JP6102440B2 - プロピレン樹脂組成物及びそれからなる成形体 - Google Patents
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Description
プロピレン重合材料(成分(A))100重量部と、
下記アミド化合物(成分(B))0.01〜0.4重量部と、
有機過酸化物(成分(C))0.05〜1.5重量部と、
を溶融混練して得られるポリプロピレン樹脂組成物、及びそれからなる成形体に係るものである。
アミド化合物(成分(B))が、
式(I)で表されるN,N’−ジ(ヒドロキシエチル)アルキルアミドである。
CnH2n+1CON(CH2CH2OH)2 式(I)
(式(I)中、nは17以上の整数を表す。)
本発明で用いられるプロピレン重合材料(成分(A))は、
プロピレン単独重合体、または、
プロピレンと他のモノマーとのランダム共重合体、または、
プロピレン重合体成分とプロピレンと他のオレフィンとの共重合体成分とからなり、多段重合によって得られるプロピレン重合材料である。
これらは単独で使用してもよく、2種以上をブレンドして使用してもよい。
[mmmm]は、ポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖、換言すればプロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率であり、1に近いほどそのプロピレン重合材料(成分(A))は高い立体規則性を示す分子構造を有する高結晶性の重合体であることを表す指標である。
重合触媒としては、例えば、チーグラー型触媒系、チーグラー・ナッタ型触媒系、シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とアルキルアルミノキサンからなる触媒系、またはシクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とそれと反応してイオン性の錯体を形成する化合物及び有機アルミニウム化合物からなる触媒系、シリカ、粘土鉱物等の無機粒子にシクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物、イオン性の錯体を形成する化合物及び有機アルミニウム化合物等の触媒成分を担持し変性させた触媒系等が挙げられ、また、上記の触媒系の存在下で、プロピレン、エチレン、またはα−オレフィンを予備重合させて調製される予備重合触媒を用いてもよい。
上記の触媒系としては、例えば、特開昭61−218606号公報、特開平5−194685号公報、特開平7−216017号公報、特開平9−316147号公報、特開平10−212319号公報、特開2004−182981号公報に記載の触媒系が挙げられる。
これらの重合方法は、バッチ式、複数の重合反応槽を直列に連結させた多段式のいずれでもよく、また、これらの重合方法を任意に組み合わせてもよい。好ましくは、連続式の気相重合法、またはバルク重合法と気相重合法を連続的に行うバルク−気相重合法である。
なお、重合工程における各種条件(重合温度、重合圧力、モノマー濃度、触媒投入量、重合時間等)は、目的とするプロピレン重合材料(成分(A))に応じて、適宜決定すればよい。
本発明で用いられるランダム共重合体は、プロピレンに由来する構成単位とエチレンに由来する構成単位とからなるランダム共重合体、プロピレンに由来する構成単位と炭素数4以上のα−オレフィンに由来する構成単位とからなるランダム共重合体、プロピレンに由来する構成単位とエチレンに由来する構成単位と炭素数4以上のα−オレフィンに由来する構成単位とからなるランダム共重合体である。
上記ランダム共重合体を構成する炭素数4以上のα−オレフィンは、好ましくは炭素数4〜10個のα−オレフィンであり、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられ、好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンである。
プロピレン由来の構成単位とエチレンに由来する構成単位と炭素数4以上のα−オレフィンに由来する構成単位とからなるランダム共重合体としては、例えば、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−エチレン−1−オクテン、プロピレン−エチレン−1−デセン共重合体等が挙げられる。
本発明に用いられる多段重合によって得られるプロピレン重合材料は、
プロピレン重合体成分とプロピレンと他のオレフィンとの共重合体成分とからなり、多段重合によって得られるプロピレン重合材料であり、
好ましくは、多段重合によって得られ、
プロピレン重合体成分(重合体成分(I)と称する)と、
エチレン及び炭素数4〜10のα−オレフィンからなる群より選択されるオレフィンに由来する構成単位とプロピレンに由来する構成単位とからなる共重合体成分(重合体成分(II)と称する)とからなり、多段重合によって得られるプロピレン重合材料である。
重合体成分(I)は、プロピレン単独重合体成分、またはエチレン及び炭素数4〜10のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンに由来する構成単位0.01重量%以上20重量%未満と、プロピレンに由来する構成単位80重量%を超え99.99重量%以下とからなるプロピレン共重合体成分である(ただし、重合体成分(I)の全重量を100重量%とする)。
重合体成分(I)に用いられる炭素数4〜10個のα−オレフィンとしては、好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンであり、より好ましくは1−ブテンである。
重合体成分(II)に含有されるエチレン及び炭素数4〜10のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンに由来する構成単位の含有量として、好ましくは、20〜60重量%、より好ましくは30〜60重量%である。
