第1の発明は、鍋を加熱する加熱手段と、加熱手段を制御する加熱制御手段と、鍋の温度を検知する温度検知手段と、点火/消火操作を行なう点火ボタンとを有し、前記加熱制御手段は、前記温度検知手段からの温度信号及び操作パネルからの操作信号に基づいて制御信号を出力する制御回路と、この制御回路からの出力に基づいて自動的に火力調節を行う電動駆動装置と、手動により火力調節を行う火力調節ボタンと、前記電動駆動装置または火力調節ボタンにより駆動されて火力調節を行う流量調節装置を備え、前記流量調節装置により火力調節が行われるとき、火力調節方向がアップ方向であるか否かを判定し、その判定結果に基づいて火力調節速度を設定し、火力調節方向がアップ方向であると判定した場合、アップ方向でない場合に比べて緩やかに変化させるようにしたことを特徴とするものである。
そして、火力調節ボタンによる流量制御機構と、前記加熱制御手段の流量制御装置とを兼用させたことにより構成の簡素化が図れ、かつ、火力調節方法をボタンとしたため、火力調節レバーのようにスライド用のスペースを確保する必要がなく、コンパクトな形に纏めることができる。また、手動、電動の2方法で駆動でき、かつ流量調節装置が1個でよいから、例えば流量調節装置が2個の場合、手動火力調節で弱流量に設定し、かつ電動駆動でも弱流量に設定すると、最小流量は流量圧損が生じ、必要量以上に流量が少なくなり、この結果供給ガス圧が低い場合、安定した炎が確保できず失火する場合がある。またこの状態を見越して最小流量を大きめに設定することもあり、調理に必要な最小カロリー例えば、400Kcal/hを得られない場合もある。しかるに流量調節装置を1個で構成することによりこれらの要因を取り除くことができる。かつ、当然ながら構成部品が削減され、安価に提供できる。かつ、当然ながら構成部品が削減され、安価に提供できる効果がある。
また、流量調節手段を介して火力調節を行う場合、火力調節方向がアップ方向であるか否かを判定し、その判定結果に基づいて火力調節速度を設定し、火力調節方向がアップ方向であると判定した場合、アップ方向でない場合に比べて緩やかに変化させるようにしているため、炎が徐々に変化し使用者に炎が大きくなることを喚起することができる。
第2の発明は、電動駆動装置により流量調節装置を介して火力調節を行う場合、火力調節ボタンが連動して可動し自動火力設定位置表示として兼用表示させたことを特徴とするものである。
そして、電動駆動装置により火力を変更させた場合、火力調整ボタンも連動して変更火力位置に移動し、使用者は現在の火力が容易に判別できる。
第3の発明は、ボタンを内周と外周の2分割構成で、内側を点火/消火ボタン、外側を火力調整ボタンとしたことを特徴とするものである。
そして、火力調節レバーの場合と比べ操作パネルの面積を最小限にできる。またデザインもコンパクトに纏めることができる。
第4の発明は、点火ボタンと火力調節ボタンは同一部品で、点火/消火動作は、押し操作、火力調節は回し操作としたことを特徴とするものである。
そして、ガバナを使用しているため、一次ガス圧変動に対しても、設定した2次ガス圧
は一定である特性を有し、安定した火力調節ができる。
第5の発明は、流量制御装置が電動駆動装置によって駆動されて流量を変更するガバナで構成してあり、ガバナを使用しているため、一次ガス圧変動に対しても、設定した2次ガス圧は一定である特性を有し、安定した火力調節ができる。
第6の発明は、流量制御装置は電動駆動装置によって駆動されるニードル機構で構成してあり、一般的に普及しつつある天ぷら火災防止機能つきの普及型のコンロの配管を一部変更するのみで取付可能となる製品を提供できる。またガス種転換も容易である。
第7の発明は、流量制御装置に最小流量用のバイパス孔を具備させた構成としてあり、例えばガバナで400Kcal/hといった少ないカロリーの場合、ガバナ圧が微少ガス圧となり、これを調整することは、ダイヤフラム温度特性、バネ定数等から、困難であったが、バイパス孔で容易に最低流量を確保することができ、不必要な消火や、低カロリーのばらつきを抑えることができる。
第8の発明は、ニードル機構は、ニードル受けと、ニードル受けの通路面積を可変する如くスライド自在に設けたニードルと、このニードルをスライドさせるカムとからなり、かつ前記カムは電動駆動装置により駆動させるとともにこの電動駆動装置とカムとの間に弾性部材を介在させることによりニードルをスライドさせてニードル受けに当接させた後の過負荷を緩衝するように構成してある。
この構成によれば、ニードルをニードル受けに圧接し最小流量を正規に制御できるとともに、ニードル受けにニードルが当たって、かつ電動駆動装置を回転させると電動駆動装置に過負荷が加わり、破壊に至ることを防止することができる。
第9の発明は、ニードル機構は、ニードル受けと、ニードル受けの通路面積を可変する如くスライド自在に設けたニードルと、このニードルをスライドさせるカムとからなり、かつ前記カムは電動駆動装置により駆動させるとともにニードルはカムあるいはニードル受け側の少なくともいずれか一方に弾性部材を設けることによりニードルをスライドさせてニードル受けに当接させた後の過負荷を緩衝するように構成してある。
この構成によれば、ニードルをニードル受けに圧接し最小流量を正規に制御できるとともに、ニードル受けにニードルが当たって、かつ電動駆動装置を回転させると電動駆動装置に過負荷が加わり、破壊に至ることをより効果的に防止することができる。
第10の発明は、ニードル機構は、ニードル受け本体と、このニードル受け本体に設けたニードル受けと、ニードル受けの通路面積を可変する如くスライド自在に設けたニードルとを有し、前記ニードルは電動駆動装置によりスライド駆動するとともに、前記ニードル受けは可動自在に設定してニードルをスライドさせてニードル受けに当接させた後の過負荷を緩衝するように構成してある。
この構成によれば、ニードルをニードル受けに圧接し最小流量を正規に制御できるとともに、ニードル受けにニードルが当たって、かつ電動駆動装置を回転させると電動駆動装置に過負荷が加わり、破壊に至ることをより効果的に防止することができる。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
(実施例1)
図1は本発明の実施例1のガス調理器の外観図である。図1において図示した外観図は
、鍋底温度センサー付きこんろ1、温度検知手段としての鍋底温度センサー2、普通こんろ5、グリル部6、からなる。
これらの燃焼部の点火/消火操作を行う鍋底温度センサー付きこんろ用点火ボタン7、普通こんろ用・グリル用の点火ボタン8、鍋底温度センサー付きこんろ用火力調節レバー10、普通こんろ用・グリル用の火力調節レバー9を備える。また、鍋底温度センサー付きこんろの調理モードを選択する操作パネル11、乾電池を収納する乾電池収納部12を有する。図2は、表示パネルの拡大図を示し、温度表示部13、温度設定手段14、天ぷら設定キー15−1、取り消しキー15−2から構成されていることを示している。
