JP2000136361A - 粘着シ―ト - Google Patents

粘着シ―ト

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JP2000136361A
JP2000136361A JP11076006A JP7600699A JP2000136361A JP 2000136361 A JP2000136361 A JP 2000136361A JP 11076006 A JP11076006 A JP 11076006A JP 7600699 A JP7600699 A JP 7600699A JP 2000136361 A JP2000136361 A JP 2000136361A
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JP
Japan
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resin
olefin
sheet
weight
parts
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JP11076006A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Murayama
浩 村山
Masahiro Asuka
政宏 飛鳥
Masahiko Hiragori
正彦 平郡
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】焼却負担を低減し得るオレフィン系樹脂基材シ
ートを用いているにもかかわらず、発色性が良好であ
り、十分な柔軟性を有し、従って曲面に対する貼付性に
優れた粘着シートを提供すること。 【解決手段】オレフィン系樹脂100重量部及びビニル
芳香族系エラストマー3〜90重量部からなるオレフィ
ン系樹脂基材シートの一面に、アクリルウレタン系樹脂
及び顔料を含む架橋された着色塗膜層が積層されてお
り、他面に粘着剤層が積層されていることを特徴とする
粘着シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋外及び屋内の広
告ステッカー類や表示用ステッカー類あるいは電飾看板
における装飾シートなどに用いられる粘着シートに関
し、より詳細には、曲面追従性に優れ、使用後に簡単な
焼却設備で焼却し得る粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、広告ステッカー類、表示用ステッ
カー類、あるいは電飾看板用装飾シートなどの装飾用粘
着シートが種々提案されている。従来の装飾用粘着シー
トは、耐候性及び顔料添加による着色性に優れているた
め、塩化ビニル系樹脂フィルムを基材として用いること
により構成されていた。この種の粘着シートの製造は、
以下のようにして行われていた。
【0003】目的に応じて塩化ビニル系樹脂フィルムよ
りなる基材に顔料を練り込んで着色したり、あるいは基
材表面に印刷を施す。次に、基材の片面に用途に応じた
感圧及び/または感熱接着剤を塗布し、粘着剤層を形成
する。さらに、粘着剤層を保護するために、剥離紙など
の剥離材を粘着剤層上に貼り合わせる。
【0004】ところで、上記装飾用粘着シートは、屋外
で使用されることが多く、様々な用途に用いられてい
る。例えば、看板、広告塔、シャッター、ショーウィン
ドウなどに広告ステッカーとして貼付されることがあ
る。また、自動車や二輪車等の車両あるいはモーターボ
ートなどの船舶において、装飾用ストライプステッカー
類として用いられている。さらに、交通標識、道路標識
または案内板などにおいて表示用ステッカー類を構成す
るためにも用いられている。
【0005】また、電飾看板においても、上記装飾用粘
着シートが用いられている。この場合には、装飾用粘着
シートは、光を透過させる必要があり、従って、基材と
しては光を透過させる透明なものが用いられている。
【0006】上述した種々の装飾用粘着シートは、屋外
で用いられることが多いため、耐候性に優れているこ
と、並びに三次元的な曲面に貼付するために、適度な柔
軟性を有することが強く求められている。
【0007】従来の装飾用粘着シートは、塩化ビニル系
樹脂フィルムを基材としているため、適度な耐候性を有
し、かつ曲面に対して貼り付けるのに十分な柔軟性を有
する。しかしながら、塩化ビニル系樹脂フィルムを基材
とした場合、焼却・廃棄に際し、塩素ガスや塩化水素ガ
スの発生等により焼却炉を傷めることがあった。すなわ
ち、焼却炉に負担がかかり、簡単な焼却設備では処理す
ることができず、さらに、焼却設備の耐久性を低下させ
るという問題があった。従って、埋め立てにより処理す
ることが多く、環境への負担が問題となっていた。
【0008】そこで、近年、ポリオレフィン系樹脂フィ
ルムを基材として用いることにより、焼却負担を軽減す
る方法が試みられている。例えば、特開平8−1577
80号公報には、ポリオレフィン系樹脂フィルムを基材
として用いることにより、焼却負担を軽減し得る装飾用
粘着シートが開示されている。
【0009】しかしながら、特開平8−157780号
公報では、単にポリオレフィン系樹脂フィルムを用いる
ことが示されているだけであり、該ポリオレフィン系樹
脂フィルムの具体的な内容については示されていない。
【0010】また、市販のポリオレフィン系樹脂フィル
ムの片面に粘着剤層を形成し、装飾用粘着シートを構成
した場合、従来の塩化ビニル系樹脂フィルムを基材とし
たものに比べて、柔軟性が十分でなく、曲面に対する追
従性も十分でなかった。
【0011】さらに、オレフィン系樹脂は、塩化ビニル
系樹脂に比べて耐候性が悪く、屋外での長期間にわたる
使用には適さないという問題もあった。また、シート状
に成形する場合、塩化ビニル系樹脂では、カレンダー
法、押出法、有機溶剤に分散させてキャスティングする
ゾルキャスティング法などの多数の成形方法を利用でき
るのに対し、オレフィン系樹脂の場合には300℃以上
に溶融されて押し出される押出法にほぼ限定される。従
って、300℃の加熱条件でも褪色しない、耐熱性に優
れた顔料しか使用することができなかった。
【0012】加えて、詳細なメカニズムは不明である
が、同一顔料を同量添加したとしても、塩化ビニル系樹
脂を用いた場合に比べて、発色性が悪いという問題もあ
った。さらに、市販のオレフィン系樹脂フィルムを用い
て上述した電飾看板用粘着シートを構成した場合、酸化
チタンが含有されている場合には、十分な透過光を得る
ことができず、酸化チタンが配合されていない場合であ
っても、光の透過率が低く、鮮明な装飾効果を得ること
ができなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術の現状に鑑みなされたものであり、その目的は、
焼却負担を低減し得るオレフィン系樹脂基材シートを用
いているにもかかわらず、発色性が良好であり、十分な
柔軟性を有し、従って曲面に対する貼付性に優れた粘着
シートを提供することにある。
【0014】本発明の他の目的は、光の透過性に優れて
おり、従って、例えば電飾看板に用いられる装飾用粘着
シートとして好適な粘着シートを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係る粘着シートは、オレフィン系樹脂100重量部及び
ビニル芳香族系エラストマー3〜90重量部からなるオ
レフィン系樹脂基材シートの一面に、アクリル系樹脂、
ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂及びフッ素系樹脂
