JP2006288719A - X線ct撮影方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 X線CT撮影において回転中心のずれを容易に較正できるようにする。
【解決手段】 被写体の断層面についてX線投影データを取得する。次に、被写体に相対的な前記X線イメージセンサの回転の方向に複数の変位量を設定して、同じX線投影データから前記変位量分の変位を加えた画像再構成を行って複数の断層画像データを作成する。そのなかで、階調の拡がりが最も大きな断層画像データが得られた変位量を基に、画像再構成計算の補正データを設定する。または、各変位量に対応して変換テーブルを作成して複数の断層画像を作成する。そのなかで、階調の拡がりが最も大きな断層画像が得られた変換テーブルを画像再構成計算に用いる。または、断層画像を作成して、画像のぼけの幅を求め、ぼけの幅の1/2の変位量を基に、画像再構成計算に用いる補正データを設定する。
【選択図】図15

Description

この発明は、CT撮影における画像再構成に関する。
X線コンピュータ断層撮影(CT)装置では、X線発生器とX線イメージセンサを被写体の両側に配置する。そして、X線発生器とX線イメージセンサを被写体の周りで回転させつつ、X線発生器により被写体に多方向からX線ビームを照射し、被写体を透過したX線の強度分布(被写体の投影)をX線イメージセンサで測定する。そして、1回転で収集されたX線投影データから、被写体の断層面について被写体内部のX線の線吸収係数の分布(画像)を2次元的に再構成して、断層像を得る。この再構成計算を、回転中心軸に垂直な複数の面について行う。さらに、複数の断層像から3次元画像を得る。
X線発生器およびX線イメージセンサと被写体とはどちらが回転してもよい。上述の例では、X線発生器およびX線イメージセンサが被写体の周りで回転されるが、工業用の被写体に使用されるX線CT撮影装置(たとえば特開平5−322802号公報参照)では、被写体の両側に配置されるX線発生器とX線イメージセンサの位置は固定され、一方、被写体が、回転テーブルに載せられる。そして、回転テーブルを回転しつつ被写体の投影が撮影される。そして、1回転で収集されたX線投影データから、被写体の断層面像が計算される。
X線発生器、被写体およびX線イメージセンサからなる投影データ収集系において、それらの構成要素の間の相対的位置関係が予め決定されている。X線投影データを被写体のX線吸収係数の分布に変換する画像再構成において、この相対的位置関係を基に計算を行って断層画像を作成する。投影データ収集系において撮影時に発生する位置歪みを補正する必要がある。このため、被写体の位置に被写体の代わりに適当なファントムをおいて撮影をして種々の補正用データを得ている。そして、この補正用データを用いて、X線イメージセンサで収集されたX線投影データを補正して、画像再構成の計算を行う。
X線CT撮影装置では、X線発生器及び/又はX線イメージセンサの被写体に対する位置を変えることにより、画像を拡大または縮小できる。たとえば、X線発生器とX線イメージセンサでの位置をそれぞれ独立に変えられるCT装置では、X線発生器及び/又はX線イメージセンサの被写体に対する距離を変えることにより画像の拡大/縮小が行える。また被写体を載せるテーブルを移動しても倍率を可変できる。また、歯科用X線撮影装置では、CT撮影のほか、セファロX線撮影やパノラマX線撮影もできるようにしたものがある。そのような装置において、たとえばセファロX線撮影やパノラマX線撮影の後でCT撮影をするとき、X線検出器の位置が変わる。しかし、良質な再構成画像を得るために、上述のように、X線発生器、被写体およびX線イメージセンサの間の相対的位置関係が正確でなければならない。なかでも、X線発生器及びX線イメージセンサの撮像系または被写体の回転の中心の位置を正確に知ることが重要である。回転中心と設定している点(名目上の回転中心)と真の回転中心がずれている場合、再構成画像はぼけてしまう。したがって、被写体画像の倍率を変更するたびに、また、X線イメージセンサやX線発生器の付け外しのたびに、回転中心を較正する必要がある。また、経時変化などで、装置内で位置ずれが生じた場合も同様である。さらに、X線イメージセンサを旋回アームに対して着脱自在とした構成で、いったんX線イメージセンサを旋回アームから外して再度装着した場合などに位置ずれが生じることがある。特に、X線発生器から見て回転軸に対して左右の方向での回転中心位置の位置ずれは非常に大きな影響がある。その場合、回転中心位置のずれにより再構成計算が不正確になり、再構成された画像はぼけてしまうので、やはりX線イメージセンサの装着のたぴに回転中心を較正する必要がある。
回転中心を含む補正データの作成を含む倍率変更手順はたとえば以下のとおりである。まず、被撮影位置に位置づけられた被写体を取り外し、次に、拡大率変更のために、装置の物理的位置を変更し、次に、補正データ作成用のフィクスチャ(ジグ)を取り付ける。次に、撮影をして、撮影データを用いて補正データを計算する。次に、補正データ作成用のフィクスチャ(ジグ)を取り外し、被写体を再度取り付け、位置づける。次に、被写体を撮影し、撮影データの再構成を行う。したがって、フィクスチャ(ジグ)の取り付け、取り外しや、補正データの撮影などに手間と時間がかかっていた。また、患部が微細な部位であり、治療中に頻繁に撮影する必要がある場合、撮影の都度、上述の被写体(患部)の位置づけを繰り返すという手順は受け入れがたいものであり、拡大率変更は実用的でなかった。また、被写体を位置づけたまま拡大率を可変する場合などでは、補正データの取得が不可能であるため、現実的には、被写体を位置づけし直す必要があった。また、X線イメージセンサを旋回アームに対して着脱自在とした構成で、いったんX線イメージセンサを旋回アームから外して再度装着した場合などに、X線イメージセンサを装着するごとに回転中心位置を較正する必要があった。
回転中心の較正を容易にするため、たとえば特開平2004−301860号公報に記載されたコンピュータ断層撮影装置では、ファントムを用いることなく、被検体自身の透過データ(サイノグラム)から求める。まず角度ごとの透過画像をX線検出器で取得する。そして、得られた複数の透過データが作るサイノグラム上で、複数点での透過データと、仮想回転中心を設定して決まる当該複数点での透過データとの相関をとる。仮想回転中心を変更して相関をとり、最もよい相関を与える仮想回転中心を回転中心位置として求める。
特開平5−322802号公報 特開2004−301860号公報
X線CT撮影において、回転中心が不正確であると再構成計算が不正確になり再構成画像はぼけてしまうので、回転中心の較正は重要である。回転中心位置はたとえば0.1mmの精度で決定されることが望ましい。このため、従来からX線イメージセンサおよび/またはX線発生器の付け外しや位置変更をするたびに回転中心位置が較正されている。しかし、上述のサイノグラムを用いた手法は、ファントムを用いなくてもよいという利点はあるが、処理が複雑である。
本発明の目的は、X線CT撮影において回転中心のずれを容易に較正できるX線CT撮影方法及び装置を提供することである。さらに詳しくは、本発明の目的は、X線発生器、X線イメージセンサおよび被写体の相対的位置関係の変化により画像の倍率(拡大率)を変えた場合に回転中心のずれを容易に較正できるX線CT撮影方法及び装置を提供することであり、また、X線イメージセンサを旋回アーム等に対して着脱自在とした構成で、いったんX線イメージセンサを旋回アーム等から外して再度装着した場合などにも容易に較正できるX線CT撮影方法及び装置を提供することである。
本発明に係る第1のX線CT補正方法では、(1)被写体を挟んで対向して配置されたX線発生器およびX線イメージセンサを被写体に対して相対的に回転しつつ、X線発生器により発生されたX線を被写体に照射して被写体を透過したX線をX線イメージセンサにより検出して、X線投影データを取得する。次に、(2)取得した前記X線投影データを被写体のX線吸収係数の分布に変換する画像再構成の計算において設定されている前記X線発生器、前記回転の中心および前記X線イメージセンサの間の相対的位置関係において、前記被写体に相対的な前記X線イメージセンサの回転の方向に変位量を設定し、次に、前記X線投影データから前記被写体またはその一部の対象部位について前記変位量分の変位を加えた前記画像再構成を行って断層画像データを作成する。(3)この断層画像データの作成を同じX線投影データを基に複数の変位量について行う。次に、(4)得られた複数の前記断層画像データのうち、階調の拡がりが最も大きな断層画像データが得られた変位量を基に、画像再構成計算の補正データを設定する。ここで及び明細書の他の箇所で、「前記変位量分の変位を加えた前記画像再構成を行う」ことは、「前記変位量分の変位をした位置の前記X線投影データから、前記被写体またはその一部の対象部位について前記画像再構成を行って断層画像データを作成する」ことも、「前記X線投影データから、前記被写体またはその一部の対象部位について、前記変位量分の変位を加える補正をする前記画像再構成を行って断層画像データを作成する」ことも含んでいる。
本発明に係る第2のX線CT補正方法では、(1)被写体を挟んで対向して配置されたX線発生器およびX線イメージセンサを被写体に対して相対的に回転しつつ、X線発生器により発生されたX線を被写体に照射して被写体を透過したX線をX線イメージセンサにより検出して、X線投影データを取得する。次に、(2)取得した前記X線投影データを被写体のX線吸収係数の分布に変換する画像再構成の計算において設定されている前記X線発生器、前記回転の中心および前記X線イメージセンサの間の相対的位置関係において、前記被写体に相対的な前記X線イメージセンサの回転の方向に変位量を設定する。次に、(3)前記X線イメージセンサの上で取得された前記X線投影データの位置の座標を前記被写体の座標に変換する変換テーブルを、前記変位量分の変位を加えて変換するように修正した変換テーブルを用いて、前記X線投影データから前記被写体またはその一部の対象部位の画像再構成を行って断層画像データを作成する。次に、(4)この断層画像データの作成を同じX線投影データを基に複数の変位量について行う。そして、(5)得られた複数の前記断層画像データのうち、階調の拡がりが最も大きな断層画像データが得られた変換テーブルを、前記画像再構成に用いる変換テーブルとして設定する。
