JP2006205871A - 車体のフロアパネル構造 - Google Patents

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孝信 加村
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Abstract

【課題】 フロアパネルの振動エネルギを効果的に低減させ、フロアパネルからの音響放射を低減することができる車体のフロアパネル構造を提供する。
【解決手段】 本発明は、車体前後方向及び車幅方向に配設された複数のフレーム部材(22,24,27-32等)に連結されたフロアパネル(2,6,12)により自動車のフロアを構成する車体のフロアパネル構造であって、フロアパネルには少なくともその一部がフレーム部材により囲まれたパネル領域(S1-S4,S7,S8,S10)が形成され、フロアパネルのパネル領域にはそのパネル領域の中央部にそれ自身が上方向又は下方向に突出された高剛性部84が形成されると共にこの高剛性部の周りに低剛性部86が形成され、低剛性部のほぼ全域には制振材88が設けられ、この制振材には、フレーム部材から隔てた位置でフレーム部材に沿って延びる切り抜き部88cが形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車体のフロアパネル構造に係り、特に、車体前後方向及び車幅方向に配設された複数のフレーム部材に連結されたフロアパネルにより自動車のフロアを構成する車体のフロアパネル構造に係る。
エンジンやサスペンションが連結されたフレーム部材からの振動がフロアパネルに伝達され、このフロアパネルが振動し、その結果、不快な車室内振動や騒音が発生することが知られている。この場合、振動源として、エンジン自体の振動や、サスペンションから伝わるロードノイズが問題となり、このロードノイズには、一般に、タイヤの空洞共鳴によるものと、サスペンションの共振によるものとがある。このようなエンジンやサスペンションから伝達される不快な振動は、自動車では主に400Hz以下であり、特にタイヤの空洞共鳴に起因したロードノイズである250Hz付近の周波数にピークを有している。
従来、これらの振動騒音を抑制するためにフロアパネル及びその近傍の車体各部に、種々の防振及び防音対策として、制振材や防振材を貼付けることが一般的に行われている。
また、フロアパネルにビードを多数形成したり、パネル厚を大きくすることでその剛性を高め、それにより、フロアパネルの固有振動数を400Hzよりも高い高帯域にずらすことも知られている。つまり、フロアパネルがサスペンションの共振周波数やタイヤの空洞共鳴周波数帯域等で共振しないようにして、不快な振動騒音を低減するようにしているのである。
また、特許文献1に記載の車体パネル構造では、パネルに、曲げ、圧縮、引張りに強い複数のシェル構造の凸部と、これらの凸部の間に縦横に延びる凹部とを形成し、凹部に振動を集中させ、この凹部に制振材を設けることにより振動を減衰させている。
特開平6−107235号公報
しかしながら、フロアパネル及びその近傍の車体各部に制振材や防振材を貼付ける技術では、振動及び騒音の低減が可能であるが、一方で非常に大量の制振材や防振材を必要とするため、車両重量が増加し、それにより、様々な悪影響やコストの面で大きな問題があった。
また、フロアパネルにビードを多数形成したりパネル厚を大きくする技術では、低周波の領域における共振ピークを抑制できる利点があるが、一方で、高音域の振動が逆に多くなるため、高周波領域における振動騒音を抑制するための制振材や防振材が多く必要となり、車両重量が増加し、それにより、様々な悪影響やコストの面で問題があり、この問題を解決することが要望されていた。
また、特許文献1の技術では、振動及び騒音の低減が可能であるが、複数の凸部の凹部に単に制振材を設けるだけでは、近年のさらなる振動騒音の抑制及び車両の重量の低減の要望に十分に応えることが出来るだけの振動低減効果が得られない場合があった。
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、車体のフレーム部材から伝わった振動によるフロアパネルの振動エネルギを効果的に低減させ、フロアパネルからの音響放射を低減することができる車体のフロアパネル構造を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために本発明は、車体前後方向及び車幅方向に配設された複数のフレーム部材に連結されたフロアパネルにより、自動車のフロアを構成する車体のフロアパネル構造であって、フロアパネルには、少なくともその一部がフレーム部材により囲まれたパネル領域が形成され、フロアパネルのパネル領域には、そのパネル領域の中央部にそれ自身が上方向又は下方向に突出された高剛性部が形成されると共にこの高剛性部の周りに低剛性部が形成され、低剛性部には制振材が設けられると共にこの制振材にはフレーム部材から隔てた位置でフレーム部材に沿って延びる切り抜き部が形成されていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、フロアパネルのパネル領域には、そのパネル領域の中央部にそれ自身が上方向又は下方向に突出された高剛性部が形成されると共にこの高剛性部の周りに低剛性部が形成されているので、高剛性部と低剛性部との剛性差により、低剛性部に振動エネルギが集中し、低剛性部の振動の歪みが大きくなる。そして、低剛性部には制振材が設けられているので、低剛性部の歪みに伴って制振材が歪み、低剛性部に集中した振動エネルギは熱エネルギに変換されて、パネル領域の振動エネルギが低減される。従って、このように低剛性部に設けた制振材によって効果的に振動を低減することが出来、その結果、フロアパネルからの音響放射を低減することが出来ると共に制振材の重量を削減することが出来る。
