JP5253123B2 - 圧縮充填法によるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造方法 - Google Patents

圧縮充填法によるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明はポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造方法に関する。特に圧縮充填法によるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造方法に関する。
ポリプロピレン系樹脂発泡体は緩衝性、断熱性等の物性に優れることから、包装材、緩衝材、断熱材、建築部材など様々な用途に使用されている。特に図1に示すような成形機を用い、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を金型に充填し、水蒸気などで加熱して発泡粒子同士を融着せしめて所定形状の発泡体を得るビーズ法型内発泡成形法は、複雑な形状の製品を比較的容易に得ることができるため、多くの用途に用いられている。
ビーズ法型内発泡成形法に使用するポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、耐圧容器内にポリプロピレン系樹脂粒子を水系分散媒に分散剤を用いて分散させ、炭化水素等の発泡剤を添加し、ポリプロピレン系樹脂粒子の軟化温度以上の温度まで加熱し発泡剤をポリプロピレン系樹脂粒子に含浸させた後、耐圧容器の内圧よりも低い圧力域に放出することにより製造することができる。高発泡倍率の発泡粒子が必要な場合、得られた発泡粒子に加圧下に空気等を含浸させた後、常圧下で加熱することにより、さらに発泡させた発泡粒子を得ることもできる。
ビーズ法型内発泡成形法においては、上記したように、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を金型の型窩内に充填し、水蒸気などで加熱して発泡粒子同士を融着せしめて所定形状の発泡体を製造する。金型の型窩内に充填する際、用いる発泡粒子に対しては、一般的にはイ)そのまま充填する、ロ)あらかじめポリプロピレン系樹脂発泡粒子中に空気等の無機ガスを圧入し、発泡能を付与してから充填する(以下、内圧付与法という)、ハ)ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を圧縮状態で金型内に充填する(圧縮充填法)、等の処理がなされている。これらの中でも、圧縮充填法は発泡粒子に発泡能が付与されているので発泡粒子間の融着性や得られる型内発泡成形体の表面平滑性に優れている。また、圧縮充填法は内圧付与法に比較し、内圧付与のための設備が不要で成形サイクルも短いという利点がある。
ビーズ法型内発泡成形法においては、金型に取り付けられている充填機を使用して発泡粒子を金型の型窩内に充填する。図1に示すように、通常用いられる充填機16では、空気の流れに発泡粒子を同伴させて型窩7内に発泡粒子を送り込む機構が採用される。金型は、発泡粒子を通さないが空気や蒸気を通すことができる通気口8を有する。発泡粒子が金型内に送り込まれると空気は通気口8を通って金型の型窩7外に排出され、発泡粒子は型窩7内に残留する。発泡粒子が型窩7内に十分充填されると空気が型窩7内に侵入せず発泡粒子圧縮タンク1に逆流する。このとき充填機16内に存在する発泡粒子は押し戻され充填機16は空になる。この工程は自然ブローバックと呼ばれている。充填機16内の発泡粒子が除去された後、ピストンプラグ19により、金型の発泡粒子充填口18が閉塞され、引き続いて蒸気加熱により型内発泡成形がなされる。
しかしながら、金型の発泡粒子充填口18付近において型内発泡成形体の融着不良が生じやすいことが知られている。この様な欠陥の存在は、型内発泡成形体の商品価値を著しく損なうもので、好ましくない。特許文献1によれば金型の発泡粒子充填口付近において型内発泡成形体の融着不良が生じやすい理由について次のように説明されている。発泡粒子の金型への充填工程における自然ブローバックによって充填機内の発泡粒子が完全に除去されず一部が残存する。残存した発泡粒子はピストンプラグにより金型型窩内に押し込まれるが、これにより金型型窩の発泡粒子充填口付近に発泡粒子が過剰に充填される。この現象は過充填と呼ばれており、過充填が生じるとこの部分に加熱蒸気が通過しにくくなり、当該部位に部分的に融着不良を有する型内発泡成形体となる。過充填が生じない場合であっても金型の発泡粒子充填口付近は空気や蒸気の通気口が少ない場合があり、加熱蒸気が流通しにくくなって融着不良を生じる場合もある。
特許文献1には、ブローバック時に金型内圧力を充填機内の圧力より高くなるように調整することにより、発泡粒子充填口付近の融着不良を防止できることが開示されている。また、特許文献2には発泡粒子充填口を閉塞するのにピストンプラグでなく充填口に設けたシャッターを用いて、充填機内に発泡粒子が残存しても、残存発泡粒子が金型内に押し込まれないようにして過充填を防止する方法が開示されている。特許文献1や特許文献2に開示された方法は、成形装置において発泡粒子充填口付近の融着不良を防止する方法である。しかし、発泡粒子の特性を特定することにより過充填を防止する方法は知られていない。
特開2000−15707号公報 特開平11−188732号公報