本発明に係る第3のX線CT補正方法では、(1)被写体を挟んで対向して配置されたX線発生器およびX線イメージセンサを被写体に対して相対的に回転しつつ、X線発生器により発生されたX線を被写体に照射して被写体を透過したX線をX線イメージセンサにより検出して、X線投影データを取得する。次に、(2)取得した前記X線投影データを被写体のX線吸収係数の分布に変換する画像再構成の計算を前記被写体またはその一部の対象部位について行って断層画像データを作成する。次に、(3)作成した断層画像データにおいて、断層画像データに含まれる、前記回転機構の回転軸に垂直な面におけるぼけの幅を設定する。次に、(4)設定したぼけの幅の1/2を、前記被写体に相対的な前記X線イメージセンサの前記回転の方向と同じ方向と逆の方向でのそれぞれの変位量とし、前記X線投影データから前記被写体またはその一部の対象部位について前記それぞれの変位量分の変位を加えた前記画像再構成を行って断層画像データを作成する。そして、(5)得られた2つの前記断層画像データのうち、階調の拡がりが大きいほうの断層画像データが得られた変位量を基に、画像再構成計算の補正データを設定する。
前記のいずれかに記載のX線CT撮影方法において、前記階調の拡がりを表す量が、たとえば、再構成画像における濃度差又は濃度の標準偏差である。好ましくは、本発明に係る第1、第2のX線補正方法では、前記階調の拡がりを表す量が、断層画像における濃度差又は濃度の標準偏差であり、前記複数の断層画像について前記濃度差または濃度の標準偏差を前記変位量に対してプロットし、前記複数の変位量のうち、濃度差または濃度の標準偏差が最大であった変位量及びそれに隣接する複数の変位量の濃度差または濃度の標準偏差について二次曲線近似を行うことにより補間計算をして、濃度差または濃度の標準偏差が最大となる変位量を算出して、その変位量を階調の拡がりが最も大きな断層画像データが得られる変位量とする。
また、前記の第1または第2のX線CT撮影方法において、好ましくは、複数の前記断層画像データの作成の次に、複数の前記断層画像データを画像表示装置の画面に並べてまたは順次表示し、操作者により選択された断層画像データを、階調の拡がりが最も大きな断層画像データとする。
本発明に係るX線CT撮影方法は、被写体を挟んで対向して配置されたX線発生器およびX線イメージセンサを被写体に対して相対的に回転しつつ、X線発生器により発生されたX線を被写体に照射して被写体を透過したX線をX線イメージセンサにより検出し、得られたX線投影データを被写体のX線吸収係数の分布に変換する画像再構成の計算をして前記被写体の断層面の断層画像データを生成するX線CT撮影方法であって、前記X線投影データの取得の前に上述のいずれかのX線CT補正方法を実行する。または、X線発生器および/またはX線イメージセンサの被写体に対する相対的位置の変化が検知されたとき、上述のいずれかのX線CT補正方法を実行する。
本発明に係る第1のX線CT撮影装置は、被写体を挟んで対向して配置されたX線発生器およびX線イメージセンサと、前記X線発生器および前記X線イメージセンサを被写体に対して相対的に回転する回転機構と、前記回転機構によりX線発生器およびX線イメージセンサを被写体に対して相対的に回転しつつ、X線発生器により被写体にX線を照射して前記被写体の断層面について前記X線イメージセンサによりX線投影データを取得する投影データ取得手段と、前記X線イメージセンサにより得られたX線投影データを被写体のX線吸収係数の分布に変換する画像再構成の計算をして前記被写体の断層面の断層画像データを生成する画像再構成手段と、前記投影データ取得手段と前記画像再構成手段を用いて画像再構成計算の補正データを設定する較正手段とを備える。この較正手段は、前記画像再構成の計算において設定されている前記X線発生器、前記回転の中心および前記X線イメージセンサの間の相対的位置関係において、前記被写体に相対的な前記X線イメージセンサの回転の方向に複数の変位量を設定し、前記X線投影データから前記被写体またはその一部の対象部位について前記変位量分の変位を加えた前記画像再構成を行って複数の断層画像データを作成する画像データ作成手段と、得られた複数の前記断層画像データのうち、階調の拡がりが最も大きな断層画像データが得られた変位量を基に、画像再構成計算の補正データを設定する補正データ設定手段とを備える。
本発明に係る第2のX線CT撮影装置は、被写体を挟んで対向して配置されたX線発生器およびX線イメージセンサと、前記X線発生器および前記X線イメージセンサを被写体に対して相対的に回転する回転機構と、前記回転機構によりX線発生器およびX線イメージセンサを被写体に対して相対的に回転しつつ、X線発生器により被写体にX線を照射して前記被写体の断層面について前記X線イメージセンサによりX線投影データを取得する投影データ取得手段と、前記X線イメージセンサにより得られたX線投影データを被写体のX線吸収係数の分布に変換する画像再構成の計算をして前記被写体の断層面の断層画像データを生成する画像再構成手段と、前記投影データ取得手段と前記画像再構成手段を用いて画像再構成計算の補正データを設定する較正手段とを備える。この較正手段は、前記画像再構成の計算において設定されている前記X線発生器、前記回転の中心および前記X線イメージセンサの間の相対的位置関係において、前記被写体に相対的な前記X線イメージセンサの回転の方向に複数の変位量を設定し、前記再構成計算において前記X線イメージセンサの上で取得された前記X線投影データの位置の座標を前記被写体の座標に変換する変換テーブルを、前記変位量分の変位を加えて変換するように修正した変換テーブルを用いて、前記X線投影データから前記被写体またはその一部の対象部位の画像再構成を行って複数の断層画像データを作成する画像データ作成手段と、得られた複数の前記断層画像データのうち、階調の拡がりが最も大きな断層画像データが得られた変位量を基に、前記画像再構成手段に用いる変換テーブルを設定する補正データ設定手段とを備える。
本発明に係る第3のX線CT撮影装置は、被写体を挟んで対向して配置されたX線発生器およびX線イメージセンサと、前記X線発生器および前記X線イメージセンサを被写体に対して相対的に回転する回転機構と、前記回転機構によりX線発生器およびX線イメージセンサを被写体に対して相対的に回転しつつ、X線発生器により被写体にX線を照射して前記被写体の断層面について前記X線イメージセンサによりX線投影データを取得する投影データ取得手段と、前記X線イメージセンサにより得られたX線投影データを被写体のX線吸収係数の分布に変換する画像再構成の計算をして前記被写体の断層面の断層画像データを生成する画像再構成手段と、前記投影データ取得手段と前記画像再構成手段を用いて画像再構成計算についての補正データを設定する較正手段とを備える。この較正手段は、取得した前記X線投影データから、前記被写体またはその一部の対象部位について前記画像再構成を行って断層画像データを作成する第1画像データ作成手段と、前記第1画像データ作成手段により作成された断層画像データにおいて、画像データに含まれる、前記相対的回転の回転軸に垂直な面におけるぼけの幅を設定するぼけ幅設定手段と、ぼけ幅設定手段により設定されたぼけの幅の1/2を、前記回転前記被写体に相対的な前記X線イメージセンサの前記回転の方向と同じ方向と逆の方向でのそれぞれの変位量とし、前記X線投影データから前記被写体またはその一部の対象部位について、前記それぞれの変位量分の変位を加えた前記画像再構成計算を行って2つの断層画像データを作成する第2画像データ作成手段と、得られた2つの前記断層画像データのうち、階調の拡がりが大きいほうの断層画像データが得られた変位量を基に、画像再構成計算の補正データを設定する補正データ設定手段とを備える。なお、これらのX線CT撮影装置は、たとえば、作成した断層画像データを表示する表示手段を備える。
前記のいずれかのX線CT撮影装置において、前記階調の拡がりを表す量は、たとえば、断層画像における濃度差又は濃度の標準偏差である。
前記の第1、第2のX線CT撮影装置において、前記階調の拡がりを表す量が、断層画像における濃度差又は濃度の標準偏差であり、前記補正データ設定手段は、たとえば、前記複数の断層画像データについて前記濃度差または濃度の標準偏差を求め、前記変位量の関数としての前記濃度差または濃度の標準偏差について、前記複数の変位量のうち、濃度差または濃度の標準偏差が最大であった変位量及びそれに隣接する複数の変位量の濃度差または濃度の標準偏差について二次曲線近似を行うことにより補間計算をして、濃度差または濃度の標準偏差が最大となる変位量を算出して、この変位量を、階調の拡がりが最も大きな断層画像データが得られる変位量とする。
前記のいずれかに記載のX線CT撮影装置において、好ましくは、さらに、前記較正手段による前記設定のあとで、その設定を用いて前記投影データ取得手段と前記画像再構成手段を用いて、前記被写体またはその一部の対象部位について前記画像再構成を行って断層画像データを作成させる撮影制御手段を備える。
前記のいずれかに記載のX線CT撮影装置において、好ましくは、さらに、前記X線発生器および/または前記X線イメージセンサの被写体に対する相対的な位置の変化を検出する移動検出手段を備え、前記移動検出手段が前記相対的な位置の変化を検出すると、前記較正手段を起動する。