ここで、従来は、パネル領域に設ける制振材の面積が大きい程、その制振材による振動の減衰効果が大きいと考えられていた。しかし、本発明者らは、パネル領域の中央部に形成された高剛性部の周りに形成された低剛性部には、フレーム部材から隔てた位置でフレーム部材に沿って振動エネルギが集中せず振動の歪みが小さくなる領域があることを見出すと共に、仮にこのような振動の歪みが小さい領域にも制振材を設けた場合、その制振材は歪まないので、隣接して設けられた振動の歪みが大きい領域の制振材を歪みにくくしてしまい、制振材による振動エネルギの低減効果が減少してしまうことを見出した。従って、本発明によれば、制振材には、フレーム部材から隔てた位置でフレーム部材に沿って延びる切り抜き部が形成されているので、この切り抜き部が形成された領域に対応する振動エネルギが集中せず振動の歪みが小さくなっている領域に制振材が設けられないようにして、上述したように振動の歪みが大きい領域の歪みを抑制してしまうことを防止することが出来る。その結果、振動エネルギをより効果的に低減することができる。さらに、切り抜き部を形成することにより、制振材の重量も削減される。
また、本発明において、好ましくは、フレーム部材は直線状に延び、切り抜き部は、フレーム部材に対して平行に延びる。
このように構成された本発明においては、フレーム部材は直線状に延び、切り抜き部は、直線状に延びるフレーム部材に対して平行に延びる。ここで、本発明者らは、フレーム部材を直線状に延びるように形成すれば、振動エネルギが集中せず振動の歪みが小さくなる領域が、そのフレーム部材に対して平行に延びるように生じることを見出した。従って、本発明によれば、切り抜き部は、直線状に延びるフレーム部材に対して平行に延びるので、上述した振動エネルギの低減の効果をより確実に得ることが出来る。
また、本発明において、好ましくは、高剛性部は、平面視でほぼ四角形状に形成され、切り抜き部は、ほぼ四角形状の高剛性部の辺に対して平行に且つその辺の長さより短い長さで延びる。
このように構成された本発明においては、高剛性部は、平面視でほぼ四角形状に形成され、切り抜き部は、ほぼ四角形状の高剛性部の辺に対して平行に且つその辺の長さより短い長さで延びる。ここで、本発明者らは、高剛性部を平面視でほぼ四角形状に形成すれば、振動エネルギが集中せず振動の歪みが小さくなる領域が、そのほぼ四角形状の高剛性部の辺に対して平行に且つその辺の長さより短い長さで延びることを見出した。従って、本発明によれば、切り抜き部は、平面視でほぼ四角形状に形成された高剛性部の辺に対して平行に且つその辺の長さより短い長さで延びるので、上述した振動エネルギの低減の効果をより確実に得ることが出来る。
また、本発明において、好ましくは、切り抜き部は、低剛性部の角領域には形成されていない。
このように構成された本発明においては、切り抜き部は、低剛性部の角領域には形成されていない。ここで、本発明者らは、振動エネルギが集中せず振動の歪みが小さくなる領域が、低剛性部の角領域には生じないことを見出した。従って、本発明によれば、切り抜き部は、低剛性部の角領域には形成されていないので、上述した振動エネルギの低減の効果を損なうことがない。
本発明によれば、車体のフレーム部材から伝わった振動によるフロアパネルの振動エネルギを効果的に低減させ、フロアパネルからの音響放射を低減することができる。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態を備えた自動車のアンダボディを示す斜視図である。図1に示すように、自動車のアンダボディ1は、車室の床部分(フロア部分)を構成する複数のフロアパネル2、4、6、8、10、12、14、16と、これらのフロアパネルが接続された複数のフレーム部材とから構成されている。複数のフレーム部材は、車体前後方向に延びるフロントサイドフレーム18、サイドシル20、フロアサイドフレーム22、リアサイドフレーム24と、車幅方向に延びるNo.1乃至No.9クロスメンバ26〜34と、これらのクロスメンバ間に設けられた車体前後方向に延びるNo.1乃至No.3トンネルサイドメンバ36〜38である。
先ず、図1により、フレーム部材を説明する。自動車のアンダボディ1の車体前方部分には、エンジンルームを左右両側から囲むように車体前後方向に延びる閉断面構造の一対のフロントサイドフレーム18が設けられている。これらのフロントサイドフレーム18の車体前端部には閉断面構造のNo.1クロスメンバ26が接合され、さらに、これらのフロントサイドフレーム18には、エンジン40及びフロントサスペンションクロスメンバ42が取り付けられ、このフロントサスペンションクロスメンバ42には、フロントサスペンション44が取り付けられている。
