JP2006269168A - 光電変換装置およびその製造方法ならびに光発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電解質を含有させた薄い厚みの電荷輸送層で電解液を保持して光作用極と対極との短絡を防ぐとともに対極の変形が防止され、光電変換効率が高くかつ安定化され、また製作が容易な光電変換装置を提供すること。
【解決手段】 光電変換装置1は、導電性支持体2上に、電解質8を含有し色素4を担持した多孔質n型酸化物半導体層3、電荷輸送層及び対極層6を形成して成り、電荷輸送層は、電解質8中に電解質8が入り込む空間を有して設けられた、p型半導体もしくは正孔輸送体7から成ることから、電解質8が液体であっても固体のp型半導体もしくは固体の正孔輸送体によって電荷輸送層の厚みが薄くても機械的に固定され、また電解質8によるイオン伝導にp型半導体もしくは正孔輸送体7による正孔輸送が寄与するので、多孔質n型酸化物半導体層3と対極層6との短絡が確実に防止されると共に優れた光電変換特性が得られる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光電変換効率および信頼性に優れた太陽電池や受光素子等の光電変換装置およびその製造方法ならびに光発電装置に関する。
従来、光電変換装置の一種である色素増感型太陽電池は、高温処理や真空装置、高純度材料を必要としないことから、低コストで低環境負荷型の太陽電池であると考えられ、活発に研究開発が行なわれている。この色素増感型太陽電池は、通常、導電性ガラス基板上に粒径20nm程度の酸化チタンの微粒子を焼結して得られる多孔質酸化チタン層を設け、この多孔質酸化チタン層の酸化チタン粒子の表面に色素を単分子吸着させた光作用極基板と、導電性ガラス基板上に白金やカーボンの対極層(以下、対極ともいう)を形成した対極基板とを、多孔質酸化チタン層と対極とを互いに対向させて配置し、これらの基板の間にヨウ素/ヨウ化物レドックス対を含む電解質溶液を満たし、この電解質溶液を封止した構造を有する。そして、より透明な光作用極基板側から光入射が行なわれ発電する仕組みである。
しかしながら、このような2つの基板を貼り合せたセル構造では、色素を担持した多孔質酸化チタン層表面と対極表面との間の電解質を満たしたギャップを狭くかつ一定に保って、光電変換効率を高くかつ安定なものとすることは困難である。また、基板全面でこのギャップを等しくして配置することはさらに困難である。このギャップつまり電解質層の幅は、多孔質酸化チタン層と対極層とが接触せず、かつできるだけ狭い方が、電気抵抗を小さくできて発電効率がよく、また基板全面においてギャップが均一であった方がそのバラツキによる電流ロスや電圧ロスが小さくて済み発電効率が高い。そして、多孔質酸化チタン層(半導体電極)と対極(対向電極)との間隔を一定に保つ手段があれば、光電変換効率が安定になり、色素増感型太陽電池の組み立てを容易に行なうことも可能となる。
このような課題を解決するものとして提案された従来例に以下のものがある。
特許文献1には、色素増感型光半導体電極と対向電極との間に電解質層を配置してなる色素増感型太陽電池において、色素増感型半導体電極と対向電極との間の電解質層に電解質溶液を保持する固体材料(繊維状物質)を配置した色素増感型太陽電池が記載されている。この固体材料は、網目構造を形成できるもの、繊維状物質、連続した細孔を持つ多孔質物質、連続気泡を持つスポンジ状のものであり、例えば、不織布、繊維、スポンジ状の高分子物質等が挙げられ、無機材料としてはガラスウール、石綿、岩綿、多孔質アルミナ等が挙げられている。上記の構成により、半導体電極と対向電極との間の電解質層に繊維状物質等の固体材料を配置し、これに電解質溶液を保持させた構造の色素増感型太陽電池が電解質の膨張、収縮などが少なく長期間にわたって高い電池性能を維持できるとしている。
特許文献2には、色素で被覆された半導体膜を有する作用電極と、作用電極に対向して設けられた対極と、作用電極と対極との間に挟持された高分子多孔膜からなる固体層とを有し、固体層の空隙に電解液を保持した光電変換素子が記載されている。これにより、高分子多孔膜によって電解液が洩れ出したり揮発したりすることが減少し、電解液を十分保持することができ、さらに短絡を防ぐことができ、長期間安定した光電変換効率を示す光電変換素子を得ることが可能となる。また、高分子多孔膜は色素吸着後に電極間に挟持されるので、色素吸着を妨げないとしている。
特許文献3には、色素増感型太陽電池において、電解質を介して色素増感型半導体電極と対面配置される対向電極であって、色素増感型半導体電極と対向する面の少なくとも非周縁部に、色素増感型半導体電極との接触防止用の絶縁性材料よりなるドット状のスペーサが設けられた色素増感型太陽電池用対向電極が記載されている。スペーサ材料として、アクリルなどの樹脂、接着剤、透明インキが挙げられている。これにより、色素増感型太陽電池の対向電極の変形を防止して、色素増感型半導体電極と対向電極との間隔を一定に保つことにより、色素増感型太陽電池の光電変換効率を安定かつ良好なものとすると共に、色素増感型太陽電池の組み立てを容易に行なえるとしている。
特許文献4には、導電性支持体、この上に塗設された色素を吸着した半導体微粒子層、電荷移動層および対極を有する光電変換素子において、半導体微粒子層と対極の間に、実質的に絶縁性の粒子を含有するスペーサ層が設置されている光電変換素子が記載されている。また、スペーサ層が半導体微粒子層上の対極側に一体化して設置されており、また、スペーサ層は半導体微粒子層上、すなわち対極側であり支持体と反対側に設置するのが好ましい、そしてスペーサ層はこのようにして半導体微粒子層と一体化しているのが好ましい旨記載されている。これにより、光電変換の性能を劣化させることなく、内部短絡による性能劣化を起こすことのない高性能の色素増感光電変換素子および光電気化学電池が得られるとしている。
特許文献5には、第1電極層、第1光電変換層、導電層(電解質層)、第2光電変換層、第2電極層を順次に積層した構造を有し、第1光電変換層と第2光電変換層との光電変換スペクトルが異なる光電変換素子において、上記第1および第2光電変換層は、異なる色素をそれぞれの半導体材料に有する光電変換素子が記載されている。また、上記第1光電変換層および第2光電変換層中の半導体材料としては、一方にp型半導体を用い、他方にn型半導体を用いた光電変換素子が記載されている。これにより、相違なる半導体層に色素を吸着した2つの光電変換層を設け、2つの光電変換層の間に導電層が挟持されることにより構成される。さらに、異なる光吸収波長を有する色素を用いることにより、光電変換素子は幅広い領域の太陽光を利用できる。その結果、容易かつ安価に優れた光電変換効率を有する光電変換素子を得ることができるとしている。この特許文献5に記載された光電変換素子に構成が近似したものとして、特許文献6に記載されたものがある。
特開2000-357544号公報 特開平11-339866号公報 特開2004-296203号公報 特開2000-294306号公報 特開2000-100483号公報 特開2000-90989号公報
