JP2006276839A - 光学機能フィルム、その製造方法、並びにそれを用いた偏光板及び画像表示装置 - Google Patents

光学機能フィルム、その製造方法、並びにそれを用いた偏光板及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】反射防止性その他の光学性能に優れた薄手化の光学機能フィルム、およびそれに伴うカール特性の悪化、表面強度の低下を回復することであり、その塗布物を安定に供給する方法を提供すること。このようなフィルムを用いて反射防止処理等がされている偏光板、画像表示装置を提供すること。
【解決手段】膜厚が80μm未満のセルロースアシレートフィルムからなる透明支持体の少なくとも一方の面に塗設層を有する光学機能フィルムにおいて、該塗設層の総膜厚が5μm以下であることを特徴とする光学機能フィルムにする。
【選択図】なし

Description

本発明は、セルロースアシレートフィルム上に塗設層を形成した光学機能フィルム、その製造方法、並びにその光学機能フィルムを用いた偏光板及び画像表示装置に関する。
近年、液晶表示装置(LCD)は大画面化が進み、例えば反射防止フィルム、光拡散シート等の光学機能フィルムを配置した液晶表示装置が増大している。例えば反射防止フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような様々な画像表示装置において、外光の反射や像の映り込みによるコントラスト低下を防止するために、ディスプレイの表面に配置される。また、光拡散シートは液晶表示装置のバックライトに用いられる。
液晶表示装置の主要構成は通常、薄い液晶層を基板で挟んだ構成に、さらに機能層を有するフィルムを複数積層することでできており、旧来の表示装置に比べて比較的装置の厚みを薄くできるが、積層の層数が多いため総合厚みでは十分に薄手化が達成できたとはいえず、さらなる薄手化が望まれている。また、液晶表示装置に配置された光学機能フィルムが、環境条件変化等によって物理性変化を起こして視認性に影響を与える現象も起きており、これに対して種々のフィルムの薄手化が関係する知見もみられている。これらのために、近年、各機能層の支持体の厚みを薄くすることが試みられている。
支持体を薄くすることの欠点のひとつにカールが大きくなること挙げられ、これを改良するために、例えば機能層の支持体を挟んだ他方の面にバックコート層を設けることが提案されている(特許文献1)。しかしながら増設層の膜厚分が厚くなることやコストアップ等の問題があること、また、物理的強度が劣化することの欠点は依然と残っており、改良が望まれていた。
一方、液晶表示装置において、偏光板は不可欠な光学材料であり、一般に、偏光膜を2枚の保護フィルムが保護する構造を有している。これらの保護フィルムに反射防止機能やその他の光学的機能を付与することができれば、視認性の向上や表示装置の薄手化が可能となる。
偏光板に用いる保護フィルムは、偏光膜と貼り合わせるうえで十分な密着性を有していることが必要である。偏光膜との密着性を改良する手法として、保護フィルムを鹸化処理して、保護フィルムの表面を親水化処理することが通常行われている。
特開2004−109771号公報
本発明の目的は、反射防止性その他の光学性能に優れた薄手化の光学機能フィルム、およびそれに伴うカール特性の悪化、表面強度の低下を回復することであり、その塗布物を安定に供給する方法を提供することである。本発明の別の目的は、このようなフィルムを用いて反射防止処理がされている偏光板、画像表示装置を提供することである。
上記課題は、下記構成の光学機能フィルム、その製造方法並びにその光学機能フィルムを用いた偏光板及び画像表示装置により達成された。
(1)膜厚が80μm未満のセルロースアシレートフィルムからなる透明支持体の少なくとも一方の面に塗設層を有する光学機能フィルムにおいて、該塗設層の総膜厚が5μm以下であることを特徴とする光学機能フィルム。
(2)該セルロースアシレートフィルムからなる透明支持体の膜厚が10μm〜40μmであることを特徴とする前記1に記載の光学機能フィルム。
(3)該塗設層の少なくとも1層が平均粒径0.02μm〜0.3μmの無機微粒子を含有することを特徴とする前記1または2に記載の光学機能フィルム。
(4)該無機微粒子含有層のうちの少なくとも1層の無機微粒子が導電性無機微粒子であることを特徴とする前記3に記載の光学機能フィルム。
(5)該導電性無機微粒子を含有する塗設層が、全塗設層のうちの支持体に最も近い側に塗設されたことを特徴とする前記4に記載の光学機能フィルム。
(6)該塗設層の少なくとも1層にアルキレンオキシド類を付加した多官能アクリレート系化合物を硬化した組成物を含有することを特徴とする前記1〜5のいずれかに記載の光学機能フィルム。
(7)該塗設層が光拡散層と該光拡散層より0.02以上屈折率が低い低屈折率層の少なくとも2層から構成され、該光拡散層が該低屈折率層より支持体に近い側に塗設されていることを特徴とする前記1〜6のいずれかに記載の光学機能フィルム。
(8)該光拡散層が透光性微粒子を含有し、該透光性微粒子が圧縮強度値22〜59N/mm2(2.2〜6.0kgf/mm2)の樹脂粒子であることを特徴とする前記1〜7のいずれかに記載の光学機能フィルム。
(9)該光拡散層が透光性微粒子を含有し、該粒子の平均粒径が該光拡散層の膜厚の20%〜100%であることを特徴とする前記1〜8のいずれかに記載の光学機能フィルム。
(10)該光拡散層が透光性微粒子を含有し、該粒子が血小板状の扁平形状を有し、該粒子の平均厚さ(T1)と平均最大直径(D1)との比(T1/D1)が0.4〜0.7の範囲にあることを特徴とする前記1〜9のいずれかに記載の光学機能フィルム。
(11)該光拡散層の透光性樹脂の屈折率が1.45〜1.90であり、該透光性樹脂と該透光性微粒子の屈折率差が0〜0.30であることを特徴とする前記1〜10のいずれかに記載の光学機能フィルム。
(12)該塗設層のいずれかの層に下記一般式(a)で表されるオルガノシラン化合物及びその誘導体の少なくともいずれかを含有することを特徴とする前記1〜11のいずれかに記載の光学機能フィルム。
一般式(a) (R10)s−Si(Z)4-s
一般式(a)中、R10は置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表す。Zは水酸基または加水分解可能な基を表す。sは1〜3の整数を表す。
(13)該低屈折率層が中空シリカ微粒子を含有することを特徴とする前記7〜12のいずれかに記載の光学機能フィルム。
(14)該低屈折率層が下記一般式(1)で表される含フッ素化合物の架橋または重合反応により形成されたことを特徴とする前記7〜13のいずれかに記載の光学機能フィルム。
一般式(1)
Figure 2006276839
一般式(1)中、Lは炭素数1〜10の連結基を表し、mは0または1を表す。Xは水素原子またはメチル基を表す。Aは任意のビニルモノマーの重合単位を表し、単一重合単位であっても複数の重合単位で構成されていてもよい。x、y、zはそれぞれの構成重合単位のモル%を表し、30≦x≦60、5≦y≦70、0≦z≦65を満たす値を表す。
(15)該低屈折率層がシリコーン系化合物を含有し、該低屈折率層表面の動摩擦係数が0.15以下であることを特徴とする前記14に記載の光学機能フィルム。
(16)前記セルロースアシレートフィルムが、25℃80%RHにおける含水率が2.9質量%以下のセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする前記1〜15のいずれかに記載の光学機能フィルム。
(17)前記セルロースアシレートフィルムが、水素結合性水素供与性基を有する疎水化剤を少なくとも一つ、オクタノール−水分配係数(以下logP)の質量平均値が4以上12以下で分子量100以上2000以下の低分子化合物を少なくとも一つ、含有するセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする前記1〜16のいずれかに記載の光学機能フィルム。
(18)前記セルロースアシレートフィルムが、25℃80%RHにおける含水率が2.9質量%以下で、水素結合性水素供与性基を有する疎水化剤を少なくとも一つ、オクタノール−水分配係数(以下logP)の質量平均値が4以上12以下で分子量100以上2000以下である低分子化合物を少なくとも一つ、含有するセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする前記1〜17のいずれかに記載の光学機能フィルム。
(19)該疎水化剤がリン酸エステル系化合物であり、該リン酸エステル系化合物をセルロースアシレートに対して5wt%以下含有するセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする前記17、18のいずれかに記載の光学機能フィルム。
(20)前記セルロースアシレートフィルムの25℃90%RH環境下での透湿度が、20g/m2・24hrs以上200g/m2・24hrs以下であるセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする前記15〜19のいずれかに記載の光学機能フィルム。
(21)該塗設層のいずれかの層が、塗布液をダイコート法で塗布することによって形成されたことを特徴とする前記1〜20のいずれかに記載の光学機能フィルムの製造方法。
(22)前記1〜20のいずれかに記載の光学機能フィルムが偏光膜の2枚の保護フィルムの少なくとも一方に用いられていることを特徴とする偏光板。
(23)前記1〜20のいずれかに記載の反射防止フィルム、または前記22に記載の偏光板が画像表示面に配置されていることを特徴とする画像表示装置。
(24)画像表示装置が、TN、STN、IPS、VA又はOCBモードの、透過型、反射型又は半透過型の液晶表示装置であることを特徴とする前記23に記載の画像表示装置。
本発明の光学機能フィルムは、反射防止やその他の諸光学性能に優れる。さらにカール防止性や膜強度に優れ、透湿性の低い薄手化機能フィルムの塗布物を安定に供給できる。このようなフィルムを配置した本発明の偏光板、画像表示装置は、薄手化軽量でありながら視認性に優れた高品質の画像を得ることができる。
本明細書において、数値が物性値、特性値等を表す場合に、「(数値I)〜(数値II)」という記載は「(数値I)以上(数値II)以下」の意味を表す。また、「(メタ)アクリロイル」との記載は、「アクリロイル及びメタクリロイルの少なくともいずれか」の意味を表す。「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリル酸」等も同様である。
以下に、本発明について更に詳細に説明する。
<層構成>
本発明の光学機能フィルムについては以下のような公知の層構成を使用することができる。
たとえば、代表的な例としては
透明支持体/光拡散層
透明支持体/光拡散層/低屈折率層
透明支持体/ハードコート層/低屈折率層
透明支持体/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
がある。
透明支持体と表面層の間に設けても良い層として、光拡散層、帯電防止層(ディスプレイ側からの表面抵抗値を下げる等の要求がある場合、表面等へのゴミつきが問題となる場合)、ハードコート層(防眩層だけで硬度が不足する場合)、低屈折率層、防湿層、密着改良層、虹ムラ(干渉ムラ)防止層等が挙げられる。また、低屈折率層の上にスベリ剤等を含む防汚層を設置しても良い。透明支持体の上に光拡散層を用い光拡散層だけで硬度が不足する場合、透明支持体と光拡散層との間にハードコート層を設けても良い。
帯電防止層は透明支持体に接することが好ましいが、それ以外の位置に設けることもできる。
防眩層の上に低屈折率層を光の波長の1/4前後の膜厚で形成することにより、薄膜干渉の原理により表面反射を低減することができる。
ここで、図1は、本発明の光学機能フィルムの好ましい一実施形態を模式的に示す断面図である。
図1に示す本実施形態の光学機能フィルム1は、透明支持体2と、透明支持体2上に形成された光拡散層3と、そして光拡散層3上に形成された低屈折率層4とからなる。この他、表面への汚れの付着を防止するための層などがある。
光拡散層3は、透光性樹脂と透光性樹脂中に分散された透光性微粒子5とからなる。
本発明における反射防止層を有する光学機能フィルムを構成する各層の屈折率は以下の関係を満たすことが好ましい。
光拡散層の屈折率>透明支持体の屈折率>低屈折率層の屈折率
防眩性、光拡散性を有する光拡散層は、好ましくは防眩性、光拡散性、ハードコート性と高屈折率性を兼ね備えており、本実施形態においては、1層で形成されたものを例示しているが、複数層、例えば2層〜4層で構成されていてもよい。また、本実施形態のように透明支持体上に直接設けてもよいが、帯電防止層や防湿層等の他の層を介して設けてもよい。
本発明の光学機能フィルムにおける塗設層の総膜厚は、カールを低減するために、支持体の膜厚に対して5μm以下であることが必要である。好ましくは4.5μmであり、より好ましくは4μm以下である。
次に、光拡散層について以下に説明する。
<光拡散層>
光拡散層は、表面散乱による防眩性と、好ましくはフィルムの耐擦傷性を向上するためのハードコート性をフィルムに寄与することと、必要によって層内部の散乱効果を利用する目的で形成される。また、低屈折率層に対して相対的に屈折率が高いことが好ましく、低屈折率層より0.02以上、好ましくは0.03以上屈折率が高いことが反射防止性向上のために好ましい。光拡散層は、好ましくはハードコート性を付与することのできる透光性樹脂、光拡散性を付与するための透光性微粒子、および溶媒を必須成分として含有する。
光拡散層の膜厚は5μm以下が好ましく、4.5μm〜2μmがより好ましく、4μm〜3μmが最も好ましい。
<透光性微粒子>
透光性微粒子の平均粒径は、0.5μm〜8μmが好ましく、0.7μm〜6μmがより好ましく、1μm〜5μmがさらに好ましい。また、透光性微粒子の平均粒径は、光拡散層の膜厚の20%〜100%であることが好ましく、15%〜90%がより好ましく、20%〜80%がさらに好ましい。
平均粒径が0.5μm未満であると、光の散乱角度分布が広角にまで広がるため、ディスプレイの文字ボケを引き起こすため、好ましくない。一方、8μmを超えると、塗設面の防眩性が強くなりすぎ、素材コストの上昇等の問題も生じる。
前記透光性微粒子の具体例としては、例えばポリ((メタ)アクリレート)粒子、架橋ポリ((メタ)アクリレート)粒子、ポリスチレン粒子、架橋ポリスチレン粒子、架橋ポリ(アクリル−スチレン)粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子等の樹脂粒子が好ましく挙げられる。無機微粒子としては、シリカビーズ(屈折率1.44)、アルミナビーズ(屈折率1.63)等が挙げられ、沈降防止や屈折率低下のために中空無機ビーズも好ましい。
これらの中で、架橋ポリスチレン粒子、架橋ポリ((メタ)アクリレート)粒子、架橋ポリ(アクリル−スチレン)粒子が好ましく用いられ、これらの粒子の中から選ばれた各透光性微粒子の屈折率にあわせて透光性樹脂の屈折率を調整することにより、本発明の内部ヘイズ、表面ヘイズ、中心線平均粗さを達成することができる。具体的には、後述するような本発明の防眩層に好ましく用いられる3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを主成分とした透光性樹脂(硬化後の屈折率が1.50〜1.53)とアクリル含率50〜100質量パーセントである架橋ポリ(メタ)アクリレート重合体からなる透光性微粒子の組合せが好ましく、特に前記透光性樹脂と架橋ポリ(スチレン−アクリル)共重合体からなる透光性微粒子(屈折率が1.48〜1.54)との組合せが好ましい。
粒子径の異なる2種以上の透光性微粒子を併用して用いてもよい。より大きな粒子径の透光性微粒子で防眩性を付与し、より小さな粒子径の透光性微粒子で表面のザラツキ感を低減することが可能である。
前記透光性微粒子は、形成された光拡散層中に、層全固形分中に3〜30質量%含有されるように配合される。より好ましくは5〜20質量%である。3質量%未満であると、防眩性、光拡散性が不足し、30質量%を超えると、画像ボケや表面の白濁やギラツキ等の問題が生じる。
透光性微粒子の塗布量は、好ましくは10〜1000mg/m2、より好ましくは100〜700mg/m2である。
本発明における透光性微粒子の屈折率は、1.40〜1.90が好ましく、1.44〜1.75がより好ましく、1.48〜1.65が一層好ましい。さらに透光性微粒子が樹脂粒子であることが、塗布液中での該粒子の沈降防止のためにより好ましい。
本発明においては、透光性樹脂と透光性微粒子との屈折率の差(透光性微粒子の屈折率−透光性樹脂の屈折率)は、絶対値として好ましくは0〜0.30であり、より好ましくは0〜0.2である。この差が0.30を超えると、フィルム文字ボケ、暗室コントラストの低下、表面の白濁等の問題が生じる。
ここで、前記透光性樹脂の屈折率は、アッベ屈折計で直接測定するか、分光反射スペクトルや分光エリプソメトリーを測定するなどして定量評価できる。前記透光性微粒子の屈折率は、屈折率の異なる2種類の溶媒の混合比を変化させて屈折率を変化させた溶媒中に透光性微粒子を等量分散して濁度を測定し、濁度が極小になった時の溶媒の屈折率をアッベ屈折計で測定することで測定される。
本発明の透光性微粒子が樹脂粒子の場合、粒子の圧縮強度値が22〜59N/mm2(2.2〜6.0kgf/mm2)の樹脂粒子であることが光学機能フィルムの表面強度向上と、脆性悪化防止のために好ましく、29〜59N/mm2(3.0〜6.0kgf/mm2)であることがより好ましい。
本発明における圧縮強度は粒子径が10%変形するときの圧縮強度を示す。粒径が10%変形するときの圧縮強度とは、粒子圧縮強度(S10強度)であり、(株)島津製作所製微小圧縮試験機MCTW201を用いて樹脂粒子単体を1gf(9.8mN)の荷重まで圧縮試験を行ない、粒子径が10%変形したときの荷重と圧縮前の粒子径とを次式に導入して得られる値である。(なお、以下の値はkgf/mm2単位なので、N/mm2単位の値としては、さらに9.8を掛け算した値となる。)
S10強度(kgf/mm2
=2.8×荷重(kgf)/{(π×粒子径(mm)×粒子径(mm))
本発明に係る樹脂粒子の架橋率は粒子形成に与る全モノマーに対する架橋性モノマーの含有率を指標にすることができる。架橋性モノマーの含有率が、15質量%以上、好ましくは17質量%〜80質量%、より好ましくは20質量%〜70質量%であることが、膜強度向上のために好ましい。
透光性微粒子の製造法は、懸濁重合法、乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、分散重合法、シード重合法等を挙げることができ、いずれの方法で製造されてもよい。これらの製造法は、例えば「高分子合成の実験法」(大津隆行、木下雅悦共著、化学同人社)130頁及び146頁から147頁の記載、「合成高分子」1巻、p.246〜290、同3巻、p.1〜108等に記載の方法、及び特許第2543503号明細書、同第3508304号明細書、同第2746275号明細書、同第3521560号明細書、同第3580320号明細書、特開平10−1561号公報、特開平7−2908号公報、特開平5−297506号公報、特開2002−145919号公報等に記載の方法を参考にすることができる。
透光性微粒子の粒度分布はヘイズ値と拡散性の制御性、塗布面状の均質性から単分散性粒子が好ましい。例えば平均粒子径よりも20%以上粒子径が大きな粒子を粗大粒子と規定した場合、この粗大粒子の割合は全粒子数の1%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1%以下であり、さらに好ましくは0.01%以下である。このような粒度分布を持つ粒子は、調製または合成反応後に、分級することも有力な手段であり、分級の回数を上げることやその程度を強くすることで、望ましい分布の粒子を得ることができる。
分級には風力分級法、遠心分級法、沈降分級法、濾過分級法、静電分級法等の方法を用いることが好ましい。
透光性微粒子の形状は特に限定されず、球状、紡錘状、棒状、血小板状、お椀状、不定形のいずれでも良いが、血小板状即ち扁平状であることが好ましい。血小板状は本発明の塗設層のように比較的薄手の粒子含有層において、光学機能フィルムを液晶表示装置画面の表面に配置したときの画面の黒色部の黒しまり感の増加と、防眩性を両立させる点において有効である。
粒子が血小板状の扁平状を有する場合、該粒子の平均厚さ(T1)と平均最大直径(D1)との比(T1/D1)が0.4〜0.7の範囲にあることが好ましく、0.4〜0.6の範囲にあることがより好ましい。ここで平均厚さ(T1)とは任意の100個の血小板状粒子について調べたときの、粒子の直径の短い側の距離の平均を示し、平均最大直径(D1)とは粒子直径の距離の最も長い側の平均を示す。血小板状粒子は粒子調製の容易性の観点から樹脂粒子であることが好ましい。
血小板状即ち扁平状粒子は特開2000−38455号公報に記載のように、シード粒子が分散している反応媒体に、該シード粒子を形成する樹脂の溶解度パラメーター(σ1)との差(σ1−σ2)が、0.1〜6.5の範囲にある溶解度パラメーター(σ2)を有するアクリル系樹脂を形成できるモノマーを、シード粒子100質量部に対して120〜2500質量部の量で分散させてシード重合を行う方法によって調製できる。
<透光性樹脂>
透光性樹脂は、飽和炭化水素鎖またはポリエーテル鎖を主鎖として有するバインダーポリマーであることが好ましく、飽和炭化水素鎖を主鎖として有するバインダーポリマーであることがさらに好ましい。また、バインダーポリマーは架橋構造を有することが好ましい。
飽和炭化水素鎖を主鎖として有するバインダーポリマーとしては、エチレン性不飽和モノマーの重合体が好ましい。飽和炭化水素鎖を主鎖として有し、かつ架橋構造を有するバインダーポリマーとしては、二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの(共)重合体が好ましい。
バインダーポリマーを高屈折率にするには、このモノマーの構造中に芳香族環や、フッ素以外のハロゲン原子、硫黄原子、リン原子、及び窒素原子から選ばれた少なくとも1種の原子を含む高屈折率モノマーや、フルオレン骨格を分子内に有するモノマー等を選択することもできる。
二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル〔例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート〕、前記のエステルのエチレンオキサイド変性体やカプロラクトン変性体、ビニルベンゼンおよびその誘導体〔例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン〕、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)およびメタクリルアミドが挙げられる。前記モノマーは2種以上併用してもよい。
高屈折率モノマーの具体例としては、フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート類、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビニルナフタレン、ビニルフェニルスルフィド、4−メタクリロキシフェニル−4'−メトキシフェニルチオエーテル等が挙げられる。これらのモノマーも2種以上併用してもよい。
本発明における透光性樹脂の屈折率は、1.45〜1.90であることが好ましく、より好ましくは1.48〜1.75である。
これらのエチレン性不飽和基を有するモノマーの重合は、光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開始剤の存在下、電離放射線の照射または加熱により行うことができる。
従って、前記光拡散層は、上述のエチレン性不飽和モノマー等の透光性樹脂形成用のモノマー、光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開始剤、透光性微粒子および必要に応じて後述するような無機フィラーを含有する塗液を調製し、該塗液を透明支持体上に塗布後電離放射線または熱による重合反応により硬化させることにより形成することができる。
光ラジカル重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。
アセトフェノン類の例には、2,2−ジメトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシ−ジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシ−ジメチル−p−イソプロピルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、が含まれる。
ベンゾイン類の例には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。
ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノンおよびp−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、3,3’、4、4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどが含まれる。
ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。
活性エステル類の例には1、2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、スルホン酸エステル類、環状活性エステル化合物などが含まれる。
オニウム塩類の例には、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩が挙げられる。
ボレート塩の例にはカチオン性色素とのイオンコンプレックス類が挙げられる。
