JP2006288297A - 発芽玄米飲料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】糠臭が少なく飲み易い発芽玄米を原料とする飲料の製造方法を提供する。
【解決手段】発芽玄米を精米して胚芽米とする精米工程と、胚芽米を蒸煮して糊化する糊化工程と、糊化された胚芽米を酵素処理する酵素処理工程と、酵素処理により得られた酵素処理液を加水して飲料原料液を得る工程とを備える発芽玄米飲料の製造方法。

Description

本発明は、発芽玄米から飲料を製造する方法に関し、特に発芽玄米を酵素処理することにより飲料原料液を得る方法に関する。
発芽玄米は各種ビタミン類やミネラルな等の栄養素や食物繊維を豊富に含有し、特に種々の健康増進機能を有するγ―アミノ酪酸(GABA)を多量に含有していることが知られている。GABAは遊離アミノ酸の一種であり、神経の主な伝達物質として脳の血流を改善し、脳細胞の代謝機能を活発にする作用を有することにより、血圧降下作用、各臓器の機能強化作用等を有するものとして注目されている。
発芽玄米は、発芽により玄米よりは柔らかくなっているが、精米に比べると著しく硬く炊飯性が悪い上に糠臭が強いため、特に健康上の理由から一部の人が食するのみで、広く一般には普及していない。
特許文献1は、細かく粉砕した玄米の水分散液にプロテアーゼ、セルラーゼおよびペクチナーゼを混合し、酵素分解した後、加熱することによってα化した膨化米粉液を得、次いでアミラーゼを混合し、酵素分解することにより、水に不溶性の物質を少なくした玄米を原料とする飲料の製造方法を開示している、
また、特許文献2は、玄米もしくは発芽玄米を液化糖化して玄米液化糖化物を得て、これを食品に加える玄米もしくは発芽玄米を使用した加工食品の製造方法を開示している。
特開平5−137545号公報 特開2004−194592号公報
しかしながら、これら従来技術の製造方法により製造された玄米もしくは発芽玄米を原料とする飲料は、栄養価は高いが、玄米に由来する糠臭が強く、飲み難いという問題点を有していた。
本発明は、上記従来技術の問題点にかんがみなされたものであって、糠臭が少なく飲み易い発芽玄米を原料とする飲料の製造方法を提供しようとするものである。
本発明者等は、上記本発明の目的を達成するため鋭意研究と実験を重ねた結果、発芽玄米を精米して7分づき程度の胚芽米とし、この胚芽米を蒸煮して糊化するという前処理を行った後酵素処理すると、糠臭が少なく飲み易い上に、意外にもGABAその他のアミノ酸は胚芽米部分に半分以上含まれており精米しても栄養価が大きく失われることはないことを発見し、本発明に到達した。従来GABAその他のアミノ酸の多くは玄米の胚芽に含まれているため糠分を除去した7分づき米等の胚芽米はこれらのアミノ酸の大部分が失われていると考えられており、したがって胚芽米を原料として作成した飲料は栄養価の点で著しく玄米飲料に劣り、商品価値に乏しいと一般に思われていたのである。
すなわち、上記目的を達成する本発明の発芽玄米飲料の製造方法は、発芽玄米を精米して胚芽米とする精米工程と、胚芽米を蒸煮して糊化する糊化工程と、糊化された胚芽米を酵素処理する酵素処理工程と、該酵素処理により得られた酵素処理液を加水して飲料原料液を得る工程とを備えることを特徴とするものである。
本発明の他の側面においては、発芽玄米を精米して胚芽米とする精米工程と、胚芽米を蒸煮して糊化する糊化工程と、該精米工程において胚芽米から分離された糠分から糠を除去して胚芽を回収する工程と、該回収された胚芽を粉砕する工程と、該糊化工程において糊化された胚芽米と該回収され粉砕された胚芽とを混合して酵素処理する酵素処理工程と、該酵素処理により得られた酵素処理液を加水して飲料原料液を得る工程とを備えることを特徴とする発芽玄米飲料の製造方法が提供される。
