JP2006219506A - ラジカル重合性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ラジカル重合反応による硬化が阻害されることなく、ラジカル重合反応中の副反応により生成し放散されるホルムアルデヒドの量が低減されるラジカル重合性組成物を提供する。また、組成物のラジカル重合反応による硬化が阻害されることなく、組成物をラジカル重合させる時に放散されるホルムアルデヒドの量が低減されたラジカル重合硬化物の製造方法を提供する。
【解決手段】 ラジカル重合性化合物、ラジカル重合開始剤およびカテキンを含有するラジカル重合性組成物。上記組成物をラジカル重合させることを特徴とする、組成物をラジカル重合させる時に放散されるホルムアルデヒドの量が低減されたラジカル重合硬化物の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ホルムアルデヒドの放散量が低減されたラジカル重合性組成物に関するものである。また、組成物をラジカル重合させる時に放散されるホルムアルデヒドの量が低減されたラジカル重合硬化物の製造方法に関するものである。
近年、建材や家具などから人体に悪影響を及ぼす恐れがあると考えられるVOC(Volatile Organic Compound)が発生することにより、室内空気を汚染することが問題となっている。VOCの代表的なものとして、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン等が挙げられる。特にそれらの中でもホルムアルデヒドは、従来フローリング材などに用いられている合板材や家具類の接着材等に含有されており、原因物質の除去や物理的吸着による室内濃度の低減など様々な改良が進められている。たとえば合成樹脂にホルムアルデヒド等を吸収する成分が添加された組成物が知られている(特許文献1から3参照。)。
一方、ラジカル重合性組成物の硬化反応時にホルムアルデヒドが発生する場合がある。例えば、スチレンを使用した不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステルやメタクリル酸エステルを用いるメタクル系塗り床材等は、施工現場でラジカル重合開始剤として過酸化物を混合し、ラジカル重合させて硬化させる材料であるが、ラジカル重合反応中の副反応によりホルムアルデヒドが放散される場合がある。ラジカル重合性組成物は、単に公知のホルムアルデヒド吸収剤を組み合わせて使用した場合、ラジカル重合性が阻害される場合や、ホルムアルデヒド吸収効果が十分発揮されない場合があるという問題があった。
たとえばホルムアルデヒドを吸収する化合物としては、尿素、チオ尿素やこれら誘導体や、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウムなどの亜硫酸塩、メタノールアミンやエタノールアミンなどのアミン類や、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウムなどのアンモニウム塩、レゾルシンやピロガロール等のフェノール類、アセトアセトキシメチルメタクリレートのようなアセトアセトキシ基を含有する化合物、活性炭、ゼオライト、珪藻土などの多孔質材料がホルムアルデヒド等が知られている。これらアルデヒド吸収材は、塗料に配合され、空気中のホルムアルデヒドを吸着させる目的のものであり、ラジカル重合性組成物の硬化中に発生するアルデヒドを効率良く吸収するものではない(特許文献1から3参照。)。
すなわち、ラジカル重合反応による硬化が阻害されることなく、ラジカル重合反応中の副反応により生成し放散されるホルムアルデヒドの量が低減されるラジカル重合性組成物は知られていない。
特開平11−226100号公報 特開2000−37447号公報 特開2001−149456号公報
本発明は、ラジカル重合反応による硬化が阻害されることなく、ラジカル重合反応中の副反応により生成し放散されるホルムアルデヒドの量が低減されるラジカル重合性組成物を提供することを目的とする。また、組成物のラジカル重合反応による硬化が阻害されることなく、組成物をラジカル重合させる時に放散されるホルムアルデヒドの量が低減されたラジカル重合硬化物の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明のラジカル重合性組成物は、ラジカル重合性化合物、ラジカル重合開始剤およびカテキンを含有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明のラジカル重合性組成物は、請求項1に記載の発明において、ラジカル重合性化合物として、170℃〜350℃の温度でビニル単量体を重合させて得られ官能基Aを有する重合体Aとメタクリロイル基および官能基Bを有する化合物Bを原料として官能基Aと官能基Bを反応させて得られるメタクリロイル基を有する重合体Cを含有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明のラジカル重合性組成物は、請求項1または2に記載の発明において、ラジカル重合性化合物として、メタクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチルを含有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明のラジカル重合硬化物の製造方法は、請求項1から3のいずれかに記載のラジカル重合性組成物をラジカル重合させることを特徴とする。
