JP2006228496A - 液滴吐出装置、液滴吐出方法、有機el装置の製造方法 - Google Patents

液滴吐出装置、液滴吐出方法、有機el装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 インクの経時的な粘度増大に対処することで、材料や溶媒の選択幅を広げ、安定した吐出を実現して信頼性の高い液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】 本発明の液滴吐出装置は、吐出ヘッド100を備え、該吐出ヘッド100から吐出対象物Wの所定領域に液状体を吐出する液滴吐出装置であって、前記液状体を一時的に貯蔵する貯蔵手段500と、前記液状体を前記吐出ヘッドに移送する移送手段400と、前記貯蔵手段500又は前記移送手段400の少なくともいずれかに配設され、前記液状体を加熱する加熱手段320(330)と、前記加熱手段320(330)よりも前記吐出ヘッド100側に配設された冷却手段340と、が具備されてなることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液滴吐出装置、液滴吐出方法、及び有機EL装置(有機エレクトロルミネッセンス装置)の製造方法に関するものである。
近年、インクジェット装置(液滴吐出装置)を用いたインクジェット法(液滴吐出法)により、様々な材料をパターニングする技術が注目されている。なかでも有機発光材料をインク化し、該インク(液状体)を上記インクジェット法により基板上に選択吐出することで、発光材料のパターニングを行う有機EL(エレクトロルミネッセンス)装置の製造方法が、例えば特許文献1或いは特許文献2に開示されている。
特開平11−54270号公報 特開2004−127897号公報
このようなインクジェット法で選択吐出によりパターニングを行う場合の重要なパラメータとしてインクの粘度を挙げることができる。インクジェット法で吐出を行う場合、使用するインクの粘度、弾性率等の等の特性に応じて、吐出ヘッドを駆動するパワー、時間等の吐出条件を最適化している。ここで、仮にインク粘度が変化してしまうと、インク滴吐出重量が変動し、所望の膜厚が得られないか、又は吐出自体が不可能になる惧れがある。
また、均一な膜厚を得るために、インクジェット法により吐出したインクの乾燥条件(温度、圧力等)の最適化も行われている。しかし、インクの粘度が変化すると、乾燥時の膜厚の分布も影響を受け、安定的に均一な膜厚を得ることが難しくなる。
一方有機EL装置の機能層に用いる材料をインク化した場合、インク調製後から経時的な粘度の変化が起こることが多い。このようなインク粘度の経時的な変化が、形成した有機機能層の膜厚の変化の原因となり、インクジェット法による有機EL装置の安定的な形成を難しくしている。更には、使用する材料(発光材料、正孔注入材料、インターレイヤ材料等)と、溶媒の組み合わせによってはインク粘度の著しい経時変化が置き、インクジェット法による成膜への適用を困難にしている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、上記のような経時的な粘度増大に対処することで、材料や溶媒の選択幅を広げることを目的とする。また、安定した吐出を実現して工程再現性の高い液滴吐出装置と、液滴吐出法とを提供することを目的とする。さらには安定的に良好な特性の有機EL装置を製造することのできる製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の液滴吐出装置は、対象物の所定領域に液状体を吐出する吐出ヘッドと、前記液状体を貯蔵する貯蔵手段と、前記液状体を前記貯蔵手段から前記吐出ヘッドに移送する移送手段と、前記貯蔵手段又は前記移送手段の少なくともいずれかにおいて、前記液状体を加熱する加熱手段と、前記移送手段の前記加熱手段よりも前記吐出ヘッド側或いは前記吐出ヘッドの少なくともいずれかに配設され、前記液状態を冷却する冷却手段とを有することを特徴とする。
このような液滴吐出装置によると、液状体の貯蔵中に増粘が生じたとしても、貯蔵手段又は移送手段において加熱手段により液状体を加熱することで、ヘッドからの吐出前に、液状体の粘度を元の状態(貯蔵開始時の状態)に戻すことが可能となり、さらに加熱した液状体を吐出前に冷却するものとしているため、安定した吐出を行うことができるようになる。具体的には、加熱されたままで液状体を吐出すると、吐出ヘッドに設けられた吐出口(ノズル)付近で溶媒が乾燥し易く、これにより吐出不良が生じる場合があるが、上記冷却手段により液状体を冷却することで溶媒の乾燥を抑制し、該吐出不良を防止ないし抑制するものとしたのである。また、特に積極的に冷却を行うことで、自然放熱とする場合に比して、移送手段の経路長を短くすることができ、当該液滴吐出装置に充填すべき液状体の量を低減することができ、しかも経路の抵抗が小さくなって液状体の供給能力が安定するといった周波数特性の向上を実現できる。さらに、本発明は、特に経時的に増粘する液状体を吐出する場合でも、加熱手段及び冷却手段を備えたことにより、液状体の吐出安定性を好適に高めることができるようになる。
