JP2006182697A - スルホンアミド基を有する環状アミン化合物 - Google Patents

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龍彦 児玉
Masahiro Tamura
正宏 田村
Takeshi Doi
武 土肥
Toshiaki Oda
敏明 小田
Shunji Takemura
俊司 竹村
Toshiharu Arai
俊晴 荒井
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Abstract

【課題】 優れた細胞接着阻害作用及び細胞浸潤阻害作用を有する化合物及びそれを有効成分とする医薬組成物の提供。
【解決手段】 次の一般式(1)
【化1】

(式中、R1はC1〜C6の直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシ基を示し;R2はC1〜C6の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、アリール基又はC7〜C12のアラルキル基を示し;nは1〜3の整数を示す)
で表される環状アミン化合物、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物及びそれを含有する医薬組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、細胞接着阻害作用及び細胞浸潤阻害作用を有し、抗喘息剤、抗アレルギー剤、抗リウマチ剤、抗動脈硬化剤、抗炎症剤、抗シェ−グレン症候群剤等として有用なスルホンアミド基を有する環状アミン化合物及びそれを含有する医薬組成物に関する。
種々の炎症性疾患において、炎症部位への白血球の浸潤が認められる。例えば、喘息患者の気管支への好酸球の浸潤(非特許文献1)、動脈硬化症の血管へのマクロファージやT細胞の浸潤(非特許文献2)、アトピー性皮膚炎患者(非特許文献3)、接触皮膚炎患者の皮膚へのT細胞、好酸球の浸潤(非特許文献4)及び慢性関節リウマチ患者の関節滑膜への種々の白血球の浸潤(非特許文献5)等が報告されている。
臓器特異的自己免疫疾患であるシェ−グレン症候群においては、白血球が唾液腺や涙腺に浸潤し、腺組織が破壊されることで、腺からの分泌液が不足し、その結果、目の乾燥や口の乾燥等の症状が引き起こされている(非特許文献6)。
これらの白血球の浸潤は、炎症局所で産生されるサイトカイン、ケモカイン、リピッド及び補体等によって惹起される(非特許文献7)。活性化した血流中の白血球は、同じく活性化された血管内皮細胞とローリング(rolling)又はテータリング(tethering)と呼ばれる相互作用を介して、血管内皮細胞と接着(adhesion)する。その後、血管内皮を潜り抜け(transmigration)、炎症部位へと浸潤する(非特許文献8)。この過程における白血球と血管内皮細胞との接着には、サイトカイン等の刺激により細胞表面に発現するイムノグロブリンスーパーファミリー(ICAM−1、VCAM−1等)、セレクチンファミリー(E‐セレクチン等)、インテグリンファミリー(LFA-1、VLA-4等)及びCD44等の種々の細胞接着分子が重要な役割を果たしており(非特許文献9)、病態と細胞接着分子の発現亢進との関連性が指摘されている。
従って、細胞接着又は細胞浸潤を阻害することができる薬剤は、気管支喘息、皮膚炎、鼻炎、結膜炎等のアレルギー疾患、慢性関節リウマチ、腎炎、シェーグレン症候群、炎症性腸疾患、糖尿病、動脈硬化症等の自己免疫疾患や慢性炎症性疾患等の予防薬及び治療薬として有効であると考えられる。事実、LFA−1、Mac−1、VLA−4等の白血球側の細胞接着分子に対する抗体又はそのリガンドとなる血管内皮細胞側のICAM−1、VCAM−1、P−セレクチン、E−セレクチン等に対する抗体が、種々の動物病態モデルにおいて白血球の炎症局所への浸潤を抑制することが報告されている。例えば、VCAM−1とそのカウンター受容体であるVLA−4に対する中和抗体は糖尿病を自然発症するNODマウスモデルにおいてその発症を遅延することができる(非特許文献10)。また、VLA−4、又はICAM−1とそのカウンター受容体LFA−1に対する抗体は、モルモット又はマウスアレルギー性結膜炎モデルにおいて好酸球の浸潤を抑制し(非特許文献11、12)、VCAM−1に対するモノクローナル抗体は、マウスDSS誘導性大腸炎モデルにおいて白血球浸潤を抑制して大腸炎の発症を遅延させることが報告されている(非特許文献13)。更に、抗VLA−4抗体、抗CD44抗体はマウスコラーゲン誘導性関節炎モデルにおいてその発症を抑制させる(非特許文献14)。また、これらの細胞接着分子を欠損させたマウスにおいても炎症モデルの試験と同様に白血球の炎症組織への浸潤の抑制が観察される(非特許文献15〜17)。
しかしながら、抗体類を用いた開発には、抗体がペプチド性高分子であるため、経口投与が困難であるだけでなく、抗原性に基づくアレルギー反応等の副作用の可能性が問題点として考えられる。
これに対して、経口投与化を目指した種々の低分子の細胞接着阻害作用化合物が報告されている(ベンゾチオフェン誘導体(非特許文献18)、ナフタレン誘導体(特許文献1)、ヒドロキシ安息香酸誘導体(特許文献2)、リグナン類(特許文献3)、2−置換ベンゾチアゾール誘導体(特許文献4)、縮合ピラジン化合物(特許文献5)、2,6−ジアルキル−4−シリルフェノール(特許文献6)、環状ジアミン化合物(特許文献7)、ジラゼプ(特許文献8、9))。
しかし、これらはいずれも十分な細胞接着阻害作用を示すものではなく更に活性の向上が望まれている。
