JP2006257524A - 白色被膜を有する装飾品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ステンレス鋼からなる装飾品用基材と、該基材表面に湿式メッキ法で形成されたバリアー層と、該バリアー層の表面に乾式メッキ法により形成された下地層と、該下地層の表面に乾式メッキ法により形成された耐摩耗層、および該耐摩耗層の表面に乾式メッキ法により形成された最外層からなる発色層とから構成されていることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
最外層として貴金属または貴金属の合金からなる白色色調を有する被膜が乾式メッキ法により形成された装飾品において、ステンレス鋼からなる装飾品用基材と、該基材表面に湿式メッキ法で形成されたバリアー層と、該バリアー層の表面に乾式メッキ法により形成された下地層と、該下地層の表面に乾式メッキ法により形成された耐摩耗層、および該耐摩耗層の表面に乾式メッキ法により形成された最外層からなる発色層とから構成され、前記発色層は、厚み0.2〜1.5μmの耐摩耗層と厚み0.002〜0.1μmの最外層とからなる、ステンレス鋼色調を有する硬質の白色被膜であることを特徴とする。
を形成する金属または合金とからなる混合層を有していることを特徴とする。この混合層の厚みは、0.005〜0.1μmであることを特徴とする。
最外層として貴金属または貴金属の合金からなる白色色調を有する被膜が乾式メッキ法により形成された装飾品の製造方法において、ステンレス鋼からなる素材を用い、各種加工手段で装飾品用基材を製造する工程と、該基材表面に湿式メッキ法によりバリアー層を形成する行程と、該バリアー層表面に乾式メッキ法により下地層を形成する工程と、該下地層の表面に乾式メッキ法により金属化合物からなる耐摩耗層を形成し、さらに該耐摩耗層の表面に乾式メッキ法によりプラチナまたはプラチナ合金からなる最外層を形成することにより、ステンレス鋼色調を有する硬質の発色層を得る工程とを含むことを特徴とする。
本発明に係る白色被膜を有する装飾品は、ステンレス鋼からなる装飾品用基材と、該基材表面に湿式メッキ法で形成されたバリアー層と、該バリアー層の表面に乾式メッキ法により形成された下地層と、該下地層の表面に乾式メッキ法により形成された発色層とから構成されている。この発色層は、耐摩耗層と最外層、または耐摩耗層と混合層と最外層とから構成されている。
ステンレス鋼からなる装飾品用基材は、上記の金属から従来公知の機械加工により製造される。また、装飾品用基材には、必要に応じて各種手段により、鏡面、梨地、ヘアライン模様、ホーニング模様、型打ち模様、エッチング模様の中の少なくとも1つの表面仕上げが施されている。
〔バリアー層〕
本発明に係る白色被膜を有する装飾品を構成しているバリアー層は、湿式メッ
キ法により形成される少なくとも1つのメッキ被膜からなる。このメッキ被膜と
して、ロジウム(Rh)、金(Au)またはクロム(Cr)などがある。また、装
飾品用基材表面とバリアー層との密着をより強固なものとするには、装飾品用基
材表面とバリアー層との間にストライクメッキ被膜層を設ける。このストライク
メッキ被膜層として、金または金合金などがある。
本発明に係る白色被膜を有する装飾品を構成している下地層は、乾式メッキ法
により形成される少なくと1つのメッキ被膜からなる。このメッキ被膜として、
チタン(Ti)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バ
ナジウム(V)、ニオブ(Nb)またはタンタル(Ta)などがある。
本発明に係る白色被膜を有する装飾品を構成している発色層は、耐摩耗層と最外層、または耐摩耗層と混合層と最外層とから構成されている。これらの層は乾式メッキ法により形成される。乾式メッキ法としては、具体的には、スパッタリング法、アーク法、イオンプレーティング法、イオンビーム等の物理的蒸着法(PVD)、CVDなどが挙げられる。中でも、スパッタリング法、アーク法、イオンプレーティング法が特に好ましく用いられる。
