JP2006272475A - フライス工具およびスローアウェイインサート - Google Patents
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Abstract
【課題】切刃強度を低下させることなく、しかも切削時に締付けねじにかかる力を低減することができる低切り込み高送り用フライス工具およびこれに用いるスローアウェイインサートを提供する。
【解決手段】先端の外周側にインサート取付部を有する工具本体と、2つの主面および4つの側面を有する略平板状をなし、前記インサート取付部に着脱自在に取り付けられたスローアウェイインサート1とを備え、逃げ面および内側被拘束面は、工具本体の先端側に凸の曲面であり、逃げ面とすくい面との交差稜線に工具本体の先端側に凸の切刃5aが形成されており、後端側被拘束面が着座面となす角度αおよび内側被拘束面が着座面となす角度βをそれぞれ鋭角とし、角度αと角度βがα<βの関係を満足し、スローアウェイインサートが、後端側被拘束面と外周側側面との境界部分と、内側被拘束面と逃げ面との境界部分とを通る直線に対して回転対称である。
【選択図】 図4
【解決手段】先端の外周側にインサート取付部を有する工具本体と、2つの主面および4つの側面を有する略平板状をなし、前記インサート取付部に着脱自在に取り付けられたスローアウェイインサート1とを備え、逃げ面および内側被拘束面は、工具本体の先端側に凸の曲面であり、逃げ面とすくい面との交差稜線に工具本体の先端側に凸の切刃5aが形成されており、後端側被拘束面が着座面となす角度αおよび内側被拘束面が着座面となす角度βをそれぞれ鋭角とし、角度αと角度βがα<βの関係を満足し、スローアウェイインサートが、後端側被拘束面と外周側側面との境界部分と、内側被拘束面と逃げ面との境界部分とを通る直線に対して回転対称である。
【選択図】 図4
Description
本発明は、スローアウェイインサートを工具本体に着脱自在に取り付けたフライス工具およびこれに用いるスローアウェイインサートに関する。
一般に、金属材料等の切削加工に使用される切削工具として、切刃を有するスローアウェイインサートを工具本体に着脱自在に取り付けたフライス工具が知られている。特許文献1には、所定のスローアウェイチップ(スローアウェイインサート)を複数有する高送りスローアウェイ式回転工具(フライス工具)が記載されている。また、特許文献2には、軸線回りに回転される切削工具本体(工具本体)の先端部外周に、所定のスローアウェイチップが着脱可能に取り付けられたスローアウェイ式切削工具が記載されている。
図5(a)は、特許文献1や特許文献2に記載のような従来のフライス工具を示す平面図であり、図5(b)は、その側面図である。図5(a),(b)に示すように、このフライス工具71は、切刃を有する3つのスローアウェイインサート72と、スローアウェイインサート72を取り付けるための3つのインサート取付座(図示せず)が先端部に設けられた工具本体74とで構成されている。
そして、各スローアウェイインサート72の略中央部に形成された貫通口に締付けねじ73を挿通し、該締付けねじの先端側を工具本体74のインサート取付座の座面に形成されたねじ穴に螺合して各スローアウェイインサート72がインサート取付座に着脱自在に取り付けられている。さらに、締付けねじ73で取り付けられたスローアウェイインサート72は、その上面(すくい面76)が工具本体74に備えられたクランプ75で押圧されている。
フライス工具71は、工具自体を図5(a)に示す矢印の方向に回転させて金属材料等を切削し、切刃が摩耗した際には、スローアウェイインサート72を工具本体74から取り外し、新しい切刃を有するスローアウェイインサートに交換して使用する。
このようなフライス工具71を用いた切削中には、締付けねじ73に比較的大きな負荷が掛かるので、スローアウェイインサート72の工具本体74への取り付けは、締付けねじ73に加えてクランプ75で押圧するという構成にするのがよい。特に、低切り込み、高送りの条件で使用する場合には、締付けねじ73に大きな負荷が掛かる。
