JP2006257247A - 粘着フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】
適度な粘着強度を得られ、剥離安定性に優れ、経時変化がなく好適な粘着性を維持し、使用後の被着体表面に糊残りの発生のない、粘着性能のばらつきの少ない優れた粘着フィルムを提供する
【解決手段】
非晶性オレフィン共重合体(a);20〜80質量部、結晶性オレフィン系重合体(b);3〜30質量部および結晶性オレフィンブロックを有するブロック共重合体(c);10〜50質量部〔(a)(b)および(c)の合計で100質量部とする〕からなる粘着層を有することを特徴とする粘着フィルム。
【選択図】
なし
適度な粘着強度を得られ、剥離安定性に優れ、経時変化がなく好適な粘着性を維持し、使用後の被着体表面に糊残りの発生のない、粘着性能のばらつきの少ない優れた粘着フィルムを提供する
【解決手段】
非晶性オレフィン共重合体(a);20〜80質量部、結晶性オレフィン系重合体(b);3〜30質量部および結晶性オレフィンブロックを有するブロック共重合体(c);10〜50質量部〔(a)(b)および(c)の合計で100質量部とする〕からなる粘着層を有することを特徴とする粘着フィルム。
【選択図】
なし
Description
本発明は合成樹脂板、化粧合板、金属板および塗装鋼板のような物品の表面に粘着した際に、適度な粘着力(剥離強度)と剥離速度依存性が少ない粘着層を有する粘着フィルムに関する。
ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂からなる基材層と、EVAや低密度ポリエチレンのような低結晶性または非晶性の重合体からなる粘着剤層とからなる粘着フィルムや、該基材層と、スチレン系ブロック共重合体若しくはその水添物のようなエラストマーからなる粘着剤層とからなる粘着フィルムが知られている。
これらの粘着フィルムは、高温下において経時変化し、その結果、粘着力が上昇して被着体からの剥離が困難となったり、剥離後の被着体の表面に粘着剤が残存したり、その粘着の性能のばらつきが大きく、粘着の性能が経時変化することが多く、一定の範囲にコントロールすることは困難であった。
すなわち、粘着フィルムは通常、数百メートルから数千メートルの長さのものをロール状に巻き上げた状態で保管され、流通している。粘着フィルムをロール状からの巻き戻す際に、基材層と粘着層の間でブロッキングを起こし、場合によっては、粘着層が接する基材層側の表面に移行し残存することもある。
一方、ロールからの巻き戻しを容易にするため基材層に離型剤などを配合することも知られているが、離型剤が粘着層に移行して粘着強度を低下させ、基材層のスリップ性が大きくなり過ぎることもある。
これらの粘着フィルムは、高温下において経時変化し、その結果、粘着力が上昇して被着体からの剥離が困難となったり、剥離後の被着体の表面に粘着剤が残存したり、その粘着の性能のばらつきが大きく、粘着の性能が経時変化することが多く、一定の範囲にコントロールすることは困難であった。
すなわち、粘着フィルムは通常、数百メートルから数千メートルの長さのものをロール状に巻き上げた状態で保管され、流通している。粘着フィルムをロール状からの巻き戻す際に、基材層と粘着層の間でブロッキングを起こし、場合によっては、粘着層が接する基材層側の表面に移行し残存することもある。
一方、ロールからの巻き戻しを容易にするため基材層に離型剤などを配合することも知られているが、離型剤が粘着層に移行して粘着強度を低下させ、基材層のスリップ性が大きくなり過ぎることもある。
それらを改善する方法として、基材層表面にポリエチレンを主成分とする樹脂を用いることで巻戻し力の上昇を抑制する表面保護フィルムが開示されている(例えば、特許文献1)。かかる文献によると、粘着剤層の主成分がポリプロピレンを主成分とする樹脂を用い、基材層がポリプロピレン系樹脂である場合には、粘着層との親和性が大きいため、ロール状に巻いたときに基材層と粘着層が必要以上に粘着性を示す場合があるので、基材層表面にポリエチレンを主成分とする樹脂を用いることが好ましいとされている。
また、プロピレン系共重合体と高密度ポリエチレン等を含有してなる粘着剤組成物層を有する粘着シートが提案され(例えば、特許文献2)、接着性の向上を目的としてスチレン系ブロックポリマーを添加してもよいことが開示されている。
また、プロピレン系共重合体と高密度ポリエチレン等を含有してなる粘着剤組成物層を有する粘着シートが提案され(例えば、特許文献2)、接着性の向上を目的としてスチレン系ブロックポリマーを添加してもよいことが開示されている。
しかしながら、かかる組成からなる粘着層を有する粘着フィルムを表面保護フィルムとして用いた場合には、剥離速度により、剥離強度が大きく変化し、剥離時の剥離安定性が劣る場合がある。また、これら粘着フィルムの粘着性の経時変化が少ないことが望まれている。
本発明の目的は、適度な粘着力(剥離強度)と剥離時に剥離速度を変えても安定した剥離強度を有し(剥離速度依存性が少ない)、粘着力の経時変化の少ない粘着フィルムを提供することにある。
本発明は、上記の目的を達成し得る粘着フィルムを提供するものである。すなわち本発明は、非晶性オレフィン共重合体(a);20〜80質量部、結晶性オレフィン系重合体(b);3〜30質量部および結晶性オレフィンブロックを有するブロック共重合体(c);10〜50質量部〔(a)(b)および(c)の合計で100質量部とする〕からなる粘着層を有することを特徴とする粘着フィルムに関する。
本発明によれば、適度な粘着強度があり、剥離安定性に優れ、経時変化を防止して好適な粘着性を維持し、使用後の被着体表面に糊残りの発生のなく、粘着性能のばらつきの少ない優れた粘着フィルムを提供することができる。
非晶性オレフィン共重合体(a)
