JP2006103397A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】 空気入りタイヤ11の走行時における径成長を所望通りに抑制する。
【解決手段】 タイヤ赤道Sに対して 5〜30度で傾斜している補強素子34をゴムコーティングすることで形成した幅狭の補強プライ33を、該補強素子34を逆方向に傾斜させながら2枚積層することで、少なくともベルト層24の幅方向両側部と重なり合う位置に配置された各補強層32を構成するようにしたので、加硫時における拡張量がトレッド部15の位置により異なっていても、また、補強プライ33の巻回時において張力変化等があっても、補強層32は前述した事態の影響を殆ど受けることはない。
【選択図】 図1
【解決手段】 タイヤ赤道Sに対して 5〜30度で傾斜している補強素子34をゴムコーティングすることで形成した幅狭の補強プライ33を、該補強素子34を逆方向に傾斜させながら2枚積層することで、少なくともベルト層24の幅方向両側部と重なり合う位置に配置された各補強層32を構成するようにしたので、加硫時における拡張量がトレッド部15の位置により異なっていても、また、補強プライ33の巻回時において張力変化等があっても、補強層32は前述した事態の影響を殆ど受けることはない。
【選択図】 図1
Description
この発明は、空気入りタイヤの走行時における径成長を効果的に抑制することができる空気入りタイヤに関する。
一般に、高性能乗用車用タイヤや航空機用タイヤでは、タイヤの回転速度が高速であるため、遠心力によってトレッド部が大きく径成長し、また、トラック・バス用の大型タイヤでは、トレッドのゴムゲージが厚く大重量であるため、 100km/h程度の速度でも遠心力によってトレッド部が大きく径成長し、この結果、操縦安定性が低下したり、タイヤの故障率が増加するという問題があった。このような問題を解決するため、従来、例えば以下の特許文献1に記載されているような空気入りタイヤが提案された。
特開平8−188009号公報
このものは、両端部がビードコアの回りに折り返され略トロイダル状を呈するカーカス層と、カーカス層の半径方向外側に配置されたベルト層と、前記ベルト層の半径方向外側に配置されたトレッドと、ベルト層とトレッドとの間に配置され、タイヤ赤道に平行に延びる波状スチールコードを複数本引き揃えゴムコーティングすることで形成したゴム引きテープをベルト層のほぼ全域に螺旋状に巻回して構成した波状ベルト層とを備えたものである。そして、このものは、加硫時にトレッド部を拡張させることで波状ベルト層(波状スチールコード)を周方向に引き伸ばし、これにより、波状スチールコードを直線状とすることで補強(たが)効果を発揮させるようにしている。
しかしながら、このような従来の空気入りタイヤにあっては、加硫時における拡張量がトレッド部の位置により異なっており(トレッド端に接近するに従い拡張量が大となり)、また、巻回時における張力変化等により波状スチールコードのピッチに狂いが生じた場合には、このピッチの狂いにより、製品タイヤとなったとき、いずれかの位置において波状スチールコードに波状(振幅)が残留し、この結果、前述した補強効果が場所により異なって走行時における径成長を所望通りに抑制することができないという課題があった。なお、このような事態は、前記波状ベルト層がベルト層の幅方向両端部にのみ配置されている場合も同様に生じる。
この発明は、空気入りタイヤの走行時における径成長を所望通りに抑制することができる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
このような目的は、両端部がビードコアの回りに折り返され略トロイダル状を呈するカーカス層と、前記カーカス層の半径方向外側に配置されたベルト層と、該ベルト層の半径方向外側に配置されたトレッドとを備えた空気入りタイヤにおいて、少なくともベルト層の幅方向両側部と重なり合う位置に、タイヤ赤道に対して 5〜30度で傾斜している非伸張性補強素子をゴムコーティングすることで形成した幅狭の補強プライを、該補強素子を逆方向に傾斜させながら2枚積層することで構成した補強層を配置することにより、達成することができる。
この発明においては、タイヤ赤道に対して 5〜30度で傾斜している非伸張性補強素子をゴムコーティングすることで形成した幅狭の補強プライを、該補強素子を逆方向に傾斜させながら2枚積層することで、少なくともベルト層の幅方向両側部と重なり合う位置に配置された各補強層を構成するようにしたので、加硫時における拡張量がトレッド部の位置により異なっていても、また、補強プライの巻回時において張力変化等があっても、補強層は前述した事態の影響を殆ど受けることはなく、この結果、補強層により空気入りタイヤの走行時における径成長を所望通りに抑制することができる。