本発明に係る第1のプログラムは、(1)被写体を挟んで対向して配置されたX線発生器およびX線イメージセンサを被写体に対して相対的に回転しつつ、X線発生器により発生されたX線を被写体に照射して被写体を透過したX線をX線イメージセンサにより検出して、X線投影データを取得する取得ステップと、(2)前記X線投影データを被写体のX線吸収係数の分布に変換する画像再構成の計算において設定されている前記X線発生器、前記回転の中心および前記X線イメージセンサの間の相対的位置関係について、回転方向の方向での複数の変位量を設定して前記画像再構成の計算を行って、各変位量について前記被写体またはその一部の断層画像を生成する再構成ステップと、(3)得られた複数の再構成画像から選択された再構成画像に対応する変位量を基に前記画像再構成の計算における前記X線発生器、前記回転の中心および前記X線イメージセンサの間の相対的位置関係について補正データを設定するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
本発明に係る第2のプログラムは、(1)被写体を挟んで対向して配置されたX線発生器およびX線イメージセンサを被写体に対して相対的に回転しつつ、X線発生器により発生されたX線を被写体に照射して被写体を透過したX線をX線イメージセンサにより検出して、X線投影データを取得する取得ステップと、(2)前記X線投影データを被写体のX線吸収係数の分布に変換する画像再構成の計算において設定されている前記X線発生器、前記回転の中心および前記X線イメージセンサの間の相対的位置関係について、前記被写体に相対的な前記X線イメージセンサの回転方向に複数の変位量を設定して、前記X線イメージセンサの座標を前記被写体の座標に変換する変換テーブルを、前記変位量分ずれた位置の前記X線投影データを前記被写体の座標に変換するように修正した変換テーブルを用いて、前記画像再構成を行って、各変位量について前記被写体またはその一部の断層画像を生成する再構成ステップと、(3)得られた複数の再構成画像から選択された再構成画像に対応する変換テーブルを前記画像再構成の計算に用いる変換テーブルとして設定する補正ステップとをコンピュータにより実行させるためのプログラムである。
本発明に係る第3のプログラムは、(1)被写体を挟んで対向して配置されたX線発生器およびX線イメージセンサを被写体に対して相対的に回転しつつ、X線発生器により発生されたX線を被写体に照射して被写体を透過したX線をX線イメージセンサにより検出して、X線投影データを取得する取得ステップと、(2)前記X線投影データを被写体のX線吸収係数の分布に変換する画像再構成の計算を行って、前記被写体またはその一部の断層画像を生成する第1画像再構成ステップと、(3)得られた断層画像における画像のぼけの幅を設定する幅設定ステップと、(4)前記ぼけの幅の1/2を、現在の位置に対して前記回転と同じ方向と逆の方向での変位量とし、前記X線投影データについて前記画像再構成の計算を行って断層画像を作成する第2画像再構成ステップと、(5)得られた2つの前記断層画像のうち、階調の拡がりが大きいほうの断層画像データが得られた変位量を基に、画像再構成計算に用いるX線イメージセンサにおける各画素の位置の補正データを設定する補正ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
本発明の効果は、CT撮影において回転中心の位置ずれが生じた場合でも複数の変位量で再構成画像を作成し比較することにより容易に較正できることである。
以下、添付の図面を参照して発明の実施の形態を説明する。
図1は、旋回アームを用いるX線CT撮影装置の撮像系を示す。門型のフレーム10は、旋回アーム16を旋回可能に支持するビーム10a、ビーム10aの基端部を両側で支持する1対の横ビーム10b、一対の横ビーム10bを支える一対の縦ビーム10c、および、一対の縦ビーム10cを固定するベース10dから構成されている。旋回アーム(回転機構)16の両端には、X線発生器12とX線イメージセンサ14とが対向して配置されている。旋回アーム16は、ビーム10aに内蔵されているアーム回転モータ18(図2参照)により旋回される。たとえばコーンビームCTでは、X線発生器12は、円錐状のビームを放射し、X線イメージセンサ14は2次元X線イメージセンサである。2次元X線イメージセンサとしては、たとえばX線イメージ・インテンシファイア(XII)カメラやX線CCDセンサ、MОSセンサ、CMОSセンサ、TFTセンサ、FTセンサ、X線固体撮像素子からなるセンサ等が使用できる。X線発生器12とX線イメージセンサ14はX線投影データを取得する投影データ取得手段をなす。椅子20は、ベース10dの上に設けられ、椅子20の下部に備えた3次元移動機構22により前後左右上下方向に移動される。さらに、ヘッドレスト24が椅子20の上方に設けられる。撮影時には、被検者26(図3参照)は、椅子20に座り、その頭部がヘッドレスト24に固定される。操作者は、操作装置28(図2参照)により椅子20の移動を指示して、被検者の頭部の被撮影部位(被写体)30を、X線発生器12とX線イメージセンサ14の間に挟んで位置させる。次に、旋回アーム16を旋回することにより、X線発生器12とX線イメージセンサ14を被写体の周りに円形軌道にそって回転する。このとき、X線発生器12が発生するX線が被写体を透過し、X線イメージセンサ14によりX線投影データが検出される。
図2はX線CT撮影装置の撮影制御装置32を示す。撮影制御装置32は、X線CT撮影装置の撮像系による撮影動作を制御し、また、X線投影データから3次元画像を再構成する。撮影制御装置32は、全体を制御するCPU34を備え、CPU34には、キーボード36、マウス38、表示装置40、各種入出力インタフェース42、各種プログラムやデータを記憶する記憶装置44などが接続される。入出力インタフェース42は、操作装置(操作パネルを含む)28のほか、X線発生器12、X線イメージセンサ14、アーム回転モータ18、3次元移動機構22などに接続される。
記憶装置44は、撮影動作制御プログラム46、画像メモリ48、画像再構成プログラム50、変換テーブル52、補正テーブル54、位置歪み補正プログラム56、回転位置較正プログラム58を備える。撮影動作制御プログラム46は、旋回制御を含むCT撮影の動作シーケンスを制御する。画像メモリ48には、投影像や再構成画像(CT画像)が記憶される。画像再構成プログラム(画像再構成手段、画像データ作成手段)50は、投影像を断層画像に再構成する公知の再構成計算を行う。再構成計算には、フィルタ補正逆投影法などを用いる。変換テーブル52は、X線発生器12により発生されたX線ビームが、被写体の3次元ボクセル位置を通り、X線イメージセンサ14上の2次元画素位置に投影されるとき、被写体の3次元ボクセル位置とX線イメージセンサ14上の2次元画素位置とを対応づけるテーブル、すなわち、X線イメージセンサの上で取得されたX線投影データの位置の座標を被写体の座標に変換するテーブルであり、再構成に用いられる。補正テーブル54は、X線発生器12とX線イメージセンサ14の回転ぶれ、地磁気による磁気歪みなどの撮影時に発生する位置歪みを補正するために用いる各種テーブルである。位置歪み補正プログラム56は、位置歪みを補正するためのプログラムであり、位置歪みは、たとえば補正ファントムを用いて被写体の撮影の前に測定され、これを基に補正テーブル54が得られる。回転位置較正プログラム(較正手段)58は、後で説明する。
X線CT撮影装置において、画像の倍率は、X線発生器12、X線イメージセンサ14および被写体の相対的位置関係により変化できる。たとえば、図3に示すように、椅子20の位置を通常の位置からX線イメージセンサ14側に寄せることにより、X線イメージセンサ14で検出される画像を小さくして、倍率を小さくする。このように、X線発生器12、X線イメージセンサ14と、被写体30との位置関係を可変にしておくことで、画像の倍率を調整できるが、後述の構成により、本発明では、X線発生器12、X線イメージセンサ14と、被写体30との位置関係を変更した場合にも変更後の位置においての実際のX線投影データからの補正ができ、一度設定した補正データを毎度用いる構成に比べて、その都度、より現実に即した補正が可能である。
なお、X線発生器とX線イメージセンサを被写体の周りに旋回するCT装置としては、X線発生器とX線イメージセンサとを対向配置させつつ旋回できるものであればよく、図1のようなU字状の旋回アームを用いるCT装置のほか、たとえば、患者を水平にして撮影する周知のガントリを備えるCT装置でもよい。また、水平方向の回転軸の周りで旋回するCアームを用いてもよい。また、被写体に対しX線発生器とX線イメージセンサが旋回する旋回軸の相対的な角度を、任意に設定できるようにして、例えば体に埋め込まれた金属部分を避けて金属アーチファクトを回避して撮影できるようにしてもよい。例えば、旋回アーム16の旋回軸を傾動可動に構成してもよいし、ヘッドレスト24を可動とし、被験者26の頭部を傾動可能に構成してもよい。
X線発生器とX線イメージセンサは被写体に対して相対的に回転できればよく、上述のように被写体の周りをX線発生器とX線イメージセンサが対向配置されつつ旋回するものでもよいが、X線発生器とX線イメージセンサを固定して、被写体の方を回転させることにより、X線発生器とX線イメージセンサの被写体に対する相対的な回転を実現してもよい。図4は、回転テーブル80の上に被写体82を載せるX線CT撮影装置を示す。X線発生器84とX線イメージセンサ86は、回転テーブル80上の被写体を挟んで対応する位置に設けられる。このX線CT撮影装置では、撮影中には、X線発生器84とX線イメージセンサ86の位置は固定されており、回転機構88により回転テーブル80が回転される。X線発生器84とX線イメージセンサ86の位置は、それぞれ回転テーブル80の回転軸に対して変更可能である。なお、このX線CT撮影装置の撮影制御装置は、図2の撮影制御装置と同様であるが、アーム回転モータの代わりに回転機構88を制御する。また、図1では旋回アーム16の例としてX線発生器とX線イメージセンサを両端に設ける柱状部材を示しているが、旋回アームの形状も様々に設定しうる。たとえば、環状の部材の両端にX線発生器とX線イメージセンサを両端に設け、この環状部材を回転させてもよい。