また、上記課題を解決するために、本発明の液滴吐出方法は、液状体を吐出ヘッドから対象物の所定の領域に吐出する工程と、前記液状体を貯蔵手段に貯蔵する工程と、前記液状体を前記貯蔵手段から吐出ヘッドに移送する工程を有し、前記貯蔵する工程又は前記移送する工程において、前記液状体を加熱した後、前記吐出する工程前に前記液状体を冷却することを特徴とする。
このような液滴吐出方法によると、液状体の貯蔵中に増粘が生じたとしても、その貯蔵中又は移送中に液状体を加熱するものとしているため、液状体の粘度を元の状態(貯蔵開始時の状態)に戻すことが可能となり、そして吐出前には加熱した液状体を冷却するものとしているため、安定した吐出を行うことができるようになる。また、特に経時的に増粘する液状体を吐出する場合でも、該貯蔵中又は移送中の加熱と、吐出直前の冷却により、液状体の吐出安定性を好適に高めることができるようになる。
前記加熱の温度は、前記液状体に含まれる溶質のガラス転移温度以下とすることができる。ガラス転移温度を超える温度で加熱を行うと、溶質の材料特性が変化してしまい、所望の膜特性が得られない不具合が生じる場合があるからである。なお、加熱の下限値は、液状体の貯蔵温度(例えば室温)を超える温度であることは言うまでもない。
また、前記加熱の時間は、5分〜30分とすることができる。加熱時間が5分未満の場合、粘度を低下させる効果が十分に得られない場合がある一方、加熱時間が30分を超えると、必要以上の加熱となってしまい、材料の変質が生じてしまう場合がある。
さらに、前記加熱後、該加熱した液状体を24時間以内に前記吐出ヘッドから吐出するものとすることができる。加熱後24時間程度の間はインクの粘度、弾性率は殆ど変化すること無く安定しており、その間に吐出及び乾燥を行うように管理することで、安定して均一な膜を形成することができる。
次に、上記課題を解決するために、本発明の有機EL装置の製造方法は、一対の電極間に有機EL層を有してなる有機EL装置の製造方法であって、前記有機EL層を上述した液滴吐出方法を用いて成膜する工程を含むことを特徴とする。このような製造方法により信頼性の高い有機EL層を構築することができ、ひいては高品質の有機EL装置を提供することが可能となる。
(インクジェット装置(液滴吐出装置)の全体構成)
図1は、本発明の液滴吐出装置の一実施形態であるインクジェット装置の全体構成を示す概略斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のインクジェット装置1は、吐出ヘッド群100、X方向駆動モータ2、X方向駆動軸4、Y方向駆動モータ3、Y方向ガイド軸5、制御装置6、ステージ7、クリーニング機構部8、および基台9を有している。
吐出ヘッド群100は複数の吐出ヘッドを備えており、インク(液状体)が貯蔵されたタンク(貯蔵手段)500から供給パイプ(移送手段)400を介して供給されるインクを、各吐出ヘッドから吐出するようになっている。なお、供給パイプ400は、吐出するインクが内部を流通可能な管状部材であって、各吐出ヘッド毎に対応する液供給路の集合を意味するものである。ここで、本実施形態のインクジェット装置1においては、これらタンク500、および供給パイプ400には、当該タンク500および供給パイプ400の内部のインクを加熱するための第1ヒータ320、第2ヒータ330が各々設けられている。さらに、供給パイプ400には、第2ヒータ330よりも吐出ヘッド群100に近い側に冷却装置340が設けられている。
ステージ7は、吐出ヘッド群100からインクが吐出される基板(吐出対象物)Wを載置するためのものであり、この基板Wを所定の基準位置に固定する機構を有している。
X方向駆動軸4は、ボールねじなどから構成され、端部にはX方向駆動モータ2が接続されている。このX方向駆動モータ2は、ステッピングモータなどであり、制御装置6からX軸方向の駆動信号が供給されると、X方向駆動軸4を回転させる。このX方向駆動軸4が回転すると、吐出ヘッド群100がX方向駆動軸4上をX方向に移動する。