活性ハロゲン類の例にはS−トリアジンやオキサチアゾール化合物が知られており、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−(p−スチリルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−(3−Br−4−ジ(エチル酢酸エステル)アミノ)フェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−トリハロメチル−5−(p−メトキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールが含まれる。
無機錯体の例にはビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムが挙げられる。
クマリン類の例には3−ケトクマリンが挙げられる。
これらの開始剤は単独でも混合して用いても良い。
「最新UV硬化技術」,(株)技術情報協会,1991年,p.159にも種々の例が記載されており本発明に有用である。
市販の光開裂型の光ラジカル重合開始剤としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のイルガキュア(651,184,819、907、1870(CGI−403/Irg184=7/3混合開始剤、500,369,1173,2959,4265,4263など)、OXE01)等、日本化薬(株)製のKAYACURE(DETX−S,BP−100,BDMK,CTX,BMS,2−EAQ,ABQ,CPTX,EPD,ITX,QTX,BTC,MCAなど)、サートマー社製のEsacure(KIP100F,KB1,EB3,BP,X33,KT046,KT37,KIP150,TZT)等が好ましい例として挙げられる。
光重合開始剤は、多官能モノマー100質量部に対して、0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは1〜10質量部の範囲である。
光重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。光増感剤の具体例として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーケトンおよびチオキサントン、などを挙げることができる。
更にアジド化合物、チオ尿素化合物、メルカプト化合物などの助剤を1種以上組み合わせて用いてもよい。
市販の光増感剤としては、日本化薬(株)製のKAYACURE(DMBI,EPA)などが挙げられる。
熱ラジカル開始剤としては、有機あるいは無機過酸化物、有機アゾ及びジアゾ化合物等を用いることができる。
具体的には、有機過酸化物として過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシド、無機過酸化物として、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、アゾ化合物として2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(プロピオニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)等、ジアゾ化合物としてジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等が挙げられる。
ポリエーテルを主鎖として有するポリマーは、多官能エポシキシ化合物の開環重合体が好ましい。多官能エポシキシ化合物の開環重合は、光酸発生剤あるいは熱酸発生剤の存在下、電離放射線の照射または加熱により行うことができる。
従って、多官能エポシキシ化合物、光酸発生剤あるいは熱酸発生剤、透光性微粒子および無機フィラーを含有する塗液を調製し、該塗液を透明支持体上に塗布後電離放射線または熱による重合反応により硬化して光拡散層を形成することができる。
二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの代わりにまたはそれに加えて、架橋性官能基を有するモノマーを用いてポリマー中に架橋性官能基を導入し、この架橋性官能基の反応により、架橋構造をバインダーポリマーに導入してもよい。
架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基および活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステルおよびウレタン、テトラメトキシシランのような金属アルコキシドも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。すなわち、本発明において架橋性官能基は、すぐには反応を示すものではなくとも、分解した結果反応性を示すものであってもよい。
これら架橋性官能基を有するバインダーポリマーは塗布後、加熱することによって架橋構造を形成することができる。
光拡散層には、膜強度を増加したり、硬化収縮を小さくしてカールを小さくしたり、内部散乱を減らしたい場合には内部散乱に起因するヘイズ値を低減するために、前記の透光性微粒子に加えて、ケイ素、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモンのうちより選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物からなる無機微粒子を含有することが好ましい。特にATO、ITO、アンチモン酸亜鉛、五酸化アンチモン等の導電性無機微粒子を用いることが帯電防止性をも合わせて付与できる点で望ましい。無機微粒子を分散した後の実質的に用いる粒子の平均粒径としては、0.3μm〜0.02μmが好ましく、0.2μm〜0.02μmがより好ましく、0.1μm〜0.02μmがさらに好ましい。無機微粒子の一次粒子の好ましい平均粒径は0.2μm以下、より好ましくは0.1μm以下、さらに好ましくは0.05μm以下である。これらの無機微粒子は、一般的に比重が有機物よりも高く、塗布組成物の密度を高くできるため、透光性微粒子の沈降速度を遅くする効果もある。
光拡散層に用いられる無機微粒子は表面をシランカップリング処理又はチタンカップリング処理されることも好ましく、フィラー表面にバインダー種と反応できる官能基を有する表面処理剤が好ましく用いられる。
これらの無機微粒子を用いる場合、その添加量は、防眩層の全質量の10〜90%であることが好ましく、より好ましくは20〜80%であり、特に好ましくは30〜75%である。
なお、このような無機微粒子は、粒径が光の波長よりも十分小さいために散乱が生じず、バインダーポリマーに該微粒子が分散した分散体は光学的に均一な物質としての性質をもつ。
また、光拡散層にオルガノシラン化合物を用いることができる。オルガノシラン化合物の添加量は、含有層(添加層)の全固形分の0.001〜50質量%が好ましく、0.01〜20質量%がより好ましく、0.05〜10質量%が更に好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。
<アルキレンオキシド類を付加した多官能アクリレート系化合物>
光拡散層にはカールを低減するために、アルキレンオキシド類を付加した多官能アクリレート系化合物を含有することが好ましい。本発明で述べるアクリレート系化合物とは、アクリロイル基を有するアクリレートモノマーと、メタアクリロイル基を有するメタアクリレートモノマーを指す。
本発明に係るアルキレンオキシド類には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、これらより炭素数の大きいアルキレンオキシド、および変性アルキレンオキシド類を含む。本発明では、エチレンオキシドを「EO」、プロピレンオキシドを「PO」、炭素数がそれより大きいアルキレンオキシドを「AO」、また、カプロラクトンのような、カルボニル基等の官能基を含む「AO」と見ることもできるアルキレンオキシドを広義に「変性AO」と称する。さらに、EO、PO、AO、変性AOのくり返し数を「n」で表示する。
オキシドを付加した多官能アクリレート系モノマーにおいて、EO、PO、AO、変性AOのn数としては、n=1〜15が好ましくn=1〜10がより好ましく、n=1〜6がさらに好ましく、n=1〜3が特に好ましい(この時のnは平均値で表す。)また、アルキレンオキシド類が化合物1分子中の複数の部位に付加される場合には、その数は1〜6箇所が好ましく、3〜6がより好ましい。
具体的に以下のモノマー類があげられるがこれらによって限定されるものではない。
A−1 EO付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(n=1)
A−2 EO付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(n=1.5)
A−3 EO付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(n=2)
A−4 EO付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(n=6)
A−5 PO付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(n=1)
A−6 PO付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(n=2)
A−7 EO付加グリセリントリ(メタ)アクリレート(n=2)
A−8 PO付加グリセリントリ(メタ)アクリレート(n=2)
A−9 EO付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート(n=2)
A−10 PO付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート(n=2)
A−11 EO付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート(n=2)
A−12 PO付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート(n=2)
A−13 EO付加ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(n=1.5)A−14 EO付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(n=1)
A−15 PO付加ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(n=1.5)A−16 PO付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(n=1)
A−17 トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレートA−18 AO付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(n=1)
A−19 変性AO付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(n=1)A−20 変性AO付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(n=2)
これらの化合物類は併用して用いられてもよい。
前記具体例の中で、A−1、A−2、A−10、A−19が特に好ましい。
アルキレンオキシド類を付加した多官能アクリレート系化合物は塗布組成物中の透光性樹脂を形成するための全化合物に対して、3質量%〜80質量%用いるのが好ましく、5質量%〜60質量%がより好ましく、7質量%〜40質量%がさらに好ましい。透光性樹脂を形成するためのこの他の化合物類としては、前記エチレン性不飽和基を有するモノマー類や、光拡散層用塗布溶媒に溶解するポリマー類が挙げられる。
<防眩層用界面活性剤>
本発明の光拡散層は、特に塗布ムラ、乾燥ムラ、点欠陥等の面状均一性を確保するために、フッ素系、シリコーン系の何れかの界面活性剤、あるいはその両者を光拡散層形成用の塗布組成物中に含有することが好ましい。特にフッ素系の界面活性剤は、より少ない添加量において、本発明の反射防止フィルムの塗布ムラ、乾燥ムラ、点欠陥等の面状故障を改良する効果が現れるため、好ましく用いられる。
面状均一性を高めつつ、高速塗布適性を持たせることにより生産性を高めることが目的である。
フッ素系の界面活性剤の好ましい例としては、フルオロ脂肪族基含有共重合体(「フッ素系ポリマー」と略記することもある)が挙げられ、該フッ素系ポリマーは、下記(i)のモノマーに相当する繰り返し単位を含むことを特徴とする、あるいは下記(ii)のモノマーに相当する繰り返し単位を含むことを特徴とするアクリル樹脂、メタアクリル樹脂、及びこれらに共重合可能なビニル系モノマーとの共重合体が有用である。
(i)下記一般式イで表されるフルオロ脂肪族基含有モノマー
一般式イ
Figure 2006276839
一般式イにおいてR11は水素原子またはメチル基を表し、Xは酸素原子、イオウ原子または−N(R12)−を表し、mは1以上6以下の整数、nは2〜4の整数を表す。R12は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基を表し、好ましくは水素原子またはメチル基である。Xは酸素原子が好ましい。
(ii)前記(i)と共重合可能な下記一般式ロで示されるモノマー
一般式ロ
Figure 2006276839
一般式ロにおいて、R13は水素原子またはメチル基を表し、Yは酸素原子、イオウ原子または−N(R15)−を表し、R15は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基を表し、好ましくは水素原子またはメチル基である。Yは酸素原子、−N(H)−、および−N(CH3)−が好ましい。
14は置換基を有しても良い炭素数4以上20以下の直鎖、分岐または環状のアルキル基を表す。R14のアルキル基の置換基としては、水酸基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシル基、アルキルエーテル基、アリールエーテル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基等があげられるがこの限りではない。炭素数4以上20以下の直鎖、分岐または環状のアルキル基としては、直鎖及び分岐してもよいブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、エイコサニル基等、また、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の単環シクロアルキル基及びビシクロヘプチル基、ビシクロデシル基、トリシクロウンデシル基、テトラシクロドデシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロデシル基、等の多環シクロアルキル基が好適に用いられる。
本発明で用いられるフッ素系ポリマー中に用いられるこれらの一般式イで示されるフルオロ脂肪族基含有モノマーの量は、該フッ素系ポリマーの各単量体に基づいて10モル%以上であり、好ましくは15〜70モル%であり、より好ましくは20〜60モル%の範囲である。
本発明で用いられるフッ素系ポリマーの好ましい質量平均分子量は、3000〜100,000が好ましく、5,000〜80,000がより好ましい。
更に、本発明で用いられるフッ素系ポリマーの好ましい添加量は、塗布液に対して0.001〜5質量%の範囲であり、好ましくは0.005〜3質量%の範囲であり、更に好ましくは0.01〜1質量%の範囲である。フッ素系ポリマーの添加量が0.001質量%未満では効果が不十分であり、また5質量%より多くなると、塗膜の乾燥が十分に行われなくなったり、塗膜としての性能(例えば反射率、耐擦傷性)に悪影響を及ぼす。
以下、一般式イで表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーからなるフッ素系ポリマーの具体的な構造の例を示すがこの限りではない。なお式中の数字は各モノマー成分のモル比率を示す。Mwは質量平均分子量を表す。
Figure 2006276839
Figure 2006276839
しかしながら、前記のようなフッ素系ポリマーを使用することにより、光拡散層表面にF原子を含有する官能基が偏析することにより光拡散層の表面エネルギーが低下し、前記光拡散層上に低屈折率層をオーバーコートしたときに反射防止性能が悪化する問題が生じる。これは低屈折率層を形成するために用いられる硬化性組成物の濡れ性が悪化するために低屈折率層に目視では検知できない微小なムラが悪化するためと推定される。このような問題を解決するためには、フッ素系ポリマーの構造と添加量を調整することにより、光拡散層の表面エネルギーを好ましくは20mN・m-1〜50mN・m-1に、より好ましくは30mN・m-1〜40mN・m-1に制御することが効果的であることを見出した。前記のような表面エネルギーを実現するためには、X線光電子分光法で測定したフッ素原子由来のピークと炭素原子由来のピークの比であるF/Cが0.1〜1.5であることが必要である。
或いは、上層を塗布する時には上層を形成する溶媒に抽出されるようなフッ素系ポリマーを選択することで、下層表面(=界面)に偏在することがなくなり上層と下層の密着性を持たせることで、高速塗布においても面状の均一性を保ち、かつ耐擦傷性の強い反射防止フィルムを提供できる表面自由エネルギーの低下を防ぐことにより、低屈折率層塗布前の防眩層の表面エネルギーを前記範囲に制御することでも目的を達成することができる。そのような素材の例は下記一般式ハで表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーに相当する繰り返し単位を含むことを特徴とするアクリル樹脂、メタアクリル樹脂、及びこれらに共重合可能なビニル系モノマーとの共重合体である。
(iii)下記一般式ハで表されるフルオロ脂肪族基含有モノマー
一般式ハ
Figure 2006276839
一般式ハにおいてR21は水素原子またはハロゲン原子またはメチル基を表し、水素原子、メチル基がより好ましい。X2は酸素原子、イオウ原子または−N(R22)−を表し、酸素原子または−N(R22)−がより好ましく、酸素原子が更に好ましい。mは1以上6以下の整数(1〜3がより好ましく、1であることが更に好ましい。)、nは1以上18以下の整数(4〜12がより好ましく、6〜8が更に好ましい。)を表す。R22は水素原子または置換基を有しても良い炭素数1〜8のアルキル基を表し、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、水素原子またはメチル基が更に好ましい。Xは酸素原子が好ましい。
またフッ素系ポリマー中に一般式ハで表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーが2種類以上構成成分として含まれていても良い。
(iv)前記(iii)と共重合可能な下記一般式ニで示されるモノマー
一般式ニ
Figure 2006276839
一般式ニにおいて、R23は水素原子、ハロゲン原子またはメチル基を表し、水素原子、メチル基がより好ましい。Y2は酸素原子、イオウ原子または−N(R25)−を表し、酸素原子または−N(R25)−がより好ましく、酸素原子が更に好ましい。R25は水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表し、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、水素原子またはメチル基が更に好ましい。
24は置換基を有しても良い炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状のアルキル基、ポリ(アルキレンオキシ)基を含むアルキル基、置換基を有していても良い芳香族基(例えば、フェニル基またはナフチル基)を表す。炭素数1〜12の直鎖、分岐、または環状のアルキル基、または総炭素数6〜18の芳香族がより好ましく、炭素数1〜8の直鎖、分岐、または環状のアルキル基が更に好ましい。
以下、一般式ハで表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーに相当する繰り返し単位を含むフッ素系ポリマーの具体的な構造の例を示すがこの限りではない。なお、式中の数字は各モノマー成分のモル比率を示す。Mwは質量平均分子量を表す。
Figure 2006276839
Figure 2006276839
Figure 2006276839
Figure 2006276839
Figure 2006276839
また光拡散層上に低屈折率層をオーバーコートする時点で表面エネルギーの低下を防げば、反射防止性能の悪化が防げる。光拡散層塗布時にはフッ素系ポリマーを用いて塗布液の表面張力を下げて面状均一性を高め、高速塗布による高生産性を維持し、塗布後にコロナ処理、UV処理、熱処理、鹸化処理、溶剤処理といった表面処理手法を用いて、特に好ましいのはコロナ処理であるが、表面自由エネルギーの低下を防ぐことにより、低屈折率層塗布前の光拡散層の表面エネルギーを前記範囲に制御することでも目的を達成することができる。
また、本発明の光拡散層を形成する為の塗布組成物中に、チクソトロピー剤を添加しても良い。チクソトロピー剤としては、0.1μm以下のシリカ、マイカ等があげられる。
これら添加剤の含有量は、通常、紫外線硬化型樹脂100質量部に対して、1〜10質量部程度とするのが好適である。
本発明の光拡散層は、直接透明支持体上にウエット塗布されるケースが多いため、特に塗布組成物に用いる溶剤は重要な要因となる。要件としては、上記透光性樹脂等の各種溶質を充分に溶解すること、上記透光性微粒子を溶解しないこと、塗布〜乾燥過程で塗布ムラ、乾燥ムラを発生しにくいこと、支持体を溶解しないこと(平面性悪化、白化等の故障防止に必要)、逆に最低限の程度には支持体を膨潤させること(密着性に必要)、等が挙げられる。
具体例としては、支持体にトリアセチルセルロースを用いる場合には、主溶媒として各種ケトン(メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、各種セロソルブ(エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等)が好ましく用いられる。また、上記の中から選択した主溶媒に対して、水酸基を有する少量溶媒を添加することにより、防眩性が調整でき、特に好ましい。水酸基を有する少量溶媒は、塗布組成物の乾燥工程において主溶媒よりも後まで残留することで防眩性を強くすることができるため、20〜30℃の範囲内のある温度における蒸気圧が前記主溶媒に対して低いことが好ましい。例えば、主溶媒をメチルイソブチルケトン(21.7℃における蒸気圧:16.5mmHg)に対して水酸基を有する少量溶媒としてプロピレングリコール(20.0℃における蒸気圧:0.08mmHg)の組み合わせが好ましい一例として挙げられる。主溶媒と水酸基を有する少量溶媒の混合比は、質量比で99:1〜50:50が好ましく、95:5〜70:30がより好ましい。50:50を超えると、塗布液の安定性や、塗布後の乾燥工程における面質のバラツキが大きくなり、好ましくない。
<ハードコート層>
本発明の光学機能フィルムには、物理強度を付与するためにハードコート層を設けることができる。特に、透明支持体と最外層の間に設けることが好ましい。
ハードコート層は、電離放射線硬化性化合物の架橋又は重合反応により形成されることが好ましい。例えば、電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーを含む塗料を透明支持体上に塗布し、多官能モノマーや多官能オリゴマーを架橋又は重合反応させることにより形成することができる。電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーの官能基としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。
光重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
光重合性官能基を有する光重合性多官能モノマーの具体例としては、光拡散層で例示したものが挙げられ、光重合開始剤、光増感剤を用いて重合することが好ましい。光重合反応は、ハードコート層の塗布および乾燥後、紫外線照射により行うことが好ましい。
ハードコート層は、透明支持体の表面に、ハードコート層形成用の塗料を塗布することで構築することが好ましい。
塗布溶媒として好ましい塗布溶媒は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンである。塗布溶媒は、ケトン系溶媒の含有量が塗布組成物に含まれる全溶媒の10質量%以上であることが好ましい。好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上である。
ハードコート層が電離放射線硬化性の化合物の架橋又は重合反応により作製される場合、架橋又は重合反応は酸素濃度が4体積%以下の雰囲気で実施することが好ましい。
ハードコート層の膜厚は用途により適切に設計することができる。ハードコート層の膜厚は、1〜10μmであることが好ましく、より好ましくは2〜7μm、特に好ましくは3〜5μmである。
ハードコート層の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。また、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
ハードコート層には樹脂、分散剤、界面活性剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、増粘剤、着色防止剤、着色剤(顔料、染料)、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤、などを添加することもできる。また、ハードコート層の硬度を高くする、硬化収縮を抑える、屈折率を制御するなどの目的で、後述する一次粒子の平均粒径が1〜200nmの無機微粒子を添加することができる。
