JP2006269667A - 光反射膜およびそれを用いた発光ダイオード用パッケージ - Google Patents
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Abstract
【課題】 光の反射率が高く、かつ変色しにくいロジウムを含む表面金属層を備える上、当該表面金属層の表面が良好な光沢面とされた光反射膜と、この光反射膜を用いて窓枠の内面を光反射面とした発光ダイオード用パッケージとを提供する。
【解決手段】 光反射膜1は、基材2側から順に、少なくとも1層の下地金属層11と、金、パラジウムおよび白金からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む中間金属層12と、ロジウムを含む表面金属層13とをこの順に積層した。発光ダイオード用パッケージPは、上記光反射膜1を有する、基材としての窓枠2を、半導体発光素子LE1を搭載するための基板3上と組み合わせた。
【選択図】 図1
【解決手段】 光反射膜1は、基材2側から順に、少なくとも1層の下地金属層11と、金、パラジウムおよび白金からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む中間金属層12と、ロジウムを含む表面金属層13とをこの順に積層した。発光ダイオード用パッケージPは、上記光反射膜1を有する、基材としての窓枠2を、半導体発光素子LE1を搭載するための基板3上と組み合わせた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、特に、樹脂製の基材の表面に形成されて、当該表面を光反射面とするための光反射膜と、この光反射膜を備えた発光ダイオード用パッケージとに関するものである。
例えば、カメラ付携帯電話のフラッシュ等として、高輝度の白色に発光する発光ダイオードが用いられる。半導体基板上に、発光層や電極層などを形成したチップ状の半導体発光素子を用いて、上記フラッシュ等として使用可能な発光ダイオードを形成するには、半導体発光素子を収容するための凹部を有し、この凹部の、開口と対向する底面を、当該半導体発光素子を搭載するための搭載部としたパッケージなどを用いるのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
そして、上記パッケージの搭載部に半導体発光素子を搭載し、次いで、凹部に蛍光体および/または保護樹脂を充てんして、搭載した半導体発光素子を封止すると共に、光の取り出し口である凹部の開口を、必要に応じて封止キャップやレンズなどで閉じることによって、発光ダイオードが構成される。
上記パッケージにおいては、発光ダイオードの発光効率を向上するため、凹部の、底面と開口との間の、半導体発光素子を囲む内面を、底面側から開口側へ向けて外方に拡がった形状に形成すると共に、半導体発光素子からの光を反射するための光反射膜を形成して、当該内面を、半導体発光素子からの光を開口側へ反射させるための光反射面とすることが行われる。パッケージは、通常、半導体発光素子を搭載するための、平板状の基板の片面に、上記凹部のもとになる通孔を備えた、立体形状を有する部材(窓枠)を積層して構成される。
特許文献1記載の発明では、上記パッケージを構成する基板と窓枠とを、いずれも、セラミックによって形成している。また、基板や窓枠のもとになるセラミックとしては、従来、酸化アルミニウムが一般的に用いられてきたが、近時、半導体発光素子の高出力化に十分に対応する放熱性能を得るため、熱伝導率が高く放熱性能に優れた、窒化アルミニウムなどを用いることが検討されている。
また、窒化アルミニウムなどの、放熱性能に優れたセラミックの多くは加工性が良好でなく、特に、前記のように、底面側から開口側へ向けて外方に拡がった形状の通孔等を備えた、複雑な立体形状を有するセラミック窓枠を形成するのが容易でないことから、パッケージの加工性を向上するために、窓枠を、加工性のよい樹脂によって形成して、セラミック製の基板と組み合わせることも検討されている。
また、窓枠の内面に形成されて、当該内面を光反射面とするための光反射膜としては、銀、ロジウム、金、アルミニウムおよびこれらを含む合金からなる膜、中でも銀の膜が、好適に使用される(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−232017号公報(請求項1、第0003欄〜第0004欄、第0012欄〜第0023欄、図1、図4)
特開2004−186309号公報(請求項1、2、第0014欄、第0048欄)
銀は、前記例示の金属の中でも、白銀色で、反射光の色味に影響を及ぼさない上、可視領域の全域に亘って光の反射率が高いため、発光ダイオードの発光効率を向上する効果に優れるものの、空気中等で無光沢白色に変色しやすいことから、良好な反射率を、長期間に亘って維持できないという問題がある。そこで、銀と同様に白銀色で、反射光の色味に影響を及ぼさず、また、銀に次いで、可視領域の全域に亘る反射率が高い上、銀よりも化学的に安定で、変色しにくいロジウムの膜を、光反射膜として用いることが検討される。
しかし、ロジウムは、地球上にごく少量しか存在せず、きわめて高価であるため、限りある資源を有効に利用することや、光反射膜の生産コストを抑制すること等を考慮すると、多量に使用することができず、ロジウムの膜の厚みは、およそ0.5μm以下といったごく薄い範囲に制限される。そのため、例えば、先に説明したように樹脂等からなり、なおかつ、光反射膜の密着性を向上するために粗化した基材の表面に、光の反射率に優れた、平滑性の高い光反射膜を形成するには、光反射膜を、ロジウム以外の他の金属からなり、表面が平滑に形成される下地金属層と、最表面の、ロジウムからなる表面金属層とを含む2層以上の積層構造に形成する必要がある。