しかしながら、特許文献1では、電解質溶液を保持する固体材料(繊維状物質)として、絶縁性でなければ半導体電極と対向電極を電解質で隔てている意味がないとして、絶縁材料が上げられているが、電解質層内に固体の絶縁材料が含まれていたのでは、電解質溶液のイオン伝導性を妨げるので、高い光電変換効率が得られないという問題がある。
また特許文献2では、電解質溶液を保持する固体層の材料として、作用電極と対極との短絡を防いだポリエチレン等の絶縁性材料、あるいはポリアセチレン等の導電性の高分子材料が挙げられているが、電解質層内に絶縁性の高分子材料が含まれていたのでは、電解質溶液のイオン伝導性を妨げるという問題がある。また、単なる導電性の高分子材料では作用電極と対極との短絡を招いてしまう。つまり、導電性の高分子材料に関する記述がなく、もし導電性の高分子材料が作用電極と同一導電型であれば作用電極と対極との短絡を招いてしまい、光電変換しないという問題がある。
また特許文献3では、半導体電極と対向電極との間を絶縁性のドット状のスペーサで隔てて、電解質溶液のイオン伝導性の低下を抑止しているが、やはり電解質溶液内に固体の絶縁材料が含まれていることにかわりはないので、電解質溶液のイオン伝導性を妨げてしまい、高い光電変換効率が得られないという問題がある。
また特許文献4では、半導体微粒子層と対極との間に実質的に絶縁性の粒子を含有するスペーサ層が設置されており、これでは電解質溶液のイオン伝導性を妨げてしまうので、高い光電変換効率が得られないという問題がある。
また特許文献5,6では、第1光電変換層もしくは第2光電変換層のいずれかにp型半導体を用いており、色素を担持した光励起体としてのp型半導体であり、本発明のように色素を担持していない電荷輸送体としてのp型半導体もしくは正孔輸送体とは全く異なるものである。また、白金やカーボン等の触媒層も用いておらず、異なるものである。この従来例では、n型半導体とp型半導体の積層効果によって、開放電圧VOCが高くなるが、従来、p型半導体はn型半導体に比べキャリアの移動度が低く、p型半導体とn型半導体とのシリーズ接続によって短絡電流JSCが小さくなり、低い光電変換効率しか得られないという問題がある。
上述したように、半導体電極と対極を電解質層にて隔てている色素増感型太陽電池において、電解質層内に絶縁性の固体材料をスペーサとして設けることは、電解質が存在しないところが生じて電解質のイオン伝導性を低下させるという問題がある。また、電解質層内に単なる導電性の固体材料を設けることは、半導体電極と対極の短絡を引き起こし、光電変換しないという問題を生じる。
したがって、本発明は上記従来の技術における問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、光作用極と対極との間隔を狭くかつ一定に保持する絶縁性のスペーサとしての役割にとどまらず、電解質のイオン電導性に寄与するようにスペーサに正孔輸送性を持たせ、これらの両作用により光電変換効率を高めた光電変換装置およびそれを用いた光発電装置を提供することにある。そして、電解質を含有させた薄い厚みの電荷輸送層を形成することにより、電荷輸送層で電解液を保持して光作用極と対極との短絡を防ぐことができ、対極の変形が防止され、光電変換効率が高くかつ安定化されると共に製作が容易になる光電変換装置およびそれを用いた光発電装置を提供することにある。
本発明の光電変換装置は、導電性支持体上に、該導電性支持体側から電解質を含有し色素を担持した多孔質n型酸化物半導体層、電荷輸送層および対極層を形成して成る光電変換装置において、前記電荷輸送層は、前記電解質中に該電解質が入り込む空間を有して設けられた、p型半導体もしくは正孔輸送体から成ることを特徴とする。
また、本発明の光電変換装置は好ましくは、前記電荷輸送層は、平面視において網目状のパターンを成して形成されていることを特徴とする。
また、本発明の光電変換装置は好ましくは、前記電荷輸送層は、平面視において格子状のパターンを成して形成されていることを特徴とする。
また、本発明の光電変換装置は好ましくは、前記電荷輸送層は、平面視において複数の平行な線状のパターンを成して形成されていることを特徴とする。
また、本発明の光電変換装置は好ましくは、前記電荷輸送層は、平面視において多数の点状のパターンを成して形成されていることを特徴とする。
また、本発明の光電変換装置は好ましくは、前記電荷輸送層は、多孔質の薄膜から成るとともに前記空間としての前記薄膜の空孔に前記電解質を含有していることを特徴とする。
また、本発明の光電変換装置は好ましくは、前記電荷輸送層は、前記p型半導体の微粒子の集合体もしくは前記正孔輸送体の微粒子の集合体から成ることを特徴とする。
本発明の光電変換装置の製造方法は、上記本発明の光電変換装置の製造方法であって、一主面に色素を担持した多孔質n型酸化物半導体層を形成した第1の導電性支持体の前記多孔質n型酸化物半導体層と、一主面に対極層および電解質が入り込む空間を有して形成された電荷輸送層を順次積層した第2の導電性支持体の前記電荷輸送層とを対向させ接触させた状態で、前記第1および第2の導電性支持体の周縁部を全周にわたって封止材によって封止するとともに接着し、次に前記封止材に貫通孔を形成するとともに該貫通孔を通して前記封止材の内側に前記電解質を注入することを特徴とする。
本発明の光電変換装置の製造方法は、上記本発明の光電変換装置の製造方法であって、一主面に色素を担持した多孔質n型酸化物半導体層および電解質が入り込む空間を有して形成された電荷輸送層を順次積層した第1の導電性支持体の前記電荷輸送層と、一主面に対極層を形成した第2の導電性支持体の前記対極層とを対向させ接触させた状態で、前記第1および第2の導電性支持体の周縁部を全周にわたって封止材によって封止するとともに接着し、次に前記封止材に貫通孔を形成するとともに該貫通孔を通して前記封止材の内側に前記電解質を注入することを特徴とする。
本発明の光発電装置は、上記本発明の光電変換装置を発電手段として用い、該発電手段の発電電力を負荷に供給するように成したことを特徴とする。
本発明の光電変換装置は、導電性支持体上に、導電性支持体側から電解質を含有し色素を担持した多孔質n型酸化物半導体層、電荷輸送層および対極層を形成して成る光電変換装置において、電荷輸送層は、電解質中に電解質が入り込む空間を有して設けられた、p型半導体もしくは正孔輸送体から成ることから、例えば電解質が液体であっても固体のp型半導体もしくは固体の正孔輸送体によって電荷輸送層の厚みが薄くても機械的に固定され、また電解質によるイオン伝導に対してp型半導体もしくは正孔輸送体による正孔輸送が寄与することとなるので、多孔質n型酸化物半導体層と対極層との短絡が確実に防止されるとともに優れた光電変換特性が安定して得られる。
本発明の光電変換装置は好ましくは、電荷輸送層は、平面視において網目状のパターンを成して形成されていることから、電荷輸送層の網目状のパターンの空間内に電解質が入り込んで電荷輸送層と電解質との接触面積が増大し、電解質によるイオン伝導に対するp型半導体もしくは正孔輸送体による正孔輸送の寄与度が向上するため、優れた光電変換性能が得られる。