Y方向ガイド軸5もボールねじなどから構成されているが、基台9上の所定位置に配置されている。このY方向ガイド軸5上にステージ7が配置され、このステージ7はY方向駆動モータ3を備えている。このY方向駆動モータ3は、ステッピングモータなどであり、制御装置6からY軸方向の駆動信号が供給されると、ステージ7は、Y方向ガイド軸5に案内されながらY方向に移動する。このようにしてX軸方向の駆動とY軸方向の駆動とを行うことにより、吐出ヘッド群100を基板W上の任意の場所に移動させることができる。
図2に示すように、制御装置6は、吐出ヘッド群100にインクの吐出制御用の信号を供給する駆動信号制御装置31を備えている。また、制御装置6は、X方向駆動モータ2およびY方向駆動モータ3に吐出ヘッド群100とステージ7との位置関係を制御する信号を供給するヘッド位置制御装置32を備えている。また、制御装置6は、後述の図3に示す温度制御部300を備えている。これらの制御装置による制御に基づいて、吐出ヘッド群100と基板Wが相対的に移動し、該相対移動に基づいて所定の描画を実現している。
(温度制御のための構成)
上述した通り、タンク500及び供給パイプ400にはヒータ320,330が配設され、さらに供給パイプ400の途上であって、上記ヒータ330よりも吐出ヘッド群100側には冷却装置340が配設されている。図3は、インクジェット装置1の温度制御のための構成を示すブロック図である。図3に示すように、タンク500に対しては、第1ヒータ320、および第1温度センサ325が設けられるとともに、供給パイプ400には、第2ヒータ330、および第2温度センサ335が設けられ、さらに恒温循環装置からなる冷却装置340が設けられている。なお、各部位には、保温材なども配置されるが、図3では図示を省略してある。
温度制御部300は、図1に示す制御装置6に設けられ、第1温度センサ325、および第2温度センサ335は、タンク500、および供給パイプ400に対する各温度監視結果を温度制御部300に出力するように構成されている。そして、これらの温度センサ325、335の温度監視結果に基づいて、温度制御部300は、第1ヒータ320、および第2ヒータ330を個別に制御する。このため、本実施形態においては、タンク500、および供給パイプ400の温度を各々独立して所定の温度に制御することができる。また、温度制御部300にタイマーを備え、前回のインクの加熱処理から一定時間経過した後に再度インクの加熱を行うようにしても良い。
なお、第2ヒータ330は、供給パイプ400全体に設けても良く、供給パイプ400の吐出ヘッド群100近傍のみに設けても良い。また、加熱手段として、通電するのみで一定温度まで加熱する自己制御式のヒータを用いれば、上記各温度センサ325,335及び温度制御部300を省略することができる。さらに、加熱手段として図4に示すような恒温循環装置を用いることもできる。
図4は恒温循環装置の一例について、その概略構成を示すブロック図である。この場合の恒温循環装置(チラー装置)50は、図3のヒータ320、330に代えて冷媒を循環する熱交換機を配設する。恒温循環装置50は、図示しない温度制御対象に配設された熱交換機から取り出した冷媒(例えば、ブライン)を冷凍機51により冷却した後にヒータ52により加熱することにより温度制御を行い、ポンプ53によってバッファタンク54に供給し、バッファタンク54から温度制御対象に冷媒を供給するようにしている。そして、バッファタンク54から吐出される冷媒の温度を温度センサ55により検出し、設定温度および検出温度に基づいてPID制御などを行って制御信号を出力して冷凍機51およびヒータ52を制御するものである。このようなチラー装置を用いることにより、精密な温度制御を行うことができる。特に60℃〜80℃程度の比較的低い温度での加熱を行う場合に、ヒータに比べて高い精度の温度制御を行うことができる。
一方、冷却装置340は、ヒータ330により加熱されたインクを冷却する装置である。加熱されたインクは、加熱されたままで吐出されると、吐出ヘッド群100に設けられたノズル開口621付近で乾燥による高粘度化、固形化が起こり易く、これにより吐出の不安定化及び吐出不良が生じる場合がある。そこで、本実施形態では、吐出の直前において加熱されたインクを15℃〜25℃の室温付近(例えば20℃)まで冷却(放熱)するものとした。冷却装置340としては、図4に示した恒温循環装置50の他、図7に示すような恒温循環装置(チラー装置)342を用いることができ、図7の例では、バス343内に充填したオイル等の熱媒体341を介して供給パイプ400が冷却されるものとなっている。また、例えば冷却装置340として、図8に示す放熱フィン345を供給パイプ400に付与したものを採用することもできる。この場合、簡単な構成でインクを室温に制御することが可能となる。さらに、このような放熱フィン345は吐出ヘッド群100の裏側に配設することも可能で、これにより吐出前のインクを確実に冷却することができる。