上記耐摩耗層は、下地層表面に乾式メッキ法により形成される金属化合物被膜からなる。このような金属化合物被膜としては、炭化チタン(TiC)、炭化クロム(Cr3C2)、炭化ジルコニウム(ZrC)、炭化ハフニウム(HfC)、炭化バナジウム(VC)、炭化ニオブ(NbC)、炭化タングステン(WC)または炭化タンタル(TaC)からなる金属化合物被膜が望ましい。
上記最外層は、上記耐摩耗層または後述の混合層の表面に、乾式メッキ法により形成される貴金属(合金を含む)の被膜からなる。
本発明において必要に応じて耐摩耗層と最外層との間に形成されることがある混合層は、乾式メッキ法により形成される被膜である。この被膜は、耐摩耗層を形成する金属化合物(たとえば炭化チタン)と、最外層を形成する金属または合金(たとえばプラチナ、プラチナ合金)とからなる。この混合層の厚みは、通常、0.005〜0.1μm、好ましくは0.01〜0.08μmであることが望ましい。このような混合層を設けることにより、耐摩耗層と最外層との密着性をより強固にすることができる。
本発明に係る白色被膜を有する装飾品は、前記発色層からなるステンレス鋼色調を有する白色被膜表面の一部に、発色層の色調と異なる少なくとも1つの被膜が乾式メッキ法または湿式メッキ法により形成されていてもよい。発色層の色調と異なる被膜としては、金、金合金(好ましくはニッケルを含まない金合金)、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウムまたはダイヤモンドライクカーボン(DLC)からなる被膜が望ましい。この被膜は、発色層を形成する最外層とともに装飾品の外観に現れる。したがって、本発明に係る装飾品には、いわゆるツートーンの装飾品等も含まれる。
《金ストライクメッキ》
<メッキ液の組成>
金 3〜5g/l
硫酸 10g/l
<メッキ条件>
pH 0.3以上1未満
液温 25℃
電流密度(Dk) 3〜5A/dm2
時間 30秒
次いで、この金ストライクメッキ被膜を有する基材を下記の組成のメッキ液に浸漬し、下記のメッキ条件で電気メッキして、厚み1.5μmのロジウムのバリアー層を金ストライクメッキ被膜表面に形成し、水洗した。
《ロジウムメッキ》
<メッキ液の組成>
硫酸 60g/l
ロジウム 5〜6g/l
<メッキ条件>
pH 0.3〜1未満
液温 45℃
電流密度(Dk) 1〜2A/dm2
時間 15分
光沢剤 適量
次いで、これら基材をイオンプレーティング装置内に取り付け、アルゴン雰囲気中で基材表面をボンバードクリーニングした。
<成膜条件>
蒸発源:チタン
電子銃:10kV、200〜500mA
ガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.004〜0.009Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−100V
アノード電圧:50V
フィラメント電圧:7V
<成膜条件>
蒸発源:チタン
電子銃:10kV、300mA
ガス:メタンガス
成膜圧力:0.02Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−100V
アノード電圧:60V
フィラメント電圧:7V
<成膜条件>
蒸発源:チタン、プラチナ
電子銃:10kV、300mA(蒸発源:チタン)、
10kV、500mA(蒸発源:プラチナ)
ガス:メタンガス
成膜圧力:0.02Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−50V
アノード電圧:60V
フィラメント電圧:7V
<成膜条件>
蒸発源:プラチナ
電子銃:10kV、500mA
ガス:アルゴンガス成膜圧力:0.2Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−50V
アノード電圧:60V
フィラメント電圧:7V
上記のようにして得られた腕時計ケースおよび腕時計バンドの表面に形成されているプラチナ被膜(耐摩耗層+混合層を含む)の表面硬度(Hv;マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は、1400であった。これらの腕時計ケースおよび腕時計バンドは、耐傷付き性に優れ、しかも、ステンレス鋼被膜に近く高級感のある白色被膜が形成されていた。
《金ストライクメッキ》
<メッキ液の組成>