また、本発明の光電変換装置は好ましくは、電荷輸送層は、平面視において格子状のパターンを成して形成されていることから、電荷輸送層の格子状のパターンの空間内に電解質が入り込んで電荷輸送層と電解質との接触面積が増大し、電解質によるイオン伝導に対するp型半導体もしくは正孔輸送体による正孔輸送の寄与度が向上するため、優れた光電変換性能が得られる。
また、本発明の光電変換装置は好ましくは、電荷輸送層は、平面視において複数の平行な線状のパターンを成して形成されていることから、電荷輸送層の線状のパターンの空間内に電解質が入り込んで電荷輸送層と電解質との接触面積が増大し、電解質によるイオン伝導に対するp型半導体もしくは正孔輸送体による正孔輸送の寄与度が向上するため、優れた光電変換性能が得られる。
また、本発明の光電変換装置は好ましくは、電荷輸送層は、平面視において多数の点状のパターンを成して形成されていることから、電荷輸送層の点状のパターンの空間内に電解質が入り込んで電荷輸送層と電解質との接触面積が増大し、電解質によるイオン伝導に対するp型半導体もしくは正孔輸送体による正孔輸送の寄与度が向上するため、優れた光電変換性能が得られる。
また、本発明の光電変換装置は好ましくは、電荷輸送層は、多孔質の薄膜から成るとともに空間としての薄膜の空孔に電解質を含有していることから、電荷輸送層の空孔(空間)内に電解質が入り込んで電荷輸送層と電解質との接触面積が増大し、電解質によるイオン伝導に対するp型半導体もしくは正孔輸送体による正孔輸送の寄与度が向上するため、優れた光電変換性能が得られる。
また、本発明の光電変換装置は好ましくは、電荷輸送層は、p型半導体の微粒子の集合体もしくは正孔輸送体の微粒子の集合体から成ることから、電荷輸送層は微粒子間に電解質が入り込む多数の空隙が形成されたものとなる。
本発明の光電変換装置の製造方法は、上記本発明の光電変換装置の製造方法であって、一主面に色素を担持した多孔質n型酸化物半導体層を形成した第1の導電性支持体の多孔質n型酸化物半導体層と、一主面に対極層および電解質が入り込む空間を有して形成された電荷輸送層を順次積層した第2の導電性支持体の電荷輸送層とを対向させ接触させた状態で、第1および第2の導電性支持体の周縁部を全周にわたって封止材によって封止するとともに接着し、次に封止材に貫通孔を形成するとともに貫通孔を通して封止材の内側に電解質を注入する製造方法であることから、電荷輸送層には空間が形成されているために、電解質が毛細管現象によってその空間を伝ってすみやかに浸透することができ、また、第1および第2の導電性支持体の間の間隔が決まってから電解質を注入するので、電解質の注入による上記間隔の変動を防ぐことができる。
本発明の光電変換装置の製造方法は、上記本発明の光電変換装置の製造方法であって、一主面に色素を担持した多孔質n型酸化物半導体層および電解質が入り込む空間を有して形成された電荷輸送層を順次積層した第1の導電性支持体の電荷輸送層と、一主面に対極層を形成した第2の導電性支持体の対極層とを対向させ接触させた状態で、第1および第2の導電性支持体の周縁部を全周にわたって封止材によって封止するとともに接着し、次に封止材に貫通孔を形成するとともに貫通孔を通して封止材の内側に電解質を注入する製造方法であることから、電荷輸送層には空間が形成されているために、電解質が毛細管現象によってその空間を伝ってすみやかに浸透することができ、また、第1および第2の導電性支持体の間の間隔が決まってから電解質を注入するので、電解質の注入による上記間隔の変動を防ぐことができる。
本発明の光発電装置は、上記本発明の光電変換装置を発電手段として用い、発電手段の発電電力を負荷に供給するように成したことから、上記本発明の光電変換装置の作用効果である、多孔質n型酸化物半導体層と対極層との短絡が確実に防止されるとともに優れた光電変換特性が安定して得られるという作用効果を利用した高光電変換効率を有する高信頼性の光発電装置となる。
本発明の光電変換装置、その製造方法および光発電装置についての実施の形態を図面を参照しつつ以下に詳細に説明する。なお、図面において同一部材には同一符号を付している。
本発明の光電変換装置を模式的に説明する断面図を図1に、本発明の他の光電変換装置を模式的に説明する断面図を図2にそれぞれ示す。図1および図2に示す光電変換装置1は、導電性支持体2上に、導電性支持体2側から電解質8を含有し光電変換を行なう色素4を吸着、担持した多孔質n型酸化物半導体層3、p型半導体もしくは正孔輸送体7からなる電荷輸送層および対極層(以下、対極ともいう)6を形成して成り、電荷輸送層は、電解質8中にその電解質8が入り込む空間を有して設けられた、p型半導体もしくは正孔輸送体7からなるものである。
たとえば好ましくは、図1に示すように、第2の導電性支持体5上の白金やカーボンから成る対極(触媒層)6上において、電荷輸送層が、電解質8内に、平面視において網目状のパターン(図3)、格子状のパターン(図4)、複数の平行な線状のパターン(図5)、多数の点状のパターン(図6)等を成して形成されている。また好ましくは、図2に示すように、電荷輸送層が電解質8内に多孔質層として配設されている。
また、これらの光電変換装置1は、多孔質n型酸化物半導体層3の光作用極と対極6との間隔を、固体のp型半導体もしくは固体の正孔輸送体7で安定に保持しており、また電解質8の周囲は封止材9にて包囲されており、したがって電解質8が安定に保持されている。
本発明の光電変換装置1は、図1,図2に示すように、電荷輸送層を成すp型半導体もしくは正孔輸送体7の微細構造がこれらの微粒子の集合体から成るものであり、たとえば多孔質体を成している。図1のように、電荷輸送層が平面視において網目状等のパターンを成している場合、必ずしも多孔質体である必要はなく、平面視において網目状等のパターンを成している緻密体の層でもよいが、網目状等のパターンを有するとともに微粒子から成る多孔質体である方が高いイオン伝導性の電解質8が多孔質体内に存在することとなり、特性的により好ましい。
本発明の光電変換装置1は、一主面に色素4を担持した多孔質n型酸化物半導体層3を形成した第1の導電性支持体2の多孔質n型酸化物半導体層3と、一主面に対極6および電荷輸送層を順次積層した第2の導電性支持体5の電荷輸送層とを対向させ接触させた状態で、第1および第2の導電性支持体2,5の周縁部を全周にわたって封止材9によって封止するとともに接着し、次に封止材9に貫通孔を形成するとともに貫通孔を通して封止材9の内側に電解質8を注入することによって製造される。
本発明の光電変換装置1は、一主面に色素4を担持した多孔質n型酸化物半導体層3および電荷輸送層を順次積層した第1の導電性支持体2の電荷輸送層と、一主面に対極6を形成した第2の導電性支持体5の対極6とを対向させ接触させた状態で、第1および第2の導電性支持体2,5の周縁部を全周にわたって封止材9によって封止するとともに接着し、次に封止材9に貫通孔を形成するとともに貫通孔を通して封止材9の内側に電解質8を注入することによって製造される。
