JP2006233058A - 安定化された熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

安定化された熱可塑性エラストマー組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 熱酸化劣化および光劣化に対して安定であるのみならず、燃焼ガスやNOx ガスによる変色に対しても優れた安定性を有するオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を得る。
【解決手段】 下記成分(A)100重量%に対して下式(I)で示されるヒンダードフェノール系化合物0.01〜1重量部を含有する熱可塑性エラストマー組成物。
(A):下記成分(a1)および(a2)を含有する樹脂組成物を有機過酸化物の存在下にて動的熱処理してなる熱可塑性エラストマー
(a1):ポリプロピレン系樹脂
(a2):エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム
Figure 2006233058

(式中、Rは水素または炭素数1〜3のアルキルを表す)
【選択図】 なし

Description

本発明は、安定化されたオレフィン系熱可塑エラストマー積層体に関する。さらに詳しくは、使用時の熱酸化劣化および光劣化に対して安定であるのみならず、燃焼ガスや酸化窒素ガス(以下NOx ガスと略記する)による変色に対しても優れた安定性を有するオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物に関するものである。
従来、自動車の内装用部品などの内装材には、塩化ビニル樹脂が用いられてきたが、近年、環境問題への意識の高まりから、オレフィン系熱可塑性エラストマーを内装材の原料として用いる検討がなされている。しかしこれらオレフィン系熱可塑性エラストマーは、長期使用に際して熱、酸素または光の作用により劣化し、機械的物性もしくは外観が低下するという問題を有している。
このような劣化を抑制するため、従来からフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ヒンダードピペリジン系光安定剤など、各種の安定剤が使用されている。一方、製品の保管工程において、都市ガスや灯油などの燃焼ガスに曝される場合が多く、さらには成形後の使用環境においても、自動車や石油ストーブなどから発生する燃焼ガスに曝される場合がある。そして、上記のような各種の安定剤を含有するオレフィン系熱可塑性エラストマーには、この種の燃焼ガスに曝された場合、変色しやすいという問題があった。
特開2000−44743号公報
しかしながら、従来提案されている熱可塑性エラストマー組成物は、熱、酸素および光に対する安定性、ならびに、燃焼ガスやNOx ガスによる変色に対する安定性の全てを十分に満足するものではなかった。
そこで本発明者らは、熱、酸素および光に対して十分な安定性を有するともに、燃焼ガスやNOx ガスによる変色に対しても優れた安定性を有する熱可塑性エラストマー組成物を開発すべく、鋭意研究した結果、熱可塑性エラストマー組成物に特定のヒンダードフェノール系化合物を配合することにより、非常に優れた性能が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明のうち第一の発明は、下記成分(A)100重量%に対して下式(I)で示されるヒンダードフェノール系化合物0.01〜1重量部を含有する熱可塑性エラストマー組成物に係るものである。
(A):下記成分(a1)および(a2)を含有する樹脂組成物を有機過酸化物の存在下にて動的熱処理してなる熱可塑性エラストマー
(a1):ポリプロピレン系樹脂
(a2):エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム
Figure 2006233058