ところが、この構成では、切刃が摩耗してスローアウェイインサート72をボディー74から取り外す際に、締付けねじ73およびクランプ75の二つを操作しなければならないので操作性が悪く、しかも切削中には切り屑がクランプ75に当たるので、切屑排出性が悪い。また、クランプ75を備えているために、ボディー74における領域77を減肉しなければならないので、ボディー74の剛性が低下するという問題がある。
特許文献3には、平行四辺形をなす上面の鋭角の頂角を挟む辺稜部切れ刃に連なる側面に正の逃げ角が付与され、頂角に回転対称の位置にある下面の鋭角の頂角を挟む辺稜部切れ刃に連なる側面にもそれぞれ正の逃げ角が付与されたスローアウェイインサートおよびこれを備えたスローアウェイ式エンドミルが記載されている。この特許文献3に記載のスローアウェイ式エンドミルでは、着座面とのなす角度が鋭角の側面を有しているので、切削時に切刃に加わる切削力を側壁がサポートすることができ、締付けねじにかかる力が低減し、締付けねじの破損と無縁となる、とされている。すなわち、スローアウェイインサートの側面が所定の傾斜面である場合には、切削時に前記側面がインサート取付座の拘束面に拘束されて、該拘束面から側面に対してインサートをインサート取付座の座面側に押さえつける力が作用するので、締付けねじにかかる力をいくらか低減することができる。
しかしながら、着座面とのなす角度が鋭角の側面は、コーナーチェンジ(切刃が摩耗した際に、インサートを回転して装着し反対側の切刃を使用すること)により逃げ面として機能することになる。したがって、切刃にかかる切削力を効果的に受け止めるために着座面とのなす角度を小さくしすぎると、コーナーチェンジにより逃げ面として機能する際に、逃げ角が小さくなりすぎて切刃の強度が低下するという問題がある。
本発明の課題は、切刃強度を低下させることなく、しかも切削時に締付けねじにかかる力を低減することができる低切り込み高送り用フライス工具およびこれに用いるスローアウェイインサートを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特許文献3に記載のスローアウェイインサートは、工具本体の先端側の切刃および外周側の切刃を両方とも使用して切削するタイプ(特許文献3の図4参照)であるので、側面が着座面となす角度を小さくして締付けねじにかかる力を小さくすることと、切刃強度の低下を防ぐことを両立させることは困難であるが、先端側の正面切刃のみを使用する低切り込み高送り用のフライス工具においては、逃げ面と着座面とのなす角度と、インサート取付部に拘束される被拘束面と着座面とのなす角度とをそれぞれの所定の条件を満足する角度とすることで、切刃強度を低下させることなく、しかも切削時に締付けねじにかかる力を低減することができるという新たな知見を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の低切り込み高送り用フライス工具は、先端の外周側にインサート取付部を有する工具本体と、2つの主面および複数の側面を有する略平板状をなし、前記インサート取付部に着脱自在に取り付けられたスローアウェイインサートとを備え、前記インサート取付部は、前記工具本体の回転方向に向いた座面と、該座面よりも前記工具本体の後端側に位置する後端側壁面と、前記座面よりも前記工具本体の半径方向内側に位置する内側壁面とを有し、前記スローアウェイインサートは、一方の主面がすくい面とされ、他方の主面が前記座面に当接する着座面とされ、前記複数の側面が、前記後端側壁面に当接する後端側被拘束面と、該後端側被拘束面にほぼ対向し前記工具本体の先端側に位置する逃げ面と、前記内側壁面に当接する内側被拘束面と、該内側被拘束面にほぼ対向し前記工具本体の外周側に位置する外周側側面とを有し、前記内側被拘束面が前記内側壁面側に凸の曲面であり、前記逃げ面が工具本体の先端側に凸の曲面であり、前記逃げ面と前記すくい面との交差稜線に工具本体の先端側に凸の切刃が形成され、前記後端側被拘束面と前記外周側側面との境界部分と、前記内側被拘束面と前記逃げ面との境界部分とを通る直線に対して回転対称であり、さらに、前記後端側被拘束面が前記着座面となす角度αおよび前記内側被拘束面が前記着座面となす角度βをそれぞれ鋭角とし、前記角度αと角度βがα<βの関係を満足することを特徴とする。