さらには、防眩機能、光拡散機能、液晶表示装置の視野角拡大機能を付与する目的で後述する平均粒径0.2〜10μmの粒子を含有することもできる。
<帯電防止層>
本発明の光学機能フィルムは表面に塵埃(埃など)が付着するのを防止するために帯電防止層を用いることが好ましい。防塵性は、表面の表面抵抗値を下げることで発現される。表面抵抗値は、1×1013Ω/□以下であることが好ましく、1×1012Ω/□以下であることがより好ましく、1×1010Ω/□以下であることが更に好ましい。
帯電防止層は、光拡散層と低屈折率層の間、または透明支持体と光拡散層の間に設けることが好ましく、特に後者の態様が好ましい。
帯電防止層は導電材(電子伝導型の導電性粒子、イオン伝導型の有機化合物など)を結着剤(バインダーなど)に含有させた塗布液を塗布して形成することが好ましい。特に、電子伝導型の導電材のほうが、環境の変化を受け難くので好ましい。
帯電防止層に用いられる好ましい導電材としては、酸化錫、アンチモンをドープした酸化錫(ATO)、酸化インジウム、スズをドープした酸化インジウム(ITO)、酸化亜鉛、アルミニウムをドープした酸化亜鉛、アンチモン酸亜鉛、五酸化アンチモンなどが挙げられる。
導電材の一次粒子の質量平均粒径は1〜200nmであることが好ましく、より好ましくは1〜100nmである。導電材の比表面積は、10〜400m2/gであることが好ましく、20〜200m2/gであることがさらに好ましい。
導電材の分散においては、分散剤の存在下で、分散媒体中に分散することが好ましい。分散は、例えばカルボキシル基、スルホン酸基(スルホ基)、リン酸基(ホスホノ基)、スルホンアミド基等の酸性プロトンを有するアニオン性基を有する分散剤を用いることができる。アニオン性の極性基を有する分散剤としては、ホスファノール(PE−510、PE−610、LB−400、EC−6103、RE−410など;東邦化学工業(株)製)、Disperbyk(−110、−111、−116、−140、−161、−162、−163、−164、−164、−170、−171など;ビックケミー・ジャパン社製)などが挙げられる。分散剤は、さらに架橋又は重合性の官能基を含有することが好ましい。
分散媒体は、沸点が60〜170℃の液体を用いることが好ましい。
中でも、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ブタノール、プロパノ−ル、セロソルブ類(例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル等)が好ましく、特に好ましくは、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンである。
導電材は、サンドグラインダーミル(例、ピン付きビーズミル)、ダイノミル、高速インペラーミル、アイガーミル、ペッブルミル、ローラーミル、アトライターおよびコロイドミル、ペイントシェーカーなどのメディア型分散機を用いて分散することが好ましい。
導電材は、分散媒体中でなるべく微細化されていることが好ましく、分散後の平均粒径は1〜200nmが好ましい。
本発明の帯電防止層のバインダー前駆体としては、前記光拡散層等に記載の(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーなどが好ましい。
帯電防止層の形成は、4体積%以下の雰囲気で電離放射線硬化性化合物の架橋又は重合反応により形成することが好ましい。
帯電防止層の膜厚は用途により適切に設計することができ、透明性を優先して帯電防止層を形成する場合、膜厚は1μm以下であることが好ましく、より好ましくは500nm以下、更に好ましくは200nm以下、特に好ましくは150nm以下である。
また、帯電防止層がハードコート処理されハードコート層を兼ねる場合、1μm〜3μmが好ましく、より好ましくは1μm〜2μmである。
帯電防止層には、前記の成分(導電材、重合開始剤、光増感剤、バインダーなど)以外に、樹脂、界面活性剤、カップリング剤、増粘剤、着色防止剤、着色剤(顔料、染料)、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤、などを添加することもできる。
次に、前記低屈折率層について以下に説明する。
<低屈折率層>
本発明の光学機能フィルムにおける低屈折率層の屈折率は、1.30〜1.55であり、好ましくは1.35〜1.45の範囲である。
屈折率が1.30未満であると、反射防止性能は向上するが、膜の機械強度が低下し、1.55を超えると、反射防止性能が著しく悪化してしまう。
さらに、低屈折率層は下記数式(I)を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
数式(I)
(m/4)×0.7<n1×d1<(m/4)×1.3
式中、mは正の奇数であり、n1は低屈折率層の屈折率であり、そして、d1は低屈折率層の膜厚(nm)である。また、λは波長であり、500〜550nmの範囲の値である。
なお、前記数式(I)を満たすとは、前記波長の範囲において数式(I)を満たすm(正の奇数、通常1である)が存在することを意味している。
低屈折率層としては、熱または電離放射線により架橋する含フッ素樹脂の架橋からなる低屈折率層(態様1)、ゾルゲル法による低屈折率層(態様2)、および粒子とバインダーポリマーを用い、粒子間または粒子内部に空隙を有する低屈折率層(態様3)等が用いられる。
熱または電離放射線により架橋する含フッ素樹脂の架橋からなる低屈折率層(態様1)を形成する素材について以下に説明する。
低屈折率層は、例えば含フッ素ポリマーを主成分とする硬化性組成物を塗布、乾燥、硬化して形成される硬化膜である。
<低屈折率層用含フッ素ポリマー>
前記含フッ素ポリマーは、硬化被膜にした場合の被膜の動摩擦係数が0.03〜0.20、水に対する接触角が90〜120°、純水の滑落角が70°以下であり、熱または電離放射線により架橋するポリマーであるのが、ロールフィルムをウェブ搬送しながら塗布、硬化する場合などにおいて生産性向上の点で好ましい。
また、本発明の光学機能フィルムを画像表示装置に装着した時、市販の接着テープとの剥離力が低いほどシールやメモを貼り付けた後に剥がれ易くなるので、剥離力は、500gf(4.9N)以下が好ましく、300gf(2.9N)以下がより好ましく、100gf(0.98N)以下が最も好ましい。また、微小硬度計で測定した表面硬度が高いほど、傷がつき難いので、該表面硬度が、0.3GPa以上が好ましく、0.5GPa以上がより好ましい。
低屈折率層に用いられる含フッ素ポリマーは、フッ素原子を35〜80質量%の範囲で含有し、且つ架橋性もしくは重合性の官能基を含む含フッ素ポリマーであり、例えば、パーフルオロアルキル基含有シラン化合物〔例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリエトキシシラン〕の加水分解物や脱水縮合物の他、含フッ素モノマー単位と架橋反応性単位とを構成単位とする含フッ素共重合体が挙げられる。含フッ素共重合体の場合、主鎖は、炭素原子のみからなるのが好ましい。すなわち、主鎖骨格に酸素原子や窒素原子などを有しないのが好ましい。
前記含フッ素モノマー単位の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、パーフルオロオクチルエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(大阪有機化学製)やM−2020(ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられるが、好ましくはパーフルオロオレフィン類であり、屈折率、溶解性、透明性、入手性等の観点から特に好ましくはヘキサフルオロプロピレンである。
前記架橋反応性単位としては、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテルのように分子内にあらかじめ自己架橋性官能基を有するモノマーの重合によって得られる構成単位;カルボキシル基やヒドロキシ基、アミノ基、スルホ基等を有するモノマー〔例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、マレイン酸、クロトン酸等〕の重合によって得られる構成単位に高分子反応によって(メタ)アクリルロイル基等の架橋反応性基を導入した構成単位(例えばヒドロキシ基に対してアクリル酸クロリドを作用させる等の手法で導入できる)が挙げられる。
また、前記含フッ素モノマー単位及び前記架橋反応性単位以外に溶剤への溶解性、皮膜の透明性等の観点から、適宜フッ素原子を含有しないモノマーを共重合させて、他の重合単位を導入することもできる。併用可能なモノマー単位には特に限定はなく、例えばオレフィン類〔エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等〕、アクリル酸エステル類〔アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル〕、メタクリル酸エステル類〔メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレート等〕、スチレン誘導体〔スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等〕、ビニルエーテル類〔メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等〕、ビニルエステル類〔酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等〕、アクリルアミド類〔N−tertブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等〕、メタクリルアミド類、アクリロ二トリル誘導体等を挙げることができる。
前記含フッ素ポリマーに対しては特開平10−25388号および特開平10−147
739号各公報に記載のごとく適宜硬化剤を併用しても良い。
本発明で特に有用な含フッ素ポリマーは、パーフルオロオレフィンとビニルエーテル類またはビニルエステル類とのランダム共重合体である。特に単独で架橋反応可能な基〔(メタ)アクリロイル基等のラジカル反応性基、エポキシ基、オキセタニル基等の開環重合性基等〕を有していることが好ましい。
これらの架橋反応性基含有重合単位はポリマーの全重合単位の5〜70mol%を占めていることが好ましく、特に好ましくは30〜60mol%を占めていることである。
本発明に用いられる低屈折率層用含フッ素ポリマーの好ましい形態として一般式(1)で表される共重合体が挙げられる。
一般式(1)
Figure 2006276839
一般式(1)中、Lは炭素数1〜10の連結基を表し、より好ましくは炭素数1〜6の連結基であり、特に好ましくは2〜4の連結基であり、直鎖であっても分岐構造を有していてもよく、環構造を有していてもよく、O、N及びSから選ばれるヘテロ原子を有していても良い。
好ましい例としては、*−(CH2)2−O−**,*−(CH2)2−NH−**,*−(CH2)4−O−**,*−(CH2)6−O−**,*−(CH2)2−O−(CH2)2−O−**,*−CONH−(CH2)3−O−**,*−CH2CH(OH)CH2−O−**,*−CH2CH2OCONH(CH2)3−O−**(*はポリマー主鎖側の連結部位を表し、**は(メタ)アクリロイル基側の連結部位を表す。)等が挙げられる。mは0または1を表わす。
一般式(1)中、Xは水素原子またはメチル基を表す。硬化反応性の観点から、より好ましくは水素原子である。
一般式(1)中、Aは任意のビニルモノマーから導かれる繰返し単位を表わし、ヘキサフルオロプロピレンと共重合可能な単量体の構成成分であれば特に制限はなく、基材への密着性、ポリマーのTg(皮膜硬度に寄与する)、溶剤への溶解性、透明性、滑り性、防塵・防汚性等種々の観点から適宜選択することができ、目的に応じて単一あるいは複数のビニルモノマーによって構成されていても良い。
好ましい例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、シクロへキシルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、グリシジルビニルエーテル、アリルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジルメタアクリレート、アリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリレート類、スチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン等のスチレン誘導体、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸およびその誘導体等を挙げることができるが、より好ましくはビニルエーテル誘導体、ビニルエステル誘導体であり、特に好ましくはビニルエーテル誘導体である。
x、y、zはそれぞれの構成成分のモル%を表わし、30≦x≦60、5≦y≦70、0≦z≦65が好ましく、更に好ましくは、35≦x≦55、30≦y≦60、0≦z≦20の場合であり、特に好ましくは40≦x≦55、40≦y≦55、0≦z≦10の場合である。ただし、x+y+z=100である。
本発明に用いられる共重合体の特に好ましい形態として一般式(2)が挙げられる。
一般式(2)
Figure 2006276839
一般式(2)においてXは一般式(1)と同じ意味を表わし、好ましい範囲も同じである。
nは2≦n≦10の整数を表わし、2≦n≦6であることが好ましく、2≦n≦4であることが特に好ましい。
Bは任意のビニルモノマーから導かれる繰返し単位を単位を表わし、単一組成であっても複数の組成によって構成されていても良い。例としては、前記一般式(1)におけるAの例として説明したものが当てはまる。
x、y、z1およびz2はそれぞれの繰返し単位のmol%を表わし、x及びyは、それぞれ30≦x≦60、5≦y≦70を満たすのが好ましく、更に好ましくは、35≦x≦55、30≦y≦60の場合であり、特に好ましくは40≦x≦55、40≦y≦55の場合である。z1及びz2については、0≦z1≦65、0≦z2≦65を満たすのが好ましく、更に好ましくは0≦z1≦30、0≦z2≦10であることが好ましく、0≦z1≦10、0≦z2≦5であることが特に好ましい。ただし、x+y+z1+z2=100である。
一般式(1)又は(2)で表わされる共重合体は、例えば、ヘキサフルオロプロピレン成分とヒドロキシアルキルビニルエーテル成分とを含んでなる共重合体に前記のいずれかの手法により(メタ)アクリロイル基を導入することにより合成できる。この際用いられる再沈殿溶媒としては、イソプロパノール、ヘキサン、メタノール等が好ましい。
一般式(1)又は(2)で表わされる共重合体の好ましい具体例としては、特開2004−45462号公報の[0035]〜[0047]に記載されたものを挙げることができ、該公報に記載の方法により合成することができる。
低屈折率層用硬化組成物には、(A)前記含フッ素ポリマー、(B)無機微粒子、(C)後述するオルガノシラン化合物を含有してなるのが好ましい。
<低屈折率層用無機微粒子>
低屈折率層として、無機もしくは有機の微粒子を用い、微粒子間または微粒子内のミクロボイドと して形成した層を用いることも好ましい。微粒子の平均粒径は、0.5〜200mmであることが好ましく、1〜100nmであることがより好ましく、3〜70nmであることがさらに好ましく、5〜40nmの範囲であることが最も好ましい。微粒子の粒径は、なるべく均一(単分散)であることが好ましい。
無機微粒子としては、非晶質であることが好ましい。無機微粒子は、金属の酸化物、窒化物、硫化物またはハロゲン化物からなることが好ましく、金属酸化物または金属ハロゲン化物からなることがさらに好ましく、金属酸化物または金属フッ化物からなることが最も好ましい。金属原子としては、Na、K、Mg、Ca、Ba、Al、Zn、Fe、Cu、Ti、Sn、In、W、Y、Sb、Mn、Ga、V、Nb、Ta、Ag、Si、B、Bi、Mo、Ce、Cd、Be、PbおよびNiが好ましく、Mg、Ca、BおよびSiがさらに好ましい。二種類の金属を含む無機化合物を用いてもよい。特に好ましい無機化合物は、二酸化ケイ素、すなわちシリカである。
無機微粒子内ミクロボイドは、例えば、粒子を形成するシリカの分子を架橋させることにより形成することができる。シリカの分子を架橋させると体積が縮小し、粒子が多孔質になる。ミクロボイドを有する(多孔質)無機微粒子は、ゾル−ゲル法(特開昭53−112732号、特公昭57−9051号の各公報記載)または析出法(APPLIED OPTICS、27、3356頁(1988)記載)により、分散物として直接合成することができる。
また、乾燥・沈澱法で得られた粉体を、機械的に粉砕して分散物を得ることもできる。市販の多孔質無機微粒子(例えば、二酸化ケイ素ゾル)を用いてもよい。ミクロボイドを有する無機微粒子は、低屈折率層の形成のため、適当な媒体に分散した状態で使用することが好ましい。分散媒としては、水、アルコール(例、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール)およびケトン(例、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)が好ましい。
粒子間のミクロボイドは、微粒子を少なくとも2個以上積み重ねることにより形成することができる。
低屈折率層は、5〜50質量%の量のポリマーを含むことが好ましい。ポリマーは、微粒子を接着し、空隙を含む低屈折率層の構造を維持する機能を有する。ポリマーの使用量は、空隙を充填することなく低屈折率層の強度を維持できるように調整する。
微粒子(特に無機微粒子)には、表面処理を実施して、ポリマーとの親和性を改善することが好ましい。表面処理は、プラズマ放電処理やコロナ放電処理のような物理的表面処理と、カップリング剤を使用する化学的表面処理に分類できる。化学的表面処理のみ、または物理的表面処理と化学的表面処理の組合せで実施することが好ましい。カップリング剤としては、オルガノアルコキシメタル化合物(例、チタンカップリング剤、シランカップリング剤)が好ましく用いられる。微粒子が二酸化ケイ素からなる場合は、シランカップリング剤による表面処理が特に有効に実施できる。カップリング剤による表面処理は、微粒子の分散物に、カップリング剤を加え、室温から60℃までの温度で、数時間から10日間分散物を放置することにより実施できる。表面処理反応を促進するため、無機酸、有機酸、またはこれらの塩(例、金属塩、アンモニウム塩)を、分散物に添加してもよい。
シェルを形成するポリマーは、飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーであることが好ましい。フッ素原子を主鎖または側鎖に含むポリマーが好ましく、フッ素原子を側鎖に含むポリマーがさらに好ましい。ポリアクリル酸エステルまたはポリメタクリル酸エステルが好ましく、フッ素置換アルコールとポリアクリル酸またはポリメタクリル酸とのエステルが最も好ましい。
無機微粒子の配合量は、1mg/m2〜100mg/m2が好ましく、より好ましくは5mg/m2〜80mg/m2、更に好ましくは10mg/m2〜60mg/m2である。少なすぎると、耐擦傷性の改良効果が減り、多すぎると、低屈折率層表面に微細な凹凸ができ、黒の締まりなどの外観や積分反射率が悪化する場合があるので、上述の範囲内とするのが好ましい。
無機微粒子の平均粒径は、低屈折率層の厚みの30%以上100%以下が好ましく、より好ましくは35%以上80%以下、更に好ましくは40%以上60%以下である。即ち、低屈折率層の厚みが100nmであれば、無機微粒子の粒径は30nm以上100nm以下が好ましく、より好ましくは35nm以上80nm以下、更に好ましくは、40nm以上60nm以下である。
前記無機微粒子の粒径が小さすぎると、耐擦傷性の改良効果が少なくなり、大きすぎると低屈折率層表面に微細な凹凸ができ、黒の締まりといった外観、積分反射率が悪化する場合があるので、上述の範囲内とするのが好ましい。無機微粒子は、結晶質でも、アモルファスのいずれでも良く、また単分散粒子でも、所定の粒径を満たすならば凝集粒子でも構わない。形状は、球径が最も好ましいが、不定形であっても問題無い。
ここで、無機微粒子の平均粒径はコールターカウンターにより測定される。
低屈折率層の屈折率上昇をより一層少なくするために、前記無機微粒子は、中空構造であるのが好ましく、また、無機微粒子の屈折率は1.17〜1.40、より好ましくは1.17〜1.35、さらに好ましくは1.17〜1.30である。ここでの屈折率は粒子全体としての屈折率を表し、中空構造の無機微粒子の場合に外殻の無機質のみの屈折率を表すものではない。この時、粒子内の空腔の半径をa、粒子外殻の半径をbとすると、下記数式(II)で表される空隙率xは
(数式II)
x=(4πa3/3)/(4πb3/3)×100
好ましくは10〜60%、さらに好ましくは20〜60%、最も好ましくは30〜60%である。
中空の無機微粒子の屈折率をより低屈折率に、より空隙率を大きくしようとすると、外殻の厚みが薄くなり、粒子の強度としては弱くなるため、耐擦傷性の観点からは屈折率1.17未満の低屈折率の粒子は成り立たない。
なお、無機微粒子の屈折率はアッベ屈折率計(アタゴ(株)製)にて測定を行い測定した。
また、平均粒径が低屈折率層の厚みの25%未満である無機微粒子(以下「小サイズ無機微粒子」と称す)の少なくとも1種を前記の好ましい範囲内の粒径の無機微粒子(以下「大サイズ無機微粒子」と称す)と併用してもよい。
小サイズ無機微粒子は、大サイズ無機微粒子同士の隙間に存在することができるため、大サイズ無機微粒子の保持剤として寄与することができる。
小サイズ無機微粒子の平均粒径は、低屈折率層が100nmの場合、1nm以上20nm以下が好ましく、5nm以上15nm以下が更に好ましく、10nm以上15nm以下が特に好ましい。このような無機微粒子を用いると、原料コストおよび保持剤効果の点で好ましい。
上述のように前記無機微粒子としては、平均粒径が上述のように低屈折率層の厚みの30〜100%であり、中空構造からなり、屈折率が上述のように1.17〜1.40であるものが特に好ましく用いられる。
無機微粒子は、分散液中あるいは塗布液中で、分散安定化を図るために、あるいはバインダー成分との親和性、結合性を高めるために、プラズマ放電処理やコロナ放電処理のような物理的表面処理、界面活性剤やカップリング剤等による化学的表面処理がなされていても良い。中でもカップリング剤の使用が特に好ましい。カップリング剤としては、アルコキシメタル化合物(例、チタンカップリング剤、シランカップリング剤)が好ましく用いられる。なかでも、シランカップリング処理が特に有効である。
前記カップリング剤は、低屈折率層の無機微粒子の表面処理剤として該層塗布液調製以前にあらかじめ表面処理を施すために用いられるが、該層塗布液調製時にさらに添加剤として添加して該層に含有させることが好ましい。
無機微粒子は、表面処理前に、媒体中に予め分散されていることが、表面処理の負荷軽減のために好ましい。
本発明に係る低屈折率層に含有する有機微粒子も、非晶質であることが好ましい。有機微粒子は、モノマーの重合反応(例えば乳化重合法)により合成されるポリマー微粒子であることが好ましい。有機微粒子のポリマーはフッ素原子を含むことが好ましい。ポリマー中のフッ素原子の割合は、35〜80質量%であることが好ましく、45〜75質量%であることがさらに好ましい。また、有機微粒子内に、例えば、粒子を形成するポリマーを架橋させ、体積を縮小させることによりミクロボイドを形成させることも好ましい。
有機微粒子の合成に用いられるモノマーとしては、含フッ素ポリマーを合成するために用いるフッ素原子を含む。モノマーの例として、フルオロオレフィン類(例、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、アクリル酸またはメタクリル酸のフッ素化アルキルエステル類およびフッ素化ビニルエーテル類が挙げられる。フッ素原子を含むモノマーとフッ素原子を含まないモノマーとのコポリマーを用いてもよい。
フッ素原子を含まないモノマーの例としては、オレフィン類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類およびアクリルニトリル類が挙げられる。多官能モノマーの例としては、ジエン類、多価アルコールとアクリル酸とのエステル、多価アルコールとメタクリル酸とのエステル、ジビニル化合物、ジビニルスルホン、ビスアクリルアミド類、およびビスメタクリルアミド類が挙げられる。
<低屈折率層用オルガノシラン化合物>
前記硬化性組成物には、オルガノシラン化合物の加水分解物および/またはその部分縮合物等(以下、得られた反応溶液を「ゾル成分」とも称する)を含有させることが、耐擦傷性の点で、特に反射防止能と耐擦傷性とを両立させる点で、好ましい。
このゾル成分は、前記硬化性組成物を塗布後、乾燥、加熱工程で縮合して硬化物を形成することにより低屈折率層のバインダーとして機能する。また、本発明においては、前記含フッ素ポリマーを有するので、活性光線の照射により3次元構造を有するバインダーが形成される。
前記オルガノシラン化合物は、下記一般式[A]で表されるものが好ましい。
一般式[A]
(R10)m−Si(X)4-m
前記一般式[A]において、R10は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。アルキル基としてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヘキシル、デシル、ヘキサデシル等が挙げられる。アルキル基として好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜6のものである。アリール基としてはフェニル、ナフチル等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