本発明の他の側面においては、発芽玄米を精米して胚芽米とする精米工程と、該精米工程において胚芽米から分離された糠分から糠を除去して胚芽を回収する工程と、該回収された胚芽を粉砕する工程と、該回収され粉砕された胚芽と該精米工程において精米された胚芽米とを混合して蒸煮、糊化する糊化工程と、糊化された胚芽米と胚芽の混合物を酵素処理する酵素処理工程と、該酵素処理により得られた酵素処理液を加水して飲料原料液を得る工程とを備えることを特徴とする発芽玄米飲料の製造方法が提供される。
本発明の1側面においては、該精米工程において精米された胚芽米を粉砕してから蒸煮、糊化することを特徴とする。
本発明の1側面においては、発芽玄米を精米して胚芽米とする精米工程と、該精米工程において胚芽米から分離された糠分から糠を除去して胚芽を回収する工程と、該精米工程において精米された胚芽米と該回収された胚芽とを混合して粉砕する工程と、粉砕された胚芽米と胚芽の混合物を蒸煮、糊化する糊化工程と、糊化された胚芽米と胚芽の混合物を酵素処理する酵素処理工程と、該酵素処理により得られた酵素処理液を加水して飲料原料液を得る工程とを備えることを特徴とする発芽玄米飲料の製造方法が提供される。
本発明によれば、糠臭がほとんどなく飲み易い発芽玄米飲料が得られる。GABAは胚芽米部分に約60%程度含まれており、その他のアミノ酸も胚芽米部分に半分以上含まれているので、精米しても栄養価が大きく失われることはない。
本発明の1側面によれば、胚芽米を粉砕してから蒸煮、糊化することにより、胚芽米中の胚芽の分解が促進され、胚芽に含まれているGABAその他のアミノ酸が酵素処理により酵素処理液中に溶け出す量が増加する効果がある。
また、本発明の他の側面によれば、精米において胚芽米から分離された糠分から胚芽を回収して粉砕し、糊化された胚芽米と混合して酵素処理することにより、酵素処理液中に溶け出すGABAその他のアミノ酸の量をさらに増加することができ、一層栄養価が高い飲料を提供することができる。
以下本発明の実施の形態について説明する。
本発明の方法に係る発芽玄米飲料の原料米は発芽玄米を精米して得られる胚芽米である。発芽玄米は公知の方法たとえばうるち米またはもち米を一夜水に浸漬し水切り後室温で一日間静置する等の方法により発芽させることにより得ることができる。発芽玄米を7分づき米等の胚芽米に精米する工程も市販の精米機を使用する等公知の方法で行うことができる。胚芽米の精米程度は5分づき米または6分づき米も使用可能であるが、糠臭を充分になくすためには7分づき米を使用することが好ましい。
胚芽米を蒸煮して糊化する糊化工程においては、胚芽米に加水し所定時間蒸すことにより胚芽米を糊化(α化)する。また熱水に胚芽米を所定時間浸漬することにより糊化を行ってもよく、要するに、加水工程と加熱工程を順次または同時に行うことにより胚芽米を糊化することができる。
また、胚芽米を粉砕してから蒸煮、糊化すれば、胚芽米中の胚芽の分解が促進され、胚芽に含まれているGABAその他のアミノ酸が後述の酵素処理により酵素処理液中に溶け出す量が増加する。
糊化された胚芽米は加水することにより増量した後酵素を添加し、所定時間酵素処理を行うことにより胚芽米を酵素分解する。酵素処理に使用する酵素は、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、キシラナーゼ、植物組織崩壊酵素等であり、これらの酵素を2種類以上組合わせて使用することが好ましい。特に少なくともアミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼの3酵素を組合わせて使用することが好ましい。使用する酵素の全配合量は胚芽米に対して0.03重量%〜0.3重量%程度である。酵素の配合量が0.03%未満では胚芽米を充分に分解することができず、0.3%を超えると飲料の風味が悪くなる。
酵素処理によって得られた酵素処理液は加水し、30メッシュふるい等によりろ過して飲料原料液を得ることができる。