本発明の課題はビーズ法型内発泡成形法において、発泡粒子の特性を特定することによる金型の充填機取り付け部位付近の融着不良が発生しないポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、圧縮充填法を用いるビーズ法型内発泡成形法において、金型の充填機取り付け部位付近の融着不良を発生させない方法について検討した結果、特に、発泡剤としてブタン等の炭化水素を用いて得られたポリプロピレン系樹脂発泡粒子を使用し、圧縮充填法によって成形した型内発泡成形体における発泡粒子充填口付近の融着不良が多く発生することが判明した。
そこで、発泡剤として、発泡剤として二酸化炭素を含む発泡剤を使用し、さらに、基材樹脂として重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.6以上であるポリプロピレン系樹脂を使用し、得られた発泡粒子をさらに発泡させた多段発泡粒子を用いると、充填機付近の融着不良の発生を防止できることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち本発明は次のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造方法に関する。
(1) 次の工程を経て得られるポリプロピレン系樹脂多段発泡粒子を用いる、圧縮充填法によるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造方法。
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.6以上であるポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂粒子を耐圧容器内で分散媒に分散させ、発泡剤として二酸化炭素を含む発泡剤を添加した後、ポリプロピレン系樹脂粒子の軟化温度以上の温度に加熱し、ポリプロピレン系樹脂粒子内に二酸化炭素を含む発泡剤を含浸させたのち、耐圧容器の一端を開放してポリプロピレン系樹脂粒子を耐圧容器内よりも低圧の雰囲気中に放出することによりポリプロピレン系樹脂発泡粒子を製造する工程、
得られたポリプロピレン系樹脂発泡粒子をさらに発泡させ、ポリプロピレン系樹脂多段発泡粒子を製造する工程。
(2)ポリプロピレン系樹脂粒子の基材となるポリプロピレン系樹脂が、エチレンを共重合単量体成分として含むランダム共重合体であることを特徴とする(1)に記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造方法。
本発明のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造方法によれば金型の充填機取り付け部位付近の融着不良が発生しない型内発泡成形体を得ることができる。
本発明に用いるポリプロピレン系樹脂発泡粒子を構成するポリプロピレン系樹脂としては、単量体成分として、プロピレンを含んでいれば特に限定はなく、たとえば、プロピレンホモポリマー、α−オレフィン−プロピレンランダム共重合体、α−オレフィン−プロピレンブロック共重合体などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。特に、α−オレフィンがエチレンである、エチレンを共重合単量体成分として含有するポリプロピレン系樹脂が好ましい。好ましいエチレン含量は1重量%以上10重量%以下、さらには1重量%以上7重量%以下、さらには2重量%以上7重量%以下、さらには3重量%以上7重量%以下、さらには3.5重量%以上6重量%以下、特には3.5重量%以上5重量%以下である。なお、ポリプロピレン系樹脂中共重合単量体成分としてのエチレンの含有量は13C−NMRを用いて測定することができる。
本発明に用いるポリプロピレン系樹脂はエチレン以外の共重合単量体成分として含んでいてもよい。また、エチレンを共重合単量体成分として含有するポリプロピレン系樹脂がエチレン以外の単量体を共重合単量体成分として含んでいてもよい。エチレン以外の共重合単量体成分としては、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどの炭素数4〜12のα−オレフィン;シクロペンテン、ノルボルネン、テトラシクロ[6,2,11,8,13,6]−4−ドデセンなどの環状オレフィン;5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどのジエン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンなどのビニル単量体などが挙げられ、これらを一種または二種以上使用することが出来る。
本発明に用いるポリプロピレン系樹脂は、ランダム共重合体、ブロック共重合体のどちらでも用いることができる。エチレンを共重合単量体成分として含有するランダム共重合体を用いることが好ましく、特に汎用性の高い、エチレン−プロピレンランダム共重合体あるいはエチレン−プロピレン−ブテンランダム3元共重合体を用いることがより好ましい。共重合単量体成分としてのエチレン含量が1重量%以上7重量%以下、さらには、3重量%以上7重量%以下、さらには3.5重量%以上6重量%以下、特には3.5重量%以上5重量%以下であるエチレン−プロピレンランダム共重合体、あるいは、エチレン−プロピレン−ブテンランダム3元共重合体が好ましい。