Xは、水酸基または加水分解可能な基を表し、例えばアルコキシ基(炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましい。例えばメトキシ基、エトキシ基等が挙げられる)、ハロゲン原子(例えばCl、Br、I等)、及びR2COO(R2は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。例えばCH3COO、C25COO等が挙げられる)で表される基が挙げられ、好ましくはアルコキシ基であり、特に好ましくはメトキシ基またはエトキシ基である。
mは1〜3の整数を表し、好ましくは1または2であり、特に好ましくは1である。
10あるいはXが複数存在するとき、複数のR10あるいはXはそれぞれ同じであっても異なっていても良い。
10に含まれる置換基としては特に制限はないが、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素等)、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基(メチル、エチル、i−プロピル、プロピル、t−ブチル等)、アリール基(フェニル、ナフチル等)、芳香族ヘテロ環基(フリル、ピラゾリル、ピリジル等)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、i−プロポキシ、ヘキシルオキシ等)、アリールオキシ(フェノキシ等)、アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ等)、アリールチオ基(フェニルチオ等)、アルケニル基(ビニル、1−プロペニル等)、アシルオキシ基(アセトキシ、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル等)、カルバモイル基(カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N−メチル−N−オクチルカルバモイル等)、アシルアミノ基(アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、アクリルアミノ、メタクリルアミノ等)等が挙げられ、これら置換基は更に置換されていても良い。
10が複数ある場合は、少なくとも一つが置換アルキル基もしくは置換アリール基であることが好ましい。
前記一般式[A]で表されるオルガノシラン化合物の中でも、下記一般式[B]で表されるビニル重合性の置換基を有するオルガノシラン化合物が好ましい。
一般式[B]
Figure 2006276839
前記一般式[B]において、R1は水素原子、メチル基、メトキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子、または塩素原子を表す。アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。水素原子、メチル基、メトキシ基、メトキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子、および塩素原子が好ましく、水素原子、メチル基、メトキシカルボニル基、フッ素原子、および塩素原子が更に好ましく、水素原子およびメチル基が特に好ましい。
Yは単結合もしくは*−COO−**,*−CONH−**又は*−O−**を表し、単結合、*−COO−**および*−CONH−**が好ましく、単結合および*−COO−**が更に好ましく、*−COO−**が特に好ましい。*は=C(R1)−に結合する位置を、**はLに結合する位置を表す。
Lは2価の連結鎖を表す。具体的には、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、内部に連結基(例えば、エーテル、エステル、アミドなど)を有する置換もしくは無置換のアルキレン基、内部に連結基を有する置換もしくは無置換のアリーレン基が挙げられ、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、内部に連結基を有するアルキレン基が好ましく、無置換のアルキレン基、無置換のアリーレン基、内部にエーテルあるいはエステル連結基を有するアルキレン基が更に好ましく、無置換のアルキレン基、内部にエーテルあるいはエステル連結基を有するアルキレン基が特に好ましい。置換基は、ハロゲン、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基、アリール基等が挙げられ、これら置換基は更に置換されていても良い。
nは0または1を表す。Xが複数存在するとき、複数のXはそれぞれ同じであっても異なっていても良い。nとして好ましくは0である。
10は一般式[A]と同義であり、置換もしくは無置換のアルキル基、無置換のアリール基が好ましく、無置換のアルキル基、無置換のアリール基が更に好ましい。
Xは一般式[A]と同義であり、ハロゲン原子、水酸基、無置換のアルコキシ基が好ましく、塩素原子、水酸基、無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基が更に好ましく、水酸基、炭素数1〜3のアルコキシ基が更に好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
一般式[A]、一般式[B]の化合物は2種類以上を併用しても良い。以下に一般式[A]、一般式[B]で表される化合物の具体例を示すが、限定されるものではない。
Figure 2006276839
Figure 2006276839
これらのうち、(M−1)、(M−2)、および(M−5)が特に好ましい。
そして、前記オルガノシラン化合物の加水分解物および/または部分縮合物は、一般に前記オルガノシラン化合物を触媒の存在下で処理して製造されるものである。触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸類;シュウ酸、酢酸、ギ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機酸類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基類;トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基類;トリイソプロポキシアルミニウム、テトラブトキシジルコニウム等の金属アルコキシド類;Zr、Ti又はAlなどの金属を中心金属とする金属キレート化合物等が挙げられる。本発明においては、金属キレート化合物、無機酸類及び有機酸類の酸触媒を用いるのが好ましい。無機酸では塩酸、硫酸が好ましく、有機酸では、水中での酸解離定数(pKa値(25℃))が4.5以下のものが好ましく、更には、塩酸、硫酸、水中での酸解離定数が3.0以下の有機酸が好ましく、特に、塩酸、硫酸、水中での酸解離定数が2.5以下の有機酸が好ましく、水中での酸解離定数が2.5以下の有機酸が更に好ましく、具体的には、メタンスルホン酸、シュウ酸、フタル酸、マロン酸が更に好ましく、シュウ酸が特に好ましい。
金属キレート化合物としては、一般式R3OH(式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基を示す)で表されるアルコールとR4COCH2COR5(式中、R4は炭素数1〜10のアルキル基、R5は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を示す)で表される化合物とを配位子とした、Zr、Ti、Alから選ばれる金属を中心金属とするものであれば特に制限なく好適に用いることができる。この範疇であれば、2種以上の金属キレート化合物を併用しても良い。本発明に用いられる金属キレート化合物は、一般式Zr(OR3)p1(R4COCHCOR5)p2、Ti(OR3)q1(R4COCHCOR5)q2、およびAl(OR3)r1(R4COCHCOR5)r2で表される化合物群から選ばれるものが好ましく、前記オルガノシラン化合物の加水分解物および/または部分縮合物の縮合反応を促進する作用をなす。
金属キレート化合物中のR3およびR4は、同一または異なってもよく炭素数1〜10のアルキル基、具体的にはエチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、フェニル基などである。また、R5は、前記と同様の炭素数1〜10のアルキル基のほか、炭素数1〜10のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基などである。また、金属キレート化合物中のp1、p2、q1、q2、r1、およびr2は、それぞれp1+p2=4、q1+q2=4、r1+r2=3となる様に決定される整数を表す。
これらの金属キレート化合物の具体例としては、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシトリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジルコニウムキレート化合物;ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタニウムなどのチタニウムキレート化合物;ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、ジイソプロポキシアセチルアセトナートアルミニウム、イソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどのアルミニウムキレート化合物などが挙げられる。
これらの金属キレート化合物のうち好ましいものは、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムである。これらの金属キレート化合物は、1種単独であるいは2種以上混合して使用することができる。また、これらの金属キレート化合物の部分加水分解物を使用することもできる。
また、本発明においては、前記硬化性組成物に、更にβ−ジケトン化合物および/またはβ−ケトエステル化合物が添加されることが好ましい。以下にさらに説明する。
本発明で使用されるのは、一般式R4COCH2COR5で表されるβ−ジケトン化合物および/またはβ−ケトエステル化合物であり、本発明に用いられる硬化性組成物の安定性向上剤として作用するものである。ここで、R4は炭素数1〜10のアルキル基、R5は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を表す。すなわち、前記金属キレート化合物(ジルコニウム、チタニウムおよび/またはアルミニウム化合物)中の金属原子に配位することにより、これらの金属キレート化合物によるオルガノシラン化合物の加水分解物および/または部分縮合物の縮合反応を促進する作用を抑制し、得られる組成物の保存安定性を向上させる作用をなすものと考えられる。β−ジケトン化合物および/またはβ−ケトエステル化合物を構成するR4およびR5は、前記金属キレート化合物を構成するR4およびR5と同様である。
このβ−ジケトン化合物および/またはβ−ケトエステル化合物の具体例としては、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセト酢酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec−ブチル、アセト酢酸−t−ブチル、2,4−ヘキサン−ジオン、2,4−ヘプタン−ジオン、3,5−ヘプタン−ジオン、2,4−オクタン−ジオン、2,4−ノナン−ジオン、5−メチル−ヘキサン−ジオンなどを挙げることができる。これらのうち、アセト酢酸エチルおよびアセチルアセトンが好ましく、特にアセチルアセトンが好ましい。これらのβ−ジケトン化合物および/またはβ−ケトエステル化合物は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することもできる。本発明においてβ−ジケトン化合物および/またはβ−ケトエステル化合物は、金属キレート化合物1モルに対し好ましくは2モル以上、より好ましくは3〜20モル用いられる。2モル未満では得られる組成物の保存安定性に劣るおそれがあり好ましいものではない。
前記オルガノシラン化合物の配合量は、低屈折率層の全固形分の0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく、1〜10質量%が最も好ましい。
前記オルガノシラン化合物は硬化性組成物(防眩層用、低屈折率層用等の塗布液)に直接添加してもよいが、前記オルガノシラン化合物をあらかじめ触媒の存在下に処理して前記オルガノシラン化合物の加水分解物および/または部分縮合物を調製し、得られた反応溶液(ゾル液)を用いて前記硬化性組成物を調整するのが好ましく、本発明においてはまず前記オルガノシラン化合物の加水分解物および/または部分縮合物および金属キレート化合物を含有する組成物を調製し、これにβ−ジケトン化合物および/またはβ−ケトエステル化合物を添加した液を防眩層もしくは低屈折率層の少なくとも1層の塗布液に含有せしめて塗設することが好ましい。
低屈折率層における、含フッ素ポリマーに対するオルガノシランのゾル成分の使用量は、5〜100質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、8〜35質量%が更に好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。使用量が少ないと本発明の効果が得にくく、使用量が多すぎると屈折率が増加したり、膜の形状・面状が悪化したりするので好ましくない。
前記硬化性組成物には、上述した無機微粒子以外の無機フィラーを本発明の所望の効果を損なわない範囲の添加量で添加することもできる。無機フィラーの詳細については後述する。
[低屈折率層用硬化性組成物に含有するその他の物質]
前記硬化性組成物は、前述の(A)含フッ素ポリマー、(B)無機微粒子及び(C)オルガノシラン化合物に、必要に応じて各種添加剤および後述するラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤を添加し、更にこれらを適当な溶剤に溶解して作製される。この際固形分の濃度は、用途に応じて適宜選択されるが一般的には0.01〜60質量%程度であり、好ましくは0.5〜50質量%、特に好ましくは1%〜20質量%程度である。
低屈折率層と直接接する下層との界面密着性等の観点からは、多官能(メタ)アクリレート化合物、多官能エポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物、アミノプラスト、多塩基酸またはその無水物等の硬化剤を少量添加することもできる。これらを添加する場合には低屈折率層皮膜の全固形分に対して30質量%以下の範囲とすることが好ましく、20質量%以下の範囲とすることがより好ましく、10質量%以下の範囲とすることが特に好ましい。
また、防汚性、耐水性、耐薬品性、滑り性等の特性を付与する目的で、公知のシリコーン系化合物あるいはフッ素系化合物の防汚剤、滑り剤等を適宜添加することもできる。これらの添加剤を添加する場合には低屈折率層全固形分の0.01〜20質量%の範囲で添加されることが好ましく、より好ましくは0.05〜10質量%の範囲で添加される場合であり、特に好ましくは0.1〜5質量%の場合である。
シリコーン系化合物の好ましい例としてはジメチルシリルオキシ単位を繰り返し単位として複数個含む化合物鎖の末端および/または側鎖に置換基を有するものが挙げられる。ジメチルシリルオキシを繰り返し単位として含む化合物鎖中にはジメチルシリルオキシ以外の構造単位を含んでもよい。置換基は同一であっても異なっていても良く、複数個あることが好ましい。好ましい置換基の例としてはアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリール基、シンナモイル基、エポキシ基、オキセタニル基、水酸基、カルビノール基、フルオロアルキル基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシル基、アミノ基などを含む基が挙げられる。
分子量に特に制限はないが、10万以下であることが好ましく、5万以下であることが特に好ましく、3000〜30000であることが最も好ましい。シリコーン系化合物のシリコーン原子含有量には特に制限はないが18.0質量%以上であることが好ましく、25.0〜37.8質量%であることが特に好ましく、30.0〜37.0質量%であることが最も好ましい。
好ましいシリコーン系化合物の例としては信越化学(株)製、X−22−174DX、X−22−2426、X−22−160AS、X−22−164B、X22−164C、X−22−170DX、X−22−176D、X−22−1821(以上商品名)やチッソ(株)製、FM−0725、FM−7725、FM−4421、FM−5521、FM6621、FM−1121やGelest製DMS−U22、RMS−033、RMS−083、UMS−182、DMS−H21、DMS−H31、HMS−301、FMS121、FMS123、FMS131、FMS141、FMS221(以上商品名)などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
フッ素系化合物としては、フルオロアルキル基を有する化合物が好ましい。該フルオロアルキル基は炭素数1〜20であることが好ましく、より好ましくは1〜10であり、直鎖(例えば−CF2CF3,−CH2(CF2)4H,−CH2(CF2)8CF3,−CH2CH2(CF2)4H等)であっても、分岐構造(例えば−CH(CF3)2,−CH2CF(CF3)2,−CH(CH3)CF2CF3,−CH(CH3)(CF2)5CF2H等)であっても、脂環式構造(好ましくは5員環または6員環、例えばパーフルオロシクロへキシル基、パーフルオロシクロペンチル基またはこれらで置換されたアルキル基等)であっても良く、エーテル結合を有していても良い(例えば−CH2OCH2CF2CF3,−CH2CH2OCH248H,−CH2CH2OCH2CH2817,−CH2CH2OCF2CF2OCF2CF2H等)。該フルオロアルキル基は同一分子中に複数含まれていてもよい。
フッ素系化合物は、さらに低屈折率層皮膜との結合形成あるいは相溶性に寄与する置換基を有していることが好ましい。該置換基は同一であっても異なっていても良く、複数個あることが好ましい。好ましい置換基の例としてはアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリール基、シンナモイル基、エポキシ基、オキセタニル基、水酸基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシル基、アミノ基などが挙げられる。フッ素系化合物はフッ素原子を含まない化合物とのポリマーであってもオリゴマーであってもよく、分子量に特に制限はない。フッ素系化合物のフッ素原子含有量には特に制限は無いが20質量%以上であることが好ましく、30〜70質量%であることが特に好ましく、40〜70質量%であることが最も好ましい。好ましいフッ素系化合物の例としてはダイキン化学工業(株)製、R−2020、M−2020、R−3833、M−3833(以上商品名)、大日本インキ(株)製、メガファックF−171、F−172、F−179A、ディフェンサMCF−300(以上商品名)などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
防塵性、帯電防止等の特性を付与する目的で、公知のカチオン系界面活性剤あるいはポリオキシアルキレン系化合物のような防塵剤、帯電防止剤等を適宜添加することもできる。これら防塵剤、帯電防止剤は前述したシリコーン系化合物やフッ素系化合物にその構造単位が機能の一部として含まれていてもよい。これらを添加剤として添加する場合には低n層全固形分の0.01〜20質量%の範囲で添加されることが好ましく、より好ましくは0.05〜10質量%の範囲で添加される場合であり、特に好ましくは0.1〜5質量%の場合である。好ましい化合物の例としては大日本インキ(株)製、メガファックF−150(商品名)、東レダウコーニング(株)製、SH−3748(商品名)などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
[低屈折率層用の溶剤]
本発明の低屈折率層を形成するための塗布組成物に用いられる溶剤としては、各成分を溶解または分散可能であること、塗布工程、乾燥工程において均一な面状となり易いこと、液保存性が確保できること、適度な飽和蒸気圧を有すること、等の観点で選ばれる各種の溶剤が使用できる。乾燥負荷の観点からは、常圧、室温における沸点が100℃以下の溶剤を主成分とし、乾燥速度の調整のために沸点が100℃以上の溶剤を少量含有することが好ましい。
沸点が100℃以下の溶剤としては、例えば、ヘキサン(沸点68.7℃)、ヘプタン(98.4℃)、シクロヘキサン(80.7℃)、ベンゼン(80.1℃)などの炭化水素類、ジクロロメタン(39.8℃)、クロロホルム(61.2℃)、四塩化炭素(76.8℃)、1,2−ジクロロエタン(83.5℃)、トリクロロエチレン(87.2℃)などのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル(34.6℃)、ジイソプロピルエーテル(68.5℃)、ジプロピルエーテル(90.5℃)、テトラヒドロフラン(66℃)などのエーテル類、ギ酸エチル(54.2℃)、酢酸メチル(57.8℃)、酢酸エチル(77.1℃)、酢酸イソプロピル(89℃)などのエステル類、アセトン(56.1℃)、2−ブタノン(メチルエチルケトンと同じ、79.6℃)などのケトン類、メタノール(64.5℃)、エタノール(78.3℃)、2−プロパノール(82.4℃)、1−プロパノール(97.2℃)などのアルコール類、アセトニトリル(81.6℃)、プロピオニトリル(97.4℃)などのシアノ化合物類、二硫化炭素(46.2℃)などがある。このうちケトン類、エステル類が好ましく、特に好ましくはケトン類である。ケトン類の中では2−ブタノンが特に好ましい。
沸点が100℃を以上の溶剤としては、例えば、オクタン(125.7℃)、トルエン(110.6℃)、キシレン(138℃)、テトラクロロエチレン(121.2℃)、クロロベンゼン(131.7℃)、ジオキサン(101.3℃)、ジブチルエーテル(142.4℃)、酢酸イソブチル(118℃)、シクロヘキサノン(155.7℃)、2−メチル−4−ペンタノン(MIBKと同じ、115.9℃)、1−ブタノール(117.7℃)、N,N−ジメチルホルムアミド(153℃)、N,N−ジメチルアセトアミド(166℃)、ジメチルスルホキシド(189℃)などがある。好ましくは、シクロヘキサノン、2−メチル−4−ペンタノンである。
ゾルゲル法による低屈折率層(態様2)について説明する。
低屈折率層用の素材として、各種ゾルゲル素材を用いることもできる。このようなゾルゲル素材としては、金属アルコレート(シラン、チタン、アルミニウム、ジルコニウム等のアルコレート)、オルガノアルコキシ金属化合物、およびその加水分解物を用いることができる。特に、アルコキシシラン、オルガノアルコキシシランおよびその加水分解物が好ましい。これらの例としては、テトラアルコキシシラン(テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等)、アルキルトリアルコキシシラン(メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等)、アリールトリアルコキシシラン(フェニルトリメトキシシラン等)、ジアルキルジアルコキシシラン、ジアリールジアルコキシシラン等が挙げられる。また、各種の官能基を有するオルガノアルコキシシラン(ビニルトリアルコキシシラン、メチルビニルジアルコキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジアルコキシシラン、β−(3,4−エポキジシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−アミノプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン等)、パーフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラデシル)トリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等)を用いることも好ましい。特にフッ素含有のシラン化合物を用いることは、層の低屈折率化および撥水・撥油性付与の点で好ましい。
(3)バインダー
バインダーポリマーは、飽和炭化水素またはポリエーテルを主鎖として有するポリマーであることが好ましく、飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーであることがさらに好ましい。バインダーポリマーは架橋していることが好ましい。飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーは、エチレン性不飽和モノマーの重合反応により得ることが好ましい。架橋しているバインダーポリマーを得るためには、二以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーを用いることが好ましい。二以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの例としては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニルベンゼンおよびその誘導体(例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)およびメタクリルアミドが挙げられる。ポリエーテルを主鎖として有するポリマーは、多官能エポシキ化合物の開環重合反応により合成することが好ましい。
二以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの代わりまたはそれに加えて、架橋性基の反応により、架橋構造をバインダーポリマーに導入してもよい。