(式中、Rは水素または炭素数1〜3のアルキルを表す)
また、本発明の第二は、上記成分(A)5〜94重量%に対し下記成分(B1)1〜90重量%および下記成分(B2)5〜70重量%(ただし、成分(A)および成分(B1)〜成分(B2)の合計量を100重量%とする。)を含有する熱可塑性エラストマー組成物である。
(B1):ポリプロピレン系樹脂
(B2):密度が880〜940kg/m3であるエチレン系樹脂
さらに、本発明の第三は、ウレタン系発泡体またはオレフィン系発泡体からなる層を有する本発明第一もしくは第二に記載の積層体に係るものである。
本発明により、熱酸化劣化および光劣化に対して安定であるのみならず、燃焼ガスやNOx ガスによる変色に対しても優れた安定性を有するオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
本発明で用いるヒンダードフェノール系化合物は前記式(I)で示される。式中のRは、水素または炭素数1〜3のアルキルであり、なかでもアルキル、すなわちメチル、エチルまたはプロピルが好ましく、とりわけメチルが好ましい。ヒンダードフェノール系化合物としては、式(I)におけるRが水素または炭素数1〜3のアルキルのいずれかであるものを単独で用いてもよいし、またRが異なるものを2種以上組み合わせて用いることもできる。
本発明において、ヒンダードフェノール系化合物の使用量は、熱可塑性エラストマー成分(A)100重量部あたり、0.01〜1重量部である。好ましくは0.02〜0.5重量部である。配合量が0.01重量部未満では目的とする効果が十分に得難く、また、1重量部を越えて配合してもそれに見合うだけの効果の向上が得られず、経済的にも不利となる。
本発明で用いる前記ヒンダードフェノール系化合物を熱可塑性エラストマー成分(A)に配合する方法としては、一軸押出機または二軸押出機を用いる混練など、均質な混合物を得るのに適したあらゆる方法をとることができる。また、予め作製した熱可塑性エラストマー成分(A)に配合してもよいし、熱可塑性エラストマー成分(A)を作製する際に同時に配合してもよい。
本発明の成分(A)は、ポリプロピレン系樹脂(a1)とエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム(a2)とを含有する樹脂組成物を動的熱処理してなる熱可塑性エラストマーである。
本発明の成分(a1)のポリプロピレン系樹脂とは、プロピレンから誘導される単量体単位の含有量が50重量%以上、好ましくは、80重量%以上である重合体であって(ただし、ポリプロピレン系樹脂中の全単量体単位の含有量を100重量%とする。)、JIS K−7121(1987)に従って測定した示差走査熱量測定曲線において、90〜170℃の範囲に融解ピークを有する重合体である。ポリプロピレン系樹脂は、プロピレン以外のオレフィンから誘導される単量体単位を含有していてもよく、該プロピレン以外のオレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどがあげられる。また、ポリプロピレン系樹脂としては、該融解ピークの融解熱量が50〜130J/gである重合体が好ましい。
プロピレン系樹脂としては、たとえば、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体などがあげられ、これらは、1種または2種以上組み合わせて使用される。
成分(a1)のメルトフローレート(MFR)は通常0.1〜100g/10分であるが、積層体を成型加工する際の加工性を高める観点から、好ましくは1〜50g/10分であり、より好ましくは3〜35g/10分である。なお、該MFRは、JIS K7210(1997)に従い、荷重21.18N、温度230℃の条件で測定される。
成分(a1)のポリプレン系樹脂は、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法により製造される。例えば、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体などの錯体系触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等があげられる。
本発明の成分エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム(a2)とは、エチレン単量体単位およびα−オレフィン単量体単位を含有し、オレフィン単量体単位を主成分とする共重合体ゴムである。JIS K−7121(1987)に従って測定した示差走査熱量測定曲線において、90〜170℃の範囲に融解ピークを示さない重合体である点で成分(a1)のポリプロピレン系樹脂および成分(B2)のエチレン系樹脂と定義を異にする。α−オレフィンとしては、たとえばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどがあげられ、なかでもプロピレンが好ましい。また、オレフィン以外の単量体単位として、例えば、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネンなどの非共役ジエン単位を含有していてもよく、例えば、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)やエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム(EPDM)などを挙げることができる。