そして、本発明の光電変換装置1は、Ru錯体等の色素4にて光を吸収し、色素4にて電子と正孔を生じる。色素4で生じた電子はTiO等の多孔質n型酸化物半導体層3に移動し、多孔質n型酸化物半導体層3を拡散移動し、さらに集電体である導電性支持体2に移動し集電される。
一方、光を吸収し、正孔を得た(電子を失った)色素4は、電解質8に溶融しているI等のイオンより電子を受け取る。そして、電解質8はI となり、電解質8を移動したI は白金等の対極6より電子を受け取り、電解質8はIとなって元に戻る。電解質8は対極6より電子を受け取り、電解質8は対極6に正孔を渡し、集電体である第2の導電性支持体5に正孔が移動し集電される。
従来、多孔質n型酸化物半導体層3と対極6との間に絶縁性のスペーサが配置されていたため、電解質8内のイオンの電導を妨げていた。本発明においては、多孔質n型酸化物半導体層3と対極6との間に、p型半導体もしくは正孔輸送体7からなる電荷輸送層が形成されており、色素4の光吸収で生じた正孔は色素4から移動してp型半導体もしくは正孔輸送体7を拡散し、集電体である第2の導電性支持体5に正孔が移動し集電される。
また、微弱ではあるが、多孔質n型酸化物半導体層3は紫外光や短波長光を吸収して、電子と正孔を生じる。電子は多孔質n型酸化物半導体層3を拡散し、集電体である導電性支持体2に移動し集電される。一方、正孔は多孔質n型酸化物半導体層3からp型半導体もしくは正孔輸送体7に移動し、わずかではあるが集電体である第2の導電性支持体5に正孔が移動し集電される。すなわち、本発明の場合、スペーサは絶縁性でなく半導体であるが、多孔質n型酸化物半導体層3とは逆極性のp型半導体もしくは正孔輸送体7であるため、これらが短絡し、全く光電変換しないということはない。従って、多孔質n型酸化物半導体層3とp型半導体もしくは正孔輸送体7とが接した状態の光電変換装置1を構成することができるため、光電変換装置1を製作することが容易になるという利点が生じる。
さらに、本発明の光電変換装置1を発電手段として用い、発電手段の発電電力を負荷に供給するように成した光発電装置を構成することができる。この光発電装置は、本発明の光電変換装置の作用効果である、多孔質n型酸化物半導体層3と対極6との短絡が確実に防止されるとともに優れた光電変換特性が安定して得られるという作用効果を利用した高光電変換効率を有する高信頼性の光発電装置となる。本発明の光発電装置は、太陽電池、光電池、光発電装置、各種光センサー、撮像機、複写機等に適用できる。
次に、上述した光電変換装置1を構成する各要素について詳細に説明する。
<導電性支持体>
導電性支持体2,5としては、透光性支持体2a,5a上に透光性導電層2b,5bを形成したものがよい。この場合、光電変換装置1の主面のどちらの面からでも光を入射させることができるので、両面側から光を入射させて光電変換効率を高めることができる。光電変換装置1に片面側から光を入射させる場合、反対側の面の支持体は非透光性のものでよく、より好ましくは透過光を反射させて再利用することができる光反射性支持体がよい。また、両面が透光性支持体の場合に一方に光反射性を持たせるため、入射側と反対側の面の支持体の裏面(外側の面)に光反射性のアルミニウムや銀等のシートや膜等を設けてもよい。
透光性支持体2a,5aの材料としては、白板ガラス,ソーダガラス,硼珪酸ガラス等のガラス、セラミックス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリエチレンナフタレート(PEN),ポリイミド,ポリカーボネート等の樹脂材料、有機無機ハイブリッド材料等がよい。また、透光性支持体2a,5aに入射光の波長オーダーの表面凹凸を形成すると光閉じ込め効果があってなおよい。
透光性導電層2b,5bとしては、熱CVD法で形成したフッ素ドープの二酸化スズ膜(SnO:F膜)等が低コストでよい。また、低温成長のスパッタリング法や低温スプレー熱分解法で形成した、スズドープ酸化インジウム膜(ITO膜)、不純物ドープの酸化インジウム膜(In膜)、不純物ドープの酸化スズ膜(SnO膜)、不純物ドープの酸化亜鉛膜(ZnO膜)等が低抵抗でよい。また、Ti/ITO/Ti等からなる密着性を高めた積層体でもよい。他には、簡便な溶液成長法で形成した不純物ドープの酸化亜鉛膜(ZnO膜)等でもよい。これらの膜の他の成膜法として、真空蒸着法、イオンプレーティング法、ディップコート法、ゾルゲル法等がある。これらの成膜法によって入射光の波長オーダーの表面凹凸を形成すると光閉じ込め効果があってなおよい。また、真空蒸着法やスパッタリング法等で形成した透光性を有するAu,Pd,Al等の薄い金属膜でもよい。
非透光性支持体としては、薄い金属シートを単独で用いるのがよく、チタン,ステンレススチール,アルミニウム,銀,銅,ニッケル等からなるものがよい。また、カーボンや金属の微粒子や微細線を含浸させた樹脂、導電性樹脂等でもよい。光反射性支持体としては、アルミニウム,銀,銅,ニッケル,チタン,ステンレススチール等の光沢のある金属薄板を単独で、あるいは電解質8による腐食防止のために透光性導電層2b,5bを光沢のある金属薄板上に被覆したものがよい。
また、非透光性支持体あるいは透光性支持体の上に、光反射性のアルミニウム,銀,銅,ニッケル等の光反射層を設けたものがよく、あるいは電解質8による腐食防止のために透光性導電層2b,5bをこれらの支持体上に被覆したものがよい。
他には、これらの支持体上に、Ti/Al/Ti,Ti/Ag/Ti等からなる光反射膜として密着性を高めた積層体を形成するのがよく、さらに電解質8による腐食防止のためにこれらの積層体上に透光性導電層2b,5bを被覆したものがよい。
これらの透光性導電層2b,5b、光反射層、積層体は、真空蒸着法,イオンプレーティング法,スパッタリング法,電解析出法等で形成することができる。
透光性支持体2a,5aの各厚みは、機械的強度の点で0.01〜5mm、好ましくは0.02〜3.0mmがよい。透光性導電層2b,5bの厚みは、高い導電性と高い光透過性の点で0.001〜10μm、好ましくは0.05〜2.0μmがよい。
<多孔質n型酸化物半導体層>
多孔質n型酸化物半導体層3としては、多孔質の二酸化チタン等の多孔質のn型の金属酸化物等がよい。図1および図2に示すように、光電変換装置1の導電性支持体2上にこの多孔質n型酸化物半導体層3を形成する。
この多孔質n型酸化物半導体層3の材料や組成としては、酸化チタン(TiO)が最適であり、他の材料としては、チタン(Ti),亜鉛(Zn),スズ(Sn),ニオブ(Nb),インジウム(In),イットリウム(Y),ランタン(La),ジルコニウム(Zr),タンタル(Ta),ハフニウム(Hf),ストロンチウム(Sr),バリウム(Ba),カルシウム(Ca),バナジウム(V),タングステン(W)等の金属元素の少なくとも1種以上からなる金属酸化物半導体がよく、また窒素(N),炭素(C),弗素(F),硫黄(S),塩素(Cl),リン(P)等の非金属元素の1種以上を含有させてもよい。酸化チタン等はいずれも電子エネルギーバンドギャップが可視光のエネルギーより大きい2〜5eVの範囲にあり好ましい。また、多孔質n型酸化物半導体層3としては、電子エネルギー準位においてその伝導帯が色素4の伝導帯よりも低いn型半導体がよい。