下地金属層としては、例えば、その表面を、良好な光沢面に仕上げることができる光沢銅めっき層等が挙げられる。また、下地層は、光反射膜を硬くするため、上記光沢銅めっき層上に、ニッケル等からなる補強めっき層を形成した積層構造に形成することもできる。
ところが、発明者が検討したところ、上記下地金属層の最表面である、光沢銅めっき層上や補強めっき層上に、直接に、通常のロジウムめっき浴を用いて、ロジウムからなる表面金属層を形成すると、逆に平滑性が低下して、当該表面金属層の表面が良好な光沢面にならないことが明らかとなった。その詳細な原因は不明であるが、下地の金属との間で置換めっきが進行して、下地表面の平滑性が損なわれるためではないかと考えられる。
本発明の目的は、光の反射率が高く、かつ変色しにくいロジウムからなる表面金属層を備える上、当該表面金属層の表面が良好な光沢面とされた光反射膜と、この光反射膜を用いて窓枠の内面を光反射面とした発光ダイオード用パッケージとを提供することにある。
請求項1記載の発明は、基材の表面に形成されて、当該表面を光反射面とするための光反射膜であって、基材側から順に、少なくとも1層の下地金属層と、金、パラジウムおよび白金からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む中間金属層と、少なくともロジウムを含む表面金属層とを有することを特徴とする光反射膜である。
請求項2記載の発明は、表面金属層の厚みが0.001〜1μmである請求項1記載の光反射膜である。
請求項3記載の発明は、中間金属層の厚みが0.001〜5μmである請求項1記載の光反射膜である。
請求項4記載の発明は、下地金属層が、光沢めっき層を少なくとも含む請求項1記載の光反射膜である。
請求項5記載の発明は、光沢めっき層の厚みが5〜20μmである請求項4記載の光反射膜である。
請求項6記載の発明は、光沢めっき層の結晶粒径が100nm以下である請求項4記載の光反射膜である。
請求項7記載の発明は、光沢めっき層の表面の算術平均高さRaが100nm以下である請求項4記載の光反射膜である。
請求項8記載の発明は、下地金属層が、光沢めっき層を形成する金属より硬い金属からなり、当該光沢めっき層上に積層される補強めっき層を有する請求項4記載の光反射膜である。
請求項9記載の発明は、補強めっき層の厚みが1〜10μmである請求項8記載の光反射膜である。
請求項10記載の発明は、樹脂製の基材の表面に形成される請求項1記載の光反射膜である。
請求項11記載の発明は、半導体発光素子を搭載するための基板と、基板に搭載される半導体発光素子を囲む、樹脂製の窓枠とを有する発光ダイオード用パッケージであって、窓枠の、半導体発光素子を囲む内面に、請求項1記載の光反射膜が形成されて、当該内面が光反射面とされることを特徴とする発光ダイオード用パッケージである。
請求項1記載の発明によれば、下地金属層の最表面を形成する光沢めっき層(光沢銅めっき層等)や補強めっき層の表面を、金、パラジウムおよび白金からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属からなる中間金属層で被覆して保護した状態で、その上に、表面金属層を形成することができる。そのため、通常のロジウムめっき浴等を用いて、ロジウムからなる表面金属層を形成した際に、その表面の平滑性が低下するのを防止して、当該表面金属層の表面を良好な光沢面に仕上げることができる。したがって、請求項1記載の発明によれば、光の反射率が高く、かつ変色しにくいロジウムからなる表面金属層を備える上、当該表面金属層の表面が良好な光沢面とされた光反射膜を提供することが可能となる。
なお、本発明で言うところの、金、パラジウムおよび白金からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む中間金属層としては、上記3種の金属のうちの1種または2種以上のみからなる金属層のほかに、これらの金属を主成分として含有し、かつ、その他の金属をも含む金属層も含まれることとする。主成分である、金、パラジウムおよび白金からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属の割合は、これらの金属による、下地金属層の最表面を形成する光沢めっき層や補強めっき層の表面を保護する効果を十分に発揮させることを考慮すると、中間金属層を形成する金属の総量の50重量%以上、特に80重量%以上であるのが好ましい。中間金属層に含有させてもよいその他の金属としては、種々の金属が挙げられるが、中でも、ニッケル、コバルト、銅、パラジウム、白金、銀、金、錫、ロジウム等の1種または2種以上が好ましい。
また、本発明で言うところの、少なくともロジウムを含む表面金属層としては、ロジウムのみからなる金属層のほかに、ロジウムを主成分として含有し、かつ、その他の金属をも含む金属層も含まれることとする。主成分であるロジウムの割合は、表面金属層の、ロジウムによる良好な色味を維持することや、他の金属を含むことによって内部応力が高くなって、下地との密着不良を引き起こして、表面の光沢が低下するのを防止すること等を考慮すると、表面金属層を形成する金属の総量の90重量%以上、特に99.9重量%以上であるのが好ましい。表面金属層に含有させてもよいその他の金属としては、種々の金属が挙げられるが、特に、ロジウムの色味に影響を及ぼしにくい、パラジウム、白金、銀、錫等の1種または2種以上が好ましい。