投影画像の再構成において、X線イメージセンサで得られた2次元データを基に被写体の3次元画像が計算される。ここで、被写体の回転面内での位置(ボクセルの座標)の基準は回転中心であるべきである。しかし、CT撮影において、撮影系の機械的(幾何学的)位置関係を意図的に変化させた場合、また、機械的位置関係を元の位置に戻そうとする場合、意図した機械的位置に微妙な位置ずれが生じる。X線発生器及び/又はX線イメージセンサの被写体に対する相対的位置を検知したとしても、名目上の位置と真の位置がずれていることがある。例えば、前述のようにX線発生器12、X線イメージセンサ14および被写体の相対的位置関係の変化により画像の倍率(拡大率)を変えた場合や、X線イメージセンサ14を旋回アーム16に対して着脱自在とした構成で、いったんX線イメージセンサを旋回アーム16から外して再度装着した場合などに位置ずれが生じることがある。特に、X線発生器12から見て回転軸に対して左右の方向での回転中心位置の位置ずれは非常に大きな影響がある。その場合、回転中心位置のずれにより再構成計算が不正確になり、再構成された画像はぼけてしまう。したがって、回転中心位置は、X線発生器および/またはX線イメージセンサの位置を変えるごとに較正する必要がある。特に微細な撮影対象(患部など)を含む被写体に対しては、たとえば0.1mm以下の精度が要求される。これに対し、X線イメージセンサの1つであるX線イメージ・インテンシファイアが回転する際に地磁気との相互作用で発生する画像の回転歪などの再現性のある位置歪みの補正は、一度測って補正テーブル54を求めておけば、撮影のたびに修正する必要はない。(そのような位置歪みの補正は、特開2002−336237号公報などに記載されている。)
上述のように、回転中心位置は、X線発生器および/またはX線イメージセンサの機械的位置関係を変えるごとに較正する必要がある。そこで、画像の倍率を変更して撮影するとき、図5に示すように、変更のたびに、本撮影の前に回転中心位置の較正を行う。いま、X線発生器12とX線イメージセンサ14を位置Aに移動し、予備撮影をして、そのときの回転中心位置の変位量(投影ぶれを補正するための量)S1を決定する。そして、位置Aで本撮影する。次に、倍率を変えるため位置Bに移動したとき(X線発生器および/または前記X線イメージセンサの被写体に対する相対的位置の変化)、その移動を検出する。移動の検出は、たとえば、周知の移動検出手段として、ポテンショメータ、速度センサ、角速度センサ、角度センサ、ロータリーエンコーダ等を旋回アームに適宜設け、旋回アームの被写体に対する移動距離や角度変位を検出することにより行える。次に、予備撮影をして、そのときの回転中心位置の変位量(投影ぶれを補正するための量)S2を決定する。そして、位置Bで本撮影する。以下、同様である。
以上は予備撮影を行って変位量を決定してから本撮影を行う例であるが、いきなり本撮影を行い、本撮影で得たX線投影データを用いて変位量を決定してもよい。この場合、処理するX線投影データの量は多くなるが、1回の撮影で完了するという利点がある。
回転中心の較正についてさらに説明すると、実際に画像を再構成し、再構成画像の中から最も鮮明な画像を選択して、回転中心位置を較正する。まず、回転軸に垂直な1枚以上の少数の断層面(たとえばセンタープレーン)のX線投影データを取得し、次に、それを元データとして、X線発生器、X線イメージセンサ及び回転中心の間の相対的位置関係をずらして画像再構成を行って断層画像を作成する。なお、再構成する画像は、被写体全体であってもよいし、被写体の一部の対象部位であってもよい。被写体の一部を再構成する場合、計算時間が比較的短くてすむという利点がある。X線発生器、X線イメージセンサ及び回転中心の相対的位置関係としては、被写体に対する相対的なX線イメージセンサ14の回転の方向に、複数とおりの変位量を設定する。すなわち、それぞれの変位量を用いて、前記変位量分ずれた位置のX線イメージセンサにおける各画素のX線投影データから、実際に被写体のX線吸収係数の分布に変換する画像再構成を(被写体の一部にでも)試みる。そして、複数の再構成画像すなわち断層画像を表示する。操作者は、それらの再構成画像を目で見て比較することにより、最も鮮明な画像が容易に選択できる。また、最も鮮明な画像を、再構成画像データ、ここでは断層画像データより計算して自動的に選択してもよい。なお、鮮明な画像とは、後でも説明するように、階調の拡がりが最も大きな画像である。そして、選択された画像が得られた変位量に対応して補正データを設定する。本撮影の際は、この補正データを用いて、回転中心位置のずれによるぼけのない画像を確実に得ることができる。なお、回転中心位置の較正以外の再現性のある位置歪みに対する補正はすでに行われているものとする。
X線発生器12、X線イメージセンサ14及び回転中心の間の相対的位置関係は、いくつかの手法でずらして計算することができる。ここで、回転軸に垂直なたとえば1枚の断層面を含む面内で、被写体とX線イメージセンサとの相対的位置を、X線発生器12、回転中心およびX線イメージセンサ14を通る線に対して一方の側または両側にずらして計算すればよい。
第1の手法では、X線イメージセンサ14(撮影された元投影データ)における各画素の位置に対応する前記X線投影データについて、X線イメージセンサ14の被写体に相対的な回転と同じ方向または反対の方向に所定の変位量(たとえば1画素)を設定し、前記変位量分が加えられ、ずれた位置の前記X線投影データから被写体またはその一部の対象部位について画像再構成を行って断層画像を作成する。これにより、X線イメージセンサ14の位置が回転中心に対して相対的に変位量を加えられた位置で撮影した場合と同じ計算結果となる。後でも説明するように、「変位量が加えられた位置のX線投影データ」とは、具体的には、たとえば、座標位置を変位量だけずらして読み出されたX線投影データである。また、画像再構成に用いる計算式において、その計算式に含まれる座標値に変位量を組み込むように変更しておいて、座標位置をずらさずに読み込んでもよい。この場合、その計算式において、X線投影データは、変位量分ずれた位置のX線投影データに相当する。いずれの場合でも、画像再構成計算において、X線イメージセンサ14の座標位置に対応して記憶されているX線投影データは、前記変位量分だけ座標位置がずれているものとして取り扱われ、変位量分ずれた位置のX線投影データが計算に使用される。つまり、変位量分の変位を加えた画像再構成を行っているのである。そして、同じ元投影データから複数の変位量(ずれの量)に対してそれぞれ再構成画像、ここでは断層画像ないし断層画像データを再構成する。そして、複数の再構成画像(断層画像)の中から最も鮮明な画像を手動で又は自動的に選択する。そして、選択された再構成画像に対応する変位量により回転中心位置を較正する。すなわち、その変位量を基に、画像再構成計算の補正データを設定する。変位量の範囲や刻みは、装置の物理的大きさを考慮して適当に決めればよい。たとえば、回転中心に対するX線イメージセンサの画素の座標を基準にずらす場合、−1mmから+1mmまで0.2mm刻みで変位量を設定する。(0.2mmは画素ピッチである。)本撮影では、設定された補正データを用いてX線イメージセンサ14の画素位置を補正して、画像を再構成する。
第2の手法では、回転中心位置の較正を、変位量分ずれた位置のX線投影データの再構成から行うのではなく、再構成計算に用いる変換テーブルを作成し直すことにより行う。画像再構成においては、被写体のボクセルの3次元位置を検出イメージセンサ14の画素の2次元位置と対応させる変換テーブル(水平テーブルともいう)を用いる。まず、前記被写体に相対的な前記X線イメージセンサの回転の方向に変位量を設定する。次に、変換テーブルは基本的に前記X線イメージセンサ上で取得された前記X線投影データの位置すなわち画素の座標を前記被写体の座標に変換するが、この変換テーブルを変位量(ずれの量)に対応して、前記変位量分が加えられ、ずれた位置の前記X線投影データから前記被写体またはその一部の対象部位について前記画像再構成を行うよう修正する。この変換テーブルは、変位量分ずれた位置のX線投影データを被写体の座標に変換するように修正されている。つまり、変位量分の変位を加えて変換するように修正した変換テーブルを用いて画像再構成を行っているのである。複数の変位量に対してそれぞれ変換テーブルを作成し、それらの変換テーブルを用いて同じ元投影データから再構成画像、ここでは断層画像ないし断層画像データを作成する。そして、第1の手法と同様に、複数の再構成画像(断層画像)の中から最も鮮明な画像を手動で又は自動的に選択することにより、それに対応する変換テーブルが、画像再構成に用いる変換テーブルとして選択され、回転中心位置が較正される。本撮影において、選択した変換テーブルを用いて画像を再構成する。
なお、上述の例では毎回変換テーブルを作成するが、その代わり、あらかじめ複数の変位量に対応した変換テーブルを作成して記憶しておき、位置較正の際に、それらから選択して読み出すようにしてもよい。
図6と図7により、X線イメージセンサ14の画素を基準に変位量の設定をする第1の手法についてさらに具体的に説明する。図6は、X線発生器12、回転の中心およびX線イメージセンサ14の間の相対的位置関係において特に問題が無い理想的な状況を示す。この場合、X線イメージセンサ14は、X線発生器12と回転の中心に関して本来あるべき位置PSaにある。X線発生器12から照射されたX線XBは、被写体30の特定の点Paを通過して、X線イメージセンサ14の画素PTaに入射する。この位置PSaでは、点Paがたとえば回転中心にあれば、画素PTaは、回転中心を通ったX線が入射する位置として設定されている座標位置にある。画素PTaに入射したX線のX線投影データは、画像再構成により、点Paの位置のX線投影データとして処理される。いわば点Paの位置に戻す再構成が行われるのである。
