JP2006193093A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】有機繊維コードを用いた折返しベルト層を構成した場合にも、折返しベルト層の両幅端部において有機繊維コードに加わる圧縮歪を低減することによって、耐久性を向上させた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】タイヤ1は、カーカス3と、少なくとも2枚のベルト層5、6からなるベルト7とを具え、隣接するベルト層5、6間で、コード8、9がタイヤ赤道面Eを挟んで互いに交差する交差ベルトを形成している。最内ベルト層6は、本体部10と折返し部12、12とからなる折返しベルト層である。折返しベルト層6を構成するコード9が有機繊維コードである。折返しベルト層6のタイヤ径方向外側及び内側に、それぞれコードが実質的にタイヤ周方向に沿って延びる上側ベルト補強層14及び下側ベルト補強層16を配設し、これら上側ベルト補強層14及び下側ベルト補強層16で、折返しベルト層6の幅端部11を挟み込む。
【選択図】図1

Description

この発明は、トロイド状に延びる少なくとも1枚のプライからなるカーカスと、このカーカスのクラウン部外周側に位置し、コードをゴム被覆してなる少なくとも2枚のベルト層からなるベルトを具え、隣接するベルト層間でコードがタイヤ赤道面を挟んで互いに交差する交差ベルトを形成してなる空気入りタイヤ、特に高性能乗用車用タイヤ及び重荷重用タイヤ等の加減速の際にタイヤ周方向に大きな力の加わる空気入りタイヤに関し、かかる空気入りタイヤのベルト端部からのセパレーションを防止して耐久性の向上を図る。
空気入りタイヤは通常1枚又は2枚のプライからなるカーカスと、このカーカスのクラウン部外周側に、少なくとも2枚のベルト層を隣接するベルト層間でコードがタイヤ赤道面を挟んで互いに交差するよう積層して交差ベルトとしたベルトとを具えた構造を基本とし、必要に応じて、タイヤ赤道面とのなす角が10度以下の有機繊維コードをゴム被覆してなる補強層を、ベルト層を覆うようにらせん巻回するのが一般的である。さらに、トラック、バス及び航空機等に用いられる重荷重用タイヤでは、カーカスプライの枚数を増やしたり、ベルト層の層数を増やしたり、補強層を構成するコードをスチールコードにしたりして、タイヤの骨格となる部材の補強が行われている。
このような交差ベルトを有する空気入りタイヤにおいては、ベルトの歪はベルトの最大幅付近で最大となり、亀裂はベルトの最大幅、すなわち両幅端部から亀裂が成長しやすい。この理由としては次のようなことが考えられる。交差ベルトにおいては、タイヤ内に充填した内圧により各ベルト層に張力が加わっており、さらに荷重が加わった場合にベルトが路面に沿って平らに変形し、隣接するベルト層が互いにベルトの面内でずれようとする。特に、交差ベルトの端部において、交差するコードの端部がタイヤ周方向で互いに逆向きに動こうとするため、隣接するベルト層間のゴムをせん断させて亀裂の発生を招く。そして、タイヤは転動するため、タイヤが路面と接した時には隣接するベルト層間にずれが発生し、これらベルト層間に挟まれたゴムがせん断力を受け、一方タイヤが路面から離れた時にはベルト層は元の形状に復元する。このずれと復元の繰り返しが亀裂成長の一つの要因となっている。また、ベルト層は、平行配列した多数本のコードに接着剤を塗布し、これをゴム被覆して得られるすだれ状の帯部材を所定のコード延在角度及び幅となるように切断して形成される。この際、帯部材の切断端、すなわちベルト層の両幅端部にはコードの切断面が剥き出しとなっており、この切断面には接着剤が塗布されていないことから被覆ゴムとの接着性が非常に悪く、したがって亀裂が生じやすい状態にある。このように歪の最大となるベルトの両幅端部に亀裂の生じやすいコードの切断面を有することが、ベルトの両幅端部から亀裂を生じやすいもう一つの要因となっている。
かかるベルトの両幅端部に発生しやすい亀裂を防止するため、例えば特許文献1及び2には、最大幅を有するベルト層を、その両幅端部がタイヤ幅方向内側に折り返された折返しベルト層とした空気入りタイヤが記載されている。かかるタイヤは、ベルトの両幅端部が折返し構造を有しているため、ベルト層相互の拘束力が高まり、両幅端部のタイヤ周方向へのずれが抑制される結果、ベルト層間のゴムのせん断による亀裂の発生を防止することができる。また、歪が最大となるベルトの両幅端部にコードの切断面が存在しないため、これに起因する亀裂の発生も防止することができる。