金 3〜5g/l
硫酸 10g/l
<メッキ条件>
pH 0.3以上1未満
液温 25℃
電流密度(Dk) 3〜5A/dm2
時間 30秒
次いで、この金ストライクメッキ被膜を有する基材を下記の組成のメッキ液に浸漬し、下記のメッキ条件で電気メッキして、厚み1.5μmのロジウムのバリアー層を金ストライクメッキ被膜表面に形成し、水洗した。
《ロジウムメッキ》
<メッキ液の組成>
硫酸 60g/l
ロジウム 5〜6g/l
<メッキ条件>
pH 0.3〜1未満
液温 45℃
電流密度(Dk) 1〜2A/dm2
時間 15分
光沢剤 適量
次いで、これら基材をイオンプレーティング装置内に取り付け、アルゴン雰囲気中で基材表面をボンバードクリーニングした。
<成膜条件>
蒸発源:チタン
電子銃:10kV、200〜500mA
ガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.004〜0.009Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−100V
アノード電圧:50V
フィラメント電圧:7V
<成膜条件>
蒸発源:チタン
電子銃:10kV、300mA
ガス:メタンガスとアルゴンガスとの混合ガス
成膜圧力:0.02Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−100V
アノード電圧:60V
フィラメント電圧:7V
<成膜条件>
蒸発源:プラチナ
電子銃:10kV、500mA
ガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.2Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−50V
アノード電圧:60V
フィラメント電圧:7V
すなわち、この硬質被膜表面に、厚み0.05μmのチタンメッキ被膜をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
蒸発源:チタン
電子銃:10kV、200〜500mA
ガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.2Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−100V
アノード電圧:40〜50V
フィラメント電圧:7V
タンメッキ被膜をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条件
で形成した。
<成膜条件>
蒸発源:チタン
電子銃:10kV、200〜500mA
ガス:アルゴンガスと窒素ガスとの混合ガス
成膜圧力:0.2Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−100V
アノード電圧:40〜50V
フィラメント電圧:7V
−鉄合金メッキ被膜をイオンプレーティング法(熱陰極法)により下記の成膜条
件で形成した。
<成膜条件>
蒸発源:金−鉄合金
電子銃:8kV、500mA
ガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.26Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−100V
アノード電圧:10〜30V
フィラメント電圧:7V
してエポキシ系レジストを使用)を施し、金−鉄合金メッキ被膜、窒化チタンメッキ被膜およびチタンメッキ被膜を順次エッチング液で除去し、最後にマスクを除去することにより、ステンレス鋼色の硬質被膜と金色の金−鉄合金メッキ被膜とからなる、2つの色調の異なる最外層被膜を有する腕時計ケースおよび腕時計バンドを得た。
上記のようにして得られた腕時計ケースおよび腕時計バンドの表面に形成されているプラチナ被膜(耐摩耗層を含む)の表面硬度(Hv;マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は、1200であり、金−鉄合金メッキ被膜(窒化チタンメッキ被膜を含む)の表面硬度(Hv;マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は、1000であった。これらの腕時計ケースおよび腕時計バンドは、耐傷付き性に優れ、しかも、ステンレス鋼被膜に近く高級感のある白色被膜が形成されていた。
