JP2006289992A - 自動車バンパー用芯材 - Google Patents

自動車バンパー用芯材 Download PDF

Info

Publication number
JP2006289992A
JP2006289992A JP2006163676A JP2006163676A JP2006289992A JP 2006289992 A JP2006289992 A JP 2006289992A JP 2006163676 A JP2006163676 A JP 2006163676A JP 2006163676 A JP2006163676 A JP 2006163676A JP 2006289992 A JP2006289992 A JP 2006289992A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
core material
ethylene
molded body
resin particles
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006163676A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4283822B2 (ja
Inventor
Kenji Mogami
健二 最上
Takeshi Obayashi
毅 御林
Yasumitsu Munakata
康充 宗像
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP2006163676A priority Critical patent/JP4283822B2/ja
Publication of JP2006289992A publication Critical patent/JP2006289992A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4283822B2 publication Critical patent/JP4283822B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】低密度で、耐熱性、耐薬品性、圧縮強度、エネルギー吸収性能、成形時の融着性、成形体の寸法精度が良好であり、かつバンパー表皮材との接着性、融着性にもすぐれる自動車バンパー用芯材の製造方法を提供すること。
【解決手段】(A)エチレン含量が0.1〜8重量%のエチレン−プロピレンランダム共重合体100重量部および(B)親水性ポリマー0.05〜20重量部を含有する樹脂組成物を基材樹脂とする予備発泡粒子の型内成形体からなり、該型内成形体が、該成形体表層部に直径が中心部の平均気泡径の1/3以下であり、かつ0.5〜50μmの微細気泡が1mm2あたり300個以上存在し、密度が0.03〜0.18g/cm3である無機ガス発泡したビーズを用いる自動車バンパー用芯材の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、自動車バンパーを製造するにあたって使用されるバンパー用芯材を製造し、使用する技術分野に属する。
近年、自動車の軽量化に伴い、金属製バンパーに代わって合成樹脂製のバンパーが開発され、その一つとして合成樹脂発泡体の芯材と、該芯材を被包する非発泡合成樹脂の表皮材からなるバンパーが使用されるようになった。
このバンパーにおける芯材は自動車バンパーとしての性能を左右する重要な部材であり、単に軽いというだけでは不充分であり、バンパー用芯材として要求されるほかの性質、すなわちエネルギー吸収性能にすぐれることをも満足するものでなければならなかった。そこで、従来前記芯材として(1)油圧式ショックアブソーバー、(2)ポリウレタン樹脂発泡体、(3)ポリスチレンまたはポリエチレン樹脂発泡体(特許文献1)が知られている。
しかしながら、(1)は合成樹脂発泡体に比べて重量が重く、かつ衝撃エネルギーを吸収するためには長いストロークを必要とし、これが車体前部の自由なデザインを制限する。(2)は空気中の水分などにより加水分解による経時劣化が起こり、自動車バンパーとしてのエネルギー吸収性能および寸法回復率が低下するという品質維持上の欠点があり、低下しないようにするには密度の高い発泡体(0.1〜0.3g/cm3)にしなければならず、結果的に軽量化に逆行する。(3)は加水分解などの劣化がなく、軽量化できるが、耐薬品性(耐ガソリン性)および耐熱性(炎天下にされても変形しない耐熱性、90℃での耐熱性)が不足し、自動車バンパー用芯材として満足しうるものではない。
これらを改善したものとして、特許文献2で密度0.015〜0.045g/cm3、50%圧縮時の圧縮強度1kg/cm2以上のポリプロピレン系樹脂発泡体からなるバンパー用芯材が提案されているが、短いストローク、すなわち低歪で衝撃エネルギーを吸収するには不充分であり、また発泡成形体の寸法バラツキが大きいといった問題があった。
特許文献3および特許文献4では、前記エネルギー吸収性能が改善されたポリオレフィン系樹脂発泡体からなるバンパー用芯材が提案されているが、バンパー表皮材との接着性、融着性が製造条件によってばらつき、生産性に問題を有していた。
また、これらポリオレフィン系樹脂発泡体からなるバンパー用芯材の成形用原料となる予備発泡粒子は、従来、揮発性有機発泡剤または炭酸ガスを含有するポリオレフィン系樹脂粒子を水系分散媒に分散させ、容器内の圧力を発泡剤の蒸気圧以上またはそれ以上の圧力に保持しながら樹脂の軟化温度以上の温度に加熱した後、加圧容器内より低圧雰囲気中に放出して発泡させることによってえられる(特許文献5および特許文献6参照)。このばあい、揮発性有機発泡剤としては、たとえば、プロパン、ブタン、ペンタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタンなどが知られている。
しかしながら、これら揮発性発泡剤は、プロパン、ブタンなどについては毒性や可燃性など安全性に問題があり、フロンなどについてはオゾン層破壊といった環境面の問題があり、また、炭酸ガスは地球温暖化促進の原因となる、いわゆる温室効果ガスとして知られており、いずれも好ましくない。さらに、揮発性発泡剤の使用は発泡倍率のコントロールが困難であり、揮発性発泡剤そのものが高価であるためコスト高になるという欠点があることも知られている。
このように、従来から使用されてきたバンパー用芯材は本来要求される特性を充分満足しているとはいい難く、また成形用原料となる予備発泡粒子の製法にも問題があった。
特開昭57−40136号公報 特開昭58−221745号公報 特開昭60−189660号公報 特開昭61−46744号公報 特開昭52−77174号公報 特開昭59−111823号公報
本発明は従来の問題を解決し、従来の揮発性発泡剤や炭酸ガスを使用せずとも、低密度で耐熱性、耐薬品性、圧縮強度、エネルギー吸収性能、成形時の融着性、成形体の寸法精度が良好なだけでなく、バンパー表皮材との接着性、融着性にもすぐれるバンパー芯材をえる製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記従来技術の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のエチレン−プロピレンランダム共重合体および親水性ポリマーを含有する樹脂組成物を用いることによって、従来の揮発性発泡剤や炭酸ガスを使用せずとも、低密度で耐熱性、耐薬品性、圧縮強度、エネルギー吸収性能、成形時の融着性、成形体の寸法精度が良好なだけでなく、バンパー表皮材との接着性、融着性にもすぐれるバンパー芯材がえられることを見出した。
