JP2006243331A - 画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高硬度の感光体において画像流れを防止し、良好なクリーニング性能を維持させ、高耐久かつトナーが良好に定着した高品質な画像を出力可能な画像形成方法を提供すること。
【解決手段】 現像剤中に、1次粒径が0.60μm以上でトナーの個数平均粒径以下の球状または不定形のチタン酸ストロンチウム無機粉体と、一次粒子が立方体状の粒子形状及び/又は直方体状の粒子形状でかつ一次粒子の平均粒径が0.030〜0.300μmのチタン酸ストロンチウムを含有しており、転写残トナー中のチタン酸ストロンチウムの含有量が5.0質量%以上20.0質量%以下であり、転写後の該転写材上のトナー中におけるチタン酸ストロンチウム無機粉体の含有量が0.4質量%以上1.8質量%以下であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は電子写真画像形成方法に関するものである。より詳しくは電子写真感光体を帯電させ、感光体の帯電面に静電潜像を形成させて情報を書き込み、現像剤担持体に担持させた現像剤によって感光体の静電潜像をトナー像として現像し、感光体のトナー像を被転写材に転写させた後、定着装置によりトナー像を被転写材に定着させる画像形成方法に関するものである。
電子写真装置や静電記録装置等に用いられる画像形成方法において、電子写真感光体・静電記録誘電体等の感光体上に潜像を形成する方法についても様々な方法が知られている。例えば、電子写真法では、潜感光体としての光導電性物質を利用した感光体上を所要の極性・電位に一様に帯電処理した後に、画像パターン露光を施すことにより電気的潜像を形成し、トナーを現像して顕像化し、これを紙などの転写媒体に転写・定着する方法が一般的である。
従来この種の画像形成方法の中に、最表面層に保護層を設けることにより、磨耗や傷の発生に対して優れた耐久性を有し、高品位の画質を保つことのできる電子写真感光体を用いるものが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特に硬化型樹脂による保護層を有する感光体はHU(ユニバーサル硬さ値)を大きく保ったまま弾性を大きくすることができる。この種の堅さと弾性の両方を有する感光体は、削れに対して強く、高耐久性を有している。このような感光体を用いる画像形成方法では、クリーニングブレード等での摺擦に強いため、感光体の耐久寿命、電位変化を抑えられ、長期にわたって安定した画像出力性能を得ることができる。
またその他の高耐久の感光体として、アモルファスシリコン(a−Si)感光体が多用されてきている。このアモルファスシリコン感光体は、そのビッカース硬度が500以上(500Kg/m2以上、JIS規格)と非常に硬く、耐久性、耐熱性、環境安定性にも優れている。そのため、特に高信頼性が要求される高速機においては、必要不可欠になってきている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら上記で示した耐磨耗性が向上した電子写真感光体の場合、感光体自身の削れ量が少ないために、一次帯電工程で発生し、感光体表面に付着した放電生成物が、例えばクリーニングブレード等での掻き取り力では除去されにくく、高湿環境下においての画像流れや、クリーニングブレードへのダメージ、捲れといった問題点が生じる。
それらの問題を解決する方法として、これらの問題に対して、トナー中に研磨作用を有する粒子を添加し、前記の如き感光体表面に付着した帯電生成物を剥ぎ取ることによって改善させることがしられている。しかしながら従来用いられていた研磨粒子は粒径が大きく、粒度分布もブロードなため感光体表面を均一に研磨するには、トナーに多量に添加する必要があるが、多量に添加すると現像特性(特に飛散や反転かぶり、研磨粒子の蓄積)への問題が発生しやすかった。この点を改良したものとして、粒径を細かく疎粒を少なくしたチタン酸ストロンチウムを提案し、少量添加で優れた研磨効果がある無機微粉体を提案しているものもある(例えば特許文献4参照)。
この技術は、ウェッブやゴムローラなどの別に用意した研磨材を用いて感光体表面を摺擦する方法に比して、研磨作用による感光体の表面における局所的な偏りが少ないのみならず、感光体表面の劣化抑制が可能であるという利点を有する。
特開平2000−66425号公報 特開2000−206715号公報 特開昭60−67951号公報 特開平10−10770号公報
しかしながら、上述した画像形成方法においては、次のような課題があった。
トナーに外添されたチタン酸ストロンチウムは感光体から転写媒体へ転写される際にトナーと一緒に転写媒体に移動するものがある。特に小径のチタン酸ストロンチウムはトナーと伴って移動する確率が大きい。
このため、特にチタン酸ストロンチウムの少ない場合に転写の条件によっては、転写残トナーとして感光体クリーニング手段へ供給されるチタン酸ストロンチウム絶対量が不足して十分な効果が得られない場合があった。
またチタン酸ストロンチウムがトナーに伴って転写媒体上に転写移動して転写媒体上に多く存在してしまう場合には定着装置に送られたときに、チタン酸ストロンチウムは定着装置の性能を損なう要因となる。すなわち、小径のチタン酸ストロンチウムはトナーに付着したまま定着された場合にトナーへの定着の圧力・熱の伝達が妨げられたり、転写媒体との密着性を損なったりして定着性能の低下要因となる。
本発明の目的は、高硬度の感光体において長期的に画像流れ・クリーニング部材の破壊・トナー融着のない優れた耐久性能を維持しつつ、定着性能を損なわず良好な画像を出力可能な画像形成方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、高硬度の感光体表面を、研磨剤により摺擦して上記課題を解決するに際し、研磨粒子粒径・形状を適切に組み合わせ、転写後のチタン酸ストロンチウムの移動先・移動量を適正に規定することによって、画像流れを防止し、良好なクリーニング性能を維持しながらもトナー定着性能の高い画像形成が行えることを見出した。
具体的には以下のような画像形成方法を用いることで、上記目的を達成することができる。
(1)感光体の表面を帯電し、該感光体上に静電潜像を形成し、現像剤を現像剤担持体に担持させて、現像剤担持体から感光体表面に供して該静電潜像を現像し、現像されたトナー像を転写材に転写し、転写材上の現像剤を定着手段により定着させる画像形成方法において、
現像剤中に、一次粒径が0.60μm以上でトナーの個数平均粒径以下の球状または不定形のチタン酸ストロンチウム無機粉体と、一次粒子が立方体状の粒子形状及び/又は直方体状の粒子形状でかつ一次粒子の平均粒径が0.030〜0.300μmのチタン酸ストロンチウムを含有しており、
転写残トナー中のチタン酸ストロンチウムの含有量が5.0質量%以上20.0質量%以下であり、転写後の該転写材上のトナー中におけるチタン酸ストロンチウム無機粉体の含有量が0.4質量%以上1.8質量%以下であることを特徴とする画像形成方法。
(2)該感光体が導電性支持体上に感光層を有し、該感光層の表面は、25℃湿度50%の環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだ時のHU(ユニバーサル硬さ値)が150N/mm2以上220N/mm2以下であり、かつ、弾性変形率Woが44%以上65%以下である電子写真感光体表面を有することを特徴とする画像形成方法。
(3)該現像剤担持体は少なくとも基体および該基体上に設けられた樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層に個数平均粒径0.3〜20μm,真密度3g/cm3以下の導電性球状炭素粒子を含有しており、該樹脂被覆層表面凹凸のRaが0.3〜0.9μmであることを特徴とする画像形成方法。
