JP2006202697A - 車載用電線の止水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単な操作で、電線端末部分の体積を大幅に増やすことなく、確実に車載用電線の止水処理を行う。
【解決手段】 例えばアース用電線10を止水処理するにあたり、その一方の端末の矢印Aの位置から、流動性を有し、かつ着色された着色止水剤56を供給し、さらに、着色止水剤56の一部がアース用電線10の一方の端末に露出する状態で他の部分が被覆材14の内側に浸透するように、着色止水剤56の供給中または供給後にアース用電線10の他方の端末から被覆材14の内側のエアを吸引して減圧する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両に搭載される車載用電線に止水処理を施す技術に関するものである。
前記車載用電線としては、高い防水性が求められるものがある。例えば、車両等に設けられる電気回路をアース端子に接続するためのアース用電線は、その端末に固定されたアース接続端子が外部に露出した状態で適当なアース部位(例えば車両のボディ)に接続されるため、当該端末から水分が侵入しやすく、当該水分が被覆材の内側を伝って回路に侵入すると当該回路の正常な動作を妨げるおそれがある。
そこで、このようなアース用電線をはじめとする車載用電線の止水処理を行う方法として、特許文献1には、アース接続端子が固定された電線端末を覆うように高粘度シール樹脂をモールドすることが開示されている。
特開2001−167821号公報(第4頁,図4)
前記のように電線端末の周囲に樹脂をモールドする方法では、その成形に手間と大掛かりな設備とを要するのに加え、当該電線端末が嵩張るため、配線作業がしづらく、例えば他のアース接続端子と重ね合せるといったことができなくなる欠点がある。
本発明は、このような事情に鑑み、簡単な操作で、電線端末部分の体積を大幅に増やすことなく、確実に車載用電線の止水処理を行うことを目的とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、導体の外側に被覆材を有する電線であって車両に搭載される車載用電線を止水処理する方法であって、前記車載用電線の一方の端末に、流動性を有し、かつ着色された止水剤を供給する止水剤供給工程と、当該着色止水剤の一部が前記車載用電線の一方の端末に露出する状態で他の部分が前記被覆材の内側に浸透するように、前記着色止水剤の供給中または供給後に前記車載用電線の他方の端末から前記被覆材の内側のエアを吸引して減圧する減圧工程とを含むものである。
この方法によれば、車載用電線の一方の端末に着色止水剤を供給する止水剤供給工程に加えて、当該車載用電線の他方の端末からエアを吸引して被覆材の内側を減圧する減圧工程を行うことにより、供給した着色止水剤を被覆材の内側に十分に浸透させることができ、その結果、当該電線端末部分の体積を大幅に増やすことなく確実な止水処理を実現することができる。すなわち、当該方法により止水処理を施した車載用電線においては、その被覆材の内側における水路が確実に遮断され、前記一方の端末から車載用電線を伝って車載回路に水分が侵入するのを防止することができる。さらには、止水剤が着色され、かつその一部が車載用電線の一方の端末に露出しているため、当該着色止水剤の存在を止水処理後も外部から目視でき、当該止水処理が施された電線かどうかを簡単に識別することが可能である。
なお、前記車載用電線の種類や配設個所は特に限定されるものではないが、好ましいものとして、車両に搭載される回路をアースに接続するためのアース用電線が挙げられる。
この構成によれば、アース用電線に前記止水処理を施すことができるので、一般に車両の外部環境の影響を受けやすい個所(例えば、車両のボディ)に配設されるアースに接続されたアース用電線の端末から反対の端末へ水分が浸入するのを防止することができる。
ただし、本発明に係る止水用吸引装置は、前記アース用電線に限られず、例えば、電線途中部の被覆材が剥離されたスプライス線のように被覆材内部への水分の浸入が発生し易い種類のもの、又はコネクタに防水機能が備えられていてもその回路自体に特に高い防水性が要求される回路に接続されるものにも好適に採用することができる。