図3は本発明のガス調理器の、主要構成要素を表わしている。すなわち加熱手段であるこんろバーナ1、温度検知手段である鍋底温度センサー2、燃焼流量を規制するノズル16、ガスの流量を調節する流量調節装置17、流量調節装置17を駆動する電動駆動装置18を備える。
なお、上記流量調節装置17による流量調節は後述する実施例では手動の火力調節レバー10にて流量を調節する流量調節機構19を電動駆動装置18で作動させるがその火力調節レバー10との組み合わせについては後述する。
またこのガス調理器は、点火ボタン7の操作によりガス通路を開成する手動弁20、安全弁21、点火ボタン7と連動してON−OFFする電源スイッチ22、こんろバーナ1の燃焼炎により加熱される熱電対23を備え、加熱手段であるこんろバーナ1を電動駆動で流量制御するための加熱制御手段24は、制御回路26と電動駆動装置18、流量調節装置17、安全弁21により構成されている。
図4は加熱制御手段24の概略構成図を示すもので、温度検知手段である鍋底温度センサー2の抵抗値変化を温度に判定する温度判定手段27−1、操作パネル11の設定状態と、調理中の調理モードを判定する調理モード判定手段27、調理モード判定手段27の結果によって動作する、焦げ付き防止判定手段28、過熱防止判定手段29、温度調節判定手段30からなる動作制御手段26A、また、焦げ付き防止判定手段28、過熱防止判定手段29、温度調節判定手段30の出力と、熱電対23の起電力の判定を行い作動する駆動判定手段31から構成されている。
図5〜図11は各種判定手段の概略内容を表すフーローチャートであり、図5は調理モード判定手段27の概略を表す。同図(a)で示す如く温度判定手段27−1から送信された温度データを演算処理する演算処理手段32、演算処理手段32の結果に基づき、水物調理であるか33、油もの調理であるか34を判定し、水物調理である場合沸騰温度を決定し35、沸騰温度から焦げ付き防止温度を決定36したあと、焦げ付き防止判定手段28に、そして油もの調理である場合、過熱防止温度を決定し37、過熱防止判定手段29に移行させる。また、同図(b)に示す如く操作パネル11のキー入力があった場合は、温度調節判定手段30に移行させる。このように上記調理モード判定手段27は、調理物の調理モードを決定し、調理物にあった制御温度を決定することが可能となる。
図6は焦げ付き防止判定手段28の概略フローを表し、「センサー温度>焦げ付き防止温度」38であるか判定し、焦げ付き防止温度以上である場合、流量制御装置17を「弱火力位置にする信号」を出力し39、「焦げ付きタイマーをON」し40、「X秒経過したか」判別し41、X秒経過後「センサー温度>焦げ付き温度」であるか判別し42、センサー温度が高い場合、「安全弁OFF」を次段に出力し43、流量制御装置17を「強火力位置」にする出力44を次段に送り終了とする45。
一方「センサー温度>焦げ付き防止温度」42であるか判定し、焦げ付き防止温度以下である場合、「センサー温度>焦げ付き防止温度−5℃」か判定し46、その場合は流量制御装置17を「中火力位置」にする出力47を次段に送り、そうでない場合とあわせて、「センサー温度>焦げ付き防止温度」38に戻る。
上記したように、鍋底温度センサー2の温度と焦げ付き防止温度との相関から、弱、中、強火力を適切に加熱制御手段24で選択できることとなる。
図7は、過熱防止判定手段29の概略フローを表し、「センサー温度>過熱防止温度−10℃」か判定し48、その場合には、流量制御装置17を「弱火力位置」にする出力をし49、「センサー温度>過熱防止温度」か判定し50、その場合には「安全弁OFF」を次段に出力し51、流量制御装置17を「強火力位置」にする出力52を次段に送り終了とする53。
そうでない場合、「センサー温度<過熱防止温度−18℃」か判定し54、そうである場合、流量制御装置17を「強火力位置」にする出力55を次段に送り、そうでない場合、「センサー温度<過熱防止温度−15℃」か判定し56、そうである場合、流量制御装置17を「中火力位置」にする出力57を次段に送り、そうでない場合とともに、「センサー温度>過熱防止温度−10℃」か判定48に戻る。
上記したように、鍋底温度センサー2の温度と油過熱防止温度との相関から、弱、中、強火力を適切に加熱制御手段24で選択できることとなる。
図8は、温度調節判定手段30の概略フローを表し、「センサー温度>設定温度」か判定し58、その場合、「センサー温度>設定温度+10℃」か判別し59、そうである場合、流量制御装置17を「弱火力位置」にする出力をし60、「センサー温度>設定温度」の判定58に戻る。
そうでない場合、「センサー温度>設定温度+5℃」か判別し61、そうである場合、流量制御装置17を「中火力位置」にする出力をし62、そうでない場合と同様に「センサー温度>設定温度」の判定58に戻る。
一方、「センサー温度>設定温度」か判定し58、そうでない場合、「センサー温度<設定温度−10℃」か判定し63、そうである場合、流量制御装置17を「強火力位置」にする出力をし64、「センサー温度>設定温度」の判定58に戻る。
そうでない場合さらに、「センサー温度<設定温度−5℃」か判定し65、そうである場合、流量制御装置17を「中火力位置」にする出力をし66、そうでない場合と同様に、「センサー温度>設定温度」の判定58に戻る。
上記したように、鍋底温度センサー2の温度と温度調節機能の設定温度との相関から、弱、中、強火力を適切に加熱制御手段24で選択できることとなる。
図9は駆動判定手段31の概略フローの一例を表し、センサー温度が正常か(センサーの断線、短絡等)判定し67、異常の場合は後述の異常処理ルート68へ行き、正常の場合は熱電対起電力が正常か判定し69、異常の場合は後述の異常処理ルート68へ行き、正常の場合は、点火初回か判定し70、点火初回の場合、強火力位置か確認し71、強火力位置でない場合「強火力位置」にする出力をする72。
点火初回か判定し70、初回でない場合前段から、火力変更があるか判定し73、有り
の場合、現在火力と変更火力が異なるか判定し74、異なる場合、変更火力は強火力位置か判定し75、そうである場合「強火力位置」にする出力をし76、そうでない場合変更火力が中火力か判定し77、そうである場合中火力位置にする出力をし78、そうでない場合弱火力位置にする出力をする79。
上記いずれか出力した状態が火力UP方向か判定し80、UP方向の場合、低速移動81、そうでない場合中速移動82とし、移動時から、電動タイマをONし83、目的位置に到達したか確認84し元に戻る。
到達していない場合、経過時間がX秒経過したか判定し85、経過している場合は、異常処理ルート68に行く。異常処理ルート68は、安全弁出力をOFFにし86、報知手段をONにし87、終了させる88。