表面金属層の厚みは、0.001〜1μmであるのが好ましい。表面金属層の厚みがこの範囲未満では、光の反射率が高く、当該面金属層の表面が良好な光沢面とされた光反射膜が得られないおそれがある。また、表面金属層の厚みがこの範囲を超える場合には、当該表面金属層自身の応力によってクラックが発生しやすくなり、クラックが発生すると、光の散乱を起こして、反射率が低下するおそれがある。これに対し、表面金属層の厚みを上記の範囲内とした請求項2記載の発明によれば、これらの問題が生じるのを確実に防止して、より一層、良好な特性を有する光反射膜を提供することが可能となる。
中間金属層の厚みは、0.001〜5μmであるのが好ましい。中間金属層の厚みがこの範囲未満では、当該中間金属層による、下地金属層の表面を保護して、その上に、ロジウムからなる表面金属層を形成した際に平滑性が低下するのを防止する効果が十分に得られないおそれがある。また、中間金属層の厚みがこの範囲を超える場合には、光反射膜のコストアップに繋がるおそれがある。これに対し、中間金属層の厚みを上記の範囲内とした請求項3記載の発明によれば、これらの問題が生じるのを確実に防止して、より一層、良好な特性を有する光反射膜を提供することが可能となる。
下地金属層は、光反射膜の密着性を向上するために粗化した基材の表面に、光の反射率に優れた、平滑性の高い光反射膜を形成するための下地として、請求項4に記載したように、光沢めっき層を有しているのが好ましい。また、光沢めっき層の厚みは、できるだけ光の反射率に優れた、平滑性の高い光反射膜を形成することと、例えば、基材として樹脂を使用して、光反射膜を有する部材の全体を金属で形成する場合よりも軽量化することとの兼ね合いを考慮すると、請求項5に記載したように、5〜20μmであるのが好ましい。
また、光沢めっき層は、できるだけ光の反射率に優れた、平滑性の高い光反射膜を形成することを考慮すると、その結晶粒径が、請求項6に記載したように、100nm以下であるのが好ましい。また、同じ理由で、光沢めっき層の表面の算術平均高さRaは、請求項7に記載したように、100nm以下であるのが好ましい。
また、下地金属層は、光反射膜を補強するため、請求項8に記載したように、光沢めっき層を形成する金属より硬い金属からなり、当該光沢めっき層上に積層される補強めっき層を有しているのが好ましい。また、補強めっき層の厚みは、光反射膜を十分に補強すること、できるだけ光の反射率に優れた、平滑性の高い光反射膜を形成すること、および光反射膜を有する部材の全体を金属で形成する場合よりも軽量化することの兼ね合いを考慮すると、請求項9に記載したように、1〜10μmであるのが好ましい。
上記本発明の光反射膜は、種々の基材の表面に形成することができるが、特に、光反射膜を有する部材の全体を金属で形成する場合よりも軽量化することを考慮すると、請求項10に記載したように、樹脂製の基材の表面に形成するのが好ましい。
請求項11記載の発明によれば、加工性に優れ、生産性良く、かつ歩留まり良く製造された樹脂製の窓枠を、放熱性に優れたセラミック性の基体と組み合わせて用いることができるため、発光ダイオード用パッケージとしての良好な放熱性を維持しつつ、その生産性や製造の歩留まりを向上することが可能となる。また、上記窓枠の内面に、光の反射率が高く、かつ変色しにくいロジウムからなる表面金属層を備える上、当該表面金属層の表面が良好な光沢面とされた、本発明の光反射膜を形成しているため、発光ダイオードの発光効率を、これまでよりも向上すると共に、長期間に亘って良好に維持することができる。
〈光反射膜〉
図1(a)は、本発明の光反射膜1の、実施の形態の一例を示す断面図である。図1(a)を参照して、この例の光反射膜1は、樹脂等の基材2の表面に形成されて、当該表面を光反射面とするためのものであって、基材2側から順に、下地金属層11と、中間金属層12と、表面金属層13とを備えている。また、下地金属層11は、光沢めっき層11aと、当該光沢めっき層11aの上に積層された補強めっき層11bとを有している。
図1(a)は、本発明の光反射膜1の、実施の形態の一例を示す断面図である。図1(a)を参照して、この例の光反射膜1は、樹脂等の基材2の表面に形成されて、当該表面を光反射面とするためのものであって、基材2側から順に、下地金属層11と、中間金属層12と、表面金属層13とを備えている。また、下地金属層11は、光沢めっき層11aと、当該光沢めっき層11aの上に積層された補強めっき層11bとを有している。
上記のうち、光沢めっき層11aとしては、樹脂等の基材2の、光反射膜1との密着性を向上するために粗化した表面に、光の反射率に優れた、平滑性の高い光反射膜1を形成するための下地として機能しうる、平滑性に優れた、種々の光沢めっき層を採用することができる。
光沢めっき層11aは、結晶粒径が100nm以下、特に、50nm以下であるのが好ましい。結晶粒径がこの範囲を超える場合には、当該光沢めっき層11aの表面を十分に平滑化できないおそれがある。そのため、光沢めっき層11aの上に、補強めっき層11b、中間金属層12および表面金属層13を積層しても、光の反射率に優れた、平滑性の高い光反射膜1を形成できないおそれがある。結晶粒径は小さければ小さいほど好ましいく、その下限は特に限定されないが、実用上は、10nm以上であるのが好ましい。
また、光沢めっき層11aは、その表面の、日本工業規格JIS B0601:2001「製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメータ」において規定される算術平均高さRaが100nm以下、特に、50nm以下であるのが好ましい。算術平均高さRaがこの範囲を超える場合には、当該光沢めっき層11aの表面が十分に平滑化されていないことになるため、当該光沢めっき層11aの上に、補強めっき層11b、中間金属層12および表面金属層13を積層しても、光の反射率に優れた、平滑性の高い光反射膜1を形成できないおそれがある。算術平均粗さは小さければ小さいほど好ましく、その下限は0nmである。