また、ポリプロピレン系樹脂以外に、他の熱可塑性樹脂、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブテン、アイオノマー等をポリプロピレン系樹脂の特性が失われない範囲で混合使用してポリプロピレン系樹脂粒子としても良い。
本発明で使用するポリプロピレン系樹脂の重量平均分子量(以下、Mwと表記する場合がある)と数平均分子量(以下、Mnと表記する場合がある)の比(Mw/Mn)は3.6以上である。3.6未満であると型内発泡成形体における充填機取り付け部位付近の融着不良が発生しやすい。Mw/Mnが4.0以上、或いは5.0以上であっても充填機取り付け部位付近の融着不良の発生はない。本発明で使用するポリプロピレン系樹脂のMw/Mnは3.6以上6.0以下が好ましい。
Mn及びMwは以下の条件において測定される。
測定機器 :Waters社製Alliance GPC 2000型 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
カラム :TSKgel GMH6−HT 2本、
TSKgel GMH6−HTL 2本(それぞれ、内径7.5mm×長さ300mm、東ソー社製)
移動相 :o−ジクロロベンゼン(0.025%BHT含有)
カラム温度:140℃
流速 :1.0mL/min
試料濃度 :0.15%(W/V)−o−ジクロロベンゼン
注入量 :500μL
分子量較正:ポリスチレン換算(標準ポリスチレンによる較正)
本発明で使用するポリプロピレン系樹脂は、チーグラー触媒、メタロセン触媒、ポストメタロセン触媒等の触媒を用いて得ることができる。チーグラー触媒を使用するとMw/Mnが大きいポリプロピレン系樹脂が得られる傾向にある。また、これらの触媒を使用して得られたポリプロピレン系樹脂を有機過酸化物で減成処理すると分子量やメルトインデックス等の特性を調整することができる。
使用しうる有機過酸化物としては、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート等が挙げられる。
有機過酸化物の使用量は、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.001重量部以上0.1重量部以下であることが好ましい。ポリプロピレン樹脂を減成処理するには、例えば、有機過酸化物を添加したポリプロピレン系樹脂を押出機内で加熱溶融により行うことができる。
本発明で使用するポリプロピレン系樹脂は無架橋の状態が好ましいが、有機過酸化物や放射線等で処理することにより架橋反応を行っても良い。また、2以上のポリプロピレン系樹脂を混合しても良い。
本発明で用いるポリプロピレン系樹脂粒子の融点は、130℃以上165℃以下であることが好ましく、更には135℃以上155℃以下のものが好ましい。融点が130℃未満の場合、耐熱性、機械的強度が十分でない傾向がある。また、融点が165℃を超える場合、型内発泡成形時の融着を確保することが難しくなる傾向がある。ここで、前記融点とは、示差走査熱量計によってポリプロピレン系樹脂1〜10mgを40℃から220℃まで10℃/分の速度で昇温し、その後40℃まで10℃/分の速度で冷却し、再度220℃まで10℃/分の速度で昇温した時に得られるDSC曲線における吸熱ピークのピーク温度をいう。
本発明で用いることが出来るポリプロピレン系樹脂粒子のメルトフローレート(以下、MFR値)は、0.5g/10分以上30g/10分以下であることが好ましく、更には2g/10分以上20g/10分以下のものが好ましい。MFR値が0.5g/10分未満の場合、高発泡倍率のポリプロピレン系樹脂発泡粒子が得られにくい場合があり、30g/10分を超える場合、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の気泡が破泡し易く、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の連泡率が高くなる傾向にある。なお、MFR値はJIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgで測定する。
ポリプロピレン系樹脂は通常、発泡粒子を製造するために、押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール等を用いて溶融し、円柱状、楕円状、球状、立方体状、直方体状等の樹脂粒子形状に加工する。必要に応じて添加される他の樹脂や添加剤もこの工程で添加することができる。ポリプロピレン系樹脂粒子の大きさは、一粒の重量が0.1mg以上30mg以下であることが好ましく、0.3mg以上10mg以下がより好ましい。ポリプロピレン系樹脂粒子の一粒の重量は、ポリプロピレン系樹脂粒子をランダムに選んだ100粒から得られる平均樹脂粒子重量であり、以下、mg/粒で表示する。
ポリプロピレン系樹脂粒子の製造の際、必要により発泡核剤、親水性物質、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、リン系加工安定剤、ラクトン系加工安定剤、金属不活性剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエート系光安定剤、ヒンダードアミン系光安定剤、難燃剤、難燃助剤、酸中和剤、結晶核剤、アミド系添加剤等の添加剤を、ポリプロピレン系樹脂の特性を損なわない範囲内で添加することができる。樹脂に発泡核剤、親水性物質或いは他の添加剤を加える場合、上記ポリプロピレン系樹脂粒子の製造前にブレンダー等を用いポリプロピレン系樹脂と混合することが好ましい。また、溶融したポリプロピレン系樹脂中に添加剤を添加してもよい。
