JP2006257258A - プロピレン系樹脂組成物を用いた自動車用成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 造核剤の分散不良を抑制でき、射出成形時の成形サイクルの安定性と耐久物性に優れた自動車用成形体を提供する。
【解決手段】 プロピレン系樹脂に造核剤を添加して混練することにより組成物(1)を得、該組成物(1)にプロピレン系樹脂を添加して混練することにより組成物(2)を得、該組成物(2)にゴムを添加して混練することにより組成物(3)を得、該組成物(3)を成形して得られる成形体。
プロピレン系樹脂(A)に造核剤を添加して混練することにより組成物(1)を得、該組成物(1)にプロピレン系樹脂(B)及びゴムを添加して混練することにより組成物(4)を得、該組成物(4)を成形して得られる成形体。
【選択図】 なし
【解決手段】 プロピレン系樹脂に造核剤を添加して混練することにより組成物(1)を得、該組成物(1)にプロピレン系樹脂を添加して混練することにより組成物(2)を得、該組成物(2)にゴムを添加して混練することにより組成物(3)を得、該組成物(3)を成形して得られる成形体。
プロピレン系樹脂(A)に造核剤を添加して混練することにより組成物(1)を得、該組成物(1)にプロピレン系樹脂(B)及びゴムを添加して混練することにより組成物(4)を得、該組成物(4)を成形して得られる成形体。
【選択図】 なし
Description
本発明は、特定の方法で製造された組成物を成形して得られる成形体に関するものである。更に詳しくは、射出成形時の成形サイクルの安定性と耐久物性に優れた組成物を成形して得られる自動車用成形体に関するものである。
耐久物性とは、高温加熱条件や高湿条件などでの経時前後の物性差を示すもので、変化が少ないことが求められている。
ポリプロピレンとゴムからなる熱可塑性エラストマー組成物は、造核剤を添加する事で様々な物性が改良される事が知られている。改良される物性には、流動性、成形サイクル、表面外観、剛性、透明性、衝撃強度など種々のものが挙げられ、適用する造核剤の種類や量により、得られる効果も異なる。
例えば、特許文献1では、架橋された熱可塑性エラストマー組成物と造核剤により、流動性と表面外観を改良する技術が開示されている。また、特許文献2では熱可塑性エラストマー組成物と特定の造核剤により、剛性と低温衝撃性を両立する技術が開示されている。
これらの技術を用いる事で、それぞれ目的とする物性を改良できる場合もあるが、造核剤は基本的にオレフィン系樹脂と非相溶である事から、造核剤の性状や混練条件、添加方法によっては充分な改良効果が得られない事がある。
造核剤は樹脂の結晶化を補助する成分であり、本発明の組成物では、海相となるプロピレン系樹脂に均一に分散する事が重要である。例えば、組成物の島相となるゴムに造核剤が存在しても、結晶性が低いため物性の変化が小さく、成形体の物性改良効果は低くなる。また、ゴムに造核剤が含まれる事で、プロピレン系樹脂の結晶化を補助する効果が減少し、目的の効果が得られない場合がある。具体的には、プロピレン系樹脂の結晶化が不均一となる事で、成形体の機械的物性のバラツキが大きくなる場合や成形サイクルの安定性が損なわれる場合がある。
本発明が解決しようとする課題は、特定の方法で製造することで造核剤の分散不良を防止する事が可能となり、射出成形時の成形サイクルの安定性に優れ、耐久物性に優れた成形体を提供するものである。
すなわち、本発明は、プロピレン系樹脂に造核剤を添加して混練することにより組成物(1)を得、該組成物(1)にプロピレン系樹脂を添加して混練することにより組成物(2)を得、該組成物(2)にゴムを添加して混練することにより組成物(3)を得、該組成物(3)を成形して得られる成形体に係るものである。
本発明により、造核剤の分散不良を抑制でき、射出成形時の成形サイクルの安定性と耐久物性に優れた自動車用成形体を提供できる。
本発明の組成物(1)はプロピレン系樹脂(A)に造核剤を添加して混練する事により得られる。
プロピレン系樹脂(A)は、プロピレンから誘導される単量体単位と、炭素原子数2〜20の鎖状オレフィン(ただしプロピレンを除く)から誘導される単量体単位とを含有する重合体である。炭素原子数2〜20の鎖状オレフィン(ただしプロピレンを除く)としては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン等の直鎖状オレフィン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等の分岐状オレフィンなどがあげられ、これらは1種以上用いられる。
プロピレン系樹脂(A)としては、具体的には、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体などをあげることができる。これらは、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよいが、ランダム共重合体が好ましい。