からなる群より選ばれる1種以上の樹脂成分及び顔料を
含む架橋された着色塗膜層が積層されており、他面に粘
着剤層が積層されていることを特徴とする。
【0016】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明に係る粘着シートにおいて、オレフィン系樹脂基
材シートがオレフィン系樹脂100重量部、ビニル芳香
族系エラストマー3〜90重量部及び酸化チタン10〜
200重量部を含む白色シートとされており、架橋され
た着色塗膜層がアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリ
エステル系樹脂及びフッ素系樹脂からなる群より選ばれ
る1種以上の樹脂成分100重量部及び顔料5〜80重
量部を含むことを特徴とする。
【0017】請求項3に記載の発明に係る粘着シート
は、オレフィン系樹脂100重量部及びビニル芳香族系
エラストマー3〜200重量部からなり、相対的に柔軟
性の高い第1のオレフィン系樹脂シートの少なくとも一
面に、オレフィン系樹脂からなる相対的に柔軟性の低い
第2のオレフィン系樹脂シートが積層されているオレフ
ィン系樹脂基材シートの一面にアクリル系樹脂、ウレタ
ン系樹脂、ポリエステル系樹脂及びフッ素系樹脂からな
る群より選ばれる1種以上の樹脂成分及び顔料を含む架
橋された着色塗膜層が、他面に粘着剤層が積層されてい
ることを特徴とする。
【0018】請求項4に記載の発明に係る粘着シートで
は、請求項3に記載の発明において、第1のオレフィン
系樹脂シート及び第2のオレフィン系樹脂シートの少な
くとも一方が、オレフィン系樹脂100重量部に対し、
酸化チタン10〜300重量部が配合されている白色の
オレフィン系樹脂シートにより構成されており、かつ架
橋された着色塗膜層がアクリル系樹脂、ウレタン系樹
脂、ポリエステル系樹脂及びフッ素系樹脂からなる群よ
り選ばれる1種以上の樹脂成分100重量部及び顔料5
〜80重量部含むことを特徴とする。
【0019】請求項5に記載の発明に係る粘着シート
は、例えば電飾看板用の装飾用マーキングフィルムとし
て用いるのに適したものであり、請求項1または3に記
載の発明に係る粘着シートにおいて、上記オレフィン系
樹脂基材シートが、プロピレン系樹脂を主成分とし、J
IS K 7105に準拠した全光線透過率が85%以
上であり、かつ曇価が5%以下であり、架橋された着色
塗膜層がアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂及びフッ素系樹脂からなる群より選ばれる1種
以上の樹脂成分100重量部及び顔料0.5〜20重量
部からなることを特徴とする。
【0020】本発明においては、上記ビニルビニル芳香
族系エラストマーとしては、好ましくは、請求項6に記
載のように、スチレン−ブタジエンブロック共重合体も
しくはスチレン−イソプレンブロック共重合体、または
これらの水素添加物が用いられる。
【0021】以下、本発明の詳細を説明する。(オレフ
ィン系樹脂基材シート)本発明に係る粘着シートで、オ
レフィン系樹脂基材シートを構成するオレフィン系樹脂
としては、特に限定されず、例えば、低密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレンなどのポリエチレン;ポリプロピレ
ン;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチル
アクリレート共重合体、エチレン−α−オレフィン共重
合体などのエチレン系共重合体などを挙げることがで
き、また、これらのオレフィン系樹脂にスチレン系樹脂
などのエラストマーを混合したものも用いることができ
る。
【0022】また、異なるオレフィン系樹脂を複数種均
一に混合した混合樹脂を用いて構成されてもよく、異な
るオレフィン系樹脂からなるシートを複数積層したもの
であってもよい。すなわち、請求項3に記載の発明のよ
うに、相対的に柔軟性の高い第1のオレフィン系樹脂シ
ートの少なくとも一面に、相対的に柔軟性の低い第2の
オレフィン系樹脂シートを積層してオレフィン系樹脂基
材シートを構成してもよい。この場合、第1のオレフィ
ン系樹脂シートが、オレフィン系樹脂100重量部に対
し、後述のビニル芳香族系エラストマー3〜200重量
部を含むため、該ビニル芳香族系エラストマーの含有に
より柔軟性が高められている。
【0023】本発明の広い範囲では、オレフィン系樹脂
基材シート中に顔料が含まれていてもよく、その場合の
顔料としては、オレフィン系樹脂の通常の押出成形温度
である300℃程度で耐熱性を有するものである限り、
その目的に応じて適宜選択可能であり、例えば、アゾ
系、フタロシアニン系、スレン系、染料レーキ系、キナ
クリドン系、ジオキサジン系などの有機顔料;上述した
酸化チタンなどの酸化物系、クロム酸モリブデン酸系、
硫化物・セレン化物系、フェロシアン化物系、炭酸カル
シウムなどの各種無機顔料を適宜用いることができる。
これらの顔料をオレフィン系樹脂基材シートに含有させ
ておくことにより、被着体の色を隠蔽し、着色塗膜層の
彩度を向上させることができる。この場合、被着体の色
を隠蔽し、着色塗膜層の彩度を向上する上では、白色顔
料が望ましく、特に、酸化チタンが好適に用いられる。
【0024】従って、請求項2,4に記載の発明では、
オレフィン系樹脂基材シートに、あるいはオレフィン系
樹脂基材シートを構成するオレフィン樹脂シートの少な
くとも一方に、酸化チタンが上記特定の割合で配合さ
れ、それによって着色塗膜層の彩度の向上を図ることが
可能とされている。また、着色塗膜層の色を変更するこ
とにより、粘着シートの色調を容易に変更することが可
能とされている。
【0025】すなわち、請求項2,4に記載の発明で
は、白色のオレフィン系樹脂基材シートが用いられるの
で、該白色のオレフィン系樹脂基材シートを大量生産し
ておき、様々な架橋された着色塗膜層を積層することに
より、様々な色及び彩度の粘着シートを容易に得ること
ができる。従って、粘着シートの少量多品種化に容易に
対応することができる。
【0026】上記酸化チタンとしては、下地を隠蔽する
性能と、高彩度化が良好であるため、ルチル型結晶から
なり、かつ平均粒径が0.01〜1μmのものが好適に
用いられる。
【0027】また、オレフィン系樹脂中における分散性
を高めるために、酸化チタン粒子の表面が,例えば、ア
ルミニウム、シリカ、または有機物などで処理されてい
てもよい。
【0028】酸化チタンの添加量が、少なくなると隠蔽
性が低下し、被着体の色を透過するため、着色塗膜層の
色がくすみ、十分な彩度が得られなくなり、酸化チタン
の添加量が多くなりすぎると、オレフィン系樹脂シート
基材の物性が低下する。従って、請求項2に記載の発明
では、オレフィン系樹脂100重量部に対し、酸化チタ
ンは10〜200重量部の割合で添加される。また、請
求項4に記載の発明では、第1,第2のオレフィン系樹
脂シートの少なくとも一方において、オレフィン系樹脂
100重量部に対し、酸化チタンは10〜300重量部
の割合で配合される。
【0029】なお、請求項5に記載の発明に係る粘着シ
ートでは、顔料が含まれるにしても、上述した全光線透
過率が85%以上であり、かつ曇価が5%以下であるこ
とが、電飾看板の装飾に用いる場合必要であり、従っ
て、顔料は含まれていないことが望ましい。
【0030】本発明におけるオレフィン系樹脂基材シー
トでは、柔軟性を高めるために、上記ビニル芳香族系エ
ラストマーが上記特定の割合で用いられる。上記ビニル
芳香族系エラストマーとしては、特に限定されるわけで
はないが、好ましくは、スチレン−ブタジエンブロック