この多孔質n型酸化物半導体層3は、粒状体、または針状体,チューブ状体,柱状体等の線状体、またはこれら種々の線状体が集合してなるものであって多孔質体であることにより、色素4を担持する表面積が増えて光電変換効率を高めることができる。この多孔質n型酸化物半導体層3は、空孔率が20〜80%、より好適には40〜60%の多孔質体であるのがよい。多孔質化により光作用極の表面積を1000倍以上に高めることができて、光吸収と光電変換(発電)と電子伝導を効率よく行なうことができる。多孔質n型酸化物半導体層3の形状は、その表面積が大きくなりかつ電気抵抗が小さい形状がよく、たとえば微細粒子もしくは微細線状体からなるのがよい。その平均粒径もしくは平均線径は5〜500nmであるのがよく、より好適には10〜200nmがよい。ここで、平均粒径もしくは平均線径の5〜500nmにおける下限値は、これ未満になると材料の微細化ができず、上限値は、これを超えると接合面積が小さくなり光電流が著しく小さくなる。
また、多孔質n型酸化物半導体層3を多孔質体とすることにより、これに色素4を担持させて成る色素増感型光電変換体の表面が凹凸状となり、光閉じ込め効果をもたらして、光電変換効率をより高めることができる。
また、多孔質n型酸化物半導体層3の膜厚は0.1〜50μmがよく、より好適には1〜20μmがよい。ここで、0.1〜50μmにおける下限値は、これより膜厚が小さくなると光電変換作用が著しく小さくなって実用に適さず、上限値は、これを超えて膜厚が厚くなると光が透過しなくなって光が入射しなくなるからである。
酸化チタンからなる多孔質n型酸化物半導体層3は以下のようにして製造される。まず、TiOのアナターゼ粉末にアセチルアセトンを添加した後、脱イオン水とともに混練し、界面活性剤で安定化させた酸化チタンのペーストを作製する。作製したペーストをドクターブレード法やバーコート法等で透光性導電膜2b上に一定の速度で塗布し、大気中において300〜600℃、好適には400〜500℃で、10〜60分、好適には20〜40分加熱処理することにより、多孔質n型酸化物半導体層3を作製する。この手法は簡便であり、耐熱性の透光性支持体2a上に予め形成できる場合に有効である。
多孔質n型酸化物半導体層3の低温成長法としては、電析法,泳動電着法,水熱合成法等がよく、電子輸送特性を良くするための後処理としては、マイクロ波処理,CVD法によるプラズマ処理や熱触媒処理等,UV照射処理等がよい。低温成長法による多孔質n型金属酸化物半導体層3としては、電析法による多孔質ZnO,泳動電着法による多孔質TiO等がよい。
また、図1,図2の光電変換装置1において、多孔質n型酸化物半導体層3の表面をTiCl処理(TiCl溶液に10時間浸漬し、水洗し、450℃で30分間焼成する処理)を行なうとよく、電子電導性がよくなって光電変換効率が高まる。
また、図1,図2の光電変換装置1において、導電性支持体2と多孔質n型酸化物半導体層3との間に、n型酸化物半導体の極薄の緻密層を挿入するとよく、逆電流が抑制できるので光電変換効率が高まる。
<色素>
増感色素である色素4としては、例えば、ルテニウム−トリス、ルテニウム−ビス、オスミウム−トリス、オスミウム−ビス型の遷移金属錯体、多核錯体、またはルテニウム−シス−ジアクア−ビピリジル錯体、またはフタロシアニンやポルフィリン、多環芳香族化合物、ローダミンB等のキサンテン系色素であることが好ましい。多孔質n型酸化物半導体層3に色素4を吸着させるためには、色素4に少なくとも1個以上のカルボキシル基、スルホニル基、ヒドロキサム酸基、アルコキシ基、アリール基、ホスホリル基を置換基として有することが有効である。ここで、置換基は色素4自身を多孔質n型酸化物半導体層に強固に化学吸着することができ、励起状態の色素4から多孔質n型酸化物半導体層3へ容易に電荷移動できるものであればよい。
多孔質n型酸化物半導体層3に色素4を吸着させる方法としては、例えば導電性支持体2上に形成された多孔質n型酸化物半導体層3を、色素4を溶解した溶液に浸漬する方法が挙げられる。色素4を溶解させるために用いる溶媒は、エタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ジエチルエーテル等のエーテル類、アセトニトリル等の窒素化合物等を1種または2種以上混合したものが挙げられる。溶液中の色素濃度は5×10−5〜2×10−3mol/l(リットル:1000cc)程度が好ましい。
多孔質n型酸化物半導体層3を形成した導電性支持体2を、色素4を溶解した溶液に浸漬する際、溶液および雰囲気の温度の条件は特に限定させるものではなく、例えば、大気圧下、室温の条件が挙げられ、浸漬時間は色素4および溶液の種類、溶液の濃度等により適宜調整することができる。これにより、色素4を多孔質n型酸化物半導体層3に吸着させることができる。
<対極層>
第2の導電性支持体5上に形成した対極6としては、白金,カーボン等の極薄膜がよい。他に、金(Au),パラジウム(Pd),アルミニウム(Al)等の極薄膜を電析したものが挙げられる。
<電荷輸送層:p型半導体もしくは正孔輸送体>
電荷輸送層を成すp型半導体もしくは正孔輸送体7の材料としては、無機のp型金属酸化物半導体層、無機のp型化合物半導体等、有機の正孔輸送剤等が挙げられる。図1および図2に示すように、光電変換装置1の第2の導電性支持体5および対極6上にこのp型半導体もしくは正孔輸送体7を形成する。
無機のp型金属酸化物半導体としては、CoO,NiO,FeO,Bi,MoO,MoS,Cr、SrCu,CaO−Al等がよい。また、無機のp型化合物半導体としては、一価の銅を含むCuI,CuInSe,CuO,CuSCN,CuS,CuInS,CuAlO,CuAlO,CuAlSe,CuGaO,CuGaS,CuGaSe等、また、GaP,GaAs,Si,Ge,SiC等がよい。有機の正孔輸送体としては、トリフェニルジアミン(TPD1,TPD2,TPD3)やOMeTAD(2,2’,7,7’−tetrakis(N,N−di−p−methoxyphenyl−amine)9,9’−spirobifluorene)等がよい。
p型半導体もしくは正孔輸送体7から成る電荷輸送層は、図1に模式的に示す断面図に示すように、電解質8中に電解質8が入り込む空間を有して設けられる。この場合、CoO等から成る電荷輸送層をマスク蒸着法、マスクスパッタリング法等によって形成することにより、電解質8が入り込む空間を有する緻密層として形成することができる。
また、電荷輸送層が多孔質層から成る場合、内部に存在する多数の空孔が電解質8が入り込む空間として機能する。多孔質化により電荷輸送層の表面積が増えて、表面電荷伝導の効果が期待できる。多孔質層から成る電荷輸送層の空孔率は20〜80%がよい。20%未満では、電荷輸送層の表面積の増大による表面電荷伝導の効果が発現し難く、80%を超えると、電荷輸送層の機械的強度を確保するのが難しくなる。より好適には40〜60%がよい。