図7に示す例では、X線イメージセンサ14が、X線発生器12と回転の中心に関して本来あるべき位置PScになく、位置PSbにずれて位置されている。X線発生器12から照射されたX線XBは、被写体30の特定の点Pbを通過して、本来あるべき位置ではない位置PSbにあるX線イメージセンサ14の画素PTbに入射する。X線発生器12と回転中心に対するX線イメージセンサ14内の画素の位置は、あらかじめ設定されている。X線イメージセンサ14の位置ずれが起こっていても、X線イメージセンサ14が理想的な位置にあるとして扱うと、位置PScにあるX線イメージセンサ14の画素PTcは、位置PSbにあるX線イメージセンサ14の画素PTbに相当するけれども、位置PSbにあるX線イメージセンサ14においては、位置PScは、PTbからPTcまでの変位量だけにずれた位置として扱われる。すなわち、画像処理手段側では、このままでは、本来あるべき位置PScの画素PTcに入射したX線の投影データは、PTbからPTcにずれた量に対応する量だけずれた点Pcの位置のX線投影データとして処理され、画像が再構成されてしまう。いわば点Pcの位置に戻す再構成が行われるのであって、これが再構成された画像のぼけとして生じてくるのである。このぼけを生じさせず、鮮明な画像を得るためには、画素PTbのX線投影データは、点Pcではなく、点PbのX線投影データとして処理させればよいのである。つまり、いわば点Pbの位置に戻すように再構成を行えばよいのである。
上に述べた第1の手法では、画素PTbのX線投影データを、点PbのX線投影データとして処理するべく、いわば、理想的な点Pbに戻すことを目的に、被写体に対する相対的なX線イメージセンサの回転の方向に所定の変位量(たとえば1画素)を複数設定し、その変位量分の変位が加えられ、ずれた位置の画素の前記X線投影データから前記被写体またはその一部の対象部位について前記画像再構成を行って断層画像を作成し、そのうち最も鮮明な画像を選択することにより、理想的な点Pbへの画像再構成を行おうとするものである。
前にも説明したように、X線投影データを変位量分ずらすことは、具体的には、X線投影データを読み出す際に、座標位置を変位量だけずらすことにより行う。たとえば、図7の例では、画素位置PTbのX線投影データを読み出す際に、画素位置PTcに対応する座標のX線投影データを読み出すようにする。この例では、変位量分の変位をした位置のX線投影データから、被写体またはその一部の対象部位について画像再構成を行って断層画像データを作成している。また、別の例では、画像再構成に用いる計算式に含まれる座標値を表す変数に変位量を組み込むように変更する。すなわち、座標位置を変更せずにX線投影データを読み出すが、読み出したX線投影データを処理する計算式において座標値を変位量だけずらすように修正した計算式を用いて、計算を行う。この例では、X線投影データから、被写体またはその一部の対象部位について、変位量分の変位を加える補正をする画像再構成を行って断層画像データを作成している。
また、図8と図9により、変換テーブルを用いて画像再構成を行う場合について、さらに具体的に、変換テーブルを修正して第1の手法と同様の効果を生じさせる第2の手法を説明する。
図8は、X線発生器12、回転の中心およびX線イメージセンサ14の間の相対的位置関係において特に問題が無い理想的な状況を示す。この場合、X線イメージセンサ14は、X線発生器12と回転の中心に関して本来あるべき位置PSaにある。X線発生器12から照射されたX線XBは、被写体30の特定の点Pd1、Pd2をそれぞれ通過して、本来あるべき位置PSaにあるX線イメージセンサ14の画素PTd1、PTd2に入射する。画素PTd1、PTd2に入射したX線のX線投影データは、予め設定された変換テーブルにより、画像再構成において、それぞれ点Pd1、Pd2の位置のX線投影データとして処理される。いわば点Pd1、Pd2の位置に戻す再構成が行われるのである。
図9に示す例では、X線イメージセンサ14があるべき位置PScになく、位置PSbにずれて位置されている。図において、Pd0、Pd1、Pd2は隣接する点(ボクセル)を表し、位置PSbは位置BScから1ボクセルだけずれている。X線発生器12から照射されたX線XBは、被写体30の特定の点Pd1、Pd2を通過して、本来あるべき位置ではない位置PSbにあるX線イメージセンサ14の画素PTd2、PTd3に入射する。画像処理手段側では、このままでは、図7におけると同様、本来あるべき位置PScの位置にあるX線イメージセンサの画素に入射したX線のX線投影データは、画素PTd1、PTd2からPTd2、PTd3にずれた量に対応する量だけずれた点Pd0、Pd1の位置のX線投影データとして処理され、画像が再構成されてしまう。いわば点Pd0、Pd1の位置に戻す再構成が行われるのであって、これが再構成された画像のぼけとして生じてくるのである。
このぼけを生じさせず、鮮明な画像を得るためには、画素PTd2、PTd3のX線投影データは、点Pd0、Pd1ではなく、点Pd1、Pd2のX線投影データとして処理させるように変換テーブルを修正すればよいのである。つまり、いわば画素PTd2のX線投影データは点Pd1の位置に、画素PTd3のX線投影データは点Pd2の位置に戻すように変換テーブルを修正して再構成を行えばよいのである。
上に述べた第2の手法では、画素PTd2、PTd3のX線投影データを、点Pd1、Pd2のX線投影データとして処理するべく、いわば、理想的な点Pd1、Pd2に戻すことを目的に、被写体に対する相対的なX線イメージセンサの回転の方向に所定の変位量(たとえば1画素)を複数設定し、その変位量分ずれた位置の画素から画像再構成を行うべく、それぞれの変位量について変換テーブルを修正する。変換テーブルの修正は、画像再構成計算においてボクセルに対応する画素の位置を変更しているにすぎないので、その意味で、変位量分ずれた位置のX線投影データを用いる第1の手法と共通である。そして、X線投影データから前記被写体またはその一部の対象部位について画像再構成を行って断層画像を作成し、そのうち最も鮮明な画像を選択することにより、理想的な点Pd1、Pd2への画像再構成を行うものである。
なお、変換テーブルの修正において、ずれた位置の画素PTd1のX線投影データを、理想的な座標Pd1に戻すべく、変位量に対応して変換テーブルを作成する。この例では、変位量分の変位をした位置のX線投影データから、被写体またはその一部の対象部位について画像再構成を行って断層画像データを作成している。また、複数の変位量に対応する変換テーブルをあらかじめ作成して記憶しておき、それらの中から変換テーブルを選択することにより、ずれた位置の画素のX線投影データを理想的な座標に戻すべく、変換テーブル自体を交換するようにしてもよい。この例では、X線投影データから、被写体またはその一部の対象部位について、それぞれの変位量分、異なる位置に変換する変換テーブルを選択することで画像再構成を行って断層画像データを作成している。
第1または第2の手法において、手動選択では、各ずれ量に対して再構成された画像を一覧あるいは逐次に表示装置に表示して、最も鮮明な画像を操作者が選択する。真の回転中心に近いほど、画像のぼけがなくなるため、画像の濃度差が大きくなり、画像の輪郭がはっきりしてくる。たとえば、元投影データを意図的に横方向に0.4mmずらして再構成した画像は、図10のようにぼけている。明るく集中して写るべき部分はぼけて明るさが減少する。また暗く集中して写るべき部分はぼけて暗さが減少する。一方、画像がぼけない場合は、図11のように、明るい部分が明るく集中し、暗い部分は暗く集中する。したがって、最も鮮明な画像は、階調の拡がりが最も大きい画像であり、再構成画像を見るだけで容易に選択できる。このようにして、最も鮮明な画像を選択することにより、得られた複数の再構成画像すなわち断層画像ないし断層画像データのうち、階調の拡がりが最も大きな断層画像を選択しているのであり、その断層画像データが得られた変位量を基に、画像再構成計算に用いるX線イメージセンサ14における各画素の位置の補正データが設定できる。
また、自動選択では、各変位量に対して再構成された断層画像データについて、画像の鮮明さを表す量として、階調の拡がりを表す量を用い、その量が最も大きくなる変位量を選択する。階調の拡がりを表す量としては、たとえば濃度(階調)の差や濃度の分布状況を表す量(たとえば標準偏差や分散)が用いられる。図10と図11の再構成画像に示すように、濃度(輝度)の差たとえば(最大値−最小値)は、鮮明になるほど大きくなる傾向となる。標準偏差なども同様である。
図12に示す例では、実際に図10と図11に用いた元投影データの場合に、元投影データを横方向にずらす変位量を−0.4mm、−0.2mm、0mm、0.2mm、0.4mmと変化させて、再構成された画像のボクセル値(輝度)の最大値と最小値の差をプロットしている。この例では、1画素の大きさが0.2mmである。この再構成画像の場合は、ずれの量0mmで最も差が大きくなる。それから両側にずれるにつれ、最大値と最小値の差が小さくなっている。したがって、0mmを変位量として決定する。このようにして、得られた複数の再構成画像すなわち断層画像のうち、階調の拡がりが最も大きな断層画像データが得られた変位量を基に、画像再構成計算に用いるX線イメージセンサにおける各画素の位置の補正データが自動的に設定できる。
より高精度で回転中心位置を決定したい場合は、測定データについて補間計算を行う。たとえば、最大値と最小値の差が最も大きい点とその両側の点を含む複数の点(たとえば3点)のデータを基に2次曲線で補間して、再構成画像の作成に用いた変位量の差すなわち0.2mmより高精度で、最大値と最小値の差が最大となる変位量を決定する。図13に示す例では、補間により得られた補正量は−0.08mmである。