また、精米工程において胚芽米から分離された糠分を30メッシュふるい等に通して糠と胚芽に分けることにより胚芽を回収し、この胚芽を粉砕して糊化された胚芽米と混合して酵素処理するようにすれば、酵素処理液中に溶け出すGABAその他のアミノ酸の量をさらに増加することができ、一層栄養価が高い飲料を提供することができる。
こうして得られた飲料原料液について適宜濃度調整、栄養分調整、粘度調整を行い、調味液やフレーバー等を添加することにより所望の胚芽米飲料を得ることができる。
精米された胚芽米を粉砕し、胚芽を回収して糊化工程前に胚芽米と混合する場合、胚芽米と胚芽を別々に粉砕してから混合してもよいし、胚芽米と胚芽を混合してから粉砕してもよい。
発芽玄米胚芽米の酵素処理
実施例1 精米後蒸米
ドライタイプ発芽玄米1000gを象印マホービン株式会社製無洗米精米機BTAE05を使用して7分づきで精米した。精米で除いた、糠部173gを30メッシュふるいに通し、糠79gと胚芽88gに分け、胚芽は1分間ミルで粉砕して胚芽粉80gを得た。精米した発芽米810gを洗米し、吸水後1時間蒸した。この蒸米に胚芽粉80gを加えた後2700g(原料の約3倍量)になるように加水した。この液にクエン酸0.2%(1.8g)を添加した後50℃で30分間予備保温した。その後酵素を添加し50℃で2時間酵素処理した。酵素としては、アミラーゼとしてエイチビーアイ株式会社製0.1%液化酵素T、植物繊維崩壊酵素としてヤクルト薬品工業株式会社製0.1%マセロチームA,セルラーゼとしてヤクルト薬品工業株式会社製0.1%セルラーゼオノズカ3S、キシラナーゼとして新日本化学工業株式会社製0.05%スミチームX,プロテアーゼとしてヤクルト薬品工業株式会社製0.05%パンチダーゼNP−2を使用した。酵素処理後酵素処理液が再び2700gになるように加水し、次いで30メッシュふるいでろ過することにより飲料原料液を得た。ろ液の量は2655g、残さの量は10gであった。
実施例2 精米粉砕後蒸米
ドライタイプ発芽玄米(1000g)を7分づきで精米し、精米で除いた糠部(171g)を30メッシュふるいに通し、糠(83g)と胚芽(88g)に分け、胚芽は1分間ミルで粉にした(79g)。精米した胚芽米(804g)も1分間ミルで粉にした。粉にした胚芽米と胚芽(全量881g)に加水して団子状にした後1時間蒸煮した。この団子に、原料の3倍量になるように加水し(2700g)、ミキサーで細かくした。その後実施例1と同一処理により、クエン酸添加、予備保温、酵素処理、加水、ろ過を行い、飲料原料液を得た。ろ液の量は2673gで残さはなかった。
この原料液について、後述するMC―Aと同一方法によりライスミルク飲料を製造して官能評価を行ったところ、糠臭がまったくなく、飲み易い飲料であることがわかった。
比較例1 精米後粉砕米
ドライタイプ発芽玄米1000gを上記精米機により7分づき米に精米した。精米で除いた糠部171gを30メッシュふるいに通し糠83gと胚芽88gに分け、胚芽は1分間ミルで粉砕して胚芽粉79gを得た。精米して得た胚芽米804gを1分間ミルで粉砕して胚芽米粉と胚芽粉の合計量881gに2700g(原料の約3倍量)になるように加水した。この液にクエン酸0.2%(1.8g)を添加した後50℃で30分間予備保温した。その後実施例1と同一酵素を添加し50℃で2時間酵素処理した。酵素処理後酵素処理液が再び2700gになるように加水し、次いで30メッシュふるいでろ過することにより飲料原料液を得た。ろ液の量は2673g、残さの量は0gであった。
比較例2 未精米・蒸米
ドライタイプ発芽玄米1000gを洗米・吸水後1時間蒸した。この蒸米に3000g(原料の3倍量)になるように加水した。この液にクエン酸0.2%(2.0g)を添加した後50℃で30分間予備保温した。その後実施例1と同一酵素を添加し50℃で2時間酵素処理した。酵素処理後酵素処理液が再び3000gになるように加水し、次いで30メッシュふるいでろ過することにより飲料原料液を得た。ろ液の量は2465g、残さの量は436gであった。