すなわち、本発明は、
(A)エチレン含量が0.1〜8重量%のエチレン−プロピレンランダム共重合体100重量部および(B)親水性ポリマー0.05〜20重量部を含有する樹脂組成物を基材樹脂とする予備発泡粒子の型内成形体からなり、該型内成形体が、該成形体表層部に直径が中心部の平均気泡径の1/3以下であり、かつ0.5〜50μmの微細気泡が1mm2あたり300個以上存在し、密度が0.03〜0.18g/cm3である無機ガス発泡したビーズを用いる自動車バンパー用芯材の製造方法(請求項1)、
親水性ポリマーがエチレン系アイオノマーである請求項1記載の自動車バンパー用芯材の製造方法(請求項2)、および
予備発泡粒子が、前記基材樹脂からの樹脂粒子を密閉容器内で水系分散媒に分散させ、前記樹脂粒子の軟化温度以上の温度に加熱し、含水樹脂粒子としたのち、チッ素、空気またはこれらを主体とする無機ガスを密閉容器内に導入して密閉容器内の圧力を8〜75kg/cm2Gとし、この圧力を保持 しつつ前記密閉容器の内圧よりも低圧の雰囲気中に放出させて前記含水樹脂粒子を発泡させてえられたものである請求項1または2記載の自動車バンパー用芯材の製造方法(請求項3)
に関する。
本発明の自動車バンパー用芯材は、予備発泡粒子製造の際に従来使用されてきた揮発性発泡剤、炭酸ガスを使用していないにもかかわらず、低密度で、すぐれたエネルギー吸収性能、寸法精度を有し、しかも表皮材との接着バラツキが小さいという特徴を有するものである。
本発明においては、エチレン−プロピレンランダム共重合体(A)100部(重量部、以下同様)および親水性ポリマー(B)0.05〜20部を含有する基材樹脂組成物(以下、基材樹脂組成物ともいう)からなる樹脂粒子が、予備発泡粒子の製造のために使用される。
本発明においてはエチレン−プロピレンランダム共重合体を使用するため、えられる成形体のエネルギー吸収性能が大幅に向上するという効果がえられる。
前記エチレン−プロピレンランダム共重合体(A)のエチレン含量は0.1〜8重量%、好ましくは1〜5重量%である。エチレン含量が0.1重量%未満では、融点が高くなるため予備発泡粒子の製造および成形時の融着性が悪くなり、また成形体のエネルギー吸収性能が不充分となる。エチレン含量が8重量%をこえると、成形体の圧縮強度、耐熱性が悪くなり、またエネルギー吸収性能が不充分となる。
前記エチレン−プロピレンランダム共重合体(A)のプロピレン含量は、92〜99.9重量%、好ましくは95〜99重量%である。プロピレン含量が92重量%未満では、成形体の圧縮強度、耐熱性が悪くなり、またエネルギー吸収性能が不充分となり、99.9重量%をこえると、融点が高くなるため予備発泡粒子の製造および成形時の融着性が悪くなり、またエネルギー吸収性能が不充分となる。
前記エチレン−プロピレンランダム共重合体(A)のMIとしては、230℃において0.5〜30g/10分、さらには2〜20g/10分のものが好ましく、また、曲げ弾性率としては5000〜20000kgf/cm2、融点としては130〜165℃のものが好ましい。
前記MIが0.5g/10分未満のばあい、溶融粘度が高すぎて発泡が困難になり、30g/10分をこえるばあい発泡時に破泡しやすくなり、エネルギー吸収性能が不充分となる傾向にある。
前記曲げ弾性率が5000kgf/cm2未満のばあい、圧縮強度や耐熱性が不充分となり、20000kgf/cm2をこえるばあい、エネルギー吸収性能、成形時の融着性が不充分となる傾向にある。
前記融点が130℃未満のばあい、耐熱性が不充分となり、165℃をこえるばあい、成形時の融着性が不充分となる傾向にある。
前記エチレン−プロピレンランダム共重合体(A)は、本発明の効果を損なわない範囲でほかのモノマーを共重合していてもよく、エチレン−プロピレン−ブテンランダム三元共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−4−メチルペンテンランダム四元共重合体などがあげられる。これらのエチレン−プロピレンランダム共重合体は無架橋の状態で用いてもよいが、パーオキサイドや放射線などにより架橋させて用いてもよい。
共重合するほかのモノマーの量は、エチレンおよびプロピレンの合計に対して0〜7重量%、好ましくは0〜4重量%である。
前記エチレン−プロピレンランダム共重合体(A)は、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じてほかのポリオレフィン系樹脂をブレンドしたものであってもよい。これらブレンド可能なポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンゴム、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体などがあげられる。これらは単独をブレンドしてもよく、2種以上をブレンドしてもよい。
本発明に用いるエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)におけるエチレンとプロピレンとの重量比は、1:999〜1:12、好ましくは1:99〜1:19である。
前記親水性ポリマー(B)は、エチレン−プロピレンランダム共重合体(A)に発泡剤としての水を含浸させるために使用される成分である。
前記親水性ポリマー(B)は、それ自身が水を含浸しやすいポリマーで、かつエチレン−プロピレン共重合体(A)中での分散性が良好であり、分子内にカルボキシル基、水酸基、アミノ基、アミド基、エステル基、ポリオキシエチレン基などの親水性基を含有する。親水性のちがいなどにより、吸湿性ポリマー、吸水性ポリマーおよび水溶性ポリマーに分類される。
前記吸湿性ポリマーとは、ASTM D570に準拠して測定された吸水率が0.5%以上で上限が10%のポリマーをいう。
前記吸湿性ポリマーの代表例としては、たとえばカルボキシル基含有ポリマー、ポリアミド、熱可塑性ポリエステル系エラストマー、セルロース誘導体などがあげられる。
