JP2006234775A - 歯車寸法測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ボールピン34によってワークWの軸方向一端部の中心位置(センタ穴Wc)が正確に位置決めされる。この状態で、ワークの歯溝部Wgに対向し、かつ、ワークの軸C方向と直交する方向から、夫々ワークの歯溝部Wgに当接する一対の測定子40、42が、ワークWの測定対象歯溝に当接することで、ワークWはいわゆる三点支持状態となる。よって、ワークWは所定の測定姿勢に安定支持される。そして、可動測定子42の移動量を、マスターワークに対する同一作業の際の、可動測定子42の移動量と比較することで、ワークWのOBD寸法を正確、確実に把握することが可能となる。
【選択図】 図1
Description
従来、このOBD測定には、図5に示すような手持ち式の測定器10が広く用いられている。
この測定器10は、一対の測定子(ボールピン)12、14が夫々アーム16、18に固定され、一方のアーム16が本体20に固定され、他方のアーム18が、本体から突出するレバー22に連動して、一方のアーム16に対し離間接近自在となっている。また、他方のアーム18の変位量は、ダイヤルゲージ24によって測定される。本体20には、測定作業時に作業者が把持し易いように、グリップ26が設けられている。そして、作業者はグリップ26を把持してレバー22を操作し、外歯車等のワークWの測定対象歯溝に一対の測定子12、14を当接させることで、ワークWのOBD測定を行うものである。
また、一対の測定子12、14を夫々囲むようにして、Vヤゲン状の矯正部材を設け、ワークWの歯先を矯正部材で挟持することで、測定時のワークWの姿勢の安定化を図った測定器もある(例えば、特許文献1参照。)。
特に、位置決めに適した明確な段部を持たない軸状部品の、少なくとも軸方向の一部の範囲に、歯溝部が規則的に形成されたワークの場合には、ワークWの歯溝に測定器10の一対の測定子(ボールピン)12、14を当接させる際の、当接状態を、作業者の技量に頼るしかないことから、測定作業の熟練度はより高度なものが要求され、熟練検査員(高技能者)の養成が必要不可欠となっていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、熟練を要することなく、誰にでも簡単かつ確実にOBD寸法の測定を行うことを可能とすることにある。
本発明によれば、位置決め手段によってワークの軸方向一端部の中心位置が正確に位置決めされた状態で、さらに、位置決め手段に位置決めされたワークの歯溝部に対向し、かつ、ワークの軸方向と直交する方向から、夫々ワークの歯溝部に当接する一対の測定子が、ワークの測定対象歯溝に当接することで、ワークはいわゆる三点支持状態となり、ワークは所定の測定姿勢に安定支持される。また、ワークの軸方向一端部を位置決め手段に位置決めしてから安定支持状態となる過程における、一対の測定子の間隔を開いてワークの歯溝部を一対の測定子の間に置き、ワークの測定対象歯溝に一対の測定子が当接するまでの、可動側の測定子の移動量を、マスターワークに対する同一作業の際の、可動側の測定子の移動量と比較することで、ワークのOBD寸法を正確、確実に把握することが可能となる。
この構成によれば、ワークの軸方向一端部の中心と、ワークの歯溝部の測定対象歯溝の一箇所は、位置関係が固定された位置決め手段と一対の測定子の固定側とによって、常に同一条件で位置決めがなされ、ワークの被測定姿勢の安定化が図られる。また、他方の可動側の測定子は、一方の固定側の測定子と同軸上で、ワークの歯溝部に対し離間接近自在、かつ、ワークの歯溝部に接近する方向へと常時付勢されていることにより、可動側の測定子が、位置決め手段と固定側の測定子によって位置決めされたワークの測定対象歯溝に当接して、ワークの歯溝部が一対の測定子に挟持されることで、ワークの測定姿勢のより一層の安定化が図られる。
この構成によれば、鉛直上方へと突出する突起が、ワークの軸方向一端部に形成されたセンタ穴に嵌合することによって、ワークは鉛直下方からその中心部を正確に支持される。そして、ワークの歯溝部が、前述のように、位置決め手段である突起との位置関係が固定された一方の測定子と、可動側の他方の測定子とで挟持されることにより、ワークの測定姿勢の安定化が図られる。
なお、ワークの軸方向一端部と位置決め手段との係合は、センタ穴と突起との係合であることから、ワークの歯溝部が測定子に挟持されない状態では、ワークは突起を中心に自由に回転することが可能であり、全歯溝に対するOBD測定を行う際には、異なる歯溝に対し測定子を当接させるべく、ワークの回転を自在に行うことが可能となる。