一対のフロントサイドフレーム18の後端部は、フロア部分の車体前側の端縁部で車幅方向に延びるNo.2クロスメンバ27に接合されている。このNo.2クロスメンバ27は、車室とエンジンルームを仕切るダッシュパネル(図示せず)の下方傾斜部に取り付けられ、各フロントサイドフレーム18の車体外側に設けられた閉断面構造の一対のトルクボックスメンバ27aと、各フロントサイドフレーム18の中間に挟まるように配置された閉断面構造のダッシュロアクロスメンバ27bとから構成されている。
このNo.2クロスメンバ27より車体後方のフロア部分に設けられた一対のサイドシル20は、閉断面構造のものであり、その前端部がNo.2クロスメンバ27の車幅方向の両端部に接合されている。これらのサイドシル20の間には、それぞれ車体前後方向に延びる一対の断面コ字状のフロアサイドフレーム22が設けられ、これらのフロアサイドフレーム22の前端部は、フロントサイドフレーム18の後端部に接合されると共にNo.2クロスメンバ27に接合されている。これらのフロアサイドフレーム22は、No.3クロスメンバ28とNo.4クロスメンバ29との間22aで車幅方向内方に張り出すように湾曲し、No.5クロスメンバ30との連結部30aにおいて車幅方向に折り曲げられ、その他の部分は直線状に延びている。
これらのフロアサイドフレーム22の後端部には、それぞれ断面コ字状の車体前後方向に延びるリアサイドフレーム24の前端部が接合されている。また、これらのリアサイドフレーム24の前端部は、車幅方向外方に向けて曲がり、サイドシル20の車幅方向内方の側面にも接合され、この前端部には、車幅方向に延びる補強部材24aが設けられている。これらのリアサイドフレーム24は、フロア部分の車体後側の端縁部まで延び、これらのリアサイドフレーム24には、そのNo.7クロスメンバ32とNo.8クロスメンバ33との間にリアサスペンションクロスメンバ46が取り付けられ、このリアサスペンションクロスメンバ46には、リアサスペンション48が取り付けられている。
また、No.2クロスメンバ27の車体後方側にには、No.2クロスメンバ27に平行に車幅方向に直線状に延びNo.3クロスメンバ28が設けられている。このNo.3クロスメンバ28は、その車幅方向の左右両端部がそれぞれサイドシル20に接合され、また、その車幅方向の左右両側においてフロアサイドフレーム22と交差すると共にフロアサイドフレーム22に接合されている。このNo.3クロスメンバ28の車体後方側には、No.3クロスメンバ28に平行に車幅方向に直線状に延びるNo.4クロスメンバ29が設けられ、その車幅方向の左右両端部は、それぞれピラー35の近傍でサイドシル20に接合されている。また、No.4クロスメンバ29は、その車幅方向の左右両側においてフロアサイドフレーム22と交差すると共にフロアサイドフレーム22に接合されている。これらのNo.3及びNo.4クロスメンバ28、29は、フロアトンネル部50が設けられる車幅方向のほぼ中央位置において上方に突出している。
No.4クロスメンバ29の車体後方側には、No.5クロスメンバ30、No.6クロスメンバ31、No.7クロスメンバ32が設けられ、各クロスメンバ30〜32は、互いに平行に車幅方向に直線状に延びている。このNo.5クロスメンバ30の車幅方向の左右両端部は、それぞれフロアサイドフレーム22に接合され、No.6及びNo.7クロスメンバ31、32の車幅方向の左右両端部は、それぞれリアサイドフレーム24に接合されている。No.7クロスメンバ32の車体後方側には、その車幅方向のほぼ中央が前方側に湾曲したNo.8クロスメンバ33が車幅方向に延びるように設けられ、その車幅方向の左右両端部がそれぞれリアサイドフレーム24に接合されている。
このNo.8クロスメンバ33の車体後方側には、フロア部分の車体後側の端縁部で車幅方向に直線状に延びる閉断面構造のNo.9クロスメンバ34が設けられ、その車幅方向の左右両端部がそれぞれリアサイドフレーム24の後端部に接合されている。
さらに、車体前後方向の補強部材として、上述したフロントサイドフレーム18、サイドシル20、フロアサイドフレーム22及びリアサイドフレーム24に加えて、フロアトンネル部50の車幅方向の両側の縁部でそれぞれ車体前後方向に延びる断面コ字状のNo.1乃至No.3トンネルサイドメンバ36〜38が配設されている。No.1トンネルサイドメンバ36は、No.2クロスメンバ27とNo.3クロスメンバ28との間にわたって直線状に延び、その車体前後方向の両端部は、それぞれ、No.2クロスメンバ27及びNo.3クロスメンバ28に接合されている。No.2トンネルサイドメンバ37は、No.4クロスメンバ29とNo.5クロスメンバ30との間にわたって直線状に延び、その車体前後方向の両端部は、それぞれ、No.4クロスメンバ29及びNo.5クロスメンバ30に接合されている。No.3トンネルサイドメンバ38は、No.6クロスメンバ31とNo.7クロスメンバ32との間にわたって直線状に延び、その車体前後方向の両端部は、それぞれ、No.6クロスメンバ31及びNo.7クロスメンバ32に接合されている。
上述した断面コ字状のフレーム部材、即ち、フロアサイドフレーム22、リアサイドフレーム24、No.3乃至No.8クロスメンバ28〜33、及び、No.1乃至No.3トンネルサイドメンバ36〜38は、いずれも、断面コ字状の開放部が車体上方に向くように形成され、各フロアパネル2、4、6、8、10、12、14、16の下面が、これらの各フレーム部材のフランジ部に接合され、略矩形の閉断面が構成される。
