JP2006273899A - フェノール樹脂とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 オルソ化率の高いフェノール樹脂を得る方法、及び、この方法により得られたフェノール樹脂を提供する。
【解決手段】 フェノール類と、アルデヒド類とを反応させるフェノール樹脂の製造方法であって、上記反応時の反応系内の水分量が、反応系全体に対して10重量%以下であり、上記反応時の加熱手段としてマイクロ波を用いることを特徴とするフェノール樹脂の製造方法、ならびに、この製造方法により得られたフェノール樹脂であり、フェノール類の水酸基に対するメチレン基、ジメチレンエーテル基、及び、メチロール基の結合位置の70モル%以上がオルソ部位であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、フェノール樹脂とその製造方法に関するものである。
フェノール樹脂としては、フェノール類に由来するフェノール性水酸基に対する、メチレン基等の結合位置が、オルソ位とパラ位が同程度の比率であるランダム型フェノール樹脂と、オルソ位での結合が多いハイオルソ型フェノール樹脂が知られている。
ランダム型フェノール樹脂は、通常、フェノール類とアルデヒド類とを、蓚酸、パラトルエンスルホン酸、塩酸、硫酸のような、公知の有機酸及び/又は無機酸を触媒として用い、常圧下、還流温度で数時間付加縮合反応を行い、その後、脱水および未反応モノマー類を除去する方法により得られる。
一方、ハイオルソ型フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを、酢酸亜鉛、酢酸鉛、ナフテン酸亜鉛等の2価の金属塩触媒を用い、弱酸性下で付加縮合反応をさせた後、必要に応じて更に酸触媒を添加して脱水しながら縮合反応を進めた後、未反応モノマー類を除去する工程により得られる(例えば、特許文献1ないし3参照。)。
また、他の方法として、弱酸性触媒下で、反応温度を100℃以上にすることにより、ハイオルソ型フェノール樹脂を製造する方法(例えば、特許文献4参照。)、塩基性触媒の存在下、100℃以上の温度で反応を行い、2価の金属塩触媒を使用せずハイオルソ型フェノール樹脂を製造する方法(例えば、特許文献5参照。)、あるいは、110℃以上の温度で2価の金属塩触媒を使用せずにハイオルソ型フェノール樹脂を製造する方法(例えば、特許文献6参照。)などが知られている。
ハイオルソ型フェノール樹脂を得るためには、通例高温で反応させる方が有利であることが知られているが、高温状態を発生させる手法として、物質にマイクロ波を照射する方法が知られている。
マイクロ波を加熱源として用いた場合、局所的に物質の沸点以上になる超高温のスポットが発生するローカルスーパーヒーティングという現象が知られており、通常に外側から順次加温熱されるのとは異なり、マイクロ波が物質の深部まで浸透し、内部より直接加熱されるために起こる固有の現象である。
マイクロ波照射によりフェノール樹脂を合成する方法としては、フェノールとホルムアルデヒド水溶液との混合物に触媒を添加してマイクロ波を照射して反応させる方法(例えば、特許文献7参照。)が知られているが、この方法では、反応系に水分が多量に存在するために、マイクロ波が深部まで浸透せず、ローカルスーパーヒーティングによる効果が充分でなく、ランダム型のフェノール樹脂しか得ることが出来なかった。
特開昭55−090523号公報 特開昭59−080418号公報 特開昭62−230815号公報 特開昭55−155013号公報 特開昭57−051714号公報 特開平04−202312号公報 特開昭55−090523号公報
本発明は、オルソ化率の高いフェノール樹脂を得る方法、及び、この方法により得られたフェノール樹脂を提供するものである。
このような目的は、下記の本発明(1)〜(3)により達成される。
(1)フェノール類と、アルデヒド類とを反応させるフェノール樹脂の製造方法であって、上記反応時の反応系内の水分量が、反応系全体に対して10重量%以下であり、上記反応時の加熱手段としてマイクロ波を用いることを特徴とするフェノール樹脂の製造方法。
(2)上記(1)に記載の製造方法により得られたものであることを特徴とするフェノール樹脂。
(3)上記フェノール樹脂は、フェノール類に由来するフェノール性水酸基に対するメチレン基、ジメチレンエーテル基、及び、メチロール基の結合位置の70モル%以上がオルソ部位である、上記(2)に記載のフェノール樹脂。