このように、本発明のフライス工具におけるスローアウェイインサートは、上記直線に対して回転対称である2コーナー仕様であり、工具本体の先端側に凸の逃げ面を有し、この逃げ面とすくい面との交差稜線に形成された切刃のみを用いた低切り込み高送り条件での切削加工に使用され、特許文献3に記載のスローアウェイインサートで使用される外周側の切刃は、本発明におけるスローアウェイインサートでは使用されない。このようなスローアウェイインサートでは、切刃を構成する逃げ面に対向する前記後端側被拘束面に切削時の力が最も大きくかかり、切刃として使用されない外周側側面に対向する前記内側被拘束面には後端側被拘束面にかかるような大きな力はかからない。また、内側被拘束面は、コーナーチェンジのために前記直線に対して180°回転させると、逃げ面として機能し、後端側被拘束面は、前記直線に対して180°回転させると、外周側側面となる。ところで、切削時に後端側被拘束面に作用する大きな力に対応するためには、後端側被拘束面が着座面となす角度が鋭角で、かつ、比較的小さくするのがよい。一方、切刃を構成する逃げ面とすくい面との角度が小さくなりすぎると、切刃の強度が低下する。したがって、本発明では、後端側被拘束面が着座面となす角度αおよび内側被拘束面が着座面となす角度βをそれぞれ鋭角とし、角度αと角度βがα<βの関係を満足するように調整することで、切刃強度を低下させることなく、しかも切削時に締付けねじにかかる力を低減することができる。
また、前記後端側被拘束面と前記内側被拘束面とから構成される被拘束面には、それぞれが異なる方向に向いた少なくとも3つの面が存在し、該3つの面が前記後端側壁面または前記内側壁面に当接しているのがよい。このように、被拘束面を3つ以上の異なる方向に拘束することで、切削中にスローアウェイインサートが回転したりするようなことがなく、インサートが強固に拘束される。
さらに、本発明のフライス工具は、前記スローアウェイインサートの略中央部に形成された貫通口に締付けねじを挿通し、該締付けねじの先端側を前記インサート取付座の前記座面に形成されたねじ穴に螺合してスローアウェイインサートをインサート取付座に固定するのがよい。このように、本発明のフライス工具では、スローアウェイインサートを押圧固定するための従来のクランプを設ける必要がなく、締付けねじで固定するだけで、スローアウェイインサートを十分な強度で固定することができる。
本発明における前記角度αは75°以下であり、前記角度βは75〜80°であるのが好ましい。これにより、後端側被拘束面での十分な拘束力と、十分な切刃強度とを得ることができる。
本発明の低切り込み高送り用スローアウェイインサートは、2つの主面および4つの側面を有する略平板状をなし、一方の主面がすくい面とされ、他方の主面が着座面とされ、フライス工具の工具本体に設けられたインサート取付部に前記すくい面を前記工具本体の回転方向に向けた状態で着脱自在に取り付けて使用し、前記4つの側面は、スローアウェイインサートを前記インサート取付部に取り付けた状態において、前記工具本体の後端側に位置する後端側被拘束面と、該後端側被拘束面にほぼ対向するように前記工具本体の先端側に位置し、該先端側に凸の曲面からなる逃げ面と、前記工具本体の半径方向内側に位置し、該半径方向内側に凸の曲面からなる内側被拘束面と、該内側被拘束面にほぼ対向するように前記工具本体の外周側に位置する外周側側面とからなり、前記逃げ面と前記すくい面との交差稜線に工具本体の先端側に凸の切刃が形成されており、前記後端側被拘束面が前記着座面となす角度αおよび前記内側被拘束面が前記着座面となす角度βをそれぞれ鋭角とし、前記角度αと角度βがα<βの関係を満足し、前記後端側被拘束面と前記外周側側面との境界部分と、前記内側被拘束面と前記逃げ面との境界部分とを通る直線に対して回転対称であることを特徴とする。
本発明のフライス工具によれば、後端側被拘束面が着座面となす角度αおよび内側被拘束面が着座面となす角度βをそれぞれ鋭角とし、角度αと角度βがα<βの関係を満足するので、切刃強度を低下させることなく、しかも切削時に締付けねじにかかる力を低減することができる。これにより、締付けねじ以外にクランプを設ける必要がなく、操作性および切り屑排出性に優れるとともに、クランプを備えることによる工具本体の強度が低下するのを防ぐことができる。
