JP2006220131A - 可変ノズルターボチャージャ及びそれを備えた内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、バリアブルノズル(VN)機構近傍での煤の堆積を抑止し、VN機構によるタービン効率向上を確実に実現するターボチャージャを提供すること。
【解決手段】 本発明は、コンプレッサホイール60と、コンプレッサホイール60と回転軸62を共有するタービンホイール61と、複数の可変ベーン67を有するVN機構67〜71と、これらを内部に収納するハウジング63,65,66と、ハウジング63,65,66内部又は外表面に配設され、冷却液が循環される冷却液循環路73とを備えており、VN機構67〜71と冷却液循環路73との間に断熱層74が形成されている。断熱層74によって、VN機構67〜71近傍の温度低下抑止によって排気ガス中の燃料成分の煤化を抑止し、VN機構67〜71を確実に作動させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、バリアブルノズル機構を備えた可変ノズルターボチャージャに関する。
エンジン(内燃機関)の吸気通路上にコンプレッサホイールを配すると共に、このコンプレッサホイールと回転軸を共有するタービンホイールを排気通路上に配設し、排気エネルギーを利用して吸入空気の過給を行うターボチャージャはよく知られている。また、ターボチャージャにおいて、タービンホイールへの排気流入部に複数の可変ベーンを設け、流速を制御してタービン効率を向上させるバリアブルノズル機構もよく知られている。
実開昭61−65203号公報
排気ガス中には、未燃燃料成分が含まれている場合がある。また、排気浄化触媒の早期暖機のためや、ディーゼルエンジンにおいて排気ガス中に含まれるPM(Paticulate Matter:粒子状物質)を捕集・燃焼させるDPNR触媒でのPM燃焼促進のために、排気ガス中に燃料成分を添加する場合もある。このような排気ガス中の燃料成分が排気通路内壁によって冷やされると、内壁面上に液滴として析出してこれが煤化し、生成された煤は堆積する。
バリアブルノズル機構は、上述したようにタービンホイールへの排気流入部近傍に配設されることとなるが、この付近には、ターボユニット自体の冷却のためや、タービンホイールの回転軸の焼き付きを防止するために、冷却液の循環路も配置される。この冷却液循環路によって、バリアブルノズル機構近傍も冷却されることとなり、排気ガス中の燃料成分の煤化が起こりやすい。生成され、堆積した煤は、バリアブルノズル機構の動きを渋くしてしまう。従って、本発明の目的は、バリアブルノズル機構、及び、その近傍での排気ガス中の燃料成分の煤化及びその堆積を防止し、バリアブルノズル機構によるタービン効率向上を確実に実現することのできるターボチャージャを提供することにある。また、本発明のもう一つの目的は、ターボチャージャの上流側で排気ガスに燃料成分を添加しつつも、バリアブルノズル機構、及び、その近傍での排気ガス中の燃料成分の煤化及びその堆積を防止し、バリアブルノズル機構によるタービン効率向上を確実に実現することのできる内燃機関を提供することにある。
請求項1に記載の可変ノズルターボチャージャは、吸気通路上に配されたコンプレッサホイールと、排気通路上に配設され、コンプレッサホイールと回転軸を共有するタービンホイールと、タービンホイール近傍に配され、開度を可変制御可能な複数のベーンを有するバリアブルノズル機構と、コンプレッサホイール、タービンホイール、及び、バリアブルノズルを内部に収納するハウジングと、ハウジング内部又はその外表面に配設され、冷却液が循環される冷却液循環路とを備えているもので、バリアブルノズル機構と冷却液循環路との間に断熱層が形成されていることを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の可変ノズルターボチャージャにおいて、ハウジングが、回転軸を収納すると共に、内部に冷却液が形成されたセンターハウジングと、タービンホイールを収納するタービンハウジングとを有し、バリアブルノズル機構がセンターハウジングとタービンハウジングとの接合部近傍に配設されており、断熱層が、センターハウジング内に形成された気体室によって形成されていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の可変ノズルターボチャージャにおいて、気体室が、センターハウジングのタービンハウジング側表面と、センターハウジング及びタービンハウジングとの間に挟み込まれるシュラウドプレートとの間に形成されていることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の可変ノズルターボチャージャにおいて、ハウジングが、回転軸を収納すると共に、内部に冷却液が形成されたセンターハウジングと、タービンホイールを収納するタービンハウジングとを有し、バリアブルノズル機構がセンターハウジングとタービンハウジングとの接合部近傍に配設されており、断熱層が、センターハウジングのタービンハウジング側表面に形成させたセラミック系被膜層によって形成されていることを特徴としている。
