JP2006172210A - 車両用距離画像センサおよびそれを用いる障害物監視装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】取付位置の近傍に不感帯が無く、対象物体までの距離情報が正確に得られる車両用距離画像センサおよびそれを用いる障害物監視装置を提供する。
【解決手段】車両用距離画像センサ10は、強度が周期的に変化するように変調した可視光を車両外部の対象空間に照射する発光源2と、受光光量に応じた電気出力を発生する複数個の感光部11が配列されて対象空間を撮像する光検出素子1と、発光源2から対象空間に照射された光が対象空間内の物体で反射されて各感光部11で受光されるまでの光の位相差を物体までの距離に換算した距離値を画素値とする距離画像を生成する画像生成部4とを備える。発光源2は車体の後部に取り付けられて後退時に車両の後方を照らす後退灯からなり、障害物監視部5は、画像生成部4により生成された車両後方の距離画像をもとに、車両後方の対象空間における障害物を監視する。
【選択図】図1
【解決手段】車両用距離画像センサ10は、強度が周期的に変化するように変調した可視光を車両外部の対象空間に照射する発光源2と、受光光量に応じた電気出力を発生する複数個の感光部11が配列されて対象空間を撮像する光検出素子1と、発光源2から対象空間に照射された光が対象空間内の物体で反射されて各感光部11で受光されるまでの光の位相差を物体までの距離に換算した距離値を画素値とする距離画像を生成する画像生成部4とを備える。発光源2は車体の後部に取り付けられて後退時に車両の後方を照らす後退灯からなり、障害物監視部5は、画像生成部4により生成された車両後方の距離画像をもとに、車両後方の対象空間における障害物を監視する。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両の外部にある対象物までの距離情報を得る車両用距離画像センサおよびそれを用いる障害物監視装置に関するものである。
従来より、車両の外部にある対象物までの距離情報を得るセンサとして、超音波を対象空間に送出してから、対象空間内の物体で反射された反射波を受波するまでの伝搬時間をもとに物体までの距離を測定する超音波センサが提供されている。このような超音波センサは車両の後方にある障害物までの距離や、前方にある障害物を検出するために利用されている。車両後方の障害物を監視する障害物監視装置では、車体の後部に超音波センサを取り付けて、車両の後方にある障害物までの距離が所定距離よりも短くなると警報を発していた。また車両前方の障害物を監視する障害物監視装置では、車体の前部に超音波センサを取り付けて、車両の前方にある障害物、例えば走行時には前方を走行する他の車両までの車間距離を測定し、車間結果が所定距離よりも短くなると、制動装置を制御するコンピュータに対して制動をかけさせるための警報信号を発していた。また、駐車時には車両の前方にある物体までの距離を測定し、この測定結果が所定距離よりも短くなると警報を発していた(例えば特許文献1参照)。
特開平6−138226号公報
上述の超音波センサでは、超音波センサにより超音波の伝搬時間をもとに物体までの距離を検出しているが、風によって超音波の伝搬方向がずれたり、相対的に音速が変化することで、距離の測定誤差が発生するという問題があり、このような超音波センサを用いた障害物監視装置では障害物まの距離の測定精度が十分に得られないという問題があった。また、気温の変化によっても音速が変化するため、温度変化による測定誤差が発生するという問題があった。また、1つの超音波振動子で送波と受波を行う反射形の超音波センサでは、超音波を送波してから所定時間が経過するまでの間は反射波を受波できないため、超音波振動子の前面から一定距離までの範囲に不感帯が発生するという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、取付位置の近傍に不感帯が無く、対象物体までの正確な距離情報を得ることができる車両用距離画像センサおよびそれを用いる障害物監視装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、強度が周期的に変化するように変調した可視光を車両外部の対象空間に照射する発光源と、受光光量に応じた電気出力を発生する複数個の感光部が配列されて対象空間を撮像する光検出素子と、発光源から対象空間に照射された光が対象空間内の物体で反射されて各感光部で受光されるまでの光の位相差を物体までの距離に換算した距離値を画素値とする距離画像を生成する距離画像生成部とを備えるとともに、発光源が、車両に取り付けられて車両の外部に光を照射する車両灯火装置からなることを特徴とする。
この発明によれば、発光源から強度が周期的に変化するように変調した可視光を車両外部の対象空間に照射させ、画像生成部によって、発光源から対象空間に照射された光が対象空間内の物体で反射されて各感光部で受光されるまでの光の位相差を物体までの距離に換算した距離値を画素値とする距離画像を生成しているので、超音波センサを用いて距離情報を得る場合のように気温や風の影響を受けて測定誤差が発生することはなく、正確な距離情報を得ることができ、またセンサの取付位置の近傍に検出不可能な不感帯が発生することがないという効果がある。しかも、発光源が車両の外部に光を照射する車両灯火装置で構成されているので、距離画像を得るために新たな光源を追加する必要が無く、車両灯火装置を距離画像センサの発光源として兼用することで、部品数を削減してコストダウンを図ることができる。
請求項2の発明は障害物監視装置であって、請求項1記載の車両用距離画像センサを備え、前記車両灯火装置が後退灯であり、前記距離画像生成部により生成された車両後方の距離画像をもとに、車両後方の対象空間における障害物を監視する障害物監視部を備えて成ることを特徴とする。
この発明によれば、請求項1記載の車両用距離画像センサを用いることで対象空間の物体までの正確な距離情報を得ることができ、またセンサの取付位置の近傍に検出不可能な不感帯が発生することがなく、さらに後退時に点灯される後退灯を発光源としているので、新たな光源を追加することなく、車両後方の対象空間における距離画像を生成することができる。しかも、障害物監視部では、車両後方の距離画像をもとに対象空間における障害物を監視しているので、後退時の安全を確実に確保することが可能な障害物監視装置を実現できる。
請求項3の発明は障害物監視装置であって、請求項1記載の車両用距離画像センサを備え、前記車両灯火装置が前照灯であり、前記距離画像生成部により生成された車両前方の距離画像をもとに、車両前方の対象空間における障害物を監視する障害物監視部を備えて成ることを特徴とする。
この発明によれば、請求項1記載の車両用距離画像センサを用いることで対象空間の物体までの正確な距離情報を得ることができ、またセンサの取付位置の近傍に検出不可能な不感帯が発生することがなく、さらに夜間やトンネル走行時などに点灯される前照灯を発光源としているので、新たな光源を追加することなく、車両前方の対象空間における距離画像を生成することができる。しかも、車間距離監視部では、車両前方の距離画像をもとに対象空間における障害物を監視しているので、車両前方の安全を確実に確保することが可能な障害物監視装置を実現できる。
