以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る文書履歴管理装置を有する文書履歴管理システムの全体構成を示すブロック図である。
図1において、本文書履歴管理システムは、テキストファイルやHTML(HyperText Markup Language)ファイル等の文書ファイルの作成、更新、印刷等を管理する文書履歴管理装置であるコンピュータ100と、パーソナルコンピュータ等から成る端末装置110と、それらを互いに接続するインターネットやLAN(Local Area Network)等から成る通信ネットワーク109とで構成される。
コンピュータ100は、CPU101と、RAM102と、ROM103と、ハードディスク(HD)104と、入力装置106と、表示装置107と、通信インターフェース108と、システムバス111とを備える。端末装置110は、コンピュータ100と同様に、不図示のCPUやRAM、ROM、表示装置等を備える。
CPU101は、システムバス111に接続された各装置とのアクセスを総括的に制御すると共に、後述する処理の実行に際して必要なプログラム等をROM103又はHD104からRAM102にロードし、当該プログラム等を実行することで各種動作を実現するものである。
ROM103は、不揮発性メモリ等から成り、CPU101の制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)を記憶する。RAM102は、CPU101の主メモリ、ワークエリア等として機能する。HD104は、主にオペレーティングシステム(以下、「OS」という。)や各種装置のドライバソフトウェア等を記憶する。また、HD104は、後述する処理で使用されるデータベース(DB)105を備える。
入力装置106は、キーボード及びマウス等のポインティングデバイス等で構成されるものである。表示装置107は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成されるものである。通信インターフェース108は、所定のプロトコルにより通信ネットワーク109に接続すると共に、端末装置110との通信を制御するものである。
図2は、図1におけるコンピュータ100のソフトウェア構成を示すブロック図である。
図2において、コンピュータ100は、上述したCPU101等のハードウェア構成が互いに協働して動作することにより機能するソフトウェア構成として、入力制御部1201と、表示制御部1202と、キー制御部1203と、スタイルシート解析制御部1204と、印刷制御部1205と、保存領域1206とを備える。
入力制御部1201は、後述する図17及び図18の処理を実行することにより、文書ファイルの作成や更新に必要な情報の入力をユーザから受け付けるものである。表示制御部1202は、後述する図13の処理を実行することにより、表示装置107上の表示文エリア(表示画面)への文書の表示や処理画面の表示を制御するものである。キー制御部1203は、後述する図19の処理を実行することにより、文書中の所望の文を移動させるための移動キーの制御を行うものである。
スタイルシート解析制御部1204は、各部を制御する主制御部であって、後述する図3及び図4の処理を実行することにより、タグ情報がスタイルシートとして付加されたスタイルシート付き文書ファイルを解析するものである。印刷制御部1206は、スタイルシートや表示装置107に表示された画面を印刷形態として適切なフォームで印刷管理するものである。保存領域1206は、RAM102やROM103等の内部メモリやHD104等を総括したものであり、文書ファイルが格納される。
次に、図1の文書履歴管理システム上で実行されるスタイルシート付き文書ファイルの作成、更新、表示、印刷等の各動作処理について説明する。
図3及び図4は、図1の文書履歴管理システム上で実行される基本処理を示すフローチャートである。
図3において、ステップS401では、表示制御部1202により表示装置107に後述する図5の開始画面501を表示し、ステップS402では、文書ファイルの作成や更新、検索に必要な事項を当該開始画面501から入力又は指定させる。
次に、ステップS403では、開始画面501上で文書ファイルの新規作成がユーザにより指定されたか否かを判別し、文書ファイルの新規作成が指定されていないときは、ステップS404へ進み、後述する図6の入力指定情報の取得処理を実行することにより文書ファイルを読み出し、ステップS406へ進む。
