JP2006213609A - 免疫担当細胞の活性化剤、これを用いたネコ免疫不全ウイルス感染の予防方法ならびにネコ免疫不全ウイルスの駆逐方法および癌発生の予防方法ならびに癌の駆逐方法 - Google Patents

免疫担当細胞の活性化剤、これを用いたネコ免疫不全ウイルス感染の予防方法ならびにネコ免疫不全ウイルスの駆逐方法および癌発生の予防方法ならびに癌の駆逐方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 動物の免疫担当細胞を活性化させることができる、新しい免疫担当細胞の活性化剤を提供する。
【解決手段】 免疫担当細胞を量的、かつ、質的に活性化させる機能を有するプロポリスを有効成分として含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、免疫担当細胞の活性化剤に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、ネコ免疫不全ウイルス感染の予防方法ならびにネコ免疫不全ウイルスの駆逐方法および癌発生の予防方法ならびに癌の駆逐方法に関するものである。
プロポリスとは、ミツバチが樹木から採取したガム質、樹液、香油等の複合体に、ミツバチ自身の唾液や酵素を含む分泌物を混合して作られた、暗褐色で粘着性のある樹脂性物質である。本来は、ミツバチが巣の壁に塗って巣壁を強化したり、巣内で細菌が繁殖するのを防止するために用いられているものである。そして、プロポリスは、古くから抗菌作用や抗ウイルス作用、解熱作用等を有すると言われ、民間治療薬として長い間用いられてきた。
このプロポリスの主な成分は、フラボノイド、芳香族酸等のフェノール類、桂皮酸、芳香油等で、その他にも様々な成分を含む複合体であり、産地、つまり樹木の種類によって成分組成は大きく異なる。たとえば、ブラジル産のプロポリスは桂皮酸誘導体であるアルテピリンCが主成分で、中国産のプロポリスはフラボノイドが主成分である。
近年の薬理学的研究により、プロポリスの作用効果は、抗菌作用や抗ウイルス作用の他に、抗腫瘍作用(抗癌作用)や免疫調節作用、血圧降下作用等も認められるようになり、治療や食品に利用することが提案されている(たとえば、特許文献1および特許文献2)。また、プロポリスは、マウスの脾臓リンパ球におけるIFN-γ発現促進や、IL-2、IL-4等、他のサイトカインの発現促進が報告されており、これらの相互作用により免疫調節作用を有すると考えられている。
特開2003-128561号公報 特開2001-333731号公報
しかしながら、これまでプロポリスの免疫調節作用が確認されている動物は、マウスのみであり、たとえば、上記特許文献1および2の発明においても、対象動物はマウスのみであり、その他の動物についてはその作用効果の具体的なデータが示されていないのが実状である。つまり、このことは、マウス以外の動物における、プロポリスの免疫調節作用の詳細な機構は、未解明であったと言うことができる。
ひいては、獣医学の領域において重要な、マウス以外の多くの動物(ブタやウマ等の家畜や、ネコやイヌ等のペット等)の病気、特に免疫不全症や癌の予防や治療における研究にも影響を及ぼしていることから、免疫不全症の動物、その中でも特にネコの免疫不全ウイルス(FIV)感染症、また癌の治療のための新たな薬剤や方法の開発が望まれているのにも関わらず、未だ開発成功の報告はなされていない。
そこで、本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであって、従来の問題点を解消し、動物の免疫担当細胞を量的、かつ、質的に活性化させることができる、新しい免疫担当細胞の活性化剤を提供することを課題としている。また、動物の免疫能を活性化させて、FIV感染症ならびに癌の予防や治療ができる、新しいネコ免疫不全ウイルス感染の予防方法ならびにネコ免疫不全ウイルスの駆逐方法、および癌発生の予防方法ならびに癌細胞の駆逐方法を提供することを課題としている。
この出願の発明は、上記の課題を解決する手段として、本発明は、第1には、免疫担当細胞を量的、かつ、質的に活性化させる機能を有するプロポリスを有効成分として含有することを特徴として、第2には、プロポリスの主成分が、桂皮酸誘導体であることを特徴とし、第3には、桂皮酸誘導体が、アルテピリンCであることを特徴とし、また、第4には、さらに薬理学的成分を含有することを特徴とし、第5には、免疫担当細胞が、ネコであることを特徴とする。
