JP2006227301A - 蛍光観察装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 連続光を照射する場合よりも試料Aの損傷を抑制し、かつ、明るい蛍光画像を得る。
【解決手段】 パルス列状の励起光Eを発生して試料Aに照射するパルス光源装置2と、試料Aにおいて発生した蛍光Fを撮像する撮像素子5とを備え、パルス光源装置2が、撮像素子5の1コマの撮像時間内に、該撮像素子5の各画素に対応する試料Aの各位置に複数回のパルス状の励起光Eを照射する蛍光観察装置1を提供する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、蛍光観察装置に関するものである。
従来、パルスレーザ光源を用いて短時間にわたり励起光を試料に照射し、試料において発生する蛍光を検出することで、瞬時に変化する高速現象の1瞬間を画像として捕らえる装置として、パルスレーザ蛍光顕微鏡が知られている(例えば、非特許文献1)。このパルスレーザ蛍光顕微鏡によれば、選択された一瞬に高いエネルギのパルス光を照射することで、十分な蛍光量を発生させることができ、明るい蛍光画像を得ることができる。
また、従来、フェムト秒単位のパルス幅を有する極短パルスレーザ光を試料に照射することにより、試料の非常に限られた領域で多光子吸収現象を発生させ、得られる蛍光を観察する多光子励起型蛍光顕微鏡が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この多光子励起型蛍光顕微鏡によれば、試料におけるレーザ光の結像位置のみにおいて多光子吸収現象を生じさせるので、高い空間分解能を達成することができる。また、試料内の深部にまでレーザ光を到達させ、蛍光観察を行うことができる。
宝谷紘一、他一名、「限界を超える生物顕微鏡−見えないものを見る 日本分光学会 測定法シリーズ」、株式会社学会出版センター、1991年6月30日、21巻、p.105−119 特許第2848952号公報
しかしながら、従来のパルスレーザ蛍光顕微鏡による瞬間像はノイズが多く、空間分解能も低いため、試料における微妙な変化を精度よく捕らえるには適していないという問題がある。また、十分な蛍光量を得るために、高いエネルギのパルス光を一瞬に照射するため、例えば、細胞のような試料に損傷を与え、退色を生じさせてしまう不都合もある。仮に、試料に損傷を与えない程度にエネルギを下げたパルス光を照射する場合には、蛍光画像が暗くなるという不都合が考えられる。
一方、多光子励起型蛍光顕微鏡によればそのような不都合はない。すなわち、複数の光子により蛍光を発生させるので、各光子のエネルギが低い長波長のレーザ光を使用することができるため、試料の損傷が少なくて済む。したがって、焦点面以外の観察しない部分における試料の退色を防止し、長時間にわたる観察も可能となる。
しかしながら、多光子励起型蛍光顕微鏡は、極短パルスレーザ光を使用するため、光学素子を通過する際に発生する分散を補償するために、分散補償装置が必要不可欠であり、装置が複雑かつ大型化するという不都合がある。また、極短パルスレーザ自体も大きく、コストが高いという問題もある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、連続光を照射する場合よりも試料の損傷を抑制し、かつ、明るい蛍光画像を得ることができる蛍光観察装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、パルス列状の励起光を発生して試料に照射するパルス光源装置と、試料において発生した蛍光を撮像する撮像素子とを備え、前記パルス光源装置が、前記撮像素子の1コマの撮像時間内に、該撮像素子の各画素に対応する試料の各位置に複数回のパルス状の励起光を照射する蛍光観察装置を提供する。
本発明によれば、パルス光源装置から発せられたパルス列状の励起光が試料に照射される。試料の各位置においては、パルス状の励起光が照射される毎に、蛍光物質が励起されることによって蛍光が発せられ、発生した蛍光は撮像素子によって撮像される。
本発明の発明者は、検討の結果、連続発光の励起光を照射し続けた場合に発生する蛍光よりも、パルス状の励起光を複数回照射した場合に発生する蛍光の方が、明るい蛍光像を得ることができ、また、試料の損傷も少ないという知見を得た。