発泡核剤は、セル造核剤ともいい、発泡の時に気泡核の形成を促す物質である。発泡核剤の例としては、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、カオリン、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン等の無機物質が挙げられる。これらの中でも、タルク、炭酸カルシウムがポリプロピレン系樹脂中への分散性が良好で均一な気泡を有する発泡粒子を得易くなるため好ましい。発泡核剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
発泡核剤の添加量は使用する発泡核剤によって異なり、一概には決めることが出来ないが、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.005重量部以上2重量部以下であることが好ましく、0.01重量部以上1重量部以下であることがより好ましい。発泡核剤の添加量が0.005重量部より少ない場合は、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の発泡倍率を大きくすることができなかったり、気泡の均一性が低下してしまう場合がある。発泡核剤の添加量が2重量部より多い場合は、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の平均気泡径が小さくなり過ぎ、型内発泡成形性が不良となる傾向にある。
また、たとえば発泡核剤としてタルクを使用する場合、添加量はポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.005重量部以上1重量部以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.01重量部以上0.5重量部以下、より好ましくは0.02重量部以上0.2重量部以下である。
ポリプロピレン系樹脂には、親水性物質を添加してもよい。親水性物質を添加すると発泡粒子の発泡倍率を向上させることができる。親水性物質として分子量600以下の化合物が好ましい。親水性物質が無機塩などの場合は分子量に代えて式量を使用する。親水性物質の分子量が600を越えると、分子量が600以下の親水性物質を使用する場合に比較し、同じ発泡倍率の発泡粒子を得るためには多量の親水性物質が必要になり、さらに、得られる型内発泡成形体の低収縮性、表面性あるいは融着性が低下する傾向がある。親水性物質が重合体の場合、その平均分子量は、たとえば、サーモフィッシャーサイエンティフィック製LCQアドバンテージなどの液体クロマトグラフ質量分析装置を使用し測定できる。
本発明で用いる親水性物質は、発泡直後の発泡粒子が一定量以上の水を含有するようにできる物質であればよく、必ずしも室温で親水性でなくともよい。親水性物質の具体例としては、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硼砂、硼酸亜鉛等の無機物、グリセリン、メラミン、イソシアヌル酸、メラミン・イソシアヌル酸縮合物等の有機物、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド等のポリエーテル、ポリエーテルのポリプロピレン等への付加物やこれらのアロイ、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩、ブタジエン(メタ)アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩、カルボキシル化ニトリルゴムのアルカリ金属塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ金属塩及びポリ(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩等の親水性重合体が挙げられる。国際公開WO97/38048号公報、特開平10−306179号公報、特開平11−92599号公報、特開2004−67768号公報には親水性物質が詳細に記載されている。これら、無機物、有機物や親水性重合体を2種以上併用してもよい。これらの親水性物質のなかでは、ポリエチレングリコール等の有機重合体、グリセリン、メラミン等の有機物あるいは硼酸亜鉛が好ましく、有機重合体や有機物が特に好ましい。
親水性物質の添加量は、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.005重量部以上2重量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.005重量部以上1重量部以下、更に好ましくは0.01重量部以上0.5重量部以下である。ここで親水性物質の添加量とは、吸水していない状態での親水性物質の重量を指す。親水性物質の添加量が0.005重量部より少ないと、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の発泡倍率を向上させることができなかったり、気泡の均一化効果が低減する傾向がある。添加量が2重量部を超えると、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の収縮が生じ易くなったり、ポリプロピレン系樹脂中への親水性物質の分散が不十分となる傾向がある。なお、親水性物質が親水性重合体の場合、100重量部に対して0.1重量部以上0.5重量部以下使用することが好ましい。