前記カルボキシル基含有ポリマーの具体例としては、たとえばエチレン−アクリル酸−無水マレイン酸三元共重合体(吸水率0.5〜0.7%)、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体(エチレン単位70〜97%、さらには80〜95%と(メタ)アクリル酸単位3〜30%、さらには5〜20%)のカルボキシル基の10〜100%、さらには30〜100%をナトリウムイオン、カリウムイオンなどのアルカリ金属イオンをはじめ、亜鉛イオンなどの遷移金属イオンなどの金属イオンで塩にし、分子間をイオン架橋させたエチレン系アイオノマー(吸水率0.7〜1.4%)、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体(吸水率0.5〜0.7%)などがあげられる。これらのポリマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリアミドの具体例としては、たとえばナイロン−6(吸水率1.3〜1.9%)、ナイロン−6,6(吸水率1.1〜1.5%)、共重合ナイロン(イーエムエス−ヘミー社(EMS−CHEMIE AG)製のグリルテックス(商品名)など)(吸水率1.5〜3%)などがあげられる。これらのポリアミドは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記熱可塑性ポリエステル系エラストマーの具体例としては、たとえばポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールとのブロック共重合体(吸水率0.5〜0.7%)などがあげられる。これらの熱可塑性ポリエステル系エラストマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記セルロース誘導体の具体例としては、たとえば酢酸セルロース(吸水率1.0〜7.0%)、プロピオン酸セルロース(吸水率1.7〜2.8%)などがあげられる。これらのセルロース誘導体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記吸湿性ポリマーのうちでは、エチレン−プロピレンランダム共重合体中での分散性にすぐれ、比較的少量で高含水率(1〜50%程度の含水率)の含水樹脂組成物がえられるため、前記エチレン系アイオノマーが好ましく、とりわけ、前記エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のカルボキシル基の30〜100%をナトリウムイオン、カリウムイオンなどのアルカリ金属イオンで塩にし、イオン架橋させたエチレン系アイオノマーが好ましい。
前記吸水性ポリマーとは、水に溶けることなく、自重の数倍から数百倍の水を吸収し、圧力がかかっても脱水されがたいポリマーをいう。
前記吸水性ポリマーの代表例としては、たとえば架橋ポリアクリル酸塩系重合体、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体、架橋ポリビニルアルコール系重合体、架橋ポリエチレンオキサイド系重合体、イソブチレン−マレイン酸系共重合体などがあげられる。これらのポリマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記架橋ポリアクリル酸塩系重合体の具体例としては、たとえば(株)日本触媒製のアクアリック(商品名)、三菱化学(株)製のダイヤウェット(商品名)などで代表される架橋ポリアクリル酸ナトリウム系重合体などがあげられる。これらの重合体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記架橋ポリビニルアルコール系重合体の具体例としては、たとえば日本合成化学工業(株)製のアクアリザーブGP(商品名)などで代表される架橋ポリビニルアルコール系重合体があげられる。かかる重合体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記架橋ポリエチレンオキサイド系重合体の具体例としては、たとえば住友精化(株)製のアクアコーク(商品名)などで代表される架橋ポリエチレンオキサイド系重合体があげられる。かかる重合体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記イソブチレン−マレイン酸系共重合体の具体例としては、たとえば(株)クラレ製のKIゲル(商品名)などで代表されるイソブチレン−マレイン酸系共重合体があげられる。かかる共重合体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記吸水性ポリマーのうちでは、エチレン−プロピレンランダム共重合体中での分散性および高含水率の点から架橋ポリエチレンオキサイド系重合体が好ましい。
前記水溶性ポリマーとは、常温ないし高温状態で水に溶解するポリマーをいう。
前記水溶性ポリマーの代表例としては、たとえばポリ(メタ)アクリル酸系重合体、ポリ(メタ)アクリル酸塩系重合体、ポリビニルアルコール系重合体、ポリエチレンオキサイド系重合体、水溶性セルロース誘導体などがあげられる。これらのポリマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリ(メタ)アクリル酸系重合体の具体例としては、たとえばポリアクリル酸、アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体、ポリメタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどがあげられる。これらの重合体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリ(メタ)アクリル酸塩系重合体の具体例としては、たとえばポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリメタクリル酸カリウムなどがあげられる。これらの重合体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリビニルアルコール系重合体の具体例としては、たとえばポリビニルアルコール、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体などがあげられる。これらの重合体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリエチレンオキサイド系重合体の具体例としては、たとえば分子量数万〜数百万のポリエチレンオキサイドなどがあげられる。かかる重合体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記水溶性セルロース誘導体の具体例としては、たとえばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどがあげられる。これらの重合体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記水溶性ポリマーのうちでは、エチレン−プロピレンランダム共重合体中での分散性および高含水率の点からポリビニルアルコール系重合体が好ましい。
前記親水性ポリマー(B)の使用量は、前記親水性ポリマーの種類によって異なるが、通常、所定の低密度(0.03〜0.18g/cm3)の発泡成形体をうるためにはエチレン−プロピレンランダム共重合体(A)100部に対して0.05部以上、なかんづく0.5部以上にするのが好ましい。また、予備発泡粒子の製造時の生産安定性や発泡特性を良好にし、予備発泡粒子からえられる成形体にすぐれた機械的強度や耐熱性を付与するとともに、吸水時の寸法変化を小さくする点から、エチレン−プロピレンランダム共重合体(A)100部に対して20部以下、なかんづく10部以下にするのが好ましい。
なお、前記基材樹脂組成物には、充填剤を含有せしめるのが、気泡が均一で、低密度の予備発泡粒子をうることができるという点から好ましい。