共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、ま
たはこれらの水素添加物が好適に用いられる。
【0031】より好ましくは、下記の構造のように、ス
チレンとイソプレンの50%以上が3,4結合からなる
ように重合されたものが望ましい。
【0032】
【化1】
【0033】また、オレフィン系樹脂基材シートを連続
生産する場合のフィッシュアイ現象を抑制するには、ス
チレンとイソプレンとのブロック重合体の水素添加物を
用い、該イソプレンのジエン部分の50%以上が水素添
加されているものが好適に用いられる。
【0034】請求項1に記載の発明では、上記ビニル芳
香族系エラストマーはオレフィン系樹脂100重量部に
対し、3〜90重量部の割合で添加される。ビニル芳香
族系エラストマーの配合割合が3重量部未満では、オレ
フィン系樹脂基材シートの柔軟性が十分でなく、曲面に
対する追従性が低下し、90重量部を超えると、柔らか
くなりすぎ、貼付等の実際の加工作業が非常に困難とな
り、かつエラストマーが高価であるため、粘着シートの
コストが高くつくことになる。
【0035】同様の理由により、請求項3に記載の発明
では、相対的に柔軟性が高い第1のオレフィン系樹脂シ
ートにおいて、オレフィン系樹脂100重量部に対し、
ビニル芳香族系エラストマーが3〜200重量部の割合
で用いられる。
【0036】なお、請求項3に記載の発明において、ビ
ニル芳香族系エラストマーの配合割合の上限値が高いの
は、オレフィン系樹脂基材シートが、柔軟性の高い第1
のオレフィン系樹脂シートと、柔軟性の低い第2のオレ
フィン系樹脂シートを積層することにより構成されてお
り、第1のオレフィン系樹脂シートに上記ビニル芳香族
系エラストマーを含有させているためである。すなわ
ち、ビニル芳香族系エラストマーの配合割合が200重
量部であっても、第2のオレフィン系樹脂シートが積層
されているので、オレフィン系樹脂基材シート全体とし
ては柔らかくなりすぎることはない。
【0037】請求項1に記載の発明におけるオレフィン
系樹脂基材シートの厚みについては、特に限定されるわ
けではないが、20〜150μmの範囲が好ましく、よ
り好ましくは、40〜100μmである。厚みが20μ
m未満の場合には、オレフィン系樹脂基材シートが柔ら
かくなりすぎ、施工が困難となり、かつ強度不足とな
り、150μmを超えると、逆に難くなり、三次元曲面
などの被着体に対する追従性が低下し、また場合によっ
ては透明性が低下し、好ましくない。
【0038】請求項3に記載の発明では、オレフィン系
樹脂シート基材は、上記第1,第2のオレフィン系樹脂
シートを積層することにより構成されているが、この場
合、全体の厚みは、上記と同様の理由により、20〜1
50μmの範囲が望ましく、より好ましくは、40〜1
00μmである。
【0039】また、請求項3に記載の発明における第
1,第2のオレフィン系樹脂シートの厚みについては、
特に限定されず、積層の態様、材料の種類、及び用途に
応じて適宜定めればよい。
【0040】請求項5に記載の発明では、オレフィン系
樹脂基材シートとして、プロピレン系樹脂を主成分と
し、JIS K 7105に準拠した全光線透過率85
%以上であり、かつ曇価が5%以下のものが用いられ
る。請求項5に記載の発明に係る粘着シートは、例え
ば、電飾看板における装飾用粘着シートとして用いられ
るものであり、従って、ある程度の透明性を有すること
が必要である。そこで、上記全光線透過率が85%以上
であり、かつ曇価が5%以下とされている。全光線透過
率が85%未満の場合には、着色塗膜層を積層したとし
ても、透過光の色合いが黒くなり、装飾効果が低下し、
曇価が5%を超えると着色塗膜層を通した透過光の色鮮
明性が悪くなる。
【0041】請求項5に記載の発明では、オレフィン系
樹脂基材シートが上記のような特性を有することが必要
であるため、透明性に優れたプロピレン系樹脂を主成分
とするものが用いられる。ここで、プロピレン系樹脂と
しては、特に限定されるわけではなく、プロピレンを主
な構成単位とする重合体を広く含むものとし、ポリプロ
ピレンまたはポリプロピレンとポリエチレンとの混合物
などを用いることができる。中でも、架橋された着色塗
膜層を積層するため、耐熱性に優れたプロピレン系樹脂
を用いることが望ましい。
【0042】請求項5に記載の発明に係る粘着シートに
おけるオレフィン系樹脂基材シートの厚みについては、
好ましくは、20〜150μm、より好ましくは40〜
100μmの範囲とされる。厚みが20μm未満の場合
には、フィルム自体が柔らかくなりすぎ、施工が困難と
なったり、強度不足となったりする。150μmを超え
ると、難くなり、三次元曲面を有する被着体への追従性
が低下し、透明性も低下する。
【0043】上記オレフィン系樹脂基材シートには、耐
候性を高めるためにヒンダードアミン系化合物が配合さ
れてもよい。上記ヒンダードアミン系化合物としては、
特に限定されるわけではないが、以下の化合物1)〜1
1)を例示することができる。
【0044】1)2,2,4,4−テトラメチルピペリ
ジル−4−ベンゾエート 2)ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)セバケート 3)トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)ホスファイト 4)1,3,8−トリアザ−7,7,9,9−テトラメ
チル−3−n−オクチルスピロ〔4,5〕デカン−2,
4−ジオン 5)1,2,3,4−テトラ(4−カルボニルオキシ
2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−ブタン 6)1,3,8−トリアザ−7,7,9,9−テトラメ
チル−2,4−ジオキソースピロ〔4,5〕デカン 7)トリ(4−アセトシキ−2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジル)アミン 8)4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン 9)4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン 10)4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジン 11)4−フェニルカルバモイルオキシ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン 上記オレフィン系樹脂素材シートの製造に際しては、オ
レフィン系樹脂に加えて、上述したビニル芳香族系ポリ
マーなどの各種成分を混合し、Tダイ法あるいはインフ
レーション成形などの適宜の成形方法を用いることがで
きる。
【0045】また、請求項3に記載の発明のように、第
1,第2のオレフィン系樹脂シートを積層してオレフィ
ン系樹脂基材シートを構成する場合,、第1のオレフィ
ン系樹脂シートを構成する材料と、第2のオレフィン系
樹脂シートを構成する材料とを共押し出しすることによ
り、オレフィン系樹脂基材シートを得ることができる。
【0046】さらに、オレフィン系樹脂基材シートに
は、シート成形性やシート物性などを損なわない範囲に
おいて他の添加物が添加されていてもよく、上記添加物
としては、例えば紫外線吸収剤及び熱安定剤などが挙げ
られる。
【0047】上記紫外線吸収剤としては、例えば、サリ
チル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾ
ール系、シアノアクリレート系などの紫外線吸収剤が挙
げられる。
【0048】上記熱安定剤としては、例えば、金属石鹸
系熱安定剤、有機スズ系熱安定剤、鉛系熱安定剤、アン
チモン系熱安定剤、非金属熱安定剤などを挙げることが
できる。
【0049】(着色塗膜層)本発明に係る粘着シートで
は、オレフィン系樹脂基材シートの一面に架橋された着
色塗膜層が積層されて、該着色塗膜層により所望とする
色の装飾効果が発揮される。上記着色塗膜層は、アクリ
ル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂及びフ
ッ素系樹脂からなる群より選ばれる1種以上の樹脂成分
と顔料とを含むように構成される。
【0050】上記樹脂成分と顔料との配合割合について
は、請求項2,4に記載の発明のように、白色のオレフ
ィン系樹脂シート基材を用いる場合には、樹脂成分10
0重量部に対して、顔料は5〜80重量部の範囲で配合
される。5重量部未満の場合には、目標とする色相が得
られないことがあり、80重量部より多いと、樹脂成分
と顔料とを含む組成物の塗工性が低下し、該表面の性状
が荒れ、原料単価が高いため、コストが高くつくことに
なる。
【0051】また、請求項5に記載の発明のように、電
飾看板用に適した透明のオレフィン系樹脂基材シートを
用いる場合には、架橋された着色塗膜層において、樹脂
成分100重量部に対し、顔料は、0.5〜20重量部
の割合で配合することが望ましい。顔料の配合割合が
0.5重量部未満では、目標とする色相が得られない。
20重量部を超えると、着色塗膜層による隠蔽性が高く
なりすぎ、例えば電飾看板に用いた場合に透過光による
装飾効果を十分に発現しなくなる。
【0052】なお、着色塗膜層に用いられる顔料につい
ては、特に限定されるわけではないが、一般的に用いら
れている耐候性に優れた前述の有機顔料を好適に用いる
ことができる。
【0053】上記樹脂成分は、アクリル系樹脂、ウレタ
ン系樹脂、ポリエステル系樹脂及びフッ素系樹脂からな
る群より選ばれる1種以上の樹脂であり、これらは柔軟
な皮膜を形成することができる点で好適である。具体的
には、水酸基、グリシジル基、アミノ基などの架橋基点
を分子内に複数個有するアクリル系ポリマー、ウレタン
系ポリマー、ポリエステル系ポリマー及びフッ素系ポリ
マーを主鎖ポリマーとし、これらを各架橋基点が反応可
能な官能基を分子内に複数個有する架橋剤によって架橋
させ、3次元架橋構造を形成することにより必要な機能
を付与したものである。
【0054】更に耐候性や強度等を付与するために、必
要に応じて、各種ポリオール類、メラミン、シラノール
や水酸基構造、脂環式エポキシ化合物やグリシジル(メ
タ)アクリレートを内部に配置し、架橋成分としてイソ
シアネートやメラミン、シラン等により3次元架橋構造
を形成させて、機能付与することができる。また、主鎖
自身を要求品質に応じて、酸変性、シリコーン変性、フ
ッ化変性、フッ化ビニリデン等の配合することにより、
接着性や耐候性の機能付与も可能である。
【0055】上記フッ素系樹脂としては、例えば、フッ
化ビニリデン系ポリマー、フルオロエチレン系ポリマ
ー、フルオロエチレンビニルエーテル系ポリマーの他、
主鎖がアクリル系のポリマーにフッ化アルキルをグラフ
トさせたもののような他のポリマーにフッ素系ポリマー
をグラフトしたものなどが使用できる。架橋剤として
は、イソシアネート、メラミン、メチロール類が挙げら
れるが、光による黄変等の問題を抑制する目的で脂肪族
系イソシアネートが好適に使用される。
【0056】以下にアクリル系樹脂について詳細に述べ
る。上記アクリル系樹脂とは、分子内に多数の水酸基を
有するアクリルポリオールをポリイソシアネート化合物
で網目状に架橋させて得られるものであり、通常、アク
リルポリオールを含有する溶液と、ポリイソシアネート
化合物を含有する溶液とを混合し、ポットライフの制限
内で使用され、硬化後にアクリル系樹脂となるものであ
る。
【0057】より具体的には、上記着色塗膜層を形成す
る場合、アクリルポリオール、顔料及び有機溶剤からな
る主剤塗料溶液に、上記アクリルポリオールを網目状に
架橋可能な上記ポリイソシアネート化合物及び有機溶剤
からなる硬化剤溶液を添加し、十分に混合した後、塗布
乾燥することにより着色塗膜層を形成することができ
る。
【0058】上記アクリルポリオールは、アクリル系ポ
リマーからなる主鎖に多数の水酸基が側鎖として結合し
たものであり、着色塗膜層の柔軟性を向上させる。上記
顔料は、上記オレフィン系樹脂基材シートの製造で含有
される場合と違い、特に耐熱性は必要とせず、具体的に
は前述の顔料が全て挙げられる。
【0059】上記有機溶剤は、アクリルポリオール、顔
料及びポリイソシアネート化合物などの構成成分を均一
に混合し易くすると同時に、粘度調整により塗膜層の厚
みを調整するために用いられているが、ポリイソシアネ
ート化合物のイソシアネート基と反応可能な活性水素を
有する有機溶剤は原則して用いることはできない。
【0060】使用可能な有機溶剤としては、例えば、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケト
ン、メチルアミルケトン、テトラヒドロフラン、シクロ
ヘキサノンなどを挙げることができるが、これらに限定
されるものではない。
【0061】上記構成成分を均一に混合した後における
有機溶剤の添加量が少ないと、塗料溶液の粘度が高くな
り、スジが発生することがあり、多過ぎると十分に乾燥
できないことがあるため、アクリルポリオール及びポリ
イソシアネート化合物の合計100重量部に対し、有機
溶剤添加量は20〜100重量部が好ましく、より好ま
しくは、30〜70重量部である。
【0062】上記ポリイソシアネート化合物としては、
例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフ
タレンジイソシアネート(NDI)、トリジンジイソシ
ーネート(TODI)、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPD
I)、p−フェニレンジイソシアネート、トランスシク
ロヘキサン1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート(XDI)、水添キシリレンジイソシアネ
ート、リジンジイソシアネート(LDI)、テトラメチ
ルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、トリフェ
ニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネー
トフェニル)チオホスフェート、リジンエステルトリイ
ソシアネート、ウンデカントリイソシアネートなどのポ
リイソシアネート類、並びにこれらのトリメチロールプ
ロパンのアダクト型、ビュレット型、イソシアヌレート
型などを挙げることができ、特に限定されるものではな
い。
【0063】上記主剤塗料溶液に硬化剤溶液を添加し、
混合する方法についても特に限定されないが、ポリイソ
シアネート化合物が空気中の水分で失活することがある
ため、機械的に高速ミキシングすることが好ましい。
【0064】上記アクリル系樹脂を主成分とする架橋さ
れた着色塗膜層にはその物性を低下させない範囲で他の
添加物が添加されてもよく、そのような添加物として
は、紫外線吸収剤や光安定剤などを挙げることができ
る。
【0065】上記オレフィン系樹脂基材シートに架橋さ
れた着色塗膜層を積層する方法についても特に限定され
ず、各種塗工方法を用いることができる。例えば、バー
コーター、リバースコーター、スプレーガンコーター、