さらに、本発明は、第6には、上記第1から第5いずれかの発明を、ネコに投与することにより、ネコの免疫能を活性化させて向上させ、ネコ免疫不全ウイルス(FIV)感染を予防することを特徴とし、第7には、上記第1から第5いずれかの発明を、ネコ免疫不全ウイルス(FIV)感染症に罹患したネコに投与することにより、ネコの免疫能を活性化させて向上させ、FIVを駆逐することを特徴とする。
さらにまた、本発明は、第8には、上記第1から第4いずれかの発明を、動物に投与することにより、動物の免疫能を活性化させて向上させ、癌の発生を予防することを特徴とし、第9には、動物が、ネコであることを特徴とする。
そして、第10には、上記第1から第4いずれかの発明を、癌が発生した動物に投与することにより、動物の免疫能を活性化させて向上させ、癌細胞を駆逐することを特徴とし、第11には、動物が、ネコであることを特徴とする。
第1から第3の発明によれば、動物の免疫担当細胞を量的、かつ、質的に活性化させることができる。
第4の発明によれば、上記第1から第3の発明の効果に加え、さらに効率よく動物の免疫担当細胞を量的、かつ、質的に活性化させることができる。
第5の発明によれば、上記第1から第4の発明の効果に加え、ネコの免疫担当細胞も量的、かつ、質的に活性化させることができる。
第6の発明によれば、上記第1から第4の発明の効果によって、ネコ免疫不全ウイルス(FIV)感染を予防することができる。
第7の発明によれば、上記第1から第4の発明の効果によって、FIVを駆逐することができる。
第8の発明によれば、上記第1から第3の発明の効果によって、癌の発生を予防することができる。
第9の発明によれば、上記第8の発明の効果を、ネコにも適用することができる。
第10の発明によれば、上記第1から第3の発明の効果によって、癌細胞を駆逐することができる。
第11の発明によれば、上記第10の発明の効果を、ネコにも適用することができる。
本発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について詳しく説明する。
本発明は、本発明者の鋭意研究の結果、プロポリスが免疫担当細胞を量的、かつ、質的に活性化することを見出し、これに基づいてなされたものである。さらに説明すると、プロポリスはリンパ球の幼若化、IFN-γの発現を促進させる。つまり、本発明の免疫担当細胞の活性化剤は、このような特徴を有するプロポリスを有効成分として含有してなるものである。なお、本発明の活性化剤において、プロポリス含有量は特に限定されないが、たとえば、活性化剤の0.001〜20.0重量%、好ましくは0.01〜10.0重量%である。
プロポリスは、通常、各種フラボノイド類、各種ジテルペン類、各種ミネラル類、各種ビタミン類、各種桂皮酸誘導体等の種々の成分を含有しているが、本発明におけるプロポリスは、特にp-クマル酸やアルテピリンC等の桂皮酸誘導体が主成分として含有していることが好ましく、桂皮酸誘導体はアルテピリンCであることが、より効率のよく免疫担当細胞を活性化させることから、さらに好ましい。
なお、アルテピリンCは、通常、次式(1)
Figure 2006213609
で表される。
そして、本発明の活性化剤には、さらに効率よく免疫担当細胞を活性化させ、かつ、投与(もしくは摂取)しやすくするため、薬理学的成分をさらに含有させてもよい。また、飲食品成分(もしくは、飲食品そのもの)と混合、加工することにより、投与あるいは摂取しやすい、機能性飲食品(免疫賦活性補助食品)とすることができる。飲食品成分は、本発明の効果を維持することのできる物質であれば、特に限定されずに混合、加工することができる。たとえば、醤油や味噌等の調味料、果汁ジュース等の飲料品等が挙げられる。さらに、家畜やペット等の動物用飼料等にも混合することができ、その際の混合量(配合量)は、たとえば、プロポリスとして1〜1000mg/kg混合することで、充分に本発明の効果を発揮することができる。
この薬理学的成分とは、一般に薬剤製造に利用される各種の担体であり、担体は薬剤の種類や注射や経口等の投与形態等に応じて、固体担体または液体担体適宜から、適宜に選択できるものを意味する。たとえば、懸濁剤やシロップ剤等のような経口液体状の薬剤は、水、シュクロース等の糖類、ポリエチレングリコール等のグリコール類、ごま油や大豆油等の油類、その他、防腐剤、ペパーミント等の各種フレーバー類、ゼラチン、デンプン等を使用して製造することができる。また、散剤や丸剤、カプセル剤および錠剤は、ラクトース、グルコース、シュクロース等の賦形剤、デンプン等の崩壊剤、マグネシウムステアレート等の潤沢剤、また各種結合剤や表面活性剤、可塑剤、安定化剤等を用いて製剤化することができる。
