JP4949665B2 - 車載用電線の止水処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載される車載用電線に止水処理を施す技術に関するものである。
前記車載用電線としては、高い防水性が求められるものがある。例えば、車両等に設けられる電気回路をアース端子に接続するためのアース用電線は、その端末に固定されたアース接続端子が外部に露出した状態で適当なアース部位(例えば車両のボディ)に接続されるため、当該端末から水分が侵入しやすく、当該水分が被覆材の内側を伝って回路に侵入すると当該回路の正常な動作を妨げるおそれがある。
このため、従来から、当該アース用電線をはじめとする車載用電線に止水処理を施すことが行われており、例えば下記特許文献1には、車載用電線の一方の端末に接続された端子上に流動性を有する止水剤を滴下してこれを溜めることにより当該一方の端末に止水剤を供給するとともに、他方の端末からエアを吸引することにより、当該止水剤を前記車載用電線の導体と被覆材との隙間に引き込んで充填する方法が開示されている。
特開2004−355851号公報
しかしながら、電線端末に接続された端子上に流動性を有する止水剤を滴下してこれを溜めることにより止水剤の供給を行う前記特許文献1記載の止水処理方法では、端子の形状や止水剤の滴下量等によっては前記端子上に溜まった止水剤が端子の周囲に溢れ出してしまい、止水剤を安定して供給することができなくなるおそれがあった。
本発明は、このような事情に鑑み、流動性を有する止水剤をより安定的に電線端末に供給することを可能にすることにより、車載用電線の止水処理をより確実に行うことを目的とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、導体の外側に被覆材を有して車両に搭載される電線であってその一方の端末に端子が接続された車載用電線の当該一方の端末を止水処理するための方法であって、前記一方の端末に接続された端子上に流動性を有する止水剤を滴下してこれを溜めることにより、当該一方の端末に前記止水剤を供給する止水剤供給工程と、前記止水剤の供給中又は供給後に、前記車載用電線の他方の端末から前記被覆材の内側のエアを吸引してその内部を減圧することにより、前記止水剤を前記被覆材の内側に浸透させる減圧工程とを含み、前記止水剤供給工程では、弾性部材の上面に前記端子を押し付け、当該弾性部材を前記端子の下面および両側面を包み込む形状に変形させることにより、前記端子の両側面に密着する溢出防止壁を形成し、当該溢出防止壁を用いて、前記端子上に溜まった止水剤が側方に溢れ出すのを防止することを特徴とするものである(請求項1)。
この方法によれば、車載用電線の一方の端末に接続された端子上に止水剤を滴下する止水剤供給工程を、端子上に溜まった止水剤が側方に溢れ出すのを防止するための溢出防止壁を前記端子の両側面に密着させた状態で行うことにより、当該止水剤が側方に溢れ出すのを確実に防止しながら止水剤を溜めることができるため、常に安定した状態で止水剤の供給を行うことができる。そして、このように安定的に供給される止水剤を、他方の端末からのエアの吸引によって前記被覆材の内側に引き込むことにより、良好な止水構造を確実に構築することができる。
特に、弾性部材の上面に端子を押し付けてその弾性部材を変形させることによって前記溢出防止壁を形成するようにした本発明の方法によれば、当該溢出防止壁を端子の両側面に密着させ易いため、止水剤が端子の側方に溢れ出すのを確実に防止することができる。
この場合、例えば弾性部材としてブロック状の弾性体を用い、このブロック状の弾性体の上面に前記端子を押し付けて当該弾性体の上面を凹ませることにより前記溢出防止壁を形成することも可能であるが、このようにすると、ある程度大きい厚みを有する弾性部材を用いる必要が生じる。従って、前記弾性部材としてシート状の弾性体を用い、当該シート状の弾性体の中央部を残してその両外側の部分のみを下から支持しておき、前記中央部に前記端子を押し付けてこの中央部を落とし込むことにより前記溢出防止壁を形成することがより好ましい(請求項2)。
このようにすれば、厚みの薄いシート状の弾性体を用いながらも、確実に前記溢出防止壁を形成して止水剤の側方への溢出を効果的に防止することができる。
前記車載用電線の一方の端末に接続される端子が、前記被覆材の端部に圧着されるインシュレーションバレルと、前記導体のうち被覆材から露出した部分に圧着される導体バレルとを有するものである場合、前記止水剤供給工程は、前記導体バレルとインシュレーションバレルとの間に設定された滴下領域に前記止水剤を滴下してこれを溜めることにより行う工程であることが好ましい(請求項3)。