次に、図1により、フロアパネルを説明する。図1に示すように、自動車のアンダボディ1には、それぞれ鋼板を一体でプレス成形した第1乃至第8フロアパネル2、4、6、8、10、12、14、16が設けられている。
第1フロアパネル2は、No.2クロスメンバ27、一対のサイドシル20及びNo.3クロスメンバ28により囲まれた空間を覆うように設けられ、その車幅方向のほぼ中央位置で車体前後方向に延びるように上方に膨出するフロアトンネル部50が形成されている。第1フロアパネル2は、その前縁部がNo.2クロスメンバ27の車体後方側面に接合され、残りの3辺の縁部の下面が、一対のサイドシル20及びNo.3クロスメンバ28にそれぞれ接合され、さらに、その車幅方向の左右両側において、No.1トンネルサイドメンバ36及びフロアサイドフレーム22に、その下面が接合されている。
なお、本実施形態においては、フロアトンネル部50の車幅方向の左右両側のフロアは、互いに対称な形状に形成されており、以下では、その一方の側のパネルについてのみ説明し、他方の側のパネルについては説明を省略する。
さらに、この第1フロアパネル2には、フロアトンネル部50の左右両側において、No.2クロスメンバ27及びNo.3クロスメンバ28に平行に車幅方向に直線状に延びる折れ部52が形成されている。この折れ部52は、第1フロアパネル2が車体前後方向にくの字状に延びるように一直線状に折り曲げられたものである。
第1フロアパネル2には、これらの各フレーム部材20、22、27、28、36及び折れ部52により囲まれたパネル領域S1乃至S4がそれぞれ形成されている。それらの領域のうち、パネル領域S3及びS4が、パネル領域S1及びS2に対して車体後方に向けて斜め上方に延びている(図6(b)参照)。
第2フロアパネル4は、No.3クロスメンバ28、一対のサイドシル20及びNo.4クロスメンバ29により囲まれた空間を覆うように設けられ、その車幅方向のほぼ中央位置で車体前後方向に延びるように上方に膨出するフロアトンネル部50が形成されている。この第2フロアパネル4は、その4辺の縁部の下面が、No.3クロスメンバ28、一対のサイドシル20及びNo.4クロスメンバ29にそれぞれ接合され、さらに、その車幅方向の左右両側において、フロアサイドフレーム22にその下面が接合されている。
また、第2フロアパネル4のフロアトンネル部50の車幅方向の両縁部には、一直線状に折り曲げられた折れ部54が形成され、この折れ部54からフロアトンネル部50が立ち上がっている。
第2フロアパネル4には、各フレーム部材20、22、28、29、折れ部54及びビード部56により囲まれたパネル領域S5及びS6がそれぞれ形成されている。
第3フロアパネル6は、No.4クロスメンバ29、フロアサイドフレーム22及びNo.5クロスメンバ30により囲まれた空間を覆うように設けられ、その車幅方向のほぼ中央位置で車体前後方向に延びるように上方に膨出するフロアトンネル部50が形成されている。この第3フロアパネル6は、その4辺の縁部の下面が、No.4クロスメンバ29、各フロアサイドフレーム22及びNo.5クロスメンバ30にそれぞれ接合され、さらに、その車幅方向の左右両側において、No.2トンネルサイドメンバ37に、その下面が接合されている。
さらに、この第3フロアパネル6には、フロアトンネル部50の左右両側において、No.4クロスメンバ29及びNo.5クロスメンバ30に平行に車幅方向に直線状に延びるビード部58が形成されている。このビード部58は、第3フロアパネル6自身を車体上方に突出して形成したものである。
第3フロアパネル6には、各フレーム部材22、29、30、37及びビード部58により囲まれたパネル領域S7及びS8がそれぞれ形成されている。
第4フロアパネル8は、第3フロアパネル6の車幅方向外方にそれぞれ設けられ、No.4クロスメンバ29、サイドシル20、フロアサイドフレーム22及びリアサイドフレーム24により囲まれた空間を覆うように車体前後方向に延び、その後縁部がNo.8クロスメンバ33の近傍まで延びている。これらの第4フロアパネル8は、各フレーム部材20、22、24、29に接合されている。
第5フロアパネル10は、No.5クロスメンバ30、No.6クロスメンバ31、一対のフロアサイドフレーム22及び一対のリアサイドフレーム24により囲まれた空間を覆うように設けられ、その4辺の縁部の下面が、それぞれ、それらのフレーム部材22、24、30、31に接合されている。
また、第5フロアパネル10のフロアトンネル部50の車幅方向の両縁部には、一直線状に折り曲げられた折れ部54が形成され、この折れ部54からフロアトンネル部50が立ち上がっている。
第5フロアパネル10には、各フレーム部材22、24、30、31及び折れ部54により囲まれたパネル領域S9が形成されている。
第6フロアパネル12は、No.6クロスメンバ31、No.7クロスメンバ32及び一対のリアサイドフレーム24により囲まれた空間を覆うように設けられ、その4辺の縁部の下面が、それぞれ、それらのフレーム部材24、31、32にそれぞれ接合され、さらに、その車幅方向の左右両側において、No.3トンネルサイドメンバ38に、その下面が接合されている。