また、光沢めっき層11aの厚みは、5〜20μmであるのが好ましい。厚みがこの範囲未満では、光沢めっき層11aの表面を十分に平滑化できないおそれがある。そのため、当該光沢めっき層11aの上に、補強めっき層11b、中間金属層12および表面金属層13を積層しても、光の反射率に優れた、平滑性の高い光反射膜1を形成できないおそれがある。また、厚みがこの範囲を超える場合には、例えば、基材2として樹脂を使用して、光反射膜1を有する部材の全体を金属で形成する場合よりも、部材を軽量化する効果が得られないおそれがある。なお、できるだけ光の反射率に優れた、平滑性の高い光反射膜1を形成することと、軽量化することとの兼ね合いを考慮すると、光沢めっき層11aの厚みは、上記の範囲内でも、特に、7〜15μmであるのが好ましい。
なお、本明細書では、例えば、後述するように、光沢めっき層が光沢銅めっき層であって、その下地として無電解銅めっき層や薄いピロリン酸銅めっき層等を形成した上に、光沢銅めっき層が形成される場合など、光沢めっき層が下地層を伴う場合には、各めっき層の厚みの合計を、光沢めっき層の厚みとして規定することとする。
光沢めっき層としては、光沢銅めっき層、光沢ニッケルめっき層等が挙げられ、特に、光沢銅めっき層が好ましい。また、光沢銅めっき層としては、例えば、光沢硫酸銅めっき浴や光沢ピロリン酸銅めっき浴等の、光沢剤を加えた銅めっき浴を用いて形成される光沢銅めっき層や、シアン化銅めっきにおいて、電解電流の極性を周期的に切り替える方法(PR法)によって形成される銅めっき層等が挙げられる。
光沢銅めっき層は、例えば、基材2の表面が樹脂等の絶縁性の材料で形成されるとき、粗面化した基材2の表面に、まず、ごく薄い無電解銅めっき層を形成し、次いで、必要に応じて、薄いピロリン酸銅めっき層等を形成した後、この無電解銅めっき層やピロリン酸銅めっき層を陽極として用いて、上記各種の光沢銅めっき法によって形成することができる。
光沢めっき層11a上に積層される補強めっき層11bは、光沢めっき層11aを形成する金属より硬い金属によって形成される。例えば、光沢めっき層11aが光沢銅めっき層であるとき、補強めっき層11bとしては、銅よりも硬い金属からなる種々のめっき層が挙げられ、特に、ニッケルめっき層が好ましい。
補強めっき層11bの厚みは、1〜10μmであるのが好ましい。補強めっき層11bの厚みが上記の範囲未満では、当該補強めっき層11bによる、光反射膜1を補強する効果が十分に得られないおそれがあり、逆に、厚みがこの範囲を超える場合には、補強めっき層11bの表面の平滑性が低下して、その上に、中間金属層12および表面金属層13を積層しても、光の反射率に優れた、平滑性の高い光反射膜1を形成できないおそれがある。また、例えば、基材2として樹脂を使用して、光反射膜1を有する部材の全体を金属で形成する場合よりも、部材を軽量化する効果が得られないおそれがある。なお、光反射膜1を十分に補強すること、できるだけ光の反射率に優れた、平滑性の高い光反射膜1を形成すること、および軽量化することの兼ね合いを考慮すると、補強めっき層11bの厚みは、上記の範囲内でも、特に、3〜8μmであるのが好ましい。
下地金属層11の上に積層される中間金属層12は、下地金属層11の表面、すなわち、光沢めっき層11aの上に補強めっき層11bを形成する場合は、当該補強めっき層11bの表面、光沢めっき層11a単独で下地金属層11を形成する場合は、当該光沢めっき層11aの表面を保護することで、ロジウムからなる表面金属層13を形成する際に、置換めっきが進行して、表面の平滑性が低下するのを防止するためのものである。かかる中間金属層12は、上記の保護効果を有する、金、パラジウムおよび白金からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属、具体的には、上記3種の金属のいずれか1種単独か、2種または3種の合金、または、これら3種の金属の1種または2種以上と、その他の金属との合金によって形成される。
中間金属層12は、上記の保護効果のみを有していればよいため、その厚みは、他の各金属層11、13よりも大幅に小さくすることができる。具体的には、中間金属層12の厚みは、0.001〜5μmであるのが好ましい。中間金属層12の厚みがこの範囲未満では、下地金属層11の表面を保護して、ロジウムからなる表面金属層13を形成する際に、表面の平滑性が低下するのを防止する効果が十分に得られないおそれがあり、逆に、この範囲を超える場合には、光反射膜のコストアップに繋がるおそれがある。なお、下地金属層11の表面を保護する効果と、光反射膜のコストアップを抑制する効果との兼ね合いを考慮すると、中間金属層12の厚みは、上記の範囲内でも、特に、0.05〜0.20μmであるのが好ましい。かかる薄い中間金属層12は、例えば、ストライクめっきによって形成するのが好ましい。
表面金属層13は、銀と同様に白銀色で、反射光の色味に影響を及ぼさず、また、銀に次いで、可視領域の全域に亘る反射率が高い上、銀よりも化学的に安定で、変色しにくいロジウムによって形成される。ロジウムからなる表面金属層13は、従来同様に、公知のロジウムめっき浴を用いて、中間金属層12の表面を陽極として用いて、当該中間金属層12の上に積層される。
