73に記憶してある補償値Y0 の値が更新される。S34の処理完了後、CPU70は、S19及びS21にてEEPROM73に記憶させたトルク検出値Y1 ,Y2 を両方とも消去し(S35)、補償値算出処理を終了する。
一方、S32にて算出した補償値Y0 >補償上限値である場合(S33でNO)、トルクセンサ4の検出エラー、CPU70の計算エラー等の不具合が発生したと考えられるため、CPU70は、S32にて算出した補償値Y0 をEEPROM73に上書き記憶させることなく、処理をS35へ移す。このエラーが発生した場合は、改めて補償値算出処理を実行することが好ましい。なお、例えば所定期間内に所定回数以上のエラーが連続的に発生した場合、補償値Y0 を更新することができないため、電動パワーステアリング装置による操舵補助を一時的に停止し、電動パワーステアリング装置が故障している可能性があることを運転者に報知する構成であることが好ましい。
以上のようなS13〜S18及びS20におけるCPU70は、舵角センサ5の操舵角検出値に基づいて、ステアリングホイール30の回転方向を判定する回転判定手段、及び、ステアリングホイール30による操舵中に、ステアリングホイール30の操舵角が所定操舵角0°を通過したか否かを判定する通過判定手段として機能する。また、S19、S21及びS32におけるCPU70は、通過判定手段が所定操舵角0°を通過したと判定した場合の右回転時のトルク検出値Y1 と左回転時のトルク検出値Y2 とに基づいて、トルクセンサ4のトルク検出値のヒステリシスによる誤差を補償するための補償値Y0 を算出する算出手段として機能する。
なお、本実施の形態のように、舵角センサ5の操舵角検出値の変化に基づいてステアリングホイール30の回転方向を求める構成に限らず、トルクセンサ4のトルク検出値の変化に基づいてステアリングホイール30の回転方向を求める構成でもよい。
また、舵角センサ5を備えない場合、操舵角は操舵補助用のモータ6の回転角を検出する回転角センサの回転角検出値に基づいて算出してもよい。ただし、回転角検出値に基づいて操舵角を算出するためには、検出された回転角検出値の履歴をEEPROM73に記憶させておく必要がある。
図6は、CPU70が実行するトルク補正処理の手順を示すフローチャートである。このトルク補正処理は、トルクセンサ4のトルク検出値Yinのサンプリングがなされる都度実行される。CPU70は、適宜のサンプリング周期で入力されるトルクセンサ4のトルク検出値Yを2回取り込んで、ステアリングホイール30の回転方向を算出する。具体的には、今回取り込んだトルク検出値Yinと、前回取り込んでEEPROM73に記憶しておいたトルク検出値Yold を用いる。
CPU70は、適宜のサンプリング周期で入力されるトルクセンサ4のトルク検出値Yinを取り込み(S51)、次いで、電流検出回路62を用いてモータ6のモータ電流を検出し(S52)、検出された電流検出値が、EEPROM73に予め記憶してある電流上限値未満であるか否かを判定する(S53)。検出された電流検出値<電流上限値である場合(S53でYES)、CPU70は、EEPROM73に記憶してあるトルク検出値Yold を読み出し(S54)、トルク検出値Yin,Yold が等しいか否かを判定して(S55)、トルク検出値Yin,Yold が異なる場合(S55でNO)、トルク検出値Yin,Yold がこの順で大きくなっているか否かを判定する(S56)。
トルク検出値Yin<Yold である場合(S56でYES)、ステアリングホイール30は左回転しており、S51で取り込んだトルク検出値Yinは左回転時のトルク検出値YLin であるため、CPU70は、数式(4)に従って、補正トルク検出値Yout =Yin−Y0 を算出する(S57)。
一方、トルク検出値Yin>Yold である場合(S56でNO)、ステアリングホイール30は右回転しており、S51で取り込んだトルク検出値Yinは右回転時のトルク検出値YRin であるため、CPU70は、数式(5)に従って、補正トルク検出値Yout =Yin+Y0 を算出する(S58)。
以上のようなS57,S58におけるCPU70は、算出手段が算出した補償値Y0 に基づいて、トルクセンサ4のトルク検出値Yinを補正する補正手段として機能する。
S57又はS58の完了後、CPU70は、トルク検出値Yinをトルク検出値Yold としてEEPROM73に上書き記憶し(S59)、次回のトルク検出値Yinのサンプリングの際に、処理をS51へ戻してトルク補正処理を再開する。また、CPU70は、S57及びS58にて補正したトルク検出値Yout を用いてステアリング軸3に加わる操舵トルクを算出し、この算出結果に基づいて、前述のようにモータ6を駆動制御するアシスト制御動作を行なう。