(4)該チタン酸ストロンチウム無機粉体がいずれもトナーとは逆極に帯電していることを特徴とする画像形成方法。
(5)非画像形成時に逆バイアスを印加して反転トナーを感光体上に現像するモードを有し、感光体上に反転トナーを供することを特徴とする画像形成方法。
(6)転写残トナー中における該球状または不定形のチタン酸ストロンチウム無機粉体の含有率をα質量%、一次粒子が立方体状の粒子形状及び/又は直方体状の粒子形状でかつ一次粒子のチタン酸ストロンチウムの含有量をβ質量%としたとき、次式
0.1≦β/α≦0.5
を満足することを特徴とする画像形成方法。
(7)該感光体がシリコン原子を母体とする非単結晶材料で構成された光導電層を有し、ビッカース硬度(JIS規格)が500Kg/m2以上であることを特徴とする画像形成方法。
本発明によれば、高硬度の感光体表面を小粒径の研磨剤により摺擦して感光体表面をリフレッシュするに際し、2種以上の異なる形状・粒径の研磨剤を用いてかつ転写残トナー及び転写媒体上の研磨粒子の量を規定することにより、画像流れ・クリーニング部材の破壊・トナー融着を防止しつつ、良好な定着性能を有する高画質・長寿命の画像形成を行うことができる。
<画像形成工程>
図1に本発明に係る画像形成装置の一例を示す。なお、同図は、デジタル方式の複写機の概略構成を示す縦断面図である。同図に示す複写機は、感光体としてドラム型の電子写真感光体101を備えている。この感光体101は、駆動手段(不図示)によって矢印方向に回転駆動される。感光体101の周囲には、その回転方向に沿ってほぼ順に、一次帯電手段である帯電ローラ102、露光手段103、現像器(現像手段)104、転写帯電器(転写手段)105が配設されている。さらに、転写材111の搬送方向(矢印方向)の転写帯電器105の下流側(同図中の左側)には、定着器106が配設されている。感光体101表面は、一次帯電器102により一様帯電される。次いで、露光手段103から発せられるレーザ光により、イメージ露光が行なわれ、レーザ光照射部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。感光体101上の静電潜像は、現像器104の帯電したトナーによって現像される。現像された感光体101上のトナー像は、矢印方向に搬送される転写材111に、転写帯電器105によって転写される。トナー像転写後の転写材111は定着器106に搬送され、ここで加熱・加圧を受けて、表面にトナー像が定着される。転写後に感光体に残った転写残トナーはクリーニング装置107のドラムにカウンターに当接された弾性を有するクリーニングブレードにより回収除去される。クリーニング装置107はトナー転写後に感光体に残った転写残トナーを回収・清掃する手段である。例えば、主にポリウレタンゴムからなる弾性ブレードを感光体の回転に対し図1に示すようにカウンターで当接させることにより行われる。クリ−ニングブレードにて掻き取られたトナーや潤滑剤はすくいシートにより受け取られ、トナー送り羽根やブラシローラ、スクリュー等によって廃トナーボックスに送られる。
<研磨粒子>
本発明者が鋭意検討を行った結果、一次粒子の平均粒径が0.030〜0.300μm(30nm以上300nm以下)であり、粒子形状が立方体状または直方体状であるチタン酸ストロンチウム無機微粉体(以下、キュービックチタン酸ストロンチウム)を感光体表面に付着させて接触部材との間に介在させて摺擦することで高硬度感光体における放電生成物質、紙粉、トナー等の付着物を除去でき、画像流れやクリーングブレード欠けを防止できることを見出した。
本発明において使用されるキュービックチタン酸ストロンチウムは一次粒子の平均粒径が30nm以上300nm以下であるものが好ましい。平均粒径が30nm未満ではクリーナー部における研磨効果が不十分であり、一方、300nmを超えると感光体とクリーニングブレードやローラ、被転写物などの接触物に挟まった時にキズが発生しやすい。
また、該無機微粉体は着色粒子表面に必ずしも一次粒子として存在するとは限らず、凝集体として存在する場合もあるが、その場合でも600nm以上の粒径の凝集体の含有率が1個数%以下であることが好ましい。
600nm以上の粒径の凝集体を含有した場合、1次粒径が300nm以下であっても感光体キズが発生しやすいので適さない。なお、本発明におけるキュービックチタン酸ストロンチウムの粒径については、電子顕微鏡にて5万倍の倍率で撮影した写真から100個の粒径を測定して求めた。粒径は一次粒子の最長辺をa、最短辺をbとしたとき、(a+b)/2で求めた。
キュービックチタン酸ストロンチウムを脂肪酸または脂肪酸金属塩で表面処理して、感光体や現像ローラ等での連れ周りによる融着をし難くさせることが出来る。
キュービックチタン酸ストロンチウムを表面処理する脂肪酸または脂肪酸金属塩の炭素数は8以上35以下が好ましく、10以上30以下がさらに好ましい。炭素数が35を超えると、キュービックチタン酸ストロンチウム無機微粉体の表面と該脂肪酸または脂肪酸金属塩の密着性が劣り、長期の使用により剥がれが発生するなど耐久性が低下するほか、剥れた脂肪酸または脂肪酸金属塩がかぶりの原因となるため好ましくない。また炭素数が8未満の場合、該比表面積100m2/g以上350m2/g以下の微粒子の付着性改善が不十分になり好ましくない。
また脂肪酸または脂肪酸金属塩の好ましい処理量は、母体に対して0.1質量%以上15質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以上12質量%以下である。
なお、一般的に外添剤の疎水性向上のために用いるシリコーンオイル、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等の処理剤を用いてキュービックチタン酸ストロンチウムの表面処理を行った場合、前述の付着性改善は見られなかった。これは脂肪酸または脂肪酸金属塩が優れた離型性を有し付着性を改善するのに対して、シリコーンオイル、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等は優れた疎水性は有するものの、離型性に劣るためと思われる。
キュービックチタン酸ストロンチウムをトナーに外添する場合、高湿環境下での該無機微粉体の吸湿による現像プロセスへの影響、たとえばトナー帯電量の低下などを防ぐため、本発明の処理をしたキュービックチタン酸ストロンチウムの比表面積は45m2/g以下であることが好ましい。比表面積を45m2/g以下にすることで該無機微粉体の表面に吸着する水の絶対量を少なく押さえられるため、摩擦帯電で付与されるトナー帯電への影響を小さくできる。
なお本発明の比表面積はオートソーブ1(湯浅アイオニクス社製)を用いてBET多点法を用いて算出した。
さらに、低湿環境下で比表面積100m2/g以上350m2/g以下の微粒子がキュービックチタン酸ストロンチウム表面に付着するのを防ぐために、本発明の処理をしたキュービックチタン酸ストロンチウムの水との接触角は110°以上180°以下であることがより好ましい。
なお、接触角の測定方法は次のとおりである。キュービックチタン酸ストロンチウムは錠剤成型機によって、300KN/cm2の圧力でプレスし直径38mmのサンプルとした。成型時、成型機と試料の間にNP−Transparency TYPE−Dを挟んで成型した。このサンプルを23℃及び100℃で2分放置した後室温に戻し、ロール材接触角計CA−Xロール型(協和界面化学株式会社製)で接触角を測定した。測定は1サンプルに付き20回測定し、最大値及び最小値を除いた18個の測定値の平均値とした。
また現像性を良好なものにするため、本発明の表面処理をしたキュービックチタン酸ストロンチウムの帯電量の絶対値は10mC/Kg以上80mC/Kg以下であることが好ましく、且つ帯電極性が比表面積100m2/g以上350m2/g以下の微粒子と逆極性であることが好ましい。