一方、ステップS403の判別の結果、文書ファイルの新規作成が指定されたときは、ステップS405に進み、後述する図7の新規文書ファイル作成処理を実行することによりスタイルシート付きの新規文書ファイルを作成してステップS406へ進む。
ステップS406では、ステップS404で取得した文書ファイルに付加されているスタイルシート又はステップS405で作成された新規文書ファイルに付加されたスタイルシートをHD104内のDB105からロード(読み出)し、図13で詳述する文書ファイルの表示処理を行う(ステップS407)。ここでは、表示制御部1202が、ステップS406でロードされたスタイルシートに基づいて表示文エリアに表示させる文書ファイルの内容を選別して表示する。
次に、図4のステップS408において、印刷指示があるか否かを判別し、印刷指示があったときは、表示文エリアに表示された文書ファイルの印刷処理を行い(ステップS409)、文編集開始のコマンド入力の受付状態に移行する(ステップS410)。文編集開始のコマンド入力は、入力装置106であるマウスの右クリックやキーボードの移動キーにより行われる。
つづいて、ステップS411では、マウス上で右クリックがなされたか否かを判別し、右クリックされたときは、文の編集がなされるものとしてステップS413へ進み、後述する図17及び図18の文編集命令の実行処理を行ってステップS415へ進む。一方、右クリックではなく、移動キーによる入力がなされたときは(ステップS412でYES)、ステップS414へ進み、後述する図19の文移動命令の実行処理を行い、ステップS410へ戻る。
ステップS415では、文編集が終了したか否かを判別し、編集が終了したときは、ステップS418で編集が終了した当該文書ファイルに対応するスタイルシートの更新処理を実行し、ステップS419でスタイルシートの書き込み終了処理を実行して本処理を終了する。
一方、ステップS415の判別の結果、文編集が終了していないときは、ステップS416で文編集の継続が終了したか否かを判別し、継続が終了したときはステップS419の処理を実行して、本処理を終了する。ステップS416で継続が終了していないときは、当該文が終了したか否かを判別し、終了したときは、ステップS420で変更された変更表示文をスタイルシートに書き込んで、ステップS410へ戻る。なお、上記ステップS408及びS409の印刷に関連する処理については、当該処理順に限られず、ステップS419の後に実行するようにしてもよい。
次に、図3及び図4における各ステップの詳細について説明する。
図5は、図3のステップS401で表示装置107に表示される開始画面の一例を示す図である。
図5において、開始画面501には、文書ファイルを指定又は入力させるための文書ファイル欄505と、当該文書ファイルに対してユーザが行おうとする作業種を指定又は入力させるための作業欄506と、当該文書ファイルの作成日を指定させるための表示日付欄507と、文書中に設定された表示条件を指定又は入力させるための条件句欄508と、文書中にコメントしたユーザを識別するコメント識別名を指定するためのコメント指定欄509と、文書中に設定されたガイド識別を指定又は入力するためのガイド指定欄510とが配置されている。
文書ファイル欄505では、表示させたい又は更新したい文書ファイル名を指定することができる。また、新規に文書ファイル(スタイルシート付き文書ファイル)を作成する場合には、作成したい文書ファイル名を入力又は指定することができる。
作業欄506には、新規文書ファイルを作成させるためのチェックボックス502、既存文書ファイルを更新させるためのチェックボックス503、文書ファイルを印刷させるためのチェックボックス504が配置され、これらを排他的に指定することが可能である。ここで、チェックボックス502がチェックされたときは、上記開始画面501内の全ての欄がブランクとなり、ユーザが所望の事項を入力(又は指定)することができる。一方、チェックボックス503が指定された場合、後述する図11のスタイルシート管理情報テーブルで管理されている情報を各欄のドロップダウンリストにより表示する。例えば、コメント指定欄509が指定されたときは、ドロップダウンリスト511を表示し、ユーザにより「山田」が指定されるとコメント指定欄509に「山田」と表示する。