すなわち、この硬質被膜が形成された基材を、前処理として電解脱脂、中和、水洗を行な
いクリーニングを行なった。
《金ストライクメッキ》
<メッキ液の組成>
金 3〜5g/l
硫酸 10g/l
<メッキ条件>
pH 0.3以上1未満
液温 25℃
電流密度(Dk) 3〜5A/dm2
時間 30秒
《金−鉄合金メッキ》
<メッキ液の組成>
金 4.6g/l
鉄 0.6g/l
インジウム 3.5g/l
光沢剤 適量
<メッキ条件>
pH 3.5〜3.7
浴温 37〜40℃
電流密度(Dk) 1.0〜1.5A/dm2
時間 30分
この硬質被膜の色調と異なるメッキ被膜を乾式メッキ法により形成した。すなわち、この硬質被膜表面の一部にマスク材(エポキシ系レジスト)を塗布し乾燥させた後、硬質被膜表面およびマスク材表面に、厚み0.05μmのチタンメッキ被膜をスパッタリング法(マグネトロンスパッタリング方式)により下記の成膜条件で形成した。
<成膜条件>
ターゲット:チタン
スパッタガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.02Pa
ターゲット印加電力:0.3〜0.5kW
バイアス電圧(加速電圧):−50〜−100V
<成膜条件>
ターゲット:シリコン
スパッタガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.05Pa
ターゲット印加電力:0.3〜0.5kW
バイアス電圧(加速電圧):−50〜−100V
<成膜条件>
ガ ス :ベンゼン
成膜圧力:0.2Pa
フィラメント電流:20A
アノード電流:2.0A
カソード電圧(加速電圧):−1.0〜−5.0kV
件で電気メッキして、厚み0.1μmの金(または金合金)ストライクメッキ被膜層を基材表面に形成し、水洗した。
《金ストライクメッキ》
<メッキ液の組成>
金 3〜5g/l
硫酸 10g/l
<メッキ条件>
pH 0.3以上1未満
液温 25℃
電流密度(Dk) 3〜5A/dm2
時間 30秒
次いで、この金ストライクメッキ被膜を有する基材を下記の組成のメッキ液に浸漬し、下記のメッキ条件で2回にわけ電気メッキして、総厚が1.5μm(第1回のメッキを厚み1.0μm形成し、水洗後、第2回のメッキを厚み0.5μm形成する。)のロジウムのバリアー層を金ストライクメッキ被膜表面に形成し、水洗した。なお、バリアー層の形成を2回にわけた理由は、バリアー層の微細なピンホールをできるだけ少なくするため行ったものである。
《ロジウムメッキ》
<メッキ液の組成>
硫酸 60g/l
ロジウム 5〜6g/l
光沢剤 適量
<メッキ条件>
pH 0.3〜1未満
液温 45℃
電流密度(Dk) 1〜2A/dm2
時間 第1回:10分、第2回:5分
次いで、これら基材をスパッタリング装置内に取り付け、アルゴン雰囲気中で基材表面をボンバードクリーニングした。
<成膜条件>
ターゲット:ジルコニウムスパッタ
ガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.5Pa
ターゲット印加電力:0.5kW
バイアス電圧(加速電圧):−50V
0.6μmの白色色調を有する炭化ジルコニウムメッキ被膜(耐摩耗層)をスパ
ッタリング法(マグネトロンスパッタリング方式)により下記の成膜条件で形成
した。
<成膜条件>
ターゲット:ジルコニウムスパッタ
スパッタガス:メタンガスとアルゴンガスとの混合ガス
成膜圧力:0.665Pa
ターゲット印加電力:0.5kW
バイアス電圧(加速電圧):−50V
厚み0.005μmの白色色調を有するプラチナ被膜(最外層)をスパッタリン
グ法(マグネトロンスパッタリング方式)により下記の成膜条件で形成し、ステ
ンレス鋼色の腕時計ケースおよび腕時計バンドを得た。
<成膜条件>
ターゲット:プラチナ
スパッタガス:アルゴンガス
成膜圧力:0.2Pa
ターゲット印加電力:0.5kW
バイアス電圧(加速電圧):−50V