また、特許文献3には、折返しベルト層のタイヤ径方向外側に、実質上タイヤ周方向に平行に配列されたコードをゴムに埋設してなる補強ベルトを配置したベルト構造を具えたラジアルタイヤが記載されている。かかるタイヤは、ベルト層の幅端部からの亀裂の発生の防止に加え、操縦安定性を向上することができる。
特開平8−282209号公報 特開平8−318705号公報 特開2000−6614号公報
しかし、このような折返しベルト層を採用したタイヤにおいても、ベルトの両幅端部、特に最も幅の広い折返しベルト層の両幅端部のタイヤ径方向内側から亀裂が発生して故障に至る場合があった。これは次のような理由によるものと推察される。まず、折返しベルト層は、ベルト層を略180度折り曲げる必要があるため、加工性の観点から有機繊維コードを用いることが多い。また、前述のように、折返しベルト層の両幅端部は、通常のベルト層の両幅端部に比べてずれの発生が抑制されてはいるが、両幅端部のコードには、タイヤの転動に伴って微小な引張力と圧縮力が交互に作用する。有機繊維は僅かでも圧縮されるとほつれ易くなる性質を有しているため、このように繰り返して圧縮力を受けると、コードを構成する有機繊維の撚りがほつれ、有機繊維が被覆ゴムから剥がれ易くなったり、ほつれたコードの内部に空隙が生じたりし、これらが亀裂発生の核となる場合がある。特に、重荷重用タイヤの場合にはベルトの変形も大きく、コードが圧縮状態となり易いことから、亀裂を発生しやすい。
したがって、この発明の目的は、有機繊維コードを用いた折返しベルト層を構成した場合にも、折返しベルト層の幅端部において有機繊維コードに加わる圧縮歪を低減することによって、耐久性を向上させた空気入りタイヤを提供することにある。
上記の目的を達成するため、この発明は、トロイド状に延びる少なくとも1枚のプライからなるカーカスと、該カーカスのクラウン部外周側に位置し、コードをゴム被覆してなる少なくとも2枚のベルト層からなるベルトを具え、隣接するベルト層間でコードがタイヤ赤道面を挟んで互いに交差する交差ベルトを形成してなる空気入りタイヤにおいて、前記ベルトを構成するベルト層のうち最も幅の広いベルト層は、隣接する他のベルト層とともに交差ベルトを形成する本体部と、該本体部の少なくとも一方の幅端部から延び、該本体部の外周面側に折り返して形成された折返し部とからなる折返しベルト層であり、該折返しベルト層を構成するコードが有機繊維コードであり、折返しベルト層のタイヤ径方向外側に、実質的にタイヤ周方向に沿って延びるコードをゴム被覆してなる少なくとも1枚の上側ベルト補強層を配設し、折返しベルト層のタイヤ径方向内側に、実質的にタイヤ周方向に沿って延びるコードをゴム被覆してなる少なくとも1枚の狭幅の下側ベルト補強層を配設し、これら上側ベルト補強層及び下側ベルト補強層で、折返しベルト層の少なくとも一方の幅端部を挟み込むことを特徴とする空気入りタイヤである。これによれば、ベルトの幅端部に加わるタイヤ周方向の力を、上側及び下側ベルト補強層のコードが支持するため、折返しベルト層の幅端部に生じるタイヤ周方向の圧縮歪を大幅に低減することができる結果、有機繊維のほつれを抑制して耐久性を向上することができる。
ここで、「実質的にタイヤ周方向に沿って延びる」とは、タイヤ周方向とのなす角が0〜10度の範囲にある方向に延びることをいうものとし、「狭幅のベルト補強層」とは、ベルト補強層の幅がベルトの半幅未満であることをいうものとし、上側ベルト補強層及び下側ベルト補強層で折返しベルト層の「幅端部を挟み込む」とは、幅端部からタイヤ径方向外側及び内側に向かって延びる直線上に上側ベルト補強層及び下側ベルト補強層がそれぞれ存在する位置関係にあることをいうものとし、折返しベルト層とベルト補強層とは接触していても離間していてもよい。
また、ベルト補強層は、1本又は平行配列した複数本のコードをゴム被覆してなるリボン状部材を実質的にタイヤ周方向につるまきらせん巻回して構成することが好ましい。
さらに、下側ベルト補強層は少なくとも折返しベルト層の本体部の幅端部に対応する位置からタイヤ幅方向内側に向かって10〜150mmの範囲にわたって配設してなることが好ましい。ここで「幅端部に対応する位置」とは、幅端部を通りタイヤ径方向に沿って延びる直線がベルト補強層と交差する位置をいうものとする。