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1g/dl、0.2g/dl及び0.5g/dlの3点について還元粘度を測定する。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法、すなわち還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求められる。
[η]II=([η]Total−[η]I×XI)/XII
[η]Total:後段重合工程後の当該プロピレン重合材料の極限粘度(dl/g)
[η]I:前段重合工程後に重合槽より抜き出した重合体成分(I)の極限粘度(dl/g)
XI:当該プロピレン重合材料に対する重合体部分(I)の重量比
XII:当該プロピレン重合材料に対する重合体部分(II)の重量比
尚、XI、XIIは重合時の物質収支から求める。
XII=1−(ΔHf)Total/(ΔHf)I
(ΔHf)Total:当該プロピレン重合材料の融解熱量(cal/g)
(ΔHf)I:重合体成分(I)の融解熱量(cal/g)
(Cα’)II=(Cα’)Total/XII
(Cα’)Total:当該プロピレン重合材料のコモノマーに由来する単位の含有量(重量%)
(Cα’)II:重合体成分(II)のコモノマーに由来する単位の含有量(重量%)
本発明で用いられるアミド化合物(成分(B))とは、
式(I)で表されるN,N’−ジ(ヒドロキシエチル)アルキルアミドである。
CnH2n+1CON(CH2CH2OH)2 式(I)
(式(I)中、nは17以上の整数を表す。)
有機過酸化物としては、例えば、過酸化アルキル類、過酸化ジアシル類、過酸化エステル類及び過酸化カーボネート類が挙げられる。
また、プロピレン重合材料(成分(A))と有機過酸化物(成分(C))を、予め溶融混練してもよい。成分(A)と成分(C)を溶融混練する方法としては、バンバリーミキサー、プラストミル、ブラベンダープラストグラフ、一軸押出機、二軸押出機等の公知の装置を用いる方法が挙げられ、好ましくは、連続生産ができ生産性が高いという観点から、一軸押出機または二軸押出機を用いて溶融混練する方法である。
本発明のプロピレン樹脂組成物には、成形体の耐衝撃性を改良するために、エチレンとα−オレフィンとからなる共重合体を含有しても良い。本発明で用いられるエチレンとα−オレフィンとからなる共重合体の密度は、成形体の剛性、硬度や耐衝撃性を高めるという観点から、0.85〜0.91g/cm3であり、好ましくは0.85〜0.88g/cm3であり、より好ましくは0.855〜0.875g/cm3である。
公知の触媒としては、例えば、バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物からなる触媒系、チーグラーナッタ触媒系又はメタロセン触媒系等が挙げられ、公知の重合方法としては、溶液重合法、スラリー重合法、高圧イオン重合法又は気相重合法等が挙げられる。
メタロセン系触媒としては、例えば、特開平3−163088号公報、特開平4−268307号公報、特開平9−12790号公報、特開平9−87313号公報、特開平11−80233号公報、特表平10−508055号公報等に記載されているメタロセン系触媒が挙げられる。メタロセン系触媒を用いるエチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法として、好ましくは、欧州特許出願公開第1211287号明細書に記載されている方法が挙げられる。
本発明のプロピレン樹脂組成物には、機械物性のバランスをさらに改良するために、無機充填剤を含有しても良い。無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、結晶性ケイ酸カルシウム、タルク、繊維状マグネシウムオキシサルフェート等が挙げられ、好ましくはタルク又は繊維状マグネシウムオキシサルフェートである。より好ましくはタルクである。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
本発明のプロピレン樹脂組成物には、機械物性のバランスをさらに改良するために、ビニル芳香族化合物含有ゴムを含有しても良い。ビニル芳香族化合物含有ゴムとしては、例えば、ビニル芳香族化合物重合体と共役ジエン系重合体からなるブロック共重合体や、かかるブロック共重合体の水素添加物が挙げられる。水素添加物の場合、その共役ジエン重合体部分の二重結合の水素添加率として、好ましくは80重量%以上であり、より好ましくは85重量%以上である(ただし、共役ジエン重合体部分に含有される二重結合の全量を100重量%とする)。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物には、必要に応じて添加剤を含有しても良い。添加剤としては、例えば、中和剤、酸化防止剤、加工安定剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、造核剤、透明化核剤、滑剤、加工助剤、金属石鹸、着色剤(カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料)、発泡剤、抗菌剤、可塑剤、難燃剤、架橋剤、架橋助剤、高輝度化剤等が挙げられる。
中和剤としては、例えば、高級脂肪酸の金属塩(金属石鹸)、ハイドロタルサイト類、アルカリ土類金属の酸化物又はアルカリ土類金属の水酸化物等が挙げられる。これらの中和剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
MgyAl2(OH)2y+4CO3・mH2O または、
ZnyAl2(OH)2y+4CO3・mH2O
(式中、yは、y≧4であり、mは正の数である。)
で表されるハイドロタルサイトである。