本発明に係わる非晶性オレフィン共重合体(a)は、非晶性であり、好ましくは、JIS K 7122に基づき、DSC(示差走査熱量測定)において、20〜250℃の範囲で、結晶融解熱量が1J/g以上のピーク、より好ましくは0.5J/g以上のピークを有しない共重合体である。
本発明に係わる非晶性オレフィン共重合体(a)は、二種以上のα−オレフィンの共重合体である。これらα―オレフィンとしては、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどの炭素数2〜20、好ましくは2〜10のα−オレフィンが例示される。
本発明に係わる非晶性オレフィン共重合体(a)は、上記α−オレフィン以外に、必要に応じて、ブタジエン、イソプレン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等のポリエン化合物単位、環状オレフィン単位およびビニル芳香族化合物単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の単位を含んでいてもよい。
本発明に係わる非晶性オレフィン共重合体(a)は、非晶性であり、好ましくは、JIS K 7122に基づき、DSC(示差走査熱量測定)において、20〜250℃の範囲で、結晶融解熱量が1J/g以上のピーク、より好ましくは0.5J/g以上のピークを有しない共重合体である。
本発明に係わる非晶性オレフィン共重合体(a)は、二種以上のα−オレフィンの共重合体である。これらα―オレフィンとしては、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどの炭素数2〜20、好ましくは2〜10のα−オレフィンが例示される。
本発明に係わる非晶性オレフィン共重合体(a)は、上記α−オレフィン以外に、必要に応じて、ブタジエン、イソプレン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等のポリエン化合物単位、環状オレフィン単位およびビニル芳香族化合物単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の単位を含んでいてもよい。
本発明に係わる非晶性オレフィン共重合体(a)の具体例としては、例えば、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・環状オレフィン共重合体、プロピレン・エチレン・ブタジエン共重合体、プロピレン・1−ブテン・スチレン共重合体等が挙げられる。これら共重合体の中でも、プロピレン・エチレン共重合体またはプロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体が最も好ましい。
本発明に係わる非晶性オレフィン共重合体(a)の分子量分布(Mw/Mn)は、得られる粘着フィルムの特に高温下での粘着力および被着体表面への粘着剤の残り難さの観点から、好ましくは3以下、より好ましくは2.8以下、更に好ましくは2.5以下である。
本発明に係わる非晶性オレフィン共重合体(a)の極限粘度[η]は、得られる粘着フィルムの粘着力、被着体表面への粘着剤の残り難さ、高温下での粘着力の観点から、好ましくは0.5〜10dl/g、より好ましくは1.0〜8.0dl/g、更に好ましくは1.3〜6.0dl/gの範囲にある。
本発明に係わる非晶性オレフィン共重合体(a)は、非晶性である限り、ランダム共重合体及びブロック共重合体のいずれであってもよい。また、ブロック共重合体の場合、主成分となるα-オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテンなどがアタクチック構造で結合しているポリマーであることが好ましい。
本発明に係わる非晶性オレフィン共重合体(a)は、単一の共重合体であっても二種以上の共重合体であってもよい。
本発明に係わる非晶性オレフィン共重合体(a)の分子量分布(Mw/Mn)は、得られる粘着フィルムの特に高温下での粘着力および被着体表面への粘着剤の残り難さの観点から、好ましくは3以下、より好ましくは2.8以下、更に好ましくは2.5以下である。
本発明に係わる非晶性オレフィン共重合体(a)の極限粘度[η]は、得られる粘着フィルムの粘着力、被着体表面への粘着剤の残り難さ、高温下での粘着力の観点から、好ましくは0.5〜10dl/g、より好ましくは1.0〜8.0dl/g、更に好ましくは1.3〜6.0dl/gの範囲にある。
本発明に係わる非晶性オレフィン共重合体(a)は、非晶性である限り、ランダム共重合体及びブロック共重合体のいずれであってもよい。また、ブロック共重合体の場合、主成分となるα-オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテンなどがアタクチック構造で結合しているポリマーであることが好ましい。
本発明に係わる非晶性オレフィン共重合体(a)は、単一の共重合体であっても二種以上の共重合体であってもよい。
本発明に係わる非晶性オレフィン共重合体(a)は、公知のチーグラー・ナッタ型触媒やシングルサイト触媒(たとえば、メタロセン系触媒)のような重合触媒を用いて製造することができるが、特には、得られる非晶性オレフィン共重合体(a)の組成分布の均一性という観点から、好ましい触媒は、チーグラー・ナッタ型触媒である一般式VO(OR)nX3-n(式中、Rは炭化水素基、Xはハロゲン、nは0≦n≦3を充足する数値を表す)で示されるバナジウム化合物や、メタロセン系触媒のようなシングルサイト触媒である。
結晶性オレフィン系重合体(b)
本発明に係わる結晶性オレフィン系重合体(b)は、結晶性であり、好ましくは、JIS K 7121に基づき、DSC(示差走査熱量測定)において、95〜250℃、好ましくは100〜170℃、より好ましくは110〜156℃の範囲のピーク(融点;Tm)を有する重合体である。