特開平10−147568号公報 特開平10−182550号公報 特開平10−67656号公報 特開2000−086641号公報 特開2000−319277号公報 特表2000−509070号公報 特開平9−143075号公報 特開平11−92382号公報 国際公開第2003/2536号公報 Am.J.Respir.Cell Mol.Biol.12,4−12(1995) Arterioscler Thromb.Vasc.Biol.17,310−316(1997) J.Cutan.Pathol.21,33−39(1994) Eur.J.Immunol.27,85−91(1997) Clin.Immunol.Immunopathol.77,236−242(1995) "Sjogren’s syndrome:proposed critical for classification"Arthritis Rheum.29,577−585(1986) FASEB J.8,504−512(1994) Annu.Rev.Physiol.57,827−872(1995) 臨床免疫, 30,Suppl.18(1998) Curr.Top.Microbiol.Immunol.231,65−83(1998) Current Eye Res.19,20−25(1999) Clin.Immunol.93,107−113(1999) Lab.Invest.80,1541−1551 (2000) Autoimmunity21,245−252(1995) Clin.Exp.Immunol.119,57−63(2000) Am.J.Respir.Cell Mol.Biol.18,777−785(1998) J.Immunol.157,3153−3158(1996) J.Med.Chem.38,4597−4614(1995)
本発明の目的は、細胞接着阻害作用及び細胞浸潤阻害作用を有し、抗喘息剤、抗アレルギー剤、抗リウマチ剤、抗動脈硬化剤、抗炎症剤、抗シェ−グレン症候群剤等として有用な環状アミン化合物及びそれを含有する医薬組成物を提供することにある。
本発明者等は、かかる実情に鑑み鋭意研究を行なった結果、下記一般式(1)で表されるスルホンアミド基を有する環状アミン化合物が、優れた細胞接着阻害作用及び細胞浸潤阻害作用を有し、抗アレルギー剤、抗喘息剤、抗リウマチ剤、抗動脈硬化剤、抗炎症剤、抗シェ−グレン症候群剤として有用であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、一般式(1)
(式中、R1はC1〜C6の直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシ基を示し;R2はC1〜C6の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいC7〜C12のアラルキル基を示し;nは1〜3の整数を示す)
で表される環状アミン化合物、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物を提供するものである。
また、本発明は、上記一般式(1)で表される環状アミン化合物、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物を提供するものである。
更に、本発明は、上記一般式(1)で表される環状アミン化合物、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物の医薬組成物を製造するための使用を提供するものである。
本発明の一般式(1)で表される環状アミン化合物は、細胞接着阻害作用及び細胞浸潤阻害作用を有し、抗喘息剤、抗アレルギー剤、抗リウマチ剤、抗動脈硬化剤、抗炎症剤、抗シェ−グレン症候群剤等の予防又は治療の医薬として有用である。
一般式(1)中、R1で示されるC1〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基が挙げられる。R1としては、特にメトキシ基が好ましい。
一般式(1)中、nはR1基の数であって1〜3の整数を示し、特にnが3であるのが好ましい。
一般式(1)中、R2で示されるC1〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。R2としては、特にメチル基が好ましい。
2で示されるアリール基としては、C6〜C14のアリール基が挙げられ、特にフェニル基が好ましい。アリール基の置換基としては、C1〜C6の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、C1〜C6の直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシ基又はハロゲン原子が挙げられる。C1〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。C1〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。アリール基の置換基としては、特にメチル基、メトキシ基、塩素原子、臭素原子が好ましい。置換基を有する場合は1〜3個が好ましく、2個以上含有する場合は同一又は異なっていてもよい。
2で示されるC7〜C12のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基等のフェニル−C1−C6アルキル基が挙げられ、特にベンジル基が好ましい。アラルキル基の置換基としては、前記アリール基の置換基と同じものが挙げられる。置換基としては、特にメチル基、メトキシ基、塩素原子、臭素原子が好ましい。置換基を有する場合は1〜3個が好ましく、2個以上含有する場合は同一又は異なっていてもよい。
一般式(1)のR2としては、置換基としてC1〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、C1〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基及びハロゲン原子の群から選ばれる1種以上の基を有していてもよいアリール基又はC7〜C12のアラルキル基であるのが好ましい。更に置換基としてC1〜C6の直鎖のアルキル基、C1〜C6の直鎖のアルコキシ基及びハロゲン原子の群から選ばれる1種以上の基を有していてもよいフェニル基が好ましい。置換基を有する場合は1〜3個が好ましく、2個以上含有する場合は同一又は異なっていてもよい。
一般式(1)で表される環状アミン化合物としては、次の一般式(1a)
(式中、R2はC1〜C6の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいC7〜C12のアラルキル基を示す)
で表される環状アミン化合物が好ましい。更にR2が、置換基としてC1〜C6の直鎖のアルキル基、C1〜C6の直鎖のアルコキシ基及びハロゲン原子の群から選ばれる1種以上の基を有していてもよいフェニル基であるのが好ましい。置換基を有する場合は1〜3個が好ましく、2個以上含有する場合は同一又は異なっていてもよい。