本発明によれば、撮像素子による1コマの蛍光画像の取得時間内に、パルス状の励起光が試料上の各位置に複数回にわたり照射される。これにより、連続光により走査する場合よりも明るい蛍光画像を得ることができ、かつ、試料の損傷を抑制することができる。また、多光子吸収現象を発生するような極短パルスレーザを使用する必要がないので、分散補償が不要となり、装置の構成を簡易にして小型化を達成することができる。
さらに、撮像素子による1コマの撮像時間内に試料からのパルス状の蛍光が複数回入射されて蓄積された後に信号処理系に送られるので、蛍光を蓄積することなく入射の都度に信号処理する場合と比較して、累積的なノイズを低減することが可能となる。その結果、画質を向上することができる。
なお、本発明において、「パルス状」あるいは「パルス列状」の語句には、正弦変調等のように光の強弱の変動があるものや、各パルス間の光の強度がゼロにならない場合も含まれる。
上記発明においては、前記パルス光源装置が、光源と、該光源から発せられた光を複数のパルス列状の光に変調する変調装置とを備えることが好ましい。
このように構成することで、変調装置の作動により光源から出射される連続光をパルス列状の光にし、あるいは光源から発せられるパルス列状の光の周波数を任意に調節することが可能となる。したがって、光源の性能に関わらず、安定したパルス列状の励起光を発生させることが可能となる。
上記発明においては、前記変調装置が、複数のスリットまたはピンホールを有し、前記光源から対物レンズに向かう光軸を遮るように配置されるディスクと、該ディスクを光軸に略平行な軸線回りに回転させる回転手段とを備えることとしてもよい。
このように構成することで、回転手段を作動させてディスクを回転させると、ディスクに設けられたスリットまたはピンホールが光軸に対して交差する方向に移動する。その結果、試料上における光スポットの位置も時々刻々変化する。ディスクに設けられている複数のスリットまたはピンホールを通過することによって形成された複数の光スポットが、ディスクの回転によって移動して、順次通過する結果、試料上の各位置について見ると、強度がパルス状に変動する光が複数回照射されることになる。その結果、連続光により走査する場合よりも明るい蛍光画像を得ることができ、かつ、試料の損傷を抑制することができる。この場合に、光源としては、連続発光光源でもよいし、パルス光源を用いてもよい。
また、上記発明においては、前記励起光光源が、連続発光光源からなり、前記変調装置が、前記連続発光光源からの連続光を変調してパルス列状の光を形成することが好ましい。
ストロボ光源は、蓄えたエネルギを瞬時に放出することでパルス状の光を発生するため、高速性および安定性に劣るという問題がある。本発明においては、連続発光光源を採用することで、ストロボ光源によって発生されるパルス光よりも十分に小さなピークパワーで済み、光源自体の安定性を向上できるとともに、変調装置によってパルス列状の光に形成する高速変調をかけることにより、安定性および高速性の高いパルス光源装置を得ることができる。これにより、観察範囲の全域にわたって均一にパルス列状の励起光を照射し、精度の高い蛍光画像を得ることができる。
さらに、上記発明においては、前記励起光源が、同一周期で位相の異なるパルス列状の励起光を発生する複数のストロボ光源からなり、前記変調装置が、前記複数のストロボ光源からのパルス列状の励起光を合成する切替装置からなることとしてもよい。
上述したようにストロボ光源は、安定性を得るために高速化できないという問題があるが、パルスレーザ光源等と比較して安価であるという利点がある。本発明においては、複数のストロボ光源からのパルス列状の光を切替装置によって合成し、ストロボ光源の個数倍の高周波数のパルス列状の励起光を安定的に得ることができる。
上記発明においては、前記パルス光源装置が、パルス列状のレーザ光を出射し、前記パルス光源装置から出射されたレーザ光からスペックルノイズを除去するレーザスペックル除去装置が備えられていることが好ましい。