第6フロアパネル12には、各フレーム部材24、31、32、37及により囲まれたパネル領域S10が形成されている。
第7フロアパネル14は、No.7クロスメンバ32、No.8クロスメンバ33及び一対のリアサイドフレーム24により囲まれた空間を覆うように設けられ、その4辺の縁部の下面が、それぞれ、それらのフレーム部材24、32、33に接合されている。
第8フロアパネル16は、No.8クロスメンバ33、No.9クロスメンバ34及び一対のリアサイドフレーム24により囲まれた空間を覆うように設けられ、その4辺の縁部の下面が、それぞれ、それらのフレーム部材24、33、34に接合されている。
このような自動車のアンダボディ1において、エンジン40、フロントサスペンション44及びリアサスペンション48の振動は、それぞれ、フロントサスペンションクロスメンバ42、フロントサイドフレーム18、リアサスペンションクロスメンバ46を経由して、一対のフロアサイドフレーム22及びリアサイドフレーム24に大きく伝達され、さらに、各クロスメンバ26〜34、サイドシル20、各トンネルサイドメンバ36〜38に伝達され、これらの振動が第1乃至第8フロアパネル2、4、6、8、10、12、14、16に伝達される。各フロアパネルに伝達される振動は、上述したように、特にタイヤの空洞共鳴に起因したロードノイズである250Hz付近の周波数にピークを有する主に400Hz以下の振動であり、このような振動によりフロアパネルからの音響放射が生じ、車室内の振動騒音を悪化させる要因となる。
本発明の実施形態では、フロアパネル2、6、12の各パネル領域S1〜S4、S7、S8及びS10に振動低減構造を設けることにより、フレーム部材から伝達された振動によりそれらのパネル領域から放射される音響放射を抑制するようにしている。なお、フロアパネル4、8、10、14、16は、従来のパネルで構成されている。
ここで、振動低減構造を説明する。振動低減構造は、フレーム部材などで囲まれたフロアパネルの所定のパネル領域に設けられた、所定の剛性の高い部分(高剛性部)と所定の剛性の低い部分(低剛性部)と、この低剛性部に設けられた制振材とで構成されている。フレーム部材などからこのパネル領域に伝達された振動の振動エネルギは、高剛性部と低剛性部との剛性差により低剛性部に集中し、この集中した振動エネルギにより生じる大きな振動の歪みに伴って制振材が歪むことによって、振動エネルギが熱エネルギ等に変換されて低減される。また、フロアパネルを構成する材質(例えば、鋼板)自体の減衰能によっても、振動エネルギが低減される。このような振動低減効果により、各パネル領域から放射される音響放射が効果的に低減されるようになっている。
次に、図2及び図3により、実験により得られたこの振動低減構造による音響放射の低減の効果について説明する。図2は、振動低減構造を有するフロアパネルの実験モデルを示す平面図(a)及びA-A線に沿って見た断面図(b)であり、図3は、図2の実験モデル及び従来のパネルの実験モデルから得た実験結果を示す線図である。
図2に示すように、実験モデルは、上方から見て正方形状に配置した断面矩形の実験用のフレーム部材60に、振動低減構造を有するパネル62を設けたものである。パネル62は、実際の車両に使用される鋼鈑をプレス成形したものであり、フレーム部材60に囲まれたパネルの大きさは、いずれも、縦横の長さがそれぞれ約300mmの大きさとなっている。このパネル62には、高剛性部64と、この高剛性部64の周囲の全域の平らな低剛性部66とが形成され、低剛性部66に制振材68が貼付けられている。
また、従来のパネルとして、このパネル62と同じ厚さの鋼鈑で全面を平らに形成したパネルをフレーム部材60に設けた実験モデルも用意した(図示せず)。この従来のパネルには、その全面に、パネル62と同量の制振材を貼付けた。実験では、フロアパネルが取り付けられているフレーム部材60の一部を加振器で500Hz以下の周波数(ホワイトノイズ)の加振力を与えて、フレームの振動の大きさに対するパネルの振動の大きさの比(振動率)を測定した。
図3に示すように、振動低減構造を有するパネル62の振動率は、従来のパネルに対し、400Hz以下の周波数の比較的全域に亘って低下し、特に、タイヤの空洞共鳴に起因するロードノイズにより250Hz付近に現れるピークの高さが大きく低下している。従って、振動低減構造により、パネルから放射される音響放射が低減されると言える。
次に、図4により、FEM解析により得られた、低剛性部への振動エネルギの集中の効果について説明する。図4は、図2の実験モデルを制振材を省略して有限要素モデル化した解析モデルの振動解析の結果である。図4に示す解析結果では、明度が高い部分ほど振動の歪みが大きくなっていることを示す。
図4に示すように、振動ひずみは、図中破線で囲まれた高剛性部74で小さく、一方、その周囲の低剛性部76で大きくなっており、低剛性部76に振動エネルギが大きく集中していることが分かる。また、高剛性部74の周縁部74a、即ち、高剛性部74と低剛性部76との境界に隣接した高剛性部74の一部の領域74aも、明度が高くなっており、振動ひずみが大きくなっている。従って、制振材を設ける場合には、振動エネルギが集中している低剛性部に制振材を設ければ良いことが、この解析結果からも分かる。また、この解析結果により、制振材を高剛性部の周縁部に接するように設ければ、上述した振動低減効果を効果的に得られると言える。