電荷輸送層を多孔質層として形成する場合、例えば、p型半導体のペーストを作製し、そのペーストをドクターブレード法やバーコート法等で対極6上に塗布し、大気中において加熱処理することにより形成することができる。すなわち、CoO等のp型半導体の微粒子同士が部分的に固着して微粒子間に多数の空隙が形成された多孔質層となる。
また、電荷輸送層は、平面視において網目状、格子状、複数の平行な線状、多数の点状等のパターンを成して形成されているとよく、パターン間の空間によって高いイオン伝導性の電解質8の伝導路を確保できて、好都合である。これらのパターンの形成法は、スクリーン印刷法、インクジェット塗布法、ディスペンサー塗布法、マスク蒸着法、マスクスパッタリング法等がよい。パターン形成された電荷輸送層は、上記の通り緻密層であってもよいが、多孔質層から成るとともにパターンを有することがより好ましい。
また、電荷輸送層が多数の点状のパターンから成る場合、点状のパターンの形状(平面視形状)は円形、三角形、四角形、五角形以上の多角形等の種々の形状とし得るが、多数の点状のパターンをペーストにて塗布印刷等し焼成して形成する場合、ペーストのだれによる変形や焼成後の欠けの発生を抑えるには円形や五角形以上の多角形の形状が好ましい。
また、電荷輸送層が緻密層であって平面視において網目状等のパターンから成る場合、電荷輸送層におけるその実体部分と空間との体積比率は、よりイオン伝導性が高い電解質8の体積を大きくした方がよいことから、電荷輸送層の全体積に占めるその実体部分の体積比率が1〜50体積%であることが好ましい。1体積%未満では、電荷輸送層がスペーサとしての機械的強度を確保するのが難しくなり、50体積%を超えると、イオン伝導性が低下し易くなる。より好ましくは5〜20体積%がよい。
また、図2の断面図のように、電荷輸送層は、網目状等のパターンとせずに、対極6上または多孔質n型酸化物半導体層3上の全面に形成してもよいが、高いイオン伝導性の電解質8の伝導路を確保するためには、電荷輸送層を多孔質構造の薄膜として形成し、薄膜の空孔に電解質8を含有しているのがよい。電荷輸送層を多孔質構造の薄膜として形成するには、電荷輸送層を成すp型半導体もしくは正孔輸送体7は、微粒子の集合体から成るのがよい。この微粒子をペースト状となし、パターン形成するか、または対極6上または多孔質n型酸化物半導体層3上の全面に形成すればよい。このp型半導体の微粒子もしくは正孔輸送体7の微粒子は、粒状体、または針状体,チューブ状体,柱状体等の線状体等がよく、これらを集合させて多孔質体とすることにより、イオン伝導性が高い電解質8をよく含有し、電解質8のイオンの伝導路を確保できてよい。
上記の通り多孔質層からなる電荷輸送層は粒状体や線状体の微粒子の集合体からなるのがよく、微粒子の平均粒径もしくは平均線径は5〜500nmがよく、より好適には10〜200nmがよい。ここで、平均粒径もしくは平均線径の5〜500nmにおける下限値は、これ未満になると材料の微細化ができず、上限値は、これを超えると電気抵抗が増大したり電解質8のイオンの伝導路を妨げたりして、光電流が著しく小さくなるからである。
また、電荷輸送層を多孔質層とすることにより、電荷輸送層の表面が凹凸状となり、光閉じ込め効果をもたらして光電変換効率をより高めることができる。
また、p型半導体もしくは正孔輸送体7から成る電荷輸送層は、厚さが0.01〜50μmであることがよく、より好適には0.1〜20μmがよい。ここで、0.01〜50μmにおける下限値は、これより膜厚が小さくなると多孔質n型酸化物半導体層と対極層とが短絡する可能性が生じて実用に適さず、上限値は、これを超えて厚さが厚くなると光が透過しなくなったり、光が入射しなくなったり、電気抵抗が増したり、電解質8の伝導路を妨げたりして、光電流が著しく小さくなるからである。
電荷輸送層が多孔質の薄膜から成る場合、その厚さは0.01〜5μmであり、例えば、p型半導体の微粒子から成る低粘度のペーストを作製し、そのペーストをスピンコーター法やディピング法等によって薄く形成する。
酸化ニッケル等のp型半導体から成る電荷輸送層の形成方法は、まず、p型半導体の粉末にエチルアルコール等を添加した後、脱イオン水とともに混練し、界面活性剤で安定化させたp型半導体のペーストを作製する。作製したペーストをドクターブレード法やバーコート法等で導電性支持体2上の対極6上に一定の速度で塗布し、大気中において300〜600℃、好適には400〜500℃で、10〜60分、好適には20〜40分加熱処理することにより、多孔質体のp型半導体を作製する。この手法は簡便であり、耐熱性の支持体上に予め形成できる場合に有効である。p型半導体から成る電荷輸送層を平面視においてパターンを成して形成するには、ドクターブレード法やバーコート法よりもスクリーン印刷法を用いるのがよい。
多孔質のp型半導体層の低温成長法としては、電析法、泳動電着法、水熱合成法等がよく、正孔の輸送特性を高めるための後処理としてマイクロ波処理、プラズマ処理、UV照射処理等がよい。p型半導体が酸化ニッケルから成る場合、その原料液に加える添加剤の種類と量を調節し、さらに焼成条件を工夫することで、ナノ粒子が繊維状に配列した分子構造の酸化ニッケルから成るものがある。
<電解質>
電解質8としては、電解質溶液、ゲル電解質、固体電解質等のイオン伝導性の電解質、有機正孔輸送剤等が挙げられる。
電解質溶液としては、第4級アンモニウム塩やLi塩等を用いる。電解質溶液の組成としては、例えば炭酸エチレン,アセトニトリルまたはメトキシプロピオニトリル等に、ヨウ化テトラプロピルアンモニウム,ヨウ化リチウム,ヨウ素等を混合し調製したものを用いることができる。
ゲル電解質は、大別して化学ゲルと物理ゲルに分けられる。化学ゲルは、架橋反応等により化学結合でゲルを形成しているものであり、物理ゲルは、物理的な相互作用により室温付近でゲル化しているものである。ゲル電解質としては、アセトニトリル,エチレンカーボネート,プロピレンカーボネートまたはそれらの混合物に対し、ポリエチレンオキサイド,ポリアクリロニトリル,ポリフッ化ビニリデン,ポリビニルアルコール,ポリアクリル酸,ポリアクリルアミド等のホストポリマーを混入して重合させたゲル電解質が好ましい。なお、ゲル電解質や固体電解質を使用する場合、低粘度の前駆体を多孔質n型酸化物半導体層3に含有させ、加熱、紫外線照射、電子線照射等の手段で二次元、三次元の架橋反応をおこさせることによってゲル化または固体化できる。
イオン伝導性の固体電解質としては、ポリエチレンオキサイド,ポリエチレンオキサイドもしくはポリエチレン等の高分子鎖に、スルホンイミダゾリウム塩,テトラシアノキノジメタン塩,ジシアノキノジイミン塩等の塩をもつ固体電解質が好ましい。ヨウ化物の溶融塩としては、イミダゾリウム塩,第4級アンモニウム塩,イソオキサゾリジニウム塩,イソチアゾリジニウム塩,ピラゾリジウム塩,ピロリジニウム塩,ピリジニウム塩等のヨウ化物を用いることができる。
