JP2006225539A - フェノール樹脂成形材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 機械的強度、耐熱性、寸法安定性、特にウェルド部への強度保持及び薄肉部の強度に優れたフェノール樹脂成形材料を提供する。
【解決手段】 ゲル濾過クロマトグラフの面積法による測定でフェノール類モノマーとフェノール類ダイマーの合計含有量が10%以下、かつゲル濾過クロマトグラフ測定による数平均分子量(Mn)が400〜800、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との分散比(Mw/Mn)が1.1〜2.0であり、メチレン基のオルソ/パラ結合比が0.9以下であるノボラック型フェノール樹脂100質量部に対し、ガラス繊維を含む無機充填材100〜180質量部を配合してなるフェノール樹脂成形材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、主として自動車部品をはじめとする各種金属製部品の代替化に好適なフェノール樹脂成形材料に関するものである。
フェノール樹脂成形材料は、耐熱性、寸法精度、機械的強度及びコストのバランスに優れた材料として、各分野において幅広く用いられている。しかしながら、近年の自動車産業においては、燃費向上を目的とした小型・軽量化、デザイン設計の自由度向上等、金属製部品のプラスチック代替化に際しての要求がますます厳しくなっており、従来のフェノール樹脂成形材料ではその性能が限界のところまできているのが実状である。今後更に金属代替を進めるためには、従来のガラス繊維強化フェノール樹脂成形材料にない、小型・軽量化に対応可能な薄肉強度、および材料強度面で制約の必要なウェルド部への考慮を不要とする高耐ウェルド強度を有することが求められている。
特許文献1には、フェノール樹脂成形材料中にポリビニルアセタールを添加しウェルド強度を向上させたフェノール樹脂成形材料が提案されている。しかしながら、この成形材料では、熱可塑性成分を添加するため、耐熱性の低下、並びにフェノール樹脂成形材料の特徴である剛性、クリープ特性の低下が予想され、自動車のエンジン、トランスミッション内の高温にさらされる部品の樹脂化には実用的ではない。
特開2002−212388公報
本発明は、以上のような問題点に鑑みなされたものであり、常温及び熱時におけるウェルド強度・薄肉部強度等の機械的強度、特に熱時におけるウェルド強度、常温における薄肉部強度に優れ、さらに耐熱性、寸法安定性に優れたフェノール樹脂成形材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を克服するために鋭意研究した結果、特定のノボラック型フェノール樹脂と、ガラス繊維を含む無機充填材とを、特定の割合で配合することによって、目的とする成形材料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のフェノール樹脂成形材料は、ゲル濾過クロマトグラフの面積法による測定でフェノール類モノマーとフェノール類ダイマーの合計含有量が10%以下、かつゲル濾過クロマトグラフ測定による数平均分子量(Mn)が400〜800、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との分散比(Mw/Mn)が1.1〜2.0であり、メチレン基のオルソ/パラ結合比が0.9以下であるノボラック型フェノール樹脂100質量部に対し、ガラス繊維を含む無機充填材100〜180質量部を配合してなることを特徴とする。
本発明のフェノール樹脂成形材料は、常温及び熱時におけるウェルド強度・薄肉部強度等の機械的強度、特に熱時におけるウェルド強度、常温における薄肉部強度に優れ、さらに耐熱性、寸法安定性に優れている。したがって、この成形材料から得られる成形部品は、機械的強度、耐熱性及び寸法精度の要求される自動車部品をはじめとする各種金属製部品の小型・軽量化及び複雑形状部品の樹脂化代替に好適に使用される。
本発明において用いられるノボラック型フェノール樹脂は、ゲル濾過クロマトグラフの面積法による測定でフェノール類モノマーとフェノール類ダイマーの合計含有量が10%以下、好ましくは5%以下である。
また、本発明で用いられるノボラック型フェノール樹脂は、ゲル濾過クロマトグラフ測定による数平均分子量(Mn)が400〜800、好ましくは500〜700、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との分散比(Mw/Mn)が1.1〜2.0、好ましくは1.1〜1.5である。
また、本発明において用いられるノボラック型フェノール樹脂は、メチレン基のオルソ/パラ結合比が0.9以下、好ましくは0.86以下である。ここで、オルソ/パラ結合比とは、メチレン基のフェノール水酸基に対する結合位置を示す、オルソ結合メチレン基数とパラ結合メチレン基数との比(オルソ結合/パラ結合)であり、13C−NMRにより測定された値である。オルソ/パラ結合比が0.9以下であれば、常温及び熱時におけるウェルド強度・薄肉部強度等の機械的強度、特に熱時におけるウェルド強度、常温における薄肉部強度を改善することができる。なお、13C−NMRの測定では、高磁場側からオルソ−オルソ結合、オルソ−パラ結合、パラ−パラ結合となる。