一方、低剛性部76には、その4隅の角領域76a(一部のみ仮想線で示す)及びそれらの角領域76aの間の4つの中間領域76b(一部のみ仮想線で示す)のうち、中間領域76bに、それぞれ、振動ひずみが小さく或いは生じていない領域76cがあり、これらの領域76cには、振動エネルギが集中していないことが分かる。これらの振動エネルギが集中していない領域76cは、それぞれ、フレーム部70及び高剛性部74からそれぞれ離れた位置で、且つ、高剛性部84よりもフレーム部70に近い位置に生じている。また、領域76cは、フレーム部70及び高剛性部74の各辺に平行に直線状に延び、その長さは、高剛性部74の各辺より短くなっている。
ここで、振動エネルギは、フロアパネルの振動ひずみに伴って制振材が歪むことによって、他の熱エネルギ等に変換されて低減される。しかし、低剛性部に制振材を設ける場合、振動エネルギが集中し振動の歪みが大きい領域と、振動エネルギが集中せず振動の歪みが小さい或いは生じていない領域(76c)との両方にわたって制振材を設けると、振動の歪みが大きい領域に設けた制振材のひずみを抑制してしまう。即ち、振動の歪みが小さい或いは生じていない領域に設けた制振材は歪まないので、隣接する振動の歪みが大きい領域に設けた制振材を歪みにくくしてしまい、制振材による振動エネルギの低減効果が減少してしまうことになる。
そこで、本実施形態では、これらの結果に基づいて、上述したパネル領域S1乃至S4、S7、S8及びS10に、本発明の実施形態による振動低減構造を設けている。
次に、図5乃至図7により、本発明の実施形態を具体的に説明する。
図5は、本実施形態によるパネル領域S10を示す拡大平面図(a)及びそのV-V線に沿って見たパネル領域S10の車幅方向の断面構造を示す断面図(b)であり、同様に、図6は、パネル領域S1及びS3を示す拡大平面図(a)及びそのVI-VI線に沿って見た車体前後方向の断面図(b)であり、図7は、パネル領域S7及びS8を示す拡大平面図(a)及びそのXII-XII線に沿って見た車体前後方向の断面図(b)である。
各パネル領域S1〜S4、S7、S8及びS10に設けた振動低減構造の基本的な形状及び配置はそれぞれ同じであるので、ここでは、先ず、パネル領域S10を中心に説明した後、パネル領域S1〜S4、S7、S8については、主にパネル領域S10と異なる点について説明する。
先ず、図5により、パネル領域S10に設けた振動低減構造を説明する。
図5(a)に示すように、パネル領域S10は、フレーム部材24、31、32、38に囲まれて形成され、各フレーム部材24、31、32、38がそれぞれ直線状に延びると共に対向するフレーム部材が互いに平行に延びる矩形状に形成されている。
このパネル領域S10には、その中央部にほぼ矩形状の高剛性部84が形成され、この高剛性部84は、その低剛性部76との境界をなす直線状に延びる4つの辺を有している。この高剛性部84の周りの全域には、ロ字状に延びる低剛性部86が形成されている。
図5(b)に示すように、高剛性部84は、フロアパネル自身を車体上方に突出して形成されて剛性が高められている。具体的には、その断面形状は、その中央部がほぼ平らであり、その周囲が低剛性部86から不連続な角度で立ち上がると共に曲線状に延びている。なお、高剛性部84は、車体下方に突出するようにしても良い。一方、低剛性部86は、ほぼ平らに形成されている。
また、図5(a)及び(b)に示すように、低剛性部86には、そのほぼ全域に制振材88が設けられている。この制振材88は、本実施形態では、アスファルト系制振材であり、高剛性部92の外周縁(低剛性部86との境界)に沿ったほぼ矩形状の開口を有すると共に、低剛性部94の外形に合わせてロ字状に延びるようにシート状に形成され、低剛性部86に貼り付けられている。
また、この制振材88には、切り抜き部88cが形成されている。これらの切り抜き部88cは、上述した振動エネルギが集中しない領域86cに対応した位置及び形状に形成されている。このパネル領域S10の低剛性部86では、図5(a)に示すように、4隅の角領域86a(一部のみ仮想線で示す)及び、それらの間の4つの中間領域86b(一部のみ仮想線で示す)における領域86cを除く部分に振動エネルギが集中し、領域86cには、振動エネルギが集中していない。そこで、本実施形態では、その領域86cに制振材88が設けられず、振動エネルギが集中する部分にのみ制振材88が設けられるようにして、振動エネルギがより効果的に低減されるようにしている。
具体的には、切り抜き部88cは、それぞれ、各フレーム部材24、31、32、38及び高剛性部74からそれぞれ隔てた位置で、且つ、高剛性部84よりも各フレーム部材に近い位置に形成されている。また、切り抜き部88cは、各フレーム部材24、31、32、38及び高剛性部74の各辺(低剛性部86との境界の4辺)にそれぞれ平行に直線状に延び、その長さは、高剛性部74の各辺より短く形成されている。
このように切り抜き部88cを形成することにより、制振材88は、振動エネルギが集中している領域、即ち、低剛性部86の角領域86a及び中間領域86bにおける領域86cを除く部分にのみ設けられ、特に、振動エネルギが集中している角領域86bには、切り抜き部88cが形成されないようになっている。