本発明に係わる結晶性オレフィン系重合体(b)は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル・1−ペンテン、1−オクテン等のα−オレフィンの単独重合体、二種以上の異なるα−オレフィンの共重合体あるいはα−オレフィンと酢酸ビニル、α,β−不飽和カルボン酸もしくはその誘導体の他の重合性化合物とのα−オレフィンを主体とする重合体で、結晶性の重合体である。
本発明に係わる結晶性オレフィン系重合体(b)は、結晶性であり、好ましくは、JIS K 7121に基づき、DSC(示差走査熱量測定)において、95〜250℃、好ましくは100〜170℃、より好ましくは110〜156℃の範囲のピーク(融点;Tm)を有する重合体である。
本発明に係わる結晶性オレフィン系重合体(b)は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル・1−ペンテン、1−オクテン等のα−オレフィンの単独重合体、二種以上の異なるα−オレフィンの共重合体あるいはα−オレフィンと酢酸ビニル、α,β−不飽和カルボン酸もしくはその誘導体の他の重合性化合物とのα−オレフィンを主体とする重合体で、結晶性の重合体である。
これら結晶性オレフィン系重合体(b)の具体例の一つとして、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(所謂LLDPE)及び高密度ポリエチレンの名称で製造・販売されているエチレンの単独重合体あるいはエチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル・1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等の他の一種以上のα−オレフィンとのランダム共重合体で、通常、密度が0.900〜0.970g/cm3、好ましくは0.905〜0.940g/cm3の範囲にあるエチレンを主体とする重合体〔エチレン系重合体(b−1)〕を例示することができる。
結晶性オレフィン系重合体(b)の具体例の一つとして、ポリプロピレンの名称で製造・販売されているプロピレンの単独重合体、プロピレンとエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル・1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等の他の一種以上α−オレフィンとのランダム若しくはブロック共重合体で、通常、融点(Tm)が100〜170℃、好ましくは110〜156℃の範囲にあるプロピレンを主体とする重合体〔プロピレン系重合体(b−2)〕を例示することができる。
結晶性オレフィン系重合体(b)の具体例の一つとして、ポリブテンの名称で製造・販売されている1−ブテンの単独重合体あるいは1−ブテンとエチレン、プロピレン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル・1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等の他の一種以上のα−オレフィンとのランダム共重合体で、通常、融点(Tm)が95〜130℃、好ましくは95〜127℃の範囲にある1−ブテンを主体とする重合体(1−ブテン系重合体)を例示することができる。
結晶性オレフィン系重合体(b)の具体例の一つとして、4−メチル・1−ペンテンの名称で製造・販売されている4−メチル・1−ペンテンの単独重合体あるいは4−メチル・1−ペンテンとエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等の他の一種以上のα−オレフィンとのランダム共重合体で、通常、融点(Tm)が200〜250℃、好ましくは220〜240℃の範囲にある4−メチル・1−ペンテンを主体とする重合体(4−メチル・1−ペンテン系重合体)を例示することができる。
結晶性オレフィン系重合体(b)の具体例の一つとして、エチレンとアクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等の他の重合性化合物、好ましくはビニル化合物との共重合体(エチレン・ビニル化合物共重合体)を例示することができる。
本発明に係わる結晶性オレフィン系重合体(b)は、単一の重合体であっても二種以上の重合体であってもよい。
これら結晶性オレフィン系重合体(b)の中でも、融点(Tm)が100〜160℃、中でも110〜156℃の範囲にあるプロピレン系重合体が好ましい。
結晶性オレフィン系重合体(b)の具体例の一つとして、ポリプロピレンの名称で製造・販売されているプロピレンの単独重合体、プロピレンとエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル・1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等の他の一種以上α−オレフィンとのランダム若しくはブロック共重合体で、通常、融点(Tm)が100〜170℃、好ましくは110〜156℃の範囲にあるプロピレンを主体とする重合体〔プロピレン系重合体(b−2)〕を例示することができる。
結晶性オレフィン系重合体(b)の具体例の一つとして、ポリブテンの名称で製造・販売されている1−ブテンの単独重合体あるいは1−ブテンとエチレン、プロピレン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル・1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等の他の一種以上のα−オレフィンとのランダム共重合体で、通常、融点(Tm)が95〜130℃、好ましくは95〜127℃の範囲にある1−ブテンを主体とする重合体(1−ブテン系重合体)を例示することができる。