レーザ光によれば、ピークパワーが比較的大きく、高速かつ安定した励起光として供給することができる反面、レーザの干渉性によってスペックルノイズによる照明ムラが発生することがある。本発明によれば、レーザスペックル除去装置の作動により、スペックルノイズを除去できる。したがって、均一な照明を得ることができ、鮮明な蛍光画像を得ることができる。
本発明によれば、試料の各位置に断続的に照射されるパルス状の励起光の各々によって蛍光が発生するので、連続した励起光を照射する場合と比較して、試料の損傷を低く抑えながら明るい蛍光を得ることができる。したがって、観察範囲全域にわたって試料の損傷を抑えつつ明るい蛍光を得ることにより、明るい蛍光画像を取得することができるという効果を奏する。
以下、本発明の一実施形態に係る蛍光観察装置1について、図1および図2を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る蛍光観察装置1は、図1に示されるように、パルス列状の励起光Eを発生するパルス光源装置2と、該パルス光源装置2から発せられたパルス列状の励起光Eを試料Aに照射する対物レンズ3と、該対物レンズ3と前記パルス光源装置2との間に配置されたダイクロイックミラー4と、該ダイクロイックミラー4により分離された蛍光Fを撮像する撮像素子5とを備えている。
図中、符号6は、ダイクロイックミラー4によって分岐された蛍光Fに含まれる励起光E成分を除去するバリアフィルタ、符号7は、バリアフィルタ6を透過した蛍光Fを撮像素子5の撮像面に結像させる集光レンズ、符号8は、撮像素子5において発生した電気信号を処理して画像情報を形成する信号処理装置、符号9は信号処理装置8により形成された画像情報を表示するモニタである。
前記パルス光源装置2は、図1に示されるように、キセノンランプのような連続発光光源10と、該連続発光光源10からの光を略平行光に変換するコリメートレンズ11と、該コリメートレンズ11により変換された平行光をパルス列状の光に変換する変調装置12と、パルス列状の光を対物レンズ3に導くリレーレンズ13と、該リレーレンズ13によりリレーされた光を入射させて励起光Eのみを透過させる励起フィルタ14とを備えている。
前記変調装置12は、例えば、図2に示されるように、複数のスリット15を備える回転ディスク16と、該回転ディスク16を回転駆動するモータ17とを備えている。回転ディスク16は、前記コリメートレンズ11を通過した平行光を遮るように、光軸に略直交して配置され、回転ディスク16に入射した平行光の入射範囲内に配されるスリット15部分の光のみの通過を許容するようになっている。また、回転ディスク16は、対物レンズ3の焦点位置と共役な位置に配置されている。
回転ディスク16に設けられたスリット15は、共焦点ディスクにおけるスリットの間隔よりも十分に小さくすることが好ましい。また、スリット15のパターンも図2の形態に限られず、放射状にスリット15が形成されていてもよい。
ダイクロイックミラー4は、励起光Eを反射し、蛍光Fを透過するように、その波長特性を設定されている。ダイクロイックミラー4は、励起光Eの入射光軸に対して45°傾斜して配置されている。これにより、ダイクロイックミラー4は、励起光Eを反射することで、90°偏向させ、対物レンズ3に指向させるようになっている。
撮像素子5は、例えば、冷却CCD(Cooled Charge Coupled Device)または、CMOS(Complementary Metal
Oxide Semiconductor)イメージング装置である。
このように構成された本実施形態に係る蛍光観察装置1の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る蛍光観察装置1を用いて試料Aの蛍光観察を行うには、パルス光源装置2を構成する連続発光光源10を作動させるとともに、変調装置12を作動させる。変調装置12を作動させると、モータ17が回転ディスク16を回転させる。
連続発光光源10から発せられた連続光は、回転ディスク16上に照射されることにより、回転ディスク16に設けられたスリット15部分の光のみが回転ディスク16を通過させられて、リレーレンズ13によりリレーされ、励起フィルタ14を通過させられることで励起光Eとなってダイクロイックミラー4に入射される。ダイクロイックミラー4に入射された励起光Eは反射されることにより90°偏向されて対物レンズ3によって試料Aに結像される。
