JP2006192609A - 装飾フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材と、その基材の表面に少なくとも部分的に形成された着色層と、前記基材の裏面に形成された感圧接着剤層とを含む装飾フィルムであって、前記基材に、ホウ酸アルミニウム、酸化亜鉛、チタン酸カリウム、カーボン、アルミナ、シリカ−カルシア−マグネシア及びナイロンからなる群から選ばれた無機もしくは有機材料の非球形微粒子が充填材として配合されているように構成する。
【選択図】 図1
Description
装飾フィルムの作製のため、以下に示す材料を使用した。
品名 入手先 詳細
プラクセルL212AL ダイセル化学工業 カプロラクトンポリオール
デスモジュールZ4470 住友バイエルウレタンIPDIトリマー
アルボレックスYS4 四国化成工業 ホウ酸アルミニウムウイスカ
(9Al2O3,2B2O3)
パナテトラWZ-0501 松下アムラック 酸化亜鉛ウイスカ(ZnO)
ティスモN 大塚化学 チタン酸カリウムウイスカ
(K2O,6TiO2)
K6371M 三菱化学産資 カーボン繊維(サイジング剤あり)
K223QM 三菱化学産資 カーボン繊維(サイジング剤あり)
RGミルド イネオスケミカル アルミナ繊維(Al2O3)
SM90-SAZ-T40 新日化サーマル シリカ−カルシア−マグネシア
ナイロン短繊維 東レ
T60#50 東レ PETフィルム
炭酸カルシウムSSB赤 白石カルシウム 球形微粒子(平均粒径:2.3μm)
非球形充填材を含有する基材の作製のため、以下及び下記の第1表に記載のような配合比の反応性ウレタン塗工溶液を調製した。
プラクセルL212AL(ダイセル化学工業、カプロラクトンポリオール) 29重量%
デスモデュールZ4470(住友バイエルウレタン、IPDIトリマー) 16.3重量%
アルボレックスYS4(四国化成工業、ホウ酸アルミニウムウイスカ) 2重量%
メチルエチルケトン 0.5重量%
DBTDL(ジブチル錫ジラウレート) 0.02重量%
TX-6013(日本油脂BASFコーティングス社、ウレタン系塗料、シルバーメタリック色) 100重量%
デスモデュールZ4470(住友バイエルウレタン社、IPDIトリマー) 10重量%
TONE 0201(ユニオンカーバイド社、カプロラクトンポリオール) 54重量%
UA-702(三井武田ケミカル社、アクリルポリオール) 9重量%
デスモデュールZ4470(住友バイエルウレタン社、IPDIトリマー) 78重量%
酢酸n−ブチル 3重量%
DBTDL(ジブチル錫ジラウレート) 0.03重量%
SKダイン1310(綜研化学社、アクリル系粘着剤) 100重量%
コロネートL45(日本ポリウレタン社、ポリイソシアネート硬化剤) 1.5重量%
下記の第1表に記載のように非球形充填材とその配合比(重量%)を変更した違いを除いて、前記実施例1に記載のようにして反応性ウレタン塗工溶液を調製した後、前記実施例1に記載の手法に従って基材、着色層及びクリア層からなる3層複合フィルムを作製し、さらに前記実施例1に記載の手法に従ってライナー付きの4層複合フィルム(装飾フィルム)を作製した。
前記実施例1に記載のようにして反応性ウレタン塗工溶液を調製したが、本例の場合、比較のため、下記の第1表に記載するように、非球形充填材の配合を省略した。次いで、前記実施例1に記載の手法に従って基材、着色層及びクリア層からなる3層複合フィルムを作製し、さらにライナー付きの4層複合フィルム(装飾フィルム)を作製した。
前記実施例1に記載のようにして反応性ウレタン塗工溶液を調製したが、本例の場合、比較のため、下記の第1表に記載するように、非球形充填材であるアルボレックスYS4(四国化成工業、ホウ酸アルミニウムウイスカ)の配合量を2重量%から1重量%に変更した。次いで、前記実施例1に記載の手法に従って基材、着色層及びクリア層からなる3層複合フィルムを作製し、さらにライナー付きの4層複合フィルム(装飾フィルム)を作製した。
前記実施例1に記載のようにして反応性ウレタン塗工溶液を調製したが、本例の場合、比較のため、下記の第1表に記載するように、非球形充填材として、アルボレックスYS4(四国化成工業、ホウ酸アルミニウムウイスカ)に代えてティスモN(大塚化学、チタン酸カリウムウイスカ)を使用し、かつ非球形充填材の配合量を2重量%から1重量%に変更した。次いで、前記実施例1に記載の手法に従って基材、着色層及びクリア層からなる3層複合フィルムを作製し、さらにライナー付きの4層複合フィルム(装飾フィルム)を作製した。