Mg4.5Al2(OH)13CO3・3H2O
Mg4.5Al2(OH)11(CO3)0.8・O0.2
Mg4Al2(OH)12CO3・3H2O
Mg5Al2(OH)14CO3・4H2O
Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O
Zn4Al2(OH)12CO3・mH2O(mは0〜4)
Mg3ZnAl2(OH)12CO3・mH2O(mは0〜4)
また、アルカリ土類金属の水酸化物とは、周期表第2族の金属原子の水酸化物であり、例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられ、好ましくは水酸化カルシウムである。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、ヒドロキシルアミン系酸化防止剤等が挙げられる。好ましくは、フェノール系酸化防止剤またはリン系酸化防止剤であり、より好ましくはフェノール系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤が併用される。
フェノール系酸化防止剤としては、好ましくは、テトラキス[メチレン−3(3’,5’ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス[3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチルイソシアネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート等が挙げられる。
分子量300以上のフェノール系酸化防止剤としては、例えば、テトラキス[メチレン−3(3’,5’ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ジフェニレンジホスホナイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル) 2−エチルヘキシルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)フルオロホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト、2−(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル)−5−エチル−5−ブチル−1,3,2−オキサホスホリナン、2,2’,2’’−ニトリロ[トリエチル−トリス(3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト、2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン等が挙げられる。
分子量300以上のリン系酸化防止剤としては、例えば、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン等である。
紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ラウリル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、パルミチル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ステアリル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ベヘニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、低分子量体のヒンダードアミン系光安定剤、高分子量体のヒンダードアミン系光安定剤のいずれを使用しても良い。
例えば、
(1)ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、
(2)ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートおよびメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートを含有する混合物、
(3)ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、
(4)デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジル)エステルと1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンとの反応生成物、
(5)4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
(6)2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールと高級脂肪酸のエステル混合物、
(7)テトラキス(2,2,6,6−テトラ−メチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、
(8)テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタ−メチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、
(9)コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重縮合物、
(10)ポリ[{(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}}、
(11)ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、
(12)N,N’,N’’,N’’’−テトラキス−(4,6ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、