一般式(1)で表される環状アミン化合物としては、特に、4−[N−メタンスルホニル−N−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチル]アミノ]−1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]ピペリジン;4−[N−ベンゼンスルホニル−N−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチル]アミノ]−1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]ピペリジン;4−[N−(4−メチルベンゼンスルホニル)−N−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチル]アミノ]−1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]ピペリジン;4−[N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−N−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチル]アミノ]−1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]ピペリジン;4−[N−(4−メトキシベンゼンスルホニル)−N−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチル]アミノ]−1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]ピペリジン;4−[N−(4−クロロベンゼンスルホニル)−N−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチル]アミノ]−1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]ピペリジン;4−[N−(4−ブロモベンゼンスルホニル)−N−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチル]アミノ]−1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]ピペリジン又は4−[N−ベンジルスルホニル−N−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチル]アミノ]−1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]ピペリジンが好ましい。
一般式(1)で表される環状アミン化合物の酸付加塩としては、薬学上許容される塩であれば特に制限されない。例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩のような鉱酸の酸付加塩;安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酢酸塩等の有機酸の酸付加塩が挙げられる。
一般式(1)で表される環状アミン化合物の溶媒和物としては、水和物等が挙げられる。
本発明の一般式(1)で表される環状アミン化合物は、例えば、次に示す方法に従って製造することができる。
(式中、Xはハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基又はp−トルエンスルホニルオキシ基等の脱離基を示し、R1、R2及びnは前記と同じ)
すなわち、化合物(2)とイソニペコタミド(3)とを炭酸カリウム等の塩基及びヨウ化カリウム等の触媒の存在又は非存在下、アセトニトリル等の溶媒中で反応させ化合物(4)を得る。これをビストリフルオロイオドベンゼンとアセトニトリル−水の混合溶媒等の溶媒中で反応させアミン体(5)を得る。アミン体(5)と化合物(6)とを炭酸カリウム等の塩基及びヨウ化カリウム等の触媒存在下、アセトニトリル等の溶媒中で反応させ化合物(7)を得る。化合物(7)とボロン酸(8)とをテトラキストリフェニルフォスフィンパラジウム等のパラジウム系触媒存在下、トルエン、酢酸エチル、2mol/L炭酸水素ナトリウム水溶液の混合溶媒等の溶媒中で鈴木カップリング反応を行い化合物(9)を得る。これを化合物(10)の一般式で表されるスルホニル化剤とピリジン中又はトリエチルアミン等の塩基存在下、テトラヒドロフラン等の溶媒中で反応させることにより一般式(1)で表わされる環状アミン化合物(1)を得る。
また、本発明の化合物の出発原料である化合物(2)は、国際公開第2003/2536号公報に記載の方法又は類似の方法によって合成することができる。
本発明の一般式(1)で表される環状アミン化合物(1)は、上記の方法によって得られるが、さらに必要に応じて再結晶法、カラムクロマトグラフィー等の通常の精製手段を用いて精製することができる。また必要に応じて、常法によって前記した所望の酸付加塩又は溶媒和物にすることもできる。
また、一般式(1)で表される環状アミン化合物が不斉炭素を有する場合は、何れの立体配置からなる異性体をも包含する。
かくして得られる一般式(1)で表される環状アミン化合物、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物(以下、あわせて「一般式(1)で表される化合物」と記載することがある)は、後記試験例に示すように優れたVCAM−1発現抑制活性を示し、ヒトを含む動物の細胞接着又は細胞浸潤に起因する疾患、例えば喘息、アレルギー、リウマチ、動脈硬化、炎症、シェーグレン症候群等の治療又は予防用の医薬として有用である。
本発明の医薬組成物は、一般式(1)で表される環状アミン化合物、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物を含有するものであって、単独で用いてよいが、通常は薬学的に許容される担体、添加物等を配合して使用される。医薬組成物の投与形態は、特に限定されず、治療目的に応じて適宜選択できる。例えば、経口剤、注射剤、坐剤、軟膏剤、吸入剤、点眼剤、点鼻剤、貼付剤等のいずれでもよい。これらの投与形態に適した医薬組成物は、公知の製剤方法により製造できる。