上記したように、目的の火力位置に確実に火力を合わせる事ができ、かつ火力を弱から強にする場合、ゆっくり火力をUPさせることができることとなっている。
図10は駆動判定手段31の概略フローの他の例を表し、図9と同一内容は同一番号を付して説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
点火初回か判定し70、初回の場合、電動駆動装置18が中央停止位置でないか判定し89、ない場合中央停止位置出力をONし90、電動タイマON91へ行き、中央停止位置になったか判定し92、なっていない場合X秒経過したか判定し93、経過した場合異常処理ルート68へ行く。
なお、通常の火力変更を行って目的位置になったか判定し84、目的位置になった場合は中央停止位置出力ON90へ行くが、そうでない場合X秒経過したか判定し85、経過した場合1回目か判定し94、1回目の場合は中央停止位置出力をON90する。1回目でない場合異常処理ルート68へ行く。
上記したように、この場合は図9の動作に加え、電動駆動装置18を火力変更後必ず中央停止位置に戻す事ができるものである。また、前記電動駆動装置18が何らかの支障で目的火力位置に達しない場合、電動駆動装置18を中央停止位置に戻し、後述するように手動による火力調節を可能とするものである。
図11は駆動判定手段31の概略フローのさらに他の例を表し、図10と同一内容は同一番号を付して説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
火力変更があり現在火力と変更火力が異なる場合74、現在火力が強、弱火力のいづれでもない場合95、現在火力位置を記憶し96、次段へ進む。現在火力が強、もしくは弱火力の場合、中火力を記憶火力位置とする97。
上記したように、この場合は変更前の強、弱火力位置以外の火力を記憶させることにより、弱火力位置移動後、記憶している元の火力の中火力位置に復帰させることを可能とする。
図12、図13は加熱制御手段24の電動駆動装置18と流量制御装置17の一実施例を示すもので、流量制御装置17にガバナ機構を用いた場合を示す。図12は、電動駆動装置18と、流量制御装置17の立体斜視図、図13はガバナ方式の流量制御装置17の主体部分の断面図である。
電動駆動装置18は、ギヤドモータ98、ギヤドモータ取付フレーム98−1、スイッチ素子99、スイッチ素子作動片100を有したカム101、バネA102で構成し、流量制御装置17は、ガバナボディ103、ダイアフラム104、バネB105、弁106、保護板107、ガバナピン108から構成している。
この加熱制御手段24は、ダイアフラム104がガス圧力によってバネB105を押し上げる力を、ガバナピン108を押さえ込みバネB105のバネ荷重を可変させることによって、ガバナ2次圧力を変化させるもので、ギヤドモータ98でカム101を回転させることによりガバナピン108の押さえ込みストロークを変えて火力調節を行う。
この際、火力設定(強・弱)位置はカム101に設けたスイッチ素子作動片100がスイッチ素子99をON−OFFさせることにより設定する。
なお、図中4はバイパスノズル4で、使用する場合としない場合があり、これは最小流量の精度向上の目的で使用する場合の図である。
図14は横軸にカム回転角度、縦軸に2次ガス圧の変化(火力変化状態)と、カム形状の状態、スイッチ素子99のON−OFF状態を示す。例えば弱火力位置ではスイッチ素子99のSW1のみがON状態でガス圧が低く、強火力位置になるとSW2のみがON状態となってガス圧が高くなる。ここで火力調節に関係するカム形状をAカーブ、Bカーブで表し、それぞれのガス圧曲線をA曲線、B曲線と表しているが、ギヤドモータ98を一定速度で回転させた場合、弱火力から強火力に火力が変化する注意を促すためには、最初徐々に変化させ意識付けしながら火力を上げていくBカーブのカム形状がAカーブの形状より適しており、本実施例ではこのBカーブとなるカム形状を採用し、2秒程度かけて弱火力から強火力に変わるようにしてある。
上記したように、電動駆動装置18で火力変更が可能となり、またカム101、形状を工夫する事により電動駆動装置18を等速で駆動させても当初は炎の変化量を抑え使用者に火炎が大きくなる意識付けを行う事ができることとなる。また流量制御装置17をガバナ方式としたため、1次ガス圧が変化しても2次ガス圧は同一火力となる効果が期待でき安定した火力性能を提供できることとなる。
図15〜図16は、スイッチ素子99が2個で、中火力位置を検出できるようにした例を示し、図15は中火力位置を設ける手段を示した斜視図で、カム101に、スイッチ素子作動片100A、100Bと中火力位置用スイッチ素子作動片100A+Bを設けてある。
図16にそのカム101を用いた場合の流量の状態を示し、横軸のカム101の回転角には弱火力位置、中火力位置、強火力位置があり、縦軸にはその時々のカム101のストローク変化量およびスイッチ素子99−1(SW1)、スイッチ素子99−2(SW2)のON−OFF状態を示している。
また下記(表1)はスイッチ素子99−1(SW1)と、スイッチ素子99−2(SW2)のモードと火力位置の関係を表し、モード2と、モード4の判別ができないことを示している。このことは例えば、モード1からモード3に移行させる場合、モード2を通りモード3になって、駆動装置をOFFした場合、駆動装置が惰力で回転し急激に停止できない場合モード4となる。この場合スイッチ素子99−1(SW1)スイッチ素子99−2(SW2)の両方がONとなったことを駆動判定手段31で判定し、駆動方向を反転させてモード3に移行させる必要がある。また、モード2、4位置で、電源がOFFされた場合、現在位置はモード2か4か不明である。従って、電源がOFFからONになったと
き、駆動判定手段31で電動駆動装置18を火力UP方向に作動させモードを5に移行させる必要があることを示している。
上記したようにこの例ではスイッチ素子99が2個でも弱、強、中の火力位置を確認することができ、スイッチ素子99及びそれにまつわる配線処理を少なくまた部品点数も少なくすることができ、よって故障頻度も少なくなり経済メリットが高い。
しかし、2個のスイッチ素子99では中間位置の判別が不可能で加熱制御手段24において使用するための工夫が必要となる不便さがある。
図17〜図18は、スイッチ素子99を3個用いて中火力位置を検出するようにした例を示し、図17は中火力位置を設ける手段を示した斜視図で、カム101に、スイッチ素子作動片100A、100Bに中火力位置用スイッチ素子作動片100Cと中火力位置用スイッチ素子作動片100A+B+Cを設け、スイッチ素子作動片100Cは弱火力位置から中火力位置まで連続させたことを特徴としている。