ラジカル重合反応による硬化が阻害されることなく、ラジカル重合反応中の副反応により生成し放散されるホルムアルデヒドの量が低減されるラジカル重合性組成物が得られた。また、組成物のラジカル重合反応による硬化が阻害されることなく、組成物をラジカル重合させる時に放散されるホルムアルデヒドの量が低減されたラジカル重合硬化物の製造方法が提供された。
本明細書において、(メタ)アクリルとはアクリルまたはメタクリルを意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレートまたはメタクリレートを意味する。また、数平均分子量及び重量平均分子量は、溶剤としてテトラヒドロフランを使用し、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(以下GPCという。)により測定した分子量をポリスチレン換算した値である。
ラジカル重合性化合物は、組成物にラジカル重合性を付与する成分である。ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合性単量体であってもよいし、ラジカル重合性基を有する重合体であってもよい。
ラジカル重合性基を有する重合体は公知の方法により製造される。たとえばエポキシ基を有する重合体と(メタ)アクリル酸との反応や、カルボキシル基を有する重合体と(メタ)アクリル酸グリシジルとの反応などにより得られる。不飽和ポリエステルも使用できる。ラジカル重合性化合物としてラジカル重合性基を有する重合体を含有する組成物は、硬化性および硬化物物性が優れたものとなりやすいために好ましい。
ラジカル重合性基を有する重合体のうち、ラジカル重合性化合物として、170℃〜350℃の温度でビニル単量体を重合させて得られ官能基Aを有する重合体Aとメタクリロイル基および官能基Bを有する化合物Bを原料として官能基Aと官能基Bを反応させて得られるメタクリロイル基を有する重合体Cは特に好ましいものである。官能基AおよびBの組み合わせの例としては、エポキシ基およびカルボキシル基の組み合わせやカルボキシル基とエポキシ基の組み合わせが挙げられる。重合体Cの数平均分子量は500〜10000が好ましく、1000〜7000がより好ましい。
ラジカル重合性単量体は、ラジカル重合性組成物に流動性を付与するなど、組成物の粘度を制御したり、組成物の硬化性を制御したりするために有用な成分である。ラジカル重合性単量体の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、α-メチルスチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル等が挙げられる。ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシプロピル(メタ)アクリレートは、得られるラジカル重合性組成物が臭気のないまたは弱いものとなるために好ましい。
ラジカル重合性基を有する重合体およびラジカル重合性単量体の割合は、特に制限はないがラジカル重合性化合物100質量部を基準として、ラジカル重合性基を有する重合体の割合が1〜99質量部であるものが好ましく、5〜95質量部であるものがより好ましく、10〜90質量部であるものがさらに好ましく、20〜80質量部であるものが最も好ましい。
ラジカル重合開始剤は公知のものを使用できる。ラジカル重合開始剤の使用量は、ラジカル重合性化合物の合計量100質量部を基準として0.2〜20質量部であることが好ましい。ここに示すラジカル重合開始剤の量は、溶剤、賦形剤、担持成分等の不活性なものを除いた正味のものであり、ラジカル重合開始剤がレドックス開始剤のような複数成分からなるものである場合はそれらの合計量を意味する。
ラジカル重合開始剤は酸化剤と還元剤からなるレドックス系開始剤であることが特に好ましいものである。
レドックス系開始剤の構成成分である酸化剤は、特に制限されるものではないが、有機過酸化物であることが好ましい。この有機過酸化物としては、ジアシルパーオキサイド系、パーオキシエステル系、ハイドロパーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド系、ケトンパーオキサイド系、パーオキシケタール系、アルキルパーエステル系、パーカーカート系等が挙げられる。これらのうちジアシルパーオキサイド系またはケトンパーオキサイド系のものが好ましい。これらは、ジアシルパーオキサイド系のものの使用量は0.1〜10質量部であることが好ましく、ケトンパーオキサイド系のものの使用量は0.5〜20質量部であることが好ましい。
これらの有機過酸化物は、組成物混練条件や組成物を塗布して得られる被膜養生温度等の施工時の種々の条件によって適宜選択して使用される。これらの有機過酸化物は、安全性に優れることから、不活性の液体に溶解あるいは分散または粉体に担持して濃度を70質量%以下としたものが好ましく、20〜60質量%としたものがより好ましい。有機過酸化物含有割合が20〜60質量%のペースト状又は粉体状のものが特に好ましい。