比較例3 未精米・粉砕米
1分間ミルで粉にしたドライタイプ発芽玄米950gに2850g(原料の約3倍量)になるまで加水した。この液にクエン酸0.2%(1.9g)を添加した後50℃で30分間予備保温した。その後実施例1と同一酵素を添加し50℃で2時間酵素処理した。酵素処理後酵素処理液が再び2850gになるように加水し、次いで30メッシュふるいでろ過することにより飲料原料液を得た。ろ液の量は2772g、残さの量は8gであった。
実施例3 精米後蒸米
ドライタイプ発芽玄米1000gを7分づきで精米した。精米した発芽米805gを洗米し、吸水後1時間蒸した。この蒸米に2400g(原料の約3倍量)になるように加水した。この液にクエン酸0.2%(1.6g)を添加した後50℃で30分間予備保温した。その後実施例1と同一酵素を添加し50℃で2時間酵素処理した。酵素処理後酵素処理液が再び2400gになるように加水し、次いで30メッシュふるいでろ過することにより飲料原料液を得た。ろ液の量は2360g、残さの量は10gであった。
この飲料原料液のGABAを分析したところ、GABA量は1.45mg/100gであり、発芽玄米に対する回収率は20.8%であって、充分な栄養価を備えていることを示した。
この飲料原料液について試料MC―Aと同一方法によりライスミルク飲料を製造して官能評価を行ったところ、糠臭がまったくなく、飲み易い飲料であることがわかった。
実施例4
実施例3と同じ操作を行い、残った残さ(10g)をすり潰し、ろ液の一部に懸濁させた後、再度30メッシュふるいでろ過し、得られたろ液を元のろ液と混合した。ろ液の合計は2365g、残さは僅かであった。
この原料液について、MC―Aと同一方法によりライスミルク飲料を製造して官能評価を行ったところ、糠臭がまったくなく、飲み易い飲料であることがわかった。
ライスミルク飲料の製造
実施例1および比較例1〜3の各飲料原料液をそれぞれ使用して次のライスミルク飲料を製造した。
ライスミルク飲料試料名MC−A〜MC−D
各試料ごとに砂糖80g(4%)とよく混ぜた大豆多糖類10g(0.5%)を熱湯とともにミキサーにかけよく溶かした。そこに実施例1、比較例1〜3の飲料原料液をそれぞれ600g(30%)加え、よく攪拌混合した。この液に最終2kgを超えない程度に加水後よく混ぜながら沸騰させた。この液に牛乳500g(25%)を加え、水で2kgに合わせて90℃まで加熱後フレーバー2mlを加え、ホモゲナイザー(20MPa)にかけた。各試料とも沸騰後火を止め、飲料用空缶(内容量200ml)に充填、巻締め、121℃で30分間加熱殺菌した後冷却した。各試料MC−A〜MC−Dの調合表を表1に示す。
Figure 2006288297
ライスミルク飲料試料名MH−A〜MH−D
各試料ごとに砂糖のかわりにハチミツ102g(5.1%)を使用した以外は試料名MC−A〜MC−Dと同一方法によりライスミルク飲料MH−A〜MH−Dを製造した。各試料の調合表を表2に示す。
Figure 2006288297
アミノ酸の分析・評価
GABAを含むアミノ酸の抽出法
固形試料はミルで粉砕後、数gをアミノ酸抽出用溶液(10%スルホサリチル酸)にけん濁し、25mlに定容した。全量をナス型フラスコに移し、20分間震とう後遠心分離した。上澄みを0.45μmフイルターでろ過することによりアミノ酸を抽出した。溶液中のアミノ酸は、試料溶液10mlにアミノ酸抽出用溶液(10%スルホサリチル酸)を加えて25mlに定容する。全量をナス型フラスコに移し、20分間震とう後遠心分離した。上澄みを0.45μmフイルターでろ過することによりアミノ酸を抽出した。
アミノ酸の分析法
アミノ酸は(株)島津製作所製高速液体クロマトグラフイーLC−6Bシステムを用いてOPA・FMOC誘導体化法により分析した。