図18にそのカム101を用いた場合の流量の状態を示し、横軸のカム101の回転角には弱火力位置、中火力位置、強火力位置が有り、縦軸にはその時々のカム101のカム形状およびスイッチ素子99−1(SW1)、スイッチ素子99−2(SW2)、スイッチ素子99−3(SW3)のON−OFF状態を示している。
また下記(表2)はスイッチ素子99−1(SW1)、99−2(SW2)、99−3(SW3)のモードと火力位置の関係を表し、モード1〜5まですべてのモードが即座に判別可能であることを示している。このことは例えば、モード1からモード3に移行させる場合、モード2を通りモード3になって、駆動装置をOFFした場合、駆動装置が惰力で回転し急激に停止できない場合モード4となる。
この場合スイッチ素子99−3(SW3)がOFF状態であり、駆動判定手段31はモード3に移行させる出力を出すと現在位置から目的位置への回転方向が加熱制御手段24で即座に判別が可能で目的位置へ直接移動できる。また、モード2で、電源がOFFされた場合、電源がONになったときも即座に、駆動判定手段31で移動モードを指示するのみでよくなる。
上記したようにこの例ではスイッチ素子99を3個用いることによりどの位置にあっても現在位置が判別可能で目的火力に短時間で移動できると共に、加熱制御手段24の制御方法も単純にできるメリットがある。
図19は、中火力位置の可変構成の他の例を示すカム101の構造図である。カム101には、弱火力位置用の固定スイッチ素子作動片100Bと、強火力位置用のスイッチ素子作動片100Aと固定用ビス孔109とを有し、かつ、中火力位置用のカムB101−1にはスイッチ素子作動片100C、100A+B+C、カム101に固定する調整用孔110を設け、ビス101−2で可動可能に固定してある。
図20において、上記カムB101−1には、調整用孔110の周囲に目盛りを設け、設定位置を判別できる構成としてあることを示している。
図21は、横軸にカムBの回転角、縦軸にガスの燃焼量を示し、カム形状を同一とした場合、各ガス種にあったガバナ用バネB105を選択しても、各ガス種により、弱燃焼量と強燃焼量の値がバーナ燃焼能力と、個々のガスの燃焼性質より異なり、中火力を同一火力とする場合中火力位置を移動させる必要があることを示している。
例えば13Aの場合強火力が4000Kcal/h、弱火力が400Kcal/hであり、中火力を1500Kcal/hとするにはA点、LPGの場合、強火力が3800Kcal/h、弱火力が500Kcal/hであり、中火力を1500Kcal/hとするにはB点、L1の場合、強火力が3200Kcal/h、弱火力が600Kcal/hであり、中火力を1500Kcal/hとするにはC点、となるのである。
従って予め各ガス毎に中火力が同一カロリーとなる調整用孔110の目盛り位置を確認し、工場出荷時、各ガスにあった調整用孔110の目盛りに合わせて出荷ができることとなる。
図22〜図30は加熱制御手段24の電動駆動装置18と、流量制御装置17の他の例を示し、流量制御装置17にニードル機構を用いた例を示す。
図22は、図23の(A)(B)とともにブロック構成を示し、電動駆動装置18は、ギヤドモータ98、複数のスイッチ素子99、これらの部品を取り付けるギヤドモータ取付フレーム98−1、バネC112、カム101で構成し、流量制御装置17はニードル111を挿入したニードル受け113から構成している。
ギヤドモータ98はその先端aの連結ピン114をカム101のスリ割り部115に入れ垂直方向に自由度を有した連結で回転させる。カム101には、弱火力位置用の固定ス
イッチ素子作動片100と、強火力位置用のスイッチ素子作動片100と、ニードル111に設けたニードルピン116を垂直方向に可動させるカム溝117を有し、このカム溝117はニードルピン116をバネC112によってニードル受け113側に常に押しつける構成としている。なおニードル111にはOリング118が設けてある。
この流量調節装置17はカム101を回転させていくとニードル111が通路面積を変えながら火力調節を行い、ついにはニードル受け113に接触する。そしてさらにカム101を回転させるとカム101はバネC112抗してニードル位置を一定に保ちギヤドモータ98の先端aの連結ピン114とカム101のスリ割り部115の連結隙間を縮かめる事で装置の破壊を免れ、ニードル111をニードル受け113に圧接し最小流量の精度を確保する。
図24は横軸にカム101の回転角度、縦軸に2次ガス圧の変化(火力変化状態)と、カム形状の状態、スイッチ素子99のON−OFF状態を示す。弱火力位置ではスイッチ素子99−1(SW1)のみがON状態でガス圧が低く、強火力位置になるとSW2のみがON状態となってガス圧が高くなる。ここで火力調節に関係するカム形状をAカーブ、Bカーブで表し、それぞれのガス圧曲線をA曲線、B曲線と表しているが、ギヤドモータ98を一定速度で回転させた場合、弱火力から強火力に火力が変化する注意を促すためには、最初徐々に変化させ意識付けしながら火力を上げていくBカーブのカム形状がAカーブのカム形状より適しており、本実施例ではこのBカーブとなるカム形状を採用し、2秒程度かけて強火力に変わるようにしてある。
上記したように、この例でも電動駆動装置18で火力変更が可能となり、またカム形状を工夫する事により電動駆動装置18を等速で駆動させても当初は炎の変化量を抑え使用者に火炎が大きくなる意識付けを行う事ができる。
図25は中火力位置を設ける手段を示した斜視図で、図15と内容は同一であり説明は省略する。
図26はスイッチ素子99を3個用いて中火力位置を検出する例を示し、図18と内容は同一であり説明は省略する。
図27は中火力位置の可変構成の他の例を示すカム101の斜視図であり、図21と内容は同一であり説明は省略する。
図28は図29とともに電動駆動装置18と流量制御装置17のブロック構成を表し、電動駆動装置18は、ギヤドモータ98、複数のスイッチ素子99、これらの部品を取り付けるギヤドモータ取付フレーム98−1、カム101で構成し、流量制御装置17はニードルピン116とOリング118を有したニードル111とこれを挿入したニードル受け本体119、ニードル受け本体119に下部から挿入したOリングを有したニードル受け113、ニードル受け113をニードル方向にバネ力で支えるバネD120から構成している。
ギヤドモータ98はその先端D軸部Bをカム101の中心D孔部に入れる。ギヤドモータ98により回転するカム101には、弱火力位置用の固定スイッチ素子作動片100と、強火力位置用のスイッチ素子作動片100、とニードル111に設けたニードルピン116を垂直方向に可動させるカム溝117を有する。
このカム溝117はカム101を回転させていくとニードル111が降下して火力調節しながらついにはニードル受け113に接触し、さらにカム101を回転させるとカム1
01はバネD120に抗してニードル受け113を押し下げ電動駆動装置18の破壊を免れ、ニードル111をニードル受け113に圧接し最小流量の精度を確保する。