請求項5に記載の内燃機関は、請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の可変ノズルターボチャージャを備え、排気通路上の可変ノズルターボチャージャの上流側に、排気通路中を流れる排気ガスに対して燃料を添加する燃料添加手段を備えていることを特徴としている。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の内燃機関において、排気通路上の可変ノズルターボチャージャの下流側に、DPNR触媒が配設されていることを特徴としている。
請求項1に記載の可変ノズルターボチャージャによれば、断熱層によってバリアブルノズル機構周辺の排気通路内壁面温度の低下を抑止し、煤の析出・堆積を抑止する。排気通路内壁面の温度が低いと、排気ガス中の燃料成分はこの内壁面上に液滴として析出し、内壁面上でそのまま燃焼して煤化してしまう。バリアブルノズル機構近傍は、ターボユニット自体やタービン/コンプレッサホイールの回転軸を冷却する機構(冷却液循環路など)によって排気通路内壁面温度が低下しやすく、排気ガス中の燃料成分の煤化が生じやすく、この煤によってバリアブルノズル機構の正常動作が阻害されやすい。
本発明では、上述した断熱層を設けることによってバリアブルノズル機構近傍の排気通路内面の温度低下を抑止し、排気ガス中の燃料成分がバリアブルノズル機構の排気通路内面に液滴として析出することを防止する。この結果、バリアブルノズル機構近傍での煤の生成・堆積を抑止でき、バリアブルノズル機構によるタービン効率向上を確実に実現することができる。なお、冷却液循環路としては、例えば、ターボユニット(主として、タービン/コンプレッサの回転軸)を冷却するための冷却水を循環させるウォータージャーナルや、回転軸の潤滑・冷却を行うオイルを循環させるオイルジャーナルなどが挙げられる。
請求項2に記載の可変ノズルターボチャージャによれば、断熱層が気体室によって形成される。気体室が形成されることで、この気体室が断熱層として機能し、ノズルベーン可変機構室内の温度低下を抑止する。なお、気体室のセンターハウジング側は、上述した冷却液通路によって冷却され、回転軸のベアリングなどが冷却されて回転軸の焼き付きなどが防止される。断熱層を気体室として形成させるため、簡便な構造で煤の生成・堆積を防止できる。また、通常は、この気体室には排気ガスが充填されることとなるが、排気ガスの高温によって気体室の断熱効果(タービンホイール側の排気通路内面の温度低下抑止効果)はより向上する。
請求項3に記載の可変ノズルターボチャージャによれば、上述した気体室を、センターハウジングとタービンハウジングの間に挟み込むシュラウドプレートで形成させるため、簡便な構造で煤の生成・堆積を防止できる。また、シュラウドプレートは、センターハウジングとタービンハウジングとを締結する際に間に挟み込むだけでよく、組み立ても容易である。また、シュラウドプレート自体の製造も容易である。
請求項4に記載の可変ノズルターボチャージャによれば、上述した断熱層を、センターハウジングのタービンハウジング側表面に形成させたセラミック系被膜層によって形成させている。予めセンターハウジングにセラミック系被膜層を形成させておくだけで断熱層を形成させることができ、簡便な構造で煤の生成・堆積を防止できる。また、構造的に簡単となり、組み立ても容易である。
請求項5に記載の内燃機関によれば、ターボチャージャの上流側で排気通路内に燃料添加を行っても、断熱層が形成されているため、煤の生成・堆積を効果的に防止できる。ターボチャージャの上流側で排気通路内に燃料添加を行う場合は、排気ガス中の燃料成分が増加するが、本発明によれば、このときの煤の抑制効果を顕著に享受することができる。この結果、バリアブルノズル機構によるタービン効率向上を確実に得ることができる。なお、排気ガス中への燃料添加は、例えば、排気通路上の排気浄化触媒の早期暖機や、排気通路上のDPNR触媒におけるPM燃焼促進(特に排気温が低い時)といった目的で行われる。