この方法において、前記止水剤供給工程を、前記車載用電線の一方の端末に前記着色止水剤を滴下する工程とし、その滴下の良否を光学式センサにより確認しながら当該滴下を行う工程であることとしてもよい。すなわち、止水剤が着色されているためにその光透過率が低いことを利用して、当該着色止水剤の存在を光学式センサによって検知するようにしたものである。これにより、着色止水剤が所定位置に滴下されていることを簡単に確認しながら止水剤供給工程を行うことができるため、より確実な止水処理を実現することができる。
また、前記止水供給工程を、前記着色止水剤を収容するシリンジと、これの出口となるノズルを有するディスペンサを用いて前記車載用電線の一方の端末に前記着色止水剤を滴下する工程とし、当該シリンジ内の着色止水剤の上面を、止水剤の固化を防止するための保護液で覆うこととしてもよい。これにより、シリンジ内の着色止水剤の固化を防止することができ、その結果、ディスペンサの滴下性能を維持して止水処理不良を防止することができる。
前記保護液としては、前記着色止水剤とは異なる色に着色したものを用いることが好ましい。これにより、着色止水剤の液位を目視で確認することが容易となるため、保守管理を容易にすることができる。
また、以上の止水処理方法で用いる着色止水剤としては、黒色に着色された止水剤を用いることが好ましい。これにより、より確実に光を遮断できるため、光学式センサによる着色止水剤の検知をより確実にすることができる。
以上のように、本発明の車載用電線の止水処理方法によれば、簡単な操作で、電線端末部分の体積を大幅に増やすことなく、確実に車載用電線の止水処理を行うことができるとともに、当該止水処理が施された電線かどうかを簡単に目視確認することができる。
本発明の好ましい実施の形態を図面を参照しながら説明する。
なお、本実施形態では、車両に搭載された回路をアースに接続するためのアース用電線に止水処理する方法を説明するが、本発明はこれに限らず、高い防水性が求められる各種の車載用電線にも適用可能である。
この実施の形態にかかるアース用電線の止水処理方法は、次の各工程を含む。
1)端子圧着工程
この工程は、図1(a)(b)に示すようなアース用電線10の一方の端末にアース接続端子20を圧着固定する工程である。
前記アース用電線10には、導体12の周囲に被覆材14を有する絶縁電線を用いる。そして、その一方の端末の被覆材14を所定長さだけ除去して前記導体12を露出させておく。
このアース用電線10の端末に対し、図1(a)(b)に示すようなアース接続端子20を圧着固定する。図示のアース接続端子20は、単一の金属板で構成され、車両のボディアースに接続されるアース接続部21と、導体バレル22及びインシュレーションバレル24とを一体に有している。アース接続部21には図略のボルトが挿通可能なボルト挿通孔21aが設けられ、当該ボルトによって前記アース接続部21が車両のボディに締結されることにより、当該ボディに電気的に接続される(すなわちボディアースに接続される)ようになっている。
このアース接続端子20の前記両バレル22,24が開いた状態で、前記のように被覆材14が除去されたアース用電線10の端末をセットし、その後、前記導体バレル22及びインシュレーションバレル24をそれぞれ閉じて前記導体12及び被覆材14に圧着(かしめ)固定する。
2)止水剤供給工程及び減圧工程
この工程は、前記アース用電線10の一方の端末(アース接続端子20が固定された端末)に対して、流動性を有し、かつ着色された止水剤を供給する止水剤供給工程を行うとともに、その着色された止水剤が被覆材14の内側に浸透するように、他方の端末(前記アース接続端子20を固定した端末と反対側の端末)から被覆材14の内側のエアを吸引して減圧する減圧工程を行うものである。
まず止水剤供給工程では、図1(a)(b)に矢印Aで示した位置、すなわち被覆材14の末端近傍の部分に、図4に示すディスペンサ50によって着色止水剤56を滴下する。この滴下位置は端子構造に応じて適宜設定が可能である。
この着色止水剤56は、少なくとも供給時に流動性を有し、かつ、電線使用時にはその充填位置から移動しにくく、かつ電線の曲げ等に追従して変形できる程度の柔軟性を有するものが好ましい。具体的には、比較的粘度の高い液体又はゲル状のもので、その性状が供給時からほとんど時間変化しないものでもよいし、供給後に硬化し、かつ硬化後も弾性に富むものでもよい。