プロピレン系樹脂(A)のプロピレンから誘導される単量体単位の含有量は、70〜99.8重量%であり、好ましくは80〜99重量%であり、より好ましくは85〜97重量%である。ただし、プロピレン系樹脂の全単量体単位の含有量を100重量%とする。該含有量が少なすぎると成形体の低温衝撃強度が不足することがあり、該含有量が多すぎると成形体の剛性や耐熱性が低下することがある。該含有量は赤外吸収スペクトル測定装置で測定される。
プロピレン系樹脂(A)のメルトフローレート(MFR)は1〜150g/10分、好ましくは10〜100g/10分である。
該MFRが低すぎると、組成物(2)や組成物(4)に添加して溶融混練する際、分散不良を生じ、目的とする効果が得られない場合がある。一方、該MFRが高すぎると、成形品の機械的物性が悪化する場合がある。
該MFRは、JIS K7210に従い、荷重21.2N、温度230℃の条件で測定される。
組成物(1)の造核剤は、結晶性樹脂に添加して結晶の核となって結晶を成長させる効果のある物質をいい、各種の物質がある。造核剤としては例えば、ジベンジリデンソルビトール系化合物、カルボン酸類の金属塩、フォスフェート金属塩などが挙げられるが、なかでもソルビトール系化合物が好ましい。
ソルビトール系化合物がとしては、例えば、1,3,2,4−ジベンジリデンソルビトール、1,3−ベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1,3−ベンジリデン−2,4−p−エチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−ベンジリデンソルビトール、1,3−p−エチルベンジリデン−2,4−ベンジリデンソルビトール、1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p−エチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−エチルベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−n−プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−i−プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−n−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−s−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−t−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−メトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−エトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3−ベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトール、1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−ベンジリデンソルビトール、1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−p−エチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトール、1,3−p−エチルベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトール、及び1,3,2,4−ジ(p−クロルベンジリデン)ソルビトール等が挙げられる。
これらの中で、1,3,2,4−ジ(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトールが好ましく、1,3,2,4−ジ(p−エチルベンジリデン)ソルビトールが特に好ましい。これらのソルビトール系化合物は単独または併用して用いてもよい。
本発明の組成物(1)は、組成物(1)のプロピレン系樹脂(A)と造核剤の全量を100重量%とすると、造核剤の濃度が1〜50重量%になるように、プロピレン系樹脂(A)とソルビトール系化合物の単独又は併用してなる造核剤とを溶融混練して製造される。
組成物(1)の造核剤の濃度が低いと組成物(2)や組成物(4)への添加量を多くする必要があり、組成物の生産性や経済性の面で好ましくない。また、造核剤の濃度が高いと造核剤の分散不良や臭気の観点から好ましくない。
本発明の組成物(1)は、プロピレン系樹脂(A)と造核剤とをリボンブレンダー、タンブラーミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の公知の方法で撹拌混合し、次いで混合物をバンバリーミキサー、押出機等を用いて、樹脂温度が150〜300℃、好ましくは180〜250℃で溶融混練する。なかでも、造核剤の分散の点から2軸押出機を用いるのが好ましい。