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム(a2)のヨウ素価としては、得られる熱可塑性エラストマー組成物の耐永久歪み性を高める観点から、5以上であることが好ましいが、得られる熱可塑性エラストマー組成物の耐侯性を高める観点からは、該ヨウ素価は40以下であることが好ましい。
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム(a2)の100℃のムーニー粘度(ML1+4100℃)は、得られる熱可塑性エラストマー組成物の機械的強度を高める観点から、好ましくは10以上であり、より好ましくは30以上であり、得られる成形品の外観を高める観点からは、該ムーニー粘度は、好ましくは350以下であり、より好ましくは300以下である。
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム(a2)のエチレン含有量は10〜80重量%、好ましくは30〜78重量%、更に好ましくは50〜75重量%である。エチレン含有量が10重量%より少ないと機械的特性、熱、酸素および光に対する安定性が低下する場合があり、80重量%より多いと柔軟性が低下する場合がある。
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム(a2)は、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法により製造される。例えば、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体などの錯体系触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等があげられる。
成分(A)には鉱物油系軟化剤が含有されていていてもよい。鉱物油系軟化剤には、通常アロマ系、ナフテン系、パラフィン系鉱物油などが用いられる。これら鉱物油の中では、成形品の外観、色調を高める観点からパラフィン系鉱物油が好ましい。鉱物油系軟化剤は、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム(a2)に対し伸展油として配合されていてもよく、この場合、鉱物油系軟化剤を含有するエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム(a2)としては油展ゴムが使用される。油展ゴムを使用した場合、鉱物油系軟化剤が系外に排出する配合比の上限が上昇するためより好ましい。
成分(A)は、ポリプロピレン系樹脂(a1)とエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム(a2)とを含有する樹脂組成物を動的熱処理しなるものであり、該動的熱処理前の樹脂組成物において、ポリプロピレン系樹脂(a1)の含有量は、好ましくは5〜60重量%であり、より好ましくは、10〜50重量%であり、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム(a2)の含有量は、好ましくは40〜95重量%であり、より好ましくは50〜90重量%である。ただし、ポリプロピレン系樹脂(a1)とエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム(a2)との合計量を100重量%とする。また、該樹脂組成物には、必要に応じて、難燃剤、帯電防止剤、耐熱安定剤、老化防止剤、離型剤などの添加剤;顔料などを配合してもよく、他の樹脂成分を配合してもよい。
成分(A)における動的熱処理とは、ポリプロピレン系樹脂(a1)とエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム(a2)とを含有する樹脂組成物を、有機過酸化物の存在下、溶融混練することであり、該溶融混練は、混練する全成分を一括して溶融混練を行ってもよいし、一部の成分を混練した後に選択しなかった成分を加え溶融混練を行ってもよい。
動的熱処理に用いる有機過酸化物としては、通常、半減期が1分となる温度が150〜280℃の有機過酸化物が使用され、たとえば、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシドが用いられ、これらは、1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、取り扱いの容易性の観点で、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンが好ましい。
動的熱処理に用いる有機過酸化物の量としては、ポリプロピレン系樹脂(a1)とエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム(a2)との合計量を100重量部として、成形品の強度を高める観点から、好ましくは0.001重量部以上であり、より好ましくは0.005重量部以上であり、さらに好ましくは0.01重量部以上であり、経済性、成形性を高める観点から、好ましくは5重量部以下であり、より好ましくは3重量部以下であり、さらに好ましくは1重量部以下である。