ナイフコーター、ロータリースクリーン、スクリーン印
刷、グラビアコーター、キスコーターなどを挙げること
ができる。
【0066】上記オレフィン系樹脂基材シートと架橋さ
れた着色塗膜層とのアンカー性を高めるために、オレフ
ィン系樹脂基材シート表面に、例えばコロナ放電処理や
下塗り剤の塗布などの処理を行ってもよい。
【0067】上記着色塗膜層のガラス転移温度が低くな
ると、表面にタック感が発現し、ブロッキングが発生す
ることがあり、高くなると、塗膜層が難くなり作業性が
低下することがある。従って、ガラス転移温度は、20
〜100℃が好ましく、より好ましくは30〜70℃、
特に好ましくは40〜60℃である。
【0068】また、着色塗膜層の塗布厚みが薄くなる
と、耐候性が低下することがあり、厚くなると乾燥性が
低下し、残留溶剤により表面にタック感が発現し、ブロ
ッキングが発生することがある。従って、着色塗膜層の
塗布厚みは5〜50μmが好ましくは、より好ましくは
10〜40μm、特に好ましくは15〜35μmであ
る。
【0069】(粘着剤層)本発明においては、上記のよ
うにして得たオレフィン系樹脂基材シートの一面に粘着
剤層が積層され、粘着シートが構成されている。
【0070】ここで、粘着剤層に用いられる粘着剤につ
いては、特に限定されず、従来より慣用されているアク
リル系またはゴム系粘着剤を用いることができる。もっ
とも、装飾用粘着シートとして用いる場合には、屋外で
使用されることが多いため、耐候性に優れたアクリル系
粘着剤を用いることが望ましい。
【0071】上記アクリル系粘着剤としては、アルキル
(メタ)アクリレートの単独重合体またはアルキル(メ
タ)アクリレートと他のビニルモノマーとの共重合体を
主成分とするものが好適に用いられる。
【0072】上記アルキル(メタ)アクリレートとして
は、炭素数1〜12のアルキル基を有するアルキル(メ
タ)アクリレート、より好ましくは炭素数4〜12のア
ルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが用い
られる。具体的には、上記アルキル(メタ)アクリレー
トとしては、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メ
タ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレー
ト、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレートなどを挙げることができる。
【0073】これらのアルキル(メタ)アクリレートは
単独で用いてもよく、複数種組み合わせて用いてもよ
い。もっとも、粘着性と凝集性とのバランスを図ること
などを考慮すると、通常、ホモポリマーのガラス転移温
度(Tg)が−50℃以下であるアルキル(メタ)アク
リレートを主成分とし、これにメチル(メタ)アクリレ
ートやエチル(メタ)アクリレートなどのアルキル基の
炭素数の小さいアルキル(メタ)アクリレートを併用す
ることが望ましい。
【0074】また、上述したアルキル(メタ)アクリレ
ート以外に、これらと共重合可能なビニルモノマーが共
重合されていてもよい。このような共重合されるビニル
モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、
フマル酸またはイタコン酸などのカルボキシル基含有ビ
ニルモノマーまたはその無水物;2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレー
ト、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート、カプ
ロラクトン変成(メタ)アクリレートなどの水酸基含有
ビニルモノマーなどを挙げることができる。
【0075】上記アクリル系粘着剤を用いて粘着剤層を
構成する場合、上述したアクリル系共重合体を主成分に
し、さらに公知の粘着付与樹脂などを含有させてもよ
い。また、上記アクリル系粘着剤は、溶媒中で重合され
た溶剤型アクリル系粘着剤であってもよく、水中で重合
してなるエマルジョン型アクリル系粘着剤であってもよ
い。さらに、モノマー混合物に紫外線照射することによ
り得られる塊状重合型の粘着剤であってもよい。
【0076】本発明に係る粘着シートにおいて、上記粘
着剤層はオレフィン系樹脂基材シートの一面に積層され
るが、この場合、粘着剤層の積層方法については特に限
定されない。すなわち、粘着剤を離型紙などの剥離材の
表面に定量的な塗工方法により塗布し、加熱乾燥した
後、オレフィン系樹脂基材シートの一面に積層する方
法、あるいはオレフィン系樹脂基材シートの一面に粘着
剤を直接塗工する方法などを採用することができる。
【0077】粘着剤層の厚みについては、特に限定され
るわけではないが、装飾用粘着シートとして用い、被着
体に対する接着強度や曲面に対する追従性等を考慮する
と、10〜50μm程度の範囲とすることが望ましい。
【0078】なお、本発明に係る粘着シートは、上記の
ように、オレフィン系樹脂基材シートの一面に粘着剤層
を積層した構成を有するが、製品化する場合、通常、粘
着剤層を保護するために、剥離材により粘着剤層が被覆
される。このような剥離材としては、特に限定されるわ
けではないが、例えばシリコーン処理された剥離紙など
を用いることができる。
【0079】上記で得られた粘着シートは、装飾すべき
被着体全体に貼付されてもよいし、また、コンピュータ
ー制御されたカッティングマシーンにより所望の図形や
文字にカットされた後、不要部分をカス取りされ、アプ
リケーション粘着テープを用いて被着体に転着されても
よい。
【0080】(作用)請求項1に記載の発明に係る粘着
シートでは、オレフィン系樹脂100重量部に対し、ビ
ニル芳香族系エラストマーが3〜90重量部配合されて
いるオレフィン系樹脂基材シートを用いているため、該
ビニル芳香族系エラストマーの含有によりオレフィン系
樹脂基材シートが十分な柔軟性を有する。従って、粘着
シートの三次元的な曲面に対する追従性が高められる。
【0081】また、塩化ビニル系樹脂フィルムを用いた
場合とは異なり、簡便な設備で焼却することができ、環
境負担を低減することができる。さらに、上記オレフィ
ン系樹脂基材シートの一面に特定の樹脂成分及び顔料を
含む架橋された着色塗膜層が積層されているので、着色
塗膜層により様々な装飾効果が発揮される。この場合、
着色塗膜層を変更することにより様々な装飾効果を発揮
させ得る。
【0082】請求項2に記載の発明に係る粘着シートで
は、上記オレフィン系樹脂基材シートにおいて、オレフ
ィン系樹脂100重量部に対し、さらに酸化チタンが1
0〜200重量部配合されて白色シートとされており、
架橋された着色塗膜層が樹脂成分100重量部及び顔料
5〜80重量部を含むので、被着体の色を効果的に隠蔽
することができると共に、架橋された着色塗膜層の彩度
を向上させることができ、該架橋された着色塗膜層によ
る装飾効果を効果的に発揮させ得る。
【0083】請求項3に記載の発明に係る粘着シートで
は、相対的に柔軟性の高い第1のオレフィン系樹脂シー
トの少なくとも一面に、オレフィン樹脂からなる相対的
に柔軟性の低い第2のオレフィン系樹脂シートが積層さ
れてオレフィン系樹脂基材シートが構成されている。こ
こでは、第1のオレフィン系樹脂シートにおいて、オレ
フィン系樹脂に対してビニル芳香族系エラストマーが上
記特定の割合で配合されているので、全体として、十分
な柔軟性を有し、従って、粘着シートの三次元的な曲面
を有する被着体に対する追従性が高められる。
【0084】請求項4に記載の発明に係る粘着シートで