本発明で用いられるノボラック型フェノール樹脂は、特に限定はされないが、例えば、フェノール類と、フェノール類1モルに対して0.75モル以上、好ましくは0.80モル以上1.00モル以下のアルデヒド類とを、フェノール類100質量部に対して5質量部以上のリン酸類の存在下で不均一系反応させる工程を有する製造方法により製造することができる。
具体的には、原料としてフェノール類及びアルデヒド類、酸触媒としてリン酸類を必須とし、これらから形成される二相分離状態を機械的攪拌、超音波等によりかき混ぜ混合して、二相(有機相と水相)が交じり合った白濁状の不均一反応系において、フェノール類とアルデヒド類との反応を進めて縮合物(樹脂)を合成する。次に、例えば非水溶性有機溶剤(例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)を添加混合して該縮合物を溶解し、かき混ぜ混合を止めて静置し、有機相(有機溶剤相)と水相(リン酸水溶液相)とに分離させる。その後水相を除去して回収を図る一方、有機相については湯水洗及び/又は中和した後、有機溶剤を蒸留回収することによって製造することができる。
原料として用いるフェノール類としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、ブチルフェノール、フェニルフェノール等が挙げられる。一方、アルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられる。これらの原料は、いずれも例示に限定はされず、またそれぞれ、単独で又は2種以上を併用してもよい。
アルデヒド類(F)とフェノール類(P)の配合比(F/P)がモル基準で0.75モル以上であれば、本発明で用いられるノボラック型フェノール樹脂を高収率で製造することができる。
また、酸触媒として用いるリン酸類は、水の存在下、フェノール類との間で相分離反応の場を形成する重要な役割を果すものであるため、好ましくは水溶液タイプ、例えば89質量%リン酸、75質量%リン酸などが用いられるが、必要に応じて例えばポリリン酸、無水リン酸などを用いてもよい。
リン酸類の配合量は、相分離効果の制御に大きく影響を与えるが、一般的にはフェノール類100質量部に対して5質量部以上、好ましくは25質量部以上、より好ましくは50質量部以上である。配合量が5質量部未満では、低分子量成分が低減されずに高分子量成分の生成が促進されるため、分子量分布幅が広くなる傾向がある。なお、70質量部以上のリン酸を使用する場合には、反応系への分割投入により、反応初期の発熱を抑えて安全性を確保することが望ましい。
相分離反応の促進という観点から、反応補助溶媒としての非反応性含酸素有機溶媒を用いることが好ましい。反応補助溶媒としては、アルコール類、多価アルコール系エーテル、環状エーテル類、多価アルコール系エステル、ケトン類、スルホキシド類からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の一価アルコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の二価アルコール、グリセリン等の三価アルコールが挙げられる。
多価アルコール系エーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノペンチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル等のグリコールエーテル類が挙げられる。
環状エーテル類としては、例えば、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン等が挙げられ、多価アルコール系エステルとしては、例えば、エチレングリコールアセテート等のグリコールエステル類等が挙げられ、ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、スルホキシド類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等が挙げられる。
これらの中でも、メタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、1,4−ジオキサンなどが特に好ましい。
反応補助溶媒は、上記の例示に限定されず、上記の特質を有し、かつ反応時に液体を呈するものであれば固体でも使用することができるし、またそれぞれを単独で又は2種以上を併用してもよい。反応補助溶媒の配合量としては特に限定はされないが、フェノール類100質量部に対して5質量部以上、好ましくは10〜200質量部である。
また、反応系中の水の量は、相分離効果、生産効率に影響を与えるが、一般的には質量基準で40%以下である。水の量が40%を超えると生産効率が低下する可能性がある。