各瞬間において、試料A上には、回転ディスク16に設けられた複数本のスリット15の像が結像される。本実施形態においては、回転ディスク16が回転させられることにより、連続発光光源10からの光が通過するスリット15が逐次移動させられる。その結果、試料A上のスリット15の像も逐次移動していくことになる。
したがって、回転ディスク16が所定角度だけ回転させられることにより、試料A上の観察範囲全域にスリット15状の励起光Eが走査されるようにして照射される。
この場合において、試料A上の各位置について見れば、スリット15の像が形成されている状態では励起光Eが照射され、スリット15の像間に配されている状態では励起光Eの照射が停止される。その結果、所定時間にわたって見ると、試料A上の全ての位置において、励起光Eが照射されている時間と停止されている時間とが交互に複数回にわたって発生する。すなわち、試料A上の各位置において、励起光Eの強度がパルス列状に変動することになる。
また、本実施形態に係る蛍光観察装置1においては、変調装置2が回転ディスク16およびモータ17によって構成されているので、回転ディスク16の回転速度を適宜選択することにより、簡易に、パルス列状の励起光Eの周波数を適宜調節することができる。
励起光Eが試料Aに照射されると、試料A内に含有されている蛍光分子が励起され蛍光Fが発せられる。
ここで、蛍光分子の励起と蛍光発光機構について、図3を参照して説明する。
一般的に、蛍光分子は安定な基底準位レベル(E)の状態に多数存在している。この状態の分子に対して、上準位のエネルギー状態(E)との差に相当するエネルギー(E−E=hν)の光を吸収すると、ある確率(F01)にて励起が起こり、上準位のエネルギー状態に遷移する。
ここで、h:プランク定数、ν:E−Eのエネルギー差に相当する振動数である。
主に光励起方法としては、レーザ光やランプ光が用いられ、hνにあったエネルギーの光を選択している。
上準位のエネルギー状態は、比較的寿命が短く、また不安定であり、別の安定なエネルギー状態に移行する。例えば、下準位のエネルギー状態(E)へある確率γで移行し、その準位から光(hν)を放出して、基底状態(E)へ遷移する。このとき発生する光が蛍光である。
また、中にはhνの光を放出せずに、別のエネルギー準位へ遷移したり、イオン化が起こり異なる分子状態になったり、また分子解離など発生し組成が変わることも考えられる。このような現象はある確率γで発生し、光を発しないため、長時間観察をしている場合、蛍光量が時間と共に減少していく場合がある。これは、基底状態に戻る分子数が減り、結果的に蛍光を発する分子が減少するためで、一般的に退色と言われる。
本説明に使ったモデルは3準位系モデルであるが、2準位又は4準位であっても、基本的なメカニズムは変わらない。
なお、蛍光量の多さは、蛍光分子に与える励起光の単位時間あたりのエネルギーやその時間変化と、蛍光分子の励起確率や上準位のエネルギーの寿命などに依存している。例えば、エネルギーの高い励起光を連続的に与え続けても強い蛍光が得られるとは限らず、上準位レベルの分子が飽和状態になったり、また退色現象が多数発生したりしてしまい、効率のよい蛍光発生のプロセスとは言えない。
長時間観察や細胞ダメージ回避のためには、できるだけ少ない励起エネルギーで、分子を効率的に励起し、また退色現象をできるだけ低減し、効率よい蛍光を得ることが非常に重要である。
試料Aにおいて発生した蛍光Fは、対物レンズ3によって集められ、ダイクロイックミラー4を通過させられることで励起光Eから分岐され、バリアフィルタ6を通過して集光レンズ7により撮像素子5に結像させられる。撮像素子5は、1コマの蛍光画像を形成するのに十分な情報を得るまでの所定時間にわたって試料Aからの蛍光Fを撮像し続けた後、各画素において取得した蛍光Fの強度に応じた画素ごとの電気信号を信号処理装置8に送る。そして、信号処理装置8においては、撮像素子5から送られてきた画素ごとの電気信号に基づいて蛍光画像が形成され、形成された蛍光画像がモニタ9に表示される。
本実施形態においては、撮像素子5が1コマの蛍光画像を形成するのに十分な情報を得るまでの所定時間の間に、試料A上の各位置に複数のパルス列状の励起光Eが照射される。