このような特徴を有する本発明の活性化剤によって、効率よくヒトを含む動物の免疫担当細胞を量的、かつ、質的に活性化させることができ、その結果、細菌やウイルス等による種々の感染症、さらには種々の癌に対して予防効果や駆逐効果を発揮する。この免疫担当細胞とは、免疫の一連の反応に関与する細胞を指し、たとえば、マクロファージ、T細胞、B細胞、NK細胞およびTc細胞等が含まれる。また、免疫担当細胞の量的、かつ、質的な活性化とは、免疫担当細胞の量を増大させ(量的な活性化)、また免疫担当細胞の機能を増大させる(質的な活性化)ことを意味する。
本発明の活性化剤が免疫担当細胞を活性化する作用機構としては、本発明の活性化剤におけるプロポリスがマクロファージに貧食された後、マクロファージがIL-1α、IL-1β、IL-2、IL-4、IFN-γ等の各種のサイトカインの発現を促進し、これによって免疫担当細胞であるT細胞、B細胞、NK細胞およびTc細胞等の免疫能が活性化するのである。
本発明の活性化剤の使用対象動物(つまり、活性化させる免疫担当細胞)は、家畜やペット、野生動物等を問わず、特に限定されるものではない。たとえば、ニワトリ等の鳥類、トカゲ等の爬虫類、カエル等の両生類、ゼブラフィッシュ等の魚類、さらにヒト、ネコ、サル、ブタ、ウシ、ヒツジ、ネズミ(マウス)、ウマ等の哺乳類等が挙げられ、特に哺乳動物であることが好ましい。さらに、本発明の活性化剤は、特にネコの免疫担当細胞を活性化させ、免疫能を活性化させることから、使用対象動物は哺乳類の中でもネコであることが好ましい。
なお、本発明の活性化剤はヒトにも使用することができ、ヒトの免疫担当細胞を活性化させて、免疫能を向上させることができ、種々の感染症や癌に対して予防効果や駆逐効果を発揮する。
本発明の活性化剤の有効成分であるプロポリスは、セイヨウミツバチやアフリカ蜂化ミツバチ等のミツバチが生成する標品であるが、他種のハチの分泌物でもよい。また、産地についても限定されるものではない。産地としては、日本、中国、東南アジア、ヨーロッパ、南北アメリカ、アフリカ等が挙げられ、たとえば、中国やヨーロッパ産の基源植物はポプラや松であり、ブラジル産の基源植物はユーカリやアレクレン系樹木である。中でも、ブラジル産はアルテピリンCを豊富に含有するアレクレン系樹木を基源植物とすることから、本名発明の活性化剤におけるプロポリスはブラジル産が好ましい。また、このプロポリスは、自然界にて捕獲されたハチから採取した標品でもよいし、人為的に飼育したハチから採取した標品でもよい。さらに、上記標品に、不純物を除去して標品純度を高めるため、分離または抽出等の処理を施した加工標品を用いてもよい。
このような活性化剤を用いることで、細菌やウイルス等による感染症を予防したり、駆逐(治療)したりすることができる。特に、本発明の活性化剤は、ネコに投与することによって、ネコの免疫担当細胞を活性化させ、免疫能を効率よく向上させることができることから、ネコ免疫不全ウイルス(FIV)の感染を予防することができる。また、FIV感染症に罹患したネコに投与することでも、ネコの免疫能を効率よく活性化させて向上させることができ、その結果FIVを駆逐することができる。
また、本発明の活性化剤は、動物に投与し、動物の免疫担当細胞を活性化させて、免疫能を向上させることができることから、活性化した免疫担当細胞が、効率よく初期癌化細胞を免疫的に駆逐し、癌の発生を予防することができる。また、この免疫能の向上原理は、癌が発生した動物においても充分に発揮する。つまり、本発明の活性化剤を癌を罹患している動物に投与し、動物の免疫担当細胞を活性化させて、免疫能を向上させる。そして、その結果、活性化した免疫担当細胞が癌細胞を効率よく駆逐することができる。このとき、上記のとおり、本発明の活性化剤の使用対象動物種は特に限定されるものではないが、本発明の活性化剤は、特にネコの免疫担当細胞を活性化させ、免疫能を活性化させることから、癌の予防や駆逐を目的に使用する場合は、使用対象動物はネコであることが好ましい。また、対象となる癌は、肺癌、肝癌、胃癌、大腸癌、皮膚癌等、また、これら単一の癌のみならず複数の癌が併発したものをも対象とする。