また、フェノール類とアルデヒド類との反応温度は、相分離効果を高める上で重要であり、一般的には40℃〜還流温度、好ましくは80℃〜還流温度、より好ましくは還流温度である。反応温度が40℃未満であると反応時間が極めて長くなる上、低分子量成分の低減化ができない。なお、反応時間としては、反応温度、リン酸の配合量、反応系中の含水量などにより異なるが、一般的には1〜10時間程度である。また、反応環境としては、常圧が好適であるが、本発明の特徴である不均一反応を維持するならば、加圧下又は減圧下で反応を行なってもよい。
本発明で用いられる無機充填材は、ガラス繊維を含む。無機充填材におけるガラス繊維の含有量は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%である。ガラス繊維含有量が50質量%以上であれば、機械的強度を十分に発現する。
ガラス繊維以外の無機充填材は特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、クレー、珪酸カルシウム、タルクなどを挙げることができ、これらを1種類使用してもよいし、2種類以上を使用してもよい。
無機充填材の配合量は、ノボラック型フェノール樹脂100質量部に対して100〜180質量部、好ましくは120〜160質量部である。無機充填材が100質量部以上であれば機械的強度、寸法安定性に優れ、180質量部以下であれば適度な溶融粘度を有し、十分なウェルド強度、薄肉部強度を有する。
本発明のフェノール樹脂成形材料には、所望により従来フェノール樹脂成形材料において慣用されている各種添加剤、例えば、ヘキサメチレンテトラミンなどの硬化剤、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸亜鉛などの離型剤、酸化マグネシウムなどの硬化促進剤、カップリング剤、溶剤等を配合することができる。
本発明のフェノール樹脂成形材料の製造方法は特に限定はされないが、加圧ニーダー、二軸押出機、ヘンシェルミキサー、ミキシングロール等で加熱混練した混練物をパワーミル等を用いて粉砕して製造される。また、こうして得られた成形材料は射出成形、トランスファー成形及び圧縮成形等のいずれにも適用することができる。
本発明の成形材料が、常温及び熱時におけるウェルド強度・薄肉部強度等の機械的強度、特に熱時におけるウェルド強度、常温における薄肉部強度に優れ、さらに耐熱性、寸法安定性に優れている理由としては、フェノールモノマー及びダイマー成分が少なく分散比の小さいノボラック型フェノール樹脂を用いることによって成形材料の溶融粘度を下げることができ、その結果、樹脂の硬化反応が進行する前にウェルド部に材料が充分流動して材料同士が接着するため、及び薄肉部まで均一に材料が流動して充填性が優れるためであるものと思われる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例に記載の「部」及び「%」は、特に断らない限り「質量部」及び「質量%」を示す。
[ノボラック型フェノール樹脂(1)の製造]
温度計、攪拌装置、コンデンサーを備えた反応容器内に、フェノール(P)を193部、92%パラホルム(F)を57部(F/P=0.85)、89%リン酸を116部(60%/P)、エチレングリコール96.5部(50%/P)を仕込んだ後、攪拌混合により形成される白濁状態(二相混合物)のもとで、徐々に還流温度まで昇温し、さらに同温度で10時間縮合反応を行なってから反応を停止した。次いで、攪拌混合しながらメチルイソブチルケトンを添加して縮合物を溶解した後、攪拌混合を停止して内容物を分液フラスコ内に移して静置し、メチルイソブチルケトン溶液層(上層)とリン酸水溶液層(下層)に分離させた。次いで、リン酸水溶液層を除去し、メチルイソブチルケトン溶液を数回水洗してリン酸を除いた後、再び内容物を反応容器内に戻し、減圧蒸留によりメチルイソブチルケトンを完全に除去してノボラック型フェノール樹脂(1)213.5部を得た。
[ノボラック型フェノール樹脂(2)の製造]
温度計、攪拌装置、コンデンサーを備えた反応容器内に、フェノールを193g、37質量%ホルマリンを142g(F/P=0.85)、蓚酸を0.97g(0.5%/P)を仕込んだ後、徐々に還流温度(98〜102℃)まで昇温して同温度で6時間縮合反応を行い、減圧濃縮してノボラック型フェノール樹脂(2)199g(収率103%/P)を得た。
[ノボラック型フェノール樹脂(3)の製造]
温度計、攪拌装置、コンデンサーを備えた反応容器内に、フェノール193部、1−ヒドロキシエタン−1,1‘−ジホスホン酸1水和物(95%以上、キシダ化学(株)製)116部を添加し、内温を120℃まで昇温した後、92%パラホルムアルデヒド53.5部(F/P=0.80)を30分かけて逐次添加した後、2時間還流反応を行った。