前記ポリプロピレン系樹脂粒子から除圧発泡法と呼ばれる方法を用いてポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得る。具体的には、ポリプロピレン系樹脂粒子を耐圧容器内において分散媒に分散させ、発泡剤として二酸化炭素を含む発泡剤を添加した後、ポリプロピレン系樹脂粒子の軟化温度以上の温度に加熱し、ポリプロピレン系樹脂粒子内に二酸化炭素を含む発泡剤を含浸させたのち、耐圧容器の一端を開放してポリプロピレン系樹脂粒子を耐圧容器内よりも低圧の雰囲気中に放出することにより、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を製造する。除圧発泡法で得られた発泡粒子を一段発泡粒子と呼ぶ場合がある。ポリプロピレン系樹脂粒子の軟化温度はJIS K 2207に従って測定できる。通常、軟化温度は融点よりも低い。
本発明においては、二酸化炭素を含む発泡剤を使用する。ブタン等の飽和炭化水素類を使用すると、得られる型内発泡成形体における充填機取り付け部位付近の融着不良が発生しやすい。二酸化炭素を含む発泡剤とは、発泡剤中、二酸化炭素の量が、好ましくは70%以上であることを言う。
二酸化炭素を発泡剤として使用していれば、他の物理発泡剤を併用してもよい。他の物理発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン等の飽和炭化水素類、ジメチルエーテル等のエーテル類、メタノール、エタノール等のアルコール類、空気、窒素等の無機ガス、水等が挙げられる。中でも特に環境負荷が小さく、燃焼危険性も無いことから、水を併用することが望ましい。ポリプロピレン系樹脂粒子が親水性物質を含有していると、分散剤に水を含んでいる場合、分散媒中の水がポリプロピレン系樹脂粒子内に含有され、水が発泡剤として作用しやすくなる。二酸化炭素と水を併用することで、発泡力を大きくし易いことから、高発泡倍率を得る際においても、発泡核剤の添加量を少なくすることができ、結果として平均気泡径が大きい発泡粒子が得られ、二次発泡性も良好なものとなる傾向がある。
発泡剤として水が作用しているかどうかは、二酸化炭素にかえて窒素を使用して、発泡温度や発泡圧力などの条件は二酸化炭素を使用した場合と同一になるようにして発泡粒子を製造し、発泡粒子内に含有されている水分量を測定することにより判断することができる。発泡粒子に含有される水分が発泡剤として作用する。発泡粒子内に含有されている水分量は、発泡直後の発泡粒子の重量とこれを乾燥し水分を揮発させた発泡粒子の重量との差から計算できる。また他の方法として、発泡直後の発泡粒子をポリマー用水分計、あるいはカールフィッシャー水分計などで測定することも可能である。
本発明においては、除圧発泡法によって得られたポリプロピレン系樹脂発泡粒子(一段発泡粒子)をさらに発泡させ、ポリプロピレン系樹脂多段発泡粒子を製造する。発泡方法としては、一段発泡粒子を耐圧容器内にて空気等の無機ガスにて加圧し、内圧を付与したのち、加熱することでさらに発泡させる方法が好ましい。さらに発泡させる工程を複数回行ってもよい。このような工程を「多段発泡」と称する。多段発泡の中でも、さらに発泡させる工程を一回だけ行う場合には、「二段発泡」と称す場合がある。
また、多段発泡によって得られる発泡粒子を多段発泡粒子と称するが、一段発泡粒子を二段発泡によって得られる発泡粒子を二段発泡粒子と呼ぶ場合がある。
最終的に得られる、ポリプロピレン系樹脂多段発泡粒子の発泡倍率は20倍以上、好ましくは30倍以上、さらに好ましくは32倍以上である。ポリプロピレン系樹脂多段発泡粒子の発泡倍率は60倍以下が好ましい。発泡倍率が20倍未満の場合は、軽量化のメリットが得られず、また得られる型内発泡成形体の柔軟性、緩衝特性などが不充分となる傾向があり、60倍を越える場合は得られる型内発泡成形体の寸法精度、機械的強度、耐熱性などが不充分となる傾向がある。ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の発泡倍率の測定法は後記する。
本発明で用いるポリプロピレン系樹脂発泡粒子、或いは、ポリプロピレン系樹脂多段発泡粒子の平均気泡径は50μm以上800μm以下であることが好ましく、より好ましくは100μm以上600μm以下、さらに好ましくは200μm以上500μm以下である。平均気泡径が50μm未満の場合、得られる型内発泡成形体の形状が歪む、表面にしわが発生するなどの問題が生じる場合があり、800μmを越える場合、得られる型内発泡成形体の緩衝特性が低下する場合がある。平均気泡径は、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の切断面について、表層部を除く部分について、ASTM D3576に従い測定する。
本発明で用いるポリプロピレン系樹脂発泡粒子、或いは、ポリプロピレン系樹脂多段発泡粒子の連泡率は0〜12%であることが好ましく、より好ましくは0〜8%、さらに好ましくは0〜5%である。連泡率が12%を超えると、型内発泡成形時に蒸気加熱による発泡性に劣り、得られた型内発泡成形体が収縮してしまう傾向にある。