前記充填剤の平均粒子径は、気泡が均一で低密度の予備発泡粒子をうることができ、また該予備発泡粒子から機械的強度や柔軟性などにすぐれた成形体をうることができる点から、50μm以下、なかんづく10μm以下であるのが好ましく、二次凝集や取扱作業性の点から0.1μm以上、なかんづく0.5μm以上であるのが好ましい。
前記充填剤には、無機充填剤と有機充填剤とがある。
前記無機充填剤の具体例としては、たとえばタルク、炭酸カルシウム、水酸化カルシウムなどがあげられる。これらの無機充填剤は、単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、気泡が均一で低密度の予備発泡粒子がえられる点からタルクが好ましい。
前記有機充填剤は、前記エチレン−プロピレンランダム共重合体(A)の軟化温度以上の温度で固体状のものであればよく、とくに限定がない。前記有機充填剤の具体例としては、たとえばフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、熱可塑性ポリエステル樹脂粉末などがあげられる。これらの有機充填剤は、単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
前記充填剤の使用量は、低密度の予備発泡粒子をうるためには、エチレン−プロピレンランダム共重合体(A)100部に対して0.01部以上、なかんづく0.1部以上にするのが好ましく、また予備発泡粒子を成形する際に、すぐれた融着性を発現させ、該予備発泡粒子から機械的強度や柔軟性などにすぐれた成形体をうるためには、エチレン−プロピレンランダム共重合体(A)100部に対して10部以下、なかんづく5部以下にするのが好ましい。
さらに前記基材樹脂組成物には、顔料、熱安定剤、光安定剤、染料、滑剤、可塑剤、帯電防止剤などを本発明の目的を損なわない範囲で含むことができる。
本発明では、前記エチレン−プロピレンランダム共重合体(A)および親水性ポリマー(B)、必要により使用される充填剤を含有した基材樹脂組成物を、通常、押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロールなどを用いて溶融混練し、ついで円柱状、楕円柱状、球状、立方体状、直方体状など予備発泡に利用しやすい所望の粒子形状に成形することによって樹脂粒子が製造される。
前記樹脂粒子を製造する際の条件、樹脂粒子の大きさなどにもとくに限定はないが、たとえば押出機中で前記基材樹脂の軟化温度以上の条件で溶融混練して0.5〜10mg/粒、好ましくは1〜5mg/粒程度の粒子を製造するのが一般的である。
このようにして製造された前記基材樹脂組成物からなる樹脂粒子を密閉容器内で水系分散媒に撹拌などの操作により分散させ、前記樹脂粒子を前記樹脂粒子の軟化温度以上の温度に加熱して含水樹脂粒子とする。
前記樹脂粒子を分散させる水系分散媒は、前記基材樹脂組成物を溶解させない溶媒であればよく、通常水または水とエチレングリコール、グリセリン、メタノール、エタノールなどのうちの1種またはそれらの2種以上との混合物が例示されるが、環境面、経済性などから水が好ましい。
前記水系分散媒には、必要であれば分散剤および界面活性剤が水系分散媒100部に対してそれぞれ0.1〜10部および0.001〜0.1部程度添加されている。前記分散剤の具体例としては、たとえば第三リン酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、塩基性炭酸亜鉛、炭酸カルシウムなどがあげられ、前記界面活性剤の具体例としては、たとえばドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、n−パラフィンスルホン酸ソーダ、α−オレフィンスルホン酸ソーダなどがあげられる。
前記水系分散媒に分散させる樹脂粒子の量としては、水系分散媒100部に対して3〜100部、さらには10〜50部が好ましい。樹脂粒子の量が3部未満になると生産性が低下し、製造コストが高くなり、経済的でなく、100部をこえると加熱中に容器内で樹脂粒子同士が融着する傾向が生じる。
前記樹脂粒子の分散液を加熱する温度は、使用する樹脂粒子の軟化温度以上の温度、通常は融点−10℃〜融点+50℃であるが、融点〜融点+20℃が好ましく、融点+5℃〜融点+15℃がさらに好ましい。たとえば融点145℃のエチレン−プロピレンランダム共重合体のばあい、145〜165℃、さらには150〜160℃が好ましく、145℃未満では発泡しにくくなり、165℃をこえるとえられる発泡体の圧縮強度、耐熱性が充分でなく、容器内で樹脂粒子が融着しやすくなる。なお、本発明でいう融点はDSCによって10℃/分で測定したときの融解ピークの頂点の温度をいう。
前記含水樹脂粒子の、基材樹脂組成物の融点における水蒸気圧下での含水率は、1〜50%、さらには1.5〜30%であることが好ましい。含水率の調整は予備発泡させる際の温度、加熱時間によって行なうことができる。前記含水率が1%未満のばあい、えられる型内成形体の密度を0.18%以下にするのが困難となる。好ましい含水率は3%以上である。また、50%をこえると、樹脂粒子の水系分散媒に対する分散性が低下し、予備発泡粒子製造時に密閉容器内で樹脂粒子が塊状になり、均一に予備発泡させることができなくなる。好ましい含水率は30%以下である。
なお、前記基材樹脂組成物の融点は、DSCによって10℃/分の昇温速度で測定したときの融解ピークの頂点の温度である。
前記基材樹脂組成物の融点における水蒸気圧下での含水率は、以下のようにして求められる。すなわち、300cc耐圧アンプル中に前記基材樹脂組成物からなる粒子50g、水150g、分散剤としてパウダー状塩基性第三リン酸カルシウム0.2g、n−パラフィンスルホン酸ソーダ0.003gを入れ、密閉したのち、前記基材樹脂組成物の融点に設定した油浴中で3時間加熱処理する。さらに室温まで冷却後、耐圧アンプルから取り出し、充分水洗して分散剤を除去したのち、えられた含水樹脂粒子の表面の付着水分を除去してその重量(X)を求める。ついでこの含水樹脂粒子を、基材樹脂組成物の融点よりも20℃高い温度に設定されたオーブン中で3時間乾燥させ、デシケータ中で室温まで冷却させたのちその重量(Y)を求める。前記含水率は、これら重量(X)および(Y)から、式(I):
Figure 2006289992
にしたがって求めた値をいう。樹脂粒子中に充填剤などを含むばあい、樹脂粒子の重量から充填剤の重量を引いた値を樹脂粒子の重量として計算した値である。
前記樹脂粒子の分散液を加熱して含水樹脂粒子としたのちに、チッ素、空気またはこれらを主体とする無機ガスを密閉容器内に導入して密閉容器内の圧力を8〜75kg/cm2Gとし、この圧力を保持しつつ前記密閉容器の内圧よりも低圧の雰囲気中に放出させて前記含水樹脂粒子を発泡させることにより、予備発泡粒子が製造される。
前記チッ素、空気またはこれらを主体とする無機ガスとは、チッ素および(または)空気を主体(通常、50容量%以上、さらには70容量%以上)とし、アルゴン、ヘリウム、キセノン、水蒸気、酸素、水素、オゾンなどを少量(50容量%以下、さらには30容量%以下)含む無機ガスが使用できるが、なかでも経済性、生産性、安全性、環境適合性などの点からチッ素、空気が好ましい。