ロジウムからなる表面金属層13の厚みは、0.001〜1μmであるのが好ましい。表面金属層13の厚みがこの範囲未満では、光の反射率が高く、当該面金属層の表面が良好な光沢面とされた光反射膜が得られないおそれがある。逆に、この範囲を超える場合には、当該表面金属層自身の応力によってクラックが発生しやすくなり、クラックが発生すると、光の散乱を起こして、反射率が低下するおそれがある。なお、表面金属層13の表面を、光の反射率が高い、良好な光沢面とする効果と、クラックの発生を抑制する効果との兼ね合いを考慮すると、表面金属層13の厚みは、上記の範囲内でも、特に、0.01〜0.20μmであるのが好ましい。
図1(b)は、本発明の光反射膜1の、実施の形態の他の例を示す断面図である。図1(b)を参照して、この例の光反射膜1は、基材2側から順に、下地金属層11と、中間金属層12と、表面金属層13とを備えている。また、下地金属層11は、光沢めっき層11aのみで形成されている。
光沢めっき層11aとして、補強めっき層11bと同じニッケルからなる、硬度の高い光沢ニッケルめっき層を採用すると、当該光沢ニッケルめっき層によって光反射膜1を補強できることから、上記のように、補強めっき層11bを省略して、光沢めっき層11aのみで、下地金属層11を形成することができる。また、光反射膜1に高い強度が要求されない用途においては、光沢めっき層11aとして光沢銅めっき層を採用しても、上記のように、補強めっき層11bを省略して、光沢めっき層11aのみで、下地金属層11を形成することができる。なお、光沢めっき層11aそれ自体や、その他の各層については、先の、図1(a)の例と同様に構成することができる。
上記各層からなる光反射膜1が形成される基材2としては、金属、セラミック、および樹脂等が挙げられ、中でも、光反射膜1が形成される部材を軽量化することや、当該部材の加工性を向上すること等を考慮すると樹脂が好ましい。また、樹脂としては、例えば、部材が次に述べる発光ダイオード用パッケージの窓枠等であるとき、その耐熱性や寸法安定性等を向上することを考慮すると、液晶ポリマー(LCP)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)等のスーパーエンジニアリングプラスチック類;ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱可塑性ポリエチレン類;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド6T、ポリアミド9T等のポリアミド類が挙げられる。
樹脂としては、めっき可能なグレードのものが、好適に使用される。また、樹脂は、成形後に、例えば電離放射線を照射する等して架橋させてもよい。架橋させることで、基材2の耐熱性をさらに向上することができる。樹脂を、電離放射線の照射等によって架橋させるためには、使用する樹脂に、架橋の起点となる多可能性モノマーからなる繰り返し単位や、重合性官能基等を導入すればよい。架橋は、成形後の任意の時点で行うことができる。
また、樹脂には、基材2の熱膨張係数を調整するために、無機フィラーを含有させてもよい。無機フィラーとしては、例えばピロリン酸カルシウム、破砕シリカ、真球シリカ、クレー、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン等を挙げることができる。中でも特にピロリン酸カルシウム、破砕シリカ、真球シリカが、成形時の樹脂の溶融流動性や、成形品の機械的強度などの観点から好ましい。無機フィラーはそれぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。また、樹脂には、基材2を難燃化するために、臭素系難燃剤等の難燃剤を含有させてもよい。
さらに、基材2の表面は、必要に応じて粗面化してもよい。粗面化の方法としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ水溶液を50〜90℃に加熱した中に、基材2を、およそ1〜60分間、浸漬する方法等が挙げられるが、その他の粗面化方法を採用することもできる。
〈発光ダイオード用パッケージ〉
図2(a)は、本発明の発光ダイオード用パッケージPの、実施の形態の一例のうち、基材としての窓枠2の、同図(b)におけるA−A線断面図、同図(b)は、上記窓枠2の平面図である。また、図3は、上記窓枠2を組み込んだ発光ダイオード用パッケージPの断面図である。
図2(a)は、本発明の発光ダイオード用パッケージPの、実施の形態の一例のうち、基材としての窓枠2の、同図(b)におけるA−A線断面図、同図(b)は、上記窓枠2の平面図である。また、図3は、上記窓枠2を組み込んだ発光ダイオード用パッケージPの断面図である。
これらの図を参照して、この例の窓枠2は、矩形平板状の基板3上に、少なくとも1層の接合層4を介して接合されることで、半導体発光素子LE1を収容するための凹部P1を有する発光ダイオード用パッケージPを構成するためのもので、その全体が樹脂によって一体に形成された、上記基板3の平面形状と一致する矩形状の平面形状を有する平板状の基部20と、この基部20の、図において上面20aから上方に突出された窓枠本体21とを備えている。
また、窓枠本体21には、その上面21aから、基部20の上面20aまで達する通孔22が形成されていると共に、基部21には、当該通孔22と連通して、上記上面20aから、基板3に接合される下面20bまで達する通孔23が形成されている。そして、窓枠2を、基板3上に接合した際に、通孔23が、基部20の下面20b側で閉じられることで、両通孔22、23によって、前記凹部P1が形成される。