具体的には、初期粘度が0.006〜6Pa・s程度のものであれば、10kPa〜100kPa程度の圧力で5〜120秒ほど減圧することにより、被覆材14内に浸透可能であることが確認されており、その材質としては、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、グリース、その他粘性及び弾性を有する接着剤が好適である。シリコーン樹脂については、2液タイプ(2液混合によって硬化が開始するタイプ)、1液タイプ(1液のみで自然硬化するタイプ)にかかわらず使用が可能である。
そして、これを着色するためのものとしては、染料や顔料を用いることが考えられるが、後述するレーザセンサによる着色止水剤56の識別をより確実にするため、光透過率をより低くできる顔料を用いるのが好ましい。ただし顔料を用いる場合は、その沈殿が生じにくくなるように、粒径ができるだけ小さいもの(平均粒径が数μm以下)を濃度が濃くなり過ぎない程度に用いることが好ましい。また色については各種考えられるが、より確実に光を遮断できるように、黒色とすることが好ましく、このために用いる顔料の成分は、例えばカーボンブラックが考えられる。
図4に示すディスペンサ50は、着色止水剤56を収容するシリンジ52と、これの出口となるノズル54を有しており、さらに図略のコントローラがエアを供給して着色止水剤56を押し出すとともにその量を制御することで、定量の着色止水剤56を断続的に滴下できるように構成されている。
シリンジ52内の着色止水剤56は、その種類によっては、上面が空気に長期間接触すると固化して膜が出来やすくなり、このような膜の発生はディスペンサ50の滴下性能に著しく影響する。従って、この種の着色止水剤56を使用する場合には、その上面を保護液58によって覆い、これにより着色止水剤56の固化を防止するようにするとよい。なお保護液58としては、例えば、化学的に安定な流動パラフィンを用いるとよい。
また、保護液58は、着色止水剤56の液位が容易に判別できるように、着色止水剤56とは異なる色に着色されたものを用いるとよい。その色は、着色止水剤56と同色でなければよく、適宜設定可能である。
また、着色止水剤56をシリンジ52内に収容したままディスペンサ50を長期間使用しないような場合は、着色止水剤56の種類によっては、ノズル54先端から露出した着色止水剤56が固化する恐れがあるため、図5(a)に示すように、ノズル54の先端部分を保護液58に浸けるようにして固化を防止するとよい。そして、再度ディスペンサ50を使用するときはノズル54先端に付着した保護液58を拭き取ってから使用すればよい。具体的には図5(b)に示すように、チャック59を用いてノズル54を挟み込み、さらにディスペンサ50を動かすことにより保護液58を拭き取ることができる。
ここで、前記ディスペンサ50を用いて着色止水剤56を滴下する際、1回の滴下で必要量の着色止水剤56を供給しようとすると所定の滴下位置から着色止水剤56が溢れる恐れがあること等から、複数回に分けて当該滴下を行った方が、十分な着色止水剤56が被覆材14の内側に浸透し、より止水性能が高まることが確認されている。従って本実施形態では、着色止水剤56を複数回に分けて滴下する。
この滴下の回数と時間間隔は、アース用電線10の断面の大きさ、着色止水剤56の粘度、減圧時の圧力等の条件に応じて適宜設定するものである。ただし、2回目以降の滴下は、その前の回に滴下された着色止水剤56が完全に被覆材14の内側に浸透してしまう(電線端末から無くなってしまう)前に、着色止水剤56を電線端末に補充するようにして滴下するのがよい。そのようにすれば、全ての回で滴下した着色止水剤56が隙間なく被覆材14内の水路を遮断し、止水性能をより高めることができる。しかるに、滴下された着色止水剤56が被覆材14の内側に浸透する速度は、1回目の滴目が最も速く、後の回になるほど遅くなるため(後の回になるほど、それ以前に滴下された着色止水剤56が既に被覆材14の内側に多く存在するため、新たに被覆材14内側に浸透し難くなる)、滴下の時間間隔は、1回目と2回目の間が最も短く、それ以降は徐々に間隔が長くなることになる。
また本実施形態では、図6に示すような、光学式センサの一種である透過型レーザセンサ60によってその滴下の良否を確認しながら当該滴下を行うようにしており、これによって止水処理がより確実に行われるようにしている。