以上では、濃度(輝度)の差たとえば(最大値−最小値)について変位量を決定したが、ボクセル値の濃度分布の状態を表す量、たとえば標準偏差や分散、を計算しても同様の傾向が見られる。したがって、最適変位量を求めるのに(最大値−最小値)を使ってもよいし、標準偏差などを使ってもよい。どちらの場合にも、これらが最大となるような変位量を求めればよい。
図14は、名目上の回転中心90と真の回転中心92がずれているときのX線イメージセンサ14への投影におけるぼけを示している。回転中心90を通るビームはX線イメージセンサ14での画素位置94Cに入射するべきである。しかし、左側の状況では、X線イメージセンサ14からみて真の回転中心92が最も左側にずれていて、X線イメージセンサ14での画素位置94Cに来るべきビームが画素位置94Lにずれる。逆に、180°回転した右側の状況では、X線イメージセンサ14での画素位置94Cに来るべきビームが画素位置94Rにずれる。したがって、1つの位置94Cに入射するはずのX線ビームが1回転の間に94L〜94Rの間に入射するので、投影がぼけてしまう。したがって、そのような投影を基に再構成をした画像もぼけてしまう。しかし、逆に、この現象を利用して回転中心90の真の位置を検出できる。
第3の手法では、元投影データから被写体(またはその一部)の再構成画像を作成し、その再構成画像のぼけを基に変位量を決定する。まず、元投影データから、回転軸に垂直な断面内で1つの再構成画像を作成する。次に、操作者は、再構成画像において、画像のぼけの幅を検出して、その幅を入力することにより、ぼけの幅を設定する。このぼけの幅は画像の拡大率を含んだものであるので、検出されたぼけの幅は拡大率で除算する。また、ぼけ幅は、自動的に検知するようにしてもよい。たとえば、エッジ強調の画像処理をして画像の中からエッジ部分を検出し、所定のしきい値を用いてそのエッジ部分の幅を求めて、ぼけの幅とする。次に、ぼけ幅の1/2を、被写体に対して相対的なX線イメージセンサ14の回転と同じ方向または反対の方向での変位量とする。2つの変位量のうち一方が正しい変位量であるので、両方向でそれぞれ変位量を設定して、前記変位量分ずれた位置のX線投影データから被写体またはその一部の対象部位について画像を再構成する。鮮明な再構成画像、ここでは断層画像ないし断層画像データが得られた変位量が真の中心位置に対応する。鮮明さの判断は第1や第2の手法と同様に、階調の拡がりの大きさで判断する。こうして得られた変位量を補正量に設定する。すなわち、得られた2つの前記断層画像のうち、階調の拡がりが大きい方の断層画像データが得られた変位量を基に、画像再構成計算に用いるX線イメージセンサにおける各画素の位置の補正データを設定するのである。つまり、それぞれの変位量分の変位を加えた前記画像再構成を行って断層画像データを作成し、得られた2つの前記断層画像データのうち、階調の拡がりが大きいほうの断層画像データが得られた変位量を基に、画像再構成計算に用いるX線イメージセンサにおける各画素の位置の補正データを設定しているのである。本撮影では、第1の手法のように、X線イメージセンタ14の画素位置を補正して画像を再構成する。なお、第2の手法のように、変位量に対応して変換テーブルを修正してもよい。この場合、本撮影では、その変換テーブルを用いて画像を再構成する。
図15は、第1の手法での回転位置較正プログラム58のフローチャートである。ここでは、最も鮮明な画像を操作者が手動で選択する。まず、回転方向またはその反対の方向での位置ずれ範囲を設定する位置ずれ条件(開始位置、終了位置、変位量)を設定する(S10)。これは、たとえばデフォールト値であってもよい。次に、旋回アーム16を旋回しつつX線イメージセンサ14で被写体の撮影を行い、回転軸に垂直な面のX線投影データを取得する(取得ステップ)(S12)。
このX線投影データを元投影データとして以下のように複数の再構成画像を作成する。まず、位置ずれ範囲内で1つの変位量(ここでは開始位置)を設定する(S14)。そして、元投影データをその変位量だけずらして読み出す(S16)。他の例では、計算式を、変位量分ずれた位置を用いるように修正する。そして、画像再構成を行い、得られた再構成画像を画像メモリ48に記憶する(再構成ステップ)(S18)。終了位置でなければ(S20でNO)、ステップS14に戻り、位置ずれ範囲内で新たな変位量を設定して、画像再構成を続ける。
位置ずれ範囲内で全変位量について画像再構成が終わると(S20でYES)、次に、得られた再構成画像を表示装置40の画面に表示する(S22)。表示は、画面に並べて一覧表示としてもよいし、逐次表示するようにしてもよい。操作者は、画面において、最も鮮明であると判断した再構成画像を選択できる。操作者による再構成画像の選択入力を受け取ると(S24)、その再構成画像に対応する変位量を補正データとして設定する(補正ステップ)(26)。なお、最も鮮明である画像を自動的に選択する場合は、ステップ24において、断層画像における階調の拡がりを表す量を計算し、階調の拡がりが最も大きい断層画像に対応する変位量を選択する。
本撮影では、その補正データを用いてX線投影データの位置を補正して画像再構成を行う。実際には本撮影のため通常の撮影動作制御プログラム46が起動されるが、説明の便宜のため、図15において、上述の回転位置較正に続く処理を記載すると、被写体のX線投影データを取得し(S28)、次に、X線投影データに基づいて画像再構成を行う(S30)。なお、ステップS12で被写体またはその一部の対象部位の画像再構成に必要なX線投影データをすでに撮影している場合は、ステップS28は省略できる。
図16は、第1の手法での回転位置較正プログラム58のフローチャートである。ここでは、最も鮮明な画像を自動的に設定する。図15のフローチャートと異なるのはステップS22aとS24aの処理である。これらについて説明すると、位置ずれ範囲内の全変位量についての画像再構成が終わると(S20でYES)、次に、各再構成画像について階調の拡がりを表す量(たとえば、濃度の最大値と最小値の差)を計算する(S22a)。そして、その量が最も大きい再構成画像を選択する(S24a)。そして、選択された再構成画像に対応する変位量を補正データとして設定する(26)。このステップにおいて、回転位置較正プログラム58は、補正データ設定手段の機能を有する。
図17は、第2の手法での回転位置較正プログラム58のフローチャートである。ここでは、最も鮮明な画像を操作者が手動で選択する。図15のフローチャートと異なるのはステップS16aの処理である。まず、回転方向またはその反対の方向での位置ずれ範囲を設定する位置ずれ条件(開始位置、終了位置、変位量)を設定する(S10)。これは、デフォールト値であってもよい。次に、旋回アーム16を旋回しつつX線イメージセンサ14で被写体の撮影を行い、回転軸に垂直な1枚以上の少数の面の投影画像データを取得する(取得ステップ)(S12)。
この投影画像データを元投影データとして以下のように複数の再構成画像を作成する。まず、位置ずれ範囲内で1つの変位量(ここでは開始位置)を設定する(S14)。そして、変位量に対応した変換テーブルを作成し(S16a)、その変換テーブルを用いて画像再構成を行い、得られた再構成画像を画像メモリ48に記憶する(再構成ステップ)(S18)。終了位置でなければ(S20でNO)、ステップS14に戻り、位置ずれ範囲内で新たな変位量を設定して、画像再構成を続ける。なお、あらかじめ複数の変位量に対応した変換テーブルが作成されて記憶されている場合は、ステップS16で、設定された変位量に対応して、その中の変換テーブルを選択する。
位置ずれ範囲内で全変位量について画像再構成が終わると(S20でYES)、次に、得られた再構成画像を表示装置40の画面に表示する(S22)。表示は、並べて一覧表示してもよいし、逐次表示するようにしてもよい。操作者は、画面において、最も鮮明であると判断した再構成画像を選択できる。操作者による再構成画像の選択入力を受け取ると(S24)、その再構成画像に対応する変換テーブルを補正データとして設定する(補正ステップ)(26)。このステップにおいて、回転位置較正プログラム58は、補正データ設定手段の機能を有する。なお、最も鮮明である画像を自動的に選択する場合は、ステップ24において、断層画像における階調の拡がりを表す量を計算し、階調の拡がりが最も大きい断層画像に対応する変位量を選択する。
本撮影では、その変換テーブルを用いてX線投影データの位置を補正して画像再構成を行う。実際には本撮影のため通常の撮影動作制御プログラム46が起動されるが、説明の便宜のため、図17において、上述の回転位置較正に続く処理を記載すると、被写体のX線投影データを取得し(S28)、次に、X線投影データに基づいて画像再構成を行う(S30)。なお、ステップS12で被写体またはその一部の対象部位の画像再構成に必要なX線投影データをすでに撮影している場合は、ステップS28は省略できる。
図18は、第2の手法での回転位置較正プログラム58のフローチャートである。ここでは、最も鮮明な画像を自動的に設定する。図17のフローチャートと異なるのはステップS22aとS24aの処理である。これらについて説明すると、位置ずれ範囲内の全変位量についての画像再構成が終わると(S20でYES)、次に、各再構成画像について階調の拡がりを表す量(たとえば、濃度の最大値と最小値の差)を計算する(S22a)。そして、その量が最も大きい再構成画像を選択する(S24a)。そして、選択された再構成画像に対応する変位量を補正データとして設定する(26)。