以下、本発明のフライス工具およびスローアウェイインサートの一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1(a),(b)は、本実施形態のスローアウェイインサートを示す斜視図である。図2(a)は、本実施形態のスローアウェイインサートを示す平面図であり、図2(b)は、そのA−A線断面図であり、図2(c)は、図2(a)のB−B線断面図である。図3(a)は、本実施形態の工具本体を示す平面図であり、図3(b)は、その側面図である。図4(a)は、本実施形態のスローアウェイインサートを工具本体に取り付けた状態を示す平面図であり、図4(b)は、その側面図である。
図1(a),(b)および図2(a)〜(c)に示すように、本実施形態のスローアウェイインサートは、2つの主面2(2a,2b)および4つの側面4(4a〜4d)を有する略四角形平板状をなし、一方の主面2aがすくい面とされ、他方の主面2bが着座面とされ、低切り込み高送り用フライス工具の工具本体に設けられたインサート取付部に着脱自在に取り付けて使用される。
スローアウェイインサート1の4つの側面4は、図4(a),(b)に示すインサート取付部14に取り付けられた状態において、工具本体11の後端側に位置する後端側被拘束面4aと、該後端側被拘束面4aにほぼ対向するように工具本体11の先端側に位置し、工具本体11の先端側に凸の逃げ面4cと、工具本体11の半径方向内側に位置し、該半径方向内側に凸の内側被拘束面4bと、該内側被拘束面4bにほぼ対向するように前記工具本体の外周側に位置する外周側側面4dとからなる。逃げ面4cおよび内側被拘束面4bは、4つの側面4を含む平面で切り取った断面の外郭線が略V字状となる曲面である。
逃げ面4cとすくい面2aとの交差稜線には切刃5aが形成されている。また、内側被拘束面4bと着座面2bとの交差稜線には切刃5bが形成されている。両方の主面2a,2bには、切刃5a,5bに沿って、切屑の排出性を高めるためのブレーカ溝8がそれぞれ形成されている。また、該インサート1の略中央部には、図4(b)に示す締付けねじ22を挿通させるための貫通口6が形成されている。
このスローアウェイインサート1は、後端側被拘束面4aと外周側側面4dとの境界部分と、内側被拘束面4bと逃げ面4cとの境界部分とを通る直線Lに対して回転対称である。ここで、「回転対称」とは、スローアウェイインサート1を直線Lのまわりに180°回転させたときに、回転前と同じ立体図形になることをいう。これにより、フライス工具の切削時において、切刃5aが摩耗した際には、直線Lを回転軸としてインサート1を180°回転させることで切刃5bを用いて切削することができる。すなわち、すくい面および着座面をなす両主面2a,2bは、該インサート1を裏返した場合には、それぞれ着座面およびすくい面として使用することができる(両面使用可能な2コーナー仕様)。
後端側被拘束面4aが主面2bとなす角度αおよび内側被拘束面4bが主面2bとなす角度βは、それぞれ鋭角とされ、角度αと角度βはα<βの関係を満足する。また、外周側側面4dが主面2aとなす角度αおよび逃げ面4cが主面2aとなす角度βは、それぞれ鋭角とされ、角度αと角度βはα<βの関係を満足する。これらの角度αと角度βは上記条件を満足すれば特に限定されるものではないが、角度αは好ましくは75°以下、より好ましくは65〜75°であるのがよく、角度βは好ましくは75〜80°であるのがよい。
図3(a),(b)に示すように、工具本体は、先端の外周側に3つのインサート取付部14を有している。各インサート取付部14は、着座面2bが当接する座面16と、該座面16よりも工具本体11の後端側に位置し、後端側被拘束面4aに当接する後端側壁面13aと、座面16よりも工具本体11の半径方向内側に位置し、内側被拘束面4bに当接する内側壁面13bおよび内側壁面13cとを有している。