本発明の組成物(2)は、組成物(1)にプロピレン系樹脂(B)を添加して混練して得られる。
プロピレン系樹脂は、プロピレンと、炭素原子数2〜20の鎖状オレフィン(ただしプロピレンを除く)とを含有する重合体である。炭素原子数2〜20の鎖状オレフィン(ただしプロピレンを除く)としては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン等の直鎖状オレフィン;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等の分岐状オレフィンなどがあげられ、これらは1種以上用いられる。
プロピレン系樹脂(B)としては、具体的には、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体などをあげることができる。これらは、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。
プロピレン系樹脂(B)としては、第1工程で重合された第1セグメントである結晶性プロピレンホモポリマー部分もしくは結晶性プロピレン−α−オレフィンランダムコポリマー部分と、第2工程で重合された第2セグメントであるプロピレン−α−オレフィンランダムコポリマー部分とを有する結晶性プロピレン−α−オレフィンブロックコポリマーを用いることが好ましい。
プロピレン系樹脂(B)がプロピレン−α−オレフィンブロックコポリマーの場合、プロピレンホモポリマー部分とプロピレン−α−オレフィンランダムコポリマー部分とを有する重合体であって、以下の要件(b1)、(b2)および(b3)を充足する重合体であることが好ましい。
(b1)20℃キシレン可溶部の含有量が2.0重量%以下であること
(b2)沸騰ヘプタン可溶部の含有量が5.0重量%以下であること
(b3)プロピレンホモポリマー部分の沸騰ヘプタン不溶部のアイソタクチック・ペンタッド分率が0.970以上であること
(b1)20℃キシレン可溶部の含有量が2.0重量%以下であること
(b2)沸騰ヘプタン可溶部の含有量が5.0重量%以下であること
(b3)プロピレンホモポリマー部分の沸騰ヘプタン不溶部のアイソタクチック・ペンタッド分率が0.970以上であること
20℃キシレン可溶部の含有量とは、以下の方法で測定されるものである。すなわち、成分(a)のプロピレン系樹脂5gを沸騰キシレン500mlに完全に溶解させた後、20℃で4時間放置し、次にこれを濾別し、20℃キシレン不溶部を分離する。濾液を濃縮、乾固してキシレンを蒸発させ、さらに減圧下60℃で乾燥して、20℃のキシレンに可溶な重合体を得る。この乾燥重量を仕込みサンプル重量で除した値を百分率で表現したものが20℃キシレン可溶部の含有量である。
沸騰ヘプタン可溶部の含有量とは、以下の方法で測定されるものである。すなわち、上記の20℃キシレン可溶部の測定で得られた20℃キシレン不溶部を乾燥後、沸騰n−ヘプタンで8時間ソックスレー抽出する。この抽出残渣を沸騰ヘプタン不溶部と称し、この沸騰ヘプタン不溶部の乾燥重量を仕込みサンプル重量(5g)から減じた値を仕込みサンプル重量で除した値を百分率で表現したものが、沸騰ヘプタン可溶部の含有量である。
沸騰ヘプタン不溶部のアイソタクチック・ペンタッド分率は、上記沸騰ヘプタン可溶部の含有量の測定で得られた沸騰ヘプタン不溶部を用いて測定される。
アイソタクチック・ペンタッド分率とは、13C−NMRを使用して測定される結晶性ポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖、換言すればプロピレン単量体単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレン単量体単位の分率であり、A.ZambelliらによってMacromolecules,6,925(1973)に発表されている方法を、Macromolecules,8,687(1975)に基づいたNMR吸収ピークの帰属によって行うものである。具体的には13C−NMRスペクトルのメチル炭素領域の全吸収ピーク中のmmmmピークの面積分率としてアイソタクチック・ペンタッド分率を測定する。なお、この方法により英国NATIONAL PHYSICAL LABORATORYのNPL 標準物質CRM No. M19−14Polypropylene PP/MWD/2のアイソタクチック・ペンタッド分率を測定したところ、0.944であった。
該ブロックコポリマーはスラリー重合法および気相重合法によって製造が可能である。特に高い耐衝撃性が要求される用途に用いる場合、第2セグメント量を多くすることが必要であり気相重合法によって好適に製造される。
プロピレン系樹脂(B)のプロピレンから誘導される単量体単位の含有量は、60〜99重量%であり、好ましくは70〜98重量%であり、より好ましくは80〜97重量%である。ただし、プロピレン系樹脂の全単量体単位の含有量を100重量%とする。該含有量が少なすぎると樹脂組成物の低温衝撃強度に不足することがあり、該含有量が多すぎると樹脂組成物の剛性や耐熱性が低下することがある。該含有量は赤外吸収スペクトル測定装置で測定される。