本発明で用いるポリプロピレン系樹脂多段発泡粒子は、示差走査熱量測定によって得られるDSC曲線において、2つ以上の融点を示す結晶構造を有することが好ましい。2つ以上の融点を示す結晶構造を有するポリプロピレン系樹脂多段発泡粒子の場合、型内発泡成形性が良く、機械的強度や耐熱性の良好な型内発泡成形体が得られる傾向にある。ここで、ポリプロピレン系樹脂多段発泡粒子の示差走査熱量測定によって得られるDSC曲線とは、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子1〜10mgを示差走査熱量計によって10℃/分の昇温速度で40℃から220℃まで昇温したときに得られるDSC曲線のことである。このDSC曲線において、現れる融解ピークの示す温度が融点である。
前記のごとく2つ以上の融点を示す結晶構造を有するポリプロピレン系樹脂多段発泡粒子は、除圧発泡時の耐圧容器内温度を適切に設定することにより容易に得られる。基材となるポリプロピレン系樹脂の軟化温度以上、好ましくは融点+3℃以上、融解終了温度未満、好ましくは融解終了温度−2℃以下の温度から選定される。ここで、前記融解終了温度とは、示差走査熱量計によってポリオレフィン系樹脂粒子1〜10mgを40℃から220℃まで10℃/分の速度で昇温し、その後40℃まで10℃/分の速度で冷却し、再度220℃まで10℃/分の速度で昇温した時に得られる融解ピーク曲線が高温側でベースラインの位置に戻ったときの温度である。
以上のようにして得られるポリプロピレン系樹脂多段発泡粒子は、圧縮充填法を用いて型内発泡成形されポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体が製造される。
すなわち、得られたポリプロピレン系樹脂多段発泡粒子を圧縮して、圧縮されたポリプロピレン系樹脂多段発泡粒子を製造し、圧縮されたポリプロピレン系樹脂多段発泡粒子を型内発泡成形機金型の型窩内に充填、金型内の圧力を解放し充填されている圧縮されたポリプロピレン系樹脂多段発泡粒子を膨張させ、膨張されたポリプロピレン系樹脂多段発泡粒子を加熱し、発泡粒子間を融着させ、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体とする。
ポリプロピレン系樹脂多段発泡粒子は、該発泡粒子を圧縮タンク中で加圧ガスを用いて、好ましくは充填前の発泡粒子の嵩体積の20〜80%に圧縮し、圧縮された発泡粒子を閉鎖しうるが密閉しない金型の型窩内に充填し、金型内の圧力を開放した後、蒸気などによりポリプロピレン系樹脂多段発泡粒子を加熱、発泡粒子間を融着させて型内発泡成形体を製造する。
次に圧縮充填法によるビーズ法型内発泡成形法の一例を、図面を参照しながら説明する。第1図において1は発泡粒子圧縮タンク、2は発泡粒子供給口、3は加圧ガス入口、4は金型、5は固定型、6は移動型、7は型窩、8は通気口、9はスチームチャンバー、10は蒸気ライン、11は蒸気弁、12はドレン弁、13は金型ガス圧力調整バルブ、14は排気弁、15は排気口、16は充填機、17は発泡粒子充填用加圧ガス入口、18は発泡粒子充填口、19はピストンプラグ、20は均圧ラインである。
第1図に示される装置においては、ポリプロピレン系樹脂多段発泡粒子は発泡粒子供給口2から発泡粒子圧縮タンク1に供給され、加圧ガスが加圧ガス入口3から供給される。このとき、均圧ライン20によって閉鎖しうるが密閉できない金型内にも加圧ガスが供給される。
上記圧縮に用いる加圧ガスとしては、経済性、生産性、安全性、環境適合性等の点から、二酸化炭素、窒素、空気又はこれらを主体(通常、50容量%以上が好ましく、70容量%以上がより好ましい)とし、アルゴン、ヘリウム、キセノン等の不活性ガスや水蒸気、酸素、水素、オゾン等を更に少量(50容量%以下が好ましく、30容量%以下がより好ましい)含む無機ガス等を使用することが好ましく、圧縮設備の設備費の点から空気がより好ましい。
発泡粒子圧縮タンク1内および金型4内の圧力は金型ガス圧力調整バルブ13によって調整され、所定の圧力に昇圧される。このとき排気弁14は閉じている。圧縮時の圧力は、通常、下限が好ましくは0.04MPa(G)であり、より好ましくは0.05MPa(G)であり、上限が好ましくは0.40MPa(G)であり、より好ましくは0.35MPa(G)である。発泡粒子圧縮タンク1の耐圧は、高い方がそれだけ発泡粒子に圧縮ガス圧を与えられるため圧縮充填成形が適用可能な嵩密度範囲が拡ってよいが、耐圧能力が高いと設備投資費が大きくなるため、通常用いられている耐圧0.4MPa(G)付近が好ましい。
ついで、圧縮されたポリプロピレン系樹脂多段発泡粒子は、固定型5と移動型6とのあいだの型窩7に充填機16によって充填される。なお、充填は通常のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の型内発泡成形で行なわれているのと同様であり、発泡粒子充填用加圧ガス入口17から加圧ガスが供給されている。このとき金型ガス圧力調整バルブ13は所定の金型ガス圧力を維持するような開度で開いている。発泡粒子充填用加圧ガス入口17から供給された加圧ガスに発泡粒子を同伴させて型窩7内に発泡粒子が送り込まれる。