さらにまた、カーカスは少なくとも2枚のプライを有しており、下側ベルト補強層は2枚のプライの間に配設されることが好ましい。
さらに、ベルト補強層を構成するコードは、ベルト補強層に要求される特性に応じて、アラミドコード、ナイロンコード及びアラミドとナイロンのハイブリッドコードのいずれかとすることが好ましい。
この発明によれば、有機繊維コードを用いた折返しベルト層を構成した場合にも、折返しベルト層の幅端部において有機繊維コードに加わる圧縮歪を低減することによって、耐久性を向上させた空気入りタイヤを提供することが可能となる。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。図1はこの発明に従う代表的な空気入りタイヤ(以下「タイヤ」という。)のタイヤ幅方向断面図であり、図2は図1に示すタイヤのベルト及びベルト補強層のコードの配設状態を示す図である。
図1に示すタイヤ1は、1対のビードコア2、2間にトロイド状に延びる少なくとも1枚のプライ、図1では2枚のプライからなるカーカス3と、このカーカス3のクラウン部4の外周側に位置し、コードをゴム被覆してなる少なくとも2枚のベルト層、図1では2枚のベルト層5、6からなるベルト7とを具える。また、図2に示すように、隣接するベルト層5、6間では、コード8、9がタイヤ赤道面Eを挟んで互いに交差する交差ベルトを形成している。
そして、この発明の構成上の主な特徴は、ベルト7を構成するベルト層のうち、最も幅の広いベルト層6は、隣接する他のベルト層5とともに交差ベルトを形成する本体部10と、この本体部10の少なくとも一方の幅端部、図1では両幅端部11、11から延び、本体部10の外周面側に折り返して形成された折返し部12、12とからなる折返しベルト層であり、折返しベルト層6を構成するコード9が有機繊維コードであり、折返しベルト層6のタイヤ径方向外側に、実質的にタイヤ周方向に沿って延びるコード13をゴム被覆してなる少なくとも1枚(図1及び2では1枚)の上側ベルト補強層14を配設し、折返しベルト層6のタイヤ径方向内側に、実質的にタイヤ周方向に沿って延びるコード15をゴム被覆してなる少なくとも1枚(図1及び2では1枚)の狭幅の下側ベルト補強層16を配設し、これら上側ベルト補強層14及び下側ベルト補強層16で、折返しベルト層6の少なくとも一方の幅端部、図1及び2では両幅端部11、11を挟み込むことにある。
前述のように、折返しベルト層を有するタイヤにおいては、ベルト層の幅端部のタイヤ周方向へのずれが抑制される結果、ベルト層間のゴムのせん断による亀裂の発生を有効に防止することができるが、かかる折返しベルト層を構成するコードとして有機繊維コードを用いた場合には、有機繊維のほつれに起因して新たな亀裂が発生するおそれがあるという問題があった。この亀裂は、経験的に折返し部よりも本体部に発生し易く、特に本体部の幅端部から5〜10mmタイヤ径方向内側にある部分に発生し易いことがわかっている。かかる亀裂の発生を防止するには、折返しベルト層の両幅端部においてコードが圧縮されるのを緩和する必要がある。そこでこの発明では、折返しベルト層6のタイヤ径方向外側及び内側に、実質的にタイヤ周方向に沿って延びるコード13、15をゴム被覆してなるベルト補強層14、16を配設し、これらベルト補強層14、16で、折返しベルト層6の幅端部11、11を挟み込んでベルトの幅端部の周方向剛性を高めることによって、ベルトの幅端部にタイヤ周方向の力が作用した際にベルト補強層14、16を構成するコード13、15にこの力を支持させて、折返しベルト層6の幅端部に生じるタイヤ周方向の圧縮歪を大幅に低減している。この結果、有機繊維のほつれに起因する亀裂の発生を有効に防止することができ、耐久性が向上するのである。
ここで最も幅の広いベルト層6の端部が折り返されているのは、ベルト層の幅が広いほどベルト層の端部に亀裂を生じ易いからである。即ち、折り返されたベルト層は、折り返していないベルト層に比べると、その端部に亀裂を生じにくいため、最も幅が広いベルトを折返しベルト層とすることが亀裂抑制に有効となるのである。タイヤを構成するにあたっては、この折返しベルト層のタイヤ径方向外側に他のベルト層を配置してもよく、折返しベルト層のタイヤ径方向内側に他のベルト層を配置してもよく、またベルトが3枚以上のベルト層で構成される場合には折返しベルト層のタイヤ径方向外側及び内側に他のベルト層を配置してもよい。