本発明は、フェノール類とアルデヒド類とを反応させフェノール樹脂を製造するにあたって、上記反応時の反応系内の水分量が、反応系全体に対して10重量%以下であり、反応時の加熱手段としてマイクロ波を用いることを特徴とするフェノール樹脂の製造方法であり、上記本発明の製造方法で得られたフェノール樹脂は、オルソ化率の高いものである。
以下、本発明のフェノール樹脂とその製造方法について詳細に説明する。
本発明のフェノール樹脂の製造方法は、フェノール類とアルデヒド類とを反応させるフェノール樹脂の製造方法であって、上記反応時の反応系内の水分量が、反応系全体に対して10重量%以下であり、上記反応時の加熱手段としてマイクロ波を用いることを特徴とする。
また、本発明のフェノール樹脂は、上記本発明の製造方法により得られたものであることを特徴とする。
まず、本発明のフェノール樹脂の製造方法(以下、単に「製造方法」ということがある)について説明する。
本発明の製造方法において用いられるフェノール類としては特に限定されないが、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等のキシレノール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール等のエチルフェノール、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール等のブチルフェノール、p−tert−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−クミルフェノール等のアルキルフェノール、フルオロフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、ヨードフェノール等のハロゲン化フェノール、p−フェニルフェノール、アミノフェノール、ニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリニトロフェノール等の1価フェノール置換体、および1−ナフトール、2−ナフトール等の1価のフェノール類、レゾルシン、アルキルレゾルシン、ピロガロール、カテコール、アルキルカテコール、ハイドロキノン、アルキルハイドロキノン、フロログルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ジヒドロキシナフタリン等の多価フェノール類が挙げられる。これらを単独または2種類以上組み合わせて使用することができるが、通常、フェノール、クレゾールが多く用いられる。
また、アルデヒド類としては特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド等が挙げられる。これらを単独または2種類以上組み合わせて使用することができるが、通常、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドなどのホルムアルデヒド類が多く用いられる。
上記フェノール類とアルデヒド類との反応に際しては、目的とするフェノール樹脂の種類や性状に応じて、酸性触媒または塩基性触媒を用いることができるし、これらを有機粒子、無機粒子に固定化した触媒を用いても良い。さらに、これらの触媒を用いずに反応を行うこともできる。
酸性触媒としては特に限定されないが、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、亜リン酸等の無機酸類、蓚酸、ジエチル硫酸、パラトルエンスルホン酸、有機ホスホン酸等の有機酸類、酢酸亜鉛等の金属塩類等が挙げられる。これらを単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。
塩基性触媒としては特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、カルシウム、マグネシウム、バリウム等のアルカリ土類金属の酸化物及び水酸化物、アンモニア、モノエタノールアミン等の第1級アミン、ジエタノールアミン等の第2級アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロウンデセン等の第3級アミン等のアミン系化合物、あるいは炭酸ナトリウム、ヘキサメチレンテトラミン等のアルカリ性物質等が挙げられる。これらを単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。