なお帯電量の測定方法については以下の通りである。
温度23℃,相対湿度60%環境下、キャリアとしてDSP138(同和鉄粉工業社製)を用い、キャリア9.9gに測定する試料0.1gを加えた混合物を50ml容量のポリエチレン製の瓶に入れ100回震盪する。次いで図5に示すような、底に目開き32μmの金属メッシュのスクリーン3のある金属製の測定容器2に前記混合物を約0.5gを入れ、金属製のフタ4をする。この時の測定容器2全体の質量を秤りW1gとする。次に吸引機1(測定容器2と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口7から吸引し風量調節弁6を調節して真空計5の圧力を250mmAqとする。この状態で2分間吸引を行ない測定する試料を吸引除去する。この時の電位計9の電位をV(ボルト)とする。ここで8はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。また吸引後の測定機全体の質量を秤りW2(g)とする。この測定する試料の摩擦帯電量(mC/kg)は、下式の如く計算される。
摩擦帯電量=CV/(W1−W2)
本発明で用いるキュービックチタン酸ストロンチウムは、たとえば硫酸チタニル水溶液を加水分解して得た含水酸化チタンスラリーのpHを調整して得たチタニアゾルの分散液にストロンチウムの水酸化物を添加して、反応温度まで加温することで合成することができる。
該含水酸化チタンスラリーのpHは0.5〜1.0とすることで、良好な結晶化度および粒径のチタニアゾルが得られる。
また、チタニアゾル粒子に吸着しているイオンを除去する目的で、該チタニアゾルの分散液にたとえば水酸化ナトリウム等のアルカリ性物質を添加することが好ましい。このときナトリウムイオン等を含水酸化チタン表面に吸着させないために、該スラリーのpHを7以上にしないことが好ましい。
また反応温度は60℃〜100℃程度が好ましく、所望の粒度分布を得るためには昇温速度を30℃/時間以下にすることが好ましく、反応時間は3〜7時間であることが好ましい。
このようにして作製された無機粒子は粒子形状が立方体状または直方体状のペロブスカイト型結晶として得ることが出来る。粒子形状が立方体状または直方体状であると感光体表面との接触面積を大きくすることができ、その立体の稜線による良好な掻き取り性を得ることが出来る。さらにその粒径と立体の稜線および角を感光体表面形状にあわせて効果的に利用することで特に感光体が磨耗しにくい場合の微細な凹凸への付着物の堆積を防止できる。
さらに感光体への付着物を取り去ると同時に、クリーニングブレードと感光体の間で研磨剤のみ適度にすり抜けての潤滑材としての役目を果たし、より一層クリーニングブレードの長期使用を可能にする。
なお本発明のキュービックチタン酸ストロンチウムの電子顕微鏡写真(倍率2万倍)の一例を図2に示す。
<キュービックチタン酸ストロンチウムと大径チタン酸ストロンチウム共外添の弊害と作用>
さらに、キュービックチタン酸ストロンチウムは粒径の異なるより大きな研磨剤と一緒に使用されるのが望ましい。材質としては摩擦帯電性や電気的な特性の観点から、前記研磨剤と同質が良く、したがって、チタン酸ストロンチウム(以下、大径チタン酸ストロンチウム)が望ましい。
粒径の大きい研磨剤は感光体表面の細かい凹凸の付着物除去能力が小さいものの、クリーニングブレードから抜けにくく、特に粒径が0.60μm以上であると長い時間にわたってクリーニング補助剤としての性能を発揮することが出来る。従って、大径チタン酸ストロンチウムに小径のキュービックチタン酸ストロンチウムが付着することにより、一気にキュービックにチタン酸ストロンチウムがクリーニングブレードからすり抜けることを防止して、高度な研磨性を有する研磨剤を長時間にわたってクリーニングに寄与させることができる。
また、0.60μm以上の粒径の大きな研磨剤は球形ないしは不定形の形状をしていることが望ましい。大きな立方形状の研磨剤は感光体とクリーニングブレードの間に挟み込まれた場合に感光体表面に深いキズを発生させやすく、適さない。
大径チタン酸ストロンチウムと小径のキュービックチタン酸ストロンチウム混合系トナーのクリーニング工程で十分な性能を得るには転写残トナー中にチタン酸ストロンチウム5.0質量%以上存在することが望ましいが、20.0質量%以上となると大小のチタン酸ストロンチウムにより、クリーニング手段内で密に凝集・パッキングしやすく、特に廃トナー搬送性が低下してトナーがあふれたり、またブラシ等が存在する場合には固まってしまって十分な性能が発揮できなくなる。
一方、キュービックチタン酸ストロンチウムをトナーに外添することは、定着性能に対して影響を及ぼす。
本発明者らが検討したところ、異なる粒径のチタン酸ストロンチウムを含むトナーの定着性能は粒径・個数では一概には決定されないが、定着阻害物質であるチタン酸ストロンチウムの転写媒体上の総量に依存され、転写材上のチタン酸ストロンチウムがトナーに対し大径小径含めたトータルとして1.8質量%以下であれば、良好な定着性能を得られることを見出した。
また、転写された後のチタン酸ストロンチウムは定着装置にて転写材から遊離して定着装置へ移動する。このとき、チタン酸ストロンチウムは定着装置の汚れ、特にトナー融着を除去するための研磨クリーング助剤として作用し、転写材上のチタン酸ストロンチウムがトナーに対し大径小径含めたトータルとして0.4質量%以上であればこの作用が十分に発揮できることも見出した。小径キュービックチタン酸ストロンチウムはこの効果が大きいが、ここに大径のチタン酸ストロンチウムが存在しないと定着部材表面に移動しにくいことも見出した。この現象は定着バイアスを印加させた際に特に顕著であり、キュービックチタン酸ストロンチウムよりも帯電量の大きい大径チタン酸ストロンチウムに伴ってキュービックチタン酸ストロンチウムが定着部材上に移動しているものと思われる。
以上から、大径チタン酸ストロンチウムとキュービックチタン酸ストロンチウムが共にトナーに含有していて、転写工程でクリーニング手段と転写材上とに適度に分配されるようにすれば、クリーニング工程での十分な感光体研磨性能を満足しつつ、良好な定着性能を発揮させることが出来る。
<トナー>
本発明のトナーの製造方法は特に限定されず、懸濁重合法、乳化重合法、会合重合法、混練粉砕法などが用いられる。
また本発明のトナーは非磁性トナー、磁性トナーいずれの場合も十分な効果が得られる。
以下に混練粉砕法におけるトナーの製造方法について説明する。
本発明の粉砕法トナーに用いられる結着樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸アクリル共重合体、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂等を単独または混合して使用できるが、中でもスチレン−アクリル、スチレン−メタクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。
また本発明の粉砕法トナーを正帯電性に制御する場合は、脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩;アミン及びポリアミン系化合物;高級脂肪酸の金属塩;アセチルアセトン金属錯体;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレート等を添加する。また、負帯電性に制御する場合は、有機金属錯体、キレート化合物が有効で、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸系の金属錯体を用いることができる。使用量は結着樹脂100質量部に対して0.1〜15質量部、好ましくは0.1〜10質量部である。