すなわち、OPA・FMOC誘導体化試薬と反応させた分析試料1μlをODSカラム(ZORBAX Eclipse-AAA, 5μm, 4.6mm*150mm)に注入し、移動相A:40mMリン酸二水素ナトリウム溶液(pH7.8)、移動相B:メタノール/アセトニトリル/水=45/45/10、流速1.0ml/minでグラジエント溶出させ、蛍光検出器(RF−535、RF−550)により励起波長265nm、330nm、検出波長350nm、450nmで分析した。得られたクロマトグラムを(株)島津製作所製クロマトパックC−R7Aで解析した。
アミノ酸分析の結果
(1)精米における発芽玄米中のアミノ酸含有量の分布
発芽玄米から精米機で7分づき精米した胚芽米(胚乳)と糠部をふるい分けた胚芽および糠のアミノ酸含有量を分析した結果を表3に示す。この分析に際しては、発芽玄米1000gを精米し、胚芽米778.5g、胚芽111gと糠88gを得た。各部分のアミノ酸を分析し、発芽玄米1000g当りの含有量(mg)として、発芽玄米の総和は胚芽米、胚芽、糠の総和として表示した。分布割合は発芽玄米に対する各部の割合で表示した。回収率は発芽玄米に対する総和の割合を求めた。使用した発芽玄米1000g中の数gの試料からアミノ酸を抽出して分析した。このため、ばらつきを考慮すると、アミノ酸のデータは信頼できるものと思われる。バリン、メチオニン、トリプトフアンの回収率が低いのは、これらのアミノ酸の分離が悪いことが原因である。
Figure 2006288297
GABAについて見ると、発芽玄米の精米による胚芽米、胚芽、糠へのGABAの分布は図1に示すとおりである。なお、図1において、不明は精米機からの胚芽、糠の回収損失による減少と個々の試料のばらつきによる誤差によるものと思われる。
GABAを20.9mg含む発芽玄米を7分づきで精米すると、GABAは胚芽米に約6割、胚芽に約1割、糠に約3割の割合で含有されていることが判った。この事実すなわち7分づきの精米でアミノ酸が半分以上胚芽米に残ることから、この胚芽米から飲料を製造すれば、糠臭が少なくなる上に栄養的にも好ましいい飲料が得られることが示された。
(2)飲料原料液のアミノ酸含有量
実施例1および比較例1〜3の飲料原料液(酵素処理液)のアミノ酸含有量を分析した結果を表4に示す。
Figure 2006288297
GABAについて見ると、飲料原料液の発芽玄米に対する回収率は表5のとおりである。
Figure 2006288297
実施例1の7分づき程度の精米では、一部の胚芽が胚芽米から分離されず、残留した胚芽は精米しても回収・粉砕した胚芽粉と異なって酵素処理で十分に分解されないため、ふるいわけで残さとして残る。回収率を上げるためには、実施例2のように胚芽米を粉砕してから蒸米するか、実施例4のように残さを軽くすり潰してから再度ろ過する。残さはすでに酵素処理を受けているので、粉砕するまでもなく容易にすり潰すことができる。これらの方法では、ほぼ全量のGABAが酵素処理液に回収された。
酵素処理の前処理としては、実施例1の蒸米より比較例1の粉砕米のほうがGABAの量は高かった。実施例1の蒸米の酵素処理液のふるいわけで残る残さは胚芽であり、原料を粉砕した比較例1の粉砕米では残さは生じることなく、粉砕によりすべてのGABAが酵素処理液に回収された。
(3)ライスミルク飲料のGABA回収率
以下にライスミルク飲料のアミノ酸分析結果を示す。ただし、ライスミルク飲料MC−A〜MC−D、MH−A〜MH−Dの中砂糖のかわりにハチミツを使用したMH−A〜MH−Dはハチミツの褐変により飲料として不適であり(後述の官能評価を参照)、また砂糖を使用したMC−A〜MC−Dの中比較例1および3にかかるMC−BおよびMC−Dは最初の加熱工程で粘度が増加し焦げやすい状態となった。これは粉砕米は酵素処理時にデンプンが糊化していないため未分解のデンプンが残りライスミルク飲料製造時の加熱で未分解デンプンが糊化したためと考えられる。このような問題なく製造できたライスミルク飲料であるMC−AとMC−Cのアミノ酸含有量を表6に示す。
Figure 2006288297