は、第1,第2のオレフィン系樹脂シートの少なくとも
一方が、オレフィン系樹脂100重量部に対し、酸化チ
タン10〜300重量部配合されて白色の樹脂シートと
されているので、被着体を効果的に隠蔽することができ
ると共に、着色塗膜層の彩度を高めることができる。ま
た、着色塗膜層が、樹脂成分100重量部に対し顔料5
〜80重量部を配合した構成とされているので、良好な
装飾効果を発揮する。
【0085】請求項5に記載の発明では、オレフィン系
樹脂基材シートがプロピレン系樹脂を主成分とするの
で、耐熱性に優れており、電飾看板用粘着シートを構成
した場合、熱による劣化が少ない。また、オレフィン系
樹脂基材シートが、JIS K7105に準拠した全光
線透過率が85%以上であり、かつ曇価が5%以下とさ
れているので、光透過性に優れており、例えば電飾看板
用粘着シートに用いた場合、樹脂成分100重量部に対
し顔料0.5〜20重量部を配合してなる架橋された着
色塗膜層による装飾効果が良好に発揮される。
【0086】請求項6に記載の発明では、ビニル芳香族
系エラストマーとして、スチレン−ブタジエンブロック
共重合体もしくはスチレン−イソプレンブロック共重合
体またはこれらの水素添加物を用いるので、オレフィン
系樹脂基材シートの柔軟性が十分に高められて、粘着シ
ートの三次元曲面に対する追従性が高められると共に、
連続生産時のフィッシュアイの発生を抑制することがで
きる。
【0087】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づきより
詳細に説明する。もっとも、本発明は、以下の実施例に
限定されるものではない。
【0088】(使用材料)以下の実施例及び比較例にお
いては、下記のオレフィン系樹脂,、エラストマー
〜を用いた。
【0089】オレフィン系樹脂…日本ポリケム社製低
密度ポリエチレン、品番:UF840、MFR1.5g
/10分 オレフィン系樹脂…日本ポリオレフィン社製ポリプロ
ピレン、品番:FA465、MFR7.0g/10分 エラストマー…ビニル芳香族系エラストマーであるス
チレン−イソプレンブロック共重合体(クラレ社製、商
品名:ハイブラー、品番:VS−1) エラストマー…ビニル芳香族系エラストマーである水
添スチレン−イソプレンブロック共重合体(クラレ社
製、商品名:セプトン、品番:2007) エラストマー…ビニル芳香族系エラストマーであるス
チレン−ブタジエンブロック共重合体(旭化成社製、商
品名:タフプレン、品番:125) エラストマー…ビニル芳香族エラストマーである水添
スチレン−ブタジエンランダム共重合体(日本合成ゴム
社製、品番:1320P) (実施例1)下記の表1に示したように、オレフィン系
樹脂(日本ポリケム社製、品番:UF840)100
重量部と、ビニル芳香族系エラストマー(クラレ社
製、品番:VS−1)10重量部と、酸化チタン(石原
産業社製、品番:CR−60)13重量部とを配合して
なる組成物を、Tダイ法により厚さ50μmとなるよう
に製膜し、インラインにて両面にコロナ放電処理(42
dyne/cm)を施した。
【0090】得られたオレフィン系樹脂基材シートの一
方面にアクリルポリオール及び有機溶媒剤からなる塗料
(大日本塗料社製、商品名:プラニットU#700)1
00重量部と、硬化剤(日本ポリウレタン社製、商品
名:コロネート2094)6.5重量部と、複合顔料
(シアニンブルー、キナクリドンレッド、ポリアゾイエ
ロー及びシアニングリーンを含む)10重量部からなる
塗料をスプレーガンコーターにて塗布し、乾燥後の厚み
が20μmの架橋された着色塗膜層を形成した。
【0091】他方、2液架橋型アクリル系粘着剤(東洋
インキ社製、BPS5520)をコンマコーターを用い
て乾燥後の厚みが40μmとなるように、表面がシリコ
ン処理された剥離紙に塗工した。この剥離紙に塗工され
ている粘着剤層を上記のようにして得たオレフィン系樹
脂基材シートの着色塗膜層が形成されている側とは反対
側の面にラミネートし、実施例1の粘着シートを得た。
【0092】(実施例2〜23)用いたオレフィン系樹
脂、ビニル芳香族系エラストマー、及び着色塗膜層にお
ける顔料含有割合を下記の表1,表2に示したように変
更したこと、並びに表2の実施例12〜23では酸化チ
タンを用いなかったことを除いては、実施例1と同様に
して粘着シートを得た。なお、表2において、実施例1
2〜23については、上記のようにして得たオレフィン
系樹脂基材シートの全光線透過率及びヘイズ値を併せて
示した。
【0093】(比較例1〜7)オレフィン系樹脂及びビ
ニル芳香族系エラストマーを下記の表1,表2に示した
ように配合したこと、着色塗膜層における顔料含有割合
を下記の表1,表2に示したように変更したこと、並び
に表2における比較例5〜7では酸化チタンを用いなか
ったことを除いては、実施例1と同様にして粘着シート
を得た。なお、比較例5〜7は、実施例12〜23に対
応するものであり、従って、オレフィン系樹脂基材シー
トの全光線透過率及びヘイズ値も併せて示した。
【0094】(比較例8〜11)下記の表3に示したよ
うに、塩化ビニル樹脂、可塑剤、安定剤、白色顔料及び
溶剤を配合し、オルガノゾルを作製した。得られたオル
ガノゾルを、アルキッド樹脂コーティング工程紙上にコ
ンマコーターにて塗布し、180℃の温度で7分間乾燥
し、厚み60μmの塩化ビニル系樹脂基材シートを得
た。得られた塩化ビニル系樹脂基材シートの一面に、実
施例1と同様にして、着色塗膜層を形成し、他面に粘着
剤層及び剥離紙を積層した。なお、比較例10,11に
おいては、着色塗膜層は、実施例12と同様に形成し
た。
【0095】
【表1】
【0096】
【表2】
【0097】
【表3】
【0098】(実施例24)下記の表4に示したよう
に、オレフィン系樹脂(日本ポリケム社製、品番:U
F840)100重量部と、ビニル芳香族系エラストマ
ー(クラレ社製、品番:VS−1)30重量部と、酸
化チタン(石原産業社製、品番:CR−60)60重量
部とを配合してなる組成物を中間層用組成物として、ま
たその両層にオレフィン系樹脂(日本ポリオレフィン
社製、品番:FA465)のみを外層用組成物として用
い、多層押出Tダイ機にて、中間層の厚みが34μm、
両面に設けられた外層の厚みが、それぞれ、8μmであ
る、全厚みが50μmのオレフィン系樹脂基材シートを
得た。
【0099】上記の様にして得たオレフィン系樹脂基材
シートを用いたことを除いては、実施例1と同様にして
着色塗膜層、粘着剤層及び剥離紙を積層し、粘着シート
とした。
【0100】(実施例25〜33)積層型のオレフィン
系樹脂基材シートを構成する中間層及び外層を構成する
オレフィン系樹脂、ビニル芳香族系エラストマーの種類
及び配合量、並びに酸化チタン配合割合を下記の表4に
示したように変更したこと、着色塗膜層に含有される複
合顔料の含有割合を下記の表4に示したように変更した
ことを除いては、実施例24と同様にして粘着シートを
得た。なお、表4において、中間層用オレフィン系樹脂
が2種類のものは、これらのオレフィン系樹脂を混合し
たことを意味する。
【0101】(比較例13〜17)用いたオレフィン系
樹脂、ビニル芳香族系エラストマー、並びにこれらの配
合割合と、酸化チタンの含有割合を下記の表4に示した
ように変更したこと、さらに、着色塗膜層における顔料
含有割合を下記の表4に示したように変更したことを除
いては、実施例24と同様にして粘着シートを得た。
【0102】
【表4】
【0103】(実施例34)得られたオレフィン系樹脂
基材シートの一方面に、ポリエステルポリオール及び有
機溶剤からなる塗料(大日本塗料社製、商品名:プラニ