この構成によれば、鉛直上方へと突出する突起が、ワークの軸方向一端部の中心に形成されたセンタ穴に嵌合することによって、ワークは鉛直下方からその中心部を正確に支持された状態で、かつ、一対の測定子の固定側にワークの歯溝部の歯溝を当接させることで、ワークは、ほぼ鉛直上方に向けて起立した、所望の被測定姿勢に仮保持される。そして、前述のごとく、可動側の測定子がワークの測定対象歯溝に当接することで、ワークは所望の被測定姿勢に安定保持される。
本発明によれば、位置決め手段によってワークの軸方向一端部の中心位置が正確に固定された状態で、ストッパーがワークの歯溝部に当接することで、ワークの傾きをある程度拘束し、固定側の測定子の測定対象歯溝への当接、および、それに続く可動側の測定子の測定対象歯溝への当接を、円滑に行うことが可能となる。
本発明によれば、ばねの弾性力によって、可動側の測定子が、位置決め手段と固定側の測定子によって位置決めされたワークの測定対象歯溝に当接し、ワークの歯溝部が一対の測定子に挟持されることで、ワークの測定姿勢のより一層の安定化が図られる。しかも、調整手段によりばねの初期変位量を調整することにより、OBD測定結果に大きな影響を及ぼす測定子の当接圧力の調整を行い、測定結果の精度向上を図ることが可能となる。
この構成により、測定装置は作業者が手で支えることなく各部の位置関係が保証され、かつ、定盤を基準とした定点測定が行われるので、測定条件の安定化が図られる。
図1〜図3には、本発明の実施の形態に係る歯車寸法測定装置を示している。この歯車寸法測定装置28は、据え置き式の定盤30を備え、定盤30には、鉛直上方へと突出し、ワークWの軸方向一端部の中心に形成されたセンタ穴Wcに当接する突起34が、プレート32を介して着脱自在に固定されている。図示の例では、突起34はボールピンにより構成されている。プレート32は、長さの異なるワークや、軸方向の歯溝位置が異なるワークに対応するための、ボールピン34の先端部位置の調整手段である。したがって、プレート32の厚みを変更し、若しくは、プレート32を用いず定盤30に直接的にボールピン34を固定して、ボールピン34の先端部位置を調整することで、様々なワークのOBD測定を実施することが可能となっている。
なお、固定測定子40の先端部の位置は、ボールピン34の中心軸線CからワークWのOBD寸法の1/2だけ離間した位置となるように、その位置が調整されて、固定子取付プレート38に固定されている。また、固定測定子40を位置決めプレートに正確に固定し、かつ、固定子取付プレート38を、測定ヘッド36の嵌合溝36aおよび位置決めプレート39に密着させることのみによって、固定測定子40は、後述する可動測定子42と同軸上に、正確に位置決めされるように、各部の形状が造り込まれている。
なお、図示の例では、可動測定子42の移動量を測定する測定器として、ダイヤルゲージ66を用い、測定値の読取りとデータの集計とを手作業により行うこととしているが、電子測定器に換えて、パーソナルコンピュータ等を併用することでデータの読取りおよび集計を行うことも可能である。また、データ集計と共に、ワークWの回転動作、ハンドル62を手動で操作して行うワークWのクランプ動作を含めて、全て自動制御で行うことも可能である。また、プレート32の厚みを変更するのみならず、測定ヘッド本体36の高さを伸縮自在とすることによっても、全長等の異なるワークの測定が可能となる。
まず、レバー62を後方に回転させて、可動測定子42を固定測定子40から離間させた状態とする。続いて、ワークWのセンタ穴Wcを、図1のごとくボールピン34に嵌め込む。そして、ワークWの歯溝部Wgをストッパ41に当接させ、ワークWの傾きをある程度矯正し、かつ、ワークWの歯溝部Wgの測定対象歯溝に固定測定子40を当接させる。前述のごとく、固定測定子40の先端部の位置は、ボールピン34の中心軸線CからワークWのOBD寸法の1/2だけ離間した位置となるように、その位置が調整されていることから、ワークWの歯溝部Wgの測定対象歯溝に固定測定子40が当接した時点で、ワークWは、ほぼ鉛直上方に向けて起立した、所望の被測定姿勢に仮保持される。続いて、レバー62を前方に回転させて、可動測定子42を固定測定子40へと接近させる。そして、可動測定子42がワークWの歯溝部Wgの測定対象歯溝に当接することで、ワークは所望の被測定姿勢に安定保持される。そして、このときのダイヤルゲージ66が表示する値を読取る。
全歯溝に対しOBD測定を行う場合には、以上の作業を歯車の半周分だけ繰り返す。そして、測定値と、予めマスターワークに対し同様に行って得られたOBD測定値(基準値)とを比較することにより、測定対象ワークのOBDを正確に把握することが可能となる。