条件句欄508及びガイド指定欄510は、主に文書利用者を支援するためのものである。例えば、条件句欄508に「初心者向け」が指定された場合は、当該文書中において初心者向けにのみ設定された文章を表示させることに利用される。一方、ガイド指定は、文書利用者の熟練度に応じて、文書作成するための手引を表示させることに利用される。例えば、法律文などを記載するような場合に、その種の文書に慣れている者と慣れていない者へのガイドとして利用される。なお、文書ファイル作成後に、当該文書ファイル閲覧者向けに閲覧者の権限や役割に応じてガイドを表示するようにできる。
作業欄506には、新規文書ファイルを作成させるためのチェックボックス502、既存文書ファイルを更新させるためのチェックボックス503、文書ファイルを印刷させるためのチェックボックス504が配置され、これらを排他的に指定することが可能である。
図6は、図3のステップS404の入力指定情報の取得処理の詳細を示すフローチャートである。
図6において、ステップS505では、開始画面501上の文書ファイル欄505で指定された文書ファイル名を取得してHD104に格納する。次に、ステップS506において、作業欄506で指定された作業種を取得してHD104に格納し、ステップS507において、表示日付欄507で指定された表示日付を取得してHD104に格納する。
次に、ステップS508では、条件句欄508で指定された所定の条件句を取得してHD104に格納する。ステップS509では、コメント指定欄509で指定されたコメント者(文書ファイルの作成者や閲覧者等)のコメント識別名を取得する。次に、ステップS510では、ガイド指定欄510で指定されたガイド識別を取得してHD104に格納してリターンする。
図7は、図3のステップS405の新規文書ファイル作成処理の詳細を示すフローチャートである。
図7において、ステップS601では、後述するスタイルシートの初期化を行う。次に、ステップS602において「標題文」を、ステップS603において「終了文」をユーザに入力させる。次に、ステップS604で後述する図10のスタイルシートの作成を行い、ステップS605で新規文書ファイルの格納を行ってリターンする。なお、文書ファイルの原文が存在する場合は、例えば、当該原文における読点等を文の区切りとして、プログラムにより自動的にスタイルシートに登録するようにしてもよい。
図8は、スタイルシート付き文章ファイルの全体構成の一例を示す図である。
図8において、文章ファイルの文書を構成する文章の種類(以後、「文種」という。)は、標題文、終了文、本文、及び挿入文の4種ある。文書の文本体の個々の単位文領域を占めるのが本文である。本文は、一定の時期以前に作成された文章が集まって論理的に1個の文書を形成する。本文には、作成履歴や条件句が付属し、文書構成のバリエーションを形成している。
また、本文の種類には、文章である通常文や通常文が削除された本文などの他に、本文に付属するコメント文やガイド文などがあり、これらはサブ文種として定義される。その文種及びサブ文書を識別するコードを図11及び図12に示す。
図9(a)は、図8に示す文章ファイルの更新処理開始時に指定される項目の一例を示す図であり、図9(b)は、図1の表示装置107に表示される画面の一例を示す図である。
図9(a)において、表示日付の欄に「継続(現時点の日付表示)」となっているが、これが指定された場合は、自動的に「9999年99月99日99時99分」(スタイルシート上の[D9999.99.99.99:99/x(x:自然数)])と設定される。
図10は、スタイルシートの全体構成の一例を示す図である。
図10において、スタイルシート1000は、文章ファイル毎の管理されるものであり、文書の文構成及び履歴等を定義したタグ(定義コード)を使用して文書スキーマが形成されたものである。スタイルシート1000は、文章中の文章の区切りをユーザが自由に設定することにより作成され得る。
次に、図10のスタイルシート1000の構成要素である文種や文に付属するガイド等のサブ文種の構成について説明する。
図11は、図1のDB105に格納されるスタイルシート管理情報テーブルの一例を示す図であり、図12は、スタイルシートのタグの一例を示す図である。
スタイルシート管理情報テーブル1101には、文書の参照、更新時に文書を特定する作成時期、条件や識別などが登録されており、文書を構成したり、表示したりするときの分別に利用される。例えば、条件句は、指定された場合のみ当該文章を表示、利用できる。