上記のようにして得られた腕時計ケースおよび腕時計バンドの表面に形成されているプラチナ被膜(耐摩耗層を含む)の表面硬度(Hv;マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は、1300であった。これらの腕時計ケースおよび腕時計バンドは、耐傷付き性に優れ、しかも、ステンレス鋼被膜に近く高級感のある白色被膜が形成されていた。
《金ストライクメッキ》
<メッキ液の組成>
金 3〜5g/l
硫酸 10g/l
<メッキ条件>
pH 0.3以上1未満
液温 25℃
電流密度(Dk) 3〜5A/dm2
時間 30秒
次いで、この金ストライクメッキ被膜を有する基材を下記の組成のメッキ液に浸漬し、下記のメッキ条件で電気メッキして、厚み1.5μmの金−鉄合金のバリアー層を金ストライクメッキ被膜表面に形成し、水洗した。
《金−鉄メッキ》
<メッキ液の組成>
金 4.6g/l
鉄 0.6g/l
インジウム 3.5g/l
光沢剤 適量
<メッキ条件>
pH 4.7
液温 50℃
電流密度(Dk 1.0A/dm2
時間 15分
基材表面をボンバードクリーニングした。
<成膜条件>
蒸発源:チタン
電子銃:10kV、200〜500mA
ガス:アルゴンガスとメタンガスとの混合ガス
成膜圧力:0.004〜0.009Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−100V
アノード電圧:50V
フィラメント電圧:7V
<成膜条件>
蒸発源:チタン
電子銃:10kV、300mA
ガス:メタンガスとアルゴンガスとの混合ガス
成膜圧力:0.02Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−100V
アノード電圧:60V
フィラメント電圧:7V
<成膜条件>
蒸発源:プラチナ
電子銃:10kV、500mA
ガ ス:アルゴンガス
成膜圧力:0.2Pa
加速電圧(バイアス電圧):Ground〜−50V
アノード電圧:60V
フィラメント電圧:7V
上記のようにして得られた腕時計ケースおよび腕時計バンドの表面に形成されているプラチナ被膜(耐摩耗層を含む)の表面硬度(HV;マイクロビッカース硬度計、5g荷重、保持時間10秒)は、1200であった。これらの腕時計ケースおよび腕時計バンドは、耐傷付き性に優れ、しかも、ステンレス鋼被膜に近く高級感のある白色被膜が形成されていた。
る。
なお、比較サンプルとして、実施例1のサンプルからバリアー層を除いた試験片を作り(バリアー層がないところが実施例1と異なる。)、同時に試験を行った。
《試験方法》
<人工汗組成>
塩化ナトリウム 0.5%(m/m)
乳酸 0.1%(m/m)
尿素 0.1%(m/m)
アンモニウム pHを6.5にするのに必要な量
・ 単位面積当たりの人工汗量はml/cm2とする。
<試験条件>
小型デシケータを恒温槽に入れ30±2℃、168時間維持する。
Claims (51)
- 最外層として貴金属または貴金属の合金からなる白色色調を有する
被膜が乾式メッキ法により形成された装飾品において、ステンレス鋼からなる装飾品用基材と、該基材表面に湿式メッキ法で形成されたバリアー層と、該バリアー層の表面に乾式メッキ法により形成された下地層と、該下地層の表面に乾式メッキ法により形成された耐摩耗層、および該耐摩耗層の表面に乾式メッキ法により形成された最外層からなる発色層とから構成され、前記発色層は、厚み0.2〜1.5μmの耐摩耗層と厚み0.002〜0.1μmの最外層とからなる、ステンレス鋼色調を有する硬質の白色被膜であることを特徴とする白色被膜を有する装飾品。 - ステンレス鋼からなる前記基材表面とバリアー層との間に、湿式メッキ法により形成された、金または金合金からなるストライクメッキ被膜層を有していることを特徴とする請求項1記載の白色被膜を有する装飾品。
- 前記ストライクメッキ被膜層が、湿式メッキ法により形成された厚み0.05〜0.3μmの被膜であることを特徴とする請求項2記載の白色被膜を有する装飾品。
- ステンレス鋼からなる前記基材表面に形成されるバリアー層が、湿式メッキ法により形成された、ロジウム(Rh)、金(Au)またはクロム(Cr)からなる被膜であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の白色被膜を有する装飾品。