請求項6に記載の内燃機関によれば、上述したように、煤の発生を抑えつつ、排気ガスに燃料成分を添加することができる。また、DPNRでのPM燃焼促進のためには、排気ガスに添加する燃料成分を十分に霧化させると共に、排気ガスと十分に撹拌することが効果的である。このため、本発明によれば、煤の発生を抑止しつつ、排気ガス温度が高いターボチャージャ上流で燃料添加を行えるため、添加燃料成分を十分に霧化させることができる。また、煤の発生を抑止しつつ、ターボチャージャ上流で燃料添加を行うため、タービンによって添加燃料成分と排気ガスとを十分に撹拌することができる。
本発明の可変ノズルターボチャージャと、このターボチャージャを備えたエンジン(内燃機関)の一実施形態について以下に説明する。図1に、本実施形態のエンジンの構成図を示す。また、図2に、図1に組み込まれたターボチャージャユニット(以下、ターボユニットとも言う)の断面図を示す。
エンジン1は、ターボチャージャ付のディーゼルエンジンである。エンジン1は四気筒エンジンであり、四つのシリンダ2を備えている。各シリンダ2には吸気通路3と排気通路4とが接続されている。吸気通路3上には、その上流側からエアフロメータ5、追って詳しく説明するターボユニット6のコンプレッサ部分、インタークーラ7、及びスロットルバルブ8が配設されている。インタークーラ7は、ターボユニット6による過給による圧力上昇に伴って温度上昇した吸入空気の温度を下げ、吸入空気の密度を上げるためのものである。スロットルバルブ7は、主として後述するEGR制御のために吸入空気量を調節してEGR率を調節するために利用される。エンジン1はディーゼルエンジンであり、出力調整は主に吸入空気量ではなく燃料噴射量によって制御される。
排気通路上4には、ターボユニット6のタービン部分、NSR触媒(NOx strage−reduction catalyst)9、DPNR触媒(Diesel Paticulate−NOx Reduction catalyst)10、酸化触媒11が配設されている。NSR触媒9は、排気空燃比がリーンの時に排気ガス中のNOxを吸蔵し、排気空燃比がリッチになった時に吸蔵していたNOxを還元させて排気ガス中のNOxの浄化を行うものである。DPNR触媒10は、排気ガス中のPM(Paticulate Matter:粒子状物質)を捕集し、これを排気ガス中のNOxと同時に浄化するものである。このとき、PMは酸化燃焼され(同時にCOやHCを酸化可能な場合もある)、NOxは還元される。酸化触媒11は、排気ガス中のCOやHC(炭化水素)を酸化して浄化するものである。
また、排気通路4上には、NSR触媒9の上流側とDPNR触媒10の下流側との差圧を検出する差圧センサ12が配設されている。この差圧センサ12で、DPNR触媒10のPMによる目詰まりを検出する。さらに、NSR触媒9の上流側とDPNR触媒10の下流側とには、排気温センサ13がそれぞれ配設されている。またさらに、酸化触媒11の上流側には、空燃比センサ14が配設されている。空燃比センサ14は、排気空燃比をリニアに検出することのできるセンサである。
排気通路4から吸気通路3にかけては、排気ガスを還流させるEGR通路15が配設されている。EGR通路15上には、還流排気ガス量(EGR量)を調節するためのEGRバルブ16が設けられている。EGRバルブ16の排気通路4側には、還流排気ガスの温度を下げて還流排気ガスの密度を上げるためのEGRクーラ17が配設されている。このEGR機構によって排気ガスを還流させることで、NOxの排出量を低減させる。
また、各シリンダ2には、インジェクタ19がそれぞれ配されている。各インジェクタ19は、一つのコモンレール20に接続されており、このコモンレール20から供給された燃料をシリンダ2内に噴射する。コモンレール20は、燃料送出部21に接続されている。燃料送出部21には、コモンレール内の燃料を高圧にするためのポンプなどが内蔵されている。この燃料送出部21には、排気通路4上に燃料を添加する排気用インジェクタ22も接続されている。排気用インジェクタ22は、各シリンダ2の排気ポートが一つにまとめられた場所に配設されている。
排気用インジェクタ22の用途について簡単に説明する。近年、ディーゼルエンジンにおけるPMの排出抑制が強く要望されている。これを実現するものとして上述したDPNR触媒10においてPMを燃焼させるシステムが実用化されてきている。このとき、DPNR触媒10でのPM燃焼促進のために排気ガス中に燃料成分を添加することが行われる場合があり、本実施形態の排気用インジェクタ22はこのためのものである。また、ディーゼルエンジンでは、効率向上のために本実施形態のようにターボチャージャが用いられることがよくある。排気用インジェクタ22によって排気ガスに燃料を添加してPMの燃焼を促進する場合、添加燃料は排気ガスと十分に混ざり合うと共に、十分に霧化することが好ましい。このようなことを考えると、燃焼後の排ガス中に添加される燃料成分は、できるだけ上流側の排ガス温度が高い位置で排気ガスに添加され、かつ、ターボチャージャ6のタービンで十分に撹拌されることが好ましい。このため、本実施形態の排気用インジェクタ22は、ターボユニット6の上流に配設されている。