経口用固形製剤を調製する場合は、一般式(1)で表される化合物に賦形剤、更に必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。添加剤は、当該分野で一般的に使用されているものでよい。例えば、賦形剤としては、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、珪酸等が挙げられる。結合剤としては水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。崩壊剤としては乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等が挙げられる。滑沢剤としては精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール等が挙げられる。矯味剤としては白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。
経口用液体製剤を調製する場合は、一般式(1)で表される化合物に矯味剤、緩衝剤、安定化剤、矯臭剤等を加えて常法により内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等を製造することができる。矯味剤としては上記に挙げられたものでよく、緩衝剤としてはクエン酸ナトリウム等が、安定化剤としてはトラガント、アラビアゴム、ゼラチン等が挙げられる。
注射剤を調製する場合は、一般式(1)で表される化合物にpH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により皮下、筋肉及び静脈内注射剤を製造することができる。pH調製剤及び緩衝剤としてはクエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等が挙げられる。安定化剤としてはピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール酸、チオ乳酸等が挙げられる。局所麻酔剤としては塩酸プロカイン、塩酸リドカイン等が挙げられる。等張化剤としては、塩化ナトリウム、ブドウ糖等が挙げられる。
坐薬を調製する場合は、一般式(1)で表される化合物に公知の坐薬用担体、例えば、ポリエチレングリコール、ラノリン、カカオ脂、脂肪酸トリグリセライド等、更に必要に応じてツイーン(登録商標)等の界面活性剤等を加えた後、常法により製造することができる。
軟膏剤を調製する場合は、一般式(1)で表される化合物に通常使用される基剤、安定化剤、湿潤剤、保存剤等が必要に応じて配合され、常法により混合、製剤化される。基剤としては、流動パラフィン、白色ワセリン、サラシミツロウ、オクチルドデシルアルコール、パラフィン等が挙げられる。保存剤としては、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル等が挙げられる。
上記以外に、常法により吸入剤、点眼剤、点鼻剤とすることもできる。
一般式(1)で表される化合物の投与量は年齢、体重、症状、投与形態及び投与回数等によって異なるが、通常は成人に対して一般式(1)で表わされる環状アミン化合物として1日1〜1000mgを、1回又は数回に分けて経口投与又は非経口投与するのが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例1 1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]−4−ピペリジンカルボキサミドの合成:
イソニペコタミド(641mg)のアセトニトリル(20mL)溶液に4−クロロメチル−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン(1.47g)、炭酸カリウム(1.38g)、ヨウ化カリウム(1.25g)を加え、80℃で2時間撹拌した。反応液を室温に戻し、水を加え、クロロホルムにて抽出を行った。有機層を飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム−メタノール=10:1→5:1)で精製し、標記化合物を褐色アモルファスとして得た。収量:1.93g(理論収量)
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.75−1.93(m,4H),2.04−2.23(m,3H),2.90−2.98(m,2H),3.56(s,2H),3.91(s,3H),3.98(s,6H),5.26(brs,1H),5.43(br,1H),7.21(d,J=4.1Hz,1H),7.24(s,2H),7.63(s,1H),8.59(d,J=5.1Hz,1H)
参考例2 4−アミノ−1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]ピペリジンの合成:
1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]−4−ピペリジンカルボキサミド(1.93g)のアセトニトリル(15mL):水(15mL)混合溶液にビストリフルオロアセトキシヨードベンゼン(3.23g)を加え、室温で一晩撹拌した。クロロホルムにて抽出を行い、有機層を飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム−メタノール=20:1→クロロホルム−飽和アンモニウムメタノール=10:1)で精製し、標記化合物を褐色シロップとして得た。収量:1.42g(79.5%)
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.36−1.48(m,2H),1.77−1.85(m,2H),2.09(td,J=11.5Hz、2.4Hz,1H),2.66−2.75(m、2H),2.80−2.98(m、2H),3.55(s,2H),3.90(s,3H),3.97(s,6H),7.21(d,J=4.9Hz,1H),7.24(s,2H),7.63(s,1H),8.59(d,J=5.1Hz,1H)
参考例3 4−[(3−ブロモピリジン−5−イル)メチル]アミノ−1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]ピペリジンの合成:
4−アミノ−1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル
]メチル]ピペリジン(1.07g)のアセトニトリル(10mL)溶液に3−ブロモー5−クロロメチルピリジン 塩酸塩(729mg)、炭酸カリウム(1.24g)、ヨウ化カリウム(747mg)を加え、80℃で2時間撹拌した。反応液を室温に戻し、水を加え、クロロホルムにて抽出を行った。有機層を飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム−メタノール=20:1)で精製し、標記化合物を褐色アモルファスとして得た。収量:816mg(51.6%)
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.40−1.65(m,2H),1.85−1.95(m,2H),2.05−2.15(m,2H),2.48−2.60(m,1H),2.82−2.92(m,2H),3.56(s,2H),3.82(s,2H),3.89−3.98(m,9H),7.21(d,J=4.9Hz,1H),7.24(s,2H),7.64(d,J=4.7Hz,1H),7.87(s,1H),8.47(d,J=1.6Hz,1H),8.56(d,J=2.2Hz,1H),8.60(dd,J=7.6,5.3Hz,1H)
参考例4 1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]−4−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチルアミノ]ピペリジンの合成:
4−[(3−ブロモピリジン−5−イル)メチル]アミノ−1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]ピペリジン(816mg)のトルエン(5mL):THF(5mL):2mol/L炭酸ナトリウム水(10mL)の混合溶液に3,4,5−トリメトキシフェニルボロン酸(328mg)、テトラキストリフェニルフォスフィンパラジウム(89mg)を加えて、還流下2時間撹拌した。反応液を室温に戻し、水を加え、酢酸エチルにて抽出を行った。有機層を飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム−メタノール=20:1)で精製し、標記化合物を褐色アモルファスとして得た。
収量:786mg(82.4%)
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.43−1.56(m,2H),1.90−1.98(m,2H),2.06−2.16(m,2H),2.54−2.64(m,1H),2.85−2.93(m,2H),3.56(s,2H),3.90(s,3H),3.90(s,3H),3.91(s,2H),3.94(s,6H),3.97(s,6H),6.77(s,2H),7.21(d,J=4.9Hz,1H),7.24(s,2H),7.64(d,J=4.7Hz,1H),7.83(d,J=1.8Hz,1H),8.54(d,J=2.0Hz,1H),8.60(dd,J=8.0,5.1Hz,1H),8.70(d,J=2.0Hz,1H)
実施例1
4−[N−メタンスルホニル−N−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチル]アミノ]−1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]ピペリジンの合成:
1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]−4−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチルアミノ]ピペリジン(92.2mg)とトリエチルアミン(22.8mg)をクロロホルム(2mL)に溶解し、氷冷下メタンスルホニルクロリド(20.6mg)を加えた。反応液を室温に戻し30分間撹拌し、水を加えた。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をプレパラティブTLC(展開溶媒;クロロホルム−メタノール=10:1)で精製し、標記化合物を黄色油状物として得た。収量:44mg(42%)
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.68−1.86(m,4H),2.03−2.15(m,2H),2.83−2.99(m,5H),3.52(s,2H),3.74−3.85(m,1H),3.90(s,6H),3.92(s,6H),3.96(s,6H),4.50(s,2H),6.76(s,2H),7.17(s,1H),7.22(s,2H),7.55(s,1H),7.97(s,1H),8.50−8.61(m,2H),8.73(d,J=1.8Hz,1H)
実施例2
4−[N−ベンゼンスルホニル−N−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチル]アミノ]−1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]ピペリジンの合成:
1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]−4−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチルアミノ]ピペリジン(26.6mg)とベンゼンスルホニルクロリド(6.6μL)とを実施例1と同様に反応させ、標記化合物を黄褐色油状物として得た。収量:15.5mg(47%)
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.24−1.37(m,1H),1.47−1.54(m,2H),1.58−1.72(m,2H),1.98−2.10(m,2H),2.79−2.90(m,2H),3.49(s,2H),3.89−3.96(m,18H),4.53(s,2H),6.75(s,2H),7.14(m,1H),7.20(m,2H),7.45−7.62(m,4H),7.74−7.85(m,2H),8.00(brs,1H),8.52−8.58(m,2H),8.72(s,1H)
実施例3
4−[N−(4−メチルベンゼンスルホニル)−N−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチル]アミノ]−1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]ピペリジンの合成:
1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]−4−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチルアミノ]ピペリジン(32.8mg)とp−トルエンスルホニルクロリド(12.2mg)とを実施例1と同様に反応させ、標記化合物を黄褐色油状物として得た。収量:27.5mg(67%)
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.20−1.37(m,1H),1.45−1.48(m,2H),1.85−1.98(m,2H),2.01(brt,J=11.5Hz,2H),2.42(s,3H),2.81(brd,J=11.4Hz,2H),3.47(s,2H),3.89−3.95(m,18H),4.51(s,2H),6.76(s,2H),7.13(dd,J=5.0Hz,1.4Hz,1H),7.19(s,2H),7.29(s,2H),7.51(s,1H),7.69(d,J=8.3Hz,2H),7.99(brt,J=2.2Hz,1H),8.51(brd,J=2.0Hz,1H),8.56(d,J=4.9Hz,1H),8.71(brd,J=2.0Hz,1H)
実施例4
4−[N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−N−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチル]アミノ]−1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]ピペリジンの合成:
1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]−4−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチルアミノ]ピペリジン(25.1mg)と2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニルクロリド(10.9mg)とを実施例1と同様に反応させ、標記化合物を黄褐色油状物として得た。収量:10mg(31%)
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.58−1.80(m,5H),1.96−2.07(m,2H),2.20(s,3H),2.61(s,6H),2.83−2.92(m,2H),3.49(brs,2H),3.89−3.96(m,18H),4.56(s,2H),6.71(s,2H),6.85(s,2H),7.15(d,J=4.9Hz,1H),7.20(s,2H),7.53(brs,1H),7.77(brs,1H),8.37(brs,1H),8.57(d,J=3.1Hz,1H),8.61(d,J=2.2Hz,1H)
実施例5
4−[N−(4−メトキシベンゼンスルホニル)−N−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチル]アミノ]−1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]ピペリジンの合成:
1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]−4−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチルアミノ]ピペリジン(25.7mg)と4−メトキシベンゼンスルホニルクロリド(10.4mg)とを実施例1と同様に反応させ、標記化合物を黄色油状物として得た。収量:23.9mg(73%)
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.43−1.67(m,5H),2.02(brt,J=11Hz,2H),2.82(brd,11.2Hz,2H),3.48(s,2H),3.84(s,3H),3.89−3.95(m,18H),4.50(brs,2H),6.75(brs,2H),6.93(m,2H),7.13(d,1H),7.20(s,2H),7.51(brs,1H),7.73(d,J=8.8Hz,2H),7.96(brt,1H),8.51(d,J=2.2Hz,1H),8.56(d,J=4.9Hz,1H),8.71(d,J=2.6Hz,1H)
実施例6
4−[N−(4−クロロベンゼンスルホニル)−N−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチル]アミノ]−1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]ピペリジンの合成:
1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]−4−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチルアミノ]ピペリジン(22.9mg)と4−クロロベンゼンスルホニルクロリド(9.44mg)とを実施例1と同様に反応させ、標記化合物を黄色油状物として得た。収量:27mg(92%)
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.31−1.48(m,1H),1.51(m,2H),1.58−1.74(m,2H),1.94−2.08(m,2H),2.76−2.89(m,2H),3.49(s,2H),3.88−3.95(m,18H),4.52(s,2H),6.74(s,2H),7.12−7.20(m,4H),7.38−7.54(m,2H),7.72−7.74(m,2H),7.95(s,1H),8.45−8.57(m,2H),8.71(s,1H)
実施例7
4−[N−(4−ブロモベンゼンスルホニル)−N−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチル]アミノ]−1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]ピペリジンの合成:
1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]−4−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチルアミノ]ピペリジン(21.1mg)と4−ブロモベンゼンスルホニルクロリド(10.5mg)とを実施例1と同様に反応させ、標記化合物を黄色油状物として得た。収量:23.7mg(83%)
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.24−1.36(m,1H),1.46−1.58(m,2H),1.58−1.73(m,2H),1.98−2.09(m,2H),2.80−2.88(m,2H),3.49(s,2H),3.88−3.95(m,18H),4.51(s,2H),6.75(s,2H),7.13(d,J=5.1Hz,1H),7.20(s,2H),7.52(s,1H),7.63(q,J=8.5Hz,4H)7.95(s,1H),8.51−8.57(m,2H),8.72(d,J=2.2Hz,1H)
実施例8
4−[N−ベンジルスルホニル−N−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチル]アミノ]−1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]ピペリジンの合成:
1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]−4−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチルアミノ]ピペリジン(21.7mg)とベンジルスルホニルクロリド(80.8mg)とを実施例1と同様に反応させ、標記化合物を黄色油状物として得た。収量:4mg(15%)
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.52−1.62(m,4H),1.88−2.06(m,2H),2.79−2.86(m,2H),3.46(brs,3H),3.90−3.96(m,18H),4.18(s,2H),4.24(s,2H),6.75(s,2H),7.13−7.21(m,3H),7.36(s,5H),7.52(brs,1H),7.97(brs,1H),8.48(brs,1H),8.58(d,J=4.9Hz,1H),8.73(s,1H)
試験例1 VCAM−1発現抑制活性
ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)(三光純薬)をEGM−2培地(三光純薬)に5×106細胞/mLの濃度に懸濁し、96穴マイクロプレート(コーニング)一穴当たり1×106細胞ずつ播いた。5%CO2存在下、37℃で4日間培養後、培地100μLを除去し、被験物質及びTNFα(終濃度10ng/mL、Peprotech)を25μLずつ加えた。37℃で4.5時間インキュベーション後、培地を除去し、0.5%ウシ血清アルブミン、0.02%アジ化ナトリウムを含むハンクス平衡塩溶液(HBSS/BSA)100μLで各穴を一回洗浄した。次いでブロッキング溶液(1%ヤギ全血清(ICN)/HBSS/BSA)を30μL添加し、氷上30分間放置した。100μLのHBSS/BSAで一回洗浄後、1μg/mLの抗ヒトVCAM−1抗体(Genzyme−Techne)を各穴30μLずつ加え、氷上1時間インキュベーションした。HBSS/BSA(200μL)で3回洗浄後、HBSS/BSAで2000倍希釈したペルオキシダーゼ標識ヤギ抗マウスIgG抗体(Pierce)を30μL/穴ずつ添加し、1時間反応させた。先述のようにHBSS/BSAで5回洗浄後、TMB基質(Moss)を100μL/穴加え、15〜30分間、25℃で酵素反応させた後、1mol/L硫酸を25μLずつ添加して反応を停止させた。96穴プレート対応分光光度計Multiscan MS−UV(Labsystems)を用いて620nmをレファレンス波長に492nmの吸光度を測定した。薬物未添加TNFα刺激時の吸光度を100%として阻害率を求めた。なお、各群3重測定を行なった。
その結果を表1に示す。
本発明の環状アミン化合物は、いずれもVCAM−1発現抑制活性が優れていた。
試験例2 細胞接着阻害作用
ロス(Ross)等の方法(J.Biol.Chem.,267,8537−8543(1992))を参考にして行った。すなわち、ヒト臍帯静脈由来血管内皮細胞(HUVEC)を48穴プレートでコンフルエントになるまで培養後、TNFαを添加した。添加5時間後に、PKH2(シグマ−アルドリッチ社製)にて蛍光標識したヒト単球/組織球由来細胞であるU937を各ウエルに1×106細胞添加した。室温で1時間静置し、着色していないU937を洗い流した後、1%Triton X−100で細胞を溶解し、残存している蛍光強度を測定した(励起波長485nm、測定波長530nm)。HUVECはEGM−2(三光純薬)で、またU937ha10%FCS含有RPMI11640にて培養した。被験物質の添加は、HUVECへはTNFα添加時に、U937へは細胞接着試験の24時間前に行った。阻害活性は、A=(被験物質無添加でTNFα刺激したHUVECへのU937の接着細胞数)、B=(被験物質無添加でTNFα無刺激のHUVECへのU937の接着細胞数)、C=(被験物質添加でTNFα刺激したHUVECへのU937の接着細胞数)であるとき、[(A−C)/(A−B)×100%]として算定した。
この結果を表2に示す。なお、比較化合物として、特開平9−143075公報に記載の試験化合物1及び特開平11−92382号公報に記載のジラゼプを同時に評価した。
本発明の環状アミン化合物は、細胞接着阻害作用が優れていた。
以下に、製剤例を示す。
製剤例1(カプセル剤)
実施例1の環状アミン化合物 30mg
微結晶セルロース 30mg
乳糖 57mg
ステアリン酸マグネシウム 3mg
全量 120mg
上記成分を常法により混合した後ゼラチンカプセルに充填し、カプセル剤を得た。
製剤例2(錠剤)
実施例1の環状アミン化合物 30mg
でん粉 44mg
でん粉(のり用) 5.6mg
ステアリン酸マグネシウム 0.4mg
カルボキシメチルセルロースカルシウム 20mg
全量 100mg
上記成分を常法により混合し錠剤を得た。
製剤例3(注射剤)
実施例1の環状アミン化合物(100mg)及び塩化ナトリウム(900mg)を約80mLの注射用蒸留水に溶かして得られた溶液に、注射用蒸留水を加え総量100mLにした。これを無菌濾過した後アンプル10本に分注し、シールし、無菌の注射剤を得た。