通孔22は、基部20の上面20a側から窓枠本体21の上面21a側(凹部P1の開口側)へ向けて外方に拡がった形状に形成されていると共に、その内面が、前記本発明の光反射膜1によって被覆されている。また、通孔23は、その開口寸法が、上記通孔22の、基部20の上面20a側の開口寸法よりも小さく、かつ、図3に示すように、基板3上に搭載した半導体発光素子LE1を収容しうる寸法に設定されている。そして、両通孔22、23の開口寸法の差に基づいて、通孔22の底部の、通孔23の周囲に、基部20の上面20aと一致する段差面22aが形成されていると共に、この段差面22aから、基部20の下面20bまで貫通孔24が形成されている。貫通孔24は、段差面22aの、通孔23を挟む2個所に形成されている。
それぞれの貫通孔24内と、それに続く段差面22aのうち、通孔23の縁部までの領域と、基部20の下面20bのうち、貫通孔24から、当該貫通孔24が形成された側の側端面20cまでの間の領域と、それに続く側端面20cと、それに続く上面20aのうち、窓枠本体21の外側面21bの近傍までの領域には、半導体発光素子LE1への配線として機能する金属層M1が形成されている。そして、一対の金属層M1のうち、段差面22a上の2つの領域M1aが、それぞれ、半導体発光素子LE1の一対の電極(図示せず)との間をワイヤボンディングWBによって接続するための接続部とされている。また、基部20の上面20aのうち、窓枠本体21の外側面21bの近傍までの2つの領域M1bは、図示しない外部回路との接続部とされている。
上記窓枠2は、いわゆる射出成形回路部品(Molded Interconnect Device、「MID」と略記することがある)の製造方法によって形成することができる。また、基板3は、半導体発光素子LE1の高出力化に十分に対応する放熱性能を得るために、熱伝導率が高く放熱性能に優れた材料によって形成するのが好ましい。そのような、放熱性能に優れた材料としては、例えば、AlN、SiC、Cu−W、Cu−Mo、Al−SiC、Si−SiC、Si、W、Mo等の、セラミックや金属、合金が挙げられる。
窓枠2を、矩形平板状の基板3上に接合するための接合層4としては、種々の接着剤の層が挙げられる。ただし、接合層4は、基板3上に、半導体発光素子LE1を実装する際の熱履歴や、発光ダイオードを配線基板等に実装する際の熱履歴、あるいは半導体発光素子LE1の発光時の発熱等に対して十分な耐熱性を有している必要があり、そのような高い耐熱性を有する接合層4を形成することができる接着剤としては、例えば、エポキシ系、ポリイミド系、ポリアミドイミド系、ポリエーテルイミド系、ポリエーテルスルホン系、液晶ポリマー系等の接着剤が挙げられる。
図3の発光ダイオード用パッケージPを用いて発光ダイオードを製造するためには、同図に示すように、凹部P1の底面である半導体発光素子LE1の搭載部に、接合層5を介して半導体発光素子LE1を搭載すると共に、この半導体発光素子LE1の、図示しない一対の電極と、金属層M1のうち、領域M1aとの間をワイヤボンディングWBによって接続した後、従来同様に、凹部P1内に、蛍光体および/または保護樹脂を充てんして、搭載した半導体発光素子LE1を封止し、さらに、光の取り出し方向である開口を、必要に応じて封止キャップやレンズなどで閉じればよい。
このようにして製造される発光ダイオードは、上記蛍光体による蛍光波長を調整することで、高輝度の白色に発光させると共に、この発光を、白銀色で、反射光の色味に影響を及ぼさない上、可視領域の全域に亘って光の反射率が高い本発明の光反射膜1によって、開口側へ、効率よく反射させることができるため、先に説明したように、カメラ付携帯電話用のフラッシュ等として、好適に使用することができる。
なお、本発明の構成は、以上で説明した例のものには限定されない。例えば、本発明の光反射膜1の用途は、上記発光ダイオード用パッケージPの光反射膜には限定されず、種々の用途に適用することができる。その他、本発明の要旨を変更しない範囲で、種々の変更を施すことができる。
実施例1:
(無電解銅めっき層の形成)
PBT製の基材の表面をエッチング処理によって粗化し、次いで、脱脂処理剤〔奥野製薬工業(株)製の商品名エースクリーンA−220〕の水溶液(濃度40g/リットル)を用いて15分間、洗浄して脱脂処理した後、イオン交換水で洗浄した。次に、この基材を、33℃に保温した、無電解めっき前処理剤〔ローム・アンド・ハース電子材料(株)製の商品名キャタプレップ404〕の水溶液(濃度270g/リットル)に5分間、浸漬して前処理した後、45℃に保温した下記の触媒付与剤水溶液に15分間、浸漬して触媒を付与した。
(無電解銅めっき層の形成)
PBT製の基材の表面をエッチング処理によって粗化し、次いで、脱脂処理剤〔奥野製薬工業(株)製の商品名エースクリーンA−220〕の水溶液(濃度40g/リットル)を用いて15分間、洗浄して脱脂処理した後、イオン交換水で洗浄した。次に、この基材を、33℃に保温した、無電解めっき前処理剤〔ローム・アンド・ハース電子材料(株)製の商品名キャタプレップ404〕の水溶液(濃度270g/リットル)に5分間、浸漬して前処理した後、45℃に保温した下記の触媒付与剤水溶液に15分間、浸漬して触媒を付与した。
(成 分) (濃 度)
触媒付与剤 60ミリリットル/リットル
〔ローム・アンド・ハース電子材料(株)製の商品名キャタポジット44〕
無電解めっき前処理剤 270g/リットル
〔ローム・アンド・ハース電子材料(株)製の商品名キャタプレップ404〕
触媒付与剤 60ミリリットル/リットル
〔ローム・アンド・ハース電子材料(株)製の商品名キャタポジット44〕
無電解めっき前処理剤 270g/リットル
〔ローム・アンド・ハース電子材料(株)製の商品名キャタプレップ404〕