以上のような構成の本実施形態のインクジェット装置1は、その粘度が経時的に変化するインクに特化した装置とされている。つまり、タンク500に貯蔵しておいたインクについて、その粘度が経時的に増加したとしても、タンク500に配設されたヒータ320の作動により所定の温度(ここではインクを構成する溶質のガラス転移温度以下、具体的には60℃〜120℃(具体的には80℃))に加熱するものとしているため、該インクの粘度を貯蔵当初の状態に戻すことが可能となり、安定した吐出を行うことができるようになる。なお、吐出を行いながらインクの供給パイプの加熱を行う場合に、供給パイプ内のインクの移動速度を考慮して実質のインクの加熱時間が5〜30分程度となるように加熱するのが良い。
インクの加熱は温度が高いほど短い時間の処理で、インクを調製した当初の粘度に戻すことが可能であるが、溶質として使用する高分子材料(発光材料、正孔注入/輸送材料等)のガラス転移温度以上の温度とすると高分子材料が劣化し、所望の特性が得られなくなるおそれがある。高分子の発光材料は150℃〜250℃のガラス転移を有するものが多いため、マージンを考慮して120℃以下とすることが望ましい。また、60℃未満の温度ではインクを調製した当初の粘度に戻す効果が得られないか、或いはその効果が得られるまでの処理時間が長くなり、インクジェット装置の稼働率を保つことが難しくなる。
そして更に、加熱したインクを吐出前に室温付近まで冷却しているため、吐出ヘッド群100に設けられたノズル開口621付近でインクの乾燥による高粘度化や固形化が発生することは無く、これによりノズル開口621の目詰まり等の不具合発生が防止ないし抑制されている。
また、強制的に冷却を行う手段を有することでインクの加熱手段を吐出ヘッドに近い位置に配設することが可能となるため、加熱手段から吐出ヘッドの間にあるインクの量を少なくすることができる。従って、加熱処理を行ったインクをより短い経過時間で吐出することができ、吐出の安定性が向上する。さらに冷却装置340を吐出ヘッド群100も含めて冷却するように配設してもよい。これにより、更に加熱手段から吐出ヘッドの間にあるインクの量を少なくすることができるとともに、吐出ヘッド郡100の温度の安定化を図ることもできる。
次に、上記インクジェット装置1を用いたインクの吐出手順を説明すると、まず、用いるインクをタンク500内に供給してインクの貯蔵を行う。ここでは、フルオレン骨格を有する高分子材料を、ベンゼン系若しくはビフェニル系溶媒(例えばイソプロピルビフェニル、シクロへキシルベンゼン、ジメチルジフェニルエーテル)に溶解ないし分散させたインクを用いた。このインクは、図6に示すように粘度が経時変化するものである。なお、図6は粘度の経時変化を示すグラフであって、縦軸は粘度を、横軸は時間変化を示している。
その後、制御装置6を作動させることにより、供給パイプ400を介してタンク500から吐出ヘッドにインクを供給する。そして、吐出ヘッドの作動に基づいて基板Wの所定領域にインクが吐出される。この場合、必要に応じて、第1ヒータ320でタンク500を加熱することで、インクを加熱し、該インクの粘度を貯蔵当初の粘度に回復させるものとしている。また、第2ヒータ330で供給途上のインクを加熱することで粘度の回復を一層高めるものとしている。そして、吐出直前に冷却装置340でインクを常温に戻し、吐出の安定性を向上させている。
(有機エレクトロルミネッセンス(EL)装置の製造)
上記実施形態の吐出方法で有機EL装置を製造する方法について説明する。製造する有機EL装置は、図5に示すような構成を有するものである。すなわち、本実施形態に係る有機EL装置200は、ガラス等からなる透明な基体2と、マトリックス状に配置された発光素子とを具備している。ここで、発光素子は、画素電極111と、機能層(有機EL層)110と、陰極12とにより構成されている。なお、画素電極111はITO(インジウム錫酸化物)等の透光性導電膜にて構成されており、陰極12はアルミニウム等の光反射性導電膜にて構成されている。
基体2上には、画素電極111と、前記機能層110を区画するバンク部122とが配設されている。バンク部122は、基体2側に位置する無機物バンク層(第1バンク層)112aと、陰極12側に位置する有機物バンク層(第2バンク層)112bとが積層されて構成されている。