上述のヨウ化物の溶融塩としては、例えば、1,1−ジメチルイミダゾリウムアイオダイド、1,メチル−3−エチルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−ペンチルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−イソペンチルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−ヘキシルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムアイオダイド、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾールアイオダイド、1−エチル−3−イソプロピルイミダゾリウムアイオダイド、ピロリジニウムアイオダイド等を挙げることができる。
<封止材>
図1および図2において、封止材9は、電解質8が外部に漏れたりしないようにしたり、電荷輸送層による間隔を保持するために機械的強度を補強したり、外部の環境から光電変換機能を保護するために設ける。封止材9の材料としては、吸湿防止機能を有し充分な接着強度を有するものがよく、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA),ポリビニルブチラール(PVB),エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA),フッ素樹脂,エポキシ樹脂,アクリル樹脂,飽和ポリエステル樹脂,アミノ樹脂,フェノール樹脂,ポリアミドイミド樹脂,UV硬化樹脂,シリコーン樹脂,フッ素樹脂,ウレタン樹脂等がよい。
上述した光電変換装置1を構成する各要素を用いて導電性支持体2上に色素4を担持した多孔質n型酸化物半導体層3を形成した光作用極と、電荷輸送層を形成した対極6とを、光作用極と対極6とが対向するとともに接するように配置し、導電性支持体2および第2の導電性支持体5の周縁部を封止材9で封止し、封止材9の内側に多孔質n型酸化物半導体層3および電荷輸送層の空孔内に電解質8を含有させて注入し、光電変換装置1を得ることができる。
また、導電性支持体2上に色素4を担持した多孔質n型酸化物半導体層3とp型半導体から成る電荷輸送層を形成した光作用極と対極6とを、光作用極と対極6とが対向するとともに接するように配置し、導電性支持体2および第2の導電性支持体5の周縁部を封止材9で封止し、封止材9の内側に多孔質n型酸化物半導体層3および電荷輸送層の空孔内に電解質8を含有させて注入し、光電変換装置1を得ることができる。
また、本発明の光電変換装置1は、その用途として太陽電池に限定されるものではなく、光電変換機能を有するものであれば適用でき、各種受光素子や光センサ等にも適用可能である。
上述した光電変換装置1を発電手段として用い、この発電手段からの発電電力を負荷へ供給するように成した光発電装置とすることができる。すなわち、上述した光電変換装置1を1つ用いるか、または複数用いる場合には直列、並列または直並列に接続したものを発電手段として用い、この発電手段から直接直流負荷へ発電電力を供給するようにしてもよい。また、上述した光発電手段をインバータ等の電力変換手段を介して発電電力を適当な交流電力に変換した後で、この発電電力を商用電源系統や各種の電気機器等の交流負荷に供給することが可能な発電装置としてもよい。さらに、このような発電装置を日当たりのよい建物に設置する等して、各種態様の太陽光発電システム等の光発電装置として利用することも可能であり、これにより、高効率で耐久性のある光発電装置を提供することができる。
かくして、本発明の光電変換装置1によれば、p型半導体もしくは正孔輸送体7を、多孔質n型酸化物半導体3と対極6との間のスペーサとして用いることにより、p型半導体もしくは正孔輸送体7がスペーサとしての機械的役割を果たすとともに正孔のスムーズな移動を可能とする半導体としての役割を有し、その結果光電変換効率が向上する。
以下、本発明をより具体化した実施例について説明する。
まず、導電性支持体2として、フッ素ドープ酸化スズから成る透明導電層付きのガラス基板(1cm×2cm)を用いた。この透明導電層上に二酸化チタンから成る多孔質n型酸化物半導体層3を形成した。二酸化チタンから成る多孔質n型酸化物半導体層3は以下のようにして形成した。まず、TiOのアナターゼ粉末にアセチルアセトンを添加した後、脱イオン水とともに混練し、界面活性剤で安定化させた酸化チタンのペーストを作製した。作製したペーストをドクターブレード法で上記ガラス基板上に一定の速度で塗布し、大気中において450℃で30分間焼成した。
色素4(ソラロニクス・エスエー社製「N719」)を溶解させるために用いる溶媒としては、アセトニトリルとt−ブタノール(容積で1:1)を用いた。二酸化チタンから成る多孔質n型酸化物半導体層3を形成した導電性支持体2を、色素4を溶解した溶液(0.3mモル/l(リットル:1000cc))に12時間浸漬して色素4を多孔質n型酸化物半導体層3に担持させた。その後、導電性支持体2をエタノールにて洗浄し乾燥させ、光作用極基板とした。
次に、第2の導電性支持体5として、上記と同じフッ素ドープ酸化スズから成る透明導電層付きのガラス基板(縦1cm×横2cm)を用いた。このガラス基板上に、対極6としてのPt層をスパッタリング法で膜さ50nmとして形成した。さらに、この対極6上に、電荷輸送層としての多孔質のp型半導体層として多孔質のCoO層を形成した。このCoO層は以下のようにして形成した。まず、CoO微粒子の粉末に界面活性剤を添加した後、脱イオン水とともに混練し、CoOのペーストを作製した。作製したペーストをドクターブレード法で対極6上に一定の速度で塗布し、大気中において450℃で30分間焼成した。これを対極基板とした。
こうして、光作用極基板と対極基板とを、多孔質n型酸化物半導体層3と電荷輸送層とが対向するとともに接するようにして両基板を押し付けた後、オレフィン系樹脂から成る封止材9によって両基板の周縁部を封止し、封止材9の内側の両基板の間の隙間に封止材9に形成した貫通孔を通して電解質8を注入し浸み込ませた。この電解質8としては、ゲル電解質もしくは固体電解質が好ましいが、本実施例1では液体電解質である沃素(I)と沃化リチウム(LiI)とアセトニトリル溶液とを調製して用いた。これにより、光電変換装置1を作製した。
この光電変換装置1について光電変換特性を評価したところ、AM1.5、100mW/cmで光電変換率効率4%を示した。
以上のように、本実施例1においては、本発明の光電変換装置1が簡便に作製でき、しかも良好な光電変換効率を実現することができた。
まず、上記実施例1と同様に光作用極基板を作製し準備した。
次に、第2の導電性支持体5として、上記実施例1と同じフッ素ドープ酸化スズから成る透明導電層付きのガラス基板を用いた。このガラス基板上に、対極6としてのPt層をスパッタリング法で厚さ50nmとして形成した。さらに、この対極6上に、電荷輸送層としての多孔質のp型半導体層として、上記実施例1と同様に多孔質のCoO層を形成した。