前記チッ素、空気またはこれらを主体とする無機ガスによる保持圧力は、8〜75kg/cm2Gが好ましく、10〜70kg/cm2Gがより好ましい。保持圧力が8kg/cm2G未満では成形体の密度が0.18g/cm3をこえ、軽量性、エネルギー吸収性能が劣る。75kg/cm2Gをこえると気泡が微細化しすぎ、独立気泡率が低下してエネルギー吸収性能が低下し、成形体の寸法バラツキが大きくなる。
前記保持圧力に到達後、含水樹脂粒子を水系分散媒とともに低圧雰囲気中に放出するまでの時間にはとくに限定はないが、生産性向上の点からできるだけ速いことが好ましい。
前記低圧雰囲気とは、通常大気圧をいう。
また、放出中の容器内圧力は、前記密閉容器内から低圧雰囲気中への含水樹脂粒子の放出を容易にするために、前記保持圧力を保持することが好ましい。具体的には、密閉容器内に前記チッ素、空気またはこれらを主体とする無機ガスを供給して密閉容器内の圧力を前記保持圧力に保持しつつ放出するとよい。
かくしてえられる予備発泡粒子は、嵩密度0.03〜0.18g/cm3、さらには0.045〜0.13g/cm3、みかけ発泡倍率5〜45倍、さらには7〜30倍、独立気泡率80%以上、さらには85〜100%および平均気泡径50〜400μm、さらには100〜300μmを有するものである。
前記嵩密度が0.03g/cm3未満のばあい、えられる成形体の圧縮強度、エネルギー吸収性能が不充分となり、0.18g/cm3をこえるばあい、えられる成形体の軽量化が不充分となる。前記みかけ発泡倍率が5倍未満のばあい、軽量化のメリットがえられず、型内成形性も困難となり、また45倍をこえるばあい、えられる成形体の圧縮強度、エネルギー吸収性能が不充分となる。また、前記独立気泡率が80%未満のばあい、エネルギー吸収性能が低下し、成形体の寸法バラツキも大きくなる。また、前記平均気泡径が50μm未満のばあい、成形体の寸法バラツキが大きくなり、400μmをこえるばあい、圧縮強度、エネルギー吸収性能が低下する。
こうして製造された予備発泡粒子は、必要に応じて表面に付着した水を除去するために30〜90℃で1〜96時間乾燥され、バンパー用芯材の成形に供される。
バンパー用芯材は、前記予備発泡粒子を従来公知の種々の型内成形法により成形することにより製造される。
型内成形の条件としては、自動車バンパー芯材用金型内で予備発泡粒子が二次発泡、融着するような条件で行なう限り、とくに限定はない。前記型内成形法としては、たとえば、予備発泡粒子を耐圧容器中で加熱加圧下、一定時間処理することによって空気含浸を行なったのちに成形用金型に充填し、蒸気加熱することにより型内発泡成形して金型どおりの成形体を製造する方法(特公昭59−43492号公報参照)などがあげられる。
えられる成形体の融着率は、成形体表面に1cm深さの切れ目を入れ、この切れ目に沿って割ったときの破断面を観察し、粒子の全個数に対する破壊粒子の割合として求める。本発明における融着率は70%以上、好ましくは80%以上である。
こうしてえられる本発明のバンパー用芯材の密度は0.03〜0.18g/cm3、好ましくは0.045〜0.13g/cm3である。前記密度が0.03g/cm3未満では充分な圧縮強度、エネルギー吸収性能がえられにくく、0.18g/cm3をこえると軽量化のメリットがえられない。
なお、前記密度は型内成形法でえられた成形体を、80℃の熱風式乾燥機中で24時間乾燥したものの重量を成形体寸法で除して求めた値をいう。
こうしてえられたバンパー用芯材成形体において、独立気泡率は、75〜100%、さらには80〜100%を有するものである。平均気泡径は表層部で好ましくは0.5〜50μm、より好ましくは2〜40μmであり、中心部で好ましくは50〜500μm、より好ましくは100〜400μmである。
なお、成形体における表層部とは、表面から50μmまでの厚さの部分をいい、中心部とはこの表層部を除いた部分をいう。
本発明のバンパー用芯材は、好ましくは、成形体表層部に、直径が中心部の平均気泡径の1/3以下であり、かつ0.5〜50μm、さらには2〜40μmの微細気泡(以下、微細気泡という)が1mm2あたり300個以上、さらには500個以上、上限としては100万個以下有するものである。
前記表層部の微細気泡の直径が0.5μm未満のばあい、気泡と成形体表面の凸凹との区別がなくなり、表皮材との接着性が不充分となり、50μmをこえると成形体表面が平滑化する傾向になり、やはり表皮材との接着性が不充分となる。
また、表層部の微細気泡の直径が中心部の平均気泡径の1/3をこえるばあい、成形時の融着率、二次発泡力と表皮材との接着性のバランスが悪くなる。下限は1/500、さらには1/200である。
また、1mm2あたりの微細気泡の数が300個未満のばあい、表層微細気泡の分布が疎となり、やはり発泡成形体の粒子界面が平滑化するためか、表皮材との接着性が不充分となる。
平均気泡径および気泡数の求め方はつぎのとおりである。
成形体の表層部から、成形体を構成する発泡粒子5個を任意に選び、光学顕微鏡を用いて拡大写真(×1000倍)をそれぞれ2枚撮影した。えられた10枚の写真上にそれぞれ一辺100μmに相当する大きさの正方形を描き、その中に含まれる気泡の数および各気泡の断面積を求め、この断面積からこれを円と仮定した際に面積同等となるような相当径を求めて、これを表層部の気泡径とし、平均気泡径を求めた。また前記一辺100μmに相当する正方形の中に含まれる直径が0.5〜50μmの微細気泡数を測定し、10枚の写真における合計を求め、これを10倍したものを1mm2あたりの微細気泡数とした。
また中心部の平均気泡径とは、成形体中心部の成形体を構成する発泡粒子10個について、気泡膜が破壊されないように充分注意して切断したそれぞれの切断面の拡大顕微鏡写真において、表層部を除く部分に長さ1mmに相当する線分を引き、該線分が通る気泡数を測定し、以後はASTM・D3576に準拠して気泡径を測定して求めた平均気泡径のことである。
本発明のバンパー用芯材は、圧縮強度が好ましくは2〜16kg/cm2、さらには4〜13kg/cm2であり、エネルギー吸収率が好ましくは70〜100%、さらには80〜100%であり、耐熱性(100℃×100hr後の加熱寸法変化率)が0〜5%、さらには0〜2%であり、耐薬品性(ガソリン中、80℃×24hr後の外観変化)が良好である。
なお、前記圧縮強度はNDS Z 0504に準拠して求めた50%圧縮歪における成形体の圧縮強度(kg/cm2)の値をいう。前記エネルギー吸収率は、成形体から切り出したL100mm×W100mm×T40mmの試片を23℃、50mm/分の速度で厚さ方向に圧縮し、図3に示すような圧縮強度−ひずみ曲線をえたのち、この圧縮強度−ひずみ曲線からえられた各面積AおよびBを次式に代入して求められる値をいう。
Figure 2006289992
図1は本発明の芯材からなるバンパーを自動車に装着した状態の外観図、図2は同上A−A線断面図であり、バンパー1はポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタンなどの表皮材1aで芯材1bを被覆して構成されている。該芯材と該表皮材とは接着、融着などの手段により接合一体化されていることがバンパー全体のエネルギー吸収性能向上の面から好ましい。バンパーの製造方法としては、あらかじめ該芯材と該表皮材を別々に製造し、ついで該芯材に該表皮材を接着剤などで接合被覆する方法、または該芯材と該表皮材との間に加熱により融着性を有する熱溶融型接着剤などを介在させて一体成形する方法がある。