請求項1の発明によれば、発光源から強度が周期的に変化するように変調した可視光を車両外部の対象空間に照射させ、画像生成部によって、発光源から対象空間に照射された光が対象空間内の物体で反射されて各感光部で受光されるまでの光の位相差を物体までの距離に換算した距離値を画素値とする距離画像を生成しているので、超音波センサを用いて距離情報を得る場合のように気温や風の影響を受けて測定誤差が発生することはなく、正確な距離情報を得ることができ、またセンサの取付位置の近傍に検出不可能な不感帯が発生することがないという効果がある。しかも、発光源が車両の外部に光を照射する車両灯火装置で構成されているので、距離画像を得るために新たな光源を追加する必要が無く、車両灯火装置を距離画像センサの発光源として兼用することで、部品数を削減してコストダウンを図ることができる。
請求項2の発明によれば、請求項1記載の車両用距離画像センサを用いることで対象空間の物体までの正確な距離情報を得ることができ、またセンサの取付位置の近傍に検出不可能な不感帯が発生することがなく、さらに後退時に点灯される後退灯を発光源としているので、新たな光源を追加することなく、車両後方の対象空間における距離画像を生成することができる。しかも、障害物監視部では、車両後方の距離画像をもとに対象空間における障害物を監視しているので、後退時の安全を確実に確保することが可能な障害物監視装置を実現できる。
請求項3の発明によれば、請求項1記載の車両用距離画像センサを用いることで対象空間の物体までの正確な距離情報を得ることができ、またセンサの取付位置の近傍に検出不可能な不感帯が発生することがなく、さらに夜間やトンネル走行時などに点灯される前照灯を発光源としているので、新たな光源を追加することなく、車両前方の対象空間における距離画像を生成することができる。しかも、車間距離監視部では、車両前方の距離画像をもとに対象空間における障害物を監視しているので、車両前方の安全を確実に確保することが可能な障害物監視装置を実現できる。
(実施形態1)
以下に、本発明に係る車両用距離画像センサを、車両後方の対象空間における障害物を監視する障害物監視装置に適用した一実施形態を説明するが、先ず距離画像センサの基本構成について図1を参照して説明する。
以下に、本発明に係る車両用距離画像センサを、車両後方の対象空間における障害物を監視する障害物監視装置に適用した一実施形態を説明するが、先ず距離画像センサの基本構成について図1を参照して説明する。
距離画像センサ10は、図1に示すように、対象空間に光を照射する発光源2を備えるとともに、対象空間からの光を受光し受光光量を反映した出力値の電気出力が得られる光検出素子1を備える。対象空間に存在する物体Obまでの距離は、発光源2から対象空間に光が照射されてから物体Obでの反射光が光検出素子1に入射するまでの時間(「飛行時間」と呼ぶ)によって求める。ただし、飛行時間は非常に短いから、対象空間に照射する光の強度が一定周期で周期的に変化するように変調した強度変調光を用い、強度変調光を受光したときの位相を用いて飛行時間を求める。なお、本発明の技術思想は、距離画像センサ10として、飛行時間により距離画像を生成する構成のほか、三角測量法の原理によって距離画像を生成する構成においても採用可能である。ただし、以下に説明する構成の距離画像センサ10は、三角測量法の原理を用いる距離画像センサに比較して短時間(ほぼ実時間)で距離画像を生成できるから、三角測量法の原理を採用した距離画像センサよりも好ましい。
図3(a)に示すように、発光源2から空間に放射する光の強度が曲線イのように変化し、光検出素子1で受光した受光光量が曲線ロのように変化するとすれば、位相差ψは飛行時間に相当するから、位相差ψを求めることにより物体Obまでの距離を求めることができる。また、位相差ψは、曲線イの複数のタイミングで求めた曲線ロの受光光量を用いて計算することができる。たとえば、曲線イにおける位相が0度、90度、180度、270度の位相で求めた曲線ロの受光光量がそれぞれA0、A1、A2、A3であるとする(受光光量A0、A1、A2、A3を斜線部で示している)。ただし、各位相における受光光量A0、A1、A2、A3は、瞬時値ではなく所定の受光期間Twで積算した受光光量を用いる。いま、受光光量A0、A1、A2、A3を求める間に、位相差ψが変化せず(つまり、物体Obまでの距離が変化せず)、かつ物体Obの反射率にも変化がないものとする。また、発光源2から放射する光の強度を正弦波で変調し、時刻tにおいて光検出素子1で受光される光の強度がA・sin(ωt+δ)+Bで表されるものとする。ここに、Aは振幅、Bは直流成分(外光成分と反射光成分との平均値)、ωは角振動数、δは初期位相である。光検出素子1で受光する受光光量A0、A1、A2、A3を受光期間Twの積算値ではなく瞬時値とし、変調の周期に同期した時刻t=n/f(n=0、1、2、…、fは変調の周波数)における受光光量を、A0=A・sin(δ)+Bとすれば、受光光量A0、A1、A2、A3は、次のように表すことができる。なお、反射光成分とは、発光源2から放射され物体Obにより反射された後に光検出素子1に入射する光の成分を意味する。
A0=A・sin(δ)+B
A1=A・sin(π/2+δ)+B
A2=A・sin(π+δ)+B
A3=A・sin(3π/2+δ)+B
図3では位相差がψであるから、光検出素子1の受光光量に関する波形の初期位相δ(時刻t=0の位相)は−ψになる。つまり、δ=−ψであるから、A0=−A・sin(ψ)+B、A1=A・cos(ψ)+B、A2=A・sin(ψ)+B、A3=−A・cos(ψ)+Bであり、結果的に、各受光光量A0、A1、A2、A3と位相差ψとの関係は、次式のようになる。
A1=A・sin(π/2+δ)+B
A2=A・sin(π+δ)+B
A3=A・sin(3π/2+δ)+B
図3では位相差がψであるから、光検出素子1の受光光量に関する波形の初期位相δ(時刻t=0の位相)は−ψになる。つまり、δ=−ψであるから、A0=−A・sin(ψ)+B、A1=A・cos(ψ)+B、A2=A・sin(ψ)+B、A3=−A・cos(ψ)+Bであり、結果的に、各受光光量A0、A1、A2、A3と位相差ψとの関係は、次式のようになる。
ψ=tan−1{(A2−A0)/(A1−A3)} …(1)
(1)式では受光光量A0、A1、A2、A3の瞬時値を用いているが、受光光量A0、A1、A2、A3として受光期間Twにおける積算値を用いても(1)式で位相差ψを求めることができる。
(1)式では受光光量A0、A1、A2、A3の瞬時値を用いているが、受光光量A0、A1、A2、A3として受光期間Twにおける積算値を用いても(1)式で位相差ψを求めることができる。
また、光検出素子1で受光される光の強度をA・cos(ωt+δ)+Bとする場合、つまり変調の周期に同期した時刻t=n/f(n=0、1、2、…)における受光光量を、A0=A・cos(δ)+Bとすれば、位相差ψを次式で求めることができる。
ψ=tan−1{(A1−A3)/(A0−A2)}
この関係は、変調の周期に同期させるタイミングを90度ずらした関係である。また、距離値の符号は正であるから、位相差ψを求めたときに符号が負になる場合には、tan−1の括弧内の分母または分子の各項の順序を入れ換えるか括弧内の絶対値を用いるようにしてもよい。
この関係は、変調の周期に同期させるタイミングを90度ずらした関係である。また、距離値の符号は正であるから、位相差ψを求めたときに符号が負になる場合には、tan−1の括弧内の分母または分子の各項の順序を入れ換えるか括弧内の絶対値を用いるようにしてもよい。