上記フェノール類(P)とアルデヒド類(F)との反応モル比(F/P)は特に限定されないが、例えば、ノボラック型フェノール樹脂を合成する場合には、通常、F/P=0.1〜0.95として反応させることができる。好ましくは、F/P=0.3〜0.9である。
反応モル比が上記下限値未満であると、得られるフェノール樹脂の歩留りが低くなりやすく、また、分子量が過小となる傾向がある。一方、反応モル比が上記上限値を越えると、分子量の制御が難しくなり、反応条件によってはゲル化もしくは部分的なゲル化物が生成することがある。
また、レゾール型フェノール樹脂を合成する場合には、通常、F/P=0.9〜3.0として反応させることができる。好ましくは、F/P=0.95〜2.5である。
反応モル比が上記下限値未満であると、架橋点が不足して三次元架橋構造が形成されず、硬化しないことがある。一方、反応モル比が上記上限値を越えると、未反応のアルデヒド類が多く残存してしまうことがある。
また、上記反応を行う際の反応条件としては特に限定されないが、反応系の温度は、165〜180℃程度とすることができる。
また、反応時間は、例えば酸性触媒を用いてノボラック型フェノール樹脂を合成する場合は、0.5〜3時間程度、触媒を用いずにノボラック型フェノール樹脂を合成する場合は1〜10時間程度、塩基性触媒を用いてレゾール型フェノール樹脂を合成する場合は、0.5〜2時間程度とすることができる。
本発明の製造方法においては、上記フェノール樹脂の反応を行うにあたって、反応系内の水分量が、反応系全体に対して10重量%以下である。これにより、反応時の加熱手段としてマイクロ波を用いた場合に、マイクロ波のエネルギーを効率的に反応基質に伝えて反応を進行させることができる。
このような目的のためには、反応系内の水分量は7重量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは5重量%以下である。
反応系内の水分量を上記上限値以下とする方法としては特に限定されないが、まず、反応開始時における水分量を上記上限値以下とする方法としては例えば、アルデヒド類としてパラホルムアルデヒドのような水分含有量の少ないものを用いる方法のほか、ホルムアルデヒド水溶液のような水溶液形態のものを用いて、反応前に常圧または減圧下で脱水処理を施すことなどにより行うことができる。 また、反応中の反応系内の水分量を上記上限値以下とする方法としては特に限定されないが、反応によって水を生じる場合は、これを常圧または減圧下で取り除きながら反応する方法(脱水反応)により行うことができる。
なお、本発明の製造方法においては、フェノール類と、アルデヒド類との反応に際して反応溶媒を用いることができるが、マイクロ波を吸収する性質を有する極性溶媒は、フェノール樹脂の合成反応効率を低下させることがあるので、極力用いないことが好ましい。
本発明の製造方法においては、フェノール類と、アルデヒド類との反応に際して、その加熱源としてマイクロ波を用いる。これにより、オルソ化率の高いフェノール樹脂を合成することができる。
マイクロ波を加熱源として用いた場合、このようなフェノール樹脂を合成できる理由は明白ではないが、マイクロ波を照射することにより、マイクロ波が物質の深部まで浸透し、内部より直接加熱されるために、局所的に物質の沸点以上になる超高温のスポットが発生するローカルスーパーヒーティングという現象が起こるためではないかと考えられる。
本発明の製造方法において、熱源として用いることができるマイクロ波の周波数は特に限定されない。現在は電波法により、日本国内では、433.05〜434.79MHz、890〜940MHz、2400〜2500MHz、5725〜5875MHz、及び、24.000〜24.250GHzの周波数帯のマイクロ波が使用できるが、本発明の製造方法に適用するにあたっては、上記以外の周波数帯のマイクロ波でも使用できる。
また、マイクロ波の出力についても特に限定されず、製造装置の規模、合成するフェノール樹脂の性状などに合わせて、適宜選択することができる。
本発明の製造方法では、フェノール樹脂の合成工程において、その一部あるいは全部にマイクロ波の照射を適用することができる。あるいは、マイクロ波の照射と、通常の加熱方法とを併用することもできる。このような場合も本発明に含まれる。
本発明の製造方法において、上記マイクロ波の照射を実施する形態としては特に限定されないが、例えば、反応容器にマイクロ波を吸収しにくい素材を使用し、反応容器の外部よりマイクロ波を照射する方法、または反応容器の内部にマイクロ波発振装置を設置し、反応系中でマイクロ波を照射する方法などが挙げられる。