図6に示す透過型レーザセンサ60は、投光部62から投光されたレーザ66を受光部64が受光する構成となっている。このレーザ66を遮光するものがなく、受光部64がレーザ66を受光し続けている間はセンサ出力がONになり、逆にレーザ66が遮光され、受光部64の受光量が減少するとセンサ出力がOFFになるようになっている。
そして、透過型レーザセンサ60は、被覆材14の末端近傍に露出している導体12と、ノズル54先端との間をレーザ66が通過するように配置されているため、着色されていて光透過率が低い着色止水剤56がこの間に存在すると、これによってレーザ66が遮光され、その結果センサ出力がOFFになり、逆に、着色止水剤56が存在しないときはONになる。このレーザ66の通過位置は、導体12とノズル54との間の隙間等に応じて適宜設定すればよいが、後述する実施例のケースでは、導体12とノズル54との間の隙間を5mm程度にでき、このときの通過位置はノズル54先端から3mm前後離れた位置に設定するとよい。(これよりさらにノズル54先端に近づければ、着色止水剤56を滴下していない時でも、液ダレによってノズル54先端から僅かに突出した着色止水剤56がレーザ66を遮光する恐れがある。)
この構成によれば、まず図6(a)に示すように、初期状態(例えばノズル54を位置決めした状態)であって着色止水剤56の滴下を開始する前は、レーザ66を遮光するものがないため、センサ出力がONになる。次に図6(b)で着色止水剤56の1回目の滴下を開始すると、着色止水剤56がレーザ66を遮光するため、センサ出力がOFFになる。この状態において、後述する減圧工程によって被覆材14の内側が減圧されているため、次の図6(c)に示すように、この滴下された着色止水剤56が被覆材14の内部に浸透し、これによりレーザ66を遮光するものがなくなり、再びセンサ出力がONになる。さらに2回目の滴下が開始されると、図6(d)(e)に示すようにこの手順が繰り返されることになる。このように、着色止水剤56が適切に滴下されている間は、透過型レーザセンサ60はONとOFFをある間隔を置いて順番に出力する。従って、例えば着色止水剤56が固化してこれを滴下できなくなるような不具合が発生した場合、センサがONを出力し続けて所定の時間が経過してもOFFに切り替わらなくなるため、これを異常信号として捉えれば、止水処理の不良を確実に発見することができる。
以上のように、止水剤供給工程は、ディスペンサ50によってアース用電線10の一方の端末(アース接続端子20が固定された端末)に対して着色止水剤56を滴下するとともに、その滴下の良否を透過型レーザセンサ60によって確認しながら当該滴下を行うというものである。
そして、この止水剤供給工程を開始すると同時に、アース用電線10の他方の端末(アース接続端子20を固定した端末と反対側の端末)から被覆材14内側のエアを吸引する減圧工程を開始する。なお、前記のように止水剤供給工程では複数回に分けて着色止水剤56が滴下されるため、この減圧工程は全ての滴下が終了するまで続行される。また、これら一連の工程は、1本のアース用電線10ごとに個別に行ってもよいが、この実施の形態では、止水処理の効率化を図るべく、複数本のアース用電線10について同時に行うようにする。具体的には、複数本のアース用電線10の一方の端末に対して同時に着色止水剤56を滴下することによって止水剤供給工程を行うとともに、図2に示すように、その各アース用電線10の他方の端末を、共通の電線接続装置30に接続し、この電線接続装置30を圧力制御盤42を介して吸引ポンプ44の吸込み口に接続することにより、前記各アース用電線10の止水処理を同時に行うようにする。
図示の電線接続装置30は、内部が密閉されたハウジング32を備え、このハウジング32内の密閉空間が適当な配管40及び前記圧力制御盤42を介して前記吸引ポンプ44の吸い込み口に接続されている。
前記ハウジング32の前壁にはゴム栓保持板34が設けられている。このゴム栓保持板34には、図3に示すような複数個のゴム栓36が縦横に並んだ状態で保持されている。そして、各ゴム栓36に各アース用電線10の端末が接続されるようになっている。
具体的に、前記ゴム栓保持板34には、これを板厚方向に貫通する複数のゴム栓取付孔34aが設けられ、各ゴム栓取付孔34a内に前記ゴム栓36がそれぞれ嵌着されている。