図30は他の電動駆動装置18と流量制御装置17のブロック構成を表し、電動駆動装置18は、ギヤドモータ98、複数のスイッチ素子99、これらの部品を取り付けるギヤドモータ取付フレーム98−1、カム101で構成し、流量制御装置17は、ニードル受け本体119に上部からバネD120を入れ、次にOリング118を有したニードル111を挿入し、その上にバネE122、連結ピン114を有したバネ押さえ121を入れて構成している。
ギヤドモータ98はその先端D軸部13をカム101の中心D孔部に入れる。ギヤドモータ98により回転するカム101には、弱火力位置用の固定スイッチ素子作動片100と、強火力位置用のスイッチ素子作動片100と、連結ピン114を挟みギヤドモータ98の回転を伝える作用があり、ニードル受け本体119には連結ピン114を垂直方向に可動させるカム溝117を有する。
このカム溝117はカム101を回転させていくと連結ピン114が垂直に上下し、バネE122、バネ押さえ121を押し下げ、ニードル111を降下させてニードル受け113に接触させるが、さらにカム101を回転させるとニードル111がニードル受け部(図示せず)に当接しこれ以上は下がらないため、連結ピン114はバネD122を圧縮させて電動駆動装置18の破壊を免れ、しかもニードル111をニードル受け113に圧接し最小流量の精度を確保する。
ここでバネE122と、バネD120のバネ力の関係はバネE122に比べ、バネD120のバネ力を弱く設定してあり、バネE122はバネD120の押し下げ力が弱いとき、ニードル111を押し上げる役割を有している。
図31〜図33は火力調節を電動と手動の両方で行えるようにした一例を示す。
図31はその概略を示すもので、電動駆動装置18は、ギヤドモータ取付フレーム98−1に取り付けたギヤドモータ98、ギヤドモータ98により可動するカム101と操作竿123、およびカム101に設けた複数のスイッチ素子作動片100によりON−OFF動作を行う複数のスイッチ素子99で構成されている。
一方、火力調節レバー10は操作竿123を貫通させる操作竿孔10Aを有し、かつ、火力調節レバー10の支点Pの部分から挟み込み部10−1でニードルピン116を挟み込み、火力調節レバー10が回転することによりニードルピン116が回転し、ニードル111をニードル受け113に対して垂直方向に可動し流量制御させる構成としている。
なお、火力調節レバー10を操作して、流量制御させる流量制御装置17については、先の各実施例で記載した具体的な機構の他、ガス量を調節するものであれば特に限定するものではない。
図32は電動駆動装置18の操作竿123と火力調節レバー10の関係を示したもので、火力調節レバー10の可動範囲Wを左右一杯に可動させても操作竿123がA点(中央停止位置)にある場合は、火力調節レバー10の操作竿孔10A内にあり火力調節レバー10に当接しないよう、操作竿孔10Aの形状を設定して隙間W1、W2を確保させている。
この状態で操作竿123を可動させ、A点(中央停止位置)からB点(弱火力位置)に
移動させると、火力調節レバー10の操作竿孔10A端面に接して、火力調節レバー10を可動させて移動させることができる。同様に操作竿123をA点からC点(強火力位置)に移動させると火力調節レバー10も移動することとなる。
ここで、操作竿123をC点に移動させたままの状態では、手動で火力調節レバー10を可動させるには、操作竿123も同時に移動させる必要があり、例えば操作竿123を可動させるトルクが必要、もしくは、操作竿123と電動駆動部とを切り離す何らかの手段が必要となる課題が生じる。
本発明では、このような課題を解決すべく図10、図11のフローチャートに示すように操作竿123を可動させて目的位置に到達した場合、例えばA点からC点に移動した場合、A点に戻す一連の動作を行わしめて常に手動で火力調節が可能になるようにしてある。
図33は、操作竿123を移動させた時の状態を示すもので、横軸に操作竿調節位置(移動量)、縦軸にはそれぞれ、火力の変化量、スイッチ素子99−1(SW1)および99−2(SW2)のスイッチング状態を示したものである。 弱火力位置の時、火力は400Kcal/hであり、スイッチ素子99−1(SW1)はON、スイッチ素子99−2(SW2)はOFF状態である。また、中央停止位置の場合スイッチ素子99−1(SW1)、スイッチ素子99−2(SW2)は共にON状態であり、火力は、手動で火力調節レバー10を任意に操作し400−4000Kcal/hの範囲で調節可能である。さらに強火力位置の時は、火力は4000Kcal/hであり、スイッチ素子99−1(SW1)はOFF、スイッチ素子99−2(SW2)はON状態である。
したがって電動駆動装置は例えば中央停止位置から強火力位置に火力調節して中央停止位置に戻す場合、中央停止位置(SW1、SW2共にON)からギヤドモータ98を右回転させ、強火力位置になったことを、SW2のON状態で確認し、一端停止させた後、ギヤドモータ98を逆転(左回転)させ、SW1、SW2が共にONとなることで中央停止位置に戻ったことを確認して停止することが可能となり、これにより電動駆動による火力調節が行え、しかも中央停止位置に戻ることで手動による火力調節も可能となる。
なお、ギヤドモータ98の操作竿123と火力調節レバー10の操作竿孔10Aとの関係は、器具内の取付状態から、火力調節レバー10側を操作竿123の形状とし、電動駆動部に竿孔を設けることも、第2の実施例として有望である。
図34は、操作竿123を弾力性のある構成とした事を示す一例である。
操作竿123を回転駆動部123−1、弾性体部123−2、先端部123−3に分割し弾性体部123−2をバネ材で構成してある。
図32において操作竿123を例えばB点に移動させた場合、火力調節レバー10の可動限界点まで達して、なおかつ操作竿123が可動している場合、操作竿123の弾性を利用し操作竿123を変形させることにより電動駆動装置18に除々に負荷をかける構成である。したがって電動駆動装置18に急激な負荷が加わり、ギヤドモータ98が破壊する恐れを防止できると共に、例えば流量制御装置17がニードル方式の場合ニードル111をニードル受け113に圧接させバイパスノズルのみの最小流量を正確に繰り込める事ができるのである。
図35、図36(a)(b)(c)は電力と手動の両方で火力調節ができる他の例を示す。図35はその概略を示すもので、電動駆動装置18は、ギヤドモータ取付フレーム(図示せず)に取り付けたギヤドモータ98、ギヤドモータ98により可動するカム101
、火力調節レバー10を特定の幅Sを持って挟み込む操作片124、およびカム101に設けた複数のスイッチ素子作動片100によりON−OFF動作を行う複数のスイッチ素子99で構成される。 火力調節レバー10は、火力調節レバー10の支点Pの部分から挟み込み部10−1でニードルピン116を挟み込み、レバー10が回転することによりニードルピン116が回転し、ニードル111をニードル受け(図示せず)に対して垂直方向に可動し流量制御させる構成としている。