結晶性オレフィン系重合体(b)の具体例の一つとして、4−メチル・1−ペンテンの名称で製造・販売されている4−メチル・1−ペンテンの単独重合体あるいは4−メチル・1−ペンテンとエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等の他の一種以上のα−オレフィンとのランダム共重合体で、通常、融点(Tm)が200〜250℃、好ましくは220〜240℃の範囲にある4−メチル・1−ペンテンを主体とする重合体(4−メチル・1−ペンテン系重合体)を例示することができる。
結晶性オレフィン系重合体(b)の具体例の一つとして、エチレンとアクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等の他の重合性化合物、好ましくはビニル化合物との共重合体(エチレン・ビニル化合物共重合体)を例示することができる。
本発明に係わる結晶性オレフィン系重合体(b)は、単一の重合体であっても二種以上の重合体であってもよい。
これら結晶性オレフィン系重合体(b)の中でも、融点(Tm)が100〜160℃、中でも110〜156℃の範囲にあるプロピレン系重合体が好ましい。
結晶性オレフィンブロックを有するブロック共重合体(c)
本発明に係わる結晶性オレフィンブロックを有するブロック共重合体(c)は、非晶部分(ゴム部分)のブロックAと結晶性ポリオレフィンブロックBをそれぞれ分子中に少なくとも1個有するブロック共重合体である。
また、上記のブロックAとブロックBをそれぞれ分子中に少なくとも1個有するブロック共重合体の構造は特に制限されず、(B−A)n1、(B−A)n2−B、(A−B)n3−A(n1、n2、n3は1以上の整数)や、これらをカップリング剤で結合した構造が例示される。こらの中ではトリブロックの共重合体またはそれ以上の数のブロックを有する共重合体が好適である。
このような共重合体としては、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックA’と共に、共役ジエン化合物を主体とし架橋処理などにより結晶性ポリオレフィンとなり得る部分を有するブロックB’からなる共重合体がある。また更に、ブロックB’の一部をビニル芳香化合物の重合体からなるブロックCで置き換えたブロック共重合体がある。
本発明に係わる結晶性オレフィンブロックを有するブロック共重合体(c)は、非晶部分(ゴム部分)のブロックAと結晶性ポリオレフィンブロックBをそれぞれ分子中に少なくとも1個有するブロック共重合体である。
また、上記のブロックAとブロックBをそれぞれ分子中に少なくとも1個有するブロック共重合体の構造は特に制限されず、(B−A)n1、(B−A)n2−B、(A−B)n3−A(n1、n2、n3は1以上の整数)や、これらをカップリング剤で結合した構造が例示される。こらの中ではトリブロックの共重合体またはそれ以上の数のブロックを有する共重合体が好適である。
このような共重合体としては、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックA’と共に、共役ジエン化合物を主体とし架橋処理などにより結晶性ポリオレフィンとなり得る部分を有するブロックB’からなる共重合体がある。また更に、ブロックB’の一部をビニル芳香化合物の重合体からなるブロックCで置き換えたブロック共重合体がある。
共役ジエン化合物には、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエンが例示される。
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックA’は、水素添加された後に非晶質ポリオレフィンゴム質の重合体ブロックになり得るブロックである。例えば、ポリブタジエンのビニル結合(1,2−及び3,4−結合の含有量)が、25〜85%程度であれば水素添加により、ゴム状のエチレン−ブテン共重合体ブロックと類似の構造を示す非晶性のブロックとなる。
結晶性ポリオレフィンとなり得る部分を有するブロックB’は、例えばポリブタジエンのビニル結合(1,2−及び3,4−結合の含有量)が、25%以下程度であれば水素添加により、エチレン重合体に類似の構造を示す結晶性のブロックとなる。
本発明のブロック共重合体には、例えば上記ブロックA’と上記ブロックB’が、B’−A’−B’で表されるブロック共重合体がある。
このようなブロック共重合体として、硬質部となるポリプロピレン等の結晶性の高いポリマーを形成するオレフィンブロックと、軟質部となる非晶性を示すモノマー共重合体ブロックとのブロック共重合体が挙げられ、具体的には、オレフィン結晶・エチレン−ブチレン共重合体・オレフィン結晶(CEBC)の如きオレフィン結晶系ブロックポリマー、エチレン−エチレン・ブチレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−ポリエチレンオキシド−プロピレンブロック共重合体、プロピレン−オレフィン(非晶性)−プロピレンブロック共重合体等があげられる。
これらは1種を単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
具体例としては、JSR株式会社から商品名:ダイナロンとして市販されているものが挙げられる。
これらは1種を単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
具体例としては、JSR株式会社から商品名:ダイナロンとして市販されているものが挙げられる。
本発明のブロック共重合体には、さらに前記一般式で示したブロック共重合体を構成するブロックBの一部をビニル芳香族化合物の重合体のブロックCで置き換えたブロック共重合体がある。
ビニル芳香族化合物の具体例としては、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルスチレン、1,1−ジフェニルスチレン等を挙げることができる。中でも、スチレン、α一メチルスチレンが好ましい。
ビニル芳香族化合物の重合体からなるブロックCを含むブロック共重合体としては、B−A−Cで表されるブロック共重合体がある。