このように、導体バレルとインシュレーションバレルとの間に設定された滴下領域に止水剤を滴下すれば、当該滴下領域に溜まった止水剤が電線軸方向(前後方向)に溢れ出すことを前記両バレルによって抑制できるため、さらに安定した状態で止水剤の供給を行うことができる。
ここで、前記のように導体バレルとインシュレーションバレルとの間の滴下領域に止水剤を溜めるようにした場合でも、導体に直接圧着される導体バレルの高さが、導体を被覆する被覆材に圧着されるインシュレーションバレルの高さよりも低いことから、前記滴下領域に溜まった止水剤が、高さの低い方の導体バレルを越えて前方に溢れ出すおそれがある。従って、前記止水剤供給工程を、前記端子上に溜まった止水剤が前記導体バレルを越えて前方に溢れ出すのを防止するために前記導体バレル上に載置される載置部材を用いながら行うことが好ましい(請求項4)。
このようにすれば、前記滴下領域に溜まった止水剤が溢れ出すのをより確実に防止することができる。
なお、前記車載用電線の種類や配設個所は特に限定されるものではないが、好ましいものとして、車両に搭載される回路をアースに接続するためのアース用電線が挙げられる(請求項5)。
この構成によれば、アース用電線に前記止水処理を施すことができるので、一般に車両の外部環境の影響を受けやすい個所(例えば、車両のボディ)に配設されるアースに接続されたアース用電線の端末から反対側の端末へ水分が浸入するのを防止することができる。
ただし、本発明に係る止水処理方法は、前記アース用電線に限られず、例えば、電線途中部の被覆材が剥離されたスプライス線のように被覆材内部への水分の浸入が発生し易い種類のもの、又はコネクタに防水機能が備えられていてもその回路自体に特に高い防水性が要求される回路に接続されるものにも好適に採用することができる。
以上のように、本発明の車載用電線の止水処理方法および止水処理装置によれば、流動性を有する止水剤をより安定的に電線端末に供給することができるため、車載用電線の止水処理をより確実に行うことができる。
本発明の好ましい実施の形態を図面を参照しながら説明する。
なお、本実施形態では、車両に搭載された回路をアースに接続するためのアース用電線に止水処理する方法を説明するが、本発明はこれに限らず、高い防水性が求められる各種の車載用電線にも適用可能である。
この実施の形態にかかるアース用電線の止水処理方法は、次の各工程を含む。
1)端子圧着工程
この工程は、図1(a)(b)に示すようなアース用電線10の一方の端末にアース接続端子20を圧着固定する工程である。
前記アース用電線10には、導体12の周囲に被覆材14を有する絶縁電線を用いる。そして、その一方の端末の被覆材14を所定長さだけ除去して前記導体12を露出させておく。
このアース用電線10の端末に対し、図1(a)(b)に示すようなアース接続端子20を圧着固定する。図示のアース接続端子20は、単一の金属板で構成され、車両のボディアースに接続されるアース接続部21と、導体バレル22およびインシュレーションバレル24とを一体に有している。アース接続部21には図略のボルトが挿通可能な挿通孔21aが設けられ、当該ボルトによって前記アース接続部21が車両のボディに締結されることにより、当該ボディに電気的に接続される(すなわちボディアースに接続される)ようになっている。
このアース接続端子20の前記両バレル22,24が開いた状態で、前記のように被覆材14が除去されたアース用電線10の端末をセットし、その後、前記導体バレル22およびインシュレーションバレル24をそれぞれ閉じて前記導体12の露出部分および被覆材14の端部に圧着(かしめ)固定する。
2)止水剤供給工程
この工程は、前記アース用電線10の一方の端末(アース接続端子20が接続された側の端末)を図2(a)〜(c)に示す治具50にセットし、その状態で当該一方の端末に対して流動性を有する止水剤を供給する工程である。なお、図2(a)はアース用電線10の一方の端末を治具50にセットした状態を示す平面図、図2(b)はその側面図、図2(c)は同図(b)のI−I断面図である。
ここで用いられる止水剤は、少なくとも供給時に流動性を有し、かつ、電線使用時にはその充填位置から移動しにくく、かつ電線の曲げ等に追従して変形できる程度の柔軟性を有するものが好ましい。例えば、比較的粘度の高い液体又はゲル状のもので、その性状が供給時からほとんど時間変化しないものでもよいし、供給後に硬化するものでもよい。供給後に硬化するものの場合は、硬化後においても弾性に富むものが好ましい。