座面16は、その略中央部に図4(b)に示す締付けねじ22を螺合するためのねじ穴12が形成され、図4(a),(b)に示すフライス工具21の回転軸方向および半径方向に略平行に配設されている。なお、座面16は、フライス工具21の回転軸方向および半径方向に略平行に配設されている場合に限定されるものではなく、切削加工する金属材料等の形状に応じて、フライス工具21の回転軸方向および/または半径方向に任意の角度で傾斜するようにして配設されていてもよい。
フライス工具21は、図4(a),(b)に示すように、スローアウェイインサート1の貫通口6に締付けねじ22を挿通し、該締付けねじ22の先端側をインサート取付座14の座面16に形成されたねじ穴12に螺合することにより、3つのスローアウェイインサート1が各インサート取付座14に着脱自在に取り付けられるようにして構成されている。
この際、スローアウェイインサート1における4つの側面4のうち、外周側側面4dがフライス工具21の外周側に、逃げ面4cが正面側にそれぞれ配置され、外周側の側面4dに対向する内側被拘束面4bが拘束面13b,13cに、正面側の逃げ面4cに対向する後端側被拘束面4aが拘束面13aに当接するようにして配置される。すなわち、スローアウェイインサート1は、後端側被拘束面4aと内側被拘束面4bとから構成される被拘束面に、それぞれが異なる方向に向いた3つの面が存在し、該3つの面が後端側壁面13a、内側壁面13bおよび内側壁面13cにそれぞれ当接している。上記3つの面とは、凸曲面である内側被拘束面4bにおける凸の先端部の両側に存在する互いに異なる方向に向いた2つの面と、後端側被拘束面4aとからなる面のことである。このように、後端側被拘束面4aおよび内側被拘束面4bは、拘束面13a,13b,13cの3つの拘束面により3点拘束されている。また、これらの拘束面13a,13b,13cに拘束される後端側被拘束面4aの角度αおよび内側被拘束面4bの角度βが鋭角であるので、拘束面13a,13b,13cはスローアウェイインサート1が座面16から浮き上がるのを防ぐ働きをする。
この状態で、フライス工具21を図4(a)に示す矢印の方向に回転させ、低切り込み、高送りで使用すると、切削中はインサート1の側面4a,4bがそれぞれインサート取付座14の拘束面13a,13b,13cに3点拘束されるので、インサート1が切削中に回転したり、取付座14から浮くことがなく、締め付けねじ22にかかる負荷が低減される。このため、クランプが不要となり、その結果、フライス工具21は操作性および切屑排出性に優れると共に、クランプを備えることによる工具本体強度の低下がないフライス工具とすることができる。しかも、インサート1の後端側被拘束面4aが主面2bとなす角度αおよび内側被拘束面4bが主面2bとなす角度βが、それぞれ鋭角であり、かつ所定の関係を満足しているので、インサート1は十分な切刃強度を有する。そして、切刃5aが摩耗した際には、締付けねじ22を操作してインサート1を裏返し、切刃5bを用いて切削することができる。
また、スローアウェイインサート1は、拘束面13a,13b,13cにより3点で拘束されているので、インサート1を拘束する拘束力が安定し、切削加工中にインサート1が締付けねじ周りに回転するのを防止することができる。さらに、内側被拘束面4bは、断面が略V字形状の曲面であり、該曲面の中心付近から工具本体11の後端側に向かって工具本体11の外周側に傾斜している。このため、内側被拘束面が外周側に傾斜していない場合と比べて、インサート取付部14を小さくできるので、工具本体11の剛性を高めることができる。
1 スローアウェイインサート
2,2a,2b 主面
4,4a,4b,4c,4d 側面
5,5a,5b 切刃
6 貫通口
8 ブレーカ溝
11 工具本体
12 ねじ穴
13a,13b,13c 拘束面
14 インサート取付座
16 座面
21 フライス工具
22 締付けねじ
2,2a,2b 主面
4,4a,4b,4c,4d 側面
5,5a,5b 切刃
6 貫通口
8 ブレーカ溝
11 工具本体
12 ねじ穴
13a,13b,13c 拘束面
14 インサート取付座
16 座面
21 フライス工具
22 締付けねじ
Claims (5)
