JP2006281235A - 複数部材からなる組立体の製造方法及び電磁式制御弁の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁性材料からなるステータ等の金属部材と非磁性材料からなるガイドパイプ等の金属部材とのろう付けと磁性焼鈍とを合理的に行うことができるろう付け方法を提供する。
【解決手段】磁性材料からなるステータ等の金属部材33と非磁性材料からなるガイドパイプ等の金属部材35とを、金属部材33の磁性焼鈍温度より低い温度で溶融するろう材90を使用して、炉内で所定温度に加熱し、それらのろう付けと同時に金属部材33の磁性焼鈍を行う。
【選択図】 図3
【解決手段】磁性材料からなるステータ等の金属部材33と非磁性材料からなるガイドパイプ等の金属部材35とを、金属部材33の磁性焼鈍温度より低い温度で溶融するろう材90を使用して、炉内で所定温度に加熱し、それらのろう付けと同時に金属部材33の磁性焼鈍を行う。
【選択図】 図3
Description
本発明は、磁性材料からなる金属部材と非磁性材料からなる金属部材を含む複数部材からなる組立体の製造方法、及び、磁性金属材料からなるステータと非磁性金属材料からなるプランジャガイド用のガイドパイプとをろう付けにより連結固定してなる組立体を備えた電磁式制御弁の製造方法に関する。
例えば、カーエアコン等に使用される可変容量型圧縮機用の電磁式制御弁は、下記特許文献1等にも見られるように、磁性金属材料からなるステータ、該ステータの下端部に連結固定される非磁性金属材料からなる、プランジャガイド用のガイドパイプ、該ガイドパイプの下端部に連結固定される金属材料からなるホルダ、及び、該ホルダに連結固定される金属材料からなるハウジングを有する組立体を備える。
かかる組立体を備えた電磁式制御弁を製造するにあたっては、従来、例えば図5(A)に示される如くに、ステータ33を段付き円筒状に形成し、ガイドパイプ35を、ステータ33の段丘面33cに突き合わせられるとともに段差小径部(下端部外周)33aに外嵌させることのできる円筒状に形成し、ステータ33の段丘面33cとガイドパイプ35の上端35cとの間にろう材95を配在し、このステータ33及びガイドパイプ35を炉内で所定温度(ろう付け温度)に加熱して、ステータ33とガイドパイプ35のろう付けを行うようにしている。この場合、図5(B)に示される如くに、炉内ではろう材95が溶融し、ステータ33とガイドパイプ35の嵌合部分の隙間Saに毛細管現象により流れ込み、それに伴いステータ33が下降し、その後、冷却することにより、ステータ33とガイドパイプ35とが嵌合部分でろう付け(ろう付け部Ja)されて連結固定される。
前記した如くの従来の電磁式制御弁の製造方法では、次のような改善すべき課題があった。
(i)ステータ33とガイドパイプ35のろう付けの他、ガイドパイプ35とホルダの連結固定及びホルダとハウジングの連結固定作業を行わなければならないので、それらの組立体の組み上げに多大な手間と時間がかかり、製造コストが高くなる嫌いがあった。また、ろう付けを伴う組立体は、組立後に熱処理を行うことは事実上難しく、そのため組立体に磁性材料を含む場合に当該磁性材料の磁気特性を十分に高めることができない問題を有していた。
(ii)ステータ33の段丘面33cとガイドパイプ35の上端35cとの間にろう材95を配在してろう付けを行うようにしているので、ろう付け時に、ろう材95が溶融してステータ33とガイドパイプ35の嵌合部分の隙間Saに流れ込み、ステータ33が図5(B)に示される如くに下降する。しかし、この下降時にステータ33が傾いて沈んだり、その段丘面33cとガイドパイプ35の上端35cとの間にろう材95が残る等して、ろう付け終了後において、段丘面33cがガイドパイプ35の上端35cに接当するまで下降せず、それらの間に隙間βが形成されてしまうことがあった。