本発明の粉砕法トナーには、必要に応じて離型剤を添加することができる。例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスまたはその酸化物;カルナバワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪族エステルを主成分とするワックスまたは、その一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。また、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族ビスアミド類;ステアリン酸亜鉛などの脂肪酸金属塩;脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンなどのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化物なども用いることができる。添加量は結着樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部である。
次に非磁性トナーの場合は、これらの結着樹脂、離型剤、荷電制御剤、着色剤等を、磁性トナーの場合は上記着色剤の替わりに磁性体を、または必要に応じて着色剤と磁性体をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により十分混合してから、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して、樹脂類を互いに相溶せしめた中に荷電制御剤、着色剤を分散または溶解せしめ、冷却固化後、機械的に所望の粒度に微粉砕し、さらに分級によって粒度分布をシャープにする。あるいは、冷却固化後、ジェット気流下でターゲットに衝突させて得られた微粉砕物を、熱または機械的衝撃力によって球形化する。
このようにして得られた着色粒子に、比表面積100m2/g以上350m2/g以下の微粒子を外添する。該微粒子は無機粒子としては、珪素、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、鉄、ジルコニウム等の金属酸化物;硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム等の金属塩;カオリン等の粘土鉱物;アパタイト等のリン酸化合物;炭化珪素、窒化珪素等の珪素化合物;カーボンブラックやグラファイト等の炭素粉末が挙げられる。また有機粒子や複合粒子としては、ポリアミド樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子、ウレタン粒子、メラミン−ホルムアルデヒド粒子、アクリル粒子等の樹脂粒子;ゴム、ワックス、脂肪酸系化合物、樹脂等と金属、金属酸化物、塩、カーボンブラック等の無機粒子とからなる複合粒子;ポリ弗化エチレン、ポリ弗化ビニリデン等のフッ素樹脂;弗化カーボン等のフッ素化合物;ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩;脂肪酸、脂肪酸エステル等の脂肪酸誘導体;硫化モリブデン、アミノ酸及びアミノ酸誘導体等が挙げられる。
これらの微粒子は、トナーに適度な流動性と帯電性を付与するためのものであり、該微粒子の比表面積が100m2/g未満の場合、十分な流動性が得られず好ましくない。また該微粒子の比表面積が350m2/gを超えると特に低湿環境下で帯電が高くなりすぎて感光体へのフィルミングを発生しやすくなるため好ましくない。
本発明のトナーを用いる現像方法は特に限定されず、たとえば上記製造方法により製造された非磁性トナーをキャリアと混合して用いる二成分現像方法、キャリアを用いず非磁性トナーのみを用いる非磁性一成分現像方法、磁性トナーを用いる磁性一成分現像などが挙げられる。
<電子写真感光体1(有機感光体)>
表面が25℃湿度50%の環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだ時のHU(ユニバーサル硬さ値)が150N/mm2以上220N/mm2以下であり、かつ、弾性変形率Woが44%以上65%以下である高耐久性を有する、本発明で用いる電子写真感光体について作製方法を含めて詳細に記述する。
本発明の電子写真有機感光体は、主に積層構造を有することが好ましく、支持体の上に電荷発生層、電荷輸送層が順に設けてある。
本発明では、この電荷輸送層の上に保護層を塗布、硬化させて成膜することで、表面が25℃湿度50%の環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだ時のHU(ユニバーサル硬さ値)が150N/mm2以上220N/mm2以下であり、かつ、弾性変形率Woが44%以上65%以下の感光体が完成される。
上記条件を満足させる電子写真感光体の保護層として、下記化学式で示すような同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合した化合物を含有する保護層がある。
Figure 2006243331
式中、Aは正孔輸送性基を示す。P1及びP2は連鎖重合性官能基を示す。P1とP2は同一でも異なってもよい。Zは置換基を有してもよい有機残基を示す。a、b及びdは0又は1以上の整数を示し、a+b×dは2以上の整数を示す。また、aが2以上の場合P1は同一でも異なってもよく、dが2以上の場合P2は同一でも異なってもよく、またbが2以上の場合、Z及びP2は同一でも異なってもよい。
前記同一分子内に二つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合させることで、その保護層中において、正孔輸送能を有する化合物は少なくとも二つ以上の架橋点をもって3次元架橋構造の中に共有結合を介して取り込まれる。前記正孔輸送性化合物はそれのみを重合させる、または他の連鎖重合性基を有する化合物と混合させることのいずれもが可能であり、その種類/比率はすべて任意である。ここでいう他の連鎖重合性基を有する化合物とは、連鎖重合性基を有する単量体またはオリゴマー/ポリマーのいずれもが含まれる。正孔輸送性化合物の官能基とその他の連鎖重合性化合物の官能基が同一の基または互いに重合可能な基である場合には、両者は共有結合を介した共重合3次元架橋構造をとることが可能である。両者の官能基が互いに重合しない官能基である場合には、感光層は少なくとも二つ以上の3次元硬化物の混合物または主成分の3次元硬化物中に他の連鎖重合性化合物単量体またはその硬化物を含んだ物として構成されるが、その配合比率/製膜方法をうまくコントロールすることで、IPN(Inter Penetrating Network)すなわち相互進入網目構造を形成することも可能である。
保護層に潤滑材としてフッ素原子含有樹脂、フッ化カーボン、ポリオレフィン系樹脂のうち少なくとも1種を含有させることにより感光体の表面の滑り性、撥水性を高めることができ、繰り返し使用時の帯電、現像、転写等による表面層の化学的劣化に伴う転写効率や滑り性の低下、さらには感度低下、電位低下などの電気特性の劣化を防ぎ、繰り返し使用時においてもフィルミング、融着、クリーニング不良、画像ボケ/流れ等の画像不良の発生を抑えることが可能となる。特に好ましくはフッ素含有樹脂であると更に好適な結果が得られる。本発明において保護層に含有させる潤滑材の割合は、表面層となる層の全重量に対し、1〜70%が好ましく、より好ましくは5〜50%である。潤滑材が70%より多いと表面層となる層の機械的強度が低下しやすく、1%より少ないと表面層となる層の撥水性、滑り性が充分ではなくなることがある。
本発明においては、前記連鎖重合性基を有する正孔輸送性化合物の硬化物を含有する保護層に、電荷輸送物質を含有させることも可能である。