コメント識別名は、コメント者を識別するもので、当該文書が作成又は更新されたときに入力されたコメントと共に、履歴情報としてスタイルシート管理情報テーブル1101に登録される。ガイド識別名は、文書作成者の熟練度や役割に応じて、適切な作成要領を示すなどに利用される。従って、ガイド識別名が設定された時点から以降は、その指定がなされる限り表示対象となる。
スタイルシート管理情報テーブル1101には、これらのコメント識別名やガイド識別名が登録され、当該システム作動時には、メニュー画面表示の対象項目になるものであり、ユーザが指定することにより適切に文書ファイルが特定される。
図13は、図3のステップS407の文書ファイルの表示処理の詳細を示すフローチャートである。本処理は、スタイルシート解析制御部1204がHD104に格納されている文書ファイルのスタイルシート1000を解析し、開始画面501上で指定された日付、条件句、コメント等に合致するスタイルシート1000が付加された文書ファイルを取り出して、その内容を表示文エリアに表示するものである。
図13において、ステップS801では、スタイルシート1000における第1項目、すなわち「標題文」を取得し、ステップS802では、取得した標題文を表示文エリアに表示し、ステップS803では、スタイルシート1000における第2項目を行番号[001]としてカウンタにセットする。
次に、ステップS804〜S808の処理により、スタイルシート1000における標題文、終了文、本文、及び挿入文をそれぞれ文種及びサブ文種について解析し、それらに対応する本文、コメント文、及びガイド文を抽出する。
ステップS804では、当該行番号の文章が終了文か否かを判別し、終了文であるときは、ステップS805で当該終了文を表示文エリアに表示してリターンする一方、終了文でないときは、ステップS806で挿入文か否かを判別する。
ステップS806の判別の結果、当該行番号の文種が挿入文であるときは、当該挿入文を表示文エリアに表示してステップS813の次の文種へ移行する一方、挿入文でないときは、ステップS808で条件句が一致するか否かを判別する。この判別の結果、条件句が一致するときは、当該行番号を例えば[xxx]として表示文エリアに表示し、カウンタを1つインクリメントする。
次に、ステップS810では、ステップS808で条件句が一致する文章に対して後述するサブ文種本文の表示処理を行い、必要なサブ文種本文を表示する。つづいて、ステップS811で後述するサブ文種コメント文の表示処理を行い、必要なサブ文種コメント文を表示する。更に、ステップS812で後述するサブ文種ガイド文の表示処理を行い、必要なサブ文種ガイド文を表示し、ステップS813を経てステップS804へ戻る。
なお、本処理では、本文の表示は1つの日付のみに限定しているが、文書作成の効率を考慮して、処理開始時に複数の履歴の文章を同時表示し、現在作成中の文章の助けにすることもできる。
図14は、ステップS810のサブ文種本文の表示処理の詳細を示すフローチャートである。
図14において、ステップS901では、図13のステップS808で条件句が一致する文章に対して、当該文章の日付が現在作業中の日付か否かを判別する。文書における現在作業中の日付は、「9999年99月99日99時99分」(スタイルシート1000上の[D9999.99.99.99:99/x(x:自然数)])と最大数値に設定されており、現在作業中の文書が指定された場合は、この本文が表示される。
ステップS901の判別の結果、現在作業中の日付であるときは、最も日付の大きい(現在の日付に最も近い)日付のサブ文種本文を表示文エリアに表示して(ステップS903)リターンする一方、現在作業中の日付でないときは、開始画面501上で指定された表示日付のサブ文種本文か又は指定された表示日付以前の日付であって、現在の日付に最も近い日付のサブ文種本文を表示文エリアに表示して(ステップS902)リターンする。
図15は、ステップS811のサブ文種コメント文の表示処理の詳細を示すフローチャートである。
図15において、ステップS904では、図13のステップS808で条件句が一致する文章に対して、開始画面501上のコメント指定欄509に指定されたコメント識別名と一致するものがあるか否かを判別し、一致するものがないときは、そのままリターンする一方、一致するものがあるときは、ステップS905へ進む。