次に、上記基材を、45℃に保温した、98%硫酸の水溶液(濃度50ミリリットル/リットル)に5分間、浸漬して触媒を活性化し、イオン交換水で洗浄し、次いで、25℃に保温した下記の無電解銅めっき浴に15分間、浸漬して、その表面に無電解銅めっき層を形成した後、イオン交換水で洗浄した。
(成 分) (濃 度)
OPC−750A 100ミリリットル/リットル
〔奥野製薬工業(株)製の商品名〕
OPC−750B 100ミリリットル/リットル
〔奥野製薬工業(株)製の商品名〕
OPC−750A 100ミリリットル/リットル
〔奥野製薬工業(株)製の商品名〕
OPC−750B 100ミリリットル/リットル
〔奥野製薬工業(株)製の商品名〕
(ピロリン酸銅めっき層の形成)
上記基材を、50℃に保温した下記のピロリン酸銅めっき浴(P比:7.0、pH:8.8)に浸漬し、電流密度2A/dm2で10分間、電解銅めっき処理をして、無電解銅めっき層の上にピロリン酸銅めっき層を積層した後、イオン交換水で洗浄した。
上記基材を、50℃に保温した下記のピロリン酸銅めっき浴(P比:7.0、pH:8.8)に浸漬し、電流密度2A/dm2で10分間、電解銅めっき処理をして、無電解銅めっき層の上にピロリン酸銅めっき層を積層した後、イオン交換水で洗浄した。
(成 分) (濃 度)
ピロリン酸銅3水和物 94g/リットル
ピロリン酸カリウム 340g/リットル
28%アンモニア水 3ミリリットル/リットル
ピロトップPC 0.3ミリリットル/リットル
ピロリン酸銅3水和物 94g/リットル
ピロリン酸カリウム 340g/リットル
28%アンモニア水 3ミリリットル/リットル
ピロトップPC 0.3ミリリットル/リットル
(光沢銅めっき層の形成)
上記基材を、25℃に保温した下記の光沢硫酸銅めっき浴に浸漬し、電流密度2A/dm2で25分間、電解銅めっき処理をして、ピロリン酸銅めっき層の上に光沢銅めっき層を積層した後、イオン交換水で洗浄した。
上記基材を、25℃に保温した下記の光沢硫酸銅めっき浴に浸漬し、電流密度2A/dm2で25分間、電解銅めっき処理をして、ピロリン酸銅めっき層の上に光沢銅めっき層を積層した後、イオン交換水で洗浄した。
(成 分) (濃 度)
硫酸銅5水和物 220g/リットル
硫酸 60g/リットル
塩酸 0.5ミリリットル/リットル
メイキャップカパラシド210 7ミリリットル/リットル
〔アトテック ジャパン(株)の商品名〕
カパラシドA液 0.5ミリリットル/リットル
〔アトテック ジャパン(株)の商品名〕
硫酸銅5水和物 220g/リットル
硫酸 60g/リットル
塩酸 0.5ミリリットル/リットル
メイキャップカパラシド210 7ミリリットル/リットル
〔アトテック ジャパン(株)の商品名〕
カパラシドA液 0.5ミリリットル/リットル
〔アトテック ジャパン(株)の商品名〕
(補強めっき層の形成)
上記基材を、50℃に保温した下記のニッケルめっき浴に浸漬し、電流密度3A/dm2で15分間、電解ニッケルめっき処理をして、光沢銅めっき層の上に、ニッケルからなる補強めっき層を積層した後、イオン交換水で洗浄した。
上記基材を、50℃に保温した下記のニッケルめっき浴に浸漬し、電流密度3A/dm2で15分間、電解ニッケルめっき処理をして、光沢銅めっき層の上に、ニッケルからなる補強めっき層を積層した後、イオン交換水で洗浄した。
(成 分) (濃 度)
硫酸ニッケル6水和物 280g/リットル
塩化ニッケル6水和物 50g/リットル
ホウ酸 45g/リットル
ss−1 1ミリリットル/リットル
〔日鉱メタルプレーティング(株)の商品名〕
ss−2 10ミリリットル/リットル
〔日鉱メタルプレーティング(株)の商品名〕
硫酸ニッケル6水和物 280g/リットル
塩化ニッケル6水和物 50g/リットル
ホウ酸 45g/リットル
ss−1 1ミリリットル/リットル
〔日鉱メタルプレーティング(株)の商品名〕
ss−2 10ミリリットル/リットル
〔日鉱メタルプレーティング(株)の商品名〕
(中間金属層の形成)
上記基材を、50℃に保温したストライク金めっき浴〔日本エレクトロプレーティングエンジニヤース(株)製の商品名オーロボンドTN〕に浸漬し、電流密度4A/dm2で15秒間、ストライク金めっき処理をして、補強メッキ層の上に中間金属層を積層した後、イオン交換水で洗浄した。
上記基材を、50℃に保温したストライク金めっき浴〔日本エレクトロプレーティングエンジニヤース(株)製の商品名オーロボンドTN〕に浸漬し、電流密度4A/dm2で15秒間、ストライク金めっき処理をして、補強メッキ層の上に中間金属層を積層した後、イオン交換水で洗浄した。
(表面金属層の形成)
上記基材を、40℃に保温したロジウムめっき浴〔日本エレクトロプレーティングエンジニヤース(株)製の商品名ブライトロジウム〕に浸漬し、電流密度3A/dm2で1分間、ロジウムメッキ処理をして、中間金属層の上に表面金属層を積層した後、イオン交換水で洗浄して光反射膜を製造した。
上記基材を、40℃に保温したロジウムめっき浴〔日本エレクトロプレーティングエンジニヤース(株)製の商品名ブライトロジウム〕に浸漬し、電流密度3A/dm2で1分間、ロジウムメッキ処理をして、中間金属層の上に表面金属層を積層した後、イオン交換水で洗浄して光反射膜を製造した。
(厚み測定)
基材とその上の光反射膜を、収束イオンビーム(FIB)を用いて厚み方向にカットし、切断面の走査型電子顕微鏡による拡大写真を撮影した後、この拡大写真から、各層の厚みを求めたところ、無電解銅めっき層、ピロリン酸銅めっき層を含む光沢銅めっき層の厚みは8.87μm、補強めっき層の厚みは3.32μm、中間金属層の厚みは0.042μmであった。また、表面金属層の厚みは、薄すぎて、写真から求めることができなかった。