前記保護層の形成方法は、前記正孔輸送性化合物を含有する溶液を塗布後、重合反応をさせるのが一般的であるが、前もって該正孔輸送性化合物を含む溶液を反応させて硬化物を得た後に、再度溶剤中に分散または溶解させて、保護層を形成することも可能である。これらの溶液を塗布する方法は、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法およびスピンコーティング法などが知られているが、効率性/生産性の点からは浸漬コーティング法が好ましい。
本発明において連鎖重合性基を有する正孔輸送性化合物は放射線により重合させることが好ましい。放射線による重合の最大の利点は重合開始剤を必要としない点であり、これにより非常に高純度な三次元感光層の作製が可能となり、良好な電子写真特性が確保される点である。また、短時間でかつ効率的な重合反応であるがゆえに生産性も高く、さらには放射線の透過性のよさから、厚膜時や添加剤などの遮蔽物質が膜中に存在する際の硬化阻害の影響が非常に小さいことなどが挙げられる。ただし、連鎖重合性基の種類や中心骨格の種類によっては重合反応が進行しにくい場合があり、その際には影響のない範囲内での重合開始剤の添加は可能である。この際使用する放射線とは電子線およびγ線である。電子線照射をする場合、加速器としてはスキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型およびラミナー型などいずれの形式も使用することができる。電子線を照射する場合に、本発明の感光体においては電気特性および耐久性能を発現させる上で照射条件が非常に重要である。本発明において、加速電圧は250kV以下が好ましく、最適には150kV以下である。また線量は好ましくは10kGy〜1000kGyの範囲である。加速電圧が上記を超えると、感光体特性に対する電子線照射のダメージが増加する傾向にある。また、線量が上記範囲よりも少ない場合には硬化が不十分となりやすく、線量が多い場合には感光体特性の劣化がおこりやすい。
前述のとおり作製した硬度試験用の感光体を25℃湿度50%の環境下に24時間放置した後、前述した微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて、Hu及び弾性変形率Woを求めた。
本発明におけるHU(ユニバーサル硬さ値)及び弾性変形率Woは、圧子に連続的に荷重をかけ、荷重下での押し込み深さを直読し連続的硬さを求められる微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて測定した。圧子は対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を使用した。荷重の条件は最終荷重6mNまで段階的に(各点0.1sの保持時間で273点)測定した。出力チャートの概略を図3に、本発明の電子写真感光体を測定した例を図4に示す。縦軸は荷重(mN)で横軸は押し込み深さh(μm)であり、段階的に荷重を増加させ6mNまで荷重をかけ、その後同様に段階的に荷重を減少させた結果である。HU(ユニバーサル硬さ値:以下、HUと呼ぶ)は、6mNで押し込んだ時の同荷重下での押し込み深さから下記式によって規定される。
Figure 2006243331
h:試験荷重下での押し込み深さ(mm)
弾性変形率Woは圧子が膜に対して行った仕事量(エネルギー)、すなわち圧子の膜に対する荷重の増減によるエネルギーの変化より求めたものであり、下記式からその値は求まる。
弾性変形率Wo=We/Wt×100(%)
全仕事量Wt(nW)は図3中のA−B−D−Aで囲まれる面積で表され、弾性変形の仕事量We(nW)はC−B−D−Cで囲まれる面積で表される。
前述の如く、有機電子写真感光体に求められる性能として機械的劣化に対する耐久性の向上が挙げられる。一般的に膜の硬度は外部応力に対する変形量が小さいほど高く、電子写真感光体も当然の如く鉛筆硬度やビッカース硬度が高いものが機械的劣化に対する耐久性が向上すると考えられている。しかしながら、これらの測定により得られる硬度が高いものが必ずしも耐久性の向上を望めたわけではなかった。
鋭意検討の末、HUと弾性変形率Woの値が、ある範囲の場合に特に高温高湿度環境下において感光体表面層の機械的劣化が起り難くなることを見出し、本発明に至った。すなわち、ビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだ時のHUが150N/mm2以上220N/mm2以下であり、かつ、弾性変形率Woが44%以上65%以下である電子写真感光体を用いることによって飛躍的に向上した。
HUと弾性変形率Woを切り離してとらえることはできないが例えばHUが220N/mm2を超えるものであるとき、高温下などでクリーニングブレードとの摩擦が大きくなったときなどにおいて、弾性変形率Woが44%未満であると感光体の弾性力が不足しているが故に、弾性変形率Woが65%より大きいと弾性変形率は高くても弾性変形量は小さくなってしまうが故に、結果として局部的に大きな圧力がかかって深い傷が発生してしまう。よって、HUが高いものが必ずしも感光体として最適ではないと考えられる。
また、HUが150N/mm2未満で弾性変形率Woが65%を超えるものの場合、たとえ弾性変形率が高くても塑性変形量も大きくなってしまいクリーニングブレードや帯電ローラに挟まれた紙粉やトナーが擦られることで削れたり細かい傷が発生したりしてしまう。
<電子写真感光体2(アモルファスシリコン感光体)>
本発明のアモルファスシリコン感光体のビッカース硬度は、JIS規格 B7774 による測定方法により測定される。アモルファスシリコン感光体のような弾性の低い感光体においては、ビッカース硬度が500kg/m2以上であると十分に硬く、前述した微細な表面形状を長期的に保つことができる。500kg/m2未満であると、磨耗・キズの成長が早く、表面形状を保つのが難しくなる。
<現像スリーブ>
現像スリーブの表面に形成した樹脂被膜層について説明する。現像スリーブは、スリーブ素管の表面上に被膜層を形成してなっており、本発明によれば、被膜層は、被膜形成高分子材料(樹脂)に帯電制御剤と導電性微粒子を含有したものを使用して形成されている。
さらに結着樹脂中に導電処理された球状粒子含有させることもできる。結着樹脂中にこのような粒子が存在すると、長期耐久試験(長期使用)により被膜層が磨耗しても導電処理された球状粒子が露出し、被膜層の導電性は維持されるのでトナーの過剰帯電が防止される。
さらに、導電処理された球状粒子はその形状が球形であるので、長期耐久試験中(長期使用)でも被膜層の表面粗度は一様に維持され、トナーの現像部への搬送性も一定に保たれている。そのためには、被膜の表面粗さはJIS中心線平均粗さ(Ra)で0.2〜3.5μmの範囲にあることが好ましい。Raが0.2μm未満では現像剤担持体上のトナーの帯電量が多くなり、現像性が不充分となる。Raが3.5μmを超えると現像剤担持体上のトナーコート層にむらが生じ、画像上で濃度むらとなる。
本発明における好適なスリーブ表面は主に球状炭素粒子により形成される凹凸のRaが0.3〜0.9μmであり、この凹凸によりチタン酸ストロンチウムが効果的にスリーブ表面に含まれる正摩擦帯電付与性の帯電制御材と摺擦され、チタン酸ストロンチウムはより積極的に正に帯電することができる。ポジトナーを用いる場合には負摩擦帯電付与性の高い帯電制御材を用いると良い。スリーブ表面の凹凸Raは大き過ぎると、特にキュービックチタン酸ストロンチウムが溝にはまって固着し易く、小さすぎると摺擦効果が小さくなる。