具体的には、初期粘度が0.006〜6Pa・s程度のものであれば、後述する減圧工程において10kPa〜100kPa程度の圧力で5〜120秒ほど減圧することにより、被覆材14内に浸透可能であることが確認されており、その材質としては、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、グリース、その他粘性および弾性を有する接着剤が好適である。シリコーン樹脂については、2液タイプ(2液混合によって硬化が開始するタイプ)、1液タイプ(1液のみで自然硬化するタイプ)にかかわらず使用が可能である。
このような止水剤の電線端末への供給は、図2(a)に網掛けで示した領域A、すなわちアース接続端子20の導体バレル22とインシュレーションバレル24との間に設定された滴下領域Aに、図略のディスペンサ(止水剤供給装置)を用いて止水剤を滴下して当該滴下領域Aに止水剤を溜めることによって行う。これにより、止水剤が導体12と被覆材14との隙間を全周にわたって覆う状態にして、後述する減圧工程において止水剤が被覆材14の内側にむらなく浸透するようにする。
なお、当該止水剤の滴下は1回で行ってもよいが、後述する減圧工程を開始すると、止水剤が被覆材14の内側に浸透していき、前記滴下領域Aに溜まっている止水剤の量が徐々に減少するため、本実施形態では、これを補給するように追って止水剤を滴下する。すなわち、当該止水剤の滴下を複数回にわけて行うようにする。これにより、滴下領域Aに溜まっている止水剤の量をほぼ均一に保ちながら、充分な量の止水剤を導体12と被覆材14との隙間にむらなく確実に充填することができる。
このとき、前記治具50は、前記滴下領域Aに溜まった止水剤が周囲に溢れ出すのを防止する役割を果たす。以下、この治具50について図2(a)〜(c)を参照しながら詳細に説明する。
前記治具50は、前記滴下領域Aに溜まった止水剤がアース接続端子20の側方(電線軸方向に直交する方向)に溢れ出すのを防止するためにアース接続端子20の下面および両側面を包み込むように敷設される弾性部材52と、この弾性部材52の両端部を支持する4つの支持部材56と、アース用電線10の一方の端末を支持する2つの電線支持台62と、アース接続端子20に設けられた前記挿通孔21aに挿通されることによって前記一方の端末のセット位置を位置決めする位置決めピン66とが、治具台60の上にそれぞれ配設されることによって構成されている。なお、治具50は、アース用電線10の一方の端末を前記電線支持台62の上に押し付けて固定するための押圧部材(図示省略)も備えている。
前記弾性部材52は、図2(c)に示すように、シート状の弾性体から構成されており、その中央部を残した左右両外側の部分が、前記支持部材56の上端部に設けられたスリット56aに挿入されることにより左右方向にスライド可能な状態で支持されている。一方、弾性部材52の中央部は、支持部材56によって支持されていないため、左右2つの支持部材56の間において治具台60の上面まで沈み込み可能となっている。
このような弾性部材52は、アース用電線10の一方の端末が前記治具50にセットされたときに(当該一方の端末が位置決めピン66によって位置決めされかつ電線支持台62の上に固定されたときに)、アース接続端子20が弾性部材52の上面に押し付けられるのに応じて両端部がスライド変位するとともに中央部が沈み込み、アース接続端子20の下面および両側面を包み込む形状に変形する。そしてこのとき、アース接続端子20の左右両側に、前記滴下領域Aに溜まった止水剤が側方に溢れ出すのを防止するための溢出防止壁52aが形成される。すなわち、弾性部材52は、アース用電線10の治具50へのセット時にアース接続端子20によって中央部が押圧され、それに応じて形成された溢出防止壁52aをアース接続端子20の両側面に密着させることにより、前記滴下領域Aに溜まった止水剤が側方に溢れ出すのを防止するように構成されている。なお、弾性部材52を構成するシート状の弾性体の厚みは、導体バレル22(またはインシュレーションバレル24)の外側面と前記支持部材56の内側面との間に形成される隙間よりも若干大きい値に設定されることが望ましい。これにより、溢出防止壁52aがアース接続端子20の側面に圧接されてより確実に密着し、止水剤が側方に溢れ出すことが確実に防止されるという利点がある。