このようなブロック共重合体として、スチレン・エチレン−ブチレン・オレフィン(結晶性)ブロック共重合体(SEBC)があり、例えばスチレン・エチレン−ブチレン・エチレンブロック共重合体(SEBC)などがある。
本発明では、結晶性オレフィンブロックを有するブロック共重合体(c)を用いることにより、高速での剥離安定性に優れるだけでなく、粘着フィルムを実使用を開始した後の剥離強度の経時変化が少ないという優れた性能を有する粘着フィルムが得られる。
このようなブロック共重合体として、スチレン・エチレン−ブチレン・オレフィン(結晶性)ブロック共重合体(SEBC)があり、例えばスチレン・エチレン−ブチレン・エチレンブロック共重合体(SEBC)などがある。
本発明では、結晶性オレフィンブロックを有するブロック共重合体(c)を用いることにより、高速での剥離安定性に優れるだけでなく、粘着フィルムを実使用を開始した後の剥離強度の経時変化が少ないという優れた性能を有する粘着フィルムが得られる。
上記熱可塑性エラストマーは、適度な粘着性と低温時における剥離性を好適な範囲にする為に、動的粘弾性測定における10Hzでの損失正接(tanδ)の最大温度は、−60℃〜−30℃であることが好ましく、さらに−60〜−40℃が特に好ましい範囲である。
粘着層
本発明の粘着フィルムの粘着層は、上記の非晶性オレフィン共重合体(a)、結晶性オレフィン(b)、および結晶性オレフィンブロックを有するブロック共重合体(c)からなる組成物から構成される。
本発明の粘着フィルムの粘着層は、上記の非晶性オレフィン共重合体(a)、結晶性オレフィン(b)、および結晶性オレフィンブロックを有するブロック共重合体(c)からなる組成物から構成される。
粘着層に適した組成物を調製する目安として、組成部中に含まれる各成分が非晶性オレフィン共重合体(a)20〜80質量部、結晶性オレフィン(b)3〜30質量部、結晶性オレフィンブロックを有するブロック共重合体(c)10〜50質量部((a)(b)および(c)の合計で100質量部とする)の範囲とすることが望ましい。
さらに、このような組成物の初期粘着強度(実施例に示す方法による)は、200〜700g/50mmの範囲内とすることが望ましい。200g/50mmに満たない場合は、粘着力が不十分な傾向があり、700g/50mmを越えると粘着性能の制御が難しくなる傾向がある。
粘着層には非晶性オレフィン共重合体(a)、結晶性オレフィン(b)および結晶性オレフィンブロックを有するブロック共重合体(c)と共に、必要に応じて、他の成分を配合することができる。なお、粘着性能を制御しそのばらつきを少なくするためには、他のポリマー成分は配合する場合でも少量に留めることが望ましい。
本発明において、必要に応じて配合される他の成分としては、エチレンを60〜85モル%含むエチレン−α−オレフィン共重合体が望ましく、α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどが例示される。これらのエチレン−α−オレフィン共重合体の融点は20ないし80℃の範囲にあるものが好適である。このようなオレフィン系熱可塑性エラストマーには例えば、三井化学株式会社から市販されているタフマーP、タフマーA、タフマーSなどがある。
また、他の熱可塑性エラストマーには、例えば、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合樹脂(SEBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合樹脂(SIS)、そのイソプレン部分に水素添加して得られるスチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合樹脂(SEPS)などのスチレン系エラストマーがある。
スチレンと1,3−ブタジエンのX−Y−X型ブロック共重合体の水素添加物(SEBS)の市販品としては、例えば、シェル化学株式会社製 商品名:クレイトンG、旭化成株式会社製 商品名:タフテック等を挙げることができる。
また、スチレンと1,3−ブタジエンの共重合体のうちランダム性の高いものは、一般にHSBRと略称され、その市販品としては、例えば、JSR株式会社製 商品名:ダイナロン等を挙げることができる。また、スチレンとイソプレンとのX−Y−X型ブロック共重合体の水素添加物(SEPS)の市販品としては、例えば、株式会社クラレ製 商品名:ハイブラー及びセプトン等を挙げることができる。
さらに、老化防止剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、及び、光安定剤のような安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、着色剤、分散剤、アンチブロッキング剤、滑剤、防曇剤のような添加剤を必要に応じて配合することが行われる。
また、他の熱可塑性エラストマーには、例えば、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合樹脂(SEBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合樹脂(SIS)、そのイソプレン部分に水素添加して得られるスチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合樹脂(SEPS)などのスチレン系エラストマーがある。
スチレンと1,3−ブタジエンのX−Y−X型ブロック共重合体の水素添加物(SEBS)の市販品としては、例えば、シェル化学株式会社製 商品名:クレイトンG、旭化成株式会社製 商品名:タフテック等を挙げることができる。
また、スチレンと1,3−ブタジエンの共重合体のうちランダム性の高いものは、一般にHSBRと略称され、その市販品としては、例えば、JSR株式会社製 商品名:ダイナロン等を挙げることができる。また、スチレンとイソプレンとのX−Y−X型ブロック共重合体の水素添加物(SEPS)の市販品としては、例えば、株式会社クラレ製 商品名:ハイブラー及びセプトン等を挙げることができる。