ステップS905では、当該文章の日付が、表示日付欄507で指定された日付と一致するか否かを判別する。この結果、一致しないときはリターンする一方、一致するときは、指定された日付と一致するサブ文種コメント文を表示文エリアに表示してリターンする。このように、コメントは、指定された日付とコメント識別名が一致した場合にのみ表示される。必要なコメントのみを表示することで、ユーザの利便性を向上させている。
図16は、ステップS812のサブ文種ガイド文の表示処理の詳細を示すフローチャートである。
図16において、ステップS908では、図13のステップS808で条件句が一致する文章に対して、開始画面501上のガイド指定欄510に指定されたガイド識別レベルと一致するものがあるか否かを判別し、一致するものがないときは、そのままリターンする一方、一致するものがあるときは、ステップS909へ進む。
ステップS909では、当該文章の日付が現在作業中の日付か否かを判別し、現在作業中の日付でないときは、開始画面501上で指定された表示日付のサブ文種ガイド文か又は指定された表示日付以前の日付であって、現在の日付に最も近い日付のサブ文種ガイド文を表示文エリアに表示して(ステップS910)リターンする一方、現在作業中の日付であるときは、最も日付の大きい(現在の日付に最も近い)日付のサブ文種ガイド文を表示文エリアに表示して(ステップS911)リターンする。本実施の形態では、ガイドに識別性を持たせ、ガイド識別が指定されたときにのみ、以前に作成されたガイドを表示するようにしている。
次に、図4のステップS413における文編集命令の実行処理の詳細について説明する。
図17及び図18は、図4のステップS413の文編集命令の実行処理の詳細を示すフローチャートである。本処理では、文種及びサブ文種を含む本文の更新、削除、追加、移動、条件句の変更、コメントの入力又は変更、ガイドの入力又は変更、及びスタイルシート1000の当該文の格納情報の表示の少なくとも1つが行われる。
図17において、ステップS1000では、マウス上での右クリックの結果として、図20に示す第1のメニュー画面を表示し、当該文の編集作業の一つについて選択を促す。
図20は、図17のステップS1000において所望の文編集作業を選択させるための第1のメニュー画面の一例を示す図である。
図20において、タイトル欄2001は文編集作業のタイトルを表示するものである。文更新チェックボックス2002〜当該文終了チェックボックス2012は、当該画面上で選択することができる文編集作業の種類を示すものであり、所望の作業のチェックボックスに入力して文編集作業を選択させる。
文更新チェックボックス2002、文追加チェックボックス2003、条件句変更チェックボックス2004、文削除チェックボックス2005、及び文移動チェックボックス2006は本文に対する編集作業である。条件句変更チェックボックス2004は、当該文の条件を変更又は追加する場合に選択されるものである。入力されている条件句をクリアすることもできる。
ガイドチェックボックス2007はガイドの編集作業を行う場合に選択されるものであり、コメントチェックボックス2009はコメントの編集作業を行う場合に選択されるものである。スタイルシート参照チェックボックス2008は、スタイルシートを参照する場合に選択されるものである。
編集終了チェックボックス2010、継続終了チェックボックス2011、及び当該文終了チェックボックス2012は3種類の終了方法のいずれか一つを選択させるものである。編集終了チェックボックス2010は、文書の完成による編集作業の終了を選択させるものである(後に更新があっても、完成日の異なる文書として再開可能)。継続終了チェックボックス2011は、文書の編集を継続するが、現作業を中断させるためのものである。当該文終了チェックボックス2012は、当該文の編集を終了し、更新したデータをスタイルシートに反映させ、別の文章の編集に移るときに選択させるものである。
次に、上記第1のメニュー画面上で所望の作業が選択されたときに表示する第2のメニュー画面を図21及び図22を参照して説明する。
図21及び図22は、図20の第1のメニュー画面上から所望の作業が選択されたときに表示する第2のメニュー画面の一例を示す図であり、図21(a)は文追加チェックボックス2002が選択されたときに表示する第2のメニュー画面、図21(b)は文移動チェックボックス2006が選択されたときに表示する第2のメニュー画面、図21(c)は条件句変更チェックボックス2004が選択されたときに表示する第2のメニュー画面、図22(d)はコメントチェックボックス2009が選択されたときに表示する第2のメニュー画面、図22(e)はガイドチェックボックス2007が選択されたときに表示する第2のメニュー画面である。