なお、図5(b)に示すように、この制振材88は、高剛性部84の周縁部84aに接するように設けられており、高剛性部84の周縁部84aの振動エネルギをも低減することが出来るようになっている。また、制振材88は、塗布型制振材などの他の制振材でも良い。例えば、塗布型制振材の場合には、塗布型制振材を、振動エネルギが集中していない領域に塗布しないようにして切り抜き部が形成されるように、低剛性部のほぼ全面に塗布する。
次に、図1及び図6により、パネル領域S1乃至S4に設けた振動低減構造を説明する。
図6(a)に示すように、パネル領域S1及びS3は折れ部52を共有し、パネル領域S1は、この折れ部52と、各フレーム部材20、22、27とに囲まれて矩形状に形成されている。また、図1に示すように、パネル領域S2、S4は、各フレーム部材22、27、28、36及び折れ部52に囲まれて、パネル領域S1、S3と同様に形成されている。ここで、折れ部52は、第1フロアパネル2を一直線状に折り曲げて形成されており、パネル領域S1又はS2に生じる振動と隣り合うパネル領域S3又はS4に生じる振動とが互いに連成しないように振動を規制する振動規制部としての役割を果たしている。
図1及び図6(a)に示すように、パネル領域S1乃至S4には、上述したパネル領域S10と同様に、ほぼ矩形状の高剛性部84及び、ロ字状に延びると共にその断面が平らな低剛性部86が形成されている。また、図6(b)に示すように、これらのパネル領域S1乃至S4に形成された高剛性部84のうち、パネル領域S3に形成された高剛性部84は、曲面高さが連続的に変化するドーム状の断面形状となるように形成されている。図示しないが、パネル領域S4に形成された高剛性部84も同様に形成されている。
また、これらのパネル領域S1乃至S4には、切り抜き部88cを有する制振材88が、低剛性部86のほぼ全域に設けられている。これらのパネル領域S1乃至S4においても、各切り抜き部88cは、上述した振動エネルギが集中しない領域に対応した位置及び形状に形成されており、パネル領域S1乃至S4の振動エネルギをより効果的に低減することが出来るようになっている。
特に、これらのパネル領域S1乃至S4は、その一辺が折れ部52に接しているが、この折れ部52は一直線状に折り曲げられており、その剛性が高められているので、フレーム部材である場合と同様に、そのビード部58から所定距離離れた位置に振動エネルギが集中していない領域が生じる。従って、上述したパネル領域S10と同様に、その領域に切り抜き部88cを形成することにより、パネル領域S1乃至S4の振動エネルギがより効果的に低減されることになる。
以上説明したこれらのパネル領域S1乃至S4のように、フレーム部材に加えて、振動規制部である折れ部52に囲まれた領域においても、本実施形態の振動低減構造により振動エネルギを低減することが出来るようになっている。
次に、図7により、パネル領域S7及びS8に設けた振動低減構造を説明する。
図7(a)に示すように、パネル領域S7及びS8はビード部58を共有し、パネル領域S7は、このビード部58と、各フレーム部材22、29、30、37とに囲まれて形成されている。これらのパネル領域S7及びS8では、フレーム部材22とフレーム部材37とが互いに平行になっておらず、パネル領域S7及びS8が台形状となっている。ここで、ビード部58は、パネル領域S7に生じる振動と隣り合うパネル領域S8に生じる振動とが互いに連成しないように振動を規制する振動規制部としての役割を果たしている。
図7(a)に示すように、パネル領域S7及びS8には、高剛性部84及び低剛性部86が形成されている。高剛性部84は、その各辺が、各フレーム部材22、29、30、50又はビード部58と平行になるように形成され、各パネル領域S7及びS8の形状とほぼ相似する台形状に形成されている。また、低剛性部86は、これらの高剛性部84の周囲の全域にほぼロ字状に延びて形成されている。このように、パネル領域S7及びS8では、高剛性部84の各辺が、各フレーム部材22、29、30、50又はビード部58と平行になるように形成して、その周囲の低剛性部86の剛性が高まらないようにしており、その結果、低剛性部86に振動エネルギが確実に集中するようにしている。
また、図7(b)に示すように、パネル領域S7に形成された高剛性部84は、曲面高さが連続的に変化するドーム状の断面形状となるように形成され、図示しないが、パネル領域S8も同様の形状に形成されている。また、低剛性部86は、パネル領域S10と同様に平らに形成されている。
また、これらのパネル領域S7及びS8には、切り抜き部88cを有する制振材88が、低剛性部86のほぼ全域に設けられている。これらのパネル領域S7及びS8においても、各切り抜き部88cは、上述した振動エネルギが集中しない領域に対応した位置及び形状に形成されており、パネル領域S7及びS8の振動エネルギをより効果的に低減することが出来るようになっている。
特に、これらのパネル領域S7及びS8は、その一辺がビード部58に接しているが、このビード部58は剛性が高められているので、フレーム部材である場合と同様に、そのビード部58から所定距離離れた位置に振動エネルギが集中していない領域が生じる。従って、上述したパネル領域S10と同様に、その領域に切り抜き部88cを形成することにより、パネル領域S7及びS8の振動エネルギがより効果的に低減されることになる。