プロピレン系樹脂(B)のメルトフローレート(MFR)は、0.3〜300g/10分であり、好ましくは0.5〜100g/10分であり、より好ましくは1〜80g/10分である。該MFRが小さすぎると組成物(3)の流動性が不足する場合があり、該MFRが大きすぎると本発明の成形体の衝撃強度が低下することがある。該MFRは、JIS K7210に従い、荷重21.2N、温度230℃の条件で測定される。
プロピレン系樹脂(B)の融解熱量は、50mJ/mg以上であり、好ましくは55mJ/mg以上であり、より好ましくは60mJ/mg以上である。該融解熱量が低すぎると重合体が互着を起こす場合がある。また、該融解熱量が高すぎると低温衝撃強度が低下する事があるため、好ましくは150mJ/mg以下であり、より好ましくは120mJ/mg以下である。
なお、該融解熱量は、JIS K7122に従い、示差走査熱量測定(DSC)法により測定される。
プロピレン系樹脂(B)の製造方法としては、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法が用いられる。例えば、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体などの錯体系触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等があげられる。また、市販の該当品を用いることも可能である。
本発明の組成物(2)は、組成物(1)とプロピレン系樹脂(B)とをリボンブレンダー、タンブラーミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の公知の方法で撹拌混合し、次いで混合物を各種押出機を用いて150〜300℃、好ましくは180〜250℃で溶融混練する。
さらに、造核剤の分散性を高める観点から、目開き間隔が50メッシュ品以下のフィルターを設置した押出機の適用が好ましく、なかでも、目開き間隔が50メッシュ品以下の焼結金属フィルターを設置した押出機の適用が特に好ましい。当該メッシュ間隔が1000メッシュ品未満のフィルターを用いるとフィルター前後の圧力差が過大となり、生産性の悪化や組成物の劣化を生じる場合がある。
本発明の組成物(3)は組成物(2)とゴムとをリボンブレンダー、タンブラーミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の公知の方法で撹拌混合し、次いで混合物を各種押出機やバンバリー混練機を用いて150〜300℃、好ましくは180〜250℃で溶融混練して得られる。
本発明の組成物(4)は、組成物(1)とプロピレン系樹脂(B)およびゴムを公知の方法で撹拌混合し、各種押出機やバンバリー混練機を用いて150〜300℃、好ましくは180〜250℃で溶融混練して得られる。
本発明の組成物(3)または組成物(4)を作成する場合、造核剤の分散性を高める観点から、目開き間隔が1000メッシュ品以上、50メッシュ品以下のフィルターを設置した押出機の適用が好ましく、なかでも、目開き間隔が1000メッシュ品以上、50メッシュ品以下の焼結金属フィルターを設置した押出機の適用が特に好ましい。
メッシュ間隔が1000メッシュ品未満のフィルターを用いるとフィルター前後の圧力差が過大となり、生産性の悪化や組成物の劣化を生じる場合がある。メッシュ間隔が50メッシュ品を越えるフィルターを用いると、造核剤の分散が不充分となる場合がある。
本発明に用いるゴムは、エチレンと炭素原子数3〜20の鎖状オレフィン、および、または、非共役ジエンを含有する重合体である。
本発明に用いるゴムは、温度100℃で測定されるムーニー粘度ML100℃(1+4)が30〜150であり、好ましくは40〜140であり、より好ましくは60〜120である。ムーニー粘度ML100℃(1+4)が小さすぎると低温衝撃強度が不足することがあり、大きすぎると樹脂組成物の流動性が不足して成形不良を生じることがある。ムーニー粘度ML100℃(1+4)は、ASTM D−927−57Tに準拠して測定される。
本発明に用いるゴムを構成する炭素原子数3〜20の鎖状オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン等の直鎖状オレフィンや、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等の分岐状オレフィンなどがあげられ、これらは1種以上用いられる。
本発明に用いるゴムを構成する炭素原子数3〜20の鎖状オレフィンの含有量は、5〜55重量%、好ましくは20〜55重量%、より好ましくは35〜55重量%である。ただし、ゴムの全単量体単位の含有量を100重量%とする。該含有量が少なすぎると成形品の低温衝撃強度が不足することがあり、該含有量が多すぎるとプロピレン系樹脂に相溶しやすくなり、衝撃改良剤としての効果が得られない場合がある。