型窩7を構成する固定型5と移動型6は発泡粒子を通さないが空気や蒸気を通すことができる通気口8を有しており、発泡粒子が型窩7内に送り込まれると空気は通気口8を通って型窩7外に排出され、発泡粒子は型窩7内に残留する。発泡粒子が型窩7内に十分充填されると空気が型窩7内に侵入せず発泡粒子圧縮タンク1に逆流する。このとき充填機16内に存在する発泡粒子は押し戻され充填機16は空になる(自然ブローバック)。充填機16内の発泡粒子が押し戻された後、ピストンプラグ19により、金型の発泡粒子充填口18が閉塞される。
充填が終了したのち、発泡粒子圧縮タンク1および金型内の過剰の空気を排気弁14より逃し、金型内の圧力を開放、好ましくは大気圧とし、充填されている圧縮されたポリプロピレン系樹脂多段発泡粒子を膨張させる。そののち、加熱用水蒸気が蒸気ライン10から金型4内に供給され、型窩7に充填されたポリプロピレン系樹脂発泡粒子を加熱し、発泡粒子間を融着せしめる。該蒸気の圧力は通常0.18MPa以上であるのが好ましい。また、金型の加熱温度および加熱時間は金型の大きさや発泡粒子の種類などに応じて適宜調整されるが、通常加熱温度は116〜152℃、なかでも120〜145℃、加熱時間は7〜30秒間、なかでも8〜20秒間であるのが好ましい。
実際には次のような加熱工程が採用されることが多い。
1)予備加熱工程:移動型、固定型の蒸気弁11、ドレン弁12及び排気弁14を開いた状態で下記両面加熱時よりも低圧の蒸気を金型内に流す。加熱時間は1〜20秒程度である。
2)一方加熱工程:移動型蒸気弁を閉、固定型蒸気弁を開、移動型ドレン弁を開、固定型ドレン弁を閉及び排気弁14を開の状態で両面加熱時よりも低圧の蒸気を金型内に流す。加熱時間は1〜20秒程度である。
3)逆一方加熱工程:移動型蒸気弁を開、固定型蒸気弁を閉、移動型ドレン弁を閉、固定型ドレン弁を開及び排気弁を開の状態で両面加熱時よりも低圧の蒸気を金型内に流す。加熱時間は1〜20秒程度である。
4)両面加熱工程(本加熱工程):移動型、固定型の蒸気弁を開、移動型、固定型のドレン弁を閉の状態で蒸気を金型内に流す。加熱時間は7〜30秒程度である。両面加熱工程で型窩内は最も高い温度となる。このときの加熱温度が上記116〜152℃である。
加熱工程の後、型内発泡成形体は水冷等により冷却され、つぎに金型を型開きにすることにより、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体が取り出される。金型には通常、型内発泡成形体の面圧を測定する面圧計が取り付けられており、所定の面圧に低下したときに金型が型開きされる。
本発明の製造方法により得られるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、断熱材、緩衝包装材、自動車内装部材、自動車バンパー用芯材などの用途に用いることができる。高発泡倍率の型内発泡成形体が使用されることが多い緩衝包装材に、本発明の製造方法を用いて得られる型内発泡成形体を使用することは、特に望ましい使用法である。
つぎに実施例および比較例をあげて本発明のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造方法をさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。また、実施例及び比較例における評価は下記の方法で行った。
(DSC比)
DSC比は、示差走査熱量計を用いて、圧縮成形に供する前(多段発泡後)のポリプロピレン系樹脂多段発泡粒子5〜6mgを10℃/minの昇温速度で40℃から220℃まで昇温する際に得られる、2つのピークを有する融解曲線にから求める。該融解ピークのうち低温側の融解ピーク熱量Qlと、高温側の融解ピーク熱量Qhから算出した、高温側の融解ピークの比率Qh/(Ql+Qh)×100で表されるパラメータである。
(嵩密度)
円筒状容器に発泡粒子を充填し、容器の開口部を越えた発泡粒子を取り除いて容器内の発泡粒子の重量を測定し、発泡粒子の重量を容器体積で除して嵩密度を求める。
(成形体発泡倍率)
型内発泡成形体の重量w(g)および水没体積v(cm3)を求め、樹脂の密度d(g/cm3)から次式により求める。
発泡倍率=d×v/w
(成形体における発泡粒子充填口付近の融着状態)
得られた型内発泡成形体を25℃で2時間静置し、次いで75℃に温調した恒温室内に15時間静置した後、取り出し、25℃で放冷した。該型内発泡成形体における発泡粒子充填口にある発泡粒子を軽く爪で引き掻き、発泡粒子が一粒でも剥がれた場合を融着状態が不良、剥がれない場合を融着状態が良好、であるとした。後記するように成形機は2カ所の発泡粒子充填口を有する。充填口付近融着状態の評価は4ショットの型内発泡成形を行い、4個の型内発泡成形体にある合計8カ所の充填口付近の融着状態を評価した。表1における充填口付近融着状態の評価の数字は8カ所の充填口付近の不良であった個数を示す。例えば、数字が0の場合は8カ所すべての発泡粒子充填口付近の融着状態が良好である場合である。数字が1の場合は8カ所中、1カ所の発泡粒子充填口付近の融着状態が不良であるが他の7カ所は良好である場合である。
(圧縮比)
得られた成形体密度(g/L)を実重量と水没法による体積から算出し、これを、使用したポリプロピレン系樹脂多段発泡粒子の嵩密度(g/L)で除した値を圧縮比とした。
(融着率)
得られた型内発泡成形体を25℃で2時間静置し、次いで75℃に温調した恒温室内に15時間静置した後、取り出し、25℃で放冷した。該型内発泡成形体を割った際に発泡粒子内で破断している粒子の割合を検査し、その割合を融着率とした。
(実施例1、実施例2および比較例1)