さらに、老化防止剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、及び、光安定剤のような安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、着色剤、分散剤、アンチブロッキング剤、滑剤、防曇剤のような添加剤を必要に応じて配合することが行われる。
粘着層に用いられる組成物を調製するには、例えば、各成分を、ラバーミル、ブラベンダーミキサー、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、ルーダーおよび二軸押出機のような通常の混練り装置で混練する方法を例示することができる。
混練り装置は、密閉式および開放式のいずれの形式であってもよいが、不活性ガスによって置換し得る密閉式装置が好ましい。
混練り温度は、通常120〜250℃、好ましくは140〜240℃である。混練り時間は、用いられる成分の種類や量および、混練り装置の種類に依存し、加圧ニーダーやバンバリーミキサーのような混練り装置を使用する場合、通常、約3〜10分程度である。
混練り工程においては、各成分を一括して混練する方法を採用してもよいし、各成分の一部を混練りした後、残部を添加して混練りを継続する多段分割混練り法を採用してもよい。
混練り温度は、通常120〜250℃、好ましくは140〜240℃である。混練り時間は、用いられる成分の種類や量および、混練り装置の種類に依存し、加圧ニーダーやバンバリーミキサーのような混練り装置を使用する場合、通常、約3〜10分程度である。
混練り工程においては、各成分を一括して混練する方法を採用してもよいし、各成分の一部を混練りした後、残部を添加して混練りを継続する多段分割混練り法を採用してもよい。
基材層
本発明の粘着フィルムに係る基材層は従来公知の種々の材料を用いることができる。基材層用の熱可塑性樹脂も特に限定されず、結晶性ポリプロピレン、プロピレンの単独重合体および、プロピレンと少量のα−オレフィンとのランダムまたはブロック共重合体のようなポリプロピレン系樹脂;低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンおよび線状低密度ポリエチレンのようなポリエチレン系樹脂、ポリ−4−メチル−ペンテン−1、エチレン−α−オレフィン共重合体。α−オレフィン単位を主単位とするプロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−n−ブチルアクリレート共重合体およびこれらの組合せが例示される。
本発明の粘着フィルムに係る基材層は従来公知の種々の材料を用いることができる。基材層用の熱可塑性樹脂も特に限定されず、結晶性ポリプロピレン、プロピレンの単独重合体および、プロピレンと少量のα−オレフィンとのランダムまたはブロック共重合体のようなポリプロピレン系樹脂;低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンおよび線状低密度ポリエチレンのようなポリエチレン系樹脂、ポリ−4−メチル−ペンテン−1、エチレン−α−オレフィン共重合体。α−オレフィン単位を主単位とするプロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−n−ブチルアクリレート共重合体およびこれらの組合せが例示される。
これらの中では、粘着性および剥離性に優れた粘着フィルムを得る観点から、基材層と粘着剤層とが剥離し難い粘着フィルムを得る観点および、粘着フィルムのリサイクル性の観点から、本発明で用いられる非晶性オレフィン共重合体(a)との相溶性のよいポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂が好ましい。
さらに粘着剤層にポリプロピレンを主成分とする樹脂を用いた場合は、基材層にポリプロピレン系樹脂を用いると粘着層との親和性が大きいことから、ロール状に巻いたときに基材層と粘着層が必要以上に粘着性を示す場合がある。従って、基材層の粘着層を積層する面とは反対側の面にはポリエチレンを主成分とする樹脂を用いることが好ましい。ポリエチレンには、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンおよび直鎖低密度ポリエチレンなどが例示され、特に低密度ポリエチレンを主成分とする面が好適である。
基材層は、単層であっても良いし、少なくとも2層からなる多層であっても良い。基材層の表面は、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレーム処理、電子線照射処理および紫外線照射処置のような周知の表面処理法で処理されていても良い。基材層は、無色透明の層であっても良いし、着色された又は印刷された層であっても良い。
基材層が多層の態様としては、基材層がポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、硬質アクリル樹脂などのフィルム、クラフト紙、合成紙などの比較的剛性の高い中間層と、その表面のポリエチレンを主成分とする表面層とする基材層がある。中間層/表面層の厚さは、それぞれ3〜100μm/3〜50μm程度が通常である。
機材層の表面をポリエチレンにすることで、粘着フィルムの粘着剤が表面層と接触してロール状に巻き取られた後であっても、粘着フィルムを再度巻き戻して用いる際の巻き戻し性(粘着剤層と基材層の表面の間の剥離性)がスムーズであり、優れた取扱い性が得られる。
基材層が多層の態様としては、基材層がポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、硬質アクリル樹脂などのフィルム、クラフト紙、合成紙などの比較的剛性の高い中間層と、その表面のポリエチレンを主成分とする表面層とする基材層がある。中間層/表面層の厚さは、それぞれ3〜100μm/3〜50μm程度が通常である。