前記実施例1に記載の手法を繰り返したが、本例の場合、比較のため、反応性ウレタン塗工溶液から非球形充填材を含有する基材を調製する工程を省略し、下記の第1表に記載するように、約50μm厚の2軸延伸PETフィルム、T60#50(東レ)を基材として使用した。なお、この基材の着色層側にはコロナ放電処理を施した。次いで、前記実施例1に記載の手法に従って基材、着色層及びクリア層からなる3層複合フィルムを作製し、さらにライナー付きの4層複合フィルム(装飾フィルム)を作製した。
前記実施例1に記載のようにして反応性ウレタン塗工溶液を調製したが、本例の場合、比較のため、下記の第1表に記載するように、非球形充填材として使用したアルボレックスYS4(四国化成工業、ホウ酸アルミニウムウイスカ)に代えて、球形充填材である炭酸カルシウムSSB赤(白石カルシウム、平均粒径:2.3μm)を使用し、かつその球形充填材の配合量を2重量%からそれぞれ10重量%(比較例5)及び15重量%(比較例6)に変更した。次いで、前記実施例1に記載の手法に従って基材、着色層及びクリア層からなる3層複合フィルムを作製し、さらにライナー付きの4層複合フィルム(装飾フィルム)を作製した。
前記実施例1〜26及び比較例1〜6で作製した合計32種類の装飾フィルムについて、耐傷付き性及び三次元曲面追従性を下記の手順で評価した。
JIS K5400 8.4.2に規定される鉛筆引っかき値の測定法(手かき法)に従い鉛筆引っかき値を測定し、「耐傷付き性」を評価した。
それぞれの装飾フィルム(ライナー付きの4層複合フィルム)からPETライナーを剥離した後、表面が平滑なアルミニウム板(9cm×9cm)に基材側を圧着した。次いで、得られたフィルム付きアルミニウム板を常温常湿(約25℃、約65%RH)で48時間にわたって放置し、試料を完成した。
それぞれの試料について、その装飾フィルムの表面をJIS S6006に規定される芯硬度9H〜6Bの鉛筆で引っかいた。鉛筆の荷重は1kg、引っかき角度は45°であった。各装飾フィルムの表面で、鉛筆の芯硬度を変えてそれぞれ5回にわたって測定を実施した。フィルムの破れの有無を目視により観察した。フィルムの破れが発生しているものを×、発生していないものを○として、5回の引っかきのうち「フィルムの破れなし(○)」が3個以上である最も高い芯硬度をもって鉛筆引っかき値(判定レベル)とした。下記の第1表に記載するような評価結果が得られた。
被着体:
図2(A)に示すように、直径dが約5mmでありかつ深さpが約4mmである半球状の凹部21を備えた塗装板20を用意した。塗装板20はスチール製であり、その表面にはメラミン樹脂塗料が静電塗装してあった。
実施例1〜26及び比較例1〜6で作製した装飾フィルム(ライナー付きの4層複合フィルム)を25mm×70mmの試験片にカットした。それぞれの試験片からPETライナーを剥離した後、試験片10を図2(B)に示すように基材側を下にして塗装板20の水平面に貼り付けた。次いで、図2(C)に示すように、塗装板20の凹部21に試験片10を押し込むようにして、凹部21の湾曲面に対して沿うように試験片10を貼り付けていった。
耐傷付き性について:
上記第1表に記載の評価結果から理解されるように、本発明に従い非球形充填材微粒子を基材に配合した場合、従来の技術に比較して耐傷付き性を顕著に向上させることができる。また、球形充填材微粒子を基材に配合した場合に比較して、僅かな配合量で、比較可能な満足し得る耐傷付き性を達成することができ、また、その非球形充填材微粒子の配合量を増量することによって、耐傷付き性をより一層向上させることができる。
上記第1表に記載の評価結果から理解されるように、本発明に従い非球形充填材微粒子を基材に配合した場合、従来の技術に比較して三次元曲面追従性を顕著に向上させることができる。また、球形充填材微粒子を基材に配合した場合に比較して、僅かな配合量で、比較可能な満足し得る三次元曲面追従性を達成することができる。
前記実施例1〜2、4、7、9〜10、12、15、18、20及び22〜26ならびに比較例1及び2で作製した合計17種類の装飾フィルムについて、引張りモジュラス値を下記の手順で測定し、評価した。
2 着色層
3 トップコート層
4 感圧接着剤層
5 非球形充填材
10 装飾フィルム
20 塗装板
Claims (21)