- 先端の外周側にインサート取付部を有する工具本体と、2つの主面および複数の側面を有する略平板状をなし、前記インサート取付部に着脱自在に取り付けられたスローアウェイインサートとを備え、
前記インサート取付部は、前記工具本体の回転方向に向いた座面と、該座面よりも前記工具本体の後端側に位置する後端側壁面と、前記座面よりも前記工具本体の半径方向内側に位置する内側壁面とを有し、
前記スローアウェイインサートは、一方の主面がすくい面とされ、他方の主面が前記座面に当接する着座面とされ、前記複数の側面が、前記後端側壁面に当接する後端側被拘束面と、該後端側被拘束面にほぼ対向し前記工具本体の先端側に位置する逃げ面と、前記内側壁面に当接する内側被拘束面と、該内側被拘束面にほぼ対向し前記工具本体の外周側に位置する外周側側面とを有し、前記内側被拘束面が前記内側壁面側に凸の曲面であり、前記逃げ面が工具本体の先端側に凸の曲面であり、前記逃げ面と前記すくい面との交差稜線に工具本体の先端側に凸の切刃が形成され、前記後端側被拘束面と前記外周側側面との境界部分と、前記内側被拘束面と前記逃げ面との境界部分とを通る直線に対して回転対称であり、
さらに、前記後端側被拘束面が前記着座面となす角度αおよび前記内側被拘束面が前記着座面となす角度βをそれぞれ鋭角とし、前記角度αと角度βがα<βの関係を満足することを特徴とする低切り込み高送り用フライス工具。 - 前記後端側被拘束面と前記内側被拘束面とから構成される被拘束面には、それぞれが異なる方向に向いた少なくとも3つの面が存在し、該3つの面が前記後端側壁面または前記内側壁面に当接している請求項1記載のフライス工具。
- 前記スローアウェイインサートの略中央部に形成された貫通口に締付けねじを挿通し、該締付けねじの先端側を前記インサート取付座の前記座面に形成されたねじ穴に螺合してスローアウェイインサートをインサート取付座に固定する請求項1または2記載のフライス工具。
- 前記角度αが75°以下であり、前記角度βが75〜80°である請求項1〜3のいずれかに記載のフライス工具。
- 2つの主面および4つの側面を有する略平板状をなし、一方の主面がすくい面とされ、他方の主面が着座面とされ、フライス工具の工具本体に設けられたインサート取付部に前記すくい面を前記工具本体の回転方向に向けた状態で着脱自在に取り付けて使用するスローアウェイインサートであって、
前記4つの側面は、スローアウェイインサートを前記インサート取付部に取り付けた状態において、前記工具本体の後端側に位置する後端側被拘束面と、該後端側被拘束面にほぼ対向するように前記工具本体の先端側に位置し、該先端側に凸の曲面からなる逃げ面と、前記工具本体の半径方向内側に位置し、該半径方向内側に凸の曲面からなる内側被拘束面と、該内側被拘束面にほぼ対向するように前記工具本体の外周側に位置する外周側側面とからなり、前記逃げ面と前記すくい面との交差稜線に工具本体の先端側に凸の切刃が形成されており、前記後端側被拘束面が前記着座面となす角度αおよび前記内側被拘束面が前記着座面となす角度βをそれぞれ鋭角とし、前記角度αと角度βがα<βの関係を満足し、前記後端側被拘束面と前記外周側側面との境界部分と、前記内側被拘束面と前記逃げ面との境界部分とを通る直線に対して回転対称である、低切り込み高送り用スローアウェイインサート。
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Cited By (1)
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JP2015093342A (ja) * | 2013-11-11 | 2015-05-18 | 三菱マテリアル株式会社 | 切削インサートおよび刃先交換式穴加工工具 |
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2005
- 2005-03-28 JP JP2005091647A patent/JP2006272475A/ja active Pending
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