S52にて検出された電流検出値≧電流上限値である場合(S53でNO)、ステアリングホイール3は右回転及び左回転の限界位置にあるため、CPU70は処理をS59へ移す。また、トルク検出値Yin,Yold が等しい場合(S55でYES)、ステアリングホイール3は回転せず静止しているため、CPU70は処理をS59へ移す。以上の場合、補正トルク検出値Yout は算出されない。
なお、本実施の形態のように、トルクセンサ4のトルク検出値の変化に基づいてステアリングホイール30の回転方向を求める構成に限らず、舵角センサ5の操舵角検出値の変化に基づいてステアリングホイール30の回転方向を求める構成でもよい。
以上のような電動パワーステアリング装置は、CPU70が補償値算出処理を実行することによって、車両の走行中に得られたトルクセンサ4の検出値Y1 ,Y2 に基づいて補償値Y0 を算出し、CPU70がトルク補正処理を実行することによって、トルクセンサ4のトルク検出値Yinを算出した補償値Y0 に基づいて補正してなる補正トルク検出値Yout を算出する。このため、電動パワーステアリング装置は、補正トルク検出値Yout 、即ち実際の操舵トルクに対応する正確なトルク検出値を求めることができる。
検出値Y1 ,Y2 は、例えば特許文献1で開示されているようにステアリングホイール30を交互に反転しながら微小回転運動させるような特別な操作を必要とせず、車両の走行中に容易に得ることができるため、補償値Y0 は、車両の走行中に適宜のタイミングで容易に求めることができる。このため、例えば車両の使用状況、時間経過等によって、ステアリングホイール30、トルクセンサ4、操舵機構等の操舵系に生じる機械的な摩擦抵抗が変化した場合でも、最近更新された補償値Y0 に基づいて、実際の操舵トルクに対応する正確なトルク検出値を求めることができる。この結果、電動パワーステアリング装置は、求めたトルク検出値に基づいて操舵補助用のモータ6を駆動制御することができ、操舵補助の精度、及び運転者の操舵フィーリングを向上させることができる。
更に、舵角センサ5の操舵角検出値θ及び操舵角検出値θの増減に基づいて、操舵中に変化する操舵角が所定操舵角0°を通過したタイミングを正確に求めることができ、このタイミングにおけるステアリングホイール30の回転方向及びトルクセンサ4のトルク検出値Y1 ,Y2 に基づいて、正確な補償値Y0 を求めることができる。
本発明に係る電動パワーステアリング装置の構成を示す模式図である。 本発明に係る電動パワーステアリング装置が備えるアシスト制御部の構成を示すブロック図である。 本発明に係る電動パワーステアリング装置が備えるステアリングホイールに係る操舵トルクとトルクセンサのトルク検出値との関係を示す特性図である。 本発明に係る電動パワーステアリング装置の補償値算出処理の手順を示すフローチャートである。 本発明に係る電動パワーステアリング装置の補償値算出処理の手順を示すフローチャートである。 本発明に係る電動パワーステアリング装置のトルク補正処理の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
30 ステアリングホイール(操舵部材)
4 トルクセンサ
5 舵角センサ
6 モータ
7 アシスト制御部
70 CPU

Claims (2)

  1. 操舵部材に加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサを備え、
    該トルクセンサのトルク検出値に基づいて操舵補助用のモータを駆動制御する電動パワーステアリング装置において、
    前記操舵部材の回転方向を判定する回転判定手段と、
    前記操舵部材による操舵中に、前記操舵部材の操舵角が所定操舵角を通過したか否かを判定する通過判定手段と、
    該通過判定手段が前記所定操舵角を通過したと判定した場合の前記回転判定手段が判定した回転方向及び前記トルクセンサのトルク検出値に基づいて、前記トルクセンサのトルク検出値のヒステリシスによる誤差を補償するためのヒステリシス補償値を算出する算出手段と、
    該算出手段が算出したヒステリシス補償値に基づいて、前記トルクセンサのトルク検出値を補正する補正手段と
    を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記操舵角を検出する舵角センサを備え、
    該舵角センサの操舵角検出値に基づいて、前記通過判定手段が判定を行なうようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
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