図21(a)において、第2のメニュー画面2101は、文追加チェックボックス2002が選択された場合に表示する、追加文に条件句を指定するための画面である。チェックボックス2102にチェックを付すると条件句はつかない。一方、チェックボックス2103にチェックを付すると、その下に配置されている条件句入力欄に条件句を入力することができる。ドロップダウンボタン2104を押下することにより既存の条件句を指定することができる。なお、新たに入力された条件句はスタイルシート管理テーブルに追加登録される。
図21(b)において、第2のメニュー画面2105は、当該文の下に他の文を移動するための画面である。移動してくる文に割り当てられた行番号を移動元行番号欄2106に入力して指定することができる。
図21(c)において、第2のメニュー画面2107は、当該文の表示条件を変更するための画面である。条件句欄2108に指定する条件句を入力する。ドロップダウンボタン2109を押下することにより既存の条件句を指定することができる。なお、条件句欄2108をブランクにすると、条件句なしが指定される。
図22(d)において、第2のメニュー画面2110は、コメントの指定画面である。現在の文と同一のコメント識別ならば、チェックボックス2111にチェックを付する。他のコメント識別を指定するならばチェックボックス2112にチェックを付し、その下に配置されているコメント識別入力欄に他のコメント識別を入力する。ドロップダウンボタン2113の押下により既存のコメント識別を指定することができる。
図22(e)において、第2のメニュー画面2114は、ガイドの指定画面である。現在の文と同一のガイド識別ならば、チェックボックス2115にチェックを付する。他のガイド識別を指定するならばチェックボックス2116にチェックを付し、その下に配置されているガイド識別欄に他のガイド識別を入力する。ドロップダウンボタン2117の押下により既存のガイド識別を指定することができる。
図17に戻り、ステップS1001では、開始画面501上の表示日付欄507で指定された日付が現在作業中のものか否かを判別し、そうでないときは、図18のステップS1107へ進む一方、現在作業中のものであるときは、ステップS1002へ進み、ユーザからの指示が本文の更新であるか否かを判別する。
ステップS1002の判別の結果、本文の更新であるときは、ステップS1003において指定日付以前で当該指定日付に最も近い日付の[D〜]の形式で表示しているサブ文種の本文に相当する表示文を更新してリターンする一方、本文の更新でないときは、ステップS1004で本文の削除であるか否かを判別する。
ステップS1004の判別の結果、本文の削除であるときは、ステップS1005において指定日付以前で当該指定日付に最も近い日付の[D〜]の示す表示文を削除してリターンする一方、本文の削除でないときは、ステップS1006で本文の追加か否かを判別する。
ステップS1006の判別の結果、本文の追加であると判別したときは、ステップS1007において追加文の条件句を図21(a)に示す第2のメニュー画面2101を表示し、条件句を入力させる。入力された条件句が追加文の条件句になり、当該文の文ヘッダに記録する。ステップS1008では、当該本文の文種ヘッダの次に文種ヘッダを挿入するスタイルシート1000の変更を行い、ステップS1003へ進む。一方、本文の追加でないときは、ステップS1009で本文の移動か否かを判別する。このように、本文の追加には、文種を1個増やすという効果がある。文章編集の文は現在文から追加文へ移動する。また、スタイルシート1000に対して1組の文種を挿入する処理を同時に行う。
ステップS1009の判別の結果、本文の移動であるときは、ステップS1010において移動元の行番号を図21(b)に示す第2のメニュー画面2105から入力し、ステップS1011で移動すべき文種1組を当該行番号の位置に挿入すると共に、移動元の文種1組を削除するスタイルシート1000の変更を行い、ステップS1003へ進む。一方、本文の移動でないときは、図18のステップS1101で条件句の変更か否かを判別する。