Claims (11)

  1. 次の一般式(1)
    (式中、R1はC1〜C6の直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシ基を示し;R2はC1〜C6の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいC7〜C12のアラルキル基を示し;nは1〜3の整数を示す)
    で表される環状アミン化合物、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物。
  2. 次の一般式(1a)
    (式中、R2はC1〜C6の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいC7〜C12のアラルキル基を示す)
    で表されるものである請求項1記載の環状アミン化合物、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物。
  3. 2が、置換基としてC1〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、C1〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基及びハロゲン原子から選ばれる1種以上の基を有していてもよいアリール基又はC7〜C12のアラルキル基である請求項1又は2記載の環状アミン化合物、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物。
  4. 2が、置換基としてC1〜C6の直鎖のアルキル基、C1〜C6の直鎖のアルコキシ基及びハロゲン原子から選ばれる1種以上の基を有していてもよいフェニル基である請求項1〜3のいずれか1項記載の環状アミン化合物、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物。
  5. 一般式(1)で表される環状アミン化合物が、4−[N−メタンスルホニル−N−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチル]アミノ]−1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]ピペリジン;4−[N−ベンゼンスルホニル−N−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチル]アミノ]−1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]ピペリジン;4−[N−(4−メチルベンゼンスルホニル)−N−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチル]アミノ]−1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]ピペリジン;4−[N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−N−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチル]アミノ]−1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]ピペリジン;4−[N−(4−メトキシベンゼンスルホニル)−N−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチル]アミノ]−1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]ピペリジン;4−[N−(4−クロロベンゼンスルホニル)−N−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチル]アミノ]−1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]ピペリジン;4−[N−(4−ブロモベンゼンスルホニル)−N−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチル]アミノ]−1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]ピペリジン又は4−[N−ベンジルスルホニル−N−[[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]メチル]アミノ]−1−[[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]メチル]ピペリジンである請求項1記載の環状アミン化合物、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の環状アミン化合物、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物。
  7. 医薬組成物が細胞接着及び/又は細胞浸潤に起因する疾患の治療薬である請求項6記載の医薬組成物。
  8. 疾患がアレルギー、喘息、炎症、リウマチ、動脈硬化及びシェ−グレン症候群から選ばれる疾患である請求項7記載の医薬組成物。
  9. 請求項1〜5のいずれか1項記載の環状アミン化合物、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物の医薬組成物を製造するための使用。
  10. 医薬組成物が細胞接着及び/又は細胞浸潤に起因する疾患の治療薬である請求項9記載の使用。
  11. 疾患がアレルギー、喘息、炎症、リウマチ、動脈硬化及びシェ−グレン症候群から選ばれる疾患である請求項10記載の使用。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8383827B2 (en) 2009-05-15 2013-02-26 Novartis Ag Aryl pyridine as aldosterone synthase inhibitors

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