なお、投与量(使用量)は、その投与対象の動物種、年齢、投与経路、投与回数等により異なり、適宜に変更することができ、特に限定されるものではない。たとえば、プロポリスの有効量と適切な希釈剤および薬理学的成分(薬理学的に使用しうる担体)との組み合わせとして投与される有効量は、1日につき体重1kgあたり100〜5000mgであり、6時間から24時間の間隔で分割して投与される。
本発明の活性化剤におけるプロポリスは、体内へ吸収し易くすることを考慮すると、公知の熱水抽出もしくはアルコール抽出したものであることが好ましいが、そのほかにも水蒸気蒸留による抽出や加圧熱水(「亜臨界水」ともいい、一般に飽和蒸気圧以上に加圧された、100℃以上の液体状態の熱水)抽出分離等によって抽出されてもよい。
抽出についてその概略を説明すると、たとえば、水(熱水を含む)または有機溶媒(たとえば、石油エーテル、シクロヘキサン、トルエン、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、酢酸エーテル、ブタノール、n−プロパノール、エタノール、メタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ピリジン等)、あるいは、これらの2種以上の混合溶媒を用い、通常、3〜70℃で抽出処理して得ることができる。これらの抽出物は、そのまま、あるいは、適宜に希釈もしくは濃縮、または乾燥して使用することができる。
以上のような特徴を有する本発明の活性化剤、および活性化剤の使用方法によって、動物種を問わずに、多くの動物の免疫担当細胞を活性化させ、免疫能を向上させることができる。その結果、細菌やウイルス等による各種感染症、特にFIV感染症の予防および駆逐(治療)にも有効であり、また、癌の発生を予防したり、癌細胞を駆逐(治療)したりできる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでない。
実施例1:プロポリスの調製
本発明の活性化剤におけるプロポリスは、ブラジル産のものを公知の抽出方法である、アルコール抽出によって抽出したものである。
実施例2:ネコに対する作用効果の検討
供試動物として、1〜10歳齢の健康ネコ(4頭:オス2頭、メス2頭)を使用した。(1)in vitro
ネコ末梢血から分離した単核球に、プロポリスと刺激剤としてConcanavalin A (ConA)を添加して培養し、細胞増殖試験であるMTT法によりリンパ球幼若化能を検討した。
結果は、図1および図2に示したとおりであった。
図1は、本発明の活性化剤におけるプロポリスのリンパ球幼若化の検討結果を示した図であり、(A)はプロポリス添加濃度とリンパ球幼若化能の関係を、(B)はプロポリスによるリンパ球幼若化能の度合いを示している。
この図1に示したとおり、プロポリス濃度が300μg/mlにおいて、吸光度が上昇し、このことはリンパ球が幼若化したことを示した。また、プロポリス単独添加群(図中のpropolis)、ConA+プロポリス添加群(図中のpropolis+ConA)において、対照群(図中のPBS)と比較して、吸光度の有意な上昇が認められた。特に、プロポリス単独添加群で顕著な上昇が認められた。
なお、表1に図1(B)に対応した吸光度値を示した。
Figure 2006213609
図2は、対照群(図中のConA)、プロポリス単独添加群(図中のpropolis)およびConA+プロポリス添加群(図中のpropolis+ConA)それぞれにおける刺激指数値(SI値)の比較検討の結果を示した図である。
SI値は、次式(2)
Figure 2006213609
として算出し、比較した。
図2に示したとおり、全ての群において、対称群と比較して上昇傾向が認められ、特にプロポリス単独添加においては、顕著な上昇が認められた。
なお、算出したSI値の一覧を表2に示した。
Figure 2006213609
(2)in vivo
健康ネコ3頭に対し、プロポリス0.05mg/kgを7日間経口投与し、投与前後におけるリンパ球幼若化能およびサイトカインであるIFN-γの発現を検討した。また、刺激剤Concanavalin A (ConA)混合の有無についても検討した。
なお、リンパ球幼若化能はMTT法で、IFN-γの発現はRT-PCR法で検討した。
結果は、図3および図4に示したとおりである。
図3は、プロポリス投与前後におけるリンパ球幼若化能の検討結果を示した図であり、(A)は投与前後の吸光度で検討した結果を、(B)はSI値で検討した結果を示している。図4は、プロポリス投与前後におけるIFN-γの発現の検討結果を示した図であり、(A)はConA混合無しの場合を、(B)はConA混合有りの場合を示している。