- 基材と、その基材の表面に少なくとも部分的に形成された着色層と、前記基材の裏面に形成された感圧接着剤層とを含む装飾フィルムであって、前記基材に、ホウ酸アルミニウム、酸化亜鉛、チタン酸カリウム、カーボン、アルミナ、シリカ−カルシア−マグネシア及びナイロンからなる群から選ばれた無機もしくは有機材料の非球形微粒子が充填材として配合されていることを特徴とする装飾フィルム。
- 前記非球形微粒子が、繊維もしくはウイスカであることを特徴とする請求項1に記載の装飾フィルム。
- 前記非球形微粒子が、前記基材の全量を基準にして2〜60重量%の量で配合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の装飾フィルム。
- 前記非球形微粒子が、前記基材の全量を基準にして5〜15重量%の量で配合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装飾フィルム。
- 前記非球形微粒子が、平均して2〜200μmの長さを有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の装飾フィルム。
- 前記基材が、反応性ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂又はポリオレフィン樹脂からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の装飾フィルム。
- 前記ポリオレフィン樹脂が、ポリプロピレン、ポリエチレン、サーモプラスチックオレフィン、アイオノマー、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体又はエチレン/酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする請求項6に記載の装飾フィルム。
- 前記基材の厚さが、10〜1,000μmの範囲であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の装飾フィルム。
- 前記基材が、塗工フィルムからなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の装飾フィルム。
- 前記塗工フィルムが、ナイフコート法、バーコート法、ブレードコート法、エアドクタコート法、ロールコート法又はキャストコート法によって形成されたものであることを特徴とする請求項9に記載の装飾フィルム。
- 前記塗工フィルムが、バーコート法によって形成されたものであることを特徴とする請求項10に記載の装飾フィルム。
- 前記着色層が、印刷、転写、蒸着、フィルム貼付、バーコート又はスプレー塗装によって形成されたものであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の装飾フィルム。
- 前記着色層の厚さが、1〜300μmの範囲であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の装飾フィルム。
- 前記感圧接着剤層が、アクリル系接着剤からなることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の装飾フィルム。
- 前記感圧接着剤層の厚さが、5〜300μmの範囲であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の装飾フィルム。
- 着色層の上にさらにトップコート層を有することを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の装飾フィルム。
- 前記トップコート層がウレタン樹脂からなることを特徴とする請求項16に記載の装飾フィルム。
- 前記トップコート層のウレタン樹脂が2液型ウレタン樹脂であることを特徴とする請求項17に記載の装飾フィルム。
- 前記トップコート層の厚さが、1〜300μmの範囲であることを特徴とする請求項16〜18のいずれか1項に記載の装飾フィルム。
- キャリヤフィルムをさらに有していることを特徴とする請求項16〜19のいずれか1項に記載の装飾フィルム。
- 前記感圧接着剤層を介して自動車の車体もしくは外装部品に貼付されることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の装飾フィルム。
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