次に、図2を参照しつつターボユニット6について説明する。
ターボユニット6の内部には、両端にコンプレッサホイール60及びタービンホイール61とを有する回転軸62が貫通して配されている。回転軸62は、センターハウジング63内に収納されており、フルフロートタイプの一対のベアリング64を介してセンターハウジング63に回転可能に保持されている。コンプレッサホイール60は、センターハウジング63の一端に結合されたコンプレッサハウジング65内に収納されている。なお、コンプレッサハウジング65は複数の部材によって構築されている。また、タービンホイール61は、センターハウジング63の他端に結合されたタービンハウジング66内に収納されている。これらのセンターハウジング63、コンプレッサハウジング65、及び、タービンハウジング66によって、ターボユニット6のハウジングが構成されている。
また、タービンハウジング66のセンターハウジング63寄りには、バリアブルノズル機構が配設されている。バリアブルノズル機構は、図2及び図3に示されるように、タービンホイール61への排気流入部に配置された複数のベーン67、ベーン67を軸68を介して揺動可能に保持するノズルプレート69、各軸68の端部に固定されたアーム70を介して軸68を回転させるユニゾンリング71などからなる。ユニゾンリング71が回転されると、ユニゾンリング71と係合しているアーム70が軸68を中心にして揺動され、軸68の回動によってベーン67の開度が変わる。ユニゾンリング71は、リンク72を介してターボユニット6の外部から回転される。リンク72の回動軸72aの端部に固定されたアーム72bを外部から揺動させることで、アーム72bと係合するユニゾンリング71を回転させることができる。
図3の(a)は図2中左方よりバリアブルノズル機構を見た図であり、図3(b)は図2中右方よりバリアブルノズル機構を見た図である。例えば、図3に示されるように、リンク72を矢印に示すように駆動してアーム72bを揺動させると、これに伴ってユニゾンリング71は矢印に示すように(図3(a)では反時計回り、図3(b)では時計回り)回転する。さらに、このユニゾンリング71の回転によって、各軸68が矢印に示すように(図3(a)では反時計回り、図3(b)では時計回り)回転される。このようにすると、ベーン67の開度は閉じ側に制御される。
さらに、センターハウジング63内には、回転軸62の焼き付きを防止するために、ベアリング64近傍を冷却するウォータジャケット(冷却液循環路)73が形成されている。さらに、このウォータジャケット73と上述したベアリング機構(及びタービンホイール61)との間には、断熱層としての気体室74が形成されている。気体室74は、センターハウジング63のタービンハウジング66側の表面と、センターハウジング63及びタービンハウジング66の間に挟み込まれたシュラウドプレート75との間に形成されている。
上述したように、排気ガス中には、燃え残った未燃燃料分が含まれることがあり、これがバリアブルノズル機構近傍で煤化してしまうことがある。バリアブルノズル機構は、既に説明したように多くの可動部分を有しており、煤が付着・堆積することでその動作が渋くなっってしまい、好適な過給制御を行えなくなってしまう。この煤化は、排気ガス中のバリアブルノズル機構自体やその近傍で燃料成分が冷やされてしまうことで発生する。特に、バリアブルノズル機構の近傍には、ベアリング64周辺を冷却するウォータジャケット73が配置されており、バリアブルノズル機構近傍は冷却されやすい。そこで、本実施形態では、上述した気体室74を設けることで、ウォータジャケット73によるバリアブルノズル機構近傍の冷却を抑制し、排気ガス中の燃料成分のバリアブルノズル機構近傍での煤化を抑制し、バリアブルノズル機構が良好に動作するようにしている。
気体室74には、熱を伝えにくい気体、ここでは排気ガスで満たされており、ウォータジャケット73による冷却はこの気体室74で遮られ、これよりもタービン側は冷却されなくなる(冷却効果は少なくなる)。このため、シュラウドプレート75の表面温度は高い温度に維持され、また、バリアブルノズル機構を構成する各部材自体の温度低下も抑止される。この結果、バリアブルノズル自体やその近傍における、排気ガス中の燃料成分の煤化が抑止され、バリアブルノズル機構は好適に作動する。特に、本実施形態の場合は、気体室74を満たす気体が高温の排気ガスであるため、断熱層としての気体室74の断熱効果(バリアブルノズル機構やその近傍の温度低下抑止効果)が高い。