基材樹脂として、表1に示した特性を有するポリプロピレン系樹脂を使用した。樹脂1〜3はエチレンを共重合単量体成分として含有するポリプロピレン樹脂であり、樹脂2および3は減成処理によって得られたポリプロピレン樹脂である。この樹脂100重量部に対し、親水性物質としてグリセリンを0.2重量部、発泡核剤としてタルクを0.02重量部添加してドライブレンドし、押出機内で溶融混練した後、円形ダイよりストランド状に押出し、水冷後、カッターで切断し、一粒の重量が1.3mg/粒、ほぼ円柱形状の樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子100重量部、水200重量部、塩基性第三リン酸カルシウム0.5重量部、アルキルスルフォン酸ソーダ0.01重量部を耐圧オートクレーブ中に仕込んだ。
表1に示す発泡温度において表1に示す圧力(発泡圧力)になるように二酸化炭素を添加し発泡温度まで加熱した。その後、オートクレーブ下部のバルブを開き、内容物を大気圧下に放出して一段発泡粒子を得た。得られた一段発泡粒子を耐圧容器中で空気により加圧し、一段発泡粒子に内圧を付与した後、水蒸気で加熱し二段発泡させた。得られた二段発泡粒子の発泡倍率およびDSC比を表1に示す。
得られた二段発泡粒子を発泡粒子圧縮タンクに充填し表1に示す圧縮圧で表1に示す圧縮比とし、ほぼこの圧力下で成形機金型の型窩内に圧縮された二段発泡粒子を移送した。この後、金型内の圧力を大気圧に開放し、水蒸気による加熱により型内発泡成形した。成形機は300mm×400mm×50mmの寸法を有する直方体形状の型内成形機型窩を1個有しており、型窩の固定型側に直径17mmの円形充填口を有する充填機を2機有していた。充填口の取り付け位置は長さ方向中心線上である。
加熱は予備加熱3秒(移動型、固定型のドレン弁を開いた状態)で行い、一方加熱5秒、逆一方加熱5秒、両面加熱10秒(両面加熱時の蒸気圧力は表1に示した。)で行った。加熱工程を完了後、予冷(ドレン弁を閉じた状態で冷却)を10秒行い、次に面圧が0.1MPaになるまで水冷を行った後、離型し、発泡成形体を得た。
得られた型内発泡成形体の発泡粒子充填口付近の粒子融着状態および成形体融着率を両面加熱時の蒸気圧力が0.30、0.33及び0.36MPa(G)の場合について評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 0005253123
表1から明らかなようにMw/Mnが大きい樹脂1を使用した場合(実施例1)、樹脂の融点が高いにもかかわらず、型内発泡成形体の発泡粒子充填口付近の融着状態は良好であった。また、Mw/Mnが大きい樹脂2を使用した場合(実施例2)、同じ樹脂の融点を有するがMw/Mnが小さい樹脂3を使用した場合(比較例1)に比較し型内発泡成形体の発泡粒子充填口付近の融着状態は良好であった。なお、表1から明らかなように実施例1〜2、比較例1における型内発泡成形体の融着率はほぼ樹脂融点に対応していた。
(比較例2)
発泡剤としてブタンを使用し、発泡条件として表1に記載の条件を使用し、二段発泡せず除圧発泡(一段発泡)によって一挙に嵩密度18.8g/Lの発泡粒子を得たほかは実施例1と同様にして発泡粒子を製造した。得られた発泡粒子を用い表1に示した型内発泡成形条件を用いたほかは実施例1と同様に型内発泡成形体を製造した。型内発泡成形体の評価結果を表1に示す。表1から明らかなように実施例1と同じ樹脂を使用し、発泡粒子の発泡倍率はほぼ同じであるにもかかわらず型内発泡成形体の発泡粒子充填口付近の粒子融着状態はよくなかった。
本発明の製造方法に用いる装置の一例を示す説明図
符号の説明
1 発泡粒子圧縮タンク
2 発泡粒子供給口
3 加圧ガス入口
4 金型
5 固定型
6 移動型
7 型窩
8 通気口
9 スチームチャンバー
10 蒸気ライン
11 蒸気弁
12 ドレン弁
13 金型ガス圧力調整バルブ
14 排気弁
15 排気口
16 充填機
17 発泡粒子充填用加圧ガス入口
18 発泡粒子充填口
19 ピストンプラグ
20 均圧ライン

Claims (2)

  1. 次の工程を経て得られるポリプロピレン系樹脂多段発泡粒子を用いる、圧縮充填法によるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造方法。
    重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.6以上であるポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂粒子を耐圧容器内で分散媒に分散させ、発泡剤として二酸化炭素を含む発泡剤を添加した後、ポリプロピレン系樹脂粒子の軟化温度以上の温度に加熱し、ポリプロピレン系樹脂粒子内に二酸化炭素を含む発泡剤を含浸させたのち、耐圧容器の一端を開放してポリプロピレン系樹脂粒子を耐圧容器内よりも低圧の雰囲気中に放出することによりポリプロピレン系樹脂発泡粒子を製造する工程、
    得られたポリプロピレン系樹脂発泡粒子をさらに発泡させ、ポリプロピレン系樹脂多段発泡粒子を製造する工程。
  2. ポリプロピレン系樹脂粒子の基材となるポリプロピレン系樹脂が、エチレンを共重合単量体成分として含有するランダム共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造方法。
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