動的熱処理は、必要に応じて、架橋助剤を併用して行ってもよい。該架橋助剤としてはN,N’−m−フェニレンビスマレイミド、トルイレンビスマレイミド、p−キノンジオキシム、ニトロベンゼン、ジフェニルグアジン、トリメチロールプロパン、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート等があげられ、これらの中でも、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、トリメチロールプロパントリメタクリレートが好ましい。
動的熱処理を行う溶融混練装置としては、開放型のミキシングロール、非開放型のバンバリーミキサー、ニーダー、押出機等の公知のものを使用することができる。具体的には、有機過酸化物以外の成分(ポリプロピレン系樹脂(a1)とエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム(a2)と適宜配合される他の成分)をバンバリーミキサーなどにより150〜250℃、5〜30分間溶融混練して予め中間組成物を作成した後、該中間組成物と有機過酸化物とを二軸押出機などを用い、200〜300℃で溶融混練する方法もしくは、ポリプロピレン系樹脂(a1)とエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム(a2)と有機過酸化物と適宜配合される他の成分とを二軸押出機などにより150〜300℃で一括に溶融混練して本発明の熱可塑性エラストマーを得る方法などをあげることができる。
本発明の成分ポリプロピレン系樹脂(B1)としては、成分(a2)にて示したポリロピレン系樹脂が用いられる。
本発明で用いられる成分(B2)のエチレン系樹脂とは、エチレンから誘導される単量体単位の含有量が50重量%以上好ましくは、80重量%以上である重合体であって、JIS K−7121(1987)に従って測定した示差走査熱量測定曲線において、90〜170℃の範囲に融解ピークを有する重合体である。エチレン系樹脂は、エチレン以外の単量体から誘導される単量体単位、例えばα−オレフィンから誘導される単量体単位を含有していてもよく、該α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどをあげることができる。
エチレン系樹脂としては、たとえば、エチレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−オクテン共重合体などがあげられ、これらは、1種または2種以上組み合わせて使用される。
成分(B2)の密度は、製品の強度を高める観点から、880kg/m3以上あり、好ましくは885kg/m3以上であり、より好ましくは890kg/m3以上であり、製品の柔軟性、耐寒衝撃性を高める観点から、940kg/m3以下であり、好ましくは930kg/m3以下であり、より好ましくは920kg/m3以下である。ここで、成分(B2)の密度は、JIS K−7112(1999)に従い、アニール有りで測定される。
成分(B2)のエチレン系樹脂は、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法により製造される。例えば、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体などの錯体系触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等があげられる。
成分(A)、成分(B1)および(B2)を溶融混合する装置としては、一軸押出機または二軸押出機を用いる混練など、均質な混合物を得るのに適したあらゆる方法をとることができる。また、必要に応じ難燃剤、帯電防止剤、耐熱安定剤、老化防止剤、離型剤などの添加剤;顔料などを配合してもよく、他の樹脂成分を配合してもよい。
本発明の積層体は、成分(A)、成分(B1)および(B2)を含有する層と、ウレタン系発泡体またはオレフィン系発泡体からなる層を有する積層体である。
成分(A)、成分(B1)および(B2)の配合量としては、成分(A)、成分(B1)および(B2)の合計を100重量%として、成分(A)の含有量が5〜94重量%であり、成分(B1)の含有量が1〜90重量%であり、成分(B2)の含有量が5〜70重量%であり、好ましくは、成分(A)の含有量が10〜85重量%であり、成分(B1)の含有量が5〜80重量%であり、成分(B2)の含有量が10〜55重量%である。成分(A)の含有量が過少であると、真空成形等の二次加工を付する場合、成形品にシワ等が発生する場合があり、成型加工性に劣る場合がある。成分(A)の含有量が過多であると、同じく真空成形等の二次加工を付する場合、十分な伸びが得られず成形品破れが発生する場合がある。成分(B1)の含有量が過少であると、流動性が低下しシート加工などの成型加工性に劣ることがある。成分(B1)の含有量が過多であると、真空成形等の二次加工を付する場合、成形品にシワ等が発生する場合がある。成分(B2)の含有量が過少であると、製品の耐光性が低下する場合がある。成分(B2)の含有量が過多であると、積層体の耐熱性を低下させる場合がある。