本発明のバンパー用芯材は、その表層部に、直径が中心部の平均気泡径の1/3以下であり、かつ0.5〜50μmの微細気泡が1mm2あたり300個以上存在する成形体であるので、いずれのバンパー製造方法においても、該表皮材との接着性、融着性にすぐれている。
以上のように、本発明の自動車バンパー用芯材として、請求項1に記載の自動車バンパー用芯材を用いることにより、従来使用されてきた揮発性発泡剤を使用せずとも、低密度ですぐれたエネルギー吸収性能、寸法精度を有し、しかも表皮材との接着バラツキが小さい芯材がえられるという効果がえられる。
前記請求項1における親水性ポリマーをエチレン系アイオノマーにした請求項2記載の自動車バンパー用芯材にすると、さらに低密度の成形体がえられるという効果がえられる。
前記請求項1または2における予備発泡粒子を、基材樹脂からの樹脂粒子を密閉容器内で水系分散媒に分散させ、前記樹脂粒子の軟化温度以上の温度に加熱し、含水樹脂粒子としたのち、チッ素、空気またはこれらを主体とする無機ガスを密閉容器内に導入して密閉容器内圧力を8〜75kg/cm2Gとし、この圧力を保持しつつ前記密閉容器の内圧よりも低圧の雰囲気中に放出させて前記含水樹脂粒子を発泡させてえられたものにした請求項3記載の自動車バンパー用芯材にすると、さらに低密度の成形体がえられるという効果がえられる。
前記請求項1、2または3における型内成形体を、該成形体表層部に直径が中心部の平均気泡径の1/3以下であり、かつ0.5〜50μmの微細気泡が1mm2あたり300個以上存在するものにした請求項4記載の自動車バンパー用芯材にすると、さらに表皮材との接着バラツキが小さくなるという効果がえられる。
つぎに本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
実施例1〜8および比較例1〜4
表1に示すエチレン含量のエチレン−プロピレンランダム共重合体100部に表1に示す量の親水性ポリマー(実施例1〜7および比較例2〜4:エチレン−メタクリル酸共重合体(エチレン単位85%、メタクリル酸単位15%)のカルボキシル基をナトリウムイオンで塩にして分子間を架橋させたエチレン系アイオノマー(イオン化度59%、吸水率1.4%)(親水性ポリマーA)、実施例8:架橋ポリエチレンオキサイド系重合体(住友精化(株)製、商品名「アクアコークT」)(親水性ポリマーB))および充填剤(タルク、平均粒子径9.5μm)1部を混合してえられた樹脂組成物から、ペレット(樹脂粒子、2mg/粒)を製造した(このペレットの融点はエチレン−プロピレンランダム共重合体の融点と同じであった)。
このペレットの含水率を前記方法にしたがって求めた。結果を表1に示す。
つぎに、このペレット100部、分散剤としてパウダー状塩基性第三リン酸カルシウム0.5部およびn−パラフィンスルホン酸ソーダ0.006部を水300部とともに密閉容器内に仕込み、内容物を約90分間かけて表1に示す温度まで加熱し、さらに同温度で15分間保持し、含水樹脂粒子をえた。
そののち、空気を密閉容器内に導入して密閉容器内の圧力を表1に示す保持圧力まで上げ、ただちに、この圧力を保持しつつ密閉容器のバルブを開いて水分散物(含水樹脂粒子および水系分散媒)を大気圧下に放出して予備発泡を行ない、予備発泡粒子をえた。
こうしてえられた予備発泡粒子に空気により耐圧容器中で60℃、7kg/cm2G、3時間処理して2気圧の内圧を付与したのち、この予備発泡粒子を金型に充填し、3〜4kg/cm2Gの水蒸気にて135〜145℃に加熱し、発泡させて、L290mm×W270mm×T40mmの成形体をえた。
前記成形体の種々の特性を、下記の方法で測定した。結果を表1に示す。なお、実施例において成形体表層部の気泡は直径が53μmを超えるものはなかった。
(成形体の密度)
えられた成形体を80℃の熱風式乾燥器中で24時間乾燥したものの重量を成形体寸法で除して求めた。
(成形体中心部の平均気泡径)
成形体中心部の成形体を構成する発泡粒子10個について、気泡膜が破壊されないように充分注意して切断したそれぞれの切断面の拡大顕微鏡写真(×100倍)において、表層部を除く部分に長さ1mmに相当する線分を引き、該線分が通る気泡数を測定し、以後はASTM・D3576に準拠して気泡径を測定し、平均気泡径を求めた。
(成形体表層部の平均気泡径)
成形体表層部(表面から50μmの深さ)の成形体を構成する発泡粒子任意の5個について、光学顕微鏡を用いて成形体の面方向および厚み方向から拡大写真(×1000倍)をそれぞれ1枚撮影した。えられた10枚の写真上にそれぞれ一辺100μmに相当する大きさの正方形を描き、その中に含まれる気泡の数および各気泡の断面積を求め、この断面積からこれを円と仮定した際に面積同等となるような相当径を求めて気泡径とし、平均気泡径を求めた。
(成形体表層部における、直径が中心部の平均気泡径の1/3以下であり、かつ0.5〜50μmの微細気泡の1mm2あたりの数)
前記一辺100μmに相当する正方形の中に含まれる直径が0.5〜50μmの微細気泡数をそれぞれ測定し、10枚の写真における合計を求め、これを10倍したものを1mm2あたりの微細気泡数とした。
(エネルギー吸収性能)
前記成形体からL100mm×W100mm×T40mmの3個の試片を切り出し、試片を23℃、50mm/分の速度で厚さ方向に圧縮し、図3に示す圧縮強度−ひずみ曲線をえた。この圧縮強度−ひずみ曲線からえられた各面積AおよびBを次式に代入してエネルギー吸収率Eを3個の平均値として求めた。
Figure 2006289992
◎:E=79%をこえる
○:E=70〜79%
△:E=60〜69%
×:E=60%未満
(寸法バラツキ)
前記成形体100個について、縦、横、厚み方向の寸法(L、W、T)をそれぞれ測定し、次式にしたがってそれらのバラツキRL、RW、RTを求めた。
Figure 2006289992
えられたRL、RW、RTの平均値をRとした。
◎:R=0.8%未満
○:R=0.8〜1.0%
△:R=1.1〜2.0%
×:R=2.0%をこえる
(表皮材接着バラツキ)
前記L290mm×W270mm×T40mm成形体の製造の際、金型内に前記予備発泡粒子を充填する前にキャビティ内にエチレン−プロピレン−ブテンランダム共重合体系熱溶融型接着剤層(融点132℃、MI 5.5g/10分、厚み0.2mm)を保有するポリプロピレン/エチレン−プロピレンゴムブレンド系表皮材(融点162℃、MI 1.2g/10分、厚み1.8mm)を、該熱溶融型接着剤層がキャビティ内部に向けて位置付けして保持させ、そののち同様に成形した(各10個)。
えられた10個の表皮材付き成形体からそれぞれL290mm×W25mm×T40mmの試片を切り出し、該表皮材の一部を予め剥離して該表皮材と該芯材との180°剥離強度(最大荷重)Tを測定し、次式からそれらのバラツキRTを求めた。
Figure 2006289992
◎:RT=11%未満
○:RT=11〜15%
△:RT=16〜30%
×:RT=30%をこえる
Figure 2006289992
本発明の芯材からなるバンパーを自動車に装着した状態の外観図である。 図1のA−A線断面図である。 芯材の圧縮強度−ひずみ曲線である。
符号の説明
1 バンパー
1a 表皮材
1b 芯材