また、燃料成分がバリアブルノズル近傍で煤化しなくなる(煤化が抑制される)ため、DPNR触媒10に到達する燃料成分が多くなり、DPNR触媒10でのPM燃焼をより一層促進する効果もある。さらに、排気ガス中の燃料成分の煤化を抑制してバリアブルノズル機構の動作を阻害することがないため、排気ガス中に添加した燃料成分をターボユニット6で排気ガスと十分に撹拌させることができ、この点からもDPNR触媒10でのPM燃焼をより促進させることができる。
図4に、ターボユニット6の別の実施形態を示す。本実施形態のターボユニットは、上述した実施形態のターボユニット6に準じる構造を備えている。このため、以下には、特に異なる部分について詳しく説明し、同一又は同等の構成部分については同一の符号を付してその説明を省略する。図4に示されるように、本実施形態では、断熱層を上述した実施形態における気体室74のように形成するのではなく、センターハウジング63のタービンハウジング66側の表面のセラミック系被膜層76によって形成させている。
このセラミック系被膜層76は、ターボユニット6の組み立て前にセンターハウジングに対して形成され、ターボユニット6の組み立て後はウォータジャケット73と上述したベアリング機構(及びタービンホイール61)との間に位置する。本実施形態のセラミック系被膜層76は、シリコン系の皮膜であり、溶射することでセンターハウジング63のタービンハウジング66側の表面上に形成されている。セラミック系被膜層76は熱伝導率が低く、断熱層として機能する。
このようなセラミック系被膜層を形成させることによっても、バリアブルノズル機構、及び、その近傍の温度低下を抑止でき、排気ガス中の燃料成分の煤化を抑止できる。以下に、本実施形態の効果を示す実験結果を示す。実験は、エンジン単体でのベンチテストによるもので、本実施形態のターボユニット6(本発明品)と、本実施形態のターボユニット6のセラミック系被膜層76が形成されていないターボユニット(従来品)とで、センターハウジング63のバリアブルノズル機構側の表面温度の差をタービン入口温度毎に計測した。この温度差が大きいほど(当然、本発明品の方が温度は高くなる)、煤の生成抑止効果が高いと言える。
実験に用いた本発明品におけるセラミック系被膜層76の溶射厚は0.5mm(含む下地層0.1mm)である。結果は、排気温度(タービン入口温度)800℃で52℃の温度差、同700℃で49℃、同600℃で40℃となった。また、これらの結果から、同300℃では25℃、同200℃では20℃となることが予測される。この結果からも分かるように、セラミック系被膜層76を形成させることで、バリアブルノズル機構、及び、その近傍の温度低下を抑止でき、煤の発生を抑止できる。
なお、DPNR触媒10でのPMの燃焼促進を考慮した場合、排気温度が低温であるほどPMの燃焼が生じにくいため、排気用インジェクタ22による排気ガスへの燃料添加は、排気ガス温度が低温(例えば、タービン入口温度で200〜300℃程度)である時に行われる。(排気温が十分に高ければ、排気ガスへの燃料添加を行わなくても、DPNR触媒10においてPMが十分に燃焼される場合がある。)また、排気温度が低温であると煤化も生じやすい。即ち、排気温が低温であるほど排気ガスへの燃料添加が行われる傾向にあると言えるが、本発明によれば、バリアブルノズル機構、及び、その周辺の煤の発生を効果的に抑止することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態はDPNR触媒10を備えたものであり、DPNR触媒10が比較的エンジン1本体に近い位置に配設されたいわゆるマニバータタイプのDPNRシステムを採用したものであった。しかし、DPNR触媒を車両床下に配設した、いわゆるアンダーフロアタイプのDPNRしシステムに採用することもできる。また、上述した実施形態は、DPNR触媒10でのPM燃焼促進のためにターボユニット6の上流に燃料成分を添加するものであった。しかし、このような排気ガスへの燃料添加を行わないものに対しても本発明は適用できる。排気ガスに対して燃料添加を行わないものであっても、燃焼後の未燃燃料成分が排気ガス中に含まれる場合があり、このような場合でも本発明は効果を発揮する。
また、上述した実施形態における冷却液循環路は、ターボユニット6(主として、コンプレッサホイール60及びタービンホイール61の回転軸62)を冷却する冷却水を循環させるウォータージャケット73である場合であった。しかし、冷却液循環路に循環される液体は、オイルなどの他の液体であってもよい。例えば、エンジン1本体の潤滑及び冷却を行うエンジンオイルをターボユニット6にパイプ(冷却液循環路)を介してターボユニット6の外表面上に沿って循環させてターボユニット6の冷却を行うことも可能である。