単一のパルスにより十分な蛍光量を得る従来のパルスレーザ蛍光顕微鏡と比較して、同じ蛍光量を得るための各パルス状の励起光Eのピークパワーを十分に低減することができる。また、連続的な励起光Eを各位置に連続照射する場合と比較すると、各パルス列状の励起光Eのピークパワーを大きくしても、パルス間に配される休止期間を設けることによって、その平均パワーを低減することができる。
その結果、ピークパワーを単一のパルスの場合よりも低減して、試料Aの瞬間的な損傷を防止することができるとともに、連続的な励起光Eを照射する場合よりも平均パワーを低減して、試料Aに加える総エネルギが過大となることによる試料Aの損傷防止を図ることができる。また、発明者の知見によれば、励起光Eを連続的に照射する場合と比較して、十分に低い平均パワーでも明るい蛍光Fを得ることができる。したがって、励起光Eのパワーを低減しながら明るい蛍光画像を取得することができるという利点がある。
すなわち、パルス光源装置2を用いることにより、試料Aに加える平均パワーを低減して明るい蛍光画像を得ることができる。したがって、試料Aに与える損傷を低減して長期間にわたる観察が可能となる。また、超短パルスレーザ光を使用する多光子励起型蛍光観察装置とは異なり、励起光Eの分散を考慮する必要がないので、装置の構成を簡易にし、また、小型化を図ることができる。
また、撮像素子5が1コマの蛍光画像を形成するのに十分な情報を得るまでの所定時間の間に、試料A上の各位置から発生したパルス状の蛍光Fが撮像素子5の撮像面に複数回入射して撮像素子5に蓄積される。撮像素子5は、蓄積した蛍光を電気信号に変換して信号処理装置8に送るので、1個のパルス状の蛍光Fが入射するたびに電気信号に変換して信号処理装置8で積算処理する場合と比較すると、累積ノイズを低減することができるという利点がある。
なお、本実施形態に係る蛍光観察装置1においては、複数のスリット15を有する回転ディスク16を変調装置12の一例として説明したが、これに代えて、複数のピンホールを有する回転ディスク16を採用してもよい。また、光源として連続発光光源10を採用したが、これに代えて、パルス光源を採用してもよい。
次に、本発明の第2の実施形態に係る蛍光観察装置20について、図4〜図6を参照して以下に説明する。
なお、本実施形態の説明において、上述した第1の実施形態に係る蛍光観察装置20と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略することにする。
本実施形態に係る蛍光観察装置20は、図4に示されるように、パルス光源装置21、ダイクロイックミラー4、対物レンズ3、バリアフィルタ6、集光レンズ7、撮像素子5、信号処理装置8よびモニタ9を有する基本構成において、第1の実施形態に係る蛍光観察装置1と共通している。
本実施形態に係る蛍光観察装置20は、パルス光源装置21において第1の実施形態に係る蛍光観察装置1と相違している。
本実施形態において、パルス光源装置21は、2つのストロボ光源22A,22B、例えば、キセノンフラッシュランプ等と、各ストロボ光源22A,22Bからの光を略平行光に変換するコリメートレンズ11と、略平行光に変換された2つの光を合成する切替装置(変調装置)23とを備えている。切替装置23は、回転ディスク24と、該回転ディスク24を回転させるモータ25とを備えている。符号26はモータ25の動力を回転ディスク24に伝達するベルトである。
回転ディスク24は、図5に示されるように、光を略100%反射するミラー部分24aと、光を略100%透過する透過部分24bとを周方向に交互に並べて構成されている。
前記2つのストロボ光源22A,22Bは、図4に示されるように、相互に90°の角度をなして配置され、その光軸の交差位置に前記回転ディスク24が配置されている。これにより、第1のストロボ光源22Aから発せられた光は、回転ディスク24の透明部分24bが光軸上に配置されているときに、回転ディスク24を透過させられてリレーレンズ13に入射されるようになっている。また、第2のストロボ光源22Bから発せられた光は、回転ディスク24のミラー部分24aが光軸上に配置されているときに回転ディスク24によって反射され、90°偏向させられて第1のストロボ光源22Aからの光と同一の光軸上に入射させられるようになっている。