また、振動エネルギが集中しない領域は、フレーム部材に対して平行に延びる。従って、パネル領域が矩形状ではない四角形状(パネル領域S7及びS8では、台形状)であっても、切り抜き部88cを各フレーム部材やビード部58と平行になるように形成することで、振動エネルギを効果的に低減することが出来る。
以上説明したこれらのパネル領域S7及びS8のように、フレーム部材に加えて、振動規制部であるビード部58に囲まれた領域においても、本実施形態の振動低減構造により振動エネルギを低減することが出来るようになっている。また、パネル領域が矩形状でない四角形状である場合でも、高剛性部をそのパネル領域の形状とほぼ相似する四角形状に形成し、さらに、低剛性部86の振動エネルギが集中していない領域に対応して、制振材88の切り抜き部88cを設けることにより、振動エネルギを低減することが出来るようになっている。
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
本実施形態のパネル領域S1乃至S4、S7、S8及びS10においては、高剛性部84と、この高剛性部84の周りに形成された低剛性部86とが設けられているので、高剛性部84と低剛性部86との剛性差により、低剛性部86に振動エネルギが集中する。そして、低剛性部86の歪みに伴って低剛性部84に設けた制振材88が歪み、低剛性部86に集中した振動エネルギは熱エネルギに変換されて、それらの各パネル領域全体の振動エネルギが低減される。その結果、それらのパネル領域からの音響放射が低減される。
特に、制振材88には、低剛性部86の振動エネルギが集中していない領域86cに対応して切り抜き部88cが形成されているので、振動エネルギをより効果的に低減することが出来る。即ち、振動エネルギが集中せず振動の歪みが小さい或いは生じていない領域と、振動の歪みが大きい領域とにわたって制振材88を設けないようにして、上述したように振動の歪みが大きくなっている領域に設けた制振材が歪みにくくなる、ということを防止することが出来る。そして、振動エネルギが集中する領域にのみ制振材88が設けられることになり、振動エネルギをより効果的に低減することが出来る。さらに、切り抜き部88cを設けることにより、制振材の重量を削減することが出来る。
本発明の実施形態を備えた自動車のアンダボディを示す斜視図である。 振動低減構造を有するフロアパネルの実験モデルを示す平面図(a)及びA-A線に沿って見た断面図(b)である。 図2の実験モデル及び従来のパネルの実験モデルから得た実験結果を示す線図である。 図2の実験モデルを制振材を省略して有限要素モデル化した解析モデルの振動解析の結果である。 本実施形態によるパネル領域S10を示す拡大平面図(a)及びそのV-V線に沿って見たパネル領域S10の車幅方向の断面構造を示す断面図(b)である。 本実施形態によるパネル領域S1及びS3を示す拡大平面図(a)及びそのVI-VI線に沿って見た車体前後方向の断面図(b)である。 本実施形態によるパネル領域S7及びS8を示す拡大平面図(a)及びそのXII-XII線に沿って見た車体前後方向の断面図(b)である。
符号の説明
1 自動車のアンダボディ
2 第1フロアパネル
6 第3フロアパネル
12 第6フロアパネル
18 フロントサイドフレーム
20 サイドシル
22 フロアサイドフレーム
24 リアサイドフレーム
26〜34 No.1〜No.9クロスメンバ
36〜38 No.1〜No.3トンネルサイドメンバ
40 エンジン
42 フロントサスペンションクロスメンバ
46 リアサスペンションクロスメンバ
52 折れ部(振動規制部)
58 ビード部(振動規制部)
64、74、84 高剛性部
66、76、86 低剛性部
68、78、88 制振材
S1〜S10 パネル領域

Claims (4)

  1. 車体前後方向及び車幅方向に配設された複数のフレーム部材に連結されたフロアパネルにより自動車のフロアを構成する車体のフロアパネル構造であって、
    上記フロアパネルには、少なくともその一部が上記フレーム部材により囲まれたパネル領域が形成され、
    上記フロアパネルの上記パネル領域には、そのパネル領域の中央部にそれ自身が上方向又は下方向に突出された高剛性部が形成されると共にこの高剛性部の周りに低剛性部が形成され、
    上記低剛性部には制振材が設けられると共にこの制振材には上記フレーム部材から隔てた位置で上記フレーム部材に沿って延びる切り抜き部が形成されていることを特徴とする車体のフロアパネル構造。
  2. 上記フレーム部材は直線状に延び、
    上記切り抜き部は、上記直線状に延びるフレーム部材に対して平行に延びる請求項1記載の車体のフロアパネル構造。
  3. 上記高剛性部は、平面視でほぼ四角形状に形成され、
    上記切り抜き部は、上記ほぼ四角形状の高剛性部の辺に対して平行に且つその辺の長さより短い長さで延びる請求項1又は請求項2記載の車体のフロアパネル構造。
  4. 上記切り抜き部は、上記低剛性部の角領域には形成されていない請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車体のフロアパネル構造。
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