図19は、第3の手法での回転位置較正プログラム58のフローチャートである。ここでは、最も鮮明な画像を操作者が手動で選択する。まず、旋回アーム16を旋回しつつX線イメージセンサ14で被写体の撮影を行い、回転軸に垂直な1枚以上の少数の面のX線投影データを取得する(取得ステップ)(S10)。このX線投影データを元投影データとして画像再構成を行い(このステップにおいて、画像再構成プログラム50は、第1画像データ作成手段の機能を有する)、得られた再構成画像を画像メモリ48に記憶する(第1画像再構成ステップ)(S12)。次に、得られた再構成画像を表示装置40の画面に表示する(S14)。また、再構成画像を印刷してもよい。操作者は、再構成画像から、回転の方向での画像のぼけの幅を決定し、入力する。画像のぼけの幅の入力を受け取ると(S16)、ぼけ幅の1/2を、前記回転と同じ方向または反対の方向での変位量として同じX線投影データから画像を再構成し(S18)(このステップにおいて、画像再構成プログラム50は、第2画像データ作成手段の機能を有する)、画面に表示する(第2画像再構成ステップ)(S20)。操作者は最も鮮明であると判断した再構成画像を選択する。操作者による再構成画像の選択入力を受け取ると(S22)、その再構成画像に対応する変位量を補正データとして設定する(補正ステップ)(24)このステップにおいて、回転位置較正プログラム58は、補正データ設定手段の機能を有する。なお、ぼけ幅を自動的に検知するようにしてもよい。また、2つの再構成画像の鮮明差の判断も自動的におこなってもよい。
本撮影では、その補正データを用いて投影画像の位置を補正して画像再構成を行う。実際には本撮影のため通常の撮影動作制御プログラム46が起動されるが、説明の便宜のため、図19において、上述の回転位置較正に続く処理を記載すると、被写体のX線投影データを取得し(S26)、次に、X線投影データに基づいて画像再構成を行う(S28)。この場合、回転位置較正プログラム58は、撮影制御手段として、補正データの設定のあとで、その設定を用いて投影データ取得手段と画像再構成手段をさらに用いて、被写体またはその一部の対象部位について画像再構成を行って断層画像データを作成させている。なお、ステップS12で被写体またはその一部の対象部位の画像再構成に必要なX線投影データをすでに撮影している場合は、ステップS26は省略できる。
なお、上述の回転中心の較正は、被写体の代わりに補正用のファントムを用いても可能であることはいうまでもない。
旋回アームを用いるX線CT撮影装置の撮像部の図式的な図 X線CT撮影装置の撮影制御装置を示す図 X線CT撮影装置における被写***置の移動を示す図 回転テーブルを用いるX線CT撮影装置の撮像部の図式的な図 拡大率を変更して撮影をする手順を示すフローチャート X線イメージセンサの画素を基準に変位量の設定をする第1の手法の説明のための図 X線イメージセンサの画素を基準に変位量の設定をする第1の手法の説明のための図 変換テーブルを修正して第1の手法と同様の効果を生じさせる第2の手法を説明するための説明図 変換テーブルを修正して第1の手法と同様の効果を生じさせる第2の手法を説明するための説明図 元投影データから再構成した画像の1例の図 元投影データから再構成した画像の他の例の図 再構成画像のボクセル値(輝度)の最大値と最小値の差のグラフ 2次曲線による補間を示すグラフ 回転による投影のぼけを説明する図 第1の手法で手動選択の場合の回転位置較正プログラムのフローチャート 第1の手法で自動選択の場合の回転位置較正プログラムのフローチャート 第2の手法で手動選択の場合の回転位置較正プログラムのフローチャート 第2の手法で自動選択の場合の回転位置較正プログラムのフローチャート 第3の手法で手動選択の場合の回転位置較正プログラムのフローチャート
符号の説明
10 フレーム、 12 X線発生器、 14 X線イメージセンサ、 16 旋回アーム、 20 椅子、 30 被写体、 32 撮影制御装置32、 34 CPU、 40 表示装置、 44 記憶装置、 48 画像メモリ、 50 画像再構成プログラム、 52 変換テーブル、 58 回転位置較正プログラム。

Claims (18)

  1. 被写体を挟んで対向して配置されたX線発生器およびX線イメージセンサを被写体に対して相対的に回転しつつ、X線発生器により発生されたX線を被写体に照射して被写体を透過したX線をX線イメージセンサにより検出して、X線投影データを取得し、
    取得した前記X線投影データを被写体のX線吸収係数の分布に変換する画像再構成の計算において設定されている前記X線発生器、前記回転の中心および前記X線イメージセンサの間の相対的位置関係において、前記被写体に相対的な前記X線イメージセンサの回転の方向に変位量を設定し、次に、前記X線投影データから前記被写体またはその一部の対象部位について前記変位量分の変位を加えた前記画像再構成を行って断層画像データを作成し、
    この断層画像データの作成を同じX線投影データを基に複数の変位量について行い、
    得られた複数の前記断層画像データのうち、階調の拡がりが最も大きな断層画像データが得られた変位量を基に、画像再構成計算の補正データを設定する
    X線CT補正方法。
  2. 被写体を挟んで対向して配置されたX線発生器およびX線イメージセンサを被写体に対して相対的に回転しつつ、X線発生器により発生されたX線を被写体に照射して被写体を透過したX線をX線イメージセンサにより検出して、X線投影データを取得し、
    取得した前記X線投影データを被写体のX線吸収係数の分布に変換する画像再構成の計算において設定されている前記X線発生器、前記回転の中心および前記X線イメージセンサの間の相対的位置関係において、前記被写体に相対的な前記X線イメージセンサの回転の方向に変位量を設定し、
    前記X線イメージセンサの上で取得された前記X線投影データの位置の座標を前記被写体の座標に変換する変換テーブルを、前記変位量分の変位を加えて変換するように修正した変換テーブルを用いて、前記X線投影データから前記被写体またはその一部の対象部位の画像再構成を行って断層画像データを作成し、
    この断層画像データの作成を同じX線投影データを基に複数の変位量について行い、
    得られた複数の前記断層画像データのうち、階調の拡がりが最も大きな断層画像データが得られた変換テーブルを、前記画像再構成に用いる変換テーブルとして設定する
    X線CT補正方法。
  3. 被写体を挟んで対向して配置されたX線発生器およびX線イメージセンサを被写体に対して相対的に回転しつつ、X線発生器により発生されたX線を被写体に照射して被写体を透過したX線をX線イメージセンサにより検出して、X線投影データを取得し、
    取得した前記X線投影データを被写体のX線吸収係数の分布に変換する画像再構成の計算を前記被写体またはその一部の対象部位について行って断層画像データを作成し、
    作成した断層画像データにおいて、断層画像データに含まれる、前記相対的回転の回転軸に垂直な面におけるぼけの幅を設定し、
    設定したぼけの幅の1/2を、前記被写体に相対的な前記X線イメージセンサの前記回転の方向と同じ方向と逆の方向でのそれぞれの変位量とし、前記X線投影データから前記被写体またはその一部の対象部位について前記それぞれの変位量分の変位を加えた前記画像再構成を行って断層画像データを作成し、
    得られた2つの前記断層画像データのうち、階調の拡がりが大きいほうの断層画像データが得られた変位量を基に、画像再構成計算の補正データを設定する
    X線CT補正方法。
  4. 前記階調の拡がりを表す量が、断層画像データにおける濃度差又は濃度の標準偏差であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のX線CT補正方法。
  5. 前記階調の拡がりを表す量が、断層画像における濃度差又は濃度の標準偏差であり、前記複数の断層画像データについて前記濃度差または濃度の標準偏差を前記変位量に対してプロットし、前記複数の変位量のうち、濃度差または濃度の標準偏差が最大であった変位量及びそれに隣接する複数の変位量の濃度差または濃度の標準偏差について二次曲線近似を行うことにより補間計算をして、濃度差または濃度の標準偏差が最大となる変位量を算出して、その変位量を階調の拡がりが最も大きな断層画像データが得られる変位量とすることを特徴とする、請求項1または2に記載のX線CT補正方法。
  6. 複数の前記断層画像データの作成の次に、複数の前記断層画像データを画像表示装置の画面に並べてまたは順次表示し、操作者により選択された断層画像データを、階調の拡がりが最も大きな断層画像データとすることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のX線CT補正方法。
  7. 被写体を挟んで対向して配置されたX線発生器およびX線イメージセンサを被写体に対して相対的に回転しつつ、X線発生器により発生されたX線を被写体に照射して被写体を透過したX線をX線イメージセンサにより検出し、得られたX線投影データを被写体のX線吸収係数の分布に変換する画像再構成の計算をして前記被写体の断層面の断層画像データを生成するX線CT撮影方法であって、
    前記X線投影データの取得の前に請求項1〜6のいずれかに記載のX線CT補正方法を実行することを特徴とするX線CT撮影方法。
  8. 被写体を挟んで対向して配置されたX線発生器およびX線イメージセンサを被写体に対して相対的に回転しつつ、X線発生器により発生されたX線を被写体に照射して被写体を透過したX線をX線イメージセンサにより検出し、得られたX線投影データを被写体のX線吸収係数の分布に変換する画像再構成の計算をして前記被写体の断層面の断層画像データを生成するX線CT撮影方法であって、
    X線発生器および/またはX線イメージセンサの被写体に対する相対的位置の変化が検知されたとき、前記X線投影データの取得の前に請求項1〜6のいずれかに記載のX線CT補正方法を実行することを特徴とするX線CT撮影方法。
  9. 被写体を挟んで対向して配置されたX線発生器およびX線イメージセンサと、
    前記X線発生器および前記X線イメージセンサを被写体に対して相対的に回転する回転機構と、
    前記回転機構によりX線発生器およびX線イメージセンサを被写体に対して相対的に回転しつつ、X線発生器により被写体にX線を照射して前記被写体の断層面について前記X線イメージセンサによりX線投影データを取得する投影データ取得手段と、