- 前記基材表面に形成されるバリアー層が、湿式メッキ法により形成された、ロジウム合金、パラジウム合金、プラチナ合金、銅合金、金合金の中の少なくとも1つからなる被膜であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の白色被膜を有する装飾品。
- 前記バリアー層が、湿式メッキ法により形成された厚み0.3〜3μmの被膜であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項4〜5のいずれかに記載の白色被膜を有する装飾品。
- 前記バリアー層表面に形成される下地層が、乾式メッキ法により形成された、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)またはタンタル(Ta)からなる被膜であることを特徴とする請求項1記載の白色被膜を有する装飾品。
- 前記バリアー層表面に形成される下地層が、乾式メッキ法により形成された、炭素原子含有量が5〜15原子%の炭化チタン、炭化クロム、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化ニオブ、炭化タングステンまたは炭化タンタルからなる金属化合物被膜であることを特徴とする請求項1記載の白色被膜を有する装飾品。
- 前記下地層が、乾式メッキ法により形成された厚み0.02〜0.2μmの被膜であることを特徴とする請求項1、請求項7または請求項8記載の白色被膜を有する装飾品。
- 前記耐摩耗層が、炭化チタン(TiC)、炭化クロム(Cr3C2)、炭化ジルコニウム(ZrC)、炭化ハフニウム(HfC)、炭化バナジウム(VC)、炭化ニオブ(NbC)、炭化タングステン(WC)または炭化タンタル(TaC)からなる金属化合物被膜であることを特徴とする請求項1記載の白色被膜を有する装飾品。
- 前記耐摩耗層の厚みが0.5〜1.0μmであることを特徴とする請求項1または請求項10記載の白色被膜を有する装飾品。
- 前記最外層が、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)またはロジウム(Rh)からなる被膜であることを特徴とする請求項1記載の白色被膜を有する装飾品。
- 前記最外層が、プラチナ合金、パラジウム合金またはロジウム合金からなる被膜であることを特徴とする請求項1記載の白色被膜を有する装飾品。
- 前記最外層の厚みが0.01〜0.08μmであることを特徴とする請求項1、請求項12または請求項13記載の白色被膜を有する装飾品。
- 前記耐摩耗層と前記最外層との間に、該耐摩耗層を形成する金属化合物と、該最外層を形成する金属または合金とからなる混合層を有していることを特徴とする
請求項1、請求項10〜14のいずれかに記載の白色被膜を有する装飾品。 - 前記混合層の厚みが0.005〜0.1μmであることを特徴とする請求項1または請求項15記載の白色被膜を有する装飾品。
- 前記発色層のL*、a*、b*表示系(CIE表系)による色評価が、70<L*<91、−0.1<a*<3.0、1.0<b*<5.5であることを特徴とする請求項1、請求項12〜14のいずれかに記載の白色被膜を有する装飾品。
- 前記下地層、前記耐摩耗層、前記混合層および前記最外層の各層が、スパッタ法、イオンプレーティング法およびアーク法の中の少なくとも1つの方式で形成されていることを特徴とする請求項1、請求項8〜17のいずれかに記載の白色被膜を有する装飾品。
- 前記発色層からなるステンレス鋼色調を有する白色被膜表面の一部に、乾式メッキ法または湿式メッキ法により形成された、前記発色層の色調と異なる少なくとも1つの被膜を有していることを特徴とする請求項1、請求項16または請求項17のいずれかに記載の白色被膜を有する装飾品。
- 前記発色層の色調と異なる被膜が、金、金合金、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウムまたはダイヤモンドライクカーボン(DLC)からなることを特徴とする請求項19記載の白色被膜を有する装飾品。
- 前記発色層と異なる被膜が、窒化チタン、窒化ジルコニウムまたは窒化ハフニウムからなる下層と、金または金合金からなる上層との二層構造になっていることを特徴とする請求項19記載の白色被膜を有する装飾品。