本発明の積層体は、自動車内装用部品として好適に用いられる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもではない。
[1]評価方法
(1)エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体中のエチレン単量体単位量とプロピレン単量体単位量の比
赤外分光法により測定を行った。
(2)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210(1999)に従い、温度230℃、荷重21.18Nの条件で測定した。
(3)ムーニー粘度(ML1+4100℃)
ASTM D−927−57Tに従って、100℃で測定を行った。
(4)耐熱酸化性
100℃のギヤーオーブン中に入れ、1000時間暴露させた。暴露後、サンプルをJIS 3 号ダンベル形状に打ち抜きJIS K 6251(1993)に準拠して引張試験に供した。得られたサンプルの破断強度および破断伸びを暴露前に別途測定したそれぞれの値で除して保持率(%)を算出した。より大きな値(最大値100%)をとることで優れた耐熱酸化性を有する事を示す。
(5)耐NOx ガス変色性
JIS L 0855(1998)に準拠して、酸化窒素雰囲気中に3時間曝露し、変色の度合い(△E)を色差計にて測定した。数値が小さいほど耐NOx ガス変色性に優れる事を示す。
(6)耐光酸化性
キセノンフェードメーターSC700−WA(スガ試験機(株)製)中に入れ、ガラスフィルタ(内側:石英/中間:#320/外側:ホーケー酸ソーダ)を用いて照射強度150W/m2(300〜400nm)、ブラックパネル83±2℃、水噴霧無しの条件下でエネルギー照射量300MJ暴露後させた。試料回転速度は12回/分で行った。暴露後、サンプルをJIS 3 号ダンベル形状に打ち抜きJIS K 6251(1993)に準拠して引張試験に供した。得られたサンプルの破断強度および破断伸びを暴露前に別途測定したそれぞれの値で除して保持率(%)を算出した。より大きな値(最大値100%)をとることで優れた耐光酸化性を有する事を示す。
[2]原料
(1)ヒンダードフェノール系化合物
AO−1:住友化学(株)製スミライザーGA−80
AO−2:チバスペシャリティーケミカル社製イルガノックス1010
(2)ポリプロピレン系樹脂
PP−1:住友化学(株)製 ノーブレンAH161C(ブロックポリプロピレン、MFR(230℃)=3g/10分)
(3)油展エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム
EP−1:住友化学(株)製 エスプレン673(油展エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体(エチレン単量体単位/プロピレン単量体単位(重量比)=70/30、ヨウ素価=12)100重量部、伸展油40重量部、ML1+4100℃=79)
(5)有機過酸化物
PO−1:化薬アクゾ(株)製サンペロックスAPO−40S
(6)架橋助剤
CA−1:精工化学(株)製ハイクロスM−P
実施例1
(熱可塑性エラストマーの製造)
表1に示した配合量のポリプロピレン系樹脂(PP−1)30重量部、油展エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム(EP-1)70重量部、架橋助剤(CA−1)0.3重量部およびヒンダードフェノール系化合物(AO-1)0.1重量部をバンバリーミキサーにより溶融混練し、ペレット化した。得られたペレット100重量部と有機過酸化物(PO-1)0.6重量部とをタンブラーミキサーを用い10分間混合し、次に、二軸押出機を用いて200℃で溶融混練を行い、目的の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
比較例1
ヒンダードフェノール系化合物をAO−2に換えた他は実施例1と同様にして熱可塑性エラストマー組成物を得た。













Figure 2006233058

Claims (3)

  1. 下記成分(A)100重量%に対して下式(I)で示されるヒンダードフェノール系化合物0.01〜1重量部を含有する熱可塑性エラストマー組成物。
    (A):下記成分(a1)および(a2)を含有する樹脂組成物を有機過酸化物の存在下にて動的熱処理してなる熱可塑性エラストマー
    (a1):ポリプロピレン系樹脂
    (a2):エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム
    Figure 2006233058

    (式中、Rは水素または炭素数1〜3のアルキルを表す)
  2. 上記成分(A)5〜94重量%に対し下記成分(B1)1〜90重量%および下記成分(B2)5〜70重量%(ただし、成分(A)、成分(B1)および成分(B2)の合計量を100重量%とする。)を含有する熱可塑性エラストマー組成物
    (B1):ポリプロピレン系樹脂
    (B2):密度が880〜940kg/m3であるエチレン系樹脂
  3. ウレタン系発泡体またはオレフィン系発泡体からなる層を有する請求項1または請求項2に記載の積層体。
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