また、請求項2に記載のように構成すれば、補強層の幅方向の収縮を抑制しながら、充分なたが効果を得ることができる。
さらに、請求項3に記載のように構成すれば、補強層の幅方向収縮を補強層間のゴムによって吸収することができるとともに、トレッド部における径成長を全域に亘ってほぼ均一に抑制することができる。
さらに、請求項3に記載のように構成すれば、補強層の幅方向収縮を補強層間のゴムによって吸収することができるとともに、トレッド部における径成長を全域に亘ってほぼ均一に抑制することができる。
また、請求項4に記載のように構成すれば、補強プライの幅方向側端に亀裂が生じても、2枚の補強プライの幅方向側端同士は前記ずれ量だけ幅方向に離れているため、亀裂が繋がるまでに時間がかかりプライ端セパレーションの発生を効果的に遅らせることができる。
さらに、請求項5に記載のように構成すれば、主溝位置での曲げ剛性が高くなり接地特性を良好とすることができる。
さらに、請求項5に記載のように構成すれば、主溝位置での曲げ剛性が高くなり接地特性を良好とすることができる。
以下、この発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。
図1において、11は高速走行が可能な乗用車用空気入りラジアルタイヤであり、この空気入りタイヤ11はビードコア12がそれぞれ埋設された一対のビード部13と、これらビード部13から略半径方向外側に向かってそれぞれ延びるサイドウォール部14と、これらサイドウォール部14の半径方向外端同士を連結する略円筒状のトレッド部15とを備えている。なお、前述の空気入りタイヤ11は航空機用あるいはトラック・バス用のものであってもよい。
図1において、11は高速走行が可能な乗用車用空気入りラジアルタイヤであり、この空気入りタイヤ11はビードコア12がそれぞれ埋設された一対のビード部13と、これらビード部13から略半径方向外側に向かってそれぞれ延びるサイドウォール部14と、これらサイドウォール部14の半径方向外端同士を連結する略円筒状のトレッド部15とを備えている。なお、前述の空気入りタイヤ11は航空機用あるいはトラック・バス用のものであってもよい。
そして、この空気入りタイヤ11は前記ビードコア12間を略トロイダル状を呈しながら延びてサイドウォール部14、トレッド部15を補強するカーカス層18を有し、このカーカス層18の両端部は前記ビードコア12の回りを軸方向内側から軸方向外側に向かって折り返されている。前記カーカス層18は少なくとも1枚、ここでは2枚のカーカスプライ19から構成され、これらカーカスプライ19はラジアル方向(子午線方向)に延びる多数本の補強素子の周囲をゴムコーティングすることで構成している。ここで、前記補強素子としては、ナイロン等の伸長可能なコードあるいはスチール、芳香族ポリアミド等の非伸張性コードが用いられる。
24はカーカス層18の半径方向外側に配置されたベルト層であり、このベルト層24は少なくとも2枚(ここでは2枚)のベルトプライ25を積層することで構成され、各ベルトプライ25はスチール、芳香族ポリアミド等からなる多数本の非伸張性補強素子の周囲をゴムコーティングすることで構成している。そして、これらベルトプライ25の補強素子はタイヤ赤道Sに対して10〜60度の範囲内で傾斜するとともに、少なくとも2枚のベルトプライ25においてタイヤ赤道Sに対し逆方向に傾斜している。
28は前記カーカス層18、ベルト層24の半径方向外側に配置されたトレッドであり、このトレッド28の外表面(接地面)には幅広で周方向に連続して延びる複数本、ここでは4本の主溝29が形成されている。また、図示していないがトレッド28の外表面には幅広で幅方向に延びる多数本の横溝が形成されている。
図1、2において、32は少なくともベルト層24の幅方向両側部に重なり合う位置、ここでは、ベルト層24の幅方向両側部を含む全域に対し部分的に複数箇所で重なり合うよう配置された複数層、ここでは10層の補強層であり、これらの補強層32は幅狭の補強プライ33を2枚だけ半径方向に積層することで構成されている。ここで、各補強プライ33はスチール、芳香族ポリアミド等のコード、モノフィラメントから構成され、互いに平行な直線状に延びる多数本の非伸張性補強素子34をゴムコーティングすることで形成され、これら補強素子34はタイヤ赤道Sに対し 5〜30度で傾斜しているとともに、積層された2枚の補強プライ33においてタイヤ赤道Sに対し逆方向に傾斜している。