架橋性官能基の例としては、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基および活性メチレン基が挙げられる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステルおよびウレタンも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。また、本発明において架橋基とは、上記化合物に限らず上記官能基が分解した結果反応性を示すものであってもよい。バインダーポリマーの重合反応および架橋反応に使用する
重合開始剤は、熱重合開始剤や、光重合開始剤が用いられるが、光重合開始剤の方がより好ましい。光重合開始剤の例としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類がある。アセトフェノン類の例としては、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンが挙げられる。ベンゾイン類の例としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエーテルが挙げられる。ベンゾフェノン類の例としては、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノンおよびp−クロロベンゾフェノンが挙げられる。ホスフィンオキシド類の例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが挙げられる。
バインダーポリマーは、低屈折率層の塗布液にモノマーを添加し、低屈折率層の塗布と同時または塗布後に重合反応(必要ならばさらに架橋反応)により形成することが好ましい。低屈折率層の塗布液に、少量のポリマー(例、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、ニトロセルロース、ポリエステル、アルキド樹脂)を添加してもよい。
<透明支持体>
本発明の支持体として使用されるセルロースアシレートのアシル基は特に制限は無いがアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基を用いることが好ましく、特にアセチル基が好ましい。全アシル基の置換度は2.7〜3.0が好ましく、2.8〜2.95がさらに好ましい。全アシル基がアセチル基であるセルロースアセテートを用いる場合にはアセチル置換度が2.7〜2.95が好ましく、2.8〜2.95がさらに好ましい。また、特開2001−356214号公報に記載されているアセチル置換度が2.50以上2.86以下や、特開2001−226495号公報に記載されているアセチル置換度が2.75以上2.86以下のセルロースアセテートも好ましく使用することができる。アセチル置換度が低すぎると、流延時の搬送テンションによって後述するフィルムのリターデーション値が所望の値より大きくなり易く、面内ばらつきも発生しやすくなる問題がある。また、6位のアシル基の置換度は0.9以上が好ましく用いられる。0.9以下の置換度の場合、リターデーション値のばらつき(フィルム面内及びフィルム厚み)が発生しやすい。なお、本特許におけるアシル基の置換度はASTM D817に従って算出した値を採用する。
本発明では、酢化度が59.0〜61.9%の範囲にあるセルロースアセテートを使用することが好ましい。
酢化度とは、セルロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算に従う。
セルロースアシレートの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上であることがさらに好ましい。
また、本発明に使用するセルロースアシレートは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値は、1.0〜1.7の範囲にあることが好ましく、1.3〜1.65の範囲にあることがさらに好ましく、1.4〜1.6の範囲にあることが最も好ましい。
本発明のセルロースアセテートとして、特開平11−5851号公報の段落番号[0043]〜[0044]に記載されている[合成例1]、段落番号[0048]〜[0049]に記載されている[合成例2]、そして段落番号[0051]〜[0052]に記載されている[合成例3]の合成方法により得られたセルロースアセテートを用いることができる。
本発明に係る疎水化剤について説明する。
疎水化剤としては、水素結合性水素供与性基を少なくとも一つ有する疎水性化合物が、低可塑性及び含水率低下効果と、ブリードアウト防止のトレードオフの関係において好ましい。
本発明における水素結合性水素供与性基としてはアミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基が好ましく、ヒドロキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基等の官能基が特に好ましい。
本発明に係る疎水化剤の分子量は250以上2000以下が好ましい。またその沸点は260℃以上であることが好ましい。沸点は市販の測定装置(例えば、TG/DTA100、セイコー電子工業(株)製))を用いて測定できる。
弾性率を低下させることなく含水率を低下せしめるための本発明の疎水化剤として、下記一般式(I)または(II)で表される化合物が特に好ましく使用できる。
一般式(I)
Figure 2006276839
式中、R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、芳香族環基または複素環基である。
一般式(II)
Figure 2006276839
式中、Xは置換又は未置換のアミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基を表わす。
11、R12、R13、R14、R15、R21、R22、R23、R24、R25、R31、R32、R33、R34ないしR35は水素原子または置換基を表す。
一般式(I)で表される化合物について詳しく説明する。
1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、芳香族環基または複素環基を表すが、芳香族環または複素環がより好ましい。R1、R2、R3がそれぞれ表す芳香族環は、フェニルまたはナフチルであることが好ましく、フェニルであることが特に好ましい。R1、R2、R3は芳香環または複素環に置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルケニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アルキル置換スルファモイル基、アルケニル置換スルファモイル基、アリール置換スルファモイル基、スルオンアミド基、カルバモイル基、アルキル置換カルバモイル基、アルケニル置換カルバモイル基、アリール置換カルバモイル基、アミド基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アリールチオ基およびアシル基があげられる。
1、R2、R3が複素環基を表す場合、複素環は芳香族性を有することが好ましい。芳香族性を有する複素環とは、一般に不飽和複素環であり、好ましくは最多の二重結合を有する複素環である。複素環は5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、6員環であることが最も好ましい。複素環のヘテロ原子は、窒素原子、硫黄原子または酸素原子であることが好ましく、窒素原子であることが特に好ましい。芳香族性を有する複素環としては、ピリジン環(複素環基としては、2−ピリジルまたは4−ピリジル)が特に好ましい。複素環基は、置換基を有していてもよい。複素環基の置換基の例は、上記に挙げた置換基の例と同様である。これらの置換基は、上記置換基でさらに置換されていても良い。
以下に本発明に係る一般式(I)で表される化合物の好ましい例を下記に示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
Figure 2006276839
Figure 2006276839
Figure 2006276839
Figure 2006276839
Figure 2006276839
Figure 2006276839
次に一般式(II)の化合物について詳しく説明する。
Xは、置換又は未置換のアミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシル基であり、より好ましくはアミノ基、ヒドロキシ基であり、特に好ましくはヒドロキシ基である。
11、R12、R13、R14、R15、R21、R22、R23、R24、R25、R31、R32、R33、R34ないしR35は水素原子または置換基を表し、置換基としては以下の置換基Tが適用できる。
置換基Tとしては例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、置換又は未置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリルなどが挙げられる。)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、例えば、トリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる)などが挙げられる。中でも、より好ましくはアルキル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基であり、更に好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基である。
これらの置換基は更に置換基Tで置換されてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
以下に一般式(II)で表される化合物に関して具体例をあげて詳細に説明するが、本発明は以下の具体例によって何ら限定されることはない。
Figure 2006276839
Figure 2006276839
一般式(I)または(II)で表される化合物は、単独あるいは2種類以上混合して用いることができる。本発明においては、一般式(I)または(II)で表される化合物の併用も好ましい。本発明の疎水化剤はセルロースアシレート100質量部に対して、0.01〜30質量部、好ましくは0.5〜20量部用いられる。この範囲で前記化合物を用いることにより、フィルムの弾性率を実質的に低下させることなく、含水率を低下させることができる。
本発明の疎水化剤の添加方法は、アルコールやメチレンクロライド、ジオキソランの有機溶媒に溶解してから、セルロースアシレート溶液(ドープ)に添加するか、または直接ドープ組成中に添加してもよい。
本発明に係るセルロースアシレートフィルムは前記疎水化剤の他にUV吸収剤を含有することが好ましい。
本発明に用いられる紫外線吸収剤としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等を挙げることが出来るが、着色の少ないベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。また、特開平10−182621号公報、特開平8−337574号公報記載の紫外線吸収剤、特開平6−148430号公報記載の高分子紫外線吸収剤も好ましく用いられる。本発明のセルロースアシレートフィルムを偏光板の保護フィルムとして用いる場合、紫外線吸収剤としては、偏光子や液晶の劣化防止の観点から、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れており、且つ、液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましい。
本発明に有用なベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体例として、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物等を挙げることが出来るが、これらに限定されない。また、市販品として、チヌビン(TINUVIN)109、チヌビン(TINUVIN)171、チヌビン(TINUVIN)326(何れもチバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)を好ましく使用出来る。
本発明に係るセルロースアシレートフィルムにおいて、弾性率を低下させずに含水率を低下せしめるには、該セルロースアシレートフィルム中に、分子量100以上2000以下の低分子化合物を含有することが好ましい。下記式で定義される該低分子化合物のオクタノール−水分配係数の質量平均値(logP)は、4以上12以下であることが好ましく、5以上11以下であることがさらに好ましく、6以上10以下であることが最も好ましい。
logP=[Σ(Mi×Pi)]/ΣMi
式中、Miはi番目の低分子化合物の全低分子化合物添加量に対する質量、Piはi番目の低分子化合物のlogP値である。
また、本発明に係るセルロースアシレートフィルムにおいて、分子量100以上2000以下の低分子化合物のセルロースアシレートに対する質量比は5%以上35%以下が好ましく、10%以上30%以下がさらに好ましく、15%以上25%以下が最も好ましい。
[セルロースアシレートフィルムの製造]
本発明のセルロースアシレートフィルムは、ソルベントキャスト法により製造することができる。ソルベントキャスト法では、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製造する。
有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステルおよび炭素原子数が1〜6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒を含むことが好ましい。エーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有していても良く、メチレンクロリドが、代表的なハロゲン化炭化水素である。
二種類以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
0℃以上の温度(常温または高温)で処理することからなる一般的な方法で、セルロースアシレート溶液を調製することができ、また冷却溶解法により、溶液を調製することもできる。
種々の溶解法で調製したセルロースアシレート溶液(ドープ)を、ソルベントキャスト法によってセルロースアシレートフィルムを製造することができる。ドープにはレターデーション上昇剤を添加することが好ましい。
ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が18〜35%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ドープは、表面温度が10℃以下のドラムまたはバンド上に流延することが好ましい。
ソルベントキャスト法における乾燥方法については、米国特許第2336310号、同2367603号、同2492078号、同2492977号、同2492978号、同2607704号、同2739069号、同2739070号、英国特許第640731号、同736892号の各明細書、特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号、同62−115035号の各公報に記載がある。バンドまたはドラム上での乾燥は空気、窒素などの不活性ガスを送風することにより行なうことができる。
得られたフィルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取り、さらに100℃から160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることもできる。以上の方法は、特公平5−17844号公報に記載がある。
二層以上の流延を行いフィルム化することもでき、例えば、特開昭61−158414号、特開平1−122419号、および、特開平11−198285号の各公報に記載の方法を用いることができる。
本発明に係るセルロースアシレート溶液は、他の機能層(例えば、接着層、染料層、帯電防止層、アンチハレーション層、紫外線吸収層、偏光層など)と同時に流延することもできる。
セルロースアシレートフィルムには、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)を添加してもよい。劣化防止剤については、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号の各公報に記載がある。好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、トリベンジルアミン(TBA)を挙げることができる。
本発明に係るセルロースアシレートフィルムには、キシミやシワを防止する目的のマット剤として、平均粒径が100nm〜500nmの無機化合物等の微粒子が添加されることが好ましい。
[セルロースアシレートフィルムの膜厚]
本発明に係るセルロースアシレートフィルムの膜厚は80μm未満であり、10μm以上60μm以下がより好ましく、10μm以上40μm以下が最も好ましい。膜厚が80μm未満でない場合液晶ディスプレイに貼った場合の薄手化が不十分である。また、膜厚が薄すぎるとハンドリングにおいてフィルム切断や皺などの故障が起こりやすい。
[セルロースアシレートフィルムの弾性率]
セルロースアシレートフィルムの弾性率は、サンプルを25℃60%RHの環境下で24hr調湿し、JIS K7127に記載の方法に従って測定することができる。試験機は(株)エー・アンド・デイ製テンシロンなどを用いることができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、幅方向又は長手方向のいずれかの方向における25℃60%RHの弾性率が、400kgf/mm2(3.9×103N/mm2)以上となる。より好ましくは、450kgf/mm2(4.4×103N/mm2)以上600kgf/mm2(5.9×103N/mm2)以下である。600kgf/mm2以上となると、フィルムの加工適性が損なわれる。
[セルロースアシレートフィルムの結晶化度]
フィルムの結晶化度は結晶化を進行させるために、フィルムをバンドあるいはドラム上から剥ぎ取った直後に高温で乾燥させることが好ましい。乾燥温度は80℃以上200℃以下が好ましく、100℃以上180℃以下がさらに好ましく、120℃以上160℃以下が最も好ましい。本発明で定義する結晶化度はX線回折測定で検出された回折ピーク強度からブラッグ角2θ=14°の回折強度を引いた値の和である。
本発明のアシレートフィルムの結晶化度は3000以上15000以下が好ましく、4000以上12000以下がさらに好ましく、5000以上9000以下が最も好ましい。結晶度が高過ぎるとフィルムが脆くなったり、ヘイズが大きくなってしまう。
[セルロースアシレートフィルムの含水率]
セルロースアシレートフィルムの含水率は一定温湿度における平衡含水率を測定することにより評価することができる。平衡含水率は前記温湿度に24時間放置した後、平衡に達した試料の水分量をカールフィッシャー法で測定し、水分量(g)を試料質量(g)で除して算出したものである。
本発明のセルロースアシレートフィルムの25℃80%RHにおける含水率は2.9質量%以下であることが好ましく、2.6質量%以下であることがさらに好ましく、2.3質量%以下であることが最も好ましい。含水率が2.9質量%を超えると偏光板の保護フィルムとして用いたときに偏光度の著しい低下を引き起こす。
[透湿度]
透湿度はJIS Z 0208に記載の方法に則り、各試料の透湿度を測定し、面積1m2あたり24時間で蒸発する水分量(g)として算出する。透湿度は偏光板の耐久性と密接に関係したフィルム物性であり、透湿度を下げることにより偏光板耐久性を向上させることができる。本発明に係るセルロースアシレートフィルムでは、25℃90%RH環境下での透湿度が20g/m2・24hrs以上200g/m2・24hrs以下であることが好ましい。より好ましくは、40g/m2・24hrs以上180g/m2・24hrs以下であり、特に好ましくは60g/m2・24hrs以上160g/m2・24hrs以下である。透湿度が20g/m2・24hrs以下となると、偏光板作製時の乾燥が不十分となり偏光板耐久性が悪化する。また、200g/m2・24hrs以上では外界からの水の浸入が多いため偏光板耐久性が悪化する。
透湿度は水の吸着量及びフィルム中の水の拡散速度を小さくすることにより、低下させることができる。本発明に係る疎水化剤はフィルム中の水の拡散速度を大きくすることなく、水の吸着量を小さくできるため、特に好ましい。また、セルロースアシレートフィルムの結晶化度を上げる方法も、フィルム中の水の拡散速度を大きくすることなく、水の吸着量を小さくでき好ましい。
さらに、透湿度は製膜時に搬送方向及び/あるいは幅方向に延伸し、セルロースアシレートの分子鎖の配向を密にすることによっても低下させることが可能である。延伸は一軸延伸、二軸延伸のどちらでも可能である。
二軸延伸には、同時二軸延伸法と逐次二軸延伸法があるが、連続製造の観点から逐次二軸延伸方法が好ましく、ドープを流延した後、バンドもしくはドラムよりフィルムを剥ぎ取り、幅方向(長手方法)に延伸した後、長手方向(幅方向)に延伸される。
幅方向に延伸する方法は、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号などの各公報に記載されている。フィルムの延伸倍率(元の長さに対する延伸による増加分の比率)は、1〜50%の範囲にあることが好ましく、5〜40%の範囲にあることがさらに好ましく、10〜35%の範囲にあることが最も好ましい。
[吸湿膨張係数]
吸湿膨張係数は、一定温度下において相対湿度を変化させた時の試料の長さの変化量を示す。
偏光板耐久試験における額縁状の透過率上昇を防止するために、セルロースアシレートフィルムの吸湿膨張係数は、30×10-5/%RH以下とすることが好ましく、15×10-5/%RH以下とすることが更に好ましく、10×10-5/%RH以下とすることが最も好ましい。また、吸湿膨張係数は小さい方が好ましいが、通常は、1.0×10-5/%RH以上の値である。
吸湿膨張係数の測定方法について以下に示す。セルロースアシレートフィルムから幅5mm、長さ20mmの試料を切り出し、片方の端を固定して25℃、20%RH(R0)の雰囲気下にぶら下げる。他方の端に0.5gの重りをぶら下げて、10分間放置し長さ(L0)を測定する。次に、温度は25℃のまま、湿度を80%RH(R1)にして、長さ(L1)を測定する。吸湿膨張係数は下式により算出する。測定は同一試料につき10サンプル行い、平均値を採用する。
吸湿膨張係数[/%RH]={(L1−L0)/L0}/(R1−R0)
上記吸湿による寸度変化を小さくするには、製膜時の残留溶剤量を低くし、ポリマーフィルム中の自由体積を小さくすることが好ましい。
残留溶剤を減らすための一般的手法は、高温かつ長時間で乾燥することであるが、長時間化は生産性が落ちる欠点をもつ。従ってセルロースアシレートフィルムに対する残留溶剤の量は、0.01〜1質量%の範囲にあることが好ましく、0.02〜0.07質量%の範囲にあることがさらに好ましく、0.03〜0.05質量%の範囲にあることが最も好ましい。
上記残留溶剤量を制御することにより、光学補償能を有する偏光板を安価に高い生産性で製造することができる。
残留溶剤量は、一定量の試料をクロロホルムに溶解し、ガスクロマトグラフ(GC18A、島津製作所(株)製)を用いて測定する。
前記吸湿による寸度変化を小さくする別の方法として、疎水基を有する化合物を添加することが好ましい。疎水基を有する素材としては、分子中にアルキル基やフェニル基のような疎水基を有する素材であれば特に制限はないが、一般式(I)または(II)で表される本発明の疎水化剤は疎水化効果が大きく特に好ましい。
これらの疎水基を有する化合物の添加量は、調整する溶液(ドープ)に対して0.01〜30質量%の範囲にあることが好ましく、0.1〜20質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
[フィルムのレターデーション]
フィルムのReレターデーション値およびRthレターデーション値は、それぞれ、下記式(I)および(II)で定義される。
(I) Re=(nx−ny)×d
(II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
式(I)および(II)において、nxは、フィルム面内の遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率である。式(I)および(II)において、nyは、フィルム面内の進相軸方向(屈折率が最小となる方向)の屈折率である。
式(II)において、nzは、フィルムの厚み方向の屈折率である。式(I)および(II)において、dは、単位をnmとするフィルムの厚さである。
本発明に係るセルロースアシレートフィルムは偏光板の保護フィルムとして用いられ、特に、様々な液晶モードに対応した位相差フィルムとしても好ましく用いることができる。
本発明に係るセルロースアシレートフィルムを位相差フィルムとして用いる場合、セルロースアシレートフィルムの好ましい光学特性は液晶モードによって異なる。
OCBモード用としてはReは10〜100のものが好ましく、20〜70のものがさらに好ましい。Rthは50〜300のものが好ましく100〜250のものがさらに好ましい。
VAモード用としてはReは20〜100のものが好ましく、30〜70のものがさらに好ましい。Rthは50〜250のものが好ましく80〜180のものがさらに好ましい。
また、TN用としてはReは0〜50のものが好ましく、2〜30のものがさらに好ましい。Rthは10〜200のものが好ましく30〜150のものがさらに好ましい。
OCB用モード及びTN用モードでは前記レターデーション値を有するセルロースアシレートフィルム上に光学異方性層を塗布して光学補償フィルムとして使用できる。
なお、セルロースアシレートフィルムの複屈折率(Δn:nx−ny)は、0.00〜0.002μmの範囲にあることが好ましい。また、支持体フィルムおよび対向フィルムの厚み方向の複屈折率{(nx+ny)/2−nz}は、0.00〜0.04の範囲にあることが好ましい。