- 前記発色層と、該発色層と異なる被膜であるダイヤモンドライクカーボン(DLC)被膜との間に、チタン被膜と該チタン被膜表面に形成されたシリコン被膜とを有していることを特徴とする請求項19または20記載の白色被膜を有する装飾品。
- 前記最外層が、前記耐摩耗層を形成する金属化合物と、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)またはロジウム(Rh)からなる混合層であることを特徴とする請求項1、請求項12〜22のいずれかに記載の白色被膜を有する装飾品。
- 前記最外層が、前記耐摩耗層を形成する金属化合物と、プラチナ合金、パラジウム合金またはロジウム合金からなる混合層であることを特徴とする請求項1、請求項12〜22のいずれかに記載の白色被膜を有する装飾品。
- 前記発色層の表面硬度(Hv;マイクロビッカース硬度計、5g荷重)が、700〜2000であることを特徴とする請求項1、請求項12〜24のいずれかに記載の白色被膜を有する装飾品。
- 前記装飾品が時計外装部品であることを特徴とする請求項1〜25のいずれかに記載の白色被膜を有する装飾品。
- 最外層として貴金属または貴金属の合金からなる白色色調を有する被膜が乾式メッキ法により形成された装飾品の製造方法において、ステンレス鋼からなる素材を用い、各種加工手段で装飾品用基材を製造する工程と、該基材表面に湿式メッキ法によりバリアー層を形成する工程と、該バリアー層表面に乾式メッキ法により下地層を形成する工程と、該下地層の表面に乾式メッキ法により金属化合物からなる耐摩耗層を形成し、さらに該耐摩耗層の表面に乾式メッキ法によりプラチナまたはプラチナ合金からなる最外層を形成することにより、ステンレス鋼色調を有する硬質の発色層を得る工程とを含むことを特徴とする白色被膜を有する装飾品の製造方法。
- ステンレス鋼からなる前記基材表面とバリアー層との間に、金または金合金からなるストライクメッキ被膜層を湿式メッキ法により形成することを特徴とする請求項27記載の白色被膜を有する装飾品の製造方法。
- 前記基材表面に、ストライクメッキ被膜層として、厚み0.05〜0.3μmの被膜が湿式メッキ法により形成することを特徴とする請求項28記載の白色被膜を有する装飾品の製造方法。
- 前記基材表面に、前記バリアー層として、ロジウム(Rh)、金(Au)またはクロム(Cr)からなる被膜を湿式メッキ法により形成することを特徴とする請
求項27記載の白色被膜を有する装飾品の製造方法。 - 前記基材表面に、前記バリアー層として、ロジウム合金、パラジウム合金、プラチナ合金、銅合金、金合金の中の少なくとも1つからなる被膜を湿式メッキ法により形成することを特徴とする請求項27記載の白色被膜を有する装飾品の製造方法。
- 前記基材表面に、前記バリアー層として、厚み0.3〜3μmの被膜が湿式メッキ法により形成することを特徴とする請求項27、請求項30または請求項31記載の白色被膜を有する装飾品の製造方法。
- 前記装飾品用基材のバリアー層表面に、前記下地層として、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)またはタンタル(Ta)からなる被膜を乾式メッキ法により形成することを特徴とする請求項27記載の白色被膜を有する装飾品の製造方法。
- 前記装飾品用基材のバリアー層表面に、前記下地層として、炭素原子含有量が5〜15原子%の炭化チタン、炭化クロム、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化ニオブ、炭化タングステンまたは炭化タンタルからなる金属化合物被膜を乾式メッキ法により形成することを特徴とする請求項27記載の白色被膜を有する装飾品の製造方法。
- 前記装飾品用基材のバリアー層表面に、前記下地層として、厚み0.02〜0.2μmの被膜を乾式メッキ法により形成することを特徴とする請求項27、請求項33または請求項34記載の白色被膜を有する装飾品の製造方法。