なお、火力調節レバー10を操作して、流量制御させる流量制御装置17については、先の各実施例で記載した具体的な機構の他、ガス量を調節するものであれば特に限定するものではない。
図36(a)(b)(c)は電動駆動装置18の操作片124と火力調節レバー10の関係を示したもので、火力調節レバー10の可動範囲Wを左、右一杯に可動させても操作片124が中央停止位置にある場合は、火力調節レバー10が操作片124の有する特定幅S内にあり、火力調節レバー10に当接しないよう隙間W1、W2を確保した特定幅としている状態を示している。
この状態で操作片124を左方向に可動させると、火力調節レバー10の端面に操作片124が当接して、火力調節レバー10を可動させ強火力位置に移動させることができる。同様に操作片124を右方向に可動させると、火力調節レバー10の端面に操作片124が当接して、火力調節レバー10を可動させ弱火力位置に移動させることができる。
しかし、操作片124を左に移動させ弱火力位置移動させたままの状態では、手動で火力調節レバー10を可動させることは、操作片124も同時に移動させる必要があり、操作片124を可動させるトルクが必要、もしくは操作片124と電動駆動部を切り離す何らかの手段が必要となる課題が生じる。
この課題を解決するため、先の実施例で説明した如く本発明では、操作片124を可動させ目的位置に到達した場合(例えば中央停止位置から弱火力位置に移動した場合)、また中央停止位置に戻すようにする事により常に手動で火力調節が可能な構成としている。
なお、器具に対する設置条件から、火力調節レバー10側に操作片の形状を設けることも、第2の実施例として有望である。また、図31の操作竿123方式に比較し、火力調節レバー10は、特別な加工が必要でなく、火力レバー10を有する現行品に取り付けができるという効果がある。
なお、火力調節レバー10の調節可動範囲を操作片124で移動させた時の操作片移動量と、火力の変化量、スイッチ素子99−1(SW1)および99−2(SW2)のスイッチング状態の内容は図33と同様であり説明は省略する。 図37は、操作片124と火力調節レバー10の可動当接箇所を弾力性のある当接構成とした事を示した一例で、操作片124を回転駆動部124−1、弾性体部124−2、先端部124−3に分割し、弾性体部124−2を弾性材で構成した。
図36において操作片竿124を例えば弱火力位置に移動させた場合、火力調節レバー10の可動限界点まで達して、なおかつ操作片竿124が可動している場合、操作片124の弾性を利用し操作片124を変形させることにより電動駆動装置18に除々に負荷をかける。その作用効果は図34と同様であり説明は省略する。
なお、操作片124で火力調節レバー10を可動させ火力調節を行っているが、ニードルピン116を同様に可動させることも第2の実施例として有望である。
また、第2の実施例として、ニードルピン116の可動を、操作片124をギヤドモータ98の回転伝達を、部分的にギヤ形状とした円盤状で扇状に切り欠いた操作片とする事も有望である。
図38、図39(a)(b)(c)は電動と手動の両方で火力調節ができるさらに他の例を示す。図38はその概略を示すもので、電動駆動装置18は、ギヤドモータ取付フレーム98−1に取り付けたギヤドモータ98、ギヤドモータ98により回転する電動駆動ギヤ125、前記電動駆動ギヤ125に設けた複数のスイッチ素子作動片100を有する。
前記複数のスイッチ素子作動片100は、電動駆動ギヤ125が回転することにより取付フレーム98−1に取り付けた複数のスイッチ素子99をON−OFF操作する構成とし、また前記電動駆動ギヤ125の支点は火力調節レバー10の同一支点上に設けた構成する。
電動駆動ギヤ125で火力調節レバー10を可動させるため、火力調節レバー10には、電動駆動ギヤ125の円周内にピン等による凸部126を設け、電動駆動ギヤ125には前記凸部126に対応して円周方向の孔125Aを設けた構成としている。
また、火力調節レバー10は、火力調節レバー10、の支点Pの部分から挟み込み部10−1でニードルピン116を挟み込み、火力調節レバー10が回転することによりニードルピン116が回転し、ニードル111をニードル受け(図示せず)に対して垂直方向に可動し流量制御させる構成としている。
なお、火力調節レバー10を操作して、流量制御させる流量制御装置17については、先の各実施例で記載した具体的な機構の他、ガス量を調節するものであれば特に限定するものではない。
図39(a)(b)(c)は電動駆動装置18の電動駆動ギヤ125と火力調節レバー10の作動関係を示したもので、火力調節レバー10には凸部126を設け、電動駆動ギヤ125には前記火力調節レバー10の凸部126の相対した位置に孔125Aが設けてある。
その孔125Aの切り欠き幅は、火力調節レバー10を可動回転角度α゜可動させて凸部126が孔125Aの端に当接しない範囲とする。従ってこの状態では火力調節レバー10を電動駆動ギヤ125と無関係に操作が可能であり、このときの電動駆動装置18の停止状態を中央停止位置とする。
ここで火力調節レバー10が中央にある状態から電動駆動装置18を駆動させ電動駆動ギヤ125を右回転させると火力調節レバー10の凸部126は、電動駆動ギヤ125の孔125Aの右端部に当接し電動駆動ギヤ回転に合わせ可動することとなる(弱火力位置)。
同様に火力調節レバー10が中央にある状態から電動駆動装置18を駆動させ電動駆動ギヤ125を左回転させると火力調節レバー10の凸部126は、電動駆動ギヤ125の孔125Aの切り欠き左端部に当接し電動駆動ギヤ125の回転に合わせ可動することとなる(強火力位置)。
しかし、電動駆動ギヤ125を左に回転させ強火力位置に移動させたままの状態では、
手動で火力調節レバー10を可動させることは、電動駆動ギヤ125も同時に回転させる必要があり、電動駆動ギヤ125を回転させるトルクが必要、もしくは電動駆動ギヤ125と電動駆動部を切り離す何らかの手段が必要となる課題が生じる。
これらの課題を解決するため、先の実施例で説明した如く本発明では、電動駆動ギヤ125を可動させ目的位置に到達した場合(例えば中央停止位置から弱火力位置に移動した場合)、また中央停止位置に戻すようにし常に手動で火力調節が可能である構成としている。
なお、火力調節レバー10の調節可動範囲を電動駆動ギヤ125で回転移動させた時の回転移動量と、火力の変化量、スイッチ素子99−1(SW1)および99−2(SW2)のスイッチング状態の内容は図33と同様であり説明は省略する。
この実施例の方法によれば、ギヤ同志の伝達で、伝達効率がよく、電動駆動装置18のトルクが他の伝達方式に比べ最も少なくて済むという効果がある。