次に、機能層110は、画素電極111上に積層された正孔注入/輸送層110aと、正孔注入/輸送層110a上に隣接して形成された発光層110bとから構成されている。正孔注入/輸送層110aは、正孔を発光層110bに注入する機能を有するとともに、正孔を正孔注入/輸送層110a内部において輸送する機能を有する。また、発光層110bでは、正孔注入/輸送層110aから注入された正孔と、陰極12から注入される電子が発光層で再結合し、発光が得られる。
また、発光層110bは、赤色(R)に発光する赤色発光層110b1、緑色(G)に発光する緑色発光層110b2、及び青色(B)に発光する青色発光層110b3、の3種類を有し、各発光層110b1〜110b3がストライプ配置されている。
続いて、上記有機EL装置200の製造方法について説明する。本実施形態の有機EL装置を製造する工程は、隔壁(バンク部)形成工程と、正孔注入/輸送層形成工程と、発光層形成工程と、陰極形成工程と、封止工程とから基本的に構成される。これらの工程のうち、上記実施形態のインクジェット装置1を用いた液滴吐出方法を好適に適用できるのは、正孔注入/輸送層形成工程と、発光層形成工程である。
隔壁形成工程では、必要に応じてTFT等が予め設けられている基体2に形成されたITO等からなる透明電極111上に、各画素領域を隔てるバンク部(隔壁)120を形成するにより行う。具体的には、無機材料からなる無機物バンク層112aと、有機材料からなる有機物バンク層112bとを、それぞれフォトリソグラフィ技術を用いてパターン形成するものとしている。
次に、正孔注入/輸送層形成工程では、正孔注入/輸送層形成材料(正孔注入/輸送層形成インク)を上述した液滴吐出方法を用いて、各画素領域に吐出する。正孔注入/輸送層形成材料としては、例えばポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体とポリスチレンスルホン酸(PSS)等の混合物を、極性溶媒に溶解させた組成物を用いることができる。極性溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール(IPA)、ノルマルブタノール、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)及びその誘導体、カルビト−ルアセテート、ブチルカルビト−ルアセテート等のグリコールエーテル類等を挙げることができる。吐出後の正孔注入/輸送層形成材料を乾燥処理して正孔注入/輸送層形成材料に含まれる極性溶媒を蒸発させることにより、正孔注入/輸送層110aが形成される。
上記の正孔注入/輸送層形成材料と極性溶媒により調製したインク組成物にも、大きなものでは無いが、インクの粘度、弾性率等の経時的な変化が見られる。このため、インクタンク或いはインク供給パイプに加熱機構を設け、インクの加熱処理を行うことで、より安定した吐出および再現性の高い乾燥処理が可能となる。従って均一な膜厚の正孔注入/輸送層110aを安定して形成することができる。
次に、発光層形成工程では、発光層形成材料(発光層形成インク)を上記実施形態の吐出方法を用いて、各画素領域の正孔注入/輸送層上に吐出する。発光層形成材料は、各色に対応した有機EL材料等の溶質成分と非極性溶媒とから構成される。有機EL材料として、フルオレン系高分子誘導体に、非極性溶媒として、イソプロピルビフェニル、シクロヘキシルベンゼン、ジメチルジフェニルエーテルを用いている。これらの材料の組み合わせは、良好な特性の発光層を形成できるものであるが、発光層形成インクの粘度が変化し易く、安定した吐出及び成膜が難しいものであった。しかし、インクタンク或いはインク供給パイプに加熱機構を設け、インクの加熱処理を行うことで、安定した吐出および再現性の高い乾燥処理が可能となる。このため、均一な膜厚の発光層110bを安定して形成することが可能となっている。また、有機EL材料としては、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体や、ポリフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、その他ベンゼン誘導体に可溶な有機EL材料等を用いることができる。非極性溶媒としては、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等を用いることができる。これらの材料の組み合わせを用いる場合でも、インクタンク或いはインク供給パイプに加熱機構を設け、インクの加熱処理をことで、より安定した吐出及び成膜が可能となっている。吐出後の発光層形成材料を乾燥処理することにより発光層形成材料に含まれる非極性溶媒を蒸発させ、発光層110bが形成される。