(13)ミックスト{1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオクスアスピロ(5,5)ウンデカン]ジメチル}−1,2,3,4ブタンテトラカルボキシレート、
(14)N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)マレイン酸イミド、および炭素数20〜24のα−オレフィンからなる共重合体等が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、二種類以上を併用してもよい。
(1)ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、
(4)デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジル)エステルと1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンとの反応生成物、
(7)テトラキス(2,2,6,6−テトラ−メチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、
(8)テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタ−メチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、
(9)コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重縮合物、
(10)ポリ[{(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}}、
(14)N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)マレイン酸イミド、および炭素数20〜24のα−オレフィンからなる共重合体である。
プロピレン重合材料(成分(A))100重量部に対して0.01〜0.3重量部である。好ましくは0.05〜0.2重量部である。
脂肪酸金属塩類としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
脂肪酸金属塩類の含有量は、プロピレン重合材料(成分(A))100重量部に対して、好ましくは0.01〜0.5重量部であり、より好ましくは0.01〜0.2重量部である。
無機系造核剤としては、例えば、タルク、クレイ、炭酸カルシウム等が挙げられる。無機系造核剤が粒子である場合、粒子の凝集を防止するために、または、ポリプロピレン系樹脂組成物への分散性を改良するために、シランカップリング剤、脂肪酸、その他の酸性の物質または塩基性の物質によって、無機系造核剤を前処理してもよい。
粒子状の造核剤の製造方法としては、例えば、粉砕法、晶析法、粉砕法と晶析法を組み合せた方法等が挙げられる。粉砕法によって造核剤を製造する際に、造核剤の粒子同士が凝集することを防止するために、造核剤の粒子と表面処理剤を接触させて製造してもよい。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物の製造方法としては、各成分を溶融混練する方法が挙げられ、例えば、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、熱ロール等の混練機を用いて溶融混練する方法等が挙げられる。
溶融混練装置としては、例えば、単軸押出機、二軸同方向回転押出機(Wernw Pfleideren製 ZSK[登録商標]や東芝機械(株)製 TEM[登録商標]、日本製鋼所(株)製 TEX[登録商標]、テクノベル(株)製 二軸混練機等)、二軸異方向回転押出機(日本製鋼所(株)製 CMP[登録商標]、TEX[登録商標]、神戸製鋼所(株)製 FCM[登録商標]、NCM[登録商標]、LCM[登録商標]等)が挙げられる。
〔1〕プロピレン重合材料(成分(A))とアミド化合物(成分(B))と有機過酸化物(成分(C))の全部を一括して溶融混練する方法、
〔2〕プロピレン重合材料(成分(A))とアミド化合物(成分(B))とを予め溶融混練した後に、有機化酸化物(成分(C))を同時または任意の順番に添加して溶融混練する方法、
〔3〕プロピレン重合材料(成分(A))を予め溶融混練した後に、アミド化合物(成分(B))と有機化酸化物(成分(C))とを同時または任意の順番に添加して溶融混練する方法である。
本発明の成形体は、本発明のポリプロピレン樹脂組成物を、公知の成形方法によって、成形して得られる成形体であり、例えば、射出成形体、プレス成形体、真空成形体、真空プレス成形体、圧空成形体、発泡成形体、押出成形体等が挙げられる。
本発明の成形体の成形方法として例えば、射出成形法、プレス成形法、真空成形法、真空プレス成形法、圧空成形法、発泡成形法、押出成形法等が挙げられる。
(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)重合材料(A)を用いた。当該重合材料(A)は、プロピレン単独重合体成分(A−I)とプロピレン−エチレン共重合体成分(A−II)からなり、特開2004−182981号公報の実施例1記載の方法によって得られる重合触媒を用いて、下記物性の単独重合体成分(A−I)、共重合体成分(A−II)および当該重合材料(A)が得られる条件で、多段重合法である液相−気相重合法によって製造した。
(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)重合材料(A)のMFR(230℃、2.16kgf荷重):26g/10分
当該重合材料(A)のエチレン含量:7.0重量%
当該重合材料(A)の極限粘度([η]total):1.07dl/g
単独重合体成分(A−I):プロピレン単独重合体成分