このように、タイヤ赤道Sに対して 5〜30度で傾斜している補強素子34をゴムコーティングすることで形成した幅狭の補強プライ33を、該補強素子34を逆方向に傾斜させながら2枚積層することで、少なくともベルト層24の幅方向両側部と重なり合う位置に配置された各補強層32を構成するようにしたので、加硫時における拡張量がトレッド部15の位置により異なっていても、また、補強プライ33の巻回時において張力変化等があっても、補強層32は前述した事態の影響を殆ど受けることはなく、この結果、補強層32により空気入りタイヤ11の走行時における径成長を所望通りに抑制することができる。
ここで、前記補強素子34のタイヤ赤道Sに対する傾斜角Gは前述のように 5〜30度の範囲内でなければならない。その理由は、前記傾斜角Gが 5度未満であると、補強素子34がほぼタイヤ赤道Sと平行となるため、螺旋状に巻き付けなければ製造が不可能となってしまうからであり、一方、30度を超えると、タイヤ赤道Sに対する傾斜角Gが大きくなりすぎて充分なたが効果を期待することができなくなるからである。このように前記補強プライ33は螺旋状に巻き付けられたものではなく、帯状の補強プライ33を周方向に巻き付けて環状とし、その始、終端同士を接合したものである。
この結果、生タイヤの加硫開始時にトレッド部15が拡張しようとすると、ある長さで切断されている補強素子34が未加硫ゴムからなるコーティングゴム内でタイヤ赤道Sに近付くよう傾斜し、補強プライ33は前記拡張に追従して周方向に容易に伸長することができる。これにより、トレッド部15に補強層32が設けられていても、空気入りタイヤ11は問題なく製造することができる。一方、加硫が終了すると、コーティングゴムが硬化するため、補強素子34の傾斜は硬化したコーティングゴムにより規制され、この結果、補強層32は周方向に殆ど伸長することができなくなり、強力なたが効果を発揮する。
なお、前述のような補強層を、芳香族ポリアミド等からなる少数本の非伸張性補強素子をゴムコーティングすることで形成したリボン状体を製品タイヤの内面と同一外面形状を有するハードコアの回りに螺旋状に巻回することで構成することも考えられるが、このようにすると、ハードコアが必要になるとともに、製造工程が複雑になるという欠点がある。しかしながら、この実施例のようにすれば、周知のタイヤ成形ドラムを用いて周知の方法により容易に空気入りタイヤを製造することができる。
ここで、前述した補強層32を構成する各補強プライ33の幅Wは10〜 100mmの範囲内であることが好ましい。その理由は、前記幅Wが10mm未満であると、2枚の補強プライ33における補強素子34同士の交差面積が不足して充分なたが効果を期待できないことがあるからである。一方、前記補強プライ33の幅Wを広くすると、タイヤの転動によって荷重直下となる毎に補強プライ33の補強素子34はベルト層24の補強素子と共にパンタグラフ変形をして、補強プライ33が周方向に伸びる一方、その幅Wが収縮するが、前述のように幅Wを 100mm以下とすれば、前記幅方向の収縮量を効果的に抑制することができ、これより、トレッド28に偏摩耗等が生じる事態を防止することができる。
また、この実施例では、前述した10層の補強層32を空気入りタイヤ11の幅方向にほぼ等距離離して配置しているが、このように補強層32を3層以上配置したとき、隣接する補強層32間の間隔をほぼ同一とすれば、補強層32の前述した幅方向収縮を補強層32間のゴムによって吸収することができるとともに、トレッド部15における径成長を全域に亘ってほぼ均一に抑制することができる。
そして、前記補強層32は補強プライ33を幅方向に所定量Lだけずらした状態で2枚積層することで構成している。このように補強プライ33を幅方向に所定量Lだけずらすようにすれば、補強プライ33の幅方向側端に亀裂が生じても、2枚の補強プライ33の幅方向側端同士は前記所定量Lだけ幅方向に離れているため、前述の亀裂が繋がるまでに時間がかかり、これにより、プライ端セパレーションの発生を遅らせることができる。
また、この実施例では、前述の補強層32をベルト層24の半径方向外側、即ち、ベルト層24とトレッド28との間に配置しているが、これら補強層32はベルト層24と重なり合っていれば、図3に示すように、ベルト層24とカーカス層18との間、あるいは、図4に示すように、カーカス層18が複数枚のカーカスプライ19から構成されているときには、これらカーカスプライ19間に配置するようにしてもよい。