このような隙間βが形成されると、ステータの下端部に連結固定される吸引子とプランジャとの間隙長(エアーギャップ)が不適切となり、流量制御等に支障を来すという問題が生じる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、磁性材料からなるステータ等の金属部材と非磁性材料からなるガイドパイプ等の金属部材とのろう付けと磁性焼鈍とを合理的に行うことができるろう付け方法、及び、ステータ、ガイドパイプ、ホルダ、及び、ハウジングを有する組立体を備えた電磁式制御弁を低コストで合理的に精度良く製造できる方法を提供することにある。
前記の目的を達成すべく、本発明に係る製造方法の一つは、磁性材料からなる金属部材Aと非磁性材料からなる金属部材Bとをろう付けを行って連結固定するときに、前記金属部材Aと前記金属部材Bとを、前記金属部材Aの磁性焼鈍の処理条件のもとに加熱保持を行ってろう付けを行い、それに引き続いて金属部材Aと金属部材Bの組立体の徐冷をし、前記金属部材Aの磁性焼鈍を行うことを特徴としている。
この場合、好ましくは、前記磁性焼鈍温度より低い温度で溶融するろう材を使用する。
具体的な好ましい態様では、前記金属部材Aの材料として電磁ステンレス鋼材等の磁性鉄鋼材料を用い、前記金属部材Bの材料として非磁性ステンレス鋼材等の非磁性鉄鋼材料を用い、前記ろう材として銅ろうもしくは青銅ろうを用いる。
他の好ましい態様では、前記金属部材Aを段丘面と段差小径部を有する段付き円柱状もしくは円筒状とし、前記金属部材Bを前記段差小径部に外嵌させることのできる円筒状とし、前記金属部材Aにおける段差小径部の反段丘面側端部にろう材を装填保持するためのリング状の溝を形成し、前記金属部材Bを前記段差小径部に外嵌させてその上端を前記段丘面に当接させるとともに、ろう材を前記溝と前記金属部材Bの内周面との間に挟むようにして保持させた状態で前記ろう付けを行う。
より具体的な例としては、前記金属部材Aが電磁式制御弁におけるステータ、前記金属部材Bが前記電磁式制御弁におけるプランジャガイドとなるガイドパイプが挙げられる。
一方、本発明に係る電磁式制御弁の製造方法は、上記したろう付け方法を応用したもので、磁性金属材料からなるステータ、該ステータの下端部に連結固定される非磁性金属材料からなる、プランジャガイド用のガイドパイプ、該ガイドパイプの下端部に連結固定される磁性金属材料からなるホルダ、及び、該ホルダに連結固定される磁性金属材料からなるハウジングを有する組立体を備えた電磁式制御弁の製造方法であって、前記ステータを段丘面と段差小径部を有する段付き円柱状もしくは円筒状とし、前記ガイドパイプを前記段差小径部に外嵌させることのできる円筒状とし、前記ステータにおける段差小径部の反段丘面側端部にろう材を装填保持するためのリング状の溝を形成し、前記ガイドパイプを前記段差小径部に外嵌させてその上端を前記段丘面に当接させるとともにその上端を前記段丘面に当接させて、前記組立体を構成するステータ、ガイドパイプ、ホルダ、及びハウジングを仮止め連結するとともに、ろう材を前記溝と前記ガイドパイプの内周面との間に挟むようにして保持し、この仮止め状態の組立体を、処理炉内で前記ステータ等の磁性金属材料の磁性焼鈍の処理条件のもとに加熱保持を行って、前記ステータとガイドパイプのろう付けを行い、それに引き続いて前記組立体を前記処理炉から取り出して徐冷をし、前記ステータ、前記ホルダ、前記ハウジングの磁性焼鈍を行う。
好ましい態様では、上記に加え、前記ハウジングを前記ホルダに圧入できる寸法形状に製作するとともに、前記ホルダ及びハウジングにニッケルめっきもしくはクロムめっきを施し、このめっきが施されたハウジングを前記ホルダに圧入することにより前記仮止め状態の組立体を組み上げる。
さらに好ましい態様では、上記に加え、前記ホルダを前記ガイドパイプが内嵌される段付き円筒状に形成し、前記ホルダに前記ガイドパイプを内嵌するとともに、前記ホルダにおける前記ガイドパイプ内嵌部分上にろう材を配置することにより前記仮止め状態の組立体を組み上げる。