[光弾性]
本発明に係るセルロースアシレートの光弾性係数は60×10-8cm2/N以下が好ましく、20×10-8cm2/Nがさらに好ましい。光弾性係数はエリプソメーターにより求めることができる。
[ガラス転移温度]
本発明に係るセルロースアシレートのガラス転移温度は120℃以上が好ましく、更に140℃以上が好ましい。ガラス転移温度は、示差走査型熱量計(DSC)を用いて昇温速度10℃/分で測定したときにフィルムのガラス転移に由来するベースラインが変化しはじめる温度と再びベースラインに戻る温度との平均値として求めたものである。
[セルロースアシレートフィルムの表面処理]
セルロースアシレートフィルムは、表面処理を施すことが好ましい。具体的方法としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理または紫外線照射処理が挙げられる。また、特開平7−333433号公報に記載のように、下塗り層を設けることも好ましい。
セルロースアシレートフィルムを偏光板の透明保護フィルムとして使用する場合、偏光子との接着性の観点から、酸処理またはアルカリ処理、すなわちセルロースアシレートに対する鹸化処理を実施することが特に好ましい。
セルロースアシレートフィルムの表面エネルギーは55mN/m以上であることが好ましく、60mN/m以上75mN/m以下であることが更に好ましい。固体の表面エネルギーは、「ぬれの基礎と応用」(リアライズ社 1989.12.10発行)に記載のように接触角法、湿潤熱法、および吸着法により求めることができる。本発明のセルロースアシレートフィルムの場合、接触角法を用いることが好ましい。
<光学機能フィルムの形成法等>
本発明において光学機能フィルムを構成する各層は、塗布法により作製したものが好ましい。塗布で形成する場合、各層はディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許第2681294号明細書記載)、又はダイコート法(特開2003−20097号、同2003−211052号、2003−236434号、同2003−260400号、同2003−260402号の各公報等に記載)により作製することができる。2層以上を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許第2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書、及び原崎勇次著、「コーティング工学」、253頁、朝倉書店(1973年)に記載がある。ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、ダイコートが好ましい。特に、マイクログラビアコート法、ダイコート法が好ましく、ダイコート法が最もこのましい。
マイクログラビアコート法とは、直径が約10〜100mm、好ましくは約20〜50mmで全周にグラビアパターンが刻印されたグラビアロールを支持体の下方に、且つ支持体の搬送方向に対してグラビアロールを逆回転させると共に、該グラビアロールの表面からドクターブレードによって余剰の塗布液を掻き落として、定量の塗布液を支持体に転写させて塗工することを特徴とする塗布法である。
マイクログラビアコート法では、グラビアロールに刻印されたグラビアパターンの線数は50〜800本/インチが好ましく、より好ましくは100〜300本/インチである。グラビアパターンの深度は1〜600μmが好ましく、より好ましくは5〜200μmである。グラビアロールの回転数は3〜800rpmであることが好ましく、より好ましくは5〜200rpmである。支持体の搬送速度は0.5〜100m/分であることが好ましく、より好ましくは1〜50m/分である。
また、ダイコート法はバックアップローラに支持されて連続走行するウェブに対して、内部にポケットが形成されているスロットダイから塗布液をビードにして塗布することにより、ウェブ上に塗膜を形成する。スロットダイの先端とウェブとの距離を、ウェブ進行方向に対するスロット部材の上流側と下流側で適度に調節することによって湿潤膜厚が数十μm以下の塗布を精度よく行うことができる。特に、本発明の光拡散層や低屈折率層のような、ウエット塗布量の少ない領域(20cc/m2以下)で好ましく用いることができるダイコーターについて、以下に説明する。
<ダイコーターの構成>
図2は本発明を実施したスロットダイを用いたコーターの断面図である。コーター10はバックアップロール11に支持されて連続走行するウェブWに対して、スロットダイ13から塗布液14をビード14aにして塗布することにより、ウェブW上に塗膜14bを形成する。
スロットダイ13の内部にはポケット15、スロット16が形成されている。ポケット15は、その断面が曲線及び直線で構成されており、例えば図2に示すような略円形でもよいし、あるいは半円形でもよい。ポケット15は、スロットダイ13の幅方向にその断面形状をもって延長された塗布液の液溜め空間で、その有効延長の長さは、塗布幅と同等か若干長めにするのが一般的である。ポケット15への塗布液14の供給は、スロットダイ13の側面から、あるいはスロット開口部16aとは反対側の面中央から行う。また、ポケット15には塗布液14が漏れ出ることを防止する栓が設けられている。
スロット16は、ポケット15からウェブWへの塗布液14の流路であり、ポケット15と同様にスロットダイ13の幅方向にその断面形状をもち、ウェブ側に位置する開口部16aは、一般に、図示しない幅規制板のようなものを用いて、概ね塗布幅と同じ長さの幅になるように調整する。このスロット16のスロット先端における、バックアップロール11のウェブ走行方向の接線とのなす角は、30°以上90°以下が好ましい。
スロット16の開口部16aが位置するスロットダイ13の先端リップ17は先細り状に形成されており、その先端はランドと呼ばれる平坦部18とされている。このランド18であって、スロット16に対してウェブWの進行方向の上流側を上流側リップランド18a、下流側を下流側リップランド18bと称する。
図3は、スロットダイ13の断面形状を従来のものと比較して示すもので、(A)は本発明のスロットダイ13を示し、(B)は従来のスロットダイ30を示している。従来のスロットダイ30では、上流側リップランド31aと下流側リップランド31bのウェブとの距離は等しい。なお、符号32はポケット、33はスロットを示している。これに対して、本発明のスロットダイ13では、下流側リップランド長さILOが短くされており、これによって、湿潤膜厚が20μm以下の塗布を精度良くおこなうことができる。
上流側リップランド18aのランド長さIUPは特に限定はされないが、500μm〜1mmの範囲で好ましく用いられる。下流側リップランド18bのランド長さILOは30μm以上100μm以下であり、好ましくは30μm以上80μm以下、さらに好ましくは30μm以上60μm以下である。下流側リップのランド長さILOが30μmよりも短い場合は、先端リップのエッジあるいはランドが欠けやすく、塗膜にスジが発生しやすくなり、結果的には塗布が不可能になる。また、下流側の濡れ線位置の設定が困難になり、塗布液が下流側で広がりやすくなるという問題も発生する。この下流側での塗布液の濡れ広がりは、濡れ線の不均一化を意味し、塗布面上にスジなどの不良形状を招くという問題につながることが従来から知られている。一方、下流側リップのランド長さILOが100μmよりも長い場合は、ビードそのものを形成することができないために、薄層塗布を行うことは不可能である。
さらに、下流側リップランド18bは、上流側リップランド18aよりもウェブWに近接したオーバーバイト形状であり、このため減圧度を下げることができて薄膜塗布に適したビード形成が可能となる。下流側リップランド18bと上流側リップランド18aのウェブWとの距離の差(以下、オーバーバイト長さLOと称する)は30μm以上120μm以下が好ましく、さらに好ましくは30μm以上100μm以下、もっとも好ましくは30μm以上80μm以下である。スロットダイ13がオーバーバイト形状のとき、先端リップ17とウェブWの隙間GLとは、下流側リップランド18bとウェブWの隙間を示す。
図4は、本発明を実施した塗布工程のスロットダイ及びその周辺を示す斜視図である。ウェブWの進行方向側とは反対側に、ビード14aに対して十分な減圧調整を行えるよう、接触しない位置に減圧チャンバー40を設置する。減圧チャンバー40は、その作動効率を保持するためのバックプレート40aとサイドプレート40bを備えており、バックプレート40aとウェブWの間、サイドプレート40bとウェブWの間にはそれぞれ隙間GB、GSが存在する。図5及び図6は、近接している減圧チャンバー40とウェブWを示す断面図である。サイドプレートとバックプレートは図5のようにチャンバー本体と一体のものであってもよいし、図6のように適宜隙間を変えられるようにチャンバーにネジ40cなどで留められている構造でもよい。いかなる構造でも、バックプレート40aとウェブWの間、サイドプレート40bとウェブWの間に実際にあいている部分を、それぞれ隙間GB、GSと定義する。減圧チャンバー40のバックプレート40aとウェブWとの隙間GBとは、減圧チャンバー40を図4のようにウェブW及びスロットダイ13の下方に設置した場合、バックプレート40aの最上端からウェブWまでの隙間を示す。
バックプレート40aとウェブWとの隙間GBをスロットダイ13の先端リップ17とウェブWとの隙間GLよりも大きくして設置するのが好ましく、これによりバックアップロール11の偏心に起因するビード近傍の減圧度変化を抑制することができる。例えば、スロットダイ13の先端リップ17とウェブWとの隙間GLが30μm以上100μm以下のとき、バックプレート40aとウェブWの間の隙間GBは100μm以上500μm以下が好ましい。
前記ウェブの進行方向側の先端リップのウェブ走行方向における長さは、長いほどビード形成に不利であり、この長さをスロットダイ幅方向における変動幅が20μm以内とすることが好ましい。
本発明の製造方法を用いることで25m/分以上で塗布することが生産性の面から好ましい。
防眩層および低屈折率層は、基材フィルム上に直接又は他の層を介して塗布された後、溶剤を乾燥するために加熱されたゾーンにウェブで搬送される。その際の乾燥ゾーンの温度は25℃〜140℃が好ましい。
また、各層の塗布組成物を基材フィルム上に塗布した後の乾燥風は、前記塗布組成物の固形分濃度が1〜50%の間は塗膜表面の風速が0.1〜2m/秒の範囲にあることが、乾燥ムラを防止するために好ましい。
溶剤の乾燥ゾーンの後に、ウェブで電離放射線および/または熱により各塗膜を硬化させるゾーンを通過させ、塗膜を硬化する。例えば塗膜が紫外線硬化性であれば、紫外線ランプにより10mJ/cm2〜1000mJ/cm2の照射量の紫外線を照射して各層を硬化するのが好ましい。酸素濃度0.01%〜5%が好ましく、幅方向の分布は酸素濃度で2%以下が好ましい。
また、光拡散層の硬化率(100−残存官能基含率)が100%未満のある値となった場合、その上に本発明の低屈折率層を設けて電離放射線および/または熱により低屈折率層を硬化した際に下層の光拡散層の硬化率が低屈折率層を設ける前よりも高くなると、光拡散層と低屈折率層との間の密着性が改良され、好ましい。
以上のように形成された本発明の光学機能フィルムの特性値としては以下のようなものが好ましい。
(表面形状)
表面凹凸形状として、中心線平均粗さRaが0.08〜0.30μm、10点平均粗さRzがRaの10倍以下、平均山谷距離Smが1〜100μm、凹凸最深部からの凸部高さの標準偏差が0.5μm以下、中心線を基準とした平均山谷距離Smの標準偏差が20μm以下、傾斜角0〜5度の面が10%以上となるように設計するのが、十分な防眩性と目視での均一なマット感が達成されるので、好ましい。Raが0.08未満では充分な防眩性が得られず、0.30を超えるとギラツキ、外光が反射した際の表面の白化等の問題が発生する。
(すべり性)
本発明に係るセルロースアシレート支持体からなる光学機能フィルムは、薄手のため塗布後の硬化から巻き取りまでの工程で、キシミ、シワ等のすべり性に関わる現象が生じやすいために、できるだけ静、動摩擦係数が小さいほうが好ましい。
キシミは試料フィルムを巻きつけたときのフィルムの内面と外面の平滑性が高く、また両面間の静摩擦係数が高いときに生じやすい。また、シワは試料フィルムの熱処理時に、面がすべりにくいために伸張や収縮が不均一に起こり、フィルムに巻きシワが発生し、平面性が悪くなることで生じることの多い現象である。
本発明の塗設面側最表面の動摩擦係数は、0.15以下が好ましく、0.12〜0.04がより好ましく、0.08〜0.05がさらに好ましい。
(光学特性)
また、C光源下でのCIE1976L***色空間における反射光の色味がa*値−2〜2、b*値−3〜3、380nm〜780nmの範囲内での反射率の最小値と最大値の比0.5〜0.99とするのが、反射光の色味がニュートラルとなるので、好ましい。またC光源下での透過光のb*値を0〜3とすると、表示装置に適用した際の白表示の黄色味が低減され、好ましい。
また、本発明の光学機能フィルムは、その光学特性を内部散乱に起因するヘイズ(以後、内部ヘイズと呼称する)が5%〜20%であることが好ましく、5%〜15%であることがより好ましい。内部ヘイズが5%未満とするには、使用できる素材の組合せが限定され、防眩性その他の特性値の合わせこみが困難となり、また、高コストとなる。内部散乱が20%を超えると、暗室コントラストが大幅に悪化してしまう。また、表面散乱に起因するヘイズ(以後、表面ヘイズと呼称する)が1%〜10%であることが好ましく、2%〜7%であることがより好ましく、更にくし幅0.5mmにおける透過像鮮明度5%〜30%とするのが、充分な防眩性と画像ボケ、暗室コントラスト低下の改善が両立されるので、好ましい。表面ヘイズが1%未満では防眩性が不足し、10%を超えると外光が反射した際の表面の白化等の問題が発生する。また、鏡面反射率2.5%以下、透過率90%以上とするのが、外光の反射を抑制でき、視認性が向上するため、好ましい。
前記のようにして製造された本発明の光学機能フィルムは、公知の粘着剤を付けて各種公知のディスプレイ材料の表面フィルムとして用いたり、これを用いて偏光板を作成することにより液晶表示装置に用いることができる。この場合、片面に粘着層を設ける等してディスプレイの最表面に配置する。本発明の光学機能フィルムは、偏光板における偏光膜を両面から挟む2枚の保護フィルムのうち少なくとも1枚に用いることが好ましい。
本発明の光学機能フィルムが保護フィルムを兼ねることで、偏光板の製造コストを低減できる。また、本発明のフィルムを最表層に使用することにより、外光の映り込み等が防止され、耐擦傷性、防汚性等も優れた偏光板とすることができる。
本発明の光学機能フィルムを2枚の偏光膜の表面保護フィルムの内の一方として用いて偏光板を作成する際には、前記のフィルムを、反射防止構造を有する側とは反対側の透明支持体の表面、すなわち偏光膜と貼り合わせる側の表面を親水化することで、接着面における接着性を改良することが好ましい。
[鹸化処理]
(1)アルカリ液に浸漬する法
アルカリ液の中に光学機能フィルムを適切な条件で浸漬して、フィルム全表面のアルカリと反応性を有する全ての面を鹸化処理する手法であり、特別な設備を必要としないため、コストの観点で好ましい。アルカリ液は、水酸化ナトリウム水溶液であることが好ましい。好ましい濃度は0.5〜3mol/Lであり、特に好ましくは1〜2mol/Lである。好ましいアルカリ液の液温は30〜75℃、特に好ましくは40〜60℃である。
前記の鹸化条件の組合せは比較的穏和な条件同士の組合せであることが好ましいが、光学機能フィルムの素材や構成、目標とする接触角によって設定することができる。
アルカリ液に浸漬した後は、フィルムの中にアルカリ成分が残留しないように、水で十分に水洗したり、希薄な酸に浸漬してアルカリ成分を中和することが好ましい。
鹸化処理することにより、透明支持体の光拡散層や反射防止層を有する表面と反対の表面が親水化される。偏光板用保護フィルムは、透明支持体の親水化された表面を偏光膜と接着させて使用する。
親水化された表面は、ポリビニルアルコールを主成分とする接着層との接着性を改良するのに有効である。
鹸化処理は、光学機能層を有する側とは反対側の透明支持体の表面の水に対する接触角が低いほど、偏光膜との接着性の観点では好ましいが、一方、浸漬法では同時に光学機能層を有する表面から内部までアルカリによるダメージを受ける為、必要最小限の反応条件とすることが重要となる。アルカリによる各層の受けるダメージの指標として、反対側の表面の透明支持体の水に対する接触角を用いた場合、特に透明支持体がトリアセチルセルロースであれば、好ましくは10度〜50度、より好ましくは30度〜50度、さらに好ましくは40度〜50度となる。50度以上では、偏光膜との接着性に問題が生じる為、好ましくない。一方、10度未満では、反射防止膜の受けるダメージが大きすぎる為、物理強度を損ない、好ましくない。
(2)アルカリ液を塗布する方法
上述の浸漬法における各膜へのダメージを回避する手段として、適切な条件でアルカリ液を光学機能層を有する表面と反対側の表面のみに塗布、加熱、水洗、乾燥するアルカリ液塗布法が好ましく用いられる。なお、この場合の塗布とは、鹸化を行う面に対してのみアルカリ液などを接触させることを意味し、塗布以外にも噴霧、液を含んだベルト等に接触させる、などによって行われることも含む。これらの方法を採ることにより、別途、アルカリ液を塗布する設備、工程が必要となるため、コストの観点では(1)の浸漬法に劣る。一方で、鹸化処理を施す面にのみアルカリ液が接触するため、反対側の面にはアルカリ液に弱い素材を用いた層を有することができる。例えば、蒸着膜やゾル−ゲル膜では、アルカリ液によって、腐食、溶解、剥離など様々な影響が起こるため、浸漬法では設けることが望ましくないが、この塗布法では液と接触しないため問題なく使用することが可能である。
前記(1)、(2)のどちらの鹸化方法においても、ロール状の支持体から巻き出して各層を形成後に行うことができるため、前述の光散乱フィルムや反射防止フィルム製造工程の後に加えて一連の操作で行っても良い。さらに、同様に巻き出した支持体からなる偏光板との張り合わせ工程もあわせて連続で行うことにより、枚葉で同様の操作をするよりもより効率良く偏光板を作成することができる。
(3)光学機能層をラミネートフィルムで保護して鹸化する方法
前記(2)と同様に光拡散層および/または低屈折率層がアルカリ液に対する耐性が不足している場合に、最終層まで形成した後に該最終層を形成した面にラミネートフィルムを貼り合せてからアルカリ液に浸漬することで最終層を形成した面とは反対側のトリアセチルセルロース面だけを親水化し、然る後にラミネートフィルムを剥離することができる。この方法でも、光拡散層、低屈折率層へのダメージなしに偏光板保護フィルムとして必要なだけの親水化処理をトリアセチルセルロースフィルムの最終層を形成した面とは反対の面だけに施すことができる。前記(2)の方法と比較して、ラミネートフィルムが廃棄物として発生する半面、特別なアルカリ液を塗布する装置が不要である利点がある。
(4)光拡散層まで形成後にアルカリ液に浸漬する方法
光拡散層まではアルカリ液に対する耐性があるが、低屈折率層がアルカリ液に対する耐性不足である場合には、光拡散層まで形成後にアルカリ液に浸漬して両面を親水化処理し、然る後に光拡散層上に低屈折率層を形成することもできる。製造工程が煩雑になるが、特に低屈折率層がフッ素含有ゾル−ゲル膜等、親水基を有する場合には光拡散層と低屈折率層との層間密着性が向上する利点がある。
(5)予め鹸化済のトリアセチルセルロースフィルムに光学機能層を形成する方法
トリアセチルセルロースフィルムを予めアルカリ液に浸漬するなどして鹸化し、何れか一方の面に直接または他の層を介して光学機能層を形成してもよい。アルカリ液に浸漬して鹸化する場合には、光拡散層または他の層と鹸化により親水化されたトリアセチルセルロース面との層間密着性が悪化することがある。そのような場合には、鹸化後、光拡散層または他の層を形成する面だけにコロナ放電、グロー放電等の処理をすることで親水化面を除去してから防眩層または他の層を形成することで対処できる。また、防眩層または他の層が親水性基を有する場合には層間密着が良好なこともある。
以下に、本発明の光学機能フィルムを用いた偏光板及び該偏光板を用いた液晶表示装置について説明する。
[偏光板]
本発明の好ましい偏光板は、偏光膜の保護フィルム(偏光板用保護フィルム)の少なくとも一方として、本発明の光学機能フィルム、例えば光散乱フィルムまたは反射防止フィルムを有する。偏光板用保護フィルムは、前記のように、光学機能層を有する側とは反対側の透明支持体の表面、すなわち偏光膜と貼り合わせる側の表面の水に対する接触角が10度〜50度の範囲にあることが好ましい。
本発明の光学機能フィルムを偏光板用保護フィルムとして用いることにより、物理強度、耐光性に優れた光散乱機能、あるいは反射防止機能を有する偏光板が作製でき、大幅なコスト削減、表示装置の薄手化が可能となる。
また、本発明の光学機能フィルムを偏光板用保護フィルムの一方に、後述する光学異方性のある光学補償フィルムを偏光膜の保護フィルムのもう一方に用いた偏光板を作製することにより、さらに、液晶表示装置の明室での視認性やコントラストを改良し、上下左右の視野角が非常に広げることができる偏光板を作製できる。
[光学補償層]
偏光板には光学補償層(位相差層)を設けることにより、液晶表示画面の視野角特性を
改良することができる。
光学補償層としては、公知のものを用いることができるが、視野角を広げるという点では、ディスコティック構造単位を有する化合物からなる光学異方性を有する層を有し、該ディスコティック化合物と透明支持体とのなす角度が透明支持体からの距離に伴って変化していることを特徴とする光学補償層が好ましい。
該角度は該ディスコティック化合物からなる光学異方性層の透明支持体面側からの距離の増加とともに増加していることが好ましい。
光学補償層を偏光膜の保護フィルムとして用いる場合、偏光膜と貼り合わせる側の表面が鹸化処理されていることが好ましく、前記の鹸化処理に従って実施することが好ましい。
[偏光膜]
偏光膜としては公知の偏光膜や、偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜から切り出された偏光膜を用いてもよい。偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜は以下の方法により作成される。
即ち、連続的に供給されるポリマーフィルムの両端を保持手段により保持しつつ張力を付与して延伸した偏光膜で、少なくともフィルム幅方向に1.1〜20.0倍に延伸し、フィルム両端の保持装置の長手方向進行速度差が3%以内であり、フィルム両端を保持する工程の出口におけるフィルムの進行方向と、フィルムの実質延伸方向のなす角が、20〜70゜傾斜するようにフィルム進行方向を、フィルム両端を保持させた状態で屈曲させてなる延伸方法によって製造することができる。特に45°傾斜させたものが生産性の観点から好ましく用いられる。
ポリマーフィルムの延伸方法については、特開2002−86554号公報の段落[0020]〜[0030]に詳しい記載がある。
<液晶表示装置>
本発明の光学機能フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に適用することができる。本発明の光学機能フィルムは透明支持体を有しているので、透明支持体側を画像表示装置の画像表示面に接着して用いられる。
本発明の光学機能フィルムは、偏光膜の表面保護フィルムの片側として用いた場合、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等のモードの透過型、反射型、または半透過型の液晶表示装置に好ましく用いることができる。特に、大型液晶テレビ等の用途として、VA、IPS、OCB等で好ましく用いることができ、中小の精細度の低い表示装置用途であれば、TN、STN等にも好ましく用いることができる。大型液晶テレビ等の用途としては、表示画面の対角が20インチ以上であり、精細度がXGA以下(縦横比3:4の表示装置において1024×768以下)であるものに対して、特に好ましく用いることができる。本発明の光学機能フィルムは、実質的に内部ヘイズがないため、20インチで精細度がXGA(縦横比3:4の表示装置において1024×768)を超えるものに対してはギラツキが許容レベルを超える為、ギラツキを重視する場合には好ましくない。また、ギラツキの程度は画素の大きさと表面の防眩フィルムの表面凹凸形状との関係で発生するものであるため、表示装置の大きさが30インチになれば精細度がUXGA(縦横比3:4の表示装置において1600×1200)以下、40インチならば精細度がQXGA(縦横比3:4の表示装置において2048×1536)以下まで好ましくもちいることができる。
VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech. Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)および(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルを用いた液晶表示装置であり、米国特許4583825号、同5410422号の各明細書に開示されている。棒状液晶性分子が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend)液晶モードとも呼ばれる。ベンド配向モードの液晶表示装置は、応答速度が速いとの利点がある。
ECBモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向しており、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ」東レリサーチセンター発行(2001)などに記載されている。
本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特別の断りの無い限り、「部」及び「%」は質量基準である。
[実施例1]
(セルロースアシレートフィルム1の作製)
下記組成のセルロースアセテート溶液Aを調製した。
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セルロースアセテート溶液A組成
