JP2006171328A - 位相差補償素子、光変調システム、液晶表示装置及び液晶プロジェクタ - Google Patents

位相差補償素子、光変調システム、液晶表示装置及び液晶プロジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】クロスニコル配置された一対の偏光素子による光遮断特性及び視野角特性を向上させる。
【解決手段】透明なガラス基板10にそれぞれ無機材料からなる第一位相差補償層12と第二位相差補償層14とを設ける。第一位相差補償層12は波長に対して充分に薄い高・低二種類の蒸着膜を積層して構成され、負のC−plateとなる。第二位相差補償層14は少なくとも二層構成の斜方蒸着膜で構成され、正のO−plateとなる。第一位相差補償層は光軸に関して斜めに入射した光線束に対して位相差補償を行い、第二位相差補償層は偏光子を通過した直線偏光の偏光方向を検光子の透過軸に合致しない方向に回転させ、検光子からの漏れ光を抑えてその光遮断特性を向上させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、クロスニコル配置された一対の偏光素子の間に配置して用いられる位相差補償素子に関し、詳しくは視野角依存性を改善した位相差補償素子並びにこれを用いた光変調システム及び液晶プロジェクタに関するものである。
本発明に関して以下の背景技術が知られている。
Claire Gu & Pochi Yeh「Extended Jones matrix method. II」Journal of Optical Society of America A/Vol. 10 No.5/May 1993 p966−973
液晶分子の旋光性や複屈折性を利用して光変調を行う液晶セルには、偏光素子として偏光板が併用されている。透過型の液晶セルでは、光入射面側と光出射面側にそれぞれ光軸と垂直に偏光板が配置され、光入射面側の偏光板が非偏光光を直線偏光に変換して液晶セルに入射させる偏光子、光出射面側の偏光板が液晶セルからの変調光を偏光の向きに応じて遮断あるいは透過させる検光子として機能する。このような目的で用いられる偏光素子には、偏光板のほかにワイヤグリッド偏光素子も知られているが、一般に偏光板が多用されている。偏光板は、一般にヨウ素や染料を吸着させたPVA(ポリビニルアルコール)フイルムを一軸延伸配向させ、その表裏を保護層で覆った構造で、光軸に垂直な面内で互いに直交する透過軸と吸収軸とを有している。非偏光光がこの偏光板に入射すると互いに直交する偏光成分に分解され、吸収軸と平行な偏光成分光が遮断され、透過軸と平行な偏光成分光が透過する。
この偏光板を例えばTN(Twisted Nematic)液晶セルと組み合わせ、互いの透過軸を直交させたクロスニコル配置で用いるとノーマリホワイトモードの液晶ディスプレイ装置となる。TN液晶セルは、透明電極や配向膜が形成された一対の透明な基板の間に液晶層を構成する棒状の液晶分子を充填したもので、基板間に電圧を印加しないノーマル状態のときに長軸が基板と略平行となるように保たれ、かつ厚み方向では液晶分子ごとに長軸の向きが少しずつ傾けられ全体で90°ねじられる配向状態にしてある。
この配向状態にあるTN液晶セルに偏光子を透過してきた直線偏光光を入射させると、偏光方向が液晶分子の配向状態に倣って90°回転して出射する。したがって、検光子の透過軸を偏光子の透過軸に対して直交させておけば、直線偏光光は検光子をそのまま透過して明状態の表示となる。また、TN液晶セルの電極間に飽和電圧を印加すると、液晶分子のねじれが消失して長軸が光軸方向にそろい、偏光子を透過して入射してきた直線偏光光は偏光方向を変えずに液晶セルから出射する。この出射光の偏光方向は検光子の吸収軸と一致し、検光子によって遮られることになるから暗状態の表示となる。
クロスニコル配置した一対の偏光板は偏光顕微鏡などにも用いられる。偏光板の相互間に鉱物などのサンプルを置き、偏光板を通して照明を与えて観察したとき、サンプル全体が光学的に等方性を示すものであれば、偏光板を通して入射した直線偏光は偏光方向を変えずにそのまま検光子に達するので遮られ、観察視野は暗黒になる。これに対し、サンプル内に光学異方性をもつ結晶構造が含まれている場合には、入射した直線偏光がその複屈折作用によって変調され、その変調光が検光子を通過して観察されるようになる。
このような目的で一対の偏光板をクロスニコル配置して用いた場合、検光子を通して観察するときの視野角によっては充分な遮断特性が得られないことが知られている。一対の偏光板をクロスニコル配置して一方の偏光板から入射光を入射させたとき、入射光が全て光軸に平行な光線束であれば、原理的には他方の偏光板から光線が出射することはない。しかし、一般の光源には空間的な拡がりがあるため、入射光には光軸に対して傾いた光線少なからず含まれる。例えば、液晶プロジェクタなどの機器ではメタルハライドランプや超高圧