本発明に係る製造方法によれば、磁性材料からなる金属部材Aと非磁性材料からなる金属部材Bとをろう付けするにあたり、前記金属部材Aの磁性焼鈍温度より低い温度で溶融するろう材を使用して、処理炉内で金属部材Aと金属部材Bとを、前記金属部材Aの磁性焼鈍の処理条件のもとに加熱保持してろう付けを行い、それに引き続いて組立体を処理炉から取り出して徐冷をし、前記金属材料Aの磁性焼鈍を行うので、ろう付けの後でも満足のいく磁性焼鈍を行うことができ、磁性金属材料を含むろう付け組立体の磁気特性向上を満足のいくものとすることができる。
また、本発明に係る電磁式制御弁の製造方法では、ステータにおける段差小径部の反段丘面側端部にろう材を装填保持するための溝を形成し、ガイドパイプを前記段差小径部に外嵌させるとともにその上端を前記段丘面に当接させて、前記組立体を構成するステータ、ガイドパイプ、ホルダ、及びハウジングを仮止め連結するとともに、ろう材を前記溝と前記ガイドパイプの内周面との間に挟むようにして保持し、この仮止め状態の組立体を、処理炉内で前記ステータ等の磁性金属材料の磁性焼鈍の処理条件のもとに加熱保持を行って、前記ステータとガイドパイプのろう付けを行い、それに引き続いて前記組立体の徐冷をし、前記ステータ、前記ホルダ、前記ハウジングの磁性焼鈍を行う。この場合、溶融したろう材は毛細管現象により、ステータとガイドパイプの嵌合部分の隙間に吸い上げられる。ここでは、当初からステータの段丘面とガイドパイプの上端とが当接せしめられており、それらの間にろう材は配されておらず、また、ステータとガイドパイプの嵌合部分の隙間に吸い上げられたろう材によりステータが浮き上がることはないので、ステータの段丘面とガイドパイプの上端とはろう付け中も当接したままである。このようにしてろう付けを行った後、組立体を冷却することにより、ステータとガイドパイプとが嵌合部分でろう付けされて連結固定されるとともに、ステータ、ホルダ、ハウジングの磁性焼鈍が行われてその磁気特性が向上せしめられる。
かかる製造方法によれば、ステータの段丘面とガイドパイプの上端との間にはろう材が入り込まないので、ろう付け終了後においても、ステータの段丘面とガイドパイプの上端とは当接したままの状態であり、それらの間に隙間は形成されない。そのため、ステータの下端部に連結固定される吸引子とプランジャとの間隙長(エアーギャップ)を適切にとれ、流量制御等を適正に行うことのできる電磁式制御弁を製造することができる。
また、上記に加え、ハウジングをホルダに圧入できる寸法形状に製作するとともに、ホルダ及びハウジングにニッケルめっきもしくはクロムめっきを施し、このめっきが施されたハウジングをホルダに圧入することにより仮止め状態の組立体を組み上げるようにすれば、ハウジングとホルダのめっき部分に拡散接合効果が生じ、それらの接合強度が圧入のみ場合に比して大幅に増大する。このように、本製造方法では、めっきを施して圧入するだけで接合強度を高めることができる。
以下、本発明のろう付け方法及び電磁式制御弁の製造方法の一実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るろう付け方法及び製造方法が適用された可変容量型圧縮機用の電磁式制御弁の一例を示す縦断面図である。以下においては、まず、電磁式制御弁1の構成を説明し、その後、当該制御弁1の製造方法を説明する。
図示の制御弁1は、弁体部15aを有する弁棒15と、弁体部15aが接離する弁座(弁口)22が設けられた弁室21を有し、この弁室21の外周部(弁座22より上流側)に圧縮機から吐出圧力Pdの冷媒を導入するための複数の吐出圧冷媒導入ポート25が設けられるとともに、弁座22の下方(下流側)に圧縮機のクランク室に連通する高圧冷媒供給ポート26が設けられた弁本体20と、電磁式アクチュエータ30と、を備える。