本実施形態では発光源2を、車体50の後部に取り付けられ、後退時に車両後方を照らして後方視界を得るための後退灯51で構成してあり(図2参照)、左右の後退灯51の近傍に光検出素子1を配置している。なお光検出素子1は後退灯51の灯体内部に配置しても良い。後退灯51の光源としては、対象空間に照射する光の強度を変調するために、例えば多数個の発光ダイオードを一平面上に配列したものを用いる。また、発光源2は、制御回路部3から出力される所定の変調周波数である変調信号によって駆動され、発光源2から放射される光は変調信号により強度が変調される。制御回路部3では、たとえば20MHzの正弦波で発光源2から放射する光の強度を変調する。ここで、制御回路部3では、例えば20MHzの正弦波で発光源2から放射する光の強度を変調しているので、人間の目には後退灯51の照射光の強度変化が感知されることはなく、ユーザが違和感を感じることはない。尚、後退灯51の光源としては発光ダイオード以外のものでも良く、白熱電球やHIDランプなど強度が周期的に変化するように変調された可視光を放射するものであれば、どのような光源を用いても良い。また、発光源2から放射する光の強度は正弦波で変調する以外に、三角波、鋸歯状波などで変調してもよく、要するに、一定周期で強度を変調するのであれば、どのような構成を採用してもよい。
光検出素子1は、規則的に配列された複数個の感光部11を備える。また、感光部11への光の入射経路には受光光学系19が配置される。感光部11は光検出素子1において対象空間からの光が受光光学系19を通して入射する部位であって、感光部11において受光光量に応じた量の電荷を生成する。また、感光部11は、平面格子の格子点上に配置され、たとえば垂直方向(つまり、縦方向)と水平方向(つまり、横方向)とにそれぞれ等間隔で複数個ずつ並べたマトリクス状に配列される。
受光光学系19は、光検出素子1から対象空間を見るときの視線方向と各感光部11とを対応付ける。すなわち、受光光学系19を通して各感光部11に光が入射する範囲を、受光光学系19の中心を頂点とし各感光部11ごとに設定された頂角の小さい円錐状の視野とみなすことができる。したがって、発光源2から放射され対象空間に存在する物体Obで反射された反射光が感光部11に入射すれば、反射光を受光した感光部11の位置により、受光光学系19の光軸を基準方向として物体Obの存在する方向を知ることができる。
受光光学系19は一般に感光部11を配列した平面に光軸を直交させるように配置されるから、受光光学系19の中心を原点とし、感光部11を配列した平面の垂直方向と水平方向と受光光学系19の光軸とを3軸の方向とする直交座標系を設定すれば、対象空間に存在する物体Obの位置を球座標で表したときの角度(いわゆる方位角と仰角)が各感光部11に対応する。なお、受光光学系19は、感光部11を配列した平面に対して光軸が90度以外の角度で交差するように配置することも可能である。
本実施形態では、上述のように、物体Obまでの距離を求めるために、発光源2から対象空間に照射される光の強度変化に同期する4点のタイミングで受光光量A0、A1、A2、A3を求めている。したがって、目的の受光光量A0、A1、A2、A3を得るためのタイミングの制御が必要である。また、発光源2から対象空間に照射される光の強度変化の1周期において感光部11で発生する電荷の量は少ないから、複数周期に亘って電荷を集積することが望ましい。そこで、図1のように各感光部11で発生した電荷をそれぞれ集積する複数個の電荷集積部13を設けるとともに、各感光部11の感度をそれぞれ調節する複数個の感度制御部12を設けている。
各感度制御部12では、感度制御部12に対応する感光部11の感度を上述した4点のうちのいずれかのタイミングで高め、感度が高められた感光部11では当該タイミングの受光光量A0、A1、A2、A3に対応する電荷を主として生成するから、当該受光光量A0、A1、A2、A3に対応する電荷を当該感光部11に対応する電荷集積部13に集積させることができる。
以下では、感度制御部12の具体的な構成として、感光部11で生成された電荷のうち電荷集積部13に与える電荷の割合を調節する技術と、実質的に感光部11として機能する部位の面積を変化させる技術とを示す。電荷集積部13に与える電荷の割合を調節する技術には、感光部11から電荷集積部13への通過率を調節する技術と、感光部11から電荷を廃棄する廃棄率を調節する技術と、通過率と廃棄率との両方を調節する技術とがある。
感度制御部12において通過率と廃棄率とを調節する技術では、図4に示すように、感光部11と電荷集積部13との間にゲート電極12aを設け、ゲート電極12aに印加する通過電圧を変化させることにより、感光部11から電荷集積部13への電荷の移動(つまり、通過率)を制御する。また、電荷廃棄部12cを設け、電荷廃棄部12cに付設した廃棄電極12bに印加する廃棄電圧を変化させることにより、感光部11から電荷廃棄部12cへの電荷の移動(つまり、廃棄率)を制御する。電荷集積部13は感光部11ごとに一対一に対応するように設けられ、電荷廃棄部12cは複数個の感光部11に共通させて一対多に対応するように設けられる。図示例では、光検出素子1のすべての感光部11で1組の廃棄電極12bおよび電荷廃棄部12cを共用している。
感度を制御するために、感光部11からの電荷の廃棄を行わずに感光部11から電荷集積部13への通過率の制御のみを行うことが考えられるが、電荷の廃棄を行わなければ感光部11において電荷が暫時残留するから、感光部11で生成された電荷のうち不要な残留電荷が、利用する電荷(以下、信号電荷という)に雑音成分として混入する。したがって、信号電荷への残留電荷の混入を防止するために、ゲート電極12aに印加する通過電圧だけでなく廃棄電極12bに印加する廃棄電圧を制御する。
ゲート電極12aと廃棄電極12bとを用いて感度を制御するには、ゲート電極12aに印加する通過電圧を一定電圧に保つことにより感光部11で生成された電荷を電荷集積部13に通過可能としておき、感光部11で生成された電荷のうち信号電荷に用いる電荷が生成される期間以外には感光部11から電荷廃棄部12cに電荷が移動するように廃棄電極12bに廃棄電圧を印加する。要するに、感光部11において信号電荷として用いる電荷が生成される期間にのみ電荷廃棄部12cへの電荷の廃棄を行わず、他の期間には電荷廃棄部12cに電荷を廃棄することにより、信号電荷として用いようとする期間に生成された電荷のみを電荷集積部13に集積する。
いま、図5(a)のような変調信号により発光源2から空間に照射される光の強度が変調されているとする。電荷集積部13には変調信号の複数周期(数万〜数十万周期)において変調信号に同期する特定の区間の受光光量A0,A1,A2,A3に相当する電荷を集積し、各区間の電荷の集積毎に集積した信号電荷を取り出して次の区間の電荷を集積する。たとえば、受光光量A0に相当する電荷を変調信号の数万周期について集積すると、この受光光量A0に相当する信号電荷を一旦外部に取り出し、その後、受光光量A1に相当する電荷を変調信号の数万周期について集積する。
図5は受光光量A0に相当する電荷を集積している状態を示しており、図5(b)に示すようにゲート電極12aに印加する通過電圧を一定電圧に保っている。また、受光光量A0に相当する電荷としては、変調信号の位相が0〜90度の区間において感光部11で生成された電荷を採用している。つまり、廃棄電極12bには、図5(c)のように変調信号の位相が90〜360度の区間において、感光部11で生成される電荷を不要電荷とするように廃棄電圧を印加する。この制御により、図5(d)のように所望の区間の受光光量A0に対応した信号電荷を電荷集積部13に集積することが可能になる。図5に示す処理は変調信号の数万〜数十万周期について行われ、この期間に電荷集積部13に得られた信号電荷は受光光量A0に対応する受光出力として電荷取出部14により取り出される。