各ストロボ光源22A,22Bは、図6(a),(b)に示されるように、同一の周波数のパルス列状の光を出射するようになっている。また、第1のストロボ光源22Aと第2のストロボ光源22Bとは、その周期が90°ずれている。これにより、切替装置23によって合成された後には、図6(c)に示されるように、各ストロボ光源22A,22Bの2倍の周波数のパルス列状の光が出射されるようになっている。
本実施形態に係る蛍光観察装置20によれば、切替装置23によって、各ストロボ光源22A,22Bよりも高い周波数のパルス列状の励起光Eを試料Aに入射させることができる。したがって、比較的低速のストロボ光源22A,22Bを用いても、高い周波数のパルス状の励起光Eを試料Aに入射させ、明るい蛍光画像を取得することが可能となる。ストロボ光源22A,22Bから出射されるパルス列状の光の周波数は低いままでよいので、ストロボ光源22A,22Bを安定性の高い条件で使用でき、安定した蛍光観察を行うことができる。
なお、本実施形態に係る蛍光観察装置20においては、2つのストロボ光源22A,22Bを用いたが、これに限定されるものではなく、3以上の複数のストロボ光源を用いるとともに、2以上の切替装置23をカスケード的に接続して、より高い周波数のパルス状の励起光Eを試料Aに照射することにしてもよい。
次に、本発明の第3の実施形態に係る蛍光観察装置30について、図7を参照して以下に説明する。
本実施形態の説明においても、第1の実施形態に係る蛍光観察装置30と構成を同一とする箇所に同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る蛍光観察装置30も、パルス光源装置31において第1の実施形態に係る蛍光観察装置1と相違している。
本実施形態においては、パルス光源装置31は、連続発光レーザ光Lを発生する連続発光レーザ光源32と、発生されたレーザ光Lを断続させてパルス状に整形する高速光変調素子(変調装置)33とを備えるものとしてもよい。高速光変調素子33としては、音響光学素子あるいは電気光学素子を採用することができる。このようにすることで、より安定したピークパワーとパルス幅およびパルス間隔を有するパルスレーザ光Lを発生させることができる。したがって、試料Aの各位置を均一なパルスレーザ光Lにより照射して、精度の高い蛍光画像を得ることができる。また、安価な連続発光レーザ32で高い繰り返し周波数のパルス状の光を照射することができる。
また、図8に示されるように、複数の波長の連続発光レーザ光源32A,32Bと高速光変調素子33A,33Bとの組合せからなるパルス光源装置31を用いてもよい。この場合、連続発光レーザ光源32A,32Bから出射されたパルスレーザ光をミラー34およびダイクロイックミラー35によって合成し、同時に試料Aに照射させるようにすることができる。また、図9に示されるように、高速光変調素子33を複数の連続発光レーザ光源32A,32Bに対して共用するようにしてもよい。
さらに、図10に示されるように、2つの連続発光レーザ光源32A,32Bをダイクロイックミラー35によって接続する場合に、一方の連続発光レーザ光源32Bから出射されたレーザ光L′のみを1/2波長板36に通過させることにより、他方の連続発光レーザ光源32Aから出射されたレーザ光Lに対して、高速光変調素子33に入射する際のレーザ光L′の偏光面を異ならせることとしてもよい。このようにすることで、単一の高速光変調素子33により、2つの連続発光レーザ光源32A,32Bから出射された2種類のレーザ光L,L′を交互に強弱をつけて変調することができる。
また、図11に示されるように、高速光変調素子33により変調されたパルスレーザ光Lをレーザスペックル除去手段37に通過させることにしてもよい。レーザスペックル除去手段37としては、例えば、1本1本の長さの違い光ファイバを複数本束ねたマルチレングスファイバが挙げられる。マルチレングスファイバにレーザ光Lを入射させると、レーザ光Lの干渉性を著しく低下させることができる。通常、レーザ光Lで面照射するとレーザ光Lの干渉でレーザ照射面が粒々の明暗パターンとなり、著しい照明ムラ(スペックルノイズ)が発生するが、マルチレングスファイバを通過させることによって、スペックルノイズをほとんどなくすことができ均一な照明を得ることができる。