図40は電動と手動の両方で火力調節できるさらに他の例を示すもので、電動駆動装置18は、ギヤドモータ取付フレーム(図示せず)に取り付けたギヤドモータ98、ギヤドモータ98により可動するカム101と、操作棒126、およびカム101に設けた複数のスイッチ素子作動片100によりON−OFF動作を行う複数のスイッチ素子99で構成される。
火力調節レバー10は操作棒126を貫通させる操作棒孔10Aを有し、かつ、火力調節レバー10の支点Pの部分から挟み込み部10−1でニードルピン116を挟み込み、レバー10が回転することによりニードルピン116が回転し、ニードル(図示せず)をニードル受け(図示せず)に対して垂直方向に可動し流量制御させる構成としている。
なお、火力調節レバー10を操作して、流量制御させる流量制御装置17については、先の各実施例で記載した具体的な機構の他、ガス量を調節するものであれば特に限定するものではない。また、詳細説明は、図31〜図33と類似構成であるため省略する。
上記の構成によれば、火力調節レバー10と電動駆動装置18は、操作棒126で連結しているため、取り付け位置に多少の誤差が生じても、問題なく可動するという効果が期待できる。
図41は電動と手動の両方で火力調節できるさらに他の例を示すもので、電動駆動装置18は、ギヤドモータ取付フレーム98−1に取り付けたギヤドモータ98、ギヤドモータ98により可動するピニオンラック構成のピニオン128、このピニオン128に設けた複数のスイッチ素子作動片100を有し、ビニオン128の駆動に応じてギヤドモータ取付フレーム98−1に取り付けた複数のスイッチ素子99、をON−OFF動作を行わしめる。
またビニオン128の先端には火力調節レバー10を特定幅Sで挟み込む操作片124を有し、この操作片124で火力調節レバー10を可動させる構成としてあり、かつ、火力調節レバー10の支点Pの部分から挟み込み部10−1でニードルピン116を挟み込み、火力調節レバー10が回転することによりニードルピン116が回転し、ニードルをニードル受けに対して垂直方向に可動し流量制御させる構成としてある。
なお、火力調節レバー10を操作して、流量制御させる流量制御装置17については、先の各実施例で記載した具体的な機構の他、ガス量を調節するものであれば特に限定する
ものではない。この方式は器具内の駆動装置18の設置場所が火力調節レバー10の縦方向にあまり余裕が無く横方向に余裕がある場合設置できるという効果が期待できる。
図42〜図43は、図33で示した2個のスイッチ素子99で中央停止位置を検出する方式を改め、スイッチ素子99を3個用いて中央停止位置を検出するための説明図である。
図42は中央停止位置を設ける手段を示した斜視図で、カム101に、スイッチ素子作動片100A、100B、100A+B+C、中央停止位置用スイッチ素子作動片100Cを設け、スイッチ素子作動片100Cは弱火力位置から中火力位置まで連続させたことを特徴としている。
図43にそのカム101を用いた時の状態を示し、横軸のカム101の回転角には弱火力位置、中央停止位置、強火力位置があり、縦軸にはその時々のカム101の火力変化量およびスイッチ素子99−1(SW1)、スイッチ素子99−2(SW2)、スイッチ素子99−3(SW3)のON−OFF状態を示している。
また下記(表3)はスイッチ素子99−1(SW1)、99−2(SW2)、99−3(SW3)のモードと火力位置の関係を表し、モード1〜5まですべてのモードが即座に判別可能であることを示している。動作については図20と同一のため省略する。
図44〜図46は電動駆動と手動との両方で操作可能な火力調節レバー構成を示し、電動駆動で選択可能な強、弱火力位置以外に、中火力を選択可能とする一例を示したものである。
図44において、124は火力調節レバーを電動駆動装置18で可動伝達させるための操作片で、操作片124に固定したスイッチカム101、スイッチカム101に設けたスイッチ素子作動片100A、100B、100A+B、100C1、100C2および複数のスイッチ素子99から構成している。
図45は操作片124と火力調節レバー10の動作説明図で、(a)は操作片124が中央停止位置に位置し火力調節レバー10が弱〜強火力位置の範囲で可動可能であることを図示したものである。(b)は電動駆動で弱火力位置にあった火力調節レバー10を中弱火力位置に可動させる場合、また、(c)は電動駆動で強火力位置にあった火力調節レバー10を中強火力位置に可動させる場合、の操作片124の動作を示したもので、(b)の弱火力位置にあった火力調節レバー10を中弱火力位置に可動させる場合、操作片124を強火力位置側から可動させても中火力位置に火力調節レバー10は移動しないことを示すものである。
図46は、操作片124を移動させた時の状態を示すもので、横軸にスイッチカム101の回転角(操作片移動量)、縦軸にはそれぞれ、火力の変化量、スイッチ素子99−1(SW1)、99−2(SW2)および99−3(SW3)のスイッチング状態を示したものである。
なおスイッチ素子99−1にはスイッチ素子作動片100A、100A+B、スイッチ素子99−2にはスイッチ素子作動片100B、100A+B、スイッチ素子99−3にはスイッチ素子作動片100C1、100C2が対応している。
横軸に位置する、弱火力位置の時、火力は400Kcal/hであり、スイッチ素子99−1(SW1)はON、スイッチ素子99−2(SW2)はOFF状態であり、また、中央停止位置の場合スイッチ素子99−1(SW1)、99−2(SW2)は共にON状態であり、火力は、手動で火力調節レバー10を任意に操作して行うことができる。この時の調節は400−4000Kcal/hの範囲で可能である。
強火力位置の時は、火力は4000Kcal/hであり、スイッチ素子99−1(SW1)はOFF、スイッチ素子99−2(SW2)はON状態である事を示している。
上記したことは図33で既に説明したが、強弱火力位置の場合と異なり中火力位置を設けることは、電動駆動装置18の駆動制御と関係があり、図において中央停止位置を起点として、弱火力位置方向に中火力位置を合わせる場合は、電動駆動装置18の回転方向を左回転させスイッチ素子99−3(SW3)のON位置(スイッチ素子作動片100C1位置)が中火力位置となる。
同様に強火力位置方向に火力位置を合わせる場合、電動駆動装置18の回転方向を右回転させスイッチ素子99−3(SW3)のON位置(スイッチ素子作動片100C2位置)が中火力位置となる。
従って中火力位置に合わせる場合、火力調節レバー10の現在位置により、回転方向を選択する必要があるが、火力調節レバー10には位置の判別手段は無いため、一旦火力調節レバー10を強もしくは弱火力位置に移動させ位置を明確にして中火力位置に移動させるか、もしくは、鍋底温度センサー2の温度と調理モード条件から判別して、現在位置を推定し電動駆動装置18の駆動方向を決定する必要がある。