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酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 300質量部
メタノール(第2溶媒) 54質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 11質量部
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前記セルロースアセテート溶液Aを充分に攪拌した後、更に室温(25℃)にて3時間放置し、得られたゲル状溶液を−70℃にて6時間冷却した後、50℃に加温・攪拌して完全に溶解したドープを得た。
次に、得られたセルロースアセテート溶液Aを50℃にて、絶対濾過精度0.01mmの濾紙(東洋濾紙(株)製、#63)で濾過し、さらに絶対濾過精度0.0025mmの濾紙(ポール社製、FH025)にてフィルター濾過及び脱泡を行ってドープを調製した。
(溶液流延方法)
前記セルロースアセテート溶液Aを、バンド流延機を用いて流延して、セルロースアシレート溶液からセルロースアシレートフィルムを製膜する工程を行った。
金属支持体(流延バンド)としては、ステンレススチールからなり、幅2m、長さ56m(面積112m2)からなるものを用いた。流延されたドープは、流延直後の1秒間は風速0.5m/s以下で乾燥し、それ以降は風速15m/sで乾燥した。乾燥風の温度は50℃であった。
流延バンドから剥ぎ取った時のフィルムの残留溶剤量は230質量%であり、フィルムの温度は−6℃であった。流延から剥ぎ取りまでの間における平均乾燥速度は744質量%/分であった。また、剥ぎ取り時点でのドープのゲル化温度は約10℃であった。金属支持体上での膜面温度が40℃となってから、1分乾燥し、剥ぎ取った後、120℃の乾燥風で乾燥した。
前記の方法において流延するドープ量を制御してフィルム膜厚を表2に記載のように、40μm,30μm,20μm,60μm,70μm,80μm,90μmと変えた各セルロースアシレートフィルム1を作製した。
(パーフルオロオレフィン共重合体(1)の合成)
Figure 2006276839
内容量100mlのステンレス製撹拌機付オートクレーブに酢酸エチル40ml、ヒドロキシエチルビニルエーテル14.7gおよび過酸化ジラウロイル0.55gを仕込み、系内を脱気して窒素ガスで置換した。さらにヘキサフルオロプロピレン(HFP)25gをオートクレーブ中に導入して65℃まで昇温した。オートクレーブ内の温度が65℃に達した時点の圧力は0.53MPa(5.4kg/cm2)であった。該温度を保持し8時間反応を続け、圧力が0.31MPa(3.2kg/cm2)に達した時点で加熱をやめ放冷した。室温まで内温が下がった時点で未反応のモノマーを追い出し、オートクレーブを開放して反応液を取り出した。得られた反応液を大過剰のヘキサンに投入し、デカンテーションにより溶剤を除去することにより沈殿したポリマーを取り出した。さらにこのポリマーを少量の酢酸エチルに溶解してヘキサンから2回再沈殿を行うことによって残存モノマーを完全に除去した。乾燥後ポリマー28gを得た。次に該ポリマーの20gをN,N−ジメチルアセトアミド100mlに溶解、氷冷下アクリル酸クロライド11.4gを滴下した後、室温で10時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え水洗、有機層を抽出後濃縮し、得られたポリマーをヘキサンで再沈殿させることによりパーフルオロオレフィン共重合体(1)を19g得た。得られたポリマーの屈折率は1.421であった。
(オルガノシラン化合物A溶液の調製)
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器、メチルエチルケトン120部、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103、信越化学工業(株)製)100部、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート3部を加え混合したのち、イオン交換水30部を加え、60℃で4時間反応させたのち、室温まで冷却し、オルガノシラン化合物A溶液を得た。質量平均分子量は1600であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は100%であった。また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料のアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランは全く残存していなかった。
(アルミナ分散液AL−1の調製)
メチルイソブチルケトン64.0質量部に、市販のアルミナAKP−G015(住友化学工業(株)製)30.0質量部とアロニックスM5300(東亞合成(株)製)6.0質量部を加え良く混錬してスラリー状にしたあと、1mmφのジルコニアビーズを用いてサンドグラインダーで12時間分散を行って、アルミナ濃度30%の分散液AL−1を調製した。このアルミナ分散物の平均粒径は0.10μmであった。
(樹脂粒子J−1の調製)
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に、水600質量部を充填し、これにポリビニルアルコール0.7質量部とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.7質量部を加えて溶解した。次に、これにメタクリル酸メチル96.0質量部とエチレングリコールジメタクリレート8.0質量部、過酸化ベンゾイル2.0質量部の混合液を加え撹拌した。この混合液をホモジナイザーを用いて6000rpmで15分間分散して均一にした。次いで窒素ガスを吹き込みながら75℃で4時間撹拌を続けた。その後遠心分離法で軽く脱水し、生成物を水で洗浄したあと乾燥した。得られた架橋メタクリル酸メチル系樹脂粒子(J−1)の平均粒径は4.1μm、屈折率は1.50であった。
(樹脂粒子J−2〜J−4の調製)
樹脂粒子J−1に対して、バインダー主モノマーの種類や量(単位:質量部)、架橋性モノマーの種類や量を変えて種々の架橋度を有する樹脂粒子を調製した。粒子の粒径はホモジナイザーの回転数を変えて調節した。
モノマー類の種類と量、調製した粒子の特性値を、表1に示す。
Figure 2006276839
表1中、圧縮強度は島津製作所製微小圧縮試験機MCTW201を用いて、25℃、65%RH、試験用圧子:FLAT20、試験荷重:19.6mN(2gf)、負荷速度:0.7105(mN/sec)、変位フルスケール:5(μm)の条件で、粒子単体について行ったときの変位10%の試験力から、前記本文記載の式にてS10強度(kgf/mm2)として求めた値に9.8を乗じた値(N/mm2)である。
(樹脂粒子F−1、F−2の調製)
特開2000−38455号公報の[実施例1]の「異型粒子の合成1(モノマー/シードの重量比が4.0の場合)」と同様にして扁平形状を有する樹脂粒子F−1を調製した。この粒子の平均最大直径(D1)は3.0μmであり、平均厚さ(T1)は1.3μmであり、両特性値の比(T1/D1)は、0.43であった。
さらに同公報の[実施例2]の「樹脂粒子の合成2(モノマー/シードの重量比が4.0の場合)」と同様にして扁平形状を有する樹脂粒子F−2を調製した。この粒子の平均最大直径(D1)は2.6μmであり、平均厚さ(T1)は1.6μmであり、両特性値の比(T1/D1)は、0.62であった。
(帯電防止層用塗布液Aの調製)
市販の透明帯電防止層用塗料「ペルトロンC−4456S−7」(ATO含有、固形分濃度45%、日本ペルノックス(株)製)を帯電防止層用塗布液Aとして用いた。ATO微粒子の平均粒径は0.15μmであった。この塗布液による塗膜の屈折率は1.60であった。
(帯電防止層用塗布液Bの調製)
市販の導電性微粒子ATO(アンチモンドープ酸化錫T−1、比表面積80m2/g、三菱マテリアル(株)製)20.0質量部に、アニオン性基とメタアクリロイル基を有する分散剤(B−1)6.0質量部、メチルイソブチルケトン74質量部を添加して撹拌した。
Figure 2006276839
メディア分散機(直径0.1mmのジルコニアビーズ使用)を用いて上記液中のATO粒子を分散した。ATO微粒子の均粒径は0.09μmであった。
上記ATO分散液100質量部に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)、6質量部、重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.8質量部を添加して撹拌した。このようにして帯電防止層用塗布液Bを調製した。この塗布液による塗膜の屈折率は1.63であった。
(光拡散層用塗布液(I)の調製)
市販の紫外線硬化型樹脂(PETA、日本化薬製、屈折率:1.51)50質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア184)2.5質量部、第1の透光性粒子として平均粒子径が3.5μmの架橋アクリル−スチレン粒子(綜研化学製、屈折率:1.55)を2質量部、第2の透光性粒子として平均粒子径が3.5μmの架橋ポリスチレン粒子(綜研化学製、屈折率:1.60)を3質量部、オルガノシラン化合物(KBM−5103、信越化学工業(株)製)6.19質量部、フッ素系面状改良剤前記FP−149を0.05質量部、これらを溶媒(トルエン)50質量部、シクロヘキサノン6.6質量部とよく混合したあと、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して光拡散層用塗布液(I)を調製した。この塗布液による塗膜の屈折率は1.52であった。
なお、光拡散層用塗布液(I)において、塗料の表面張力は25mN/mであった0.8であった。
(光拡散層用塗布液(II)の調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)25.6質量部をメチルイソブチルケトン46.3質量部で希釈した。更に、重合開始剤(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を1.3質量部添加し、混合攪拌した。続いてフッ素系表面改質剤FP−149を0.04質量部、シランカップリング剤(KBM−5103、信越化学工業(株)製)を5.2質量部、分子量40,000のセルロースアセテートブチレート(CAB−531−1、イーストマンケミカル(株)製)0.50質量部を加えてエアーディスパーにて120分間攪拌して溶質を完全に溶解した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.520であった。
最後に、この溶液にポリトロン分散機にて10000rpmで20分間分散した平均粒径3.5μmの架橋ポリ(アクリル−スチレン)粒子(共重合組成比=50/50、屈折率1.536)の30%メチルイソブチルケトン分散液を21.0質量部加えた後にエアーディスパーにて10分間攪拌した。
前記混合液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して光拡散層用塗布液(II)を調製した。
(光拡散層用塗布液(III)の調製)
酸化ジルコニウム微粒子を含有する透明高屈折率ハードコート材料(デソライトZ7404、JSR(株)製)285.0質量部に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)85.0質量部、オルガノシラン化合物(KBM−5103、信越化学工業(株)製)28.0質量部、メチルイソブチルケトン60.0質量部、メチルエチルケトン17.0質量部を添加して撹拌した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.61であった。また、酸化ジルコニウム微粒子の分散物としての平均粒径を測定したところ0.07μmであった。
さらにこの溶液にポリトロン分散機にて10000rpmで分散した平均粒径3.0μmの分級を強化した架橋PMMA粒子(屈折率1.49、MXS−300、綜研化学(株)製)の30%メチルイソブチルケトン分散液35.0質量部、ポリトロン分散機にて10000rpmで分散した平均粒径1.5μmのシリカ粒子(屈折率1.46、シーホスターKE−P150、(株)日本触媒製)の30%メチルエチルケトン分散液90.0質量部を添加して撹拌した。
このあと孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して光拡散層用塗布液(III)を調製した。この塗布液による塗膜の屈折率は1.61であった。なお、光拡散層用塗布液(III)の表面張力は27mN/mであった。
(光拡散層用塗布液(IV)の調製)
光拡散層用塗布液(I)に対して、紫外線硬化型樹脂(PETA、日本化薬(株)製)50質量部を30質量部に減らして、カプロラクトン付加した紫外線硬化型樹脂(DPCA−20、日本化薬(株)製)を20質量部加えた以外は光拡散層用塗布液(I)と同様にして、光拡散層用塗布液(IV)を調製した。この塗布液による塗膜の屈折率は1.51であった。
(光拡散層用塗布液(V)の調製)
光拡散層用塗布液(II)に対して、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)25.6質量部を15.4質量部に減らして、代わりにカプロラクトン付加した紫外線硬化型樹脂(DPCA−30、日本化薬(株)製)を10.2質量部加えた以外は光拡散層用塗布液(II)と同様にして、光拡散層用塗布液(V)を調製した。この塗布液による塗膜の屈折率は1.51であった。
(光拡散層用塗布液(VI)の調製)
光拡散層用塗布液(V)に対して、紫外線硬化型樹脂DPCA−30をEO付加した紫外線硬化型樹脂ビスコート360(大阪有機化学工業(株)製)に同じ質量部置き換えた以外は光拡散層用塗布液(V)と同様にして、光拡散層用塗布液(VI)を調製した。この塗布液による塗膜の屈折率は1.51であった。
(光拡散層用塗布液(VII)の調製)
光拡散層用塗布液(II)に対して、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)25.6質量部を13.6質量部に減らし、メチルイソブチルケトン46.3質量部を8.3質量部に減らした。代わりに前記アルミナ分散液AL−1(アルミナ30質量%)を50.0質量部加えた以外は前記光拡散層用塗布液(II)と同様にして光拡散層用塗布液(VII)を調製した。この塗布液による塗膜の屈折率は1.64であった。
(光拡散層用塗布液(VIII)の調製)
光拡散層用塗布液(II)に対して、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)25.6質量部を9.6質量部に減らし、メチルイソブチルケトン46.3質量部を12.3質量部に減らした。代わりに前記透明帯電防止層用塗料「ペルトロンC−4456S−7」(ATO含有、固形分濃度45%、日本ペルノックス(株)製)を50.0質量部加えた以外は前記光拡散層用塗布液(II)と同様にして光拡散層用塗布液(VIII)を調製した。この塗布液による塗膜の屈折率は1.59であった。
(光拡散層用塗布液(IX)の調製)
光拡散層用塗布液(II)に対して、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)25.6質量部を13.6質量部に減らし、メチルイソブチルケトン46.3質量部をゼロに減らした。代わりに前記の帯電防止層用塗布液Bの調製で作製した中間品のATOが20%の分散液(分散剤は入っているが、多官能アクリレート等の添加剤を加える前のATO分散液)75.0質量部加えた以外は前記光拡散層用塗布液(II)と同様にして光拡散層用塗布液(IX)を調製した。この塗布液による塗膜の屈折率は1.63であった。
(光拡散層用塗布液(X)の調製)
前記光拡散層用塗布液(II)に対して、該塗布液に加える平均粒径3.5μmの架橋ポリ(アクリル−スチレン)粒子(共重合組成比=50/50、屈折率1.536)の30%メチルイソブチルケトン分散液を、樹脂粒子J−1の同濃度液で等量置き換えた以外は塗布液(II)と同じにして光拡散層用塗布液(X)を調製した。
(光拡散層用塗布液(XI)の調製)
前記光拡散層用塗布液(X)に対して、樹脂粒子J−1に代えて樹脂粒子J−2を等量置き換えた以外は塗布液(X)と同じにして光拡散層用塗布液(XI)を調製した。
(光拡散層用塗布液(XII)の調製)
前記光拡散層用塗布液(X)に対して、樹脂粒子J−1に代えて樹脂粒子J−3を等量置き換えた以外は塗布液(X)と同じにして光拡散層用塗布液(XII)を調製した。
(光拡散層用塗布液(XIII)の調製)
前記光拡散層用塗布液(X)に対して、樹脂粒子J−1に代えて樹脂粒子J−4を等量置き換えた以外は塗布液(X)と同じにして光拡散層用塗布液(XIII)を調製した。
(光拡散層用塗布液(XIV)の調製)
前記光拡散層用塗布液(X)に対して、樹脂粒子J−1に代えて樹脂粒子F−1を等量置き換えた以外は塗布液(X)と同じにして光拡散層用塗布液(XIV)を調製した。
(光拡散層用塗布液(XV)の調製)
前記光拡散層用塗布液(X)に対して、樹脂粒子J−1に代えて樹脂粒子F−2を等量置き換えた以外は塗布液(X)と同じにして光拡散層用塗布液(XV)を調製した。
(低屈折率層用塗料(a)の調製)
屈折率1.42の熱架橋性でポリシロキサンおよび水酸基を含有する含フッ素ポリマー(JN7228A、固形分濃度6%、JSR(株)製)13.0質量部に、シリカ微粒子のMEK分散液MEK−STの粒径違い品(MEK−ST−L、平均粒径45nm、固形分濃度30%、日産化学工業(株)製)1.3質量部、上記オルガノシラン化合物A溶液0.6質量部、およびメチルエチルケトン5.0質量部、シクロヘキサノン0.6質量部を添加して攪拌した。孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗料(a)を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.42であり、水に対する接触角は96°であった。
(低屈折率層用塗料(b)の調製)
前記の含フッ素ポリマー(JN7228A、固形分濃度6%、JSR(株)製)15.0質量部に、シリカ微粒子のMEK分散液(MEK−ST、平均粒径15nm、固形分濃度30%、日産化学工業(株)製)0.6質量部、シリカ微粒子のMEK分散液(MEK−ST−L、平均粒径45nm、固形分濃度30%、日産化学工業(株)製)0.8質量部、上記オルガノシラン化合物A溶液0.4質量部、およびメチルエチルケトン3.0質量部、シクロヘキサノン0.6質量部を添加して攪拌した。孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗料(b)を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.42であった。
(低屈折率層用塗料(c)の調製)
前記の含フッ素ポリマー(JN−7228A、固形分濃度6%、JSR(株)製)13.0質量部に、中空のシリカ微粒子のMEK分散液(屈折率1.31、平均粒径60nm、固形分濃度20%)1.95質量部、上記オルガノシラン化合物A溶液0.6質量部、およびメチルエチルケトン4.35質量部、シクロヘキサノン0.6質量部を添加して攪拌した。孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗料(c)を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.40であった。
(低屈折率層用塗料(d)の調製)
イソプロピルアルコール/メチルエチルケトン=1/1(質量比)の混合溶媒に、テトラメトキシシラン1モル、0.1Nの塩酸2モルを添加した。室温で2時間撹拌して加水分解反応を行い、テトラメトキシシランの加水分解物の溶液を調整した。
イソプロピルアルコール/メチルエチルケトン=1/1(質量比)に、テトラメトキシシランの加水分解物9.0質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート1.0質量部、重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.5質量部、固形分濃度が4.5質量%になるように添加して撹拌した。孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗料(d)を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.45であった。
(低屈折率層用塗料(e)の調製)
前記のパーフルオロオレフィン共重合体(1)の溶液(固形分濃度30%)15.0質量部に、アクリロイル基を有するポリシロキサン化合物(X−22−164C,信越化学工業(株)製)0.15質量部、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.23質量部、及び、メチルエチルケトン81.8質量部、シクロヘキサノン2.8質量部を添加して撹拌した。孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗料(e)を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.43であり、水に対する接触角は95°であった。
(低屈折率層用塗料(f)の調製)
前記パーフルオロオレフィン共重合体(1)の溶液(固形分濃度30%)10.5質量部に、シリカ微粒子のMEK分散液(MEK−ST−L、平均粒径45nm、固形分濃度30%、日産化学工業(株)製)4.5質量部、アクリロイル基を有するポリシロキサン化合物(X−22−164C,信越化学工業(株)製)0.15質量部、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.23質量部、前記オルガノシラン化合物A溶液2.0質量部、及びメチルエチルケトン81.2質量部、シクロヘキサノン2.8質量部を添加して撹拌した。孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗料(f)を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.44であった。
(低屈折率層用塗料(g)の調製)
前記パーフルオロオレフィン共重合体(1)の溶液(固形分濃度30%)10.5質量部に、中空のシリカ微粒子のMEK分散液(屈折率1.31、平均粒径60nm、固形分濃度20%)6.75質量部、アクリロイル基を有するポリシロキサン化合物(X−22−164C,信越化学工業(株)製)0.15質量部、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.23質量部、上記オルガノシラン化合物A溶液2.0質量部、及び、メチルエチルケトン81.2質量部、シクロヘキサノン2.8質量部を添加して撹拌した。孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗料(g)を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.41であった。
(低屈折率層用塗料(h)の調製)
前記パーフルオロオレフィン共重合体(1)の溶液(固形分濃度30%)13.5質量部に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)0.45質量部、アクリロイル基を有するポリシロキサン化合物(X−22−164C、信越化学工業(株)製)0.15質量部、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.23質量部、及び、メチルエチルケトン81.2質量部、シクロヘキサノン2.8質量部を添加して、撹拌した。孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗料(h)を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.44であった。
(低屈折率層用塗料(i)の調製)
前記低屈折率層用塗料(a)の調製液100質量部に対して、反応性ポリシロキサン化合物(X−22−160AS、信越化学工業(株)製)0.15質量部を加えて攪拌した。この塗料による塗膜の屈折率は1.42であり、水に対する接触角は105°であった。
(低屈折率層用塗料(j)の調製)
前記低屈折率層用塗料(a)の調製液100質量部に対して、反応性ポリシロキサン化合物(X−22−170DX、信越化学工業(株)製)0.15質量部を加えて攪拌した。この塗料による塗膜の屈折率は1.42であり、水に対する接触角は103°であった。
(光学機能フィルム試料101〜137の作製:各塗設層の形成、鹸化処理)
(1)帯電防止層の塗設
表2に記載の、種々の膜厚のセルローストリアシレートフィルムをロール形態で巻き出して、下記の装置構成および塗布条件で示されるダイコート法によって帯電防止層用塗布液Aを塗布し、30℃で15秒間、90℃で20秒間乾燥の後、さらに窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照射量90mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、塗布膜厚が表2に記載になるような帯電防止層を形成し、巻き取った。
基本条件:スロットダイ13は、上流側リップランド長IUPが0.5mm、下流側リップランド長ILOが50μmで,スロット16の開口部のウェブ走行方向における長さが150μm、スロット16の長さが50mmのものを使用した。上流側リップランド18aとウェブWの隙間を、下流側リップランド18bとウェブWの隙間よりも50μm長くし(以下、オーバーバイト長さ50μmと称する)、下流側リップランド18bとウェブWとの隙間GLを50μmに設定した。また、減圧チャンバー40のサイドプレート40bとウェブWとの隙間GS、及びバックプレート40aとウェブWとの隙間GBはともに200μmとした。塗布速度は40m/分とし、それぞれの塗布液の液物性と所望する塗布膜厚に合うように塗布液量を調整した。なお、塗布幅:1300mm、有効幅:1280mmとした。