- 前記装飾品用基材の下地層表面に、前記耐摩耗層として、炭化チタン(TiC)、炭化クロム(Cr3C2)、炭化ジルコニウム(ZrC)、炭化ハフニウム(HfC)、炭化バナジウム(VC)、炭化ニオブ(NbC)、炭化タングステン(WC)または炭化タンタル(TaC)からなる金属化合物被膜からなる被膜を乾式メッキ法により形成することを特徴とする請求項27記載の白色被膜を有する装飾品の製造方法。
- 前記装飾品用基材の下地層表面に、前記耐摩耗層として、厚み0.2〜1.5μmの被膜を乾式メッキ法により形成することを特徴とする請求項27または請求項36記載の白色被膜を有する装飾品の製造方法。
- 前記装飾品用基材の耐摩耗層表面に、前記最外層として、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)またはロジウム(Rh)からなる被膜を乾式メッキ法により形成することを特徴とする請求項27記載の白色被膜を有する装飾品の製造方法。
- 前記装飾品用基材の耐摩耗層表面に、前記最外層として、プラチナ合金、パラジウム合金またはロジウム合金からなる被膜を乾式メッキ法により形成することを特徴とする請求項27記載の白色被膜を有する装飾品の製造方法。
- 前記装飾品用基材の耐摩耗層表面に、前記最外層として、厚み0.002〜0.1μmの被膜を乾式メッキ法により形成することを特徴とする請求項27、請求項38または請求項39記載の白色被膜を有する装飾品の製造方法。
- 前記耐摩耗層と前記最外層との間に、該耐摩耗層を形成する金属化合物と、該最外層を形成する金属または合金とからなる混合層を形成することを特徴とする請求項27、請求項36〜40のいずれかに記載の白色被膜を有する装飾品の製造方法。
- 前記発色層のL*、a*、b*表示系(CIE表系)による色評価が、70<L*<91、−0.1<a*<3.0、1.0<b*<5.5であることを特徴とする請求項27、請求項38〜41のいずれかに記載の白色被膜を有する装飾品の製造方法。
- 前記下地層、前記耐摩耗層、前記混合層および前記最外層の各層を、スパッタ法、イオンプレーティング法およびアーク法の少なくとも1つの方式で形成することを特徴とする請求項27、請求項33〜41のいずれかに記載の白色被膜を有する装飾品の製造方法。
- 前記発色層からなるステンレス鋼色調を有する白色被膜表面の一部に、該発色層の色調と異なる少なくとも1つの被膜を乾式メッキ法または湿式メッキ法により形成することを特徴とする請求項42または請求項43記載の白色被膜を有する装飾品の
製造方法。 - 前記発色層の色調と異なる被膜が、金、金合金、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウムまたはダイヤモンドライクカーボン(DLC)からなることを特徴とする請求項44記載の白色被膜を有する装飾品の製造方法。
- 前記発色層と異なる被膜として、窒化チタン、窒化ジルコニウムまたは窒化ハフニウムからなる下層と、金または金合金からなる上層との二層構造の被膜を形成することを特徴とする請求項44記載の白色被膜を有する装飾品の製造方法。
- 前記発色層と、該発色層と異なる被膜であるダイヤモンドライクカーボン(DLC)被膜との間に、チタン被膜を形成し、さらに該チタン被膜表面にシリコン被膜を形成することを特徴とする請求項44または45記載の白色被膜を有する装飾品の製造方法。
- 前記最外層が、前記耐摩耗層を形成する金属化合物と、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)またはロジウム(Rh)とからなる混合層であることを特徴とする請求項27、請求項36〜47のいずれかに記載の白色被膜を有する装飾品の製造方法。
- 前記最外層が、前記耐摩耗層を形成する金属化合物と、プラチナ合金、パラジウム合金またはロジウム合金とからなる混合層であることを特徴とする請求項27、請求項36〜47のいずれかに記載の白色被膜を有する装飾品の製造方法。
- 前記発色層の表面硬度(Hv;マイクロビッカース硬度計、5g荷重)が、700〜2000であることを特徴とする請求項27〜49のいずれかに記載の白色被膜を有する装飾品の製造方法。
- 前記装飾品が時計外装部品であることを特徴とする請求項27〜50のいずれかに記載の白色被膜を有する装飾品の製造方法。
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