図5は、この発明の実施形態2を示す図である。この実施形態においては、前記補強層32をベルト層24の幅方向両端部にのみ配置するとともに、その幅Wを前記実施形態1より若干広幅としている。この実施形態のものには、ショルダー部における径成長が大きな、高性能乗用車用タイヤや、例えば大型トラック・バス用空気入りタイヤ11に好適であり、しかも、補強層32の層数が少ない(2層である)ため、軽量化を図ることができる。なお、他の構成、作用は前記実施形態1と同様である。
図6は、この発明の実施形態3を示す図である。この実施形態においては、ベルト層24の半径方向外側、即ち、ベルト層24とトレッド28との間に複数層、ここでは主溝29と同数の補強層32を各主溝29に重なり合うよう配置している。このようにすると、前記補強層32をトレッド端と主溝29との間の陸部および主溝29間の陸部に重なり合うよう配置した場合に比較して、主溝29の位置における曲げ剛性が補強層32の曲げ剛性分だけ高くなり、この結果、主溝29の位置における曲げ剛性が陸部における曲げ剛性に近付き、空気入りタイヤ11の接地特性を良好とすることができる。ここで、補強層32の補強素子34が芳香族ポリアミドから構成されている場合とスチールから構成されている場合とを比較すると、スチールの方が曲げ剛性が高いため、前述の接地特性をより良好とすることができる。
次に、第1試験例について説明する。この試験に当たっては、前記実施形態1と同様に10層の補強層32をベルト層24とトレッド28との間にタイヤ幅方向にほぼ等間隔で配置した図1に示すような実施タイヤ1と、補強層32の配置位置をカーカス層18とベルト層24との間とした点以外は実施タイヤ1と同様である図3に示すような実施タイヤ2と、補強層32の配置位置を2枚のカーカスプライ19間とした点以外は実施タイヤ1と同様である図4に示すような実施タイヤ3と、補強層を省略した点以外は実施タイヤ1と同様である従来タイヤとを準備した。
ここで、前記各タイヤはサイズがいずれも245/55R17で、ラジアル方向に延びるナイロンコードをゴムコーティングしたカーカスプライ19を2枚積層してカーカス層18を構成するとともに、タイヤ赤道Sに対して24度だけ傾斜したスチールコードをゴムコーティングしたベルトプライ25を2枚、前記スチールコードの傾斜方向が逆方向となるよう積層することでベルト層24を構成した高性能乗用車用タイヤを用いている。
一方、前記補強層32は、芳香族ポリアミドのフィラメントを撚って構成した径が 0.7mmの補強素子34を、タイヤ赤道Sに対して15度だけ傾斜させた状態でゴムコーティングすることにより、幅が12mmである補強プライ33を形成した後、これら補強プライ33を幅方向に 2mmだけずらすとともに、補強素子34同士を逆方向に傾斜させながら2枚積層して構成している。
そして、前述のような実施タイヤ1〜3を製造するために加硫を行ったが、このとき、前記実施タイヤ1〜3のトレッド部15(補強層32)は最大で 4%拡張したものの、全く問題なく各タイヤを製造することができた。その後、各タイヤを解剖して補強層32を構成する補強素子34の配列状態を検査したが、いずれも設計通りの配列状態であった。
次に、前記各タイヤを高性能乗用車に装着した後、最高時速 200kmでサーキットを走行させ、熟練したテストドライバーによって操縦安定性の評価を行った。その結果、従来タイヤでは遠心力でトレッド部15が径成長し、特に高速走行時において操縦安定性が悪化すると評価されたが、実施タイヤ1〜3では高速走行時においても常に安定した高い操縦安定性を示した。その評価を満点を 100点として指数で表すと、実施タイヤ1〜3ではいずれも90点であったが、従来タイヤでは50点であった。
次に、第2試験例について説明する。この試験に当たっては、前記実施形態2に記載したベルト層24の幅方向両端部のみにそれぞれ補強層32を配置した実施タイヤ4、5と、前述の従来タイヤとを準備した。ここで、前記実施タイヤ4、5のタイヤサイズ、カーカス層18およびベルト層24は前記実施タイヤ1と同様である。また、実施タイヤ4における補強層32は、図7に示すように幅が30mmで幅方向ずれ量が 0mmである以外は実施タイヤ1の補強層32と同一であり、一方、実施タイヤ5における補強層32は、図5に示すように幅が30mmで幅方向ずれ量が 5mmである以外は実施タイヤ4の補強層32と同一である。なお、これら実施タイヤ4、5も前記実施タイヤ1と同様に問題なく製造することができ、また、補強素子34の配列状態も設計通りであった。