GABAについて見ると、ライスミルク飲料におけるGABA回収率は表7に示すとおりである。ライスミルク飲料100gには発芽米・胚芽米または発芽玄米10g相当が含まれるので、MC−Aの回収率は胚芽米・胚芽10g(GABA量1.36mg)、MC−Cの回収率は発芽玄米10g(GABA量2.09mg)に対する回収率である。
Figure 2006288297
それぞれの回収率は酵素処理液におけるGABA回収率とほば同一であった。このことは、レトルト殺菌を含むライスミルク飲料缶詰製造工程においてGABAは減少しないため、酵素処理液調製でGABAを効率良く抽出することが重要であることを示している。
ライスミルク飲料の官能評価
ライスミルク飲料缶詰MC−A〜MC−DおよびMH−A〜MH−Dの官能評価をパネラー4名で行った。その結果を糖度(Bx)とともに表8に示す。官能評価の結果、胚芽米を蒸米とし糊化した実施例1のMC−Aが最も好評であった。胚芽米の粉砕のみで糊化を行わなかったMC−Bはモロモロした感触で次点であった。粉砕のみで糊化させていなかった胚芽米を酵素処理したため、デンプン分解が不充分であったと考えられる。発芽玄米を精米せずに原料としたMC−CとMD−Dは糠臭が強く不評であった。砂糖のかわりにハチミツを使用したMH−A〜MH−Dはいずれもハチミツの褐変による変色、におい、苦味が強く、不評であった。
Figure 2006288297
ライスミルク飲料のアミノ酸分析および官能評価の結果、実施例1の飲料原料液を使用したライスミルク飲料がもっとも糠臭がなく、アミノ酸も充分に含有しており、優れた胚芽玄米飲料であることがわかった。
発芽玄米中のGABAの分布状況を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 発芽玄米を精米して胚芽米とする精米工程と、胚芽米を蒸煮して糊化する糊化工程と、糊化された胚芽米を酵素処理する酵素処理工程と、該酵素処理により得られた酵素処理液を加水して飲料原料液を得る工程とを備えることを特徴とする発芽玄米飲料の製造方法。
  2. 発芽玄米を精米して胚芽米とする精米工程と、胚芽米を蒸煮して糊化する糊化工程と、該精米工程において胚芽米から分離された糠分から糠を除去して胚芽を回収する工程と、該回収された胚芽を粉砕する工程と、該糊化工程において糊化された胚芽米と該回収され粉砕された胚芽とを混合して酵素処理する酵素処理工程と、該酵素処理により得られた酵素処理液を加水して飲料原料液を得る工程とを備えることを特徴とする発芽玄米飲料の製造方法。
  3. 発芽玄米を精米して胚芽米とする精米工程と、該精米工程において胚芽米から分離された糠分から糠を除去して胚芽を回収する工程と、該回収された胚芽を粉砕する工程と、該回収され粉砕された胚芽と該精米工程において精米された胚芽米とを混合して蒸煮、糊化する糊化工程と、糊化された胚芽米と胚芽の混合物を酵素処理する酵素処理工程と、該酵素処理により得られた酵素処理液を加水して飲料原料液を得る工程とを備えることを特徴とする発芽玄米飲料の製造方法。
  4. 該精米工程において精米された胚芽米を粉砕してから蒸煮、糊化することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発芽玄米飲料の製造方法。
  5. 発芽玄米を精米して胚芽米とする精米工程と、該精米工程において胚芽米から分離された糠分から糠を除去して胚芽を回収する工程と、該精米工程において精米された胚芽米と該回収された胚芽とを混合して粉砕する工程と、粉砕された胚芽米と胚芽の混合物を蒸煮、糊化する糊化工程と、糊化された胚芽米と胚芽の混合物を酵素処理する酵素処理工程と、該酵素処理により得られた酵素処理液を加水して飲料原料液を得る工程とを備えることを特徴とする発芽玄米飲料の製造方法。

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