一方、止水剤の前後方向(電線軸方向)への溢出については、アース接続端子20の導体バレル22とインシュレーションバレル24とによってある程度抑制される。すなわち、これら導体バレル22とインシュレーションバレル24との間に止水剤の滴下領域Aが設定されていることから、当該両バレル22,24による段差により、止水剤の前後方向への溢出がある程度抑制される。このように、止水剤が前後方向へ溢れ出すのを抑制する当該両バレル22,24と、止水剤が側方へ溢れ出すのを防止する前記弾性部材52との存在により、止水剤が滴下領域Aの周囲へ溢れ出すことが効果的に防止されるようになっている。
ここで、前記のように導体バレル22とインシュレーションバレル24との間の滴下領域Aに止水剤を溜めることによって止水剤の前後方向への溢出を抑制した場合でも、導体12に直接圧着される導体バレル22の高さが、導体12を被覆する被覆材14に圧着されるインシュレーションバレル24の高さよりも低いことから、前記滴下領域Aに溜まった止水剤が、高さの低い方の導体バレル22を越えて前方に溢れ出すおそれがある。そこで、前記治具50は、前記滴下領域Aに溜まった止水剤が前記導体バレル22を越えて前方に溢れ出すのを防止するために導体バレル22上に載置される載置部材54をさらに有している。これにより、前記滴下領域Aに溜まった止水剤が溢れ出すことがより確実に防止されるようになっている。
この載置部材54は、導体バレル22の上面に載置されてその上に前方溢出防止壁54a(図2(b)参照)を形成し、この前方溢出防止壁54aにより、前記滴下領域Aに溜まった止水剤が導体バレル22を越えて前方に溢れ出すのを防止するように構成されている。なお、この載置部材54の下面は、図2(c)に示すように、導体バレル22の上面に沿った形状に形成されており、導体バレル22の上面に密接し得るようになっている。
3)減圧工程
この工程は、図3に示す減圧装置46を用いて、アース用電線10の他方の端末(アース接続端子20が接続された端末と反対側の端末)から被覆材14の内側のエアを吸引する工程である。これにより、前記止水剤供給工程において供給された止水剤を、強制的に被覆材14の内側に浸透させる。
この減圧工程は、前記止水剤供給工程による1回目の滴下によって止水剤を前記滴下領域Aに溜め、この止水剤が当該端末における導体12と被覆材14との隙間を全周にわたって覆う状態にしてから開始するようにし、その後2回目以降の止水剤の滴下が終了するまで続行するようにする。このようにすれば、止水剤にエアが巻き込まれるのを有効に抑止しながら安定した状態で止水剤を導体12と被覆材14との隙間に引き込むことができる。なお、前記止水剤の供給を1回の滴下で行うような場合には、当該減圧工程を、止水剤供給工程が終了してから開始するようにしてもよい。
図3に示す減圧装置46は、アース用電線10の他方の端末が接続される電線接続装置30と、この電線接続装置30に接続されたアース用電線10の他方の端末からエアを吸引する吸引ポンプ44と、この吸引ポンプ44の吸引圧力を制御する圧力制御盤42とから構成されている。
このうち電線接続装置30は、内部が密閉されたハウジング32を備え、このハウジング32内の密閉空間が適当な配管40および前記圧力制御盤42を介して前記吸引ポンプ44の吸い込み口に接続されている。
また、当該電線接続装置30は、複数のアース用電線10の接続が可能なように構成されている。これは、複数本のアース用電線10に対して同時に減圧工程を行い得るようにするためである。すなわち、複数本のアース用電線10の他方の端末を、図3に示すように共通の電線接続装置30に接続し、この電線接続装置30を圧力制御盤42を介して吸引ポンプ44の吸込み口に接続することにより、前記各アース用電線10に対し減圧工程を同時に行うようにする。このようにすれば、止水処理のための一連の工程を、複数本のアース用電線10に対して同時に行うことができ、止水処理の効率化を図ることができる。なお、このようなことが特に必要なければ、1本のアース用電線10ごとに個別に減圧工程を行ってもよい。
前記ハウジング32の前壁には、ゴム栓保持板34が設けられている。このゴム栓保持板34には、図4に示すような複数個のゴム栓36が縦横に並んだ状態で保持されている。そして、各ゴム栓36に各アース用電線10の端末が接続されるようになっている。
具体的に、前記ゴム栓保持板34には、これを板厚方向に貫通する複数のゴム栓取付孔34aが設けられ、各ゴム栓取付孔34a内に前記ゴム栓36がそれぞれ嵌着されている。