基材とその上の光反射膜を、収束イオンビーム(FIB)を用いて厚み方向にカットし、切断面の走査型電子顕微鏡による拡大写真を撮影した後、この拡大写真から、各層の厚みを求めたところ、無電解銅めっき層、ピロリン酸銅めっき層を含む光沢銅めっき層の厚みは8.87μm、補強めっき層の厚みは3.32μm、中間金属層の厚みは0.042μmであった。また、表面金属層の厚みは、薄すぎて、写真から求めることができなかった。
(反射率の測定)
製造した光反射膜の、可視領域の光の反射率の分布を、自記分光光度計〔(株)日立ハイテクノロジーズ製のU−4100〕を用いて測定したところ、図4中に示すように、可視領域の全域に亘ってほぼ一定の、良好な反射率を有することが判った。この測定結果は、図中に示すニッケルおよび金表面における光の反射率の分布とは異なる、ロジウム表面における光の反射率の分布と一致するものであった。また、光反射膜の表面を観察したところ、ロジウムに特有の白銀色を呈していた。そして、これらのことから、上記のように写真では確認できなかったものの、中間金属層の上に、ロジウムからなる表面金属層が形成されていることが確認された。
製造した光反射膜の、可視領域の光の反射率の分布を、自記分光光度計〔(株)日立ハイテクノロジーズ製のU−4100〕を用いて測定したところ、図4中に示すように、可視領域の全域に亘ってほぼ一定の、良好な反射率を有することが判った。この測定結果は、図中に示すニッケルおよび金表面における光の反射率の分布とは異なる、ロジウム表面における光の反射率の分布と一致するものであった。また、光反射膜の表面を観察したところ、ロジウムに特有の白銀色を呈していた。そして、これらのことから、上記のように写真では確認できなかったものの、中間金属層の上に、ロジウムからなる表面金属層が形成されていることが確認された。
(表面粗さの測定)
製造した光反射膜上の複数箇所において、表面粗さを、接触式の測定法で測定し、その測定結果から、日本工業規格JIS B0601:2001「製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメータ」において規定される算術平均高さRaを求めて、その平均値を算出したところ、42nmであった。また、光反射膜を形成する前に測定した、エッチング処理によって粗化した基材表面の算術平均高さRaの平均値は1800nmであり、光反射膜の形成途中で測定した、光沢銅めっき層の表面の算術平均高さRaの平均値は35nm、ニッケルからなる補強めっき層の表面の算術平均高さRaの平均値は36nmであった。
製造した光反射膜上の複数箇所において、表面粗さを、接触式の測定法で測定し、その測定結果から、日本工業規格JIS B0601:2001「製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメータ」において規定される算術平均高さRaを求めて、その平均値を算出したところ、42nmであった。また、光反射膜を形成する前に測定した、エッチング処理によって粗化した基材表面の算術平均高さRaの平均値は1800nmであり、光反射膜の形成途中で測定した、光沢銅めっき層の表面の算術平均高さRaの平均値は35nm、ニッケルからなる補強めっき層の表面の算術平均高さRaの平均値は36nmであった。
これに対し、補強めっき層上に、金からなる中間金属層を形成せずに、直接に、ロジウムからなる表面金属層を形成した場合の、当該表面金属層の表面の算術平均高さRaの平均値は99nmであった。以上の結果から、金からなる中間金属層を形成した上に、ロジウムからなる表面金属層を積層することで、下地表面の平滑性を維持しながら、当該表面金属層の表面が良好な光沢面とされた光反射膜を形成できることが確認された。
1 光反射膜
11 下地金属層
12 中間金属層
13 表面金属層
2 基材(窓枠)
3 基板
P 発光ダイオード用パッケージ
LE1 半導体発光素子
11 下地金属層
12 中間金属層
13 表面金属層
2 基材(窓枠)
3 基板
P 発光ダイオード用パッケージ
LE1 半導体発光素子
Claims (11)
- 基材の表面に形成されて、当該表面を光反射面とするための光反射膜であって、基材側から順に、少なくとも1層の下地金属層と、金、パラジウムおよび白金からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含む中間金属層と、少なくともロジウムを含む表面金属層とを有することを特徴とする光反射膜。
- 表面金属層の厚みが0.001〜1μmである請求項1記載の光反射膜。
- 中間金属層の厚みが0.001〜5μmである請求項1記載の光反射膜。
- 下地金属層が、光沢めっき層を少なくとも含む請求項1記載の光反射膜。
- 光沢めっき層の厚みが5〜20μmである請求項4記載の光反射膜。
- 光沢めっき層の結晶粒径が100nm以下である請求項4記載の光反射膜。
- 光沢めっき層の表面の算術平均高さRaが100nm以下である請求項4記載の光反射膜。
- 下地金属層が、光沢めっき層を形成する金属より硬い金属からなり、当該光沢めっき層上に積層される補強めっき層を有する請求項4記載の光反射膜。
- 補強めっき層の厚みが1〜10μmである請求項8記載の光反射膜。
- 樹脂製の基材の表面に形成される請求項1記載の光反射膜。
- 半導体発光素子を搭載するための基板と、基板に搭載される半導体発光素子を囲む、樹脂製の窓枠とを有する発光ダイオード用パッケージであって、窓枠の、半導体発光素子を囲む内面に、請求項1記載の光反射膜が形成されて、当該内面が光反射面とされることを特徴とする発光ダイオード用パッケージ。
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