還元剤としては種々のものが使用でき、第三級アミン、第四級アンモニウム塩やコバルト、バナジウム、マンガン等の金属を有する金属石鹸が挙げられる。
第三級アミンとしては、窒素原子に少なくとも1個の芳香族残基が直接結合しているものが好ましい。例えば、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジンが挙げられる。特に好ましくは、水酸基を一つ以上有する上記第三級アミンであり、例えば、N,N−ジ(β−ヒドロキシエチル)−アニリン、N−メチルN−ヒドロキシエチルアニリン、N−エチルN−β―ヒドロキシエチル−アニリン、N,N−ジ(β―ヒドロキシエチル)−m−トルイジン、N,N−ジ(β―ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N−メチルN−βヒドロキシエチル−m−トルイジン、N−エチルN−β−ヒドロキシエチル−m−トルイジン、N,N−ジ(β−ヒドロキシエチル)m−クロロアニリン等が挙げられる。
レドックス系開始剤を使用する場合、酸化剤および還元剤はラジカル重合性組成物の使用直前まで接触しないように保管されることが好ましい。たとえばラジカル重合性化合物および還元剤を含有する主剤と、酸化剤を含有する副剤とを使用直前に混合するなどの方法を採用することができる。
カテキンは、組成物のラジカル重合性、特に表面硬化性を阻害することなく、組成物のラジカル重合反応において生成するホルムアルデヒドを吸収し、ホルムアルデヒドの放散を低減させるための成分である。カテキンとしては、緑茶等から抽出されるポリフェノール類などの茶カテキンが挙げられ、ホルムアルデヒドと反応する有効成分は、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等である。緑茶以外にも、紅茶やウーロン茶、プーアル茶などの、葉、茎、木部、樹皮、根、実、種子などやこれらの混合物から、水や熱水、有機溶媒、含水有機溶媒やこれらの混合物から抽出されるものである。
本発明のラジカル重合性組成物は、ラジカル重合性を有していない重合体が添加されたものであってもよい。ラジカル重合性を有していない重合体の添加により、組成物の硬化性や硬化物の物性を制御することができる。ラジカル重合性を有していない重合体としては(メタ)アクリル重合体などのビニル重合体やその他の熱可塑性樹脂などが挙げられる。
本発明のラジカル重合性組成物は、ワックスが添加されたものであってもよい。ワックスが添加されていている場合は、組成物表面の硬化性が優れたものとなるために好ましい。ワックスとしては、融点が40℃以上のパラフィンワックス、ポリエチレンワックスやステアリン酸等の高級脂肪酸等が挙げられる。融点が40℃未満のものは、硬化性向上効果を充分に発揮できないこともある。ワックスの添加量はラジカル重合性化合物100質量部を基準として0.1〜5質量部であることが好ましく、0.3〜3質量部であることがより好ましい。ワックスの添加割合が少なすぎると十分な硬化性向上効果が得られないことがあり、多すぎると硬化物の外観が悪くなったり、粘度が高く、塗工性に劣ることがある。
本発明のラジカル重合性組成物は、多価金属塩または多価金属錯体が添加されたものであってもよく、この場合も硬化性が向上する。多価金属塩としては、一般に高級脂肪酸の金属塩が好ましく、例えばナフテン酸、オクテン酸等の多価金属塩であり、多価金属としては、カルシウム、銅、ジルコニウム、マンガン、コバルト、鉛、鉄、バナジウム等が挙げられる。これらのうち、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉛、オクテン酸コバルト、オクテン酸鉛が好ましい。多価金属錯体としては、アセチルアセトンの錯体が良く知られており、コバルトアセチルアセテート、マンガンアセチルアセテートなどが挙げられる。これらの添加量は、ラジカル重合性化合物100質量部を基準として0.05〜5質量部が好ましい。
本発明のラジカル重合性組成物は、シリコン系及びアクリル系等の消泡剤やレベリング剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系及びサリシル酸系等の紫外線吸収剤等、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル等の重合禁止剤が添加されたものであってもよい。これらの添加量は、ラジカル重合性化合物100質量部を基準として、0.0005〜5質量部であることが好ましい。
本発明のラジカル重合性組成物は、硫酸バリウム、酸化珪素、タルク、マイカ、カオリンクレー及び炭酸カルシウム等の充填材や、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、酸化チタン、カーボンブラック及び酸化鉄等の顔料、アスベスト、セピオライト、アエロジルのようなシリカ粉末等の揺変性付与剤が添加されたものであってもよい。これらの添加量は、ラジカル重合性化合物100質量部を基準として、充填材は1000質量部以下であることが好ましく1〜700質量部であることがより好ましい。顔料は50質量部以下であることが好ましく、0.1〜20質量部であることがより好ましい。揺変性付与剤は10質量部以下であることが好ましく、0.01〜5質量部であることがより好ましい。これらは、ラジカル重合性組成物の貯蔵安定性を考慮し、上記主剤と副剤とを混合する直前、又は直後に配合することが好ましい。