折返しベルト層6のコード9を構成する有機繊維としては、例えばアラミド(芳香族ポリアミド)、ナイロン、グラスファイバー等を用いることができるが、アラミドは強度が高く、かつ高温になっても伸びにくい性質を有するため、タイヤが高温となる高速走行時においてもベルトの剛性が保て操縦安定性が向上することから特に好ましい。他のベルト層5を構成するコード8については特に限定はなく、スチールコード及び有機繊維コードのいずれを用いてもよい。
また、ベルト補強層14、16は、1本又は平行配列した複数本のコードをゴム被覆してなるリボン状部材を実質的にタイヤ周方向につるまきらせん巻回して構成することが好ましい。これによれば、成型ドラム上でベルト補強層14、16を成型することができるので、製造効率の向上が図れる上、ベルト補強層14、16の配設位置の安定化も図れるからである。なお、リボン状部材をつるまきらせん巻回する際には、その側部をオーバーラップさせてもよく、側部を互いに突き合わせてもよい。
さらに、従来の折返しベルト層を有するタイヤにおいては、タイヤ幅方向で幅端部から5〜10mm内側でタイヤ径方向内側に位置する部分のコードがほつれ易い傾向にあることが経験的に知られている。そこで、タイヤ幅方向で幅端部から5〜10mm内側でタイヤ径方向内側に位置する部分を覆うようにベルト補強層を配設すれば、コードのほつれが発生しやすい部分の圧縮歪を低減することができ、より一層有効に耐久性を向上することができる。より具体的には、下側ベルト補強層16は、少なくとも折返しベルト層6の本体部10の幅端部11に対応する位置からタイヤ幅方向内側に向かって10〜150mmの範囲にわたって配設することが好ましい。この配設範囲が10mm未満の場合には、下側ベルト補強層16によって圧縮歪を低減する効果を十分に発揮することができなくなるおそれがあるからであり、150mmを超える場合には、小さなタイヤでは左右の下側ベルト補強層16、16が重なってしまったり、下側ベルト補強層16がベルト7と同じようにトレッド部の補強効果を有することとなり、トレッド部の剛性が高くなりすぎてたわみにくくなる結果、トレッド部が路面に接地する面積が減少して操縦安定性を損なうことが懸念されたりするからである。
さらにまた、図3に示すように、カーカス3は少なくとも2枚(図3では2枚)のプライを有しており、下側ベルト補強層16は2枚のプライの間に配設されることが好ましい。このように配設すれば、下側ベルト層16の両幅端部は、2枚のプライの間に挟まれ、直接ベルト7に接触しないので、下側ベルト層16の両幅端部からのセパレーションが起こりにくくなるからである。すなわち、折返しベルト層6を構成するコードは、タイヤ赤道面に対して20〜30°の角度で傾斜して延在するのが一般的であるため、その幅端部11がタイヤ周方向に動きやすい。このような折返しベルト層6に下側ベルト補強層16を直接接触させるよりも、下側ベルト補強層16を2枚のプライの間に配設し、折返しベルト層6と下側ベルト補強層16の間にプライを介在させる方が、プライがクッションとなって折返しベルト層6の幅端部11の歪が緩和されるので、セパレーションが起こりにくくなる。
加えて、ベルト補強層14、16を構成するコード13、15は、ベルト補強層に要求される重量、剛性、耐熱性等の特性に応じて、アラミドコード、ナイロンコード又はアラミドとナイロンのハイブリッドコードとすることが好ましい。アラミドは強度が高く、かつ高温になっても伸びにくい性質を有するため、タイヤが高温となる高速走行時においてもベルト補強層の剛性が保て操縦安定性が向上するという点で有利である。ナイロンはコード自体がしなかやであるため、ベルト補強層を配設したことによるトレッド部両端部での剛性増加が少なく、接地性能が悪化して操縦安定性を損なうおそれがないという点で有利である。また、アラミドとナイロンのハイブリッドコードは上記のアラミド及びナイロンの単体のコードの利点を兼ね備えており、バランスのよいベルト補強層を得ることができるという点で有利である。