本発明に用いるゴムを構成する非共役ジエンから誘導される単量体単位の含有量は、0.1〜30重量%、好ましくは0.3〜15重量%、より好ましくは0.5〜5重量%である。ただし、成分(c)を構成する全単量体単位の含有量を100重量%とする。該含有量が少なすぎると射出成形時の流動性が不足することがあり、該含有量が多すぎると成形品の各種耐久物性が悪化することがある。
本発明に用いるゴムを構成する単量体の含有量は、赤外吸収スペクトル測定装置で測定される。
また、本発明に用いるゴムを構成する非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン等があげられる。なかでもジシクロペンタジエンとエチリデンノルボルネンが好ましい。
本発明に用いるゴムを構成する非共役ジエンから誘導される単量体単位の含有量は、0.1〜30重量%、好ましくは0.3〜15重量%、より好ましくは0.5〜5重量%である。ただし、ゴムの全単量体単位の含有量を100重量%とする。該含有量が少なすぎると射出成形時の流動性に不足することがあり、該含有量が多すぎると成形品の各種耐久物性が悪化することがある。
本発明に用いるゴムの製造方法としては、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法が用いられる。
例えば、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体などの錯体系触媒を用いて、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等により製造される。また、市販の該当品を用いることも可能である。
本発明に用いるゴムとしては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体ゴム、エチレン−1−ヘキセン共重合体ゴム、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体ゴム、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体ゴムなどのエチレンと単素数3〜20の鎖状オレフィンとの共重合体ゴムのほかに、エチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−メチレンノルボルネン共重合体ゴムなどのエチレンと単素数3〜20の鎖状オレフィンと非共役ジエンから誘導される単量体からなる共重合体ゴムをあげることができる。
本発明に用いるゴムのガラス転移温度(Tg)は、−70℃以上であり、好ましくは−60℃以上、より好ましくは−50℃以上である。
該Tgが低すぎると、当該重合体の互着が生じやすくなる。また、該Tgは、樹脂組成物の生産安定性の観点から、好ましくは−20℃以下であり、より好ましくは−30℃以下である。なお、該Tgは、JIS K7121に従い測定される。
本発明の組成物(3)または組成物(4)には、離型性を高める観点から、炭素原子数5以上の脂肪酸、炭素原子数5以上の脂肪酸の金属塩、炭素原子数5以上の脂肪酸のアミド、および、炭素原子数5以上の脂肪酸のエステルからなる化合物群から選ばれる少なくとも1種の化合物等の離型付与剤を含有することが好ましい。
離型付与剤として用いられる炭素原子数5以上の脂肪酸としては、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸、リシノール酸、エチレンビスステアリン酸、エチレンビスオレイン酸、ヘキサメチレンビスオレイン酸などを例示することができる。
離型付与剤として用いられる炭素原子数5以上の脂肪酸の金属塩としては、上記脂肪酸と、Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Zn、Ba、Pbなどの金属との塩を、具体的には、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛などを例示することができる。
離型付与剤として用いられる炭素原子数5以上の脂肪酸のアミドとしては、ラウリル酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ステアリルジエタノールアミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミドを例示することができる。なかでも、エルカ酸アミドが好ましい。
離型付与剤として用いられる炭素原子数5以上の脂肪酸のエステルとしては、脂肪族アルコール(ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、12−ヒドロキシステアリルアルコールなど)、芳香族アルコール(ベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、フタリルアルコールなど)、多価アルコール(グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ソルビタン、ソルビトール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンなど)などのアルコールと、上記脂肪酸とのエステルを、具体的には、グリセリンモノオレート、グリセリンジオレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、クエン酸ジステアレートを例示することができる。