着色顔料が添加されたラジカル重合性組成物は、特に塗料や塗り床剤として好適に使用できる。
本発明のラジカル重合性組成物は、各種骨材が添加されたものであってもよい。天然骨材として砂や石、岩などの無機物を粉砕したものや、これらを着色したものがあり、人工骨材としては、産業廃棄物を人工的に加工したものや、ガラスビーズ、ガラス瓶やガラス板の粉砕品も利用できる。骨材の粒径は、目的に応じて選択すれば良いが、施工性や硬化物の表面平滑性等を考慮すると0.3〜10mmのものが好ましい。骨材の形状としては、円形、扁平状、楕円、三角形、多角形などどのようなものでもよく、均一であっても不均一であってもよい。これらの添加量は、ラジカル重合性化合物100質量部を基準として1000質量部以下であることが好ましく、1〜1000質量部であることがより好ましい。
骨材が添加されたラジカル重合性組成物は、特に道路舗装材、道路補修材として好適に使用できる。
ラジカル重合性組成物は、ローラー、レーキ、コテ、スプレー等を使用して被膜を形成して硬化させることができる。また、コーキングガン、ヘラ、スパチュラ、コテ等を使用して注入または充填して硬化させることができる。
上記のように施工された組成物は常温で数時間から数日養生することにより硬化物となる。
製造例、実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。尚、以下の記載において、部及び%は質量基準である。
(製造例1)
撹拌機、温度制御装置を備えた容量300mlの耐圧反応器に、溶剤ジエチレングリコールモノエチルエーテルを満たした。
アクリル酸シクロヘキシル50部 アクリル酸ブチル30部、グリシジルメタクリレート20部、ジ−t−ブチルパーオキシド0.2部、メチルエチルケトン30部からなる単量体混合物1を、一定の供給速度(22g/分、滞留時間12分)で原料タンクから反応器に連続供給を開始し、単量体混合物1の供給量に相当する反応物を出口から連続的に抜き出した。反応開始直後に一旦反応温度が低下した後、重合熱による温度上昇が認められたが、ヒータを制御することにより反応温度を229〜231℃に保持した。単量体混合物1の供給開始後温度が安定した時点を反応液の採取開始点とし、これから60分間反応液の採取を継続したのち、減圧下にて未反応単量体等を連続に除去し、濃縮液(ビニル重合体1)を得た。濃縮液中の未反応モノマーは、GC分析の結果、検出下限以下であった。ビニル重合体1の数平均分子量(Mn)は1560、重量平均分子量(Mw)は2560、分子量分布(Mw/Mn)は1.7であり、エポキシ当量は1.32meq/g(試料1g中に1.32ミリ当量のエポキシ基が存在)であった。次に54部のビニル重合体1にジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(日立化成工業製 ファンクリルFA512MT)40部、テトラn-ブチルアンモニウムブロマイド0.5部、ハイドロキノン0.02部を加え、5%酸素を含む窒素ガスを吹き込みながら、80℃に昇温した。そこへ撹拌しながらメタクリル酸5.8部を約1時間かけて連続滴下し、90℃に昇温しそのまま保持し、12時間反応させて反応液1を製造した。
55部の反応液1、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート40部、トリメチロールプロパントリアクリレート10部、融点62℃のパラフィンワックス0.5部、融点46度のパラフィンワックス0.5部、N,N−ジ(β―ヒドロキシエチル)−p−トルイジン1部を混合し、重合性混合物1を調製した。
(製造例2)
メチルメタクリレート60部とn-ブチルメタクリレート40部を混合し、単量体混合物2とした。還流冷却器、温度計、滴下ロート、窒素置換用ガラス管および攪拌器を取り付けたフラスコに単量体混合物2を40部、メチルエチルケトン60部を仕込み、攪拌しながら78℃に加熱した。そこに、単量体混合物2の60部と2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業製V-65)6部の混合物を約3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに2時間反応させ、得られた反応液を減圧下で濃縮し、メタノールに加え沈殿させ、乾燥精製して重合体2を得た。
得られた重合体2の数平均分子量は約28000、重量平均分子量は約80000であった。つぎに30部の重合体2、メタクリル酸メチル50部、アクリル酸2-エチルヘキシル20部、融点62℃のパラフィンワックス1部、ジメチルP-トルイジン1部を加えて80℃に加熱し、溶解させ重合性混合物2を調製した。
(製造例3)