電磁式アクチュエータ30は、通電励磁用のコネクタ部31を有する電磁コイル32、該コイル32の内周側に配在された磁性金属材料からなる段付き円筒状のステータ33、該ステータ33の下端部内周に圧入固定された断面凹字状の吸引子34、この吸引子34の下方でガイドパイプ35の内周側に上下方向に摺動自在に配在されたプランジャ37、ステータ33の下端部外周(段差小径部33a)にその上端部内周35aがろう付け(後述)により連結固定された、プランジャ37ガイド用の非磁性金属材料からなる円筒形のガイドパイプ35、前記コイル32の外周を覆うように配在された段付き円筒状のハウジング60、及び、弁本体20の上端部とコイル32との間に配在された短円筒状のホルダ50、を備えている。
ホルダ50の内周(段差大径部50b)には、前記パイプ35の下端部が内嵌されてろう付けにより連結固定され(後述)、また、ホルダ50の外周には、ハウジング60の下部小径部61が圧入されている(後述)。ハウジング60の上端部62は、前記コイル32の上端部付近にかしめ固定されている。ホルダ50の下部には、弁本体20の上部外周に外嵌される薄肉鍔付き円筒部50aが設けられ、この薄肉鍔付き円筒部50aをピールかしめ加工することにより弁本体20にホルダ50が固定されている。
以上のステータ33、ガイドパイプ35、ホルダ50、及びハウジング60で本実施形態の組立体80が構成されている(図2、図3、図4を参照して後述する)。
また、前記ステータ33の上部には、六角穴付きの調節ねじ65が螺合せしめられ、ステータ33の内周側における前記調節ねじ65と吸引子34との間には、圧縮機の吸入圧力Psが導入される感圧室45が形成され、この感圧室45には感圧応動部材としての、ベローズ41、逆凸字状の上ストッパ42、逆凹字状の下ストッパ43、及び圧縮コイルばね44からなるベローズ本体40が配在され、さらに、ベローズ本体40と吸引子34との間には、ベローズ本体40を収縮させる方向(調節ねじ65側に圧縮する方向)に付勢する圧縮コイルばね46が配在されている。また、ベローズ本体40の下ストッパ43(の逆凹部)とプランジャ37(の凹部37c)との間には、前記吸引子34を貫通する段付きの作動棒14が配在され、さらに、吸引子34とプランジャ37(の凹部37b)との間には、プランジャ37を介して弁棒15を下方(開弁方向)に付勢する圧縮コイルばねからなる開弁ばね47が配在されている。
一方、前記弁本体20における弁室21の上方には、プランジャ37の最下降位置を規制するための凸状ストッパ部28が突設され、この凸状ストッパ部28を含む弁室上方の中央部分には、前記弁棒15が摺動自在に挿通せしめられた案内孔19が形成されている。また、前記凸状ストッパ部28外周には、吸入圧導入室23が形成されるとともに、その外周側に複数個の吸入圧冷媒導入ポート27が形成され、この導入ポート27から導入室23に導入された吸入圧力Psの冷媒は、プランジャ37の外周に形成された縦溝37a、37a、…及び中央部に穿設された連通孔37dや吸引子34に形成された連通孔39等を介して前記感圧室45に導入される。
前記弁本体20の下部(高圧冷媒供給ポート26)には、前記弁棒15を上方に付勢する円錐状の圧縮コイルばねからなる閉弁ばね48が配在されており、この閉弁ばね48の付勢力により、弁棒15の上端部は、常時プランジャ37(の連通孔37d部分)に圧接するようにされている。