図3に示したとおり、吸光度およびSI値ともにプロポリス投与前に比較して、投与後では上昇傾向が認められた。なお、表3には図3(A)における吸光度値を、表4には図3(B)において算出したSI値を示した。
Figure 2006213609
Figure 2006213609
また、図4に示したとおり、ConAの添加の有無にかかわらず、プロポリスを添加するだけでも、投与前と比較してIFN-γの発現を顕著に促進することが確認できた。そして、特に、ConAを添加した場合では、プロポリス投与前に比較して、投与後ではIFN-γ発現の有意な上昇が認められた。
表5には、図4におけるIFN‐γの測定値を示した。
Figure 2006213609
実施例3:イヌに対する作用効果の検討
イヌ(犬種:ゴールデンレトリバー、年齢:7歳、性別:メス)に対して、本発明の活性化剤(有効成分:プロポリス)を、0.05mg/kgを1週間経口投与し、投与前後のリンパ球幼若化能を検討した。検討方法は、MTT方による吸光度を測定して行った。
結果は、図5に示したとおりであった。
図5は、本発明の活性化剤におけるプロポリス投与前後において、ConA混合の有無それぞれの場合における、イヌリンパ球幼若化の検討結果を示した図である。図5に示したとおり、ConA混合の有無にかかわらず、プロポリスを投与することで、吸光度は上昇、すなわち、リンパ球の幼若化能の上昇が確認できた。
また、表6には図5における吸光度値を示した。
Figure 2006213609
これらの結果から、本発明の活性化剤の有効成分であるプロポリスは、動物種を問わずに、リンパ球の幼若化し、また、IFN-γの発現を促進させ、免疫能を向上させることができることが確認できた。
本発明の活性化剤におけるプロポリスの、ネコリンパ球幼若化の検討結果を示した図であり、(A)はプロポリス添加濃度とリンパ球幼若化能の関係を、(B)はプロポリスによるリンパ球幼若化能の度合いを示している。 ネコにおける、対照群(図中のPBS)、プロポリス単独添加群(図中のpropolis)およびConA+プロポリス添加群(図中のpropolis+ConA)それぞれにおける刺激指数値(SI値)の比較検討の結果を示した図である。 本発明の活性化剤におけるプロポリス投与前後における、ネコリンパ球幼若化能の検討結果を示した図であり、(A)は投与前後の吸光度で検討した結果を、(B)はSI値で検討した結果を示している。 本発明の活性化剤におけるプロポリス投与前後における、ネコのIFN-γの発現の検討結果を示した図であり、(A)はConA混合無しの場合を、(B)はConA混合有りの場合を示している。 本発明の活性化剤におけるプロポリス投与前後において、ConA混合の有無それぞれの場合における、イヌリンパ球幼若化の検討結果を示した図である。

Claims (11)

  1. 免疫担当細胞を量的、かつ、質的に活性化させる機能を有するプロポリスを有効成分として含有することを特徴とする免疫担当細胞の活性化剤。
  2. プロポリスの主成分が、桂皮酸誘導体である請求項1に記載の活性化剤。
  3. 桂皮酸誘導体が、アルテピリンCである請求項1または2に記載の活性化剤。
  4. さらに薬理学的成分を含有する請求項1から3いずれかに記載の活性化剤。
  5. 免疫担当細胞が、ネコである請求項1から4いずれかに記載の活性化剤。
  6. 請求項1から5いずれかに記載の活性化剤を、ネコに投与することにより、ネコの免疫能を活性化させて向上させ、ネコ免疫不全ウイルス(FIV)感染を予防することを特徴とするFIV感染の予防方法。
  7. 請求項1から5いずれかに記載の活性化剤を、ネコ免疫不全ウイルス(FIV)感染症に罹患したネコに投与することにより、ネコの免疫能を活性化させて向上させ、FIVを駆逐することを特徴とするFIVの駆逐方法。
  8. 請求項1から4いずれかに記載の活性化剤を、動物に投与することにより、動物の免疫能を活性化させて向上させ、癌の発生を予防することを特徴とする癌発生の予防方法。
  9. 動物が、ネコである請求項8記載の予防方法。
  10. 請求項1から4いずれかに記載の活性化剤を、癌が発生した動物に投与することにより、動物の免疫能を活性化させて向上させ、癌細胞を駆逐することを特徴とする癌細胞の駆逐方法。
  11. 動物が、ネコである請求項10記載の駆逐方法。
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