Claims (3)

  1. (A)エチレン含量が0.1〜8重量%のエチレン−プロピレンランダム共重合体100重量部および(B)親水性ポリマー0.05〜20重量部を含有する樹脂組成物を基材樹脂とする予備発泡粒子の型内成形体からなり、該型内成形体が、該成形体表層部に直径が中心部の平均気泡径の1/3以下であり、かつ0.5〜50μmの微細気泡が1mm2あたり300個以上存在し、密度が0.03〜0.18g/cm3である無機ガス発泡したビーズを用いる自動車バンパー用芯材の製造方法。
  2. 親水性ポリマーがエチレン系アイオノマーである請求項1記載の自動車バンパー用芯材の製造方法。
  3. 予備発泡粒子が、前記基材樹脂からの樹脂粒子を密閉容器内で水系分散媒に分散させ、前記樹脂粒子の軟化温度以上の温度に加熱し、含水樹脂粒子としたのち、チッ素、空気またはこれらを主体とする無機ガスを密閉容器内に導入して密閉容器内の圧力を8〜75kg/cm2Gとし、この圧力を保持 しつつ前記密閉容器の内圧よりも低圧の雰囲気中に放出させて前記含水樹脂粒子を発泡させてえられたものである請求項1または2記載の自動車バンパー用芯材の製造方法。
JP2006163676A 2006-06-13 2006-06-13 自動車バンパー用芯材の製造方法 Expired - Lifetime JP4283822B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006163676A JP4283822B2 (ja) 2006-06-13 2006-06-13 自動車バンパー用芯材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006163676A JP4283822B2 (ja) 2006-06-13 2006-06-13 自動車バンパー用芯材の製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9264083A Division JPH1199531A (ja) 1997-09-29 1997-09-29 自動車バンパー用芯材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006289992A true JP2006289992A (ja) 2006-10-26
JP4283822B2 JP4283822B2 (ja) 2009-06-24