次に、本発明のフェノール樹脂について説明する。
本発明のフェノール樹脂は、上記本発明の製造方法により得られたものであることを特徴とする。
本発明のフェノール樹脂においては、フェノール類が有するフェノール性水酸基に対するメチレン基、ジメチレンエーテル基、及び、メチロール基の結合位置の70モル%以上がオルソ部位であることが好ましい。さらに好ましくは70〜99モル%である。
上記本発明の製造方法は、このようにオルソ化率の高いフェノール樹脂を効率よく合成できるものである。
なお、上記メチレン基、ジメチレンエーテル基、及び、メチロール基はいずれも、アルデヒド類としてホルムアルデヒドを用いた場合の基名であるが、ホルムアルデヒド以外のアルデヒド類を用いた場合は、それぞれ置換メチレン基、置換ジメチレンエーテル基、及び、置換メチロール基となる。このような場合も本発明に含まれるものである。
このようなフェノール樹脂を合成する方法としては、例えば、フェノールとパラホルムアルデヒドとを反応装置に仕込み、触媒下または無触媒下で、脱水を行いながら反応系内の水分量を0.1〜10重量%に維持して、165〜170℃で0.5〜10時間反応させることにより、合成することができる。
本発明のフェノール樹脂において、上記オルソ化率を高める方法としては特に限定されないが、例えば、反応条件として、反応系中の水分量を0.1〜5重量%、反応温度を170〜180℃とする方法、触媒として酢酸亜鉛などの二価金属塩を用いるか、触媒を用いない系で反応させる方法、あるいは、これらを組み合わせる方法などを挙げることができる。
本発明のフェノール樹脂の形態は特に限定されず、液状、固形状いずれの形態のものでも得ることができる。
本発明のフェノール樹脂において、上記オルソ化率は、IRスペクトルより測定することができる。
具体的には、例えば、フェノールとホルムアルデヒドとの反応により得られたフェノール樹脂について測定する場合には、フーリエ変換赤外分光光度計を用いて、得られたIRスペクトルから、オルソ位メチレン結合(730〜770cm−1、以下D760)、パラ位メチレン結合(800〜840cm−1 、以下D820)の各吸光度より、D820の吸光度を補正して、下記式により算出することができる。
オルソ化率(%)=100×[D760/(D760+D820×1.44)]
以上に説明したように、本発明は、フェノール類とアルデヒド類とを反応させフェノール樹脂を製造するにあたって、上記反応時の反応系内の水分量が、反応系全体に対して10重量%以下であり、反応時の加熱手段としてマイクロ波を用いることを特徴とするフェノール樹脂の製造方法である。
そして、この製造方法により得られた本発明のフェノール樹脂は、オルソ化率の高いものであり、このような性状を要求される用途に好適に適用できるものである。
以下、本発明を実施例により説明する。
[実施例1]
攪拌装置を備えたフラスコに、フェノール1000重量部、92重量%パラホルムアルデヒド243重量部(F/P比=0.7)、蓚酸10重量部を仕込んだ。反応開始前の反応系中の水分量は1.5重量%であった。
上記フラスコを、マルチモード型マイクロ波照射装置を備え、アースされたシールドケース内に設置して、2450MHzのマイクロ波を出力600Wで照射し、反応によって生じる水を常圧除去しながら、反応系中の水分量を2.0〜5.0重量%として165℃で1時間反応させ、ノボラック型フェノール樹脂881重量部を得た。
得られたノボラック型フェノール樹脂は、オルソ化率72.2モル%であった。
[実施例2]
攪拌装置を備えたフラスコに、フェノール1000重量部、92重量%パラホルムアルデヒド243重量部(F/P比=0.7)を仕込んだ。反応開始前の反応系中の水分量は1.6重量%であった。
上記フラスコを上記装置に設置して、2450MHzのマイクロ波を出力600Wで照射して、反応によって生じる水を常圧除去しながら、反応系中の水分量を2.0〜5.0重量%として170℃で6時間反応させ、ノボラック型フェノール樹脂542重量部を得た。
得られたノボラック型フェノール樹脂は、オルソ化率80.8モル%であった。
[実施例3]
攪拌装置を備えたフラスコに、フェノール1000重量部、92重量%パラホルムアルデヒド243重量部(F/P比=0.7)を仕込んだ。反応開始前の反応系中の水分量は1.6重量%であった。
次いで、減圧装置を用いて反応系を減圧脱水し、反応系中の水分量を0.2〜0.5重量%とした。