このような構成とされた制御弁1においては、コイル32、ステータ33及び吸引子34からなるソレノイド部が通電励磁されると、吸引子34にプランジャ37が引き寄せられ、これに伴い、弁棒15が閉弁ばね48の付勢力により上方(閉弁方向)に移動せしめられる。一方、圧縮機から吸入圧導入ポート27に導入された吸入圧力Psの冷媒は、導入室23からプランジャ37の外周に形成された縦溝37a、37a、…や吸引子39に形成された連通孔39等を介して前記感圧室45に導入され、ベローズ本体40(内部は真空圧)は感圧室45の圧力(吸入圧力Ps)に応じて伸縮変位(吸入圧力Psが高いと収縮、低いと伸張)し、該変位が作動棒14及びプランジャ37を介して弁棒15に伝達され、それによって、弁開度(弁座22と弁体部15aとの間の実効通路断面積)が調整される。すなわち、弁開度は、コイル32、ステータ33及び吸引子34からなるソレノイド部によるプランジャ37の吸引力と、ベローズ本体40の付勢力と、開弁ばね47及び閉弁ばね48による付勢力と、によって決定され、その弁開度に応じて、吐出圧冷媒導入ポート25から弁室21に導入された吐出圧力Pdの冷媒の供給ポート26側、つまりクランク室への導出量(絞り量)が調整され、これによって、クランク室内の圧力Pcが制御される。
かかる構成の本実施形態の制御弁1を製造するにあたっては、図2、図3に示される如くに、前記ステータ33を、段丘面33cと段差小径部33aを有する段付き円筒状に形成し、ガイドパイプ35を、その上端部内周35aを段差小径部33aに外嵌させることのできる円筒状に形成し(上端35cは断面先細り状とする)、ステータ33における段差小径部33aの反段丘面側端部にろう材90を装填保持するための断面半円形のリング状の溝33dを形成し、ガイドパイプ35の上端部内周35aを段差小径部33aに外嵌させるとともにその上端35cを段丘面33cに当接させ、ろう材90を前記溝33dとガイドパイプ35の内周面との間に挟むようにして、抜け落ちないように保持しておく。
ここでは、前記ステータ33の材料として電磁ステンレス鋼材等の磁性鉄鋼材料(磁性焼鈍温度:1100〜1150°C)を用い、前記ガイドパイプ35の材料として非磁性ステンレス鋼材(例えばSUS305)等の非磁性鉄鋼材料を用い、前記ろう材90として、ステンレス鋼材・一般鋼材用の銅ろう(溶融温度:1083°C)もしくは青銅ろう(溶融温度:880〜1025°C)を用いる。なお、ステータ33の材料として、ここでは防錆の点でステンレス鋼材を用いているが、他の鉄鋼材を用いてもよい。
また、上記に加え、図4に示される如くに、前記ハウジング60の下部小径部61を前記ホルダ50の外周(段差小径部50f)に圧入できる寸法形状に製作するとともに、前記ホルダ50及びハウジング60にニッケルめっきを施し、このめっきが施されたハウジング60の下部小径部61を、その下端61dが段丘面50dに当接するまで、前記ホルダ50の段差小径部50fに圧入しておく。ここでは、ハウジング60の材料として、絞り加工用鋼材(SPCE)等を用い、また、ホルダ50の材料として硫黄快削鋼材等の鉄鋼材を用いている。なお、めっきとしては、ニッケルめっきに代えてクロムめっきを使用してもよい。
さらに、上記に加え、前記ホルダ50を前記ガイドパイプ35が内嵌される段丘面50c及び段差大径部50bを有する段付き円筒状に形成し、このホルダ50の内周(段差大径部50b)にガイドパイプ35の下端部35bをその下端35eが段丘面50cに当接するまで挿入して内嵌するとともに、ホルダ50におけるガイドパイプ内嵌部分上(内周上端面取り部50r部分)にろう材92(前記ろう材90と同じ材料)を乗せ置いておく。
このようにして、前記組立体80を構成するステータ33、ガイドパイプ35、ホルダ50、及びハウジング60を仮止め連結したのち、この仮止め状態の組立体80’(図2に示される状態)を、メッシュベルトコンベア等のワーク搬送手段を備えた連続式熱処理炉を用いて、所定の温度に加熱する。詳細には、該処理炉は、加熱区間とそれに続く冷却区間を備え、前記仮止め状態の組立体80’を立てた姿勢(図2に示される姿勢)でコンベア等に乗せて処理炉内に連続的もしくは間欠的に搬送し、炉内において搬送しながら前記磁性焼鈍温度に所定時間(例えば1時間程度)加熱し、その後、冷却区間に送り出して冷却する。この場合、炉内の雰囲気は、酸化を防ぐため、還元性雰囲気(窒素等の不活性ガスに水素等の還元性ガスを適量導入する)とすることが望ましい。