なお、本発明の実施の形態によれば、図1に示すセンタ穴Wcを備えるワークWのみならず、図4に示すような、位置決めに適した明確な段部を持たない軸状部品であって、中心に貫通穴Wdを備えるワークWについても、貫通穴Wdを位置決め手段34に位置決めすることによって、同様の手順でOBDの測定が可能である。なお、図4には明確に表れていないが、通常は、ワークWの各端面は、斜めまたは円弧形状をなしている。
したがって、作業者に熟練度を要求することなく、誰にでも簡単かつ確実にOBD寸法の測定を行うことが可能となる。
なお、ワークWの軸方向一端部と位置決め手段との係合は、センタ穴Wcと突起34との係合であることから、ワークWの歯溝部Wgが測定子40、42に挟持されない状態では、ワークWは突起34を中心に自由に回転することが可能であり、全歯溝に対するOBD測定を行う際には、異なる歯溝に対し測定子40、42を当接させるべく、ワークWの回転を自在に行うことが可能となる。
したがって、鉛直上方へと突出する突起34が、ワークWの軸方向一端部の中心に形成されたセンタ穴Wcに嵌合することによって、ワークWは鉛直下方からその中心部を正確に支持された状態で、かつ、一対の測定子の固定側40にワークの歯溝部Wgの歯溝を当接させることで、ワークWは、ほぼ鉛直上方に向けて起立した、所望の被測定姿勢に仮保持される。そして、前述のごとく、可動測定子42がワークWの測定対象歯溝に当接することで、ワークWは所望の被測定姿勢に安定保持されたじょうたいで、OBD測定が行われる。
しかも、本発明の実施の形態では、位置決め手段34の先端部位置の調整手段であるプレート32を備えることから、長さの異なるワークや、軸方向の歯溝位置が異なるワークに対しても、位置決め手段34の先端部位置を調整することで、同様の手順でOBD測定を実施することが可能となる。
Claims (8)
- 少なくとも軸方向の一部の範囲に、歯溝部が規則的に形成されたワークの、歯車寸法測定装置であって、
ワークの軸方向一端部の中心を位置決めする位置決め手段と、当該位置決め手段に位置決めされたワークの歯溝部に対向し、かつ、ワークの軸方向と直交する方向から、夫々ワークの歯溝部に当接する一対の測定子とを備え、
前記測定子の一方が他方に対し離間接近自在に支持され、かつ、その移動量を測定する測定手段が設けられていることを特徴とする歯車寸法測定装置。 - 前記一対の測定子の一方は、前記位置決め手段との位置関係が固定されており、前記一対の測定子の他方は、前記一方の測定子と同軸上で、前記ワークの歯溝部に対し離間接近自在、かつ、前記ワークの歯溝部に接近する方向へと常時付勢されていることを特徴とする請求項1記載の歯車寸法測定装置。
- 前記位置決め手段は、鉛直上方へと突出し、ワークの軸方向一端部に形成されたセンタ穴に当接する突起であることを特徴とする請求項1または2記載の歯車寸法測定装置。
- 前記一対の測定子は、前記位置決め手段の鉛直上方に延びる軸線を中心として対向しており、かつ、前記一対の測定子の固定側は、その先端部の位置が、前記軸線から測定対称であるワークのOBD寸法の1/2だけ離間した位置に、固定されていることを特徴とする請求項3記載の歯車寸法測定装置。
- 前記位置決め手段に位置決めされたワークの歯先部に対し、前記一対の測定子とは異なる方向から当接するストッパを備え、該ストッパは、前記位置決め手段および前記固定された一方の測定子との位置関係が固定されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の歯車寸法測定装置。
- 前記一対の測定子のうち、他方の測定子に対し離間接近自在な測定子を、前記ワークの歯溝部に接近する方向へと常時付勢するばねと、該ばねの初期変位量を調整する調整手段とを備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の歯車寸法測定装置。
- 前記位置決め手段の先端部位置の調整手段を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の歯車寸法測定装置。
- 前記位置決め手段と、前記一対の測定子の一方は、何れも据え置き式の定盤に対し位置固定され、前記一対の測定子の他方は、前記定盤に対し、前記一方の測定子と同軸上で、前記ワークの歯溝部に対し離間接近自在な方向にのみ移動可能に支持されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の歯車寸法測定装置。
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