電荷取出部14から取り出された電荷は画像生成部4に画像信号として与えられ、画像生成部4において、対象空間内の物体Obまでの距離が、上述した(1)式を用いて受光光量A0、A1、A2、A3に対応する受光出力から算出される。すなわち、画像生成部4では各感光部11に対応した各方向における物体Obまでの距離が算出され、対象空間の三次元情報が算出される。この三次元情報を用いると、対象空間の各方向に一致する画素の画素値が距離値である距離画像を生成することができる。
なお、上述の制御では、廃棄電極12bに廃棄電圧を印加している期間においてゲート電極12aにも一定電圧である通過電圧を印加しているが、廃棄電圧と通過電圧との大小関係を適宜に設定すれば、不要電荷を廃棄している期間には信号電荷がほとんど集積されないようにすることができる。また、変調信号の数万〜数十万周期について電荷を集積しているのは、集積する電荷量を多くすることによって高感度化するためであり、変調信号をたとえば20MHzと設定すれば、30フレーム/秒で信号電荷を取り出すとしても、数十万周期以上の集積が可能になる。
上述したように、廃棄電極12bを備えた電荷廃棄部12cを設け、感光部11に生じた電荷のうち信号電荷として利用しない不要電荷を電荷廃棄部12cに積極的に廃棄しているから、感光部11において電荷集積部13に信号電荷を与えていない期間に感光部11で生成される電荷はほとんどが不要電荷として廃棄されることになり、信号電荷への雑音成分の混入が大幅に抑制される。
上述の例では、ゲート電極12aに一定電圧である通過電圧を印加している期間に廃棄電極12bに廃棄電圧を印加する期間と印加しない期間とを設けることによって、廃棄電圧が印加されていない期間において感光部11に生成された電荷を信号電荷として用いているが、図6に示すように、ゲート電極12aに通過電圧を印加する期間と廃棄電極12bに廃棄電圧を印加する期間とが重複しないように制御してもよい。
図6は受光光量A0に対応する信号電荷を集積する場合の動作を示している。図6(a)は発光源2から空間に照射される光の強度を変調する変調信号を示しており、ゲート電極12aには、図6(b)のように、受光光量A0に対応するタイミングで通過電圧を印加する。ゲート電極12aに通過電圧を印加する期間は、変調信号の位相における0度から一定期間(図示例では0〜90度)に設定され、この期間において感光部11から電荷集積部13への電荷の移動が可能になる。一方、廃棄電極12bには、図6(c)のように、電荷集積部13に受光光量A0に相当する信号電荷を集積する期間以外において廃棄電圧を印加し、信号電荷を集積する期間以外では感光部11で生成した電荷を不要電荷として電荷廃棄部12cに廃棄する。このような制御によって、図6(d)のように受光光量A0に相当する信号電荷を取り出すことが可能になる。
図6に示す制御では、ゲート電極12aに通過電圧を印加している期間と廃棄電極12bに廃棄電圧を印加している期間とが異なるから、図5に示した制御例のように通過電圧と廃棄電圧との大小関係を考慮しなくとも通過電圧と廃棄電圧との大きさを独立して制御することができ、結果的に通過電圧および廃棄電圧の制御が容易になり、感光部11で受光した光量に対して信号電荷を取り込む割合である感度の制御が容易になるとともに、感光部11で生成された電荷のうち不要電荷として廃棄する割合の制御が容易になる。また、図6に示す制御例では、電荷集積部13に信号電荷を集積する期間はゲート電極12aに印加する通過電圧により規定されるから、廃棄電極12bに廃棄電圧を印加する期間を短縮することが可能であり、たとえば、ゲート電極12aに通過電圧を印加する直前の所定期間にのみ廃棄電極12bに廃棄電圧を印加することも可能である。
図6に示す制御を行えば、感光部11で生成した電荷を電荷集積部13に信号電荷として集積していない期間において感光部11で生成される電荷をほとんど不要電荷として廃棄するから、信号電荷への雑音成分の混入が大幅に抑制されることになる。
通過電圧と廃棄電圧との制御例としては、図7に示すように、廃棄電極12bに印加する廃棄電圧を一定電圧に保って感光部11で生成された電荷の一部をつねに廃棄するようにしてもよい。図7の制御例では、ゲート電極12aに通過電圧を印加する期間と印加しない期間とを設け、通過電圧を印加する期間を電荷集積部13に信号電荷を集積する期間としている。
図7は受光光量A0に相当する信号電荷を集積する場合の動作を示している。図7(a)は発光源2から空間に照射される光の強度を変調する変調信号を示しており、電荷集積部13に設けたゲート電極12aには、図7(b)のように、受光光量A0に対応する期間に通過電圧が印加され、感光部11において生成された電荷を受光光量A0に相当する信号電荷として電荷集積部13に集積する。つまり、ゲート電極12aに通過電圧を印加する期間は、変調信号の位相における0度から一定期間(図示例では0〜90度)に設定され、この期間において感光部11から電荷集積部13への電荷の移動が可能になる。一方、廃棄電極12bには、図7(c)のように、直流電圧である一定電圧の廃棄電圧がつねに印加され、感光部11で生成された電荷の一部をつねに不要電荷として電荷廃棄部12cに廃棄する。上述の制御では、信号電荷を電荷集積部13に集積する期間にのみゲート電極12aに通過電圧を印加しているから、図7(d)のように受光光量A0に相当する信号電荷を取り出すことが可能になる。
図7に示す制御では、ゲート電極12aに通過電圧を印加しているか否かにかかわらず廃棄電極12bに一定電圧の廃棄電圧を印加しているから、感光部11において生成された電荷のうち電荷集積部13に信号電荷として集積されなかった不要電荷は、廃棄電荷として電荷廃棄部12cに廃棄される。ここで、感光部11で生成された電荷の一部を信号電荷として電荷集積部13に集積する期間においても感光部11から電荷廃棄部12cへの電荷の廃棄が継続しているから、信号電荷を電荷集積部13に適正に集積するために、通過電圧と廃棄電圧との大小関係を考慮する必要がある。ただし、廃棄電圧は一定電圧であって廃棄電極12bにつねに印加しているだけであるから、実際には通過電圧のみを制御すればよく、制御自体は容易である。
図4に示した感度制御部12を備える光検出素子1は、オーバーフロードレインを備えたCCDイメージセンサにより実現することができる。CCDイメージセンサにおける電荷の転送方式はどのようなものでもよく、インターライントランスファ(IT)方式、フレームトランスファ(FT)方式、フレームインターライントランスファ(FIT)方式のいずれであってもよい。
図8に縦型オーバーフロードレインを備えるインターライントランスファ方式のCCDイメージセンサの構成を示す。図示例は、感光部11となるフォトダイオード41を水平方向と垂直方向とに複数個ずつ(図では3×4個)配列した2次元イメージセンサであって、垂直方向に配列したフォトダイオード41の各列の右側方にCCDからなる垂直転送レジスタ42を備え、フォトダイオード41および垂直転送レジスタ42が配列された領域の下方にCCDからなる水平転送レジスタ43を備える。垂直転送レジスタ42は各フォトダイオード41ごとに2個ずつの転送電極42a,42bを備え、水平転送レジスタ43は各垂直転送レジスタ42ごとに2個ずつの転送電極43a,43bを備える。