(2)光拡散層の塗設
前記帯電防止層を塗布した試料、または種々の膜厚を有するセルロースアシレーフィルムをロール形態で巻き出して、乾燥、紫外線照射条件を前記帯電防止層の塗設と同様にして、塗布膜厚が表2に記載になるような光拡散層を形成して巻き取った。
(3)低屈折率層の塗設
上記光拡散層用塗布液を塗布したセルロースアシレーフィルムをロール形態で巻き出して、前記低屈折率層用塗布液を上記の基本条件で塗布し、120℃で150秒乾燥の後、更に140℃で8分乾燥させてから窒素パージにより酸素濃度0.1%の雰囲気下で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射し、厚さ100nmの低屈折率層を形成し、巻き取った。なお低屈折率層塗布液dについては、120℃で150秒乾燥の後、更に140℃で20分乾燥させた。
(4)反射防止フィルムの鹸化処理
前記低屈折率層の製膜後、前記試料について、以下の処理を行った。
1.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を調製し、55℃に保温した。0.01mol/lの希硫酸水溶液を調製し、35℃に保温した。作製した反射防止フィルムを前記の水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬した後、水に浸漬し水酸化ナトリウム水溶液を十分に洗い流した。次いで、前記の希硫酸水溶液に1分間浸漬した後、水に浸漬し希硫酸水溶液を十分に洗い流した。最後に試料を120℃で十分に乾燥させた。なお、低屈折率層塗布液dを塗設した試料については塗設側と反対側の面についてのみ鹸化処理を行った。
このようにして、鹸化処理済みの光学機能フィルム試料101〜137を作製した。
各塗設層の積層の組合せと支持体膜厚、各塗設層膜厚を表2に示す。なお塗布順は、支持体に対して表2に向かって左側に記載の層(帯電防止層等)から順に積層塗布した。
Figure 2006276839
(光学機能フィルムの評価)
得られたフィルムについて、以下の項目の評価を行った。結果を表3に示す。
(1)平均反射率
フィルムの裏面をサンドペーパーで祖面化した後に黒色インクで処理し、裏面反射をなくした状態で、表面側を、分光光度計(日本分光(株)製)を用いて、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における鏡面分光反射率を測定した。結果には450〜650nmの鏡面反射率の算術平均値を用いた。
(2)ヘイズ値
JIS−K7136に準じてフィルム試料のヘイズ値を測定した。
(3)防眩性
フィルム試料の機能層塗設側にルーバーなしのむき出し蛍光灯(8000cd/m2)を45度の角度から映し、−45度の方向から観察した際の反射像のボケの程度を以下の基準で評価した。
蛍光灯の輪郭が全くわからない :◎
蛍光灯の輪郭がわずかにわかる :○
蛍光灯の周囲が白くぼけているが、輪郭は識別できる :△
蛍光灯の周囲がごく僅か白くぼける :△×
蛍光灯の周囲が全くぼけず、輪郭もクッキリ見える :×
(4)鉛筆硬度
耐傷性の指標としてJIS K 5400に記載の鉛筆硬度評価を行った。塗設後のフィルム試料を温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、JIS S 6006に規定する3Hの試験用鉛筆を用いて、0.5kgの荷重にて塗設層について引っ掻き試験を行い、以下の基準で硬度を評価した。
n=5の評価において傷が全く認められない :○
n=5の評価において傷が1つ :○〜△
n=5の評価において傷が2つ :△
n=5の評価において傷が3つ以上 :×
(5)カール値
試料を塗布ロール搬送方向に30cm、塗布幅方向に20cmの大きさに切り取り、25℃20%RHの環境下、水平作業台の上で光学機能層を有する側を上向きにして24時間静置した。その後試料の四隅について水平作業台から持ち上がった距離を定規で測定し、その平均をとった。
(6)表面比抵抗
試料を(25℃/60%RH)の条件下に1時間放置した後、同条件下で低屈折率層を有する側の表面比抵抗を、超絶縁抵抗/微小電流計TR8601((株)アドバンテスト製)を用いて測定した。
評価結果を表3に示す。
Figure 2006276839
表2と表3の結果から、従来の厚手支持体試料(No.133:80μm)に対して、40μmの薄手支持体試料(No.132)にするとカールが大きくなることが分かる。この薄手支持体に対して、本発明の塗設層の全膜厚を5μm以下まで薄くした試料(No.101〜129)は、カールが小さくなって好ましいことが分かる。さらに光拡散層に無機微粒子を含有した試料(No.107、111〜113)やアルキレンオキシド類を付加した多官能アクリレート系化合物を用いた試料(No.108〜110)はカールが一層小さくなって好ましいことが分かる。加えて、光拡散層に含有する無機微粒子を導電性の無機微粒子にした試料(No.112、113)は表面比抵抗値も小さくなってより好ましいことが分かる。また、光拡散層に無機微粒子を含有した試料(No.107、111〜113)は鉛筆硬度が強くなっていることが分かる。
支持体膜厚の厚い比較試料(No.130、133、136、137)は、カール値が小さく鉛筆硬度も高いが、将来、種々の光学機能フィルム支持体の薄手化が進んだときに、この厚手膜厚によってコストアップの問題や薄手化不十分の問題が依然として残る。
[実施例2]
(疎水化剤含有セルロースアシレートフィルムの作製)
(セルロースアセテートフィルム2aの作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液Bを調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
<セルロースアセテート溶液B組成>
酢化度61.2%のセルロースアセテート 50質量部
酢化度60.6%のセルロースアセテート 50質量部
トリフェニルホスフェート(疎水化剤1) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(疎水化剤2) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 280質量部
メタノール(第2溶媒) 54質量部
1−ブタノール 11質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
別のミキシングタンクに、下記の組成物を投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、添加剤溶液C1を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
<添加剤溶液C1組成>
メチレンクロライド 80質量部
メタノール 20質量部
UV吸収剤(A) 2質量部
UV吸収剤(B) 4質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
Figure 2006276839
セルロースアセテート溶液Bを474質量部に、添加剤溶液C1を40質量部を添加し、充分に攪拌して、ドープを調製した。ドープを流延口から0℃に冷却したドラム上に流延した。溶媒含有率70質量%で剥ぎ取り、フィルムの巾方向の両端をピンテンター(特開平4−1009号公報の図3に記載のピンテンター)で固定し、横方向(機械方向に垂直な方向)の延伸率が4%となる間隔を保ちつつ115℃で溶媒含有率が5質量%になるまで乾燥した(乾燥工程1)。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに140℃乾燥し、厚み80μmのセルロースアセテートフィルム2aを作製した。
(セルロースアセテートフィルム2b〜2jの作製)
フィルム膜厚、疎水化剤の種類及び添加量を、表4の内容に変更した以外は上記2aの作製と同様にしてセルロースアセテートフィルム2b〜2jを作製した。
疎水化剤(イ)
Figure 2006276839
Figure 2006276839
(セルロースアシレートフィルムの含水率、透湿度の測定)
このようにして作製したセルロースアセテートフィルム2a〜2jの含水率、透湿度、を下記の方法で測定した。結果を表5に示す。
(7)含水率の測定
25℃80%RHの環境下24hr調湿後、平沼産業(株)社製AQ−2000カールフィッシャー水分測定装置で平衡含水率を測定した。
(8)透湿度の測定
JIS Z 0208に記載の方法に従い、各サンプルの透湿度を測定した。但し、試験を行った温湿度条件は25℃90%RHである。
(鹸化処理)
セルロースアセテートフィルム2a〜2jを、1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で2分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定の硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、セルロースアセテートフィルム2a〜2jの表面を鹸化した。さらに、富士写真フィルム製WVフィルムを同条件で鹸化し、下記の試料作製に供した。
(偏光板1A〜1Jの作製)
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光子を作製し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、鹸化処理したセルロースアセテートフィルム2aを偏光子の片側に貼り付けた。偏光子の透過軸とセルロースアセテートフィルムの遅相軸とは平行になるように配置した。
さらに実施例3で鹸化処理したWVフィルムをポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の反対側に貼り付けた。このようにして偏光板1Aを作製した。
同様にして表5に示すセルロースアセテートフィルムの組合せで偏光板1B〜1Jを作製した。
(9)偏光板の偏光度の経時変化の測定
このようにして作製した偏光板をWVフィルムがガラス側となるようにガラス板に貼り付け、島津UV2200分光光度計で平行透過率及び直交透過率を測定し下記式により偏光度を算出した。さらに前記偏光板を60℃95%RHで1000時間経時させた後、再度平行透過率及び直交透過率を測定し、経時前後での偏光度の変化を算出した。結果を表5に示す。
Figure 2006276839
表5の結果から、本発明で述べる好ましい疎水化剤を含有するセルロースアシレートフィルムを用いたほう(偏光板1H、1J)が、セルロースアシレートフィルムの含水率、透湿度が小さく、その結果、湿度に対する偏光板の偏光度の変化が小さく、耐久性に優れる偏光板を作製できることがわかる。
Figure 2006276839
(光学機能フィルム試料201〜217の作製:光拡散層と低屈折率層の塗設)
作製したセルロースアセートフィルム2a〜2jの上に、実施例1で調製した光拡散層用塗布液II、低屈折率層用塗布液aを実施例1と同様の方法で積層して光学機能フィルム試料201〜210を作製した。光拡散層塗設後の該層の膜厚は4.6μmで、低屈折率層塗設後の該層の膜厚は0.09μmであった。
(光学機能フィルム試料201〜210の評価)
作製した試料について、25℃、90%RHで透湿度を測定した結果を下記表6に示す。
Figure 2006276839
表6の結果から、本発明の光学機能フィルム同士の比較においても、本発明で述べる好ましい疎水化剤を含有するセルロースアシレートフィルム(2h、2j)を用いたほうが、透湿度が小さくなることが分かる。
本発明の光学機能フィルム試料202、203、205、206、208、210について、鏡面反射率とカールを実施例1と同様の方法で測定した。その結果、鏡面反射率はいずれの試料も1.9%〜2.1%の範囲にあり、カールはいずれの試料も1.5〜2.3の範囲にあり、本発明試料202、203、205、206、208、210は、本発明に係る光学特性、物理特性においても好ましいものであった。
[実施例3]
(光学機能フィルム試料301〜307の作製:光拡散層と低屈折率層の塗設)
実施例1で作製した40μm厚のセルロースアシレートフィルム1上に実施例1で調製しておいた光拡散層用塗布液(X)〜(XV)及び実施例1で使用した光拡散層用塗布液(II)を膜厚以外は実施例1の光拡散層と同様に塗設し、この層の上に実施例1で調製した低屈折率層塗料(a)を実施例1と同様に塗設(膜厚0.09μm)して光学機能フィルム試料301〜306及び307を作製した。光拡散層の膜厚は表7記載のとおりである。
(光学機能フィルム試料301〜307の評価)
作製した光学機能フィルム試料301〜307について評価を行った結果を表7に示す。
表7中、下記評価項目以外の項目は実施例1と同じである。
(10)黒しまり
厚さ1mmのガラス板(ミクロスライドガラス品番S 9111、MATSUNAMI製)の裏表の両面に、表面の平滑な偏光板をクロスニコル状態で貼り合せて作製したものの片面に、本発明の光学機能フィルムを、粘着シートで反射防止層を塗布した側の反対側を貼り合せて、測定用のサンプル片を作製した。続いて、(株)村上色材研究所社製の「ゴニオフォトメータ」機を用いて、まずサンプル片のない時の入射光量I0を測定した。
続いて、入射角を−60°に設定してサンプル片の低屈折率層側から垂直方向に対して−60°傾斜して入射した光量I0の光に対する40°〜50°までの範囲で反射光量を0.1°刻みで測定し、45°傾斜した方向へ反射した光量I45°、50°傾斜した方向へ反射した光量I50°、および40°傾斜した方向へ反射した光量I40°について数値を読み取り、それぞれの角度における−LOG10(I/I0)の値を算出した。
目視による黒しまり性との比較から、この値の大きいほうが黒しまり性に優れ好ましい。
(11)スチールウール耐性
光拡散層塗設側について、ラビングテスターを用いてスチールウールによる擦り試験を行なった。こすり材としてスチールウール(日本スチールウール(株)製、グレードNo.0000)を用い、制動距離(片道)13cm、こすり速度13cm/秒、荷重4.9N/cm2、接触面積1cm×1cm、こすり回数10往復の条件で実施した。最外層の表面についた傷を目視観察して、下記4段階で評価した。
◎ : 注意深く見ても、全く傷が見えない。
○ : 注意深く見ると、僅かに傷が見える。
△ : 弱い傷が見える。
× : 一目見ただけで目立つ傷が見える。
Figure 2006276839
表7の結果から本発明に係る樹脂粒子においては、圧縮強度の大きい粒子を用いたほうが鉛筆硬度、スチールウール耐性に、より優れることがわかる。また本発明に係る血小板状の扁平な樹脂粒子を用いたほうが、黒しまり性向上に、より有利であることがわかる。
[実施例4]
(光学機能フィルム試料401〜403の作製:光拡散層と低屈折率層の塗設)
実施例1で作製した40μm厚のセルロースアシレートフィルム1上に実施例1で調製した光拡散層用塗布液(II)を実施例1の光拡散層と同様に塗設(膜厚4.6μm)し、この層の上に実施例1で使用した低屈折率層塗料(a)、実施例1で調製しておいた低屈折率層塗料(i)、(j)を実施例1と同様にそれぞれ塗設(膜厚0.09μm)して光学機能フィルム試料401〜403を作製した。
(光学機能フィルム試料401〜403の評価)
作製した光学機能フィルム試料401〜403について評価を行った結果を表8に示す。
(12)動摩擦係数
試料を25℃、相対湿度60%で2時間調湿した後、HEIDON−14(商品名)動摩擦測定機により5mmステンレス鋼球、荷重100g、速度60cm/minにて測定した。
(13)シワ
シワは試料フィルムの熱処理時に、すべり性が悪いために伸張や収縮が不均一に起こり、巻き取ったフィルムに巻きシワが発生し、平面性が悪くなる現象である。目視によってシワの程度を以下の基準で評価した。
○ : シワの発生が見られない。
△ : 全長の3%未満の箇所ででシワの発生がみられる。
× : 全長の3%以上の箇所でシワが見られる。
Figure 2006276839
表8の結果から、本発明に係るシリコーン系化合物を含有して動摩擦係数を小さくした光学機能フィルムは巻きシワの発生が少ないことがわかる。
[実施例5]
(偏光板試料501〜529の作製)
1.5mol/L、55℃のNaOH水溶液中に2分間浸漬したあと中和、水洗した、80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製)と、実施例1で作製した光学機能フィルム試料101〜129(鹸化処理済み)を、ポリビニルアルコールにヨウ素を吸着させ、延伸して作製した偏光子の両面に接着、保護して偏光板を作製した。これらを、偏光板試料501〜529とした。
(偏光板の評価)
画像サイズ32インチのLCDパネル(VAモード)の視認側の偏光板の一部を剥がして、上記偏光板試料501〜529にそれぞれ貼り換えたものを作製した。得られた表示装置について、以下の項目の評価を行った。
(14)暗室コントラスト
暗室にて正面コントラストを目視で測定した。
(15)ギラツキ
LCDパネルで緑色のベタ表示をした状態で、B、G、R各画素の部分的な拡大/縮小が不均一に目視される状態(ギラツキ)の程度を目視評価した。
(16)映り込み
得られた液晶テレビにルーバーなしのむき出し蛍光灯(8000cd/m2)を45度の角度から映し、−45度の方向から観察した際の蛍光灯の映り込みの程度を目視評価した。
その結果、本発明の光学機能フィルムを保護フィルムとして貼った偏光板試料501〜529を視認側に用いたLCDパネルは、TAC(トリアセチルセルロース)フィルムのみを保護フィルムとして貼った偏光板を視認側に用いたLCDパネルに比べて、コントラストの低下が気にならず、ギラツキと、映り込みが格段に良くなっていた。
[実施例6]
(偏光板試料601〜629の作製と評価)
偏光板試料501〜529に対して、トリアセチルセルロースフィルムのみからなる保護フィルムを、視野角拡大フィルム(ワイドビューフィルムSA 12B、富士写真フイルム(株)製)に変更した偏光板試料601〜629を透過型TN液晶セルの視認側の偏光板に用い(視野角拡大フィルムが液晶セル側)、バックライト側の偏光板として、視野角拡大フィルムとトリアセチルセルロースフィルムを保護フィルムとした偏光板を用いた(視野角拡大フィルムが液晶セル側)液晶表示装置を作製して目視評価したところ、背景の灯りの映り込みが少なくてクッキリした画像が得られ、かつ、上下左右の視野角が非常に広くて表示品位の高い液晶表示装置が得られた。
[参考]
実施例1−1の光拡散層および低屈折率層をバーコート法にて塗布した。光拡散層には10番バーを用い、低屈折率層には2.9番バーを用いたが、光拡散層では塗布速度が15m/分以上でスジ状の面状ムラが発生し、低屈折率層では塗布速度が20m/分以上でスジ状の面状ムラが発生した。
本発明の光学機能フィルムの好ましい一実施形態(反射防止フィルムの層構成)を模式的に示す断面図である。 本発明を実施したスロットダイ13を用いたコーター10の断面図である。 (A)は本発明のスロットダイ13の断面形状を示し、(B)は従来のスロットダイ30の断面形状を示す。 本発明を実施した塗布工程のスロットダイ13及びその周辺を示す斜視図である。 近接している減圧チャンバー40とウェブWを示す断面図である。(バックプレート40aはチャンバー40本体と一体) 同(バックプレート40aがチャンバー40にネジ40c留め)
符号の説明
1 光学機能フィルム(反射防止フィルム)
2 透明支持体
3 光拡散層
4 低屈折率層
5 透光性微粒子
10 コーター
11 バックアップロール
W ウェブ
13 スロットダイ
14 塗布液
14a ビード
14b 塗膜
15 ポケット
16 スロット
17 先端リップ
18 ランド
18a 上流側リップランド
18b 下流側リップランド
UP 上流側リップランド18aのランド長さ
LO 下流側リップランド18bのランド長さ
O オーバーバイト長さ(下流側リップランド18bと上流側リップランド18aのウェブWとの距離の差)
L 先端リップ17とウェブWの隙間(下流側リップランド18bとウェブWの隙間)
30 従来のスロットダイ
31a 上流側リップランド
31b 下流側リップランド
32 ポケット
33 スロット
40 減圧チャンバー
40a バックプレート
40b サイドプレート
40c ネジ
B バックプレート40aとウェブWの間の隙間
S サイドプレート40bとウェブWの間の隙間

Claims (21)

  1. 膜厚が80μm未満のセルロースアシレートフィルムからなる透明支持体の少なくとも一方の面に塗設層を有する光学機能フィルムにおいて、該塗設層の総膜厚が5μm以下であることを特徴とする光学機能フィルム。
  2. 該セルロースアシレートフィルムからなる透明支持体の膜厚が10μm〜40μmであることを特徴とする請求項1に記載の光学機能フィルム。
  3. 該塗設層の少なくとも1層が平均粒径0.02μm〜0.3μmの無機微粒子を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の光学機能フィルム。
  4. 該無機微粒子含有層のうちの少なくとも1層の無機微粒子が導電性無機微粒子であることを特徴とする請求項3に記載の光学機能フィルム。
  5. 該導電性無機微粒子を含有する塗設層が、全塗設層のうちの支持体に最も近い側に塗設されたことを特徴とする請求項4に記載の光学機能フィルム。
  6. 該塗設層の少なくとも1層にアルキレンオキシド類を付加した多官能アクリレート系化合物を硬化した組成物を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学機能フィルム。
  7. 該塗設層が光拡散層と該光拡散層より0.02以上屈折率が低い低屈折率層の少なくとも2層から構成され、該光拡散層が該低屈折率層より支持体に近い側に塗設されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学機能フィルム。
  8. 該光拡散層が透光性微粒子を含有し、該透光性微粒子が圧縮強度値22〜59N/mm2の樹脂粒子であることを特徴とする請求項7に記載の光学機能フィルム。
  9. 該光拡散層が透光性微粒子を含有し、該粒子の平均粒径が該光拡散層の膜厚の20%〜100%であることを特徴とする請求項7または8に記載の光学機能フィルム。
  10. 該光拡散層が透光性微粒子を含有し、該粒子が血小板状の扁平形状を有し、該粒子の平均厚さ(T1)と平均最大直径(D1)との比(T1/D1)が0.4〜0.7の範囲にあることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の光学機能フィルム。
  11. 該光拡散層の透光性樹脂の屈折率が1.45〜1.90であり、該透光性樹脂と該透光性微粒子の屈折率差が0〜0.30であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の光学機能フィルム。
  12. 該塗設層のいずれかの層に下記一般式(a)で表されるオルガノシラン化合物及びその誘導体の少なくともいずれかを含有することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の光学機能フィルム。
    一般式(a) (R10)s−Si(Z)4-s
    一般式(a)中、R10は置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表す。Zは水酸基または加水分解可能な基を表す。sは1〜3の整数を表す。
  13. 該低屈折率層が中空シリカ微粒子を含有することを特徴とする請求項7〜12のいずれかに記載の光学機能フィルム。
  14. 該低屈折率層が下記一般式(1)で表される含フッ素化合物の架橋または重合反応により形成されたことを特徴とする請求項7〜13のいずれかに記載の光学機能フィルム。
    一般式(1)
    Figure 2006276839
    一般式(1)中、Lは炭素数1〜10の連結基を表し、mは0または1を表す。Xは水素原子またはメチル基を表す。Aは任意のビニルモノマーの重合単位を表し、単一重合単位であっても複数の重合単位で構成されていてもよい。x、y、zはそれぞれの構成重合単位のモル%を表し、30≦x≦60、5≦y≦70、0≦z≦65を満たす値を表す。
  15. 該低屈折率層がシリコーン系化合物を含有し、該低屈折率層表面の動摩擦係数が0.15以下であることを特徴とする請求項14に記載の光学機能フィルム。
  16. 前記セルロースアシレートフィルムが、25℃80%RHにおける含水率が2.9質量%以下のセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の光学機能フィルム。
  17. 前記セルロースアシレートフィルムが、水素結合性水素供与性基を有する疎水化剤を少なくとも一つ、オクタノール−水分配係数(以下logP)の質量平均値が4以上12以下で分子量100以上2000以下の低分子化合物を少なくとも一つ、含有するセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の光学機能フィルム。
  18. 該塗設層のいずれかの層が、塗布液をダイコート法で塗布することによって形成されたことを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の光学機能フィルムの製造方法。
  19. 請求項1〜17のいずれかに記載の光学機能フィルムが偏光膜の2枚の保護フィルムの少なくとも一方に用いられていることを特徴とする偏光板。
  20. 請求項1〜17のいずれかに記載の光学機能フィルム、または請求項19に記載の偏光板が画像表示面に配置されていることを特徴とする画像表示装置。
  21. 画像表示装置が、TN、STN、IPS、VA又はOCBモードの、透過型、反射型又は半透過型の液晶表示装置であることを特徴とする請求項20に記載の画像表示装置。
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