次に被膜層を構成する各材料について説明する。導電性球状粒子としては、例えば酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化マンガン、酸化鉛、酸化銅、酸化インジウム、酸化イリジウム等の金属酸化物やこれらの複合型金属酸化物を、良導電性物質でコートしたり酸化数の異なる物質でドーピングして導電処理したもの;フェノール樹脂等の樹脂系球状粒子;メソカーボンマイクロビーズを焼成して炭素化及び/又は黒鉛化したもの;特定材質の樹脂系球状粒子表面にメカノケミカル法によってバルクメソフェーズピッチ(メソ相と呼ばれる光学的異方性の液晶を含有する石油系または石炭系のピッチをジョークラッシャー等の粉砕機で粗粉砕し、さらに乾式または湿式のボールミル等で微粉砕して得られる)を被覆し、それを一定条件下で熱処理した後に焼成させ、表面を炭素化させることで導電化させたもの等が挙げられる。これらは1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。尚、本発明に使用する導電性球状粒子の体積平均粒径は0.2〜50μmの範囲であることが好ましい。0.2μm未満では現像剤担持体の好適な表面粗度が得られにくく画質劣化を招き易い。50μmを超えると被膜面より突出し、その部分だけ不正現像が起こり易くなり好ましくない。
必要に応じて使用される前記導電性球状粒子以外の導電性物質は、被膜層の抵抗値を調整するために用いられるが、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、銀等の金属粉体;酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ等の金属酸化物;カーボンファイバー、カーボンブラック、グラファイト等の炭素物等が挙げられる。このうちカーボンブラック、とりわけ導電性のアモルファスカーボンは特に電気伝導性に優れ、高分子材料に充填して導電性を付与したり、添加量をコントロールすることにより広範囲の導電度を得ることができるため好適に用いられる。尚、導電性のアモルファスカーボンを使用する場合、その体積平均粒径は10〜80mμmの範囲であることが好ましい。
また、現像剤担持体へのトナーの付着をより軽減化するために、必要に応じて被膜層中に固体潤滑材を含有することもできる。固体潤滑材としては、例えば、二硫化モリブデン、窒化硼素、グラファイト、フッ化グラファイト、銀−セレンニオブ、塩化カルシウム−グラファイト、滑石等が挙げられる。このうちグラファイトは潤滑性と共に導電性を有し、高すぎる電荷を有するトナーを減少させ、現像に好適な帯電量を持たせる働きがあることから好適に用いられる。
上記の導電性球状粒子及び低表面エネルギー球状粒子等が分散した被膜層を形成する結着樹脂としては、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂など公知の樹脂が用いられる。特に熱硬化性もしくは、光硬化性の樹脂が好ましい。
帯電制御剤としては、下記の一般式で表わされる第4級アンモニウム塩化合物が好ましく、被膜樹脂に特定の第4級アンモニウム塩化合物を添加した樹脂組成物を使用して被覆層を形成すると、結着樹脂を硬化させて被覆層を形成した場合に、該第4級アンモニウム塩化合物がフェノール樹脂の構造中に取り込まれる。このため、ネガ性シリカ粒子或いはネガ性フッ素樹脂粒子等のような粒子添加系の場合と異なり、部分的にではなく、被覆層全体として正摩擦帯電付与性が向上する。
Figure 2006243331
(式中のR1、R2、R3、R4は、夫々置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、アルアルキル基を表わし、R1〜R4は夫々同一でも或いは異なっていてもよい。X-は、酸の陰イオンを表わす。)
さらに固体潤滑剤として、導電性、あるいは半導電性を持ち、さらにはトナーに対し摩擦帯電極性が逆極である無機粉体を被膜樹脂に含有させる。スリーブ上でのこの無機粉体とトナーの接触により、現像スリーブ上でのトナーの流動性を向上させ、スリーブ上への電荷の蓄積を防ぎ、十分かつ適切な帯電量をトナーに与えることが可能になる。このような無機粉体としては、二硫化モリブデン、グラファイト、二硫化タングステン、炭化珪素、窒化ホウ素等がある。
以上に説明した各成分を用いて被膜形成用の塗料を作製し、この塗料を現像剤担持体基体表面に塗布し、乾燥させることにより被膜層を有する現像剤担持体が得られる。塗料は結着樹脂に分散させる上記の各球状粒子や必要により使用される導電性物質及び/又は固体潤滑剤を、通常、結着樹脂100質量部当り、導電性球状粒子3〜200質量部、低表面エネルギー球状粒子3〜200質量部、導電性物質0〜200質量部及び固体潤滑剤0〜200質量部の範囲で使用し、結着剤の溶液中で均一に混合、分散させて製造される。塗料の製造は通常の塗料の製造方法に従えばよく特に制限されない。被膜形成用の塗料を、スプレー等の通常の塗布方法で現像剤担持体基体7の表面に所定の乾燥厚さとなるように塗布し、乾燥することによって被膜層1が形成される。被膜層の厚さは通常2〜200μmの範囲である。
以下、実施例により具体的に説明する。部は質量部を意味する。
<感光体製造例1>
長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS A3003アルミニウム合金)を支持体として、この上にポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)の5質量%メタノール溶液を浸漬法で塗布し、膜厚が0.5μmの下引き層を形成した。
次に、電荷発生材料として、CuKαのX線回折における回折角2θ±0.2が28.1°に最も強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンの結晶3部とポリビニルブチラール2部をシクロヘキサノン100部に添加し、1mmφガラスビーズを用いたサンドミルで1時間分散し、これにメチルエチルケトン100部を加えて希釈して電荷発生層用塗料を調製し、上記下引き層上に、この電荷発生層用塗料を浸漬塗布し、90℃で10分間乾燥して、膜厚0.17μmの電荷発生層を形成した。
次いで、下記式の電荷輸送材料化合物7部
Figure 2006243331
及びポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製)10部を、モノクロロベンゼン105部よびジクロロメタン35部に溶解した。この溶液を、前記電荷発生層上に浸漬塗布し、110℃で1時間熱風乾燥し、膜厚が13μmの電荷輸送層を形成した。電荷輸送層の上にこのさらに保護層を形成させた。
本実施例では反転現像を用いており、感光体は直径30mmのアルミシリンダー上に前述したように3層を重ねた後、表面保護層として下記化学式の正孔輸送性化合物を電子線照射により重合させた化合物を含有する表層を塗工し硬化させた有機感光体である。
Figure 2006243331
この正孔輸送性化合物45部をn−プロピルアルコール55部に溶解し、さらにテトラフルオロエチレン微粒子(PTFE)を10部添加して、高圧分散機(マイクロフルイタイザー、Microfluidics社製)にて分散させた表面保護層用塗料を調整した。この塗料を前記4層感光体上に塗布したのち、加速電圧150KV、線量100kGyの条件で電子線を照射し、膜厚3μmの保護層を形成し、電子写真感光体を得た。得られた感光体表面のHuは190N/mm2、Woは52(%)であった。
<感光体製作例2>
VHF帯を用いた高周波プラズマCVD法による電子写真装置用感光体の製造装置を用い、φ30の鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー上に、電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなるアモルファスシリコン感光体を作製した。なお表面層はa−Cとした。得られた感光体のビッカース硬度(JIS規格)は1300Kg/m2であった。