離型付与剤は組成物(3)または組成物(4)を100重量部とすると、好ましくは0.01〜5重量部であり、より好ましくは0.05〜2重量部添加される。離型付与剤が少なすぎると成形製造時の離型性改良効果が得られず、多すぎると金型汚染を生じる場合がある。
本発明の組成物(3)または組成物(4)には、必要に応じ、無機フィラー(タルク、炭酸カルシウム、焼成カオリン等)、有機フィラー(繊維、木粉、セルロースパウダー等)、滑剤(シリコーンオイル、シリコーンガム等)、酸化防止剤(フェノール系、イオウ系、燐系、ラクトン系、ビタミン系等)、耐候安定剤、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、アニリド系、ベンゾフェノン系等)、熱安定剤、光安定剤(ヒンダードアミン系、ベンゾエート系等)、顔料、吸着剤(金属酸化物(酸化亜鉛、酸化マグネシウム等)、金属塩化物(塩化鉄、塩化カルシウム等)、ハイドロタルサイト、アルミン酸塩等)等を添加してもよい。
本発明の成形体を作成する射出成形機は、混練を強化する目的の形状を有するスクリュー、例えば、ダブルフライト形状、ダルメージ形状、バリヤー形状などを装備したものが好適に用いられる。
上記の形状を有するスクリューを装備した射出成形機を用いる事で、造核剤の分散性が更に高まり、成形サイクルや機械的物性がより安定的に得られる。組成物中の造核剤の分散が不充分な場合、例えば成形サイクルでは、個別に金型からの離型性にバラツキを生じる場合がある。
本発明の成形体は、上記の優れた特徴を生かして、自動車の運転席用エアバッグカバー、助手席用エアバッグカバー、サイドエアバッグカバー、ピラー用エアバッグカバー、ニーエアバッグカバーや、コンソールボックス、シフトレバー、各種グリップ類等にも好適に使用できる。
以下の実施例によって、本発明をより詳細に説明する。
[I] 物性測定方法
(1)ガラス転移温度(Tg)
示差走査熱量測定装置(セイコー電子工業社製DSC220C:入力補償DSC)を使用し、JIS K7121に従い測定した。
(2)結晶化熱量(ΔHc)
示差走査熱量測定装置(セイコー電子工業社製DSC220C:入力補償DSC)を使用し、JIS K7122に従い測定した。
(3)単量体単位含有量
組成物(3)または組成物(4)に用いられるプロピレン系樹脂(A)、プロピレン系樹脂(B)、ゴムの単量体単位含量は、赤外吸収スペクトル(日本分光製 FT−IR5200型)を用い、検量線による方法により求めた。
[I] 物性測定方法
(1)ガラス転移温度(Tg)
示差走査熱量測定装置(セイコー電子工業社製DSC220C:入力補償DSC)を使用し、JIS K7121に従い測定した。
(2)結晶化熱量(ΔHc)
示差走査熱量測定装置(セイコー電子工業社製DSC220C:入力補償DSC)を使用し、JIS K7122に従い測定した。
(3)単量体単位含有量
組成物(3)または組成物(4)に用いられるプロピレン系樹脂(A)、プロピレン系樹脂(B)、ゴムの単量体単位含量は、赤外吸収スペクトル(日本分光製 FT−IR5200型)を用い、検量線による方法により求めた。
(4)耐久物性
耐久物性として、加熱経時前後の引張破断伸び(TE)の変化を確認した。物性の変化は、式1によりTEの保持率を算出し、以下の基準で判定した。
(○:保持率が80%以上、×:保持率が80%未満)
保持率(%)={(加熱経時後のTE)/(加熱経時前のTE)}×100 (式1)
平板状成形品は、縦150mm、横90mm、厚み2mm、ゲート面積2×5mmのサイドゲート金型を射出成形機(東芝機械製 IS−100EN)に設置し、射出成形機には36UDBW形式のスクリューとA形式のスクリューヘッドを用いて成形した。射出成形は成形温度220℃、射出圧力50〜100MPa、金型温度50℃、冷却時間30秒、射出率20〜40g/秒の範囲内で実施した。
平板状成形品を成形後23℃、湿度50%雰囲気下で24時間以上経時させた後、加熱経時品として110℃で20Hr経時処理した試料と、未処理の試料とからJIS3号試験片を準備した。測定は標線間距離20mm、引張速度200mm/分、23℃、湿度50%の条件下で実施した。
耐久物性として、加熱経時前後の引張破断伸び(TE)の変化を確認した。物性の変化は、式1によりTEの保持率を算出し、以下の基準で判定した。
(○:保持率が80%以上、×:保持率が80%未満)
保持率(%)={(加熱経時後のTE)/(加熱経時前のTE)}×100 (式1)