また、レーザスペックル除去手段37としては、マルチレングスファイバに代えて、拡散板を回転させ、得られた画像を積算することが挙げられる。ランダムなスペックルパターン照明による粒々の明暗画像が、積算により均一な画像となる。
また、試料の表面の限られた領域のみに照明を行う方法として全反射照明法が知られているが、本発明においては、この全反射照明法の光源として上記いずれかのパルス光源装置を採用することにしてもよい。
また、上記各実施形態においては、対物レンズ3側から励起光を照射する落射照明方式の蛍光観察装置について説明したが、これに代えて、図12に示されるように、透明部材40上に搭載した試料Aに対し、対物レンズ3とは反対側から励起光Eを照射し、試料Aから励起光Eとは反対方向に出射した蛍光Fを観察する透過蛍光方式に本発明を適用してもよい。図12において、符号41はパルス光源、符号42はミラー、符号43は試料Aに励起光Eを導くコンデンサレンズである。
本発明の第1の実施形態に係る蛍光観察装置の全体構成を概略的に示す模式図である。 図1の蛍光観察装置の変調装置に使用される回転ディスクの一例を示す正面図である。 蛍光分子の励起と、蛍光発光機構を説明するための蛍光分子の3準位系モデルを示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る蛍光観察装置の全体構成を概略的に示す模式図である。 図4の蛍光観察装置の切替装置の一例を示す正面図である。 図4の蛍光観察装置の連続発光光源とパルス光源装置のパルス列状の励起光の関係を示すグラフである。 本発明の第3の実施形態に係る蛍光観察装置の全体構成を概略的に示す模式図である。 図7の蛍光観察装置の第1の変形例を示す模式図である。 図7の蛍光観察装置の第2の変形例を示す模式図である。 図7の蛍光観察装置の第3の変形例を示す模式図である。 図7の蛍光観察装置の第4の変形例を示す模式図である。 本発明の蛍光観察装置の他の変形例を示す模式図である。
符号の説明
A 試料
E 励起光
F 蛍光
L,L1 レーザ光(励起光)
1 蛍光観察装置
2,31 パルス光源装置
3 対物レンズ
4 ダイクロイックミラー
5 撮像素子
10 光源
12,33 変調装置
15 スリット
16 ディスク(回転ディスク)
17 モータ
22A,22B ストロボ光源
23 切替装置
32,32A,32B 連続発光光源
33A,33B 高速変調素子(変調装置)

Claims (6)

  1. パルス列状の励起光を発生して試料に照射するパルス光源装置と、
    試料において発生した蛍光を撮像する撮像素子とを備え、
    前記パルス光源装置が、前記撮像素子の1コマの撮像時間内に、該撮像素子の各画素に対応する試料の各位置に複数回のパルス状の励起光を照射する蛍光観察装置。
  2. 前記パルス光源装置が、光源と、該光源から発せられた光を複数のパルス列状の光に変調する変調装置とを備える請求項1に記載の蛍光観察装置。
  3. 前記変調装置が、複数のスリットまたはピンホールを有し、前記光源から対物レンズに向かう光軸を遮るように配置されるディスクと、該ディスクを光軸に略平行な軸線回りに回転させる回転手段とを備える請求項2に記載の蛍光観察装置。
  4. 前記光源が、連続発光光源からなり、
    前記変調装置が、前記連続発光光源からの連続光を変調してパルス列状の光を形成する請求項2に記載の蛍光観察装置。
  5. 前記光源が、同一周期で位相の異なるパルス列状の光を発生する複数のストロボ光源からなり、
    前記変調装置が、前記複数のストロボ光源からのパルス列状の光を合成する切替装置からなる請求項2に記載の蛍光観察装置。
  6. 前記パルス光源装置が、パルス列状のレーザ光を出射し、
    前記パルス光源装置から出射されたレーザ光からスペックルノイズを除去するレーザスペックル除去装置が備えられている請求項1から請求項4のいずれかに記載の蛍光観察装置。
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