また、冷却液循環路は、上述した実施形態のようなウォータージャケット73ではなく、回転軸62の潤滑及び冷却を行う役割を持つオイル(主として上述したベアリング64に供給される)を循環させるオイルジャケットなどであってもよい。回転軸62の潤滑及び冷却を行うオイルを、ターボユニット6にパイプ(冷却液循環路)を介してターボユニット6の外表面上に沿って循環させてターボユニット6の冷却を行うことも可能である。なお、ターボユニット6冷却のために専用のオイルパンなどを設置してもよいし、エンジンオイルを利用してもよい。あるいは、上述したようなパイプを、冷却液循環路としてハウジングの内部に配設してもよい。
本発明のターボユニット及びこれを備えたエンジンの一実施形態の構成図である。 図1のエンジンにおけるターボユニットの断面図である。 バリアブルノズル機構の構造を説明する側面図である。 ターボユニットの他の例を示す断面図である。
符号の説明
1…エンジン(内燃機関)、2…シリンダ、3…吸気通路、4…排気通路、5…エアフロメータ、6…ターボユニット、7…インタークーラ、8…スロットルバルブ、9…NSR触媒、10…DPNR触媒、11…酸化触媒、19…インジェクタ、20…コモンレール、21…燃料送出部、22…排気用インジェクタ、60…コンプレッサホイール、61…タービンホイール、62…回転軸、63…センターハウジング、64…ベアリング、65…コンプレッサハウジング、66…タービンハウジング、67…ベーン、68…軸、69…ノズルプレート、70…アーム、71…ユニゾンリング、72…リンク、73…ウォータジャケット(冷却液循環路)、74…気体室(断熱層)、75…シュラウドプレート、76…セラミック系被膜層(断熱層)。

Claims (6)

  1. 吸気通路上に配されたコンプレッサホイールと、
    排気通路上に配設され、前記コンプレッサホイールと回転軸を共有するタービンホイールと、
    前記タービンホイール近傍に配され、開度を可変制御可能な複数のベーンを有するバリアブルノズル機構と、
    前記コンプレッサホイール、前記タービンホイール、及び、前記バリアブルノズルを内部に収納するハウジングと、
    前記ハウジング内部又は外表面に配設され、冷却液が循環される冷却液循環路とを備えた可変ノズルターボチャージャにおいて、
    前記バリアブルノズル機構と前記冷却液循環路との間に断熱層が形成されていることを特徴とする可変ノズルターボチャージャ。
  2. 前記ハウジングが、前記回転軸を収納すると共に、内部に前記冷却液循環路が形成されたセンターハウジングと、前記タービンホイールを収納するタービンハウジングとを有し、前記バリアブルノズル機構が前記センターハウジングと前記タービンハウジングとの接合部近傍に配設されており、
    前記断熱層が、前記センターハウジング内に形成された気体室によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の可変ノズルターボチャージャ。
  3. 前記気体室が、前記センターハウジングの前記タービンハウジング側表面と、前記センターハウジング及び前記タービンハウジングとの間に挟み込まれるシュラウドプレートとの間に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の可変ノズルターボチャージャ。
  4. 前記ハウジングが、前記回転軸を収納すると共に、内部に前記冷却液循環路が形成されたセンターハウジングと、前記タービンホイールを収納するタービンハウジングとを有し、前記バリアブルノズル機構が前記センターハウジングと前記タービンハウジングとの接合部近傍に配設されており、
    前記断熱層が、前記センターハウジングの前記タービンハウジング側表面に形成させたセラミック系被膜層によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の可変ノズルターボチャージャ。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の可変ノズルターボチャージャを備え、前記排気通路上の前記可変ノズルターボチャージャの上流側に、前記排気通路中を流れる排気ガスに対して燃料を添加する燃料添加手段を備えていることを特徴とする内燃機関。
  6. 前記排気通路上の前記可変ノズルターボチャージャの下流側に、DPNR触媒が配設されていることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関。
JP2005036759A 2005-02-14 2005-02-14 可変ノズルターボチャージャ及びそれを備えた内燃機関 Pending JP2006220131A (ja)

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