このように組立体80’を処理炉内で加熱することにより、ステータ33とガイドパイプ35及びガイドパイプ35とホルダ50のろう付けがなされ、それに引き続いて冷却をすることによりステータ33、ホルダ50、ハウジング60の磁性焼鈍が行われる。ここで、ステータ33とガイドパイプ35のろう付け部分では、図3に示される如くに、ろう材90が溶融し、溶融したろう材90が、毛細管現象により、ステータ33(の段差小径部33a)とガイドパイプ35の嵌合部分の隙間Sに吸い上げられる。ここでは、当初からステータ33の段丘面33cとガイドパイプ35の上端35cとが当接せしめられており、それらの間にろう材は配されておらず、また、ステータ33とガイドパイプ35の嵌合部分の隙間Saに吸い上げられたろう材90によりステータ33が浮き上がることはないので、ステータ33の段丘面33cとガイドパイプ35の上端35cとはろう付け中も当接したままである。このようにして組み立てられた組立体80は、単一のろう付け工程の中で、ステータ33とガイドパイプ35とが嵌合部分でろう付けされて連結固定されるとともに、ステータ33、ホルダ50、ハウジング60の磁性金属材料の磁性焼鈍が行われてその磁気特性が十分に向上せしめられる。
また、ステータ33とガイドパイプ35とは、ステータ33の段丘面33cとガイドパイプ35の上端とが当接した初期状態を保ってろう付けがされるから、従来のような隙間(図5(B)のβ)は形成されない。そのため、ステータ35の下端部に連結固定される吸引子34とプランジャ37との間隙長(エアーギャップ)αを適切にとれ、流量制御等を適正に行うことのできる電磁式制御弁を製造することができる。
上記に加え、ガイドパイプ35の下端部35bとホルダ50とのろう付け部分では、ろう材92が溶融し、溶融したろう材92が、ガイドパイプ35の下端部35bとホルダ50の段差大径部50bとの間(嵌合部分)の隙間Sbに流し込まれ、余剰分は溜め部50gに留められる。その後、冷却することにより、ガイドパイプ35とホルダ50が嵌合部分でろう付け(ろう付け部Jb)されて連結固定される。
このように、本実施形態では、ステータ33とガイドパイプ35及びガイドパイプ35とホルダ50のろう付けとステータ33、ホルダ50、ハウジング60の磁性焼鈍を単一のろう付け工程の中で行うことができる。
また、上記に加え、ハウジング60をホルダ50に圧入できる寸法形状に製作するとともに、ホルダ50及びハウジング60にニッケルめっきもしくはクロムめっきを施し、このめっきが施されたハウジング60をホルダ50に圧入することにより仮止め状態の組立体80’を組み上げるようにすることによって、ハウジング60とホルダ50のめっき部分の拡散接合効果が生じ、それらの接合強度が圧入のみの場合に比して大幅に増大する。このように、めっきを施して圧入するだけで接合強度を十分に高めることができる。 この場合も、前記拡散接合効果を得るための熱処理は、単一のろう付け工程の中でできるから、それらを別々に行う場合に比して総熱処理時間を短縮でき、熱処理コスト、製造コストを一層低く抑えることができる。
さらに、ガイドパイプ35とホルダ50及びハウジング60とホルダ50をそれぞれろう付け及び圧入により連結固定するようにされるので、Oリング等を不要にできて、部品点数の削減、組み立て性及び組み付け性の向上等も図ることができ、製造コストをさらに低減できるという効果も得られる。
1 電磁式制御弁
33 ステータ
33d 溝
34 吸引子
35 パイプ
37 プランジャ
50 ホルダ
60 ハウジング
80 組立体
90 ろう材
33 ステータ
33d 溝
34 吸引子
35 パイプ
37 プランジャ
50 ホルダ
60 ハウジング
80 組立体
90 ろう材
Claims (9)