ステップS1101の判別の結果、条件句の変更であるときは、ステップS1102で条件句を指定する第2のメニュー画面を表示し、条件句の入力を行い、ステップS1103で当該文種ヘッダの条件句を変更してリターンする。ここでは、条件が設定されていなかった本文等に条件を設定するか又は条件の変更が行われる。
一方、ステップS1101の判別の結果、条件句の変更でないときは、ステップS1104でコメントの変更であるか否かを判別する。この結果、コメントの変更であるときは、ステップS1105において、コメント識別を指定するための第2のメニュー画面2110を表示し、コメント識別の入力を行い、入力の結果、コメント識別が一致するか否かを判別する。この結果、コメント識別が一致するときは、現行の[C〜]の示す表示文を変更して(ステップS1106)リターンする。一方、コメント識別が一致しないときは、新たなコメントの入力であるので、現コメントの下に新たなコメントを設定(日付は現在作業日付)し、スタイルシートを更新する(ステップS1114)。すなわち、第2のメニュー画面2110上で入力されたコメント識別の文種を生成・追加し、当該入力文をスタイルシートに追加する。
一方、ステップS1104の判別の結果、コメントの変更でないときは、ステップS1107でガイドの変更か否かを判別する。この結果、ガイドの変更であるときは、ステップS1108において、ガイド識別を指定するための第2のメニュー画面2114を表示し、コメント識別の入力を行い、入力の結果、ガイド識別が一致するか否かを判別する。この結果、ガイド識別が一致するときは、指定日付以前の最も近い日付の[G〜]の表示文を変更して(ステップS1109)リターンする。一方、ガイド識別が一致しないときは、新たなガイドの入力であるので、現ガイドの下に新たなガイドを設定(日付は現在作業日付)し、スタイルシートを更新する(ステップS1115)。すなわち、第2のメニュー画面2114上で入力されたガイド識別の文種を生成・追加し、当該入力文をスタイルシートに追加する。
このように、過去のガイド文に対する訂正が可能である。ガイドは、本文の作成要領に関係する場合があり、そのガイドを適切にすることは、本文に悪い影響を与えないからである。逆に、コメントは、文書作成時点の特定の者が入力するものであるから、過去に遡って訂正することはコメントの意義を失い、訂正されたことにより、適切になった本文にいつまでも無関係なメッセージを残すことになるので、厳密に時期、識別が管理される。
ステップS1107の判別の結果、ガイドの変更でないときは、ステップS1110でスタイルシートの参照か否かを判別する。この結果、第1のメニュー画面上でスタイルシート参照チェックボックス2008にチェックが付されていたときは、ステップS1111で現行ポイントの文種1組を全表示して、リターンする。スタイルシート参照とは、スタイルシート1000自体を表示画面上の別のウィンドウに表示するものであるが、スタイルシート1000の情報をわかりやすく表示すると、使い勝手のよいユーザインターフェースが実現する。また、ユーザが過去の文書を再利用したいときは、スタイルシートの参照命令により当該本文の過去の文章を参照し、これを現在の文に再利用することができる。
ステップS1110の判別の結果、スタイルシートの参照が指示されていないときは、ステップS1112で終了か否かを判別し、終了であるときは、ステップS1113で終了ステータスを行って、リターンする。当終了ステータスは、図4のステップS413の文編集命令の実行処理(図17及び図18の処理)後の終了処理の判断に使用されるものである。
ステップS1112の終了には、図4のステップS415の文編集終了と、ステップS416の継続終了と、ステップS417の当該文終了の3種類がある。ステップS415の文編集終了は、その日時に1個の文書が形成され、履歴に載ったことを示す。即ち、過去の文書になったことになる。ステップS416の継続終了は、現在作業中の文書の日付を決定せず、後で作業を継続する場合の終了である。この場合、再開しても同じ本文が表示され、編集に供される。ステップS417の当該文終了は、現在の本文処理又はコメントやガイド処理が終了し、次の本文へ移動する処理である。
図19は、図4のステップS414の文移動命令の実行処理の詳細を示すフローチャートである。本処理で行われる文移動は、当該キーを使用せず、単にマウス等のポインティングデバイスのダイナミックなカーソル移動により実現することができる。しかしながら、本処理では、文単位で行われていることから、文種単位でカーソル移動を実行する。Home/End/PageUp/PageDownの4種であり、それぞれ標題文、終了文、直後の文章、直前の文章へ移動する。