機材層の表面をポリエチレンにすることで、粘着フィルムの粘着剤が表面層と接触してロール状に巻き取られた後であっても、粘着フィルムを再度巻き戻して用いる際の巻き戻し性(粘着剤層と基材層の表面の間の剥離性)がスムーズであり、優れた取扱い性が得られる。
粘着フィルム
本発明の粘着フィルムは、上記の基材層の片面に上記の粘着剤層を有する粘着フィルムであっても良いし、上記の基材層の両面に上記の粘着剤層を有する粘着フィルムであってもよい。
本発明の粘着フィルムは、上記の基材層の片面に上記の粘着剤層を有する粘着フィルムであっても良いし、上記の基材層の両面に上記の粘着剤層を有する粘着フィルムであってもよい。
本発明の粘着フィルムの製造する方法としては、インフレーションフィルム製造装置やTダイフィルム製造装置のような装置を用いて、基材層と粘着剤層とを共押出する方法や押出コーティングする方法(「押出ラミネート法」ともいう)を例示することができる。特に、基材層および粘着層を構成する素材を、それぞれ溶融加熱して共押出し成形し、所定の厚さを有する積層フィルムを製造する方法が、高効率でしかも安価に本発明のフィルムを製造できる点で好ましい。
基材層は、必要に応じて、予め一軸方向または二軸方向に延伸されていてもよい。一軸延伸の好ましい方法として、通常用いられているロール延伸法を例示することができる。二軸延伸の方法として、一軸延伸の後に二軸延伸を行う逐次延伸法や、チューブラ延伸法のような同時二軸延伸法を例示することができる。
本発明の粘着フィルムの粘着層の厚さは特に限定されないが、通常は1〜200μm程度であり、共押出によって本発明のフィルムを製造する場合には、フィルムの層構成の制御しやすさ、貼着や剥離の作業性から、3〜50μmとすることが望ましい。また、粘着フィルムの全体の厚さも特に限定されないが、通常は10〜300μm程度、好ましくは30〜200μm程度である。基材層および粘着剤層のそれぞれの厚さは、被着体の種類や、粘着フィルムに要求される物性に応じて決めることができる。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、これらは例示のためのものであり、本発明を限定するものではない。
実施例1〜3および比較例1
粘着層の原料樹脂は以下のようにして調製した。すなわち、表1に示す非晶性オレフィン共重合体(非晶性PO)と、132℃のプロピレンランダム共重合(r−PP)(非晶性PO/r−PPの質量比は85/15)からなるタフセレンT3714(230℃、2.16Kg荷重におけるMI=3g/10分、住友化学株式会社製)を60質量部と共に、表1に示す結晶性ポリオレフィンブロックを有するブロック共重合体(CEBC:JSR(株)製、商品名ダイナロン6200P(スチレン含量:0質量%)、MFR(230℃、荷重2.16Kg) 2.5g/10分、SEBC:JSR(株)製、商品名ダイナロン4600P(スチレン含量:20質量%)、MFR(230℃、荷重2.16Kg) 5.6g/10分)、あるいはスチレンブロックを有するブロック共重合体(SEPS:(株)クラレ製、商品名セプトンS2063(スチレン含量:13質量%)、MFR(230℃、荷重2.16Kg) 7.0g/10分)40質量部からなる粘着層用の原料樹脂を調製した。
また、基材層の原料樹脂は以下の通りである。(表面層の原料樹脂の割合は表2に示す)。
基材層の構成
中間層:
プロピレン・エチレンランダム共重合体(ランダムPP:三井化学(株)社製プロピレン・エチレンランダム共重合体( 商品名:三井ポリプロF327、密度;0.91g/c m3 、融点;138℃)96質量部および高密度ポリエチレン(密度:0.953g/cm3)4質量部。
表面層
高密度ポリエチレン(密度:0.953g/cm3)および低密度ポリエチレン(密度:0.917g/cm3)
粘着層の原料樹脂は以下のようにして調製した。すなわち、表1に示す非晶性オレフィン共重合体(非晶性PO)と、132℃のプロピレンランダム共重合(r−PP)(非晶性PO/r−PPの質量比は85/15)からなるタフセレンT3714(230℃、2.16Kg荷重におけるMI=3g/10分、住友化学株式会社製)を60質量部と共に、表1に示す結晶性ポリオレフィンブロックを有するブロック共重合体(CEBC:JSR(株)製、商品名ダイナロン6200P(スチレン含量:0質量%)、MFR(230℃、荷重2.16Kg) 2.5g/10分、SEBC:JSR(株)製、商品名ダイナロン4600P(スチレン含量:20質量%)、MFR(230℃、荷重2.16Kg) 5.6g/10分)、あるいはスチレンブロックを有するブロック共重合体(SEPS:(株)クラレ製、商品名セプトンS2063(スチレン含量:13質量%)、MFR(230℃、荷重2.16Kg) 7.0g/10分)40質量部からなる粘着層用の原料樹脂を調製した。
また、基材層の原料樹脂は以下の通りである。(表面層の原料樹脂の割合は表2に示す)。
基材層の構成
中間層:
プロピレン・エチレンランダム共重合体(ランダムPP:三井化学(株)社製プロピレン・エチレンランダム共重合体( 商品名:三井ポリプロF327、密度;0.91g/c m3 、融点;138℃)96質量部および高密度ポリエチレン(密度:0.953g/cm3)4質量部。
表面層
高密度ポリエチレン(密度:0.953g/cm3)および低密度ポリエチレン(密度:0.917g/cm3)
これらの原料樹脂を用いて、粘着層(厚さ:8μm)と基材層(中間層(厚さ:37μm)、表面層(厚さ:5μm)からなる粘着フィルム(厚さ:50μm)を、共押出しT−ダイフィルム成形法によって成形した。
溶融温度(押出機設定温度)は、基材層(中間層220℃、表面層220℃)であり、粘着層210℃である。また、共押出温度(ダイス設定温度)は210℃である。