- 磁性材料からなる金属部材Aと非磁性材料からなる金属部材Bとをろう付けを行って連結固定するときに、金属部材Aと金属部材Bとを、前記金属部材Aの磁性焼鈍の処理条件のもとに加熱保持を行ってろう付けを行い、それに引き続いて金属部材Aと金属部材Bの組立体の徐冷をし、前記金属部材Aの磁性焼鈍を行うことを特徴とする複数部材からなる組立体の製造方法。
- 前記磁性焼鈍温度より低い温度で溶融するろう材を使用することを特徴とする請求項1に記載の複数部材からなる組立体の製造方法。
- 前記金属部材Aの材料として電磁ステンレス鋼材等の磁性鉄鋼材料を用い、前記金属部材Bの材料として非磁性ステンレス鋼材等の非磁性鉄鋼材料を用い、前記ろう材として銅ろうもしくは青銅ろうを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の複数部材からなる組立体の製造方法。
- 前記金属部材Aを段丘面と段差小径部を有する段付き円柱状もしくは円筒状とし、前記金属部材Bを前記段差小径部に外嵌させることのできる円筒状とし、前記金属部材Aにおける段差小径部の反段丘面側端部にろう材を装填保持するためのリング状の溝を形成し、前記金属部材Bを前記段差小径部に外嵌させてその上端を前記段丘面に当接させるとともに、ろう材を前記溝と前記金属部材Bの内周面との間に挟むようにして保持させた状態で前記ろう付けを行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の複数部材からなる組立体の製造方法。
- 前記金属部材Aが電磁式制御弁におけるステータであり、前記金属部材Bが前記電磁式制御弁におけるプランジャガイドとなるガイドパイプであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の複数部材からなる組立体の製造方法。
- 磁性金属材料からなるステータ、該ステータの下端部に連結固定される非磁性金属材料からなる、プランジャガイド用のガイドパイプ、該ガイドパイプの下端部に連結固定される磁性金属材料からなるホルダ、及び、該ホルダに連結固定される磁性金属材料からなるハウジングを有する組立体を備えた電磁式制御弁の製造方法であって、
前記ステータを段丘面と段差小径部を有する段付き円柱状もしくは円筒状とし、前記ガイドパイプを前記段差小径部に外嵌させることのできる円筒状とし、前記ステータにおける段差小径部の反段丘面側端部にろう材を装填保持するためのリング状の溝を形成し、前記ガイドパイプを前記段差小径部に外嵌させてその上端を前記段丘面に当接させるとともにその上端を前記段丘面に当接させて、ステータ、ガイドパイプ、ホルダ、及びハウジングを仮止め連結するとともに、ろう材を前記溝と前記ガイドパイプの内周面との間に挟むようにして保持し、この仮止め状態の組立体を、前記ステータ等の磁性金属材料の磁性焼鈍の処理条件のもとに加熱保持を行って、前記ステータとガイドパイプのろう付けを行い、それに引き続いて前記組立体の徐冷をし、前記ステータ、前記ホルダ、前記ハウジングの磁性焼鈍を行うことを特徴とする電磁式制御弁の製造方法。 - 前記ハウジングを前記ホルダに圧入できる寸法形状に製作するとともに、前記ホルダ及びハウジングにニッケルめっきもしくはクロムめっきを施し、このめっきが施されたハウジングを前記ホルダに圧入することにより前記仮止め組立体を組み上げることを特徴とする請求項6に記載の電磁式制御弁の製造方法。
- 前記ホルダを前記ガイドパイプが内嵌される段付き円筒状に形成し、前記ホルダに前記ガイドパイプを内嵌するとともに、前記ホルダにおける前記ガイドパイプ内嵌部分上にろう材を配置することにより前記仮止め組立体を組み上げることを特徴とする請求項6又は7に記載の電磁式制御弁の製造方法。
- 請求項6から8のいずれか一項の製造方法により製造された電磁式制御弁。
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