各ゴム栓36は、その中心軸上に貫通孔36aをもつ筒状に形成され、当該貫通孔36aの内周面にはシール用突条36bが形成されている。このシール用突条36bは、前記貫通孔36a内に挿入される前記アース用電線10の被覆材14の表面と圧接することにより、ハウジング32内の密閉状態を保つ役割を果たす。同様に、ゴム栓36の外周面にもシール用突条36cが形成され、このシール用突条36cが前記ゴム栓取付孔34aの内周面と圧接することによりシールがなされている。
各ゴム栓取付孔34aの外側端部には、前記ゴム栓36の外周部を外側から覆うゴム栓カバー38が設けられ、このゴム栓カバー38は、前記ゴム栓36の貫通孔36a内にアース用電線10の端末を誘い込むためのテーパー状貫通孔38aを中心に有している。
この電線接続装置30において、各ゴム栓カバー38の貫通孔38aを通じてその奥のゴム栓36の貫通穴36aに各アース用電線10の他方の端末(アース接続端子20が接続された端末と反対側の端末)を圧入することにより、これらのアース用電線10をハウジング32内の共通の密閉空間に接続することができる。そして、この密閉空間内を前記圧力制御盤42の制御下で前記吸引ポンプ44の作動により一定の負圧になるまで減圧することにより、各アース用電線10における被覆材14の内側空間もそれぞれ同時に減圧することができる。
以上説明したように、本実施形態の止水処理方法によれば、アース用電線10の一方の端末に接続されたアース接続端子20の導体バレル22とインシュレーションバレル24との間(滴下領域A)に止水剤を滴下する前に、前記一方の端末を治具50にセットすることによってその治具50に備わる弾性部材52をアース接続端子20の下面および両側面を包み込む形状に変形させ、それに応じて形成される溢出防止壁52aをアース接続端子20の両側面に密着させておくことにより、当該止水剤が側方に溢れ出すのを確実に防止しながら止水剤を溜めることができるため、常に安定した状態で止水剤の供給を行うことができる。そして、このように安定的に供給される止水剤を、アース用電線10の他方の端末からのエアの吸引によって被覆材14の内側に引き込むことにより、良好な止水構造を確実に構築することができる。
なお、本実施形態では、滴下領域Aに溜まった止水剤の側方への溢出を防止する前記弾性部材52以外に、導体バレル22上に載置されることにより止水剤の前方への溢出を防止する載置部材54をも用いるようにしたが、この載置部材54は、導体バレル22のみによって止水剤の前方への溢出を充分に抑制することができるような場合には省略してもよい。逆に、載置部材54と同様の部材をインシュレーションバレル24側にも配設することにより、止水剤に対する溢出防止効果をより高めるようにしてもよい。
また、本実施形態では、載置部材54の下面を導体バレル22の上面に沿った形状に形成することにより、載置部材54の下面と導体バレル22の上面とを密接させるようにしたが、導体バレル22と載置部材54との間に多少の隙間があっても、止水剤が有する粘性によって止水剤の溢出がある程度抑制されるため、止水剤の溢出を厳密に防止する必要がなければ、載置部材54の下面を平坦面に形成してもよい。なお、載置部材54の下面を平坦面に形成した場合であっても、載置部材54を弾性体によって構成すれば、導体バレル22に押し当てた状態でこの載置部材54の下面を導体バレル22の上面に沿って変形させることが可能である。
また、本実施形態では、弾性部材52としてシート状の弾性体を用い、当該シート状の弾性体の中央部を残してその左右両外側の部分のみを支持部材56によって下から支持しておき、前記中央部にアース接続端子20を押し付けてこの中央部を落とし込むことにより前記溢出防止壁52aを形成するようにしたが、例えば、スポンジ等からなる厚肉でブロック状の弾性体を治具台60の上に載置しておき、このブロック状の弾性体の上面に前記アース接続端子20を押し付けて当該弾性体の上面を凹ませることにより前記溢出防止壁52aを形成することも可能である。ただし本実施形態の方が、厚みの薄い弾性体を用いながらも、確実に溢出防止壁52aを形成して止水剤の側方への溢出を効果的に防止することができる点で有利である。
また、本実施形態では、アース接続端子20が接続される側の端末に止水処理を行ったが、これと反対側の端末に(例えば車両のボディに接続される側の端末)に止水処理を行ってもよい。この場合も、当該端末よりも手前側の位置に良好な止水構造を構築することが可能である。ただし、この場合には、アース接続部からこれと反対側の端末の前記止水構造に至るまでの領域で被覆材14内に水分が侵入するおそれがあるのに対し、前記のようにアース接続端子20が固定される側(すなわちアース接続部から侵入する水分の入口側)の端末に止水剤を供給すれば、被覆材14の内側への水分の侵入をほぼ確実に阻止できる利点が得られる。