次に陰極形成工程では、発光層110b及びバンク部122の全面に陰極12を形成する。また、封止工程では、陰極12上の全面に熱硬化樹脂または紫外線硬化樹脂からなる封止材を塗布し、封止層を形成する。さらに、封止層上に封止用基板を積層する。以上の工程により図5に示した有機EL装置を製造することができる。
以上、本発明の実施の形態を示したが、本発明は上記実施の形態に限られるものではない。例えば、インクジェット装置1において、供給パイプ(移送手段)とタンク(貯蔵手段)の双方にヒータ(加熱手段)を設ける構成としたが、いずれか一方にヒータを設けるものとしても良い。また、冷却装置340は恒温循環装置に限らず、ヒータと同様、温度制御部により加熱・冷却を制御可能な構成としても良い。さらに、当該インクジェット装置1を用いて有機EL装置を製造する例を示したが、その他の配線形成工程、カラーフィルタ製造工程等においても当該インクジェット装置1を用いることができる。
本発明を適用したインクジェット装置の構成を示す概略斜視図である。 図1に示すインクジェット装置の吐出動作に対する制御系の構成を示すブロック図である。 図1に示すインクジェット装置の温度制御のための構成を示すブロック図である。 加熱手段としてのチラー装置の一例を示すブロック図である。 インクジェット装置を用いて製造した有機EL装置の構成を示す断面模式図である。 粘度の経時変化を示すグラフである。 冷却手段としての恒温循環装置の一例を示す図である。 冷却手段として放熱フィンを備えた冷却装置の一例を示す図である。
符号の説明
1…インクジェット装置、100…吐出ヘッド群(吐出ヘッド)、200…有機EL装置、320,330…ヒータ(加熱手段)、340…冷却装置(冷却手段)、400…供給パイプ(移送手段)、500…タンク(貯蔵手段)、W…基板(吐出対象物)

Claims (8)

  1. 対象物の所定領域に液状体を吐出する吐出ヘッドと、
    前記液状体を貯蔵する貯蔵手段と、
    前記液状体を前記貯蔵手段から前記吐出ヘッドに移送する移送手段と、
    前記貯蔵手段又は前記移送手段の少なくともいずれかにおいて、前記液状体を加熱する加熱手段と、
    前記移送手段の前記加熱手段よりも前記吐出ヘッド側或いは前記吐出ヘッドの少なくともいずれかに配設され、前記液状態を冷却する冷却手段とを有することを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 前記液状体が、時間の経過と共に粘度が上昇するものであることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
  3. 液状体を吐出ヘッドから対象物の所定の領域に吐出する工程と、
    前記液状体を貯蔵手段に貯蔵する工程と、
    前記液状体を前記貯蔵手段から吐出ヘッドに移送する工程を有し、
    前記貯蔵する工程又は前記移送する工程において、前記液状体を加熱した後、
    前記吐出する工程前に前記液状体を冷却することを特徴とする液滴吐出方法。
  4. 前記液状体が、時間の経過と共に粘度が上昇するものであることを特徴とする請求項3に記載の液滴吐出方法。
  5. 前記加熱の温度が、前記液状体に含まれる溶質のガラス転移温度以下であることを特徴とする請求項3又は4に記載の液滴吐出方法。
  6. 前記加熱の時間が、5分〜30分であることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の液滴吐出方法。
  7. 前記加熱後、該加熱した液状体を24時間以内に前記吐出ヘッドから吐出することを特徴とする請求項3ないし6のいずれか1項に記載の液滴吐出方法。
  8. 一対の電極間に有機EL層を有してなる有機EL装置の製造方法であって、
    前記有機EL層を請求項3ないし7のいずれか1項に記載の液滴吐出方法を用いて成膜する工程を含むことを特徴とする有機EL装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008029962A (ja) * 2006-07-28 2008-02-14 Toyota Motor Corp 撥水性物質を含有するペーストを塗布する装置、方法及び燃料電池の製造方法
JP2008209701A (ja) * 2007-02-27 2008-09-11 Toppan Printing Co Ltd パターン形成装置及びパターン形成方法、並びにカラーフィルタ及び有機機能性素子の製造方法
WO2014069254A1 (ja) * 2012-11-02 2014-05-08 住友重機械工業株式会社 基板製造装置

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