フォトダイオード41と垂直転送レジスタ42と水平転送レジスタ43とは1枚の半導体基板40上に形成され、半導体基板40の主表面には、フォトダイオード41と垂直転送レジスタ42と水平転送レジスタ43との全体を囲む形でアルミニウム電極であるオーバーフロー電極44が、半導体基板40の全周に亘って絶縁膜を介さずに半導体基板40に直接接触するように設けられる。オーバーフロー電極44に半導体基板40に対して正極性になる適宜の廃棄電圧を印加すればフォトダイオード41で生成された電子(電荷)はオーバーフロー電極44を通して廃棄される。オーバーフロー電極44は、感光部11であるフォトダイオード41において生成した電荷のうち不要電荷を廃棄する際に廃棄電圧が印加されるから廃棄電極12bとして機能し、オーバーフロー電極44に廃棄電圧を印加する電源が感光部11で生成された電子(電荷)を廃棄する電荷廃棄部12cとして機能する。半導体基板40の表面はフォトダイオード41に対応する部位を除いて遮光膜46(図9参照)により覆われる。
図8に示したCCDイメージセンサについて、1個のフォトダイオード41に関連する部分を切り出して図9に示す。半導体基板40にはn形半導体を用い、半導体基板40の主表面にはフォトダイオード41と垂直転送レジスタ42とに跨る領域にp形半導体からなるウェル領域31を形成している。ウェル領域31は、フォトダイオード41に対応する領域に比較して垂直転送レジスタ42に対応する領域の厚み寸法が大きくなるように形成してある。ウェル領域31のうちフォトダイオード41に対応する領域にはn+形半導体層32を重ねて設けてあり、ウェル領域31とn+形半導体層32とのpn接合によってフォトダイオード41が形成される。フォトダイオード41の表面にはp+形半導体からなる表面層33を積層してある。表面層33はフォトダイオード41で生成された電荷を垂直転送レジスタ42に移動させる際に、n+形半導体層32の表面付近が電荷の通過経路にならないように制御する目的で設けてある。このような構造は、埋込フォトダイオードとして知られている。
ウェル領域31のうち垂直転送レジスタ42に対応する領域にはn形半導体からなる蓄積転送層34を重ねて設けてある。蓄積転送層34の表面と表面層33の表面とは略同一平面であって、蓄積転送層34の厚み寸法は表面層33の厚み寸法よりも大きくしてある。蓄積転送層34は、表面層33とは接触しているが、n+形半導体層32との間には、表面層33と不純物濃度が等しいp+形半導体からなる分離層35が介在する。蓄積転送層34の表面には、絶縁膜45を介して転送電極42a,42bが配置される。転送電極42a,42bは1個のフォトダイオード41に対して2個ずつ設けられ、垂直方向において2個の転送電極42a,42bのうちの一方は他方よりも広幅に形成される。具体的には、図10のように、1個のフォトダイオード41に対応する2個の転送電極42a,42bのうち狭幅の転送電極42bは平板状に形成されており、広幅の転送電極42aは、幅狭の転送電極42bと同一平面上に配列され一対の転送電極42bの間に配置される平板状の部分と、平板状の部分の垂直方向(図10の左右方向)における両端部からそれぞれ延長され転送電極42bの上に重複する湾曲した部分とを備える。ここに、絶縁膜45はSiO2 により形成され、また転送電極42a,42bはポリシリコンにより形成され、各転送電極42a,42bは絶縁膜45を介して互いに絶縁されている。さらに、フォトダイオード41に光を入射させる部位を除いて光検出素子1の表面は遮光膜46により覆われる。ウェル領域31において垂直転送レジスタ42に対応する領域および蓄積転送層34は垂直転送レジスタ42の全長に亘って形成され、したがって、蓄積転送層34には広幅の転送電極42aと狭幅の転送電極42bとが交互に配列される。
上述した光検出素子1では、フォトダイオード41が感光部11に相当し、転送電極42aが通過電極12aに相当し、オーバーフロー電極44が廃棄電極12bに相当し、垂直転送レジスタ42が電荷集積部13および電荷取出部14の一部として機能する。また、水平転送レジスタ43も電荷取出部14の一部になる。すなわち、フォトダイオード41に光が入射すれば電荷が生成され、フォトダイオード41で生成された電荷のうち垂直転送レジスタ42に信号電荷として引き渡される電荷の割合は転送電極42aに印加する通過電圧とオーバーフロー電極44に印加する廃棄電圧との関係によって決めることができる。転送電極42aに通過電圧を印加すると蓄積転送層34にポテンシャル井戸が形成され、通過電圧の制御によりポテンシャル井戸の深さを制御することができる。したがって、ポテンシャル井戸の深さおよび通過電圧を印加する時間とを制御すれば、フォトダイオード41から垂直転送レジスタ42に引き渡される電荷の割合を調節することができる。また、オーバーフロー電極44に印加する廃棄電圧を制御すれば、フォトダイオード41と半導体基板40との間の電位勾配を制御することができるから、電位勾配と廃棄電圧を印加する時間とを制御すれば、垂直転送レジスタ42に引き渡される電荷の割合を調節することができる。制御電圧と廃棄電圧とは図5ないし図7に示した制御例のように制御すればよい。
フォトダイオード41から垂直転送レジスタ42に引き渡された信号電荷は、上述した4区間の受光光量A0,A1,A2,A3のうちの各1区間の受光光量A0,A1,A2,A3に相当する信号電荷が集積されるたびに読み出される。たとえば、受光光量A0に相当する信号電荷が各フォトダイオード41に対応して形成されるポテンシャル井戸に集積されると信号電荷を読み出し、次に受光光量A1に相当する信号電荷がポテンシャル井戸に集積されると再び信号電荷を読み出すという動作を繰り返す。なお、各受光光量A0,A1,A2,A3に相当する信号電荷を集積する期間は等しく設定しておく。
ところで、上述した制御例のうち、図5に示す制御例では、感光部11(フォトダイオード41)で生成された電荷(電子)を電荷集積部13(垂直転送レジスタ42)に対してつねに引き渡しているから、電荷集積部13に集積された電荷は必ずしも目的の受光光量A0、A1、A2、A3が得られる期間に生成された電荷だけではなく、目的外の期間に生成された電荷も混入することになる。いま、感度制御部12において、受光光量A0、A1、A2、A3に対応した電荷を生成する期間の感度をα、それ以外の期間の感度をβとし、感光部11は受光光量に比例する電荷を生成するものとする。この条件では、受光光量A0に対応した電荷を集積する電荷集積部13には、αA0+β(A1+A2+A3)+βAx(Axは受光光量A0、A1、A2、A3が得られる期間以外の受光光量)に比例する電荷が集積され、受光光量A2に対応した電荷を集積する電荷集積部13には、αA2+β(A0+A1+A3)+βAxに比例する電荷が集積される。上述したように、位相差ψを求める際には(A2−A0)を求めており、(A2−A0)に相当する値を電荷集積部13に集積した電荷から求めると(α−β)(A2−A0)になり、同様にして(A1−A3)に相当する値は(α−β)(A1−A3)になるから、(A2−A0)/(A1−A3)は電荷の混入の有無によらず理論上は同じ値になるのであって、電荷が混入しても求める位相差ψは同じ値になる。