<キュービックチタン酸ストロンチウムの製造例>
硫酸チタニル水溶液を加水分解して得られた含水酸化チタンスラリーをアルカリ水溶液で洗浄した。次に、該含水酸化チタンのスラリーに塩酸を添加して、pHを0.65に調整してチタニアゾル分散液を得た。該チタニアゾル分散液にNaOHを添加し、分散液のpHを4.5に調整し上澄み液の電気伝導度が70μS/cmになるまで洗浄をくり返しした。
該含水酸化チタンに対し、0.97倍モル量のSr(OH)2・8H2Oを加えてSUS製反応容器に入れ、窒素ガス置換した。さらにSrTiO3換算で0.1〜2.0mol/リットルになるように蒸留水を加えた。
窒素雰囲気中で該スラリーを83℃まで5〜30℃/時間で昇温し、83℃に到達してから3〜7時間反応を行った。反応後室温まで冷却し、上澄み液を除去した後純水で洗浄をくり返す。
さらに窒素雰囲気下、上記スラリーをスラリーの固形分に対して6.5質量%のステアリン酸(炭素数18)ナトリウムを溶解した水溶液中に入れ、撹拌しながら、硫酸亜鉛水溶液を滴下して、ペロブスカイト型結晶表面にステアリン酸亜鉛を析出させた。
該スラリーを純水でくり返し洗浄した後ヌッチェで濾過し、得られたケーキを乾燥してステアリン酸亜鉛で表面処理したチタン酸ストロンチウムを得た。
得られたチタン酸ストロンチウムは、一次粒子の平均径が110nmで、600nm以上の凝集体の含有率が0.5個数%であった。また粒子形状が立方体または直方体であるものの含有率は80個数%以上であった。
<大径チタン酸ストロンチウムの製造例>
炭酸ストロンチウム600gと酸化チタン320gをボールミルにて、8時間湿式混合した後濾過乾燥した。この混合物を5Kg/cm2の圧力で成型し、1100℃の温度で8時間仮焼した。その後機械粉砕し、重量平均径1.8μm、個数平均径0.7μm、粒度分布[(m−D4)/(m−D1)]2.6のチタン酸ストロンチウム微粉体を得た。これをコアンダ効果を利用したエルボジェット分級機により、粗粉及び微粉を同時に除去して、重量平均径1.4μm、個数平均径1.0μm、粒度分布[(m−D4)/(m−D1)]1.4である不定形の大径チタン酸ストロンチウムを得た。
<着色粒子製造例>
スチレンアクリル樹脂 100部
(スチレン−ブチルアクリレート共重合比=78:22)
磁性体 90部
サリチル酸金属化合物 2部
パラフィンワックス 3部
上記を、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、二軸押し出し混練機で溶融混練した後、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した後、分級して平均粒径7μmの着色粒子を得た。
<現像剤外添処方>
着色粒子100部に対して、シリカ100部にジメチルシリコーンオイル20部で表面処理した疎水性シリカ(BET=220m2/g)1.2部、キュービックチタン酸ストロンチウム0〜2部と大径チタン酸ストロンチウム0〜3部をヘンシェルミキサーFM10Bにて、回転数:33S-1又は66S-1、時間:2分の条件で外添してトナーA1〜Y1、A2〜Y2を得て、これを実機画出しに使用した。得られたトナーを表1及び表2に示す。
Figure 2006243331
Figure 2006243331
<現像スリーブ>
下記の材料を混合し、φ2mmのジルコニア粒子を充填剤として、サンドミルにて3時間の分散処理を行った後、ジルコニア粒子を篩いで分離し、IPAで固形分を30%に調整して、フェノール樹脂中に鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物を添加した樹脂組成物を得た。
・カーボン 20部
・グラファイト 60部
・球状炭素粒子(粒径5μm) 15部
・アンモニアを触媒として製造されたフェノール樹脂(固形分50%) 500部
・下記式(1)の第4級アンモニウム塩化合物 15部
・メタノール 150部
Figure 2006243331
上記で得られた樹脂組成物は、塗料状をしており、その組成は、カーボン/グラファイト/フェノール樹脂/球状炭素粒子/第4級アンモニウム塩化合物=0.2/0.6/2.5/0.15/0.15であった。次に、この樹脂組成物をスプレー法にて、φ20mmのアルミニウム製の円筒体上に塗布して20μmの被膜を形成させ、その後、熱風乾燥機により150℃で30分間加熱・硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブを作製した。上記で使用した樹脂組成物の体積抵抗値を、絶縁シート上に塗料状の樹脂組成物をバーコーターにて被膜して乾燥させた後、これを定形にカットし、低抵抗率計ロレスター(三菱油化社製)を用いて測定した。この結果、1.5×10Ω・cmであった。
さらに得られた現像スリーブは、磨き装置を用い、磨きの強さ(圧力)を調整しながら、樹脂被膜層が形成された現像スリーブの表面を磨いた。スリーブ表面凹凸のRaが0.6μmであった。
〔実施例1〜26、比較例1〜49〕
<反転トナー非画像時吐き出しモード>
現像バイアスとして通常画像形成現像時にはDC成分は−540Vであり、800Vppの交流バイアスを重畳しているが、紙間にてDC成分+500、800Vppの交流バイアスからなる逆バイアスを印加して感光体上に反転成分を吐き出すモードを設けた。
<評価方法>
クリーニング性の評価は温度23℃湿度5%RHの環境下にてキヤノン製デジタル複写機iR400改造機にて5%画像にて20万枚の画出しを行ない、19〜20万枚の1万枚の画像より評価した。
◎:すり抜けが全くない
○:帯電部材が汚れるがすり抜けとしては画に出ない
△:帯電部材が汚れてハーフトーンでわずかにわかる
×:感光体のキズ部分に対応した個所に何枚か画像に出るすり抜け発生
画像流れの評価は温度30℃湿度80%RHの環境下にてキヤノン製デジタル複写機iR400改造機にて5%画像にて10万枚の画出しを行ない、10万枚画出し後に本体電源を切ってから、同環境にて24時間放置した後のデジタルハーフトーン画像および5ポイント文字画像を評価することにより行った。評価結果は以下のようにランク分けした。
○:画像流れ無し
×:ハーフトーンハイライトが完全に飛び、文字もボケて読めない
廃トナー搬送性の評価は温度30℃湿度80%RHの環境下にてキヤノン製デジタル複写機iR400改造機にて5%画像にて10万枚の画出しを行ない、廃トナーボックス端部からこぼれたトナーによる汚れの度合いを評価した。
○:トナーはこぼれていない
×:トナーがわずかにこぼれている
クリーニングブレードの耐久性評価は温度30℃湿度80%RHの環境下にてキヤノン製デジタル複写機iR400改造機にて5%画像にて20万枚の画出しを行ない、そのときのクリーニングブレードエッジ破壊によるすり抜けをベタ黒通紙後のベタ白画像を観察することにより行った。
ブレードエッジは顕微鏡により観察して破壊の位置を確認し、すり抜け位置と対応させた。
◎:まったくすり抜けなし
○:わずかにすり抜けがあるが帯電ローラを汚す程度で画にでない
△:若干すり抜けがあるが、画像ではほとんど目立たない
×:クリーニング性が十分でないためできないため評価できず
定着性は擦り試験により評価した。擦り試験は定着画像を摺擦したときのトナーの剥離具合を画像濃度低下率として評価する手法である。
定着画像(ベタ部)の摺擦前の画像濃度をD1、摺擦後画像濃度をD2としたとき、擦り試験における定着性Fは
F=(D1−D2)/D1×100(%)
で表される。
定着後の画像(24φハーフトーン)の反射濃度をマクベス反射濃度計により測定し、底面が22.5mm×22.5mmである直方体の200gの真鋳の底面にシルボンCを三枚重ねて付けて、シルボンCの平滑面にて真鋳直方体の自重のみの圧力にて1往復1秒のスピードにて5往復摺擦した後に画像濃度D2を測定する。