Family

ID=37411062

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006163676A Expired - Lifetime JP4283822B2 (ja) 2006-06-13 2006-06-13 自動車バンパー用芯材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4283822B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009179128A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Denso Corp 歩行者衝突検知装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106427841A (zh) * 2016-11-10 2017-02-22 无锡市明盛强力风机有限公司 一种汽车保险杠***

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009179128A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Denso Corp 歩行者衝突検知装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4283822B2 (ja) 2009-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3717942B2 (ja) 含水ポリオレフィン系樹脂組成物、それからなる予備発泡粒子、その製造法および発泡成形品
JP2001131327A (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物の型内発泡成形体
WO2013031745A1 (ja) ポリエチレン系樹脂発泡粒子及びその成形体
US6214896B1 (en) Water-containing polypropylene resin composition and pre-expanded particles made thereof
JP4283822B2 (ja) 自動車バンパー用芯材の製造方法
WO2005085337A1 (ja) ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造方法
EP1182225A1 (en) Process for preparing polyolefin pre-expanded particles
JPH1199531A (ja) 自動車バンパー用芯材
JP2000290420A (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物予備発泡粒子の製造方法
JP2000095891A (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物予備発泡粒子の製造方法
WO2003097728A1 (fr) Procede de moulage de mousse pour article cellulaire a base de resine polyolefinique
JPH10152574A (ja) ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造方法
JP5253123B2 (ja) 圧縮充填法によるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造方法
JP4747472B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造方法
JPH11106547A (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物予備発泡粒子
JP2004142260A (ja) 熱可塑性樹脂発泡成形体及びその製造方法
JPH10176077A (ja) ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子およびその製法
JP3605258B2 (ja) 高含水性ポリオレフィン系樹脂組成物
JP2001328132A (ja) ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の型内成形方法
JP3641098B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物予備発泡粒子、その製法、該予備発泡粒子からなる成形体
JPH11100457A (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物からの予備発泡粒子の製法
JP3626000B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物予備発泡粒子の製法
JPH11100468A (ja) 含水性ポリオレフィン系樹脂組成物およびそれからなる予備発泡粒子
JPH115863A (ja) 含水性ポリオレフィン系樹脂組成物およびそれからなる予備発泡粒子
JP4815696B2 (ja) 筒付き絞り盤

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081209

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090310

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090319

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120327

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130327

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140327

Year of fee payment: 5

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140327

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term