次に、前記各タイヤをタイヤ試験機に装着した後、6kNの荷重を負荷しながら直径が3mのドラムにスリップ角1度で押し付けて高速走行させることにより、高速耐久試験を行った。ここで、この高速耐久試験は、 100km/hの速度から各タイヤの走行を開始し、5分毎に10km/hのステップで速度を次々に増加させて故障発生時の速度を求める試験である。その結果は、従来タイヤを指数 100とすると、実施タイヤ4では 156、実施タイヤ5では 168と高速耐久性が大幅に向上していた。また、この結果から、補強プライ33を幅方向にずらした方が、ずれがない場合に比較し高速耐久性が向上していることが理解できる。
次に、第3試験例について説明する。この試験に当たっては、図6に示すようにベルト層24の半径方向外側で主溝29に重なり合う位置にそれぞれ補強層32を配置した実施タイヤ6、7と、図8に示すようにベルト層24の半径方向外側で陸部に重なり合う位置にそれぞれ補強層32を配置した実施タイヤ8と、前記従来タイヤとを準備した。ここで、主溝29の本数が4本であるため、実施タイヤ6、7では、補強層32の層数は4層であり、一方、陸部の数が5個であるため、実施タイヤ8では、補強層32の層数は5層である。
また、前記実施タイヤ6、7、8のタイヤサイズ、カーカス層18およびベルト層24は前記実施タイヤ1と同様である。さらに、前記実施タイヤ6では補強層32の補強素子34を、実施タイヤ1と同様に芳香族ポリアミドのフィラメントを撚ることで構成しているが、実施タイヤ7では補強層32の補強素子34を、スチールのフィラメントを撚ることで構成している。なお、この実施タイヤ7においても、補強素子34の径は実施例6と同一の 0.7mmである。また、これら実施タイヤも前記実施タイヤ1と同様に問題なく製造することができ、また、補強素子34の配列状態も設計通りであった。
次に、前記各タイヤを高性能乗用車に装着した後、実施例1と同様に走行させ、熟練したテストドライバーによる操縦安定性の評価を行った。その評価を満点を 100点として指数で表すと、実施タイヤ6では80点、実施タイヤ7では90点、実施タイヤ8では70点、従来タイヤでは50点であった。このように補強層32を主溝29に重なり合うよう配置すると、主溝29の位置における曲げ剛性が高くなって接地特性が向上し、これにより、操縦安定性が良好となる。また、補強層32を構成する補強素子34に芳香族ポリアミドより曲げ剛性の高いスチールを用いると、主溝29の位置における曲げ剛性をさらに高くすることができ、操縦安定性がさらに向上する。
この発明は、空気入りタイヤの産業分野に適用できる。
11…空気入りタイヤ 12…ビードコア
18…カーカス層 24…ベルト層
28…トレッド 29…主溝
32…補強層 33…補強プライ
34…補強素子 S…タイヤ赤道
W…幅
18…カーカス層 24…ベルト層
28…トレッド 29…主溝
32…補強層 33…補強プライ
34…補強素子 S…タイヤ赤道
W…幅
Claims (5)
- 両端部がビードコアの回りに折り返され略トロイダル状を呈するカーカス層と、前記カーカス層の半径方向外側に配置されたベルト層と、該ベルト層の半径方向外側に配置されたトレッドとを備えた空気入りタイヤにおいて、少なくともベルト層の幅方向両側部と重なり合う位置に、タイヤ赤道に対して 5〜30度で傾斜している非伸張性補強素子をゴムコーティングすることで形成した幅狭の補強プライを、該補強素子を逆方向に傾斜させながら2枚積層することで構成した補強層を配置したことを特徴とする空気入りタイヤ。
- 前記補強プライの幅は10〜 100mmの範囲内である請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記補強層を3層以上配置したとき、隣接する補強層間の間隔をほぼ同一とした請求項1または2記載の空気入りタイヤ。
- 補強プライを幅方向にずらした状態で2枚積層し補強層を構成するようにした請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記トレッドの外表面に周方向に連続して延びる複数本の主溝が形成されているとき、補強層を主溝に重ね合わせて配置した請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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