単独重合体成分(A−I)の極限粘度([η]A-1):1.07dl/g
共重合体成分(A−II):プロピレン−エチレン共重合体成分
共重合体成分(A−II)の含有量:20重量%
共重合体成分(A−II)のエチレン含有量:35重量%
共重合体成分(A−II)の極限粘度([η]A-2):2.7dl/g
ステアリン酸ジエタノールアミド(製品名:デノン3087(丸菱油化工業(株)製)を用いた。
1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンの8%マスターバッチ(パーカドックス14、化薬アクゾ(株)製8%質量濃度の有機過酸化物と88質量%のプロピレン単独重合体と4質量%のSiO2との混合物)を用いた。
(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)重合材料(A)100重量部、加えて、成分(A)100重量部に対し、アミド化合物(B)を0.01重量部、有機過酸化物(C)を1重量部、その他の成分としてステアリン酸カルシウムを0.05重量部、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(スミライザーGA80、住友化学製)0.05重量部、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト(ソングノックスS6260、松原産業製)0.1重量部の組成割合で配合した。
その後、タンブラーで均一に予備混合した後、更に、得られた混合物を、2軸押出機((登録商標)TEX44αII:(株)日本製鋼所製、バレル内径:44mmφ、スクリュー回転数:200rpm、シリンダー温度:230℃)を用いて溶融混練した。この溶融混練物を該押出機のダイ部入り口にセットした織金網フィルター(50メッシュ、開き目:410μm)及び焼結フィルター((登録商標):ナスロンフィルターNF15N:日本精線製)で濾過した後にダイ部より押し出した。この押出物を冷水により冷却固化、切断して、樹脂組成物のペレットを得た。また、このときの押出速度は50kg/時間であった。
成分(B)を0.05重量部配合した以外は、実施例1に記載の方法と同様に行った。
成分(B)を0.10重量部配合した以外は、実施例1に記載の方法と同様に行った。
成分(B)及び、成分(C)を配合しなかった以外は、実施例1に記載の方法と同様に行った。
成分(B)を配合しなかった以外は、実施例1に記載の方法と同様に行った。
上記の実施例1〜実施例3と、比較例1および比較例2で得られた樹脂組成物のペレットについて、そのMFRを、JIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgfで測定した。なお、MFRの値が大きいほど、樹脂組成物の流動性が高いことを示す。
上記の実施例1〜実施例3と、比較例1および比較例2で得られた樹脂組成物のペレットを、以下の射出成形方法により試験片を得た。得られた試験片を以下の測定方法によって、ホルムアルデヒド放散量の評価を行った。
射出成形機として、住友重機械工業(株)製 SE130DU(型締力130トン)、金型として、90mm×150mm×3.0mmのサイズのキャビティを有する射出成形用金型(1点ゲート)を用いて、シリンダー温度220℃、金型温度50℃で、上記の実施例1〜実施例3と、比較例1および比較例2で得られた樹脂組成物のペレットを成形して、平板成形体を得た。
ホルムアルデヒド放散量の測定は、上記射出成形方法により得られた平板成形体から、80mm×100mmのサイズの試験片を切り出して、該試験片を用いて、以下の方法により測定した。
(i)試験片を容積10Lのテドラーバッグに封入し、純窒素ガスを充填した。その後、純窒素ガスを抜くことにより、テドラーバッグ内のガスを窒素ガスに置換する作業を2回繰り返し行った。
(ii)テドラーバッグに純窒素ガス4Lを充填し、テドラーバッグのコックを閉じた。テドラーバッグをオーブンの中に入れ、コックの先にサンプリング用テフロン(登録商標)チューブを取り付けてオーブンの外まで延ばし、この状態で65℃、2時間加熱処理を行った。
上記(ii)で調製した試料ガスを、65℃の加熱状態で、2,4−ジニトロフェノルヒドラジン(2,4−Dinitrophenylhydrazine(略称:DNPH))カートリッジに3L採取した。採取後のカートリッジはアセトニトリルで溶出処理を行い、得られた溶出液を高速液体クロマトグラフ(HPLC;Waters製、型式:Ultra Performance Liquid Chromatography Aquiy)を用いて、カートリッジから溶出した成分の測定を行った。
Claims (2)
- 下記プロピレン重合材料(成分(A))100重量部と、
下記アミド化合物(成分(B))0.01〜0.4重量部と、
有機過酸化物(成分(C))0.05〜1.5重量部と、
を溶融混練して得られるポリプロピレン樹脂組成物。
プロピレン重合材料(成分(A))が、
プロピレン重合体成分(重合体成分(I))と、
エチレン及び炭素数4〜10のα−オレフィンからなる群より選択されるオレフィンに由来する構成単位とプロピレンに由来する構成単位とからなる共重合体成分(重合体成分(II))とからなるプロピレン重合材料であって、
プロピレン重合体成分(重合体成分(I))の135℃テトラリン中で測定される極限粘度([η] I )が0.5〜3dl/gであり、
共重合体成分(重合体成分(II))の135℃テトラリン中で測定される極限粘度([η] II )が1〜10dl/gであるプロピレン重合材料である。
アミド化合物(成分(B))が、
式(I)で表されるN,N’−ジ(ヒドロキシエチル)アルキルアミドである。
CnH2n+1CON(CH2CH2OH)2 式(I)
(式(I)中、nは17以上の整数を表す。) - 請求項1に記載のポリプロピレン樹脂組成物からなる成形体。
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