各ゴム栓36は、その中心軸上に貫通孔36aをもつ筒状に形成され、当該貫通孔36aの内周面にはシール用突条36bが形成されている。このシール用突条36bは、前記貫通孔36a内に挿入される前記アース用電線10の被覆材14の表面と圧接することにより、ハウジング32内の密閉状態を保つ役割を果たす。同様に、ゴム栓36の外周面にもシール用突条36cが形成され、このシール用突条36cが前記ゴム栓取付孔34aの内周面と圧接することによりシールがなされている。
各ゴム栓取付孔34aの外側端部には、前記ゴム栓36の外周部を外側から覆うゴム栓カバー38が設けられ、このゴム栓カバー38は、前記ゴム栓36の貫通孔36a内にアース用電線10の端末を誘い込むためのテーパー状貫通孔38aを中心に有している。
この電線接続装置30において、各ゴム栓カバー38の貫通孔38aを通じてその奥のゴム栓36の貫通穴36aに各アース用電線10の端末(アース接続端子20が固定された端末と反対側の端末)を圧入することにより、これらのアース用電線10をハウジング32内の共通の密閉空間に接続することができる。そして、この密閉空間内を前記圧力制御盤42の制御下で前記吸引ポンプ44の作動により一定の負圧になるまで減圧することにより、各アース用電線10における被覆材14の内側空間もそれぞれ同時に減圧することができる。
以上のような減圧工程は、本実施形態では、着色止水剤56の最終回の滴下と同時か、又は最終回の滴下からごく短時間で終了するようにする。このようにすれば、着色止水剤56の一部が電線端末に露出している状態、すなわち、アース接続端子20の導体バレル22とインシュレーションバレル24との間に露出している導体12(図1(a)(b)に矢印Aで示す部分の導体12)が着色止水剤56によって覆い隠される状態で止水処理が完了し、電線端末から被覆材14内側まで隙間なく止水することができる。
以上説明したように、止水剤供給工程によって被覆材14の末端近傍の部分に着色止水剤56を滴下するとともに、被覆材14の内側のエアを減圧工程によって減圧するため、着色止水剤56の粘度が多少高くても、これが確実に被覆材14の内側に浸透し、当該被覆材14内の水路を遮断する止水構造を構築することになる。すなわち、従来のように電線端末の周囲を樹脂モールドする方法と異なり、当該端末部分の体積を大幅に増やすことなく、しかも簡単な操作で、確実にアース用電線の止水処理を行うことができる。さらには、止水剤が着色され、かつその一部がアース用電線の一方の端末に露出しているため、その存在を止水処理後も外部から目視でき、当該止水処理が施された電線かどうかを簡単に識別することが可能である。
なお、前記の方法では止水剤供給工程と減圧工程を同時に行うようにしているが、本発明では、止水剤供給工程後、着色止水剤56が硬化する前に前記減圧工程を開始しても、供給した着色止水剤56を被覆材14内に吸引して浸透させることが可能である。
また、前記止水剤供給工程は前記端子固定工程の前に行うことも可能である。ただし、その場合には、供給した着色止水剤56による止水構造が端子の圧着等による外力を受けて変形、割れなどを生じるおそれがあるのに対し、前記のように端子固定工程後に止水剤供給工程を行えば、より確実な止水処理を実現できることになる。
さらに、前記端子固定工程で固定する端子は、必ずしもアース接続端子20でなくてもよく、これと反対側の端末に固定される端子(例えば車載負荷側に接続される端子)を固定するようにしてもよい。この場合も、当該端子よりも手前側の位置に良好な止水構造を構築することが可能である。ただし、この場合には、アース接続部からこれと反対側の端末の前記止水構造に至るまでの領域で被覆材14内に水分が侵入するおそれがあるのに対し、前記のようにアース接続端子20が固定される側(すなわちアース接続部から侵入する水分の入口側)の端末に着色止水剤56を供給すれば、被覆材14の内側への水分の侵入をほぼ確実に阻止できる利点が得られる。
また、本実施形態では光学式センサとして透過型レーザセンサ60を用いたが、着色止水剤56の存在を検知できるものであればこれに限るものではなく、例えば反射型レーザセンサを用いてもよいし、赤外線センサを用いてもよい。
前記図1〜図6に示した方法により、次の条件下で止水処理を行った。