上記フラスコを上記装置に設置して、2450MHzのマイクロ波を出力600Wで照射して、反応によって生じる水を常圧除去しながら、反応系中の水分量を0.2〜0.5重量%として175℃で6時間反応させ、ノボラック型フェノール樹脂549重量部を得た。
得られたノボラック型フェノール樹脂は、オルソ化率85.9モル%であった。
[実施例4]
攪拌装置を備えたフラスコに、フェノール1000重量部、92重量%パラホルムアルデヒド485重量部(F/P比=1.4)、酢酸亜鉛8重量部を仕込んだ。反応開始前の反応系中の水分量は1.6重量%であった。
上記フラスコを上記装置に設置して、2450MHzのマイクロ波を出力600Wで照射して、反応によって生じる水を常圧除去しながら、反応系中の水分量を2.0〜3.0重量%として170℃で30分間反応させ、ジメチレンエーテル型レゾール樹脂887重量部を得た。
得られたジメチレンエーテル型レゾール樹脂は、オルソ化率81.0モル%であった。
[比較例1]
攪拌装置、コンデンサーを備えたフラスコに、フェノール1000重量部、92重量%パラホルムアルデヒド243重量部(F/P比=0.7)、蓚酸10重量部を仕込んだ。
これを、オイルバスで加熱して、反応によって生じる水を常圧除去しながら、165℃で1時間反応させ、ノボラック型フェノール樹脂894重量部を得た。
得られたノボラック型フェノール樹脂は、オルソ化率52.4モル%であった。
[比較例2]
攪拌装置、コンデンサーを備えたフラスコに、フェノール1000重量部、92重量%パラホルムアルデヒド243重量部(F/P比=0.7)を仕込んだ。
これを、オイルバスで加熱して、反応によって生じる水を常圧除去しながら、170℃で6時間反応させ、ノボラック型フェノール樹脂532重量部を得た。
得られたノボラック型フェノール樹脂は、オルソ化率65.5モル%であった。
[比較例3]
攪拌装置、コンデンサーを備えたフラスコに、フェノール1000重量部、92重量%パラホルムアルデヒド485重量部(F/P比=1.4)、酢酸亜鉛8重量部を仕込んだ。
これを、オイルバスで加熱して、反応によって生じる水を常圧除去しながら、170℃で30分間反応させ、ジメチレンエーテル型レゾール樹脂902重量部を得た。
得られたジメチレンエーテル型レゾール樹脂は、オルソ化率68.1モル%であった。
実施例及び比較例で得られたノボラック型フェノール樹脂のオルソ化率は、下記の方法で測定した。
フーリエ変換赤外分光光度計(Nicolet社製Avatar320)を用いて、上記実施例及び比較例で得られたフェノール樹脂のIRスペクトルから、オルソ位メチレン結合(730〜770cm−1、以下D760)、パラ位メチレン結合(800〜840cm−1 、以下D820)の各吸光度より、D820の吸光度を補正して、下記式により算出した。
オルソ化率(%)=100×[D760/(D760+D820×1.44)]
実施例1〜4は、反応系中の水分量を10重量%以下として、反応時の加熱手段としてマイクロ波を用いる本発明の製造方法により得られたフェノール樹脂であり、通常の加熱手段を適用した比較例1〜3と比べて、ノボラック型フェノール樹脂、ジメチレンエーテル型レゾール樹脂のいずれも、オルソ化率の高いものを合成することができた。
本発明は、フェノール類とアルデヒド類とを反応させフェノール樹脂を製造するにあたって、上記反応時の反応系内の水分量が、反応系全体に対して10重量%以下であり、反応時の加熱手段としてマイクロ波を用いることを特徴とするフェノール樹脂の製造方法である。
そして、この製造方法により得られた本発明のフェノール樹脂は、オルソ化率の高いものであり、このような性状を要求される用途に好適に適用できるものである。

Claims (3)

  1. フェノール類と、アルデヒド類とを反応させるフェノール樹脂の製造方法であって、前記反応時の反応系内の水分量が、反応系全体に対して10重量%以下であり、前記反応時の加熱手段としてマイクロ波を用いることを特徴とするフェノール樹脂の製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法により得られたものであることを特徴とするフェノール樹脂。
  3. 前記フェノール樹脂は、フェノール類に由来するフェノール性水酸基に対する、メチレン基、ジメチレンエーテル基、及び、メチロール基の結合位置の70モル%以上がオルソ部位である、請求項2に記載のフェノール樹脂。
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