    前記X線イメージセンサにより得られたX線投影データを被写体のX線吸収係数の分布に変換する画像再構成の計算をして前記被写体の断層面の断層画像データを生成する画像再構成手段と、
    前記投影データ取得手段と前記画像再構成手段を用いて画像再構成計算の補正データを設定する較正手段とを備え、
    前記較正手段は、
    前記画像再構成の計算において設定されている前記X線発生器、前記回転の中心および前記X線イメージセンサの間の相対的位置関係において、前記被写体に相対的な前記X線イメージセンサの回転の方向に複数の変位量を設定し、前記X線投影データから前記被写体またはその一部の対象部位について前記変位量分の変位を加えた前記画像再構成を行って複数の断層画像データを作成する画像データ作成手段と、
    得られた複数の前記断層画像データのうち、階調の拡がりが最も大きな断層画像データが得られた変位量を基に、画像再構成計算の補正データを設定する補正データ設定手段と
    を備えるX線CT撮影装置。
  10. 被写体を挟んで対向して配置されたX線発生器およびX線イメージセンサと、
    前記X線発生器および前記X線イメージセンサを被写体に対して相対的に回転する回転機構と、
    前記回転機構によりX線発生器およびX線イメージセンサを被写体に対して相対的に回転しつつ、X線発生器により被写体にX線を照射して前記被写体の断層面について前記X線イメージセンサによりX線投影データを取得する投影データ取得手段と、
    前記X線イメージセンサにより得られたX線投影データを被写体のX線吸収係数の分布に変換する画像再構成の計算をして前記被写体の断層面の断層画像データを生成する画像再構成手段と、
    前記投影データ取得手段と前記画像再構成手段を用いて画像再構成計算の補正データを設定する較正手段とを備え、
    前記較正手段は、
    前記画像再構成の計算において設定されている前記X線発生器、前記回転の中心および前記X線イメージセンサの間の相対的位置関係において、前記被写体に相対的な前記X線イメージセンサの回転の方向に複数の変位量を設定し、前記再構成計算において前記X線イメージセンサの上で取得された前記X線投影データの位置の座標を前記被写体の座標に変換する変換テーブルを、前記変位量分の変位を加えて変換するように修正した変換テーブルを用いて、前記X線投影データから前記被写体またはその一部の対象部位の画像再構成を行って複数の断層画像データを作成する画像データ作成手段と、
    得られた複数の前記断層画像データのうち、階調の拡がりが最も大きな断層画像データが得られた変位量を基に、前記画像再構成手段に用いる変換テーブルを設定する補正データ設定手段と
    を備えるX線CT撮影装置。
  11. 被写体を挟んで対向して配置されたX線発生器およびX線イメージセンサと、
    前記X線発生器および前記X線イメージセンサを被写体に対して相対的に回転する回転機構と、
    前記回転機構によりX線発生器およびX線イメージセンサを被写体に対して相対的に回転しつつ、X線発生器により被写体にX線を照射して前記被写体の断層面について前記X線イメージセンサによりX線投影データを取得する投影データ取得手段と、
    前記X線イメージセンサにより得られたX線投影データを被写体のX線吸収係数の分布に変換する画像再構成の計算をして前記被写体の断層面の断層画像データを生成する画像再構成手段と、
    前記投影データ取得手段と前記画像再構成手段を用いて画像再構成計算についての補正データを設定する較正手段とを備え、
    前記較正手段は、
    取得した前記X線投影データから、前記被写体またはその一部の対象部位について前記画像再構成を行って断層画像データを作成する第1画像データ作成手段と、
    前記第1画像データ作成手段により作成された断層画像データにおいて、画像データに含まれる、前記相対的回転の回転軸に垂直な面におけるぼけの幅を設定するぼけ幅設定手段と、
    ぼけ幅設定手段により設定されたぼけの幅の1/2を、前記回転前記被写体に相対的な前記X線イメージセンサの前記回転の方向と同じ方向と逆の方向でのそれぞれの変位量とし、前記X線投影データから前記被写体またはその一部の対象部位について、前記それぞれの変位量分の変位を加えた前記画像再構成計算を行って2つの断層画像データを作成する第2画像データ作成手段と、
    得られた2つの前記断層画像データのうち、階調の拡がりが大きいほうの断層画像データが得られた変位量を基に、画像再構成計算の補正データを設定する補正データ設定手段と
    を備えるX線CT撮影装置。
  12. 前記階調の拡がりを表す量が、断層画像における濃度差又は濃度の標準偏差であることを特徴とする、請求項9から11のいずれかに記載のX線CT撮影装置。
  13. 前記階調の拡がりを表す量が、断層画像における濃度差又は濃度の標準偏差であり、
    前記補正データ設定手段は、前記複数の断層画像データについて前記濃度差または濃度の標準偏差を求め、前記変位量の関数としての前記濃度差または濃度の標準偏差について、前記複数の変位量のうち、濃度差または濃度の標準偏差が最大であった変位量及びそれに隣接する複数の変位量の濃度差または濃度の標準偏差について二次曲線近似を行うことにより補間計算をして、濃度差または濃度の標準偏差が最大となる変位量を算出して、この変位量を、階調の拡がりが最も大きな断層画像データが得られた変位量とすることを特徴とする、請求項9または10に記載のX線CT撮影装置。
  14. 請求項9〜13のいずれかに記載のX線CT撮影装置において、
    さらに、前記較正手段による前記設定のあとで、その設定を用いて前記投影データ取得手段と前記画像再構成手段を用いて、前記被写体またはその一部の対象部位について前記画像再構成を行って断層画像データを作成させる撮影制御手段を備えることを特徴とするX線CT撮影装置。
  15. 請求項9〜14のいずれかに記載のX線CT撮影装置において、
    さらに、前記X線発生器および/または前記X線イメージセンサの被写体に対する相対的な位置の変化を検出する移動検出手段を備え、前記移動検出手段が前記相対的な位置の変化を検出すると、前記較正手段を起動することを特徴とするX線CT撮影装置。
  16. 被写体を挟んで対向して配置されたX線発生器およびX線イメージセンサを被写体に対して相対的に回転しつつ、X線発生器により発生されたX線を被写体に照射して被写体を透過したX線をX線イメージセンサにより検出して、X線投影データを取得する取得ステップと、
    前記X線投影データを被写体のX線吸収係数の分布に変換する画像再構成の計算において設定されている前記X線発生器、前記回転の中心および前記X線イメージセンサの間の相対的位置関係において、前記被写体に相対的な前記X線イメージセンサの回転方向の方向に複数の変位量を設定して、前記X線投影データから前記被写体またはその一部の対象部位について前記変位量分の変位を加えた前記画像再構成を行って前記複数の変位量ごとの断層画像データを生成する再構成ステップと、
    得られた複数の前記断層画像データから選択された階調の拡がりが最も大きな断層画像データが得られた変位量を基に前記画像再構成の計算の補正データを設定する補正ステップと
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  17. 被写体を挟んで対向して配置されたX線発生器およびX線イメージセンサを被写体に対して相対的に回転しつつ、X線発生器により発生されたX線を被写体に照射して被写体を透過したX線をX線イメージセンサにより検出して、X線投影データを取得する取得ステップと、
    前記X線投影データを被写体のX線吸収係数の分布に変換する画像再構成の計算において設定されている前記X線発生器、前記回転の中心および前記X線イメージセンサの間の相対的位置関係において、前記被写体に相対的な前記X線イメージセンサの回転の方向での複数の変位量を設定して、前記X線イメージセンサの上で取得された前記X線投影データの位置の座標を前記被写体の座標に変換する変換テーブルを、前記変位量分の変位を加えて変換するように修正した変換テーブルを用いて、前記X線投影データから前記被写体またはその一部の対象部位の画像再構成を行って断層画像データを生成する再構成ステップと、
    得られた複数の再構成画像から選択された階調の拡がりが最も大きな断層画像データが得られた変換テーブルを前記画像再構成に用いる変換テーブルとして設定する補正ステップと
    をコンピュータにより実行させるためのプログラム。
  18. 被写体を挟んで対向して配置されたX線発生器およびX線イメージセンサを被写体に対して相対的に回転しつつ、X線発生器により発生されたX線を被写体に照射して被写体を透過したX線をX線イメージセンサにより検出して、X線投影データを取得する取得ステップと、
    前記X線投影データを被写体のX線吸収係数の分布に変換する画像再構成の計算を前記被写体またはその一部の対象部位について行って断層画像データを生成する第1画像再構成ステップと、
    作成した断層画像データにおいて、断層画像データに含まれる、前記相対的回転の回転軸に垂直な面におけるぼけの幅を設定する幅設定ステップと、
    前記設定したぼけの幅の1/2を、前記被写体に相対的な前記X線イメージセンサの前記回転の方向と同じ方向と逆の方向でのそれぞれの変位量とし、前記X線投影データから前記被写体またはその一部の対象部位について前記それぞれの変位量分の変位を加えた前記画像再構成を行って断層画像データを作成する第2画像再構成ステップと、
    得られた2つの前記断層画像データのうち、階調の拡がりが大きいほうの断層画像データが得られた変位量を基に、画像再構成計算の補正データを設定する補正ステップと
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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