また中火力位置を決定するスイッチ素子作動片100、100C1、100C2を可動式にすることにより、中火力は自在に設定可能となる(可動させる方法は図5、および図27に参考例を示す)。
図47は、火力調節レバー10に中火力位置設定スイッチを設けた一例である。図44で示した中火力位置用のスイッチ素子作動片100Cを火力調節レバー10に設けたものである。
スイッチ素子作動片100Cは火力調節レバー10に位置するため、一旦火力調節レバー10を強もしくは弱火力位置に移動させ位置を明確にして中火力位置に移動させるか、もしくは、鍋底温度センサー2の温度と、調理モード条件から判別して、現在位置を推定し電動駆動装置18の駆動方向を決定する等の複雑な処理を必要としない。
また火力調節レバー10に、スイッチ素子99−3(SW3)作動用のスイッチ素子作動片100Cを設けたため、図15の火力調節レバー10を操作片124を介して作動さ
せるスイッチカム101方式に比べ、中火力の火力は、格段に一定値が得やすい構造となる。
図48は、中火力位置を可変させる一例を示し、火力調節レバー10へ取付けるカムB101−1に、スイッチ素子99−3(SW3)作動用のスイッチ素子作動片100Cを設け、スイッチ素子作動片100Cの設定位置を可変させるため、カムB101−1に調整用孔110を設け、目的とする位置に設定し、固定用ビス10Bで火力調節レバー10の固定用ビス孔109に固定することにより中火力位置を可変可能としたものである。
中火力位置を可変可能としたことにより、例えば、焦げ付き防止機能の中火力は沸騰後の吹きこぼれしない、ぐつぐつ煮込める火力で、約1000Kcal/h程度の最適火力に設定でき、温度調節機能の中火力は、天ぷらを一般のこんろで揚げるときの火力約2300Kcal/h程度に設定することができる。
従ってこんろの使用目的を予め限定して焦げ付き防止を特徴とする場合は、焦げ付き防止機能で中火力を1000Kcal/h程度に設定する。なお、機能特徴を積極的に訴える場合、1000Kcal/hの位置は、図12に一例を示した如く各ガス種により異なるため、中火力位置を各ガス種に応じて、工場出荷時微調整する事により確保可能となる。
図49は、前記調理内容により異なる中火力位置を使用者が任意に設定できる一例を示したものであり、基本的には、図48に示したカムB101−1に中火力設定レバー130を設け、火力調節レバー10と共に回転自在に固定ピン131で固定してなるものである。
また中火力設定レバー130は火力調節レバー10とともに操作パネル面で操作可能とするもので調理モードに応じた中火力を使用者が好みに応じて設定できる。
図50は、図48に示した火力調節レバー10に、中火力設定用スイッチを複数個設ける(図48ではスイッチが1個であった)ための一例を示すもので、火力調節レバー10に光電スイッチ132の発光部の光透過用孔133を複数個設け、受光部が透過した数を勘定させることにより移動量を判別して中火力位置を判別可能とするものである。
例えば、煮物調理時一般的に沸騰するまでは、強火力で加熱し、沸騰後は、調理物と、調理内容と、鍋の大きさにより、使用者の長年の経験によって、中火力を火力調節レバー10で設定する。従って中火力は一定ではなく、毎回変化する。
この中火力で煮込み中、焦げ付き状態か否かを加熱制御手段24が確認する場合、一旦弱火力位置に火力を弱めて確認する。確認の結果焦げ付き状態にいたらず元の火力位置に戻す場合、元の火力位置を判定する手段として、中火力から弱火力位置に移行させるがそのとき、受光部が勘定した数値だけ、逆回転させることにより、使用者の設定した長年の経験を生かした元の中火力に戻すことが可能となる。
なお、上記は光電スイッチを使用した一実施例を示したが、カム101の形状とスイッチ素子99の組み合わせや、エンコーダーを利用すれば、現在位置が判別可能となる第2実施例も同様の効果が発揮できる。またエンコーダーを使用した場合、使用者の火力調節課程を知ることも可能となる。
図51〜図53は、電動駆動装置18と手動のボタン134とで共用の流量制御装置17を使用して火力調節を行う場合の実施例を示す斜視図である。
図51は火力調節レバー10をボタン134で回転駆動する一実施例を示す。図において、火力調節レバー10の先端を、ギヤ形状135とし、火力調節ボタン134にギヤ134Aを切り、ボタン34を回転することにより火力調節レバー10を駆動するものである。なお動作方法は前述しているので省略する。また、火力調節レバー10方式の場合、操作パネル(図示せず)に火力調節レバー10の可動範囲をスリット状とすることで規制する必要があるが、火力調節ボタン134の場合操作パネル面に丸孔を設けるだけでよく、よってスリットに幼児が手を入れる等もなく、また外観もレバー方式と異なるデザインとすることができる。
図52は、火力調節ボタン136を2重構造とし、内側のボタン137を点火ボタンとし、外側のボタン136を火力調節とした一例である。火力調節レバー10の先端を、ギヤ形状138とし、外側の火力調節ボタン136にギヤ136Aを切り連結駆動とした場合を示している。なお動作方法は前述しているので省略する。
図53は、点火ボタンと、火力調節ボタンを同一部品139で構成し、点火/消火動作は、押し操作、火力調節は回し操作とし、かつ前記火力調節ボタン139による流量制御機構と、前記加熱制御手段24の流量制御装置17とは兼用させた構造の一例を示す図である。
前記のボタン139は、プッシュプッシュのロック機構を内蔵したケース140からの軸141に挿入し押し込んでいくとコックボデー142のバルブ操作棒142Aを押し込みガス通路を開成する。この状態でボタン136を飛び出し、もしくは押し込め状態とするかは、ロック機構ケース140内のロック機構の構成で異なるが本発明の必要項目でなく詳細説明は省略する。
ボタン139のギヤ部143は流量制御装置17のギヤ形状が長い形状の電動駆動ギヤB144に噛み合い、ボタン139操作時はこの長いギヤ形状の間をスライドさせて連結を保っている。電動駆動ギヤB144を回転させると垂直方向に可動自在に回転を伝達する構成としたニードル111を回転させる。
このニードル111を回転させると垂直方向に移動させる溝部を有したニードルボデー部145に挿入する。ニードル機構については前述しているので説明は省略する。
電動駆動装置18はギヤドモータ98、電動駆動ギヤB144の同一支点上に設けた電動駆動ギヤ125、前記電動駆動ギヤ125に設けた複数のスイッチ素子作動片で駆動する複数のスイッチ素子99を有した構成としている。なお、電動駆動ギヤ125と電動駆動ギヤB144の可動の状態については図39に、類似構成を記述しているので説明は省略する。
また、電動駆動ギヤB144を操作して、流量制御させる流量制御装置17については、先の各実施例で記載した具体的な機構の他、ガス量を調節するものであれば特に限定するものではない。