得られた積層フィルムの初期粘着強度、経時後の粘着強度、巻戻し性について、下記の方法に従って測定した。結果を表2に示す。
溶融温度(押出機設定温度)は、基材層(中間層220℃、表面層220℃)であり、粘着層210℃である。また、共押出温度(ダイス設定温度)は210℃である。
得られた積層フィルムの初期粘着強度、経時後の粘着強度、巻戻し性について、下記の方法に従って測定した。結果を表2に示す。
<粘着強度の測定>
粘着フィルムをアクリル板の表面に23℃で2kgの圧着ローラを用いて貼り付け、23℃で30分放置後、剥離幅50mm、剥離角度180°、剥離速度300mm/minおよび剥離速度1000mm/minの条件下でアクリル板から粘着フィルムを剥離させ、そのときに要する力を初期粘着強度(g/50mm)とした。
粘着フィルムをアクリル板の表面に23℃で2kgの圧着ローラを用いて貼り付け、23℃で30分放置後、剥離幅50mm、剥離角度180°、剥離速度300mm/minおよび剥離速度1000mm/minの条件下でアクリル板から粘着フィルムを剥離させ、そのときに要する力を初期粘着強度(g/50mm)とした。
<経時後の粘着強度>
粘着フィルムをアクリル板の表面に23℃で2kgの圧着ローラを用いて貼り付け、50℃、0.2kg/cm2加圧下で1週間保持後、貼り付けた板を23℃雰囲気下で約2時間放置し冷ました後、剥離幅50mm、剥離角度180°、剥離速度300mm/minの条件下でアクリル板から粘着フィルムを剥離させ、そのときに要する力を経時後の粘着強度(g/50mm)とした。この値が初期粘着強度に近いほど優れる。
<巻戻し性>
粘着フィルムの表面層上に同粘着フィルムを23℃で2kgの圧着ローラを用いて貼り付け、23℃で30分放置後、剥離幅50mm、剥離角度180°、剥離速度300mm/minの条件下で貼り合わせた積層体を剥離させるときに要する力を測定した。この値が小さいほど巻戻し性に優れる。
粘着フィルムをアクリル板の表面に23℃で2kgの圧着ローラを用いて貼り付け、50℃、0.2kg/cm2加圧下で1週間保持後、貼り付けた板を23℃雰囲気下で約2時間放置し冷ました後、剥離幅50mm、剥離角度180°、剥離速度300mm/minの条件下でアクリル板から粘着フィルムを剥離させ、そのときに要する力を経時後の粘着強度(g/50mm)とした。この値が初期粘着強度に近いほど優れる。
<巻戻し性>
粘着フィルムの表面層上に同粘着フィルムを23℃で2kgの圧着ローラを用いて貼り付け、23℃で30分放置後、剥離幅50mm、剥離角度180°、剥離速度300mm/minの条件下で貼り合わせた積層体を剥離させるときに要する力を測定した。この値が小さいほど巻戻し性に優れる。
表1
非晶性オレフィン共重合体(非晶性PO)
プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体
エチレン含有量 [mol%] 14
プロピレン含有量 [mol%] 83
1−ブテン含有量 [mol%] 3
結晶融点 [℃] なし
結晶融解熱量 [mj/mg] なし
結晶化温度 [℃] なし
結晶化熱量 [mj/mg] なし
分子量分布 Mw/Mn [−] 2.1
非晶性オレフィン共重合体(非晶性PO)
プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体
エチレン含有量 [mol%] 14
プロピレン含有量 [mol%] 83
1−ブテン含有量 [mol%] 3
結晶融点 [℃] なし
結晶融解熱量 [mj/mg] なし
結晶化温度 [℃] なし
結晶化熱量 [mj/mg] なし
分子量分布 Mw/Mn [−] 2.1
なお、表2中の注1〜注3は以下の通りであり、注1〜注3のエラストマーは−30〜−50℃の範囲のガラス転移温度(Tg)を有している。
*注1: ダイナロン6200P JSR(株)製(スチレン含量:0質量%)、MFR(230℃、荷重2.16Kg) 2.5g/10分
*注2: ダイナロン4600P JSR(株)製(スチレン含量:20質量%)、MFR(230℃、荷重2.16Kg) 5.6g/10分
*注3: セプトンS2063 (株)クラレ製(スチレン含量:13質量%)、MFR(230℃、荷重2.16Kg) 7.0g/10分
*注1: ダイナロン6200P JSR(株)製(スチレン含量:0質量%)、MFR(230℃、荷重2.16Kg) 2.5g/10分
*注2: ダイナロン4600P JSR(株)製(スチレン含量:20質量%)、MFR(230℃、荷重2.16Kg) 5.6g/10分
*注3: セプトンS2063 (株)クラレ製(スチレン含量:13質量%)、MFR(230℃、荷重2.16Kg) 7.0g/10分
本発明の粘着フィルムは、その優れた粘着性能を利用して半導体ウエハーのバックグラインドテープ、ダイシングテープ、プリント基板保護テープなどのエレクトロニクス用途、窓ガラス保護用フィルム、装飾用マーキングフィルム、医療、衛生用薬剤の基材などの広い用途に用いられる。
Claims (3)
- 非晶性オレフィン共重合体(a);20〜80質量部、結晶性オレフィン系重合体(b);3〜30質量部および結晶性オレフィンブロックを有するブロック共重合体(c);10〜50質量部〔(a)(b)および(c)の合計で100質量部とする〕からなる粘着層を有することを特徴とする粘着フィルム。
- 結晶性オレフィンブロックを有するブロック共重合体(c)が、オレフィン(結晶性)・エチレン・ブチレン・オレフィン(結晶性)ブロック共重合体(CEBC)またはスチレン・エチレン−ブチレン・オレフィン(結晶性)ブロック共重合体(SEBC)であることを特徴とする請求項1に記載の粘着フィルム。
- 基材層の一方の面に請求項1に記載の粘着層が積層され、基材層の他方の面がポリエチレンからなる表面を有することを特徴とする請求項1に記載の粘着フィルム。
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