この多孔質のCoO層の表面を、先の尖ったSUS(ステンレススチール)製の棒で削り、平面視において複数の平行な線状のパターンとなるようにし、これを対極基板とした。
これらの光作用極基板と対極基板とを、多孔質n型酸化物半導体層3と電荷輸送層とが対向するとともに接するようにして両基板を押し付けた後、オレフィン系樹脂(三井・デュポン ポリケミカル(株)製商品名「ハイミラン」)から成る封止材9の内側の両基板の間の隙間に封止材9に形成した貫通孔(切込み)を通して電解質8を注入し浸み込ませた。この電解質8としては上記実施例1と同じものを用いた。
こうして得られた光電変換装置1の光電変換特性を評価したところ、AM1.5、100mW/cmで光電変換効率3.8%を示した。
以上のように、本実施例2においては、本発明の光電変換装置1が簡便に作製でき、しかも良好な光電変換効率を実現することができた。
まず、導電性支持体2として、フッ素ドープ酸化スズから成る透明導電層付きのガラス基板(1cm×2cm)を用いた。この透明導電層上に二酸化チタンから成る多孔質n型酸化物半導体層3を上記実施例1と同様に形成した。次に、多数の孔を開けたメンディングテープを多孔質n型酸化物半導体層3上に貼り、上記実施例1と同様に調製したCoOのペーストをドクターブレード法で多数の点状のパターンとして一定速度で塗布し、大気中において450℃で30分間焼成した。この導電性支持体2を色素4を溶解した溶液(0.3mモル/l)に12時間浸漬して色素4を多孔質n型酸化物半導体層3に担持させた。その後、導電性支持体2をエタノールにて洗浄し乾燥させ、光作用極基板とした。
次に、第2の導電性支持体5として、上記と同じフッ素ドープ酸化スズから成る透明導電層付きのガラス基板を用いた。この透明導電層上に、対極6としてのPt層をスパッタリング法で膜さ50nmとして形成し、これを対極基板とした。
これらの光作用極基板と対極基板とを、多孔質n型酸化物半導体層3と電荷輸送層とが対向するとともに接するようにして両基板を押し付けた後、オレフィン系樹脂(三井・デュポン ポリケミカル(株)製商品名「ハイミラン」)から成る封止材9の内側の両基板の間の隙間に封止材9に形成した貫通孔(切込み)を通して電解質8を注入し浸み込ませた。この電解質8としては上記実施例1と同じものを用いた。
こうして得られた光電変換装置1の光電変換特性を評価したところ、AM1.5、100mW/cmで光電変換効率3.3%を示した。
以上のように、本実施例3においては、本発明の光電変換装置1が簡便に作製でき、しかも良好な光電変換効率を実現することができた。
本発明の光電変換装置について実施の形態の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の光電変換装置について実施の形態の他の例を模式的に示す断面図である。 本発明の光電変換装置について実施の形態の他の例を示し、平面視において網目状のパターンを成して形成されている電荷輸送層の図1のA−B線における断面図である。 本発明の光電変換装置について実施の形態の他の例を示し、平面視において格子状のパターンを成して形成されている電荷輸送層の図1のA−B線における断面図である。 本発明の光電変換装置について実施の形態の他の例を示し、平面視において複数の平行な線状のパターンを成して形成されている電荷輸送層の図1のA−B線における断面図である。 本発明の光電変換装置について実施の形態の他の例を示し、平面視において多数の点状のパターンを成して形成されている電荷輸送層の図1のA−B線における断面図である。
符号の説明
1:光電変換装置
2:導電性支持体
3:多孔質n型酸化物半導体層
4:色素
5:第2の導電性支持体
6:対極層
7:p型半導体もしくは正孔輸送体
8:電解質
9:封止材

Claims (10)

  1. 導電性支持体上に、該導電性支持体側から電解質を含有し色素を担持した多孔質n型酸化物半導体層、電荷輸送層および対極層を形成して成る光電変換装置において、前記電荷輸送層は、前記電解質中に該電解質が入り込む空間を有して設けられた、p型半導体もしくは正孔輸送体から成ることを特徴とする光電変換装置。
  2. 前記電荷輸送層は、平面視において網目状のパターンを成して形成されていることを特徴とする請求項1記載の光電変換装置。
  3. 前記電荷輸送層は、平面視において格子状のパターンを成して形成されていることを特徴とする請求項1記載の光電変換装置。
  4. 前記電荷輸送層は、平面視において複数の平行な線状のパターンを成して形成されていることを特徴とする請求項1記載の光電変換装置。
  5. 前記電荷輸送層は、平面視において多数の点状のパターンを成して形成されていることを特徴とする請求項1記載の光電変換装置。
  6. 前記電荷輸送層は、多孔質の薄膜から成るとともに前記空間としての前記薄膜の空孔に前記電解質を含有していることを特徴とする請求項1記載の光電変換装置。
  7. 前記電荷輸送層は、前記p型半導体の微粒子の集合体もしくは前記正孔輸送体の微粒子の集合体から成ることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の光電変換装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法であって、一主面に色素を担持した多孔質n型酸化物半導体層を形成した第1の導電性支持体の前記多孔質n型酸化物半導体層と、一主面に対極層および電解質が入り込む空間を有して形成された電荷輸送層を順次積層した第2の導電性支持体の前記電荷輸送層とを対向させ接触させた状態で、前記第1および第2の導電性支持体の周縁部を全周にわたって封止材によって封止するとともに接着し、次に前記封止材に貫通孔を形成するとともに該貫通孔を通して前記封止材の内側に前記電解質を注入することを特徴とする光電変換装置の製造方法。
  9. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法であって、一主面に色素を担持した多孔質n型酸化物半導体層および電解質が入り込む空間を有して形成された電荷輸送層を順次積層した第1の導電性支持体の前記電荷輸送層と、一主面に対極層を形成した第2の導電性支持体の前記対極層とを対向させ接触させた状態で、前記第1および第2の導電性支持体の周縁部を全周にわたって封止材によって封止するとともに接着し、次に前記封止材に貫通孔を形成するとともに該貫通孔を通して前記封止材の内側に前記電解質を注入することを特徴とする光電変換装置の製造方法。
  10. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の光電変換装置を発電手段として用い、該発電手段の発電電力を負荷に供給するように成したことを特徴とする光発電装置。
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