平板状成形品は、縦150mm、横90mm、厚み2mm、ゲート面積2×5mmのサイドゲート金型を射出成形機(東芝機械製 IS−100EN)に設置し、射出成形機には36UDBW形式のスクリューとA形式のスクリューヘッドを用いて成形した。射出成形は成形温度220℃、射出圧力50〜100MPa、金型温度50℃、冷却時間30秒、射出率20〜40g/秒の範囲内で実施した。
平板状成形品を成形後23℃、湿度50%雰囲気下で24時間以上経時させた後、加熱経時品として110℃で20Hr経時処理した試料と、未処理の試料とからJIS3号試験片を準備した。測定は標線間距離20mm、引張速度200mm/分、23℃、湿度50%の条件下で実施した。
(5)離型性
図1に示す形状の成形体を所定条件で5個以上連続成形し、離型性を2段階評価した。
(○:離型不良なし、×:離型不良発生)
また、安定的に連続成形が可能な冷却時間を5秒刻みで評価し、成形サイクルの指標とした。この時間が短いほど成形サイクルが良好である事を示す。
成形は、図1の成形体を得る金型を射出成形機(日精工業製 FS160S25ASEN)に設置し、シリンダー設定温度220℃、射出率90〜110g/秒、射出時間15秒、冷却時間20秒、エアエジェクター圧力1.8kg/cm2、金型温度50℃、ヒケなどの成形不良が生じない条件で実施した。
図1に示す形状の成形体を所定条件で5個以上連続成形し、離型性を2段階評価した。
(○:離型不良なし、×:離型不良発生)
また、安定的に連続成形が可能な冷却時間を5秒刻みで評価し、成形サイクルの指標とした。この時間が短いほど成形サイクルが良好である事を示す。
成形は、図1の成形体を得る金型を射出成形機(日精工業製 FS160S25ASEN)に設置し、シリンダー設定温度220℃、射出率90〜110g/秒、射出時間15秒、冷却時間20秒、エアエジェクター圧力1.8kg/cm2、金型温度50℃、ヒケなどの成形不良が生じない条件で実施した。
実施例1
プロピレン系樹脂(A)としてプロピレン−エチレンランダム共重合体A−1(住友化学工業 ノーブレンZ144A、MFR=25g/10分、ΔHc=82mJ/mg、プロピレン含量96重量%)90重量%と、造核剤としてソルビトール系化合物 NC−4(三井化学製)10重量%を混合した後、二軸押出機を用いて溶融混練し、組成物(1)(MB)を得た。
プロピレン系樹脂(A)としてプロピレン−エチレンランダム共重合体A−1(住友化学工業 ノーブレンZ144A、MFR=25g/10分、ΔHc=82mJ/mg、プロピレン含量96重量%)90重量%と、造核剤としてソルビトール系化合物 NC−4(三井化学製)10重量%を混合した後、二軸押出機を用いて溶融混練し、組成物(1)(MB)を得た。
プロピレン系樹脂(B)として、プロピレン−エチレンランダム共重合体B−1(住友化学 ノーブレンZ144CE4、MFR=30g/10分、ΔHc=82mJ/mg、プロピレン含量96重量%)97重量%に、組成物(1)としてMB 3重量%を混合した後、100メッシュの金網を装備した単軸押出機を用い、220℃で溶融混練して組成物(2)(PP−1)を得た。
ゴムとしてエチレン−プロピレンランダム共重合体EPR(住友化学 エスプレンSPO E201、ML100℃(1+4)=43、Tg=−58℃、プロピレン含量53重量%)10重量%、エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルナジエン共重合体EPDM(住友化学工業 エスプレンEPDM E512P、ML100℃(1+4)=90、Tg=−49℃、プロピレン含量30重量%、エチリデンノルボルナジエン含量0.6重量%)40重量%、組成物(2)としてPP−1 50重量%をバンバリー混練機(神戸製鋼製 BB−16 MIXER)により溶融混練し、組成物(3)(組成物 I)を得た。
組成物(3)をバンバリー混練機により溶融混練する前に、組成物(3)100重量部に対し、酸化防止剤(チバスペシャリティーケミカルズ製 Irganox1010)を0.1重量部、離型付与剤としてエルカ酸アミド(日本精化製 ニュートロンS)を0.05重量部添加した。
得られた組成物(3)を用いて所定条件で平板状成形品を作成し、耐久物性を確認した。同様に、図1に示す成形品を所定条件で成形し、離型性を評価した。結果を表1に示す。
得られた組成物(3)を用いて所定条件で平板状成形品を作成し、耐久物性を確認した。同様に、図1に示す成形品を所定条件で成形し、離型性を評価した。結果を表1に示す。
実施例2
組成物(1)としてMB 1.5重量%、プロピレン−エチレンランダム共重合体(B)としてB−1 48.5重量%、ゴムとしてEPR 10重量%とEPDM 40重量%をバンバリー混練機(神戸製鋼製 BB−16 MIXER)により溶融混練し、組成物(4)(組成物II)を得た。組成物(4)には、実施例1と同様の方法で酸化防止剤と離型付与剤を同量添加した。
得られた組成物(4)は、実施例1と同様の方法で同様の項目を評価した。結果を表1に示す。