測定はチタン酸ストロンチウムの含まれないトナーを用いて擦り試験を行った際に定着性Fが5%以下となる最低温度にて定着した画像サンプルにて行った。使用する用紙として、キヤノン製ホワイトリサイクルペーパーEW500を用いた。
○:15%未満
△:15以上30%未満
×:30%以上
定着器寿命の評価は、温度23℃湿度5%RHの環境下にてキヤノン製デジタル複写機iR400改造機にて20%画像にて画出しを行ない、何枚で定着ローラのトナー融着汚れによる画像不良が発生するかをベタ白画像によりを評価した。
○:40万枚以上問題無し
×:40万枚以内で発生
以上の基準に従って評価した結果を表3、表4、表5に示す。なお感光体は感光体1の有機感光体を使用した。
転写残トナー(クリーニングブレードにより感光体上から回収されたトナー)および転写材上のトナー中のチタン酸ストロンチウム量は、蛍光X線分析装置(リガク:RIX−3000)により定量した。定量は検量線法を用いて行なった。チタン酸ストロンチウムの含有していないトナーにチタン酸ストロンチウムを添加して既知のサンプルを作製してストロンチウム原子の検量線を求めた。また、転写残トナーの分析では亜鉛原子の定量も行って、β/αの値を算出した。
Figure 2006243331
Figure 2006243331
Figure 2006243331
〔実施例27〕
キヤノン製複写機NP6350改造機にて感光体2、トナーM−1、吐き出しモード有り、感光体ヒーターオフにてGP405と同条件で評価したところ以下のような結果が得られた。
転写残トナー中のチタン酸ストロンチウムの含有量 :10.0質量%
転写材上のトナー中のチタン酸ストロンチウムの含有量:0.9質量%
β/α:0.42
クリーニング性:○ 画像流れ:○ 廃トナー搬送:○
定着性:○ 定着器寿命:○ クリーニング耐久寿命:◎
感光体2のアモルファスシリコンでは感光体の削れがほとんどなく、表面粗さも初期とほぼ同じであった。
以上、実施例1〜27で示したように、高耐久感光体と、適切な表面粗さの現像スリーブとを用い、1次粒径が0.60μm以上でトナーの個数平均粒径以下の球状または不定形のチタン酸ストロンチウム無機粉体と、一次粒子が立方体状の粒子形状及び/又は直方体状の粒子形状でかつ一次粒子の平均粒径が0.030〜0.300μmのチタン酸ストロンチウムを含有しており、転写残トナー中のチタン酸ストロンチウムの含有量が5.0質量%以上20.0質量%以下であり、転写後の該転写材上のトナー中におけるチタン酸ストロンチウム無機粉体の含有量が0.4質量%以上1.8質量%以下であることで、スリーブ表面でチタン酸ストロンチウムが適切にトナーと逆極に帯電されるため、現像および転写工程で感光体に適量残すことができ、クリーニング工程と定着工程に適切な量のチタン酸ストロンチウムを供しやすくなり、またキュービック形状のチタン酸ストロンチウムと大径ストロンチウムが効果的にクリーニング助剤として作用する。これにより画像流れ防止性能が高く、クリーニング性能を向上し、定着性能も良好な画像形成を長期にわたって行うことが出来る。
さらに実施例18〜27で示したように、反転トナー吐き出しモードを設けると、特にトナーと逆極に帯電したチタン酸ストロンチウムが感光体に選択的に移動して、転写されずにクリーニング手段に供給されるため、より量の少ないチタン酸ストロンチウムの外添でクリーニング性を向上させやすくなるとともに、転写材上のトナー中のチタン酸ストロンチウムも適正になって定着性も向上する。
さらに実施例4、5、8、11〜13、15、16、20、21、24〜27で示したように、さらに転写残トナー中における該球状または不定形のチタン酸ストロンチウム無機粉体の含有率をα質量%、一次粒子が立方体状の粒子形状及び/又は直方体状の粒子形状のチタン酸ストロンチウムの含有量をβ質量%としたとき、次式
0.1≦β/α≦0.5
を満足することでより良好なクリーニング性を発揮させることが出来る。
また、実施例27で示したように感光体にアモルファスシリコン感光体を用いることにより感光体にほとんどキズが入らず、より長期間にわたって安定した画像形成を行える。
本発明にかかる画像形成装置を示す概略断面図である。 電子顕微鏡による本発明にかかる研磨粒子の拡大写真である。 本発明の電子写真感光体の弾性率を測定する出力チャートの概略図である。 本発明の電子写真感光体の弾性率を測定した例である。 帯電量の測定に用いる装置の概略図である。
符号の説明
101 感光体
102 帯電ローラ
103 露光装置
104 現像装置
105 転写部材
106 定着装置
107 クリーニング装置
111 転写材

Claims (7)

  1. 感光体の表面を帯電し、該感光体上に静電潜像を形成し、現像剤を現像剤担持体に担持させて、現像剤担持体から感光体表面に供して該静電潜像を現像し、現像されたトナー像を転写材に転写し、転写材上の現像剤を定着手段により定着させる画像形成方法において、
    現像剤中に、一次粒径が0.60μm以上でトナーの個数平均粒径以下の球状または不定形のチタン酸ストロンチウム無機粉体と、一次粒子が立方体状の粒子形状及び/又は直方体状の粒子形状でかつ一次粒子の平均粒径が0.030〜0.300μmのチタン酸ストロンチウムを含有しており、
    転写残トナー中のチタン酸ストロンチウムの含有量が5.0質量%以上20.0質量%以下であり、転写後の該転写材上のトナー中におけるチタン酸ストロンチウム無機粉体の含有量が0.4質量%以上1.8質量%以下であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 該感光体が導電性支持体上に感光層を有し、該感光層の表面は、25℃湿度50%の環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだ時のHU(ユニバーサル硬さ値)が150N/mm2以上220N/mm2以下であり、かつ、弾性変形率Woが44%以上65%以下である電子写真感光体表面を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 該現像剤担持体は少なくとも基体および該基体上に設けられた樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層に個数平均粒径0.3〜20μm,真密度3g/cm3以下の導電性球状炭素粒子を含有しており、該樹脂被覆層表面凹凸のRaが0.3〜0.9μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  4. 該チタン酸ストロンチウム無機粉体がいずれもトナーとは逆極に帯電していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成方法。
  5. 非画像形成時に逆バイアスを印加して反転トナーを感光体上に現像するモードを有し、感光体上に反転トナーを供することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成方法。
  6. 転写残トナー中における該球状または不定形のチタン酸ストロンチウム無機粉体の含有率をα質量%、該一次粒子が立方体状の粒子形状及び/又は直方体状の粒子形状のチタン酸ストロンチウムの含有量をβ質量%としたとき、次式
    0.1≦β/α≦0.5
    を満足することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成方法。
  7. 該感光体がシリコン原子を母体とする非単結晶材料で構成された光導電層を有し、ビッカース硬度(JIS規格)が500Kg/m2以上であることを特徴とする請求項1、3乃至6のいずれかに記載の画像形成方法。
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