ットU#500)100重量部と、硬化剤(日本ポリウ
レタン社製、商品名:コロネート2094)6.5重量
部と、複合顔料(シアニンブルー、キナクリドンレッ
ド、ポリアゾイエロー及びシアニングリーンを含む)5
0重量部からなる塗料をスプレーガンコーターにて塗布
し、乾燥後の厚みが20μmの架橋された着色塗膜層を
形成したこと以外は実施例1と同様にして粘着シートを
得た。尚、表中ではベース樹脂をポリエステル系樹脂と
いう。
【0104】(実施例35)得られたオレフィン系樹脂
基材シートの一方面に、フッ素系樹脂塗料(日本ペイン
ト社製、商品名:デュフロンプーレクリアー)と、複合
顔料(シアニンブルー、キナクリドンレッド、ポリアゾ
イエロー及びシアニングリーンを含む)50重量部から
なる塗料をスプレーガンコーターにて塗布し、乾燥後の
厚みが20μmの架橋された着色塗膜層を形成したこと
以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。尚、表
中ではベース樹脂をフッ素系樹脂という。
【0105】(比較例18)得られたオレフィン系樹脂
基材シートの一方面に、未架橋のアクリル系樹脂塗料
(藤倉化成社製、商品名:レザリックTC)100重量
部と、複合顔料(シアニンブルー、キナクリドンレッ
ド、ポリアゾイエロー及びシアニングリーンを含む)5
0重量部からなる塗料をスプレーガンコーターにて塗布
し、乾燥後の厚みが20μmの未架橋の着色塗膜層を形
成したこと以外は実施例1と同様にして粘着シートを得
た。尚、表中ではベース樹脂を未架橋型アクリル系樹脂
という。
【0106】
【表5】
【0107】(評価)上記のようにして得た実施例及び
比較例の粘着シートについて、マーキングフィルムとし
て用いた場合の曲面施工性、フィルム取り扱い性、
フィルム成形性、下地隠蔽性、塗膜成形性、透
過光装飾性、焼却性、引裂性、耐候性等を以下の
要領で評価した。結果を下記の表6〜9に示した。
【0108】曲面施工性…図1に断面図で示したコル
ゲート板1の上面に、各粘着シートを、コルゲード板1
の頂点部1aにまず接着させ、次に谷部に接着するよう
に専用の施工工具ベラにて粘着シートを押し込み、接着
した。23℃の温度で3日間放置した後、粘着シートの
浮きの状態を目視により5段階評価した。評価基準は以
下の通りである。
【0109】5点…適度な柔軟性を持ち、曲面の被着体
に対する施工において問題がなかった。 4点…適度な柔軟性を持っているが、若干の柔らかさも
しくは硬さに違和感を感じるが、曲面被着体に対する施
工については何ら問題はなかった。 3点…柔軟性が十分でないためか、曲面被着体への施工
は若干困難であった。 2点…柔軟性が十分でないため、曲面被着体に対する施
工が著しく困難であった。 1点…柔軟性が不十分であるため、曲面被着体に対する
施工ができなかった。
【0110】フィルム取り扱い性…粘着シートを剥離
紙から剥離した後の粘着シート単体の取り扱い性を5段
階評価した。評価基準は以下の通りである。
【0111】5点…粘着シートが適度な柔軟性を有し、
取り扱い性に問題はなかった。 4点…粘着シートの柔軟性に若干の違和感を感じるが、
何ら問題はなかった。 3点…基材シートが柔らかすぎるため、取り扱い難かっ
た。基材シートの折れ曲がりによる自着現象が発生する
ことがあった。 2点…基材シートが柔らかすぎるため、取り扱いに細心
の注意が必要であった。基材シートの折り曲がりによる
自着現象が頻発した。 1点…基材シートが柔らかすぎるため、取り扱いが実質
的に不可能であった。
【0112】フィルム成形性…オレフィン系樹脂基材
シートを成形する際のTダイ成形機における成形性を評
価した。評価記号の意味内容は以下の通りである。 ○…樹脂フィルムを問題なく成形可能であった。 △…樹脂の剛性が高いため、厚みムラ(片肉)が発生し
た。 ×…樹脂の剛性が高過ぎ、Tダイから押し出すことがで
きなかった。
【0113】下地隠蔽性…粘着シートを被着体に貼付
した場合(被着体)の色の隠蔽度合いを評価した。評価
記号は以下の通りである。
【0114】 ○…粘着シートを貼付した場合に下地の色を全く拾わな
かった。 △…粘着シートを貼付した際に下地の色が若干認められ
た。 ×…粘着シートを貼付した際に下地の色がかなり認めら
れ、装飾性が著しく低下していた。
【0115】塗膜成形性…オレフィン系樹脂基材シー
トに着色塗膜層をスプレーガンによりコーティングする
際のコーティング性及びコーティング後の外観を評価し
た。評価記号の意味は以下の通りである。
【0116】 ○…コーティング性に問題はなく、コーティング後の外
観も良好であった。 △…コーティングムラが若干発生し、コーティング後の
外観も荒れていた。 ×…コーティング時にスプレーガンが目詰まりし、着色
塗膜層を成形することができなかった。
【0117】透過光装飾性…粘着シートに光を照射し
その透過光による色の鮮明性などを評価した。評価記号
の内容は以下の通りである。 ○…色が鮮明であり、光に曇りがなかった。 △…色の鮮明性がやや劣り、曇りがちであった。 ×…色の鮮明性がなく、透過光が黒っぽく濁っていた。
【0118】焼却性…粘着シートをそれぞれ5cm×
5cmの大きさに切断してサンプルとした。このサンプ
ルを密閉容器中にて燃焼し、発生したガスをシリンジに
採取し、ガスクロマトグラフィーにより、塩化水素及び
塩素ガスの有無を測定した。評価記号の意味内容は以下
の通りである。
【0119】 ○…塩化水素や塩素が検出されなかった。 ×…塩化水素または塩素が検出された。
【0120】引裂性…JIS K 7128のエルメ
ンドルフ法に準拠して、但しシート厚みを60μmに換
算し、粘着シートの引裂性を評価した。200〜400
gf/16枚が最適数値である。
【0121】耐候性…サンシャインウエザーメーター
にて2000時間照射後の着色塗膜層の外観変化を目視
で測定した。評価記号の意味内容は以下の通りである。 ◎…外観変化はほとんど見られなかった。 ○…若干褪色、光沢低下が見られた。 ×…色、光沢に大きな変化が見られた。
【0122】
【表6】
【0123】
【表7】
【0124】
【表8】
【0125】
【表9】
【0126】
【発明の効果】請求項1に記載の発明に係る粘着シート
では、オレフィン系樹脂にビニル芳香族系エラストマー
が上記特定の割合で配合されているオレフィン系樹脂基
材シートを用いているため、粘着シートの三次元曲面を
有する被着体に対する追従性が高められ、従って様々な
形状の被着体に容易に適用することができるので、種々
の用途に適した、例えば装飾用粘着シートを構成するこ
とができる。また、オレフィン系樹脂基材シートの一面
にアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹
脂及びフッ素系樹脂からなる群より選ばれる1種以上の
樹脂及び顔料を含む架橋された着色塗膜層が積層されて
装飾効果が発揮されるので、着色塗膜層を適宜変更する
ことにより装飾効果が異なる粘着シートを容易に提供す
ることができ、装飾用粘着シートの少量多品種化に対応
することができる。
【0127】さらに、オレフィン系樹脂基材シートは、
塩化ビニル樹脂系基材に比べて、簡便な焼却設備で焼却
し得るので、環境負担を低減することができる。請求項
2に記載の発明に係る粘着シートでは、オレフィン系樹
脂基材シートにおいて、酸化チタンが上記特定の割合で
さらに含有されて白色シートとされているので、被着体
の色を隠蔽することができ、架橋された着色塗膜層が、
アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂
及びフッ素系樹脂からなる群より選ばれる1種以上の樹
脂に対し顔料を上記特定の割合で配合した構成を有する
ため、彩度に優れた良好な装飾効果を発揮させることが
できる。
【0128】請求項3に記載の発明では、柔軟性の高い
第1のオレフィン系樹脂シートの少なくとも一面に柔軟
性の低い第2のオレフィン系樹脂シートが積層されてオ
レフィン系樹脂基材シートが構成されており、第1のオ
レフィン系樹脂シートにおいて上記ビニル芳香族系エラ
ストマーが上記特定の割合で配合されているので、三次
元曲面を有する被着体に対する追従性が高められる。従
って、請求項1に記載の発明と同様に、様々な形状の被
着体に容易に貼付することができる。また、オレフィン
系樹脂を主体とするため、簡便な焼却設備で焼却するこ
とができ、環境負担を低減することができる。
【0129】さらに、着色塗膜層により、様々な装飾効
果を発揮することができると共に、着色塗膜層を変更す
るだけで、容易に異なる装飾作用を発揮し得る粘着シー
トを提供することができる。
【0130】請求項4に記載の発明にでは、請求項3に
記載の発明に係る粘着シートにおいて、第1,第2のオ
レフィン系樹脂シートの少なくとも一方が、酸化チタン
を上記特定の割合で含有しており白色のオレフィン系樹
脂シートとされているので、被着体を効果的に隠蔽する
ことができ、架橋された着色塗膜層がアクリル系樹脂、
ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂及びフッ素系樹脂
からなる群より選ばれる1種以上の樹脂に対し顔料を上
記特定の割合で含むため、彩度に優れた良好な装飾効果
を発揮する。
【0131】請求項5に記載の発明では、オレフィン系
樹脂基材シートの全光線透過率及び曇価が上記特定の範
囲とされているので、透明性に優れ、架橋された着色塗
膜層が、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂及びフッ素系樹脂からなる群より選ばれる1種
以上の樹脂に対し顔料を上記特定の割合で配合した構成
を有するため、例えば電飾看板の装飾用粘着シートとし
て用いた場合、透過光による優れた装飾作用を発揮す
る。また、オレフィン系樹脂基材シートがプロピレン系
樹脂を主成分とするので、耐熱性に優れており、電飾看
板に用いた場合、熱による劣化が生じ難い装飾用粘着シ
ートを提供することができる。
【0132】請求項6に記載の発明では、ビニル芳香族
系エラストマーが、スチレン−ブタジエンブロック共重
合体もしくはスチレン−イソプレンブロック共重合体ま
たはこれらの水素添加物により構成されているので、オ
レフィン系樹脂基材シートの柔軟性が効果的に高められ
て、三次元曲面を有する被着体に対する適用がより一層
容易となる。
【0133】また、着色塗膜層が架橋されているため
に、耐候性も良好なものとなっており、特に樹脂成分と
してフッ素系樹脂を使用することにより更に耐候性が向
上したものにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例の粘着シートの評価に際し、
被着体として用意したコルゲート板の断面を示す断面
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA21A AK03A AK07A AK12A AK12J AK17B AK25B AK25C AK28A AK28J AK41B AK51B AK73A AL02A AL05A AL06A AL09A AR00C BA03 BA07 BA10B BA10C CA13B CC00B DG10C EH17 EH46 EJ05B EJ55 GB90 HB00B JB12C JK13A JK17A JL10B JL13C JL16 JN02A JN30A YY00A 4J002 BB031 BB051 BB061 BB071 BB151 BP012 DE136 FD096 GJ00 4J004 AA05 AA10 AB01 CA04 CC02 CC03 CC05 CD05 CD06 DA04 DB02 FA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィン系樹脂100重量部及びビニ
    ル芳香族系エラストマー3〜90重量部からなるオレフ
    ィン系樹脂基材シートの一面に、アクリル系樹脂、ウレ
    タン系樹脂、ポリエステル系樹脂及びフッ素系樹脂から
    なる群より選ばれる1種以上の樹脂成分及び顔料を含む
    架橋された着色塗膜層が積層されており、他面に粘着剤
    層が積層されていることを特徴とする粘着シート。
  2. 【請求項2】 オレフィン系樹脂基材シートがオレフィ
    ン系樹脂100重量部、ビニル芳香族系エラストマー3
    〜90重量部及び酸化チタン10〜200重量部を含む
    白色シートであり、架橋された着色塗膜層がアクリル系
    樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂及びフッ素
    系樹脂からなる群より選ばれる1種以上の樹脂成分10
    0重量部及び顔料5〜80重量部を含むことを特徴とす
    る請求項1に記載の粘着シート。
  3. 【請求項3】 オレフィン系樹脂100重量部及びビニ
    ル芳香族系エラストマー3〜200重量部からなり、相
    対的に柔軟性の高い第1のオレフィン系樹脂シートの少
    なくとも一面に、オレフィン系樹脂からなる相対的に柔
    軟性の低い第2のオレフィン系樹脂シートが積層されて
    いるオレフィン系樹脂基材シートの一面にアクリル系樹
    脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂及びフッ素系
    樹脂からなる群より選ばれる1種以上の樹脂成分及び顔
    料を含む架橋された着色塗膜層が、他面に粘着剤層が積
    層されていることを特徴とする粘着シート。
  4. 【請求項4】 第1のオレフィン系樹脂シート及び第2
    のオレフィン系樹脂シートの少なくとも一方が、オレフ
    ィン系樹脂100重量部に対し、酸化チタン10〜30
    0重量部が配合されている白色のオレフィン系樹脂シー
    トであり、架橋された着色塗膜層がアクリル系樹脂、ウ
    レタン系樹脂、ポリエステル系樹脂及びフッ素系樹脂か
    らなる群より選ばれる1種以上の樹脂成分100重量部
    及び顔料5〜80重量部含むことを特徴とする、請求項
    3に記載の粘着シート。
  5. 【請求項5】 オレフィン系樹脂基材シートが、プロピ
    レン系樹脂を主成分とし、JIS K 7105に準拠
    した全光線透過率が85%以上であり、かつ曇価が5%
    以下であり、架橋された着色塗膜層がアクリル系樹脂、
    ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂及びフッ素系樹脂
    からなる群より選ばれる1種以上の樹脂成分100重量
    部及び顔料0.5〜20重量部からなることを特徴とす
    る請求項1または3に記載の粘着シート。
  6. 【請求項6】 ビニル芳香族系エラストマーが、スチレ
    ン−ブタジエンブロック共重合体もしくはスチレン−イ
    ソプレンブロック共重合体、またはこれらの水素添加物
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    の粘着シート。
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