組成物(1)としてMB 1.5重量%、プロピレン−エチレンランダム共重合体(B)としてB−1 48.5重量%、ゴムとしてEPR 10重量%とEPDM 40重量%をバンバリー混練機(神戸製鋼製 BB−16 MIXER)により溶融混練し、組成物(4)(組成物II)を得た。組成物(4)には、実施例1と同様の方法で酸化防止剤と離型付与剤を同量添加した。
得られた組成物(4)は、実施例1と同様の方法で同様の項目を評価した。結果を表1に示す。
比較例1
プロピレン−エチレンランダム共重合体(B)としてB−1 50重量%、ゴムとしてEPR 10重量%とEPDM 40重量%をバンバリー混練機(神戸製鋼製 BB−16 MIXER)により溶融混練し、組成物(組成物III)を得た。組成物には、実施例1と同様の方法で酸化防止剤と離型付与剤を同量添加した。
得られた組成物は、実施例1と同様の方法で同様の項目を評価した。結果を表1に示す。
プロピレン−エチレンランダム共重合体(B)としてB−1 50重量%、ゴムとしてEPR 10重量%とEPDM 40重量%をバンバリー混練機(神戸製鋼製 BB−16 MIXER)により溶融混練し、組成物(組成物III)を得た。組成物には、実施例1と同様の方法で酸化防止剤と離型付与剤を同量添加した。
得られた組成物は、実施例1と同様の方法で同様の項目を評価した。結果を表1に示す。
比較例2
プロピレン−エチレンランダム共重合体(B)としてB−1 49.85重量%、ゴムとしてEPR 10重量%とEPDM 40重量%、造核剤としてソルビトール系化合物 NC−4 0.15重量%を神戸製鋼製バンバリー混練機により溶融混練し、組成物(組成物VI)を得た。組成物には、実施例1と同様の方法で酸化防止剤と離型付与剤を同量添加した。
得られた組成物は、実施例1と同様の方法で同様の項目を評価した。結果を表1に示す。
プロピレン−エチレンランダム共重合体(B)としてB−1 49.85重量%、ゴムとしてEPR 10重量%とEPDM 40重量%、造核剤としてソルビトール系化合物 NC−4 0.15重量%を神戸製鋼製バンバリー混練機により溶融混練し、組成物(組成物VI)を得た。組成物には、実施例1と同様の方法で酸化防止剤と離型付与剤を同量添加した。
得られた組成物は、実施例1と同様の方法で同様の項目を評価した。結果を表1に示す。
実施例、比較例より、本発明の請求範囲である組成物 I、組成物IIを用いた成形体は、本発明の請求範囲に含まれない組成物IIIを用いた成形体に比べ、良好な耐久物性を有する。したがって、本発明の目的である耐久物性を満足させるには造核剤が必要である。
また、同じ造核剤が含まれる組成物 I、組成物II、組成物VIを用いた成形体は、離型性に差が確認される。本発明の請求範囲である組成物 I、組成物IIを用いた成形体は、本発明の請求範囲に含まれない組成物VIを用いた成形体に比べて、離型性が安定し、連続成形可能な冷却時間が短縮される。したがって、本発明の目的である成形サイクルの安定性を満足するには、本発明の混練方法で製造した組成物を用いる事が重要である。
以上の結果より、本発明の目的を達成するには造核剤の混練条件が請求範囲を満足する事が重要である。
Claims (3)
- プロピレン系樹脂(A)に造核剤を添加して混練することにより組成物(1)を得、該組成物(1)にプロピレン系樹脂(B)を添加して混練することにより組成物(2)を得、該組成物(2)にゴムを添加して混練することにより組成物(3)を得、該組成物(3)を成形して得られる成形体。
- プロピレン系樹脂(A)に造核剤を添加して混練することにより組成物(1)を得、該組成物(1)にプロピレン系樹脂(B)及びゴムを添加して混練することにより組成物(4)を得、該組成物(4)を成形して得られる成形体。
- 成形体が自動車用エアバッグカバーである請求項1または請求項2記載の成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005076609A JP2006257258A (ja) | 2005-03-17 | 2005-03-17 | プロピレン系樹脂組成物を用いた自動車用成形体 |
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Publications (1)
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JP2006257258A true JP2006257258A (ja) | 2006-09-28 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101475256B1 (ko) * | 2006-11-30 | 2014-12-22 | 코닌클리케 필립스 엔.브이. | 입자들의 움직임을 사용하는 디스플레이 디바이스 |
-
2005
- 2005-03-17 JP JP2005076609A patent/JP2006257258A/ja active Pending
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