また、本実施形態では、アース接続端子20の導体バレル22とインシュレーションバレル24との間(滴下領域A)に止水剤を滴下することにより、止水剤が前後方向(電線軸方向)に溢れ出すのを当該両バレル22,24によって抑制しながら前記滴下領域Aに止水剤を溜めるようにしたが、この止水剤の滴下位置は端子構造に応じて適宜設定すべきものであることは言うまでもない。
前記図1〜図4に示した方法により、次の条件下で止水処理を行った。
・電線…自動車用薄肉低圧電線(断面積3.0mm2)にアース接続端子を接続したもの
・止水剤…シリコーン樹脂(粘度0.6Pa・s)
・止水剤滴下量…50mg
・減圧時の圧力…60kPa
・減圧時間…60秒間
・弾性部材…FRスポンジシート(厚み2mm)
以上のような条件で止水処理を行った結果、止水効果を発揮するために十分な量の止水剤が被覆材14の内側に浸透することが確認された。
(a)は本発明の実施の形態にかかるアース用電線の一方の端末にアース接続端子を圧着固定した構造を示す平面図、(b)はその正面図である。 前記アース用電線の一方の端末に止水剤を供給する際に用いられる治具に前記一方の端末をセットした状態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は(b)のI−I断面図である。 前記アース用電線における被覆材の内側を減圧するための減圧装置を示す図である。 図3に示される電線接続装置の電線接続部を示す断面図である。
符号の説明
10 アース用電線
12 導体
14 被覆材
20 アース接続端子(端子)
22 導体バレル
24 インシュレーションバレル
52 弾性部材
52a 溢出防止壁
54 載置部材
A 滴下領域

Claims (6)

  1. 導体の外側に被覆材を有して車両に搭載される電線であってその一方の端末に端子が接続された車載用電線の当該一方の端末を止水処理するための方法であって、
    前記一方の端末に接続された端子上に流動性を有する止水剤を滴下してこれを溜めることにより、当該一方の端末に前記止水剤を供給する止水剤供給工程と、
    前記止水剤の供給中又は供給後に、前記車載用電線の他方の端末から前記被覆材の内側のエアを吸引してその内部を減圧することにより、前記止水剤を前記被覆材の内側に浸透させる減圧工程とを含み、
    前記止水剤供給工程では、弾性部材の上面に前記端子を押し付け、当該弾性部材を前記端子の下面および両側面を包み込む形状に変形させることにより、前記端子の両側面に密着する溢出防止壁を形成し、当該溢出防止壁を用いて、前記端子上に溜まった止水剤が側方に溢れ出すのを防止することを特徴とする車載用電線の止水処理方法。
  2. 請求項1記載の車載用電線の止水処理方法において、
    前記弾性部材としてシート状の弾性体を用い、当該シート状の弾性体の中央部を残してその両外側の部分のみを下から支持しておき、前記中央部に前記端子を押し付けてこの中央部を落とし込むことにより前記溢出防止壁を形成することを特徴とする車載用電線の止水処理方法。
  3. 請求項1または2記載の車載用電線の止水処理方法において、
    前記端子として、前記被覆材の端部に圧着されるインシュレーションバレルと、前記導体のうち被覆材から露出した部分に圧着される導体バレルとを有するものを用い、
    前記止水剤供給工程を、前記導体バレルとインシュレーションバレルとの間に設定された滴下領域に前記止水剤を滴下してこれを溜めることにより行うことを特徴とする車載用電線の止水処理方法。
  4. 請求項3記載の車載用電線の止水処理方法において、
    前記止水剤供給工程を、前記端子上に溜まった止水剤が前記導体バレルを越えて前方に溢れ出すのを防止するために前記導体バレル上に載置される載置部材を用いながら行うことを特徴とする車載用電線の止水処理方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の車載用電線の止水処理方法において、
    前記車載用電線は、車両に搭載される回路をアースに接続するためのアース用電線であることを特徴とする車載用電線の止水処理方法。
  6. 導体の外側に被覆材を有して車両に搭載される車載用電線であって、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の止水処理方法により被覆材の内側に止水剤が充填されていることを特徴とする車載用電線。
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