図19において、ステップS701では、図17、図18に示す文の編集後の更新された本文、コメント文、又はガイド文をスタイルシートの該当場所に格納する処理を行う。従って、現在作業中の本文の行数をカウントし、スタイルシート1000上に格納する区画を開ける。次に、ステップS702では、当該文のサブ文種情報の行数を更新する。次に、Homeキーが押下されたときは、ステップS703で文種の「標題文」へ移動し、Endキーが押下されたときは、ステップS704で文種の終了文に移動し、PageUpキーが押下されたときは、ステップS705で標題文か否かを判別して標題文でないときは、ステップS706で現在作業中の文の直後の文章へ移動し、PageDownキーが押下されたときは、更にステップS707で終了文か否かを判別し、終了文でないときは、ステップS708で現在作業中の文の直前の文章へ移動する。
他の実施の形態として、スタイルシート解析制御部1204が当該文書ファイルと一括して単一ファイルにすることができる。これにより、ガイドの利用など、当システムで形成された文書を他人が利用するときにも、適切なユーザインターフェースを提供でき、インテリジェンス文書とすることができる。
また、上記実施の形態では、コンピュータ100上でのみスタイルシート付き文書ファイルの表示、作成、更新、及び印刷を行うことが可能であるが、上記機能を備えたプログラムを他のコンピュータにインストールすることにより、当該スタイルシート付き文書ファイルの表示等を行わせるようにしてもよい。
更に、上記スタイルシート解析制御部1204を文書ファイルに付加して単一ファイルとしてもよい。これにより、テキストエディタ等のアプリケーションプログラムが搭載されたコンピュータにより当該文書ファイルを読み出し、当該文書ファイルの表示、編集、印刷、及び利用を行うことができる。
上記実施の形態によれば、テキスト等の文書ファイルの作成、編集、更新、表示、及び再利用等を効率よく行うことができ、ユーザの負荷を軽減することができる。また、ユーザの表示要求に応じて、複数の文書をその場で表示することができるようになるため、文書の閲覧を容易にすることができる。
更に、文書ファイルにおける文章の更新履歴情報と当該文書ファイルの表示方法が定義された定義情報を一括して一つのファイルに格納し、履歴管理等をシステムが自動的に実行するので、煩雑なファイル管理が不要となり、効率的な文書管理が実現できる。また、ユーザによる文書ファイルの表示要求に応じて、当該文章ファイルを最適な状態で表示することができる。
また、タグ情報に基づいてユーザの熟練度や役割によってガイドを選択表示するか又は当該文章に対して入力されたコメントを参照する機能を実現し、文書の付加価値を高めることができる。更に、既存の関連文章をすぐ参照し、その再利用を図ることにより、文書の作成及び編集を効率よく行うことができる。
更に、これらのタグ情報とタグ情報を解析して表示させる解析部を一つのファイルに格納することにより、文書が完成した後、当該文書利用者に利用ガイドを表示し、かつ入力欄を設け、入力ガイドを入力できるようにし、これらを一括して管理することができる。
なお、上記実施の形態では、端末装置110とコンピュータ100とが別体であって、端末装置100からの入力情報に応じてコンピュータ100にて上述した処理を行うようにしているが、端末装置110とコンピュータ100とが一体であっても本発明が実現されることは云うまでもない。
本発明の目的は、上記実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。又は、プログラムコードをネットワークからダウンロードしてもよい。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOSなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も、本発明に含まれることは云うまでもない。
この場合、上記プログラムは、該プログラムを記憶した記憶媒体から直接、又はインターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続された不図示の他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることにより供給される。