その後、水97部を加え、内温100〜103℃で30分攪拌した後、内温を60℃まで冷却し、30分放置した。静置後、反応容器底部から1−ヒドロキシエタン−1,1‘−ジホスホン酸水溶液を分離除去した。分離終了後、水193部を追加し、残留する触媒を洗浄した。30分放置後、反応容器上部より先浄水を除去した。再度、脱水配管へ切り替え、内温130℃まで常圧脱水を行い、続けて内温150℃まで5000Paで減圧脱水を行い、系中の水分を除去して、ノボラック型フェノール樹脂189部(収率98%/P)を得た。
[ノボラック型フェノール樹脂の特性]
得られたノボラック型フェノール樹脂の特性を下記の試験法により測定した。結果を表1に示す。なお、表1中の「N.D.」は、検出されなかったことを意味する。
(I)分散比
東ソー株式会社製ゲル濾過クロマトグラフSC−8020シリーズビルドアップシステム(カラム:G2000Hxl+G4000Hxl、検出器:UV254nm、キャリヤー:テトラヒドロフラン1ml/min、カラム温度:38℃)測定による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を求めて分散比(Mw/Mn)を算出した。
(II)フェノール類モノマー及びフェノール類ダイマーの含有量(%)
分子量分布の全面積に対するフェノール類モノマーとフェノール類ダイマーの面積を百分率で表示する面積法によって測定した。
(III)オルソ/パラ結合比
核磁気共鳴装置(バリアン社製:INOVA 400)を用い、13C−NMR(100MHz、溶媒:重メタノール−d4)を測定し、次式により算出した。
オルソ/パラ結合比=(a+1/2×b)/(c+1/2×b)
a:オルソ−オルソ結合メチレン吸収帯(30.4〜32.4ppm)の積分値
b:オルソ−パラ結合メチレン吸収帯(35.2〜36.8ppm)の積分値
c:パラ−パラ結合メチレン吸収帯(40.4〜42.0ppm)の積分値
Figure 2006225539
<実施例1>
表2に示す様に、ノボラック型フェノール樹脂(1)100部、無機充填材として、ガラス繊維(日東紡績(株)製、基準繊維径:11μm、平均繊維長:3mm)150部、ヘキサメチレンテトラミン16部、離型剤その他11部を配合し均一混合した。その後、熱ロールにて均一に加熱混練してシート状にし、冷却後パワーミルで粉砕しグラニュール状の成形材料を得た。
得られた成形材料を以下の条件で射出成形し、試験片を得た。
シリンダー温度:前95℃、後部40℃
金型温度:175℃
硬化時間:60秒
得られた試験片について、180℃×8時間のアフターキュアを行い、曲げ強度、曲げウェルド強度、薄肉曲げ強度、収縮率、シャルピー衝撃強さについて評価し、さらに200℃×1000時間の長期耐熱性試験を行った。その結果を表3に示す。なお各種特性評価については、下記に基づいて実施した。
(1)曲げ強度、曲げウェルド強度、薄肉曲げ強度
JISK7203規格に準じて測定。試験片としては下表に示すものを用いた。
Figure 2006225539
(2)収縮率
JISK6911規格に準じて測定(試験片:直径80mmの円板)。
(3)シャルピー衝撃強さ
JISK6911規格に準じて測定(試験片:90×15×15mm)。
(4)溶融粘度
高下式フローテスター試験機(島津製作所(株)製)にて、以下の測定条件で測定。
ダイス径:1.5mm、荷重:14.7MPa(150kgf/cm2)、温度:95℃
(5)曲げウェルド強度保持率
200℃×1000時間処理後の曲げウェルド強度の初期値に対する保持率。
(6)薄肉曲げ強度保持率
200℃×1000時間処理後の薄肉曲げ強度の初期値に対する保持率。
<実施例2、比較例1〜4>
配合割合を表3に示すように組成を変えた以外は実施例1と同様にして実施し、成形材料を製造し、評価した。結果を表3に示す。
Figure 2006225539
表3から明らかなように、実施例で得られたフェノール樹脂成形材料は、機械的強度に優れ、ウェルド部及び薄肉部においても高い強度保持率を示した。

Claims (3)

  1. ゲル濾過クロマトグラフの面積法による測定でフェノール類モノマーとフェノール類ダイマーの合計含有量が10%以下、かつゲル濾過クロマトグラフ測定による数平均分子量(Mn)が400〜800、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との分散比(Mw/Mn)が1.1〜2.0であり、メチレン基のオルソ/パラ結合比が0.9以下であるノボラック型フェノール樹脂100質量部に対し、ガラス繊維を含む無機充填材100〜180質量部を配合してなることを特徴とするフェノール樹脂成形材料。
  2. 前記無機充填材におけるガラス繊維の含有量が70質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載のフェノール樹脂成形材料。
  3. 前記ノボラック型フェノール樹脂が、フェノール類とアルデヒド類とを、フェノール類100質量部に対して5質量部以上のリン酸類の存在下で不均一系反応させて得られたものであることを特徴とする請求項1または2に記載のフェノール樹脂成形材料。
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