上述した構成例では、CCDイメージセンサを光検出素子1に用い、電荷集積部13に通過させる電荷の量と、電荷廃棄部12cに廃棄する電荷の量との少なくとも一方を制御することにより感度制御部12を構成する例を示したが、以下に示す感度制御部12は、感光部11において利用できる電荷を生成する領域の面積(実質的な受光面積)を変化させるものである。
以下に光検出素子1の具体的構造例を説明する。図11に示す光検出素子1は、複数個(たとえば、100×100個)の感光部11をマトリクス状に配列したものであって、たとえば1枚の半導体基板上に形成される。1個の感光部11は不純物を添加した半導体層21に酸化膜からなる絶縁膜22を介して複数個(図では5個)の制御電極23を配列した構成を有する。図示例では電極が並ぶ方向(左右方向)が垂直方向であり、感光部11で生成した電荷(本実施形態では、電子を用いる)を取り出す際には、垂直転送レジスタにより電荷を垂直方向に転送した後、水平転送レジスタを用いて水平方向に転送される。つまり、垂直転送レジスタと水平転送レジスタとにより電荷取出部14が構成される。垂直転送レジスタおよび水平転送レジスタの構成には、CCDイメージセンサにおけるインターライントランスファ(IT)方式、フレームトランスファ(FT)方式、フレームインターライントランスファ(FIT)方式と同様の構成を採用することができる。
すなわち、垂直方向に並ぶ各感光部11が一体に連続する半導体層21を共用するとともに半導体層21を垂直転送レジスタに用いれば、半導体層21が感光部11と電荷の転送経路とに兼用された構造になり、FT方式のCCDイメージセンサと同様にして電荷を垂直方向に転送することができ、また、感光部11から転送ゲートを介して垂直転送レジスタに電荷を転送すれば、IT方式またはFIT方式のCCDイメージセンサと同様にして電荷を転送することができる。
上述のように、半導体層21は不純物が添加してあり、半導体層21の主表面は酸化膜からなる絶縁膜22により覆われ、半導体層21に絶縁膜22を介して複数個の制御電極23を配置している。この光検出素子1はMIS素子として知られた構造であるが、1個の光検出素子1として機能する領域に複数個(図示例では5個)の制御電極23を備える点が通常のMIS素子とは異なる。絶縁膜22および制御電極23は発光源2から対象空間に照射される光と同波長の光が透過するように材料が選択され、絶縁膜22を通して半導体層21に光が入射すると、半導体層21の内部に電荷が生成される。図示例の半導体層21の導電形はn形であり、光の照射により生成される電荷として電子eを利用する。図11は1個の感光部11に対応する領域のみを示したものであり、半導体基板(図示せず)には上述したように図11の構造を持つ領域が複数個配列されるとともに電荷取出部14となる構造が設けられる。電荷取出部14として設ける垂直転送レジスタは、図11の左右方向に電荷を転送することを想定しているが、図11の面に直交する方向に電荷を転送する構成を採用することも可能である。また、電荷を図の左右方向に転送する場合には、制御電極23の左右方向の幅寸法を1μm程度に設定するのが望ましい。
この構造の光検出素子1では、制御電極23に正の制御電圧+Vを印加すると、半導体層21には制御電極23に対応する部位に電子eを集積するポテンシャル井戸(空乏層)24が形成される。つまり、半導体層21にポテンシャル井戸24を形成するように制御電極23に制御電圧を印加した状態で光が半導体層21に照射されると、ポテンシャル井戸24の近傍で生成された電子eの一部はポテンシャル井戸24に捕獲されてポテンシャル井戸24に集積され、残りの電子eは半導体層21の深部での再結合により消滅する。また、ポテンシャル井戸24から離れた場所で生成された電子eも半導体層21の深部での再結合により消滅する。
ポテンシャル井戸24は制御電圧を印加した制御電極23に対応する部位に形成されるから、制御電圧を印加する制御電極23の個数を変化させることによって、半導体層21の主表面に沿ったポテンシャル井戸24の面積(言い換えると、受光面において利用できる電荷を生成する領域の面積)を変化させることができる。つまり、制御電圧を印加する制御電極23の個数を変化させることは感度制御部12における感度の調節を意味する。たとえば、図11(a)のように3個の制御電極23に制御電圧+Vを印加する場合と、図11(b)のように1個の制御電極23に制御電圧+Vを印加する場合とでは、ポテンシャル井戸24が受光面に占める面積が変化するのであって、図11(a)の状態のほうがポテンシャル井戸24の面積が大きいから、図11(b)の状態に比較して同光量に対して利用できる電荷の割合が多くなり、実質的に感光部11の感度を高めたことになる。このように、感光部11および感度制御部12は半導体層21と絶縁膜22と制御電極23とにより構成されていると言える。ポテンシャル井戸24は光照射により生成された電荷を保持するから電荷集積部13として機能する。
上述したように、ポテンシャル井戸24から電荷を取り出すには、CCDイメージセンサと同様の技術を採用する。たとえば感光部11を垂直転送レジスタとして用いる場合は、ポテンシャル井戸24に電子eが集積された後に、電荷の集積時とは異なる印加パターンの制御電圧を制御電極23に印加することによってポテンシャル井戸24に集積された電子eを一方向(たとえば、図の右方向)に転送することができる。あるいはまた、感光部11とは別に設けた垂直転送レジスタに転送ゲートを介して感光部11から電荷を転送する構成を採用することもできる。垂直転送レジスタからは水平転送レジスタに電荷を引き渡し、水平転送レジスタを転送された電荷は、半導体基板に設けた図示しない電極から光検出素子1の外部に取り出される。
図11に示す構成における感度制御部12は、利用できる電荷を生成する面積を大小2段階に切り換えることにより感光部11の感度を高低2段階に切り換えるのであって、受光光量A0、A1、A2、A3のいずれかに対応する電荷を感光部11で生成しようとする期間にのみ高感度とし(電荷を生成する面積を大きくし)、他の期間には低感度にする。高感度にする期間と低感度にする期間とは、発光源2を駆動する変調信号に同期させて設定される。具体的には、変調信号に同期する特定の区間(特定位相の区間)において、電荷を生成する面積を大きくして感光部11で生成した電荷を集積し、上記特定区間以外の他の区間において、電荷を生成する面積を小さくして感光部11で生成した電荷を蓄積する。すなわち、感光部11において、電荷を集積する機能と蓄積する機能とが交互に実現される。ここで、集積とは電荷を集めることを意味し、蓄積とは電荷を保持することを意味する。言い換えると、図11に示す構成では、感光部11に設けた電荷集積部13の大きさ(面積)を変化させることにより、電荷を集積する期間には感光部11で生成された電荷の集積率を大きくし、電荷を蓄積する期間には感光部11で生成された電荷の集積率を小さくするのである。
また、変調信号の複数周期に亘ってポテンシャル井戸24に電荷を集積した後に電荷取出部14を通して光検出素子1の外部に電荷を取り出すようにしている。変調信号の複数周期に亘って電荷を集積しているのは、変調信号の1周期内では感光部11が利用可能な電荷を生成する期間が短く(たとえば、変調信号の周波数を20MHzとすれば50nsの4分の1以下)、生成される電荷が少ないからである。つまり、変調信号の複数周期分の電荷を集積することにより、信号電荷(発光源2から照射された光に対応する電荷)と不要電荷(主に外光成分および光検出素子1の内部で発生するショットノイズに対応する電荷)との比を大きくとることができ、大きなSN比が得られる。