還流管、攪拌機、窒素ガス導入管、温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコール23部、ジエチレングリコール22.2部、無水フタル酸27.5部、無水マレイン酸27.3部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、オイルバスで150℃にゆっくり加熱した。さらに4時間かけて220℃に昇温し、さらに6時間加熱して反応液3を得た。得られた反応液3の酸価は28mgKOH/gであった。
120℃とした反応液3をハイドロキノン0.006部を溶解させたスチレン60部に溶解させ重合性混合物3を調製した。
(実施例1)
100部の重合性混合物1、茶カテキンであるポリフェノンCH(三井農林株式会社製)2部、ナフテン酸コバルト8%品(日本化学産業製)1部を混合し、攪拌した。そこに酸化剤としてナイパーNS(日本油脂株式会社製 40%過酸化ベンゾイル含有)を2部添加し、十分攪拌してラジカル重合性組成物を調製した。内寸15cm角となるように作成したステンレス製の型枠を用いて、アルミ板上に約1.4mmの厚みとなるように上記組成物を塗布して、表面硬化性とホルムアルデヒド放散量を測定した。結果を表1に示す。
評価方法は次の通りである。
(表面硬化性)
酸化剤を加え、塗布2時間後の塗膜の表面部の状態を目視および指触にて評価した。
○ 表面に粘着性のない状態に硬化していた。
△ 硬化しているが表面に粘着性が認められた。
× 表面が一部未反応物が残存していた。
(ホルムアルデヒド放散量)
得られた塗膜を23℃において7日間静置して、JIS K5601−4−1(塗膜からの放散成分分析)に準じてホルムアルデヒドの放散量を測定した。デシケータ(JIS R3503に規定する呼び寸法240mm)の底部に300mlの蒸留水を入れた結晶皿(直径120mm、高さ60mm)をおき、その上にステンレス製金網をおき、縦15cm、横15cmの試験片を2枚いれ、24時間放置して,放散されるホルムアルデヒドを蒸留水に吸収させて試料溶液とした。試料溶液中のホルムアルデヒド濃度は、アセチルアセトン吸光光度法により測定した。
(実施例2)
ポリフェノンCHに代えてポリフェノンPF(三井農林製)を使用した以外は実施例1と同様に実施した。
(実施例3)
重合性混合物1に代えて重合性混合物2を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
(実施例4)
重合性混合物1に代えて重合性混合物3を使用し、酸化剤としてナイパーNSに代えてパーキュアーVS(日本油脂製)以外を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
Figure 2006219506
(比較例1)
実施例1においてポリフェノンCHを添加しないこと以外は実施例1と同様に実施した。表2に試験結果を示す。
(比較例2)
実施例1においてポリフェノンCHに代えて尿素(キシダ化学製 試薬特級)を2部用いた以外は実施例1と同様に実施した。
(比較例3)
実施例1においてポリフェノンCHに代えてレゾルシン(住友化学製)を2部用いた以外は、実施例1と同様に実施した。
(比較例4)
実施例1においてポリフェノンCHに代えてアセトアセトキシエチルメタクリレート(イーストマンケミカル製)を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。
(比較例5)
実施例3においてポリフェノンCHを添加しないこと以外は実施例3と同様に実施した。
(比較例6)
実施例3においてポリフェノンCHに代えてアジピン酸ジヒドラジド(キシダ化学製 試薬1級)を用いた以外は実施例3と同様に実施した。
(比較例7)
実施例4においてポリフェノンCHを添加しないこと以外は実施例4と同様に実施した。
(比較例8)
実施例4にいおいてポリフェノンCHに代えて硫酸ヒドロキシアンモニウムを用いた以外は実施例4と同様に実施した。
Figure 2006219506
本発明のラジカル重合性組成物は、塗料、防水材、床材、道路舗装材、透水性舗装材、弾性舗装材、道路補修材、注入材、または接着剤等の用途に有用である。

Claims (4)

  1. ラジカル重合性化合物、ラジカル重合開始剤およびカテキンを含有するラジカル重合性組成物。
  2. ラジカル重合性化合物として、170℃〜350℃の温度でビニル単量体を重合させて得られ官能基Aを有する重合体Aとメタクリロイル基および官能基Bを有する化合物Bを原料として官能基Aと官能基Bを反応させて得られるメタクリロイル基を有する重合体Cを含有することを特徴とする請求項1に記載のラジカル重合性組成物。
  3. ラジカル重合性化合物として、メタクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチルを含有することを特徴とする請求項1または2に記載のラジカル重合性組成物。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の組成物をラジカル重合させることを特徴とする、組成物をラジカル重合させる時に放散されるホルムアルデヒドの量が低減されたラジカル重合硬化物の製造方法。
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