なお、上述したところは、この発明の実施態様の一部を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。例えば、図1〜3には上側ベルト補強層が1対の狭幅層である実施態様を示したが、図4及び5に示すように、上側ベルト補強層を1枚の広幅層としてもよい。かかる広幅の上側ベルト補強層を用いると、特に高速転動時のトレッド部の膨張(せり出し)を抑制することができ、高速走行における操縦安定性の向上の点で有利である。上側ベルト補強層を1対の狭幅層とする場合には、その幅はそれぞれベルトの幅の5〜35%とすることが好ましく、上側ベルト補強層を1枚の広幅層とする場合には、その幅はベルトの幅±50mmとすることが好ましい。また、ベルト補強層の外端は、図6に示すようにトレッド部のショルダー端まで延びてもよく、さらには図7に示すようにサイドウォール部のバットレス部にまで延びてもよい。さらに、ベルト層が3枚以上であってもよく、この場合には、他のベルト層の全てを折返しベルト層で包み込む構成としてもよく、他のベルト層の一部を折返しベルト層で包み込み、残余のベルト層を折返しベルト層のタイヤ径方向内側及び/又は外側に配置する構成としてもよい。さらにまた、図示の実施態様では、ベルト補強層を折返しベルト層の両幅端部に対応する位置に配設しているが、ベルト補強層は一方の幅端部のみに配設してもよい。
次に、この発明に従う空気入りタイヤを試作し性能評価を行ったので、以下に説明する。
実施例1〜6のタイヤは、タイヤサイズが225/50R16の乗用車用ラジアルタイヤであり、タイヤ赤道面に対して90度の方向に延びるナイロンコードをゴム被覆してなる2枚のプライからなるカーカスと、タイヤ赤道面に対して30度の方向に延びるアラミドコード(直径0.9mmの撚りコード、打ち込み間隔1.5mm)をゴム被覆してなるベルト層(幅210mm)と、このベルト層を構成するコードとタイヤ赤道面を挟んで交差する向きにタイヤ赤道面に対して30度の方向に延びるスチールコード(線直径0.28mmのスチールフィラメント3本の撚りコード、打ち込み間隔1.2mm)をゴム被覆してなるベルト層(幅205mm)の2枚のベルト層からなるベルトを有する。また、2枚のベルト層のうち、アラミドコードをゴム被覆してなるベルト層は、両端にそれぞれ幅が30mmの1対の折返し部を有する折返しベルト層である。実施例1、2、5及び6のタイヤは、それぞれ直径0.9mmのアラミドコードを打ち込み間隔1.5mmで3本配設した幅5.5mmのリボン状部材をタイヤ周方向につるまきらせん巻回して構成した各一対の上側ベルト補強層及び下側ベルト補強層で折返しベルト層の両幅端部を挟み込んでおり、実施例3及び4のタイヤは、それぞれ直径0.9mmのアラミドコードを打ち込み間隔1.5mmで3本配設した幅5.5mmのリボン状部材をタイヤ周方向につるまきらせん巻回して構成した1枚の広幅の上側ベルト補強層と一対の狭幅の下側ベルト補強層で折返しベルト層の両幅端部を挟み込んでおり、それぞれ表1に示す諸元を有する。
なお、ベルト補強層を製造する際には不可避的にコードの延在角度にばらつきが生じるため、実際のベルト補強層においては表1に示す延在角度から±5度程度のばらつき幅があった。また、ここでいう「打ち込み間隔」とは、コードのゴム被覆層におけるコード中心間距離をいうものとし、例えば打ち込み間隔が1.5mmとは、150mmの幅に100本のコードが配置されていることを意味する。
比較のため、タイヤサイズ、カーカス及びベルト層が実施例1〜7と同じであるものの、下側ベルト補強層を有しておらず、図8(従来例1)及び図9(従来例2)に示すような構成を有し、表1に示す諸元を有するタイヤについても併せて試作した。
前記各供試タイヤをサイズが7JJのホイールに組み付けてタイヤ車輪とし、このタイヤ車輪に、ベルトの故障を早期に誘発するために正規内圧(220kPa)よりも低い130kPaの内圧を適用し、タイヤ負荷荷重7kN、スリップ角度2度、走行速度60km/hの条件下で直径3mのドラム試験機上を50時間走行させた。走行後、各供試タイヤを解体して、折返しベルト層のコードのほつれ及びベルト周辺の亀裂の有無について目視観察し、この結果により耐久性を評価した。この評価結果を表1に示す。
Figure 2006193093
表1中、「延在角度」とは、コードがタイヤ赤道面となす角の大きさをいうものとする。また、コードのほつれの評点は、全くほつれやゴムの剥がれの観察されなかったものを0、コードの表面にかすかなほつれが観察されたがコードはゴムとしっかり接着しておりコードとゴムの剥がれは無かったものを1、コードがほつれ始めコードの表面とゴムが剥がれ始め亀裂が発生しているものを2とする。