ところで、位相差ψを求めるのに必要な4区間の受光光量A0、A1、A2、A3に対応する電荷を1個の感光部11で生成するとすれば、視線方向に関する分解能は高くなるが、各受光光量A0、A1、A2、A3に対応する電荷を求める時間差が大きくなるという問題が生じる。一方、各受光光量A0、A1、A2、A3に対応する電荷を4個の感光部11でそれぞれ生成するとすれば、各受光光量A0、A1、A2、A3に対応する電荷を求める時間差は小さくなるが、4区間の電荷を求める視線方向にずれが生じ視線方向に関する分解能は低下する。そこで、2個の感光部11を用いることにより、変調信号の1周期内で受光光量A0、A1、A2、A3に対応する電荷を2種類ずつ生成する構成を採用してもよい。つまり、2個の感光部11を組にして用い、組になる2個の感光部11に同じ視線方向からの光が入射するようにしてもよい。
この構成を採用することにより、視線方向の分解能を比較的高くし、かつ受光光量A0、A1、A2、A3に対応する電荷を生成する時間差を少なくすることができる。つまり、受光光量A0、A1、A2、A3に対応する電荷を生成する時間差を少なくしていることにより、対象空間の中で移動している物体Obについても距離の検出精度を比較的高く保つことができる。なお、この構成では、1個の感光部11で4種類の受光光量A0、A1、A2、A3に対応する電荷を生成する場合よりも視線方向の分解能が低下するが、視線方向の分解能については感光部11の小型化や受光光学系19の設計によって向上させることが可能である。
以下に動作を具体的に説明する。図11に示した例では、1個の感光部11について5個の制御電極23を設けた例を示しているが、両側の2個の制御電極23は、感光部11で電荷(電子e)を生成している間に隣接する感光部11に電荷が流出するのを防止するための障壁を形成するものであって、2個の感光部11を組にして用いる場合には隣接する感光部11のポテンシャル井戸24の間には、いずれかの感光部11で障壁が形成されるから、各感光部11には3個ずつの制御電極23を設けるだけで足りることになる。この構成によって、感光部11の1個当たりの占有面積が小さくなり、2個の感光部11を組にして用いながらも視線方向の分解能の低下を抑制することが可能になる。
なお、上述した距離画像センサ10の構成例では、受光光量A0、A1、A2、A3に対応する4区間を変調信号の1周期内で位相の間隔が90度ずつになるように設定しているが、変調信号に対する位相が既知であれば4区間は90度以外の適宜の間隔で設定することが可能である。ただし、間隔が異なれば位相差ψを求める算式は異なる。また、4区間の受光光量に対応した電荷を取り出す周期は、物体Obの反射率および外光成分が変化せず、かつ位相差ψも変化しない時間内であれば、変調信号の1周期内で4区間の信号電荷を取り出すことも必須ではない。さらに、太陽光や照明光のような外乱光の影響があるときには、発光源2から放射される光の波長のみを透過させる光学フィルタを感光部11の前に配置するのが望ましい。
ところで、上述した距離画像センサ10では、各感光部11において受光光量に応じた量の電荷を生成するから、各受光光量A0、A1、A2、A3は物体Obの明るさを反映している。つまり、受光光量A0、A1、A2、A3から得られる直流成分Bは濃淡画像における濃度値に相当する。換言すれば、各感光部11での受光光量A0、A1、A2、A3を用いると、物体Obまでの距離を求めるほか、物体Obの濃度値も得ることが可能になる。しかも、同じ位置の感光部11を用いて物体Obの距離と濃度値とを求めるから、同じ位置について濃度値と距離値との両方の情報を得ることが可能になる。そこで、本実施形態の画像生成部4では距離画像とともに濃淡画像を生成し、同じ感光部11から距離画像と濃淡画像とを生成する。したがって、画像生成部4では、対象空間の同じ位置についてほぼ同時刻の距離値と濃度値とを求めることが可能になる。濃度値としては、受光光量A0、A1、A2、A3の平均値(つまり、直流成分B)を用いるから、発光源2からの強度変調の光の影響を除去できる。
次に、上述の距離画像センサ10を用いた障害物監視装置の全体構成について説明する。本実施形態の障害物監視装置は、図1に示すように、上述の距離画像センサ10と、障害物監視部5と、警報出力部6とを備えている。
ここで、本実施形態では発光源2を後退灯51で構成してあり、前進時には後退灯51は消灯しているので、光検出素子1は外光成分のみを受光することになり、画像生成部4は濃淡画像のみを生成する。一方、後退時にギアをリバースに入れると、後退灯51が点灯して、制御回路部3により後退灯51の照射光の強度が周期的に変化するように変調されるので、画像生成部4によって、後退灯51からの照射光が対象空間内の物体で反射されて感光部11で受光されるまでの光の位相差を物体までの距離に換算した距離値を画素値とする距離画像と濃淡画像の両方が生成される。
障害物監視部5では、画像生成部4で生成された距離画像をもとに車両後方の対象空間における障害物を監視しており、例えば画素値が所定の安全距離よりも短い画素が存在すれば、対象空間内の障害物までの距離が安全距離よりも短くなった(つまり障害物に非常に接近した)と判断して警報信号を出力する。
警報出力部6は警報音を発生するブザーなどで構成され、障害物監視部5から警報信号が入力されると警報音を発生し、障害物に接近していることを運転者に報知する。なお、警報出力部6は、音声で警報を伝える音声出力装置や、光で警報を発するランプなどで構成しても良く、障害物監視部5が障害物の接近を検知すると、警報出力部6が警報を発することで、車体50が障害物に接触するのを未然に防止することができる。
また、障害物監視部5では、障害物までの距離が所定の安全距離より短くなると警報信号を発生しているため、物体の大きさに関係無く、車体50から所定の安全距離以内に物体があれば警報信号を発生するのであるが、画像生成部4で生成された距離画像から、画素値(すなわち距離値)が所定の安全距離よりも短い画素の集合体を抽出し、この集合体の面積が所定のしきい値を超えると、警報信号を発生するようにしても良く、或る程度の大きさの物体に接近した場合のみ警報を出力させることができる。
以上説明したように本実施形態では、強度が周期的に変化するように変調した可視光を車両外部の対象空間に照射する発光源2と、受光光量に応じた電気出力を発生する複数個の感光部11が配列されて対象空間を撮像する光検出素子1と、発光源2から対象空間に照射された光が対象空間内の物体で反射されて各感光部11で受光されるまでの光の位相差を物体までの距離に換算した距離値を画素値とする距離画像を生成する画像生成部4とを備えた距離画像センサ10を用い、対象空間内の物体までの距離値を画素値とする距離画像を得ているので、超音波センサを用いて距離情報を得る場合のように気温や風の影響を受けて測定誤差が発生することがなく、またセンサの取付位置の近傍に検出不可能な不感帯が発生することがない。しかも、発光源2として車体50への取り付けが義務付けられている車両灯火装置(後退灯51)を用いているので、新たな光源を車体50に取り付ける必要が無く、後退灯51を距離画像センサ10の発光源2に兼用することで、部品を共用してコストダウンを図ることができる。
尚、画像生成部4は対象空間の距離画像と濃淡画像の両方を生成しているので、生成された濃淡画像を車室内に設置されたディスプレイ装置(図示せず)に表示させることで、車両の後方をモニタすることも可能である。
(実施形態2)