着色止水剤…シリコーンゴムにカーボンブラックを混合したもの(粘度0.6Pa・s)
保護液…流動パラフィン
電線断面積…0.5mm2
滴下回数…4滴
1滴あたりの着色止水剤滴下量…4.5〜5.5mg
減圧時の圧力…50〜70kPa
減圧時間…1滴目滴下時点から25秒間(4滴目滴下と同時に終了)
着色止水剤…シリコーンゴムにカーボンブラックを混合したもの(粘度0.6Pa・s)
保護液…流動パラフィン
電線断面積…1.25mm2
滴下回数…5滴
1滴あたりの着色止水剤滴下量…4.5〜5.5mg
減圧時の圧力…50〜70kPa
減圧時間…1滴目滴下時点から25秒間(5滴目滴下と同時に終了)
以上実施例1,2による止水処理を行った結果、電線端末に着色止水剤56の一部が露出する状態で、止水性能を発揮するために十分な量の着色止水剤56が被覆材14の内側に浸透することが確認された。
(a)は本発明の実施の形態にかかるアース用電線の一方の端末にアース接続端子を圧着固定した構造を示す平面図、(b)はその正面図である。 前記アース用電線における被覆材の内側を減圧するための装置の例を示す図である。 図2に示される電線接続装置の電線接続部を示す断面図である。 前記アース用電線の端末に着色止水剤を供給するためのディスペンサの構造を示す断面図である。 (a)は前記ディスペンサのノズル先端を保護液に浸けた状態を示す断面図、(b)は当該保護液をチャックを用いて拭き取るところを示す断面図である。 (a)〜(e)は前記ディスペンサと、透過型レーザセンサを用いて前記アース用電線の端末に着色止水剤を供給しているところを示す工程図である。
符号の説明
10 アース用電線
12 導体
14 被覆材
50 ディスペンサ
52 シリンジ
54 ノズル
56 着色止水剤
58 保護液

Claims (7)

  1. 導体の外側に被覆材を有する電線であって車両に搭載される車載用電線を止水処理する方法であって、
    前記車載用電線の一方の端末に、流動性を有し、かつ着色された止水剤を供給する止水剤供給工程と、
    当該着色止水剤の一部が前記車載用電線の一方の端末に露出する状態で他の部分が前記被覆材の内側に浸透するように、前記着色止水剤の供給中または供給後に前記車載用電線の他方の端末から前記被覆材の内側のエアを吸引して減圧する減圧工程とを含むことを特徴とする車載用電線の止水処理方法。
  2. 請求項1記載の車載用電線の止水処理方法において、
    前記車載用電線は、車両に搭載される回路をアースに接続するためのアース用電線であることを特徴とする車載用電線の止水処理方法。
  3. 請求項1又は2記載の車載用電線の止水処理方法において、
    前記止水剤供給工程は、前記車載用電線の一方の端末に前記着色止水剤を滴下する工程であって、その滴下の良否を光学式センサにより確認しながら当該滴下を行う工程であることを特徴とする車載用電線の止水処理方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載用電線の止水処理方法において、
    前記止水剤供給工程は、前記着色止水剤を収容するシリンジと、これの出口となるノズルを有するディスペンサを用いて前記車載用電線の一方の端末に前記着色止水剤を滴下する工程であって、
    当該シリンジ内の着色止水剤の上面を、止水剤の固化を防止するための保護液で覆うことを特徴とする車載用電線の止水処理方法。
  5. 請求項4記載の車載用電線の止水処理方法において、
    前記保護液として前記着色止水剤とは異なる色に着色したものを用いることを特徴とする車載用電線の止水処理方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の車載用電線の止水処理方法において、
    前記着色止水剤として黒色に着色した止水剤を用いたことを特徴とする車載用電線の止水処理方法。
  7. 導体の外側に被覆材を有する電線であって車両に搭載される車載用電線において、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の止水処理方法により被覆材の内側に着色止水剤が充填されていることを特徴とする車載用電線。
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