表1に示す結果から、実施例1〜6のタイヤは、従来例1及び2のタイヤに比較してコードのほつれが大幅に改善されており、耐久性が向上していることが分かる。なお、従来例1及び2のタイヤに発生した亀裂は長さ1mm程度のものであった。
この発明によって、有機繊維コードを用いた折返しベルト層を構成した場合にも、折返しベルト層の両幅端部において有機繊維コードに加わる圧縮歪を低減することによって、耐久性を向上させた空気入りタイヤを提供することが可能となった。
この発明に従う代表的な空気入りタイヤの幅方向断面図である。 図1に示す空気入りタイヤのベルト及びベルト補強層のコードの配設状態を示す図である。 この発明に従う他の空気入りタイヤの幅方向断面図である。 この発明に従う他の空気入りタイヤの幅方向断面図である。 この発明に従う他の空気入りタイヤの幅方向断面図である。 この発明に従う他の空気入りタイヤの幅方向断面図である。 この発明に従う他の空気入りタイヤの幅方向断面図である。 従来例1の空気入りタイヤの幅方向断面図である。 従来例2の空気入りタイヤの幅方向断面図である。
符号の説明
1 タイヤ
2 ビードコア
3 カーカス
4 カーカスのクラウン部
5、6 ベルト層
7 ベルト
8、9 ベルト層を構成するコード
10 折返しベルト層の本体部
11 折返しベルト層の本体部の幅端部
12 折返しベルト層の折返し部
13 上側ベルト補強層を構成するコード
14 上側ベルト補強層
15 下側ベルト補強層を構成するコード
16 下側ベルト補強層

Claims (7)

  1. トロイド状に延びる少なくとも1枚のプライからなるカーカスと、該カーカスのクラウン部外周側に位置し、コードをゴム被覆してなる少なくとも2枚のベルト層からなるベルトを具え、隣接するベルト層間でコードがタイヤ赤道面を挟んで互いに交差する交差ベルトを形成してなる空気入りタイヤにおいて、
    前記ベルトを構成するベルト層のうち最も幅の広いベルト層は、隣接する他のベルト層とともに交差ベルトを形成する本体部と、該本体部の少なくとも一方の幅端部から延び、該本体部の外周面側に折り返して形成された折返し部とからなる折返しベルト層であり、
    該折返しベルト層を構成するコードが有機繊維コードであり、
    折返しベルト層のタイヤ径方向外側に、実質的にタイヤ周方向に沿って延びるコードをゴム被覆してなる少なくとも1枚の上側ベルト補強層を配設し、折返しベルト層のタイヤ径方向内側に、実質的にタイヤ周方向に沿って延びるコードをゴム被覆してなる少なくとも1枚の狭幅の下側ベルト補強層を配設し、
    これら上側ベルト補強層及び下側ベルト補強層で、折返しベルト層の少なくとも一方の幅端部を挟み込むことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ベルト補強層は、1本又は平行配列した複数本のコードをゴム被覆してなるリボン状部材を実質的にタイヤ周方向につるまきらせん巻回して構成する、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記下側ベルト補強層は少なくとも折返しベルト層の本体部の幅端部に対応する位置からタイヤ幅方向内側に向かって10〜150mmの範囲にわたって配設してなる、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記カーカスは少なくとも2枚のプライを有しており、前記下側ベルト補強層は2枚のプライの間に配設される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ベルト補強層を構成するコードはアラミドコードである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記ベルト補強層を構成するコードはナイロンコードである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記ベルト補強層を構成するコードはアラミドとナイロンのハイブリッドコードである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
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