以下に、本発明に係る車両用距離画像センサを、車両前方の障害物を監視する障害物監視装置に適用した一実施形態を説明する。
以下に、本発明に係る車両用距離画像センサを、車両前方の障害物を監視する障害物監視装置に適用した一実施形態を説明する。
本実施形態の車間距離監視装置は、実施形態1と同様に、距離画像センサ10と、障害物監視部5と、警報出力部6とで構成される(図1参照)。尚、距離画像センサ10は実施形態1と共通のものなので、共通する構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。
本実施形態では発光源2を、車体の前部に取り付けられて前方を照らす前照灯52で構成してあり(図12参照)、左右の前照灯52の近傍に光検出素子1を配置している。なお光検出素子1は前照灯52の灯体内部に配置しても良い。前照灯52の消灯時には光検出素子1は外光成分のみを受光することになり、画像生成部4は濃淡画像のみを生成する。一方、夜間やトンネル走行時に前方視界を確保するため、或いは、昼間に他の車両や通行人からの視認性を向上させるために前照灯52を点灯させると、制御回路部3により前照灯52の照射光の強度が周期的に変化するように変調されるので、画像生成部4によって、前照灯52からの照射光が対象空間内の物体で反射されて感光部11で受光されるまでの光の位相差を物体までの距離に換算した距離値を画素値とする距離画像と濃淡画像の両方が生成される。
ここで、前照灯52の光源としては、対象空間に照射する可視光の強度を変調するため、例えば多数個の発光ダイオードを一平面上に配列したものを用いるのが好ましい。発光源2は、制御回路部3から出力される所定の変調周波数である変調信号によって駆動され、発光源2から放射される光は変調信号により強度が変調される。制御回路部3では、例えば20MHzの正弦波で発光源2から放射する光の強度を変調しているので、人間の目には前照灯52の照射光の強度変化が感知されることはなく、ユーザが違和感を感じることはない。尚、前照灯52の光源としては発光ダイオード以外のものでも良く、白熱電球やHIDランプなど強度が周期的に変化するように変調した可視光を照射するものであれば、どのような光源を用いても良い。また、発光源2から放射する光の強度は正弦波で変調する以外に、三角波、鋸歯状波などで変調してもよく、要するに、一定周期で強度を変調するのであれば、どのような構成を採用してもよい。
障害物監視部5では、画像生成部4で生成された距離画像をもとに車両前方の対象空間における障害物を監視しており、例えば画素値が所定の安全距離よりも短い画素が存在すれば、対象空間内の障害物までの距離が安全距離よりも短くなった(つまり障害物に非常に接近した)と判断して警報信号を出力する。
警報出力部6は警報音を発生するブザーなどで構成され、障害物監視部5から警報信号が入力されると警報音を発生して、障害物との距離が短いことを運転者に報知する。なお、警報出力部6は、音声で警報を伝える音声出力装置や、光で警報を発するランプなどで構成しても良い。
ここで、障害物監視部5では、図示しない車速センサから車速情報を得ており、車速が速くなるにつれて安全距離を長めに設定している。すなわち障害物に接触するまでの時間が数秒程度となるように安全距離を設定している。而して、高速走行中は安全距離を10m以上の比較的長い距離に設定し、前方を走行する他の車両までの距離(車間距離)が安全距離よりも短くなると、警報出力部6が警報信号を出力して、警報出力部6から警報を発生させており、運転者に対して前方車両との車間距離を空けるように促すことができる。また、駐車時などの低速走行時には安全距離を1m程度の比較的短い距離に設定し、前方にある障害物までの距離が安全距離より短くなると、警報出力部6が警報信号を出力して、警報出力部6から警報を発生させており、前方にある障害物との接触を未然に防止することができる。
なお障害物監視部5では、画素値が所定の安全距離よりも短い画素があると警報信号を出力しているため、物体の大きさに関係無く、車体50から安全距離以内の空間に物体があれば警報信号が出力されるのであるが、画像生成部4で生成された距離画像から、画素値(すなわち距離値)が安全距離よりも短い画素の集合体を抽出し、この集合体の面積が所定のしきい値を超えると、警報信号を出力するようにしても良く、或る程度の大きさの物体に接近した場合のみ警報信号を出力させることができる。
また本実施形態では、実施形態1で説明したように強度が周期的に変化するように変調した可視光を車両外部の対象空間に照射する発光源2と、受光光量に応じた電気出力を発生する複数個の感光部11が配列されて対象空間を撮像する光検出素子1と、発光源2から対象空間に照射された光が対象空間内の物体で反射されて各感光部11で受光されるまでの光の位相差を物体までの距離に換算した距離値を画素値とする距離画像を生成する画像生成部4とを備えた距離画像センサ10を用い、対象空間内の物体までの距離値を画素値とする距離画像を得ているので、超音波センサを用いる場合のように気温や風の影響を受けて測定誤差が発生することがなく、またセンサの取付位置の近傍に検出不可能な不感帯が発生することがない。しかも、発光源2として車体50への取り付けが義務付けられている車両灯火装置(前照灯52)を用いているので、新たな光源を車体50に取り付ける必要が無く、前照灯52を距離画像センサ10の発光源2に兼用することで、部品を共用してコストダウンを図ることができる。
なお上述の各実施形態では発光源2から可視光を照射しているため、距離値の検出結果が外光成分の影響を受けやすいが、夜間やトンネル内部など周囲が暗く障害物や前方車両との距離感が掴みにくい時間帯には外光成分の影響が殆どないので、対象空間内の物体までの距離情報を正確に検出することが可能になる。
また、画像生成部4は対象空間の距離画像と濃淡画像の両方を生成しているので、生成された濃淡画像を車室内に設置されたディスプレイ装置(図示せず)に表示させることで、車両の前方をモニタすることも可能である。
1 光検出素子
2 発光源
4 画像生成部
5 障害物監視部
10 車両用距離画像センサ
11 感光部
2 発光源
4 画像生成部
5 障害物監視部
10 車両用距離画像センサ
11 感光部
Claims (3)
- 強度が周期的に変化するように変調した可視光を車両外部の対象空間に照射する発光源と、受光光量に応じた電気出力を発生する複数個の感光部が配列されて対象空間を撮像する光検出素子と、前記発光源から対象空間に照射された光が対象空間内の物体で反射されて前記各感光部で受光されるまでの光の位相差を前記物体までの距離に換算した距離値を画素値とする距離画像を生成する距離画像生成部とを備えるとともに、前記発光源が、前記車両に取り付けられて前記車両の外部に光を照射する車両灯火装置からなることを特徴とする車両用距離画像センサ。
- 請求項1記載の車両用距離画像センサを備え、前記車両灯火装置が後退灯であり、前記距離画像生成部により生成された車両後方の距離画像をもとに、車両後方の対象空間における障害物を監視する障害物監視部を備えて成ることを特徴とする障害物監視装置。
- 請求項1記載の車両用距離画像センサを備え、前記車両灯火装置が前照灯であり、前記距離画像生成部により生成された車両前方の距離画像をもとに、車両前方の対象空間における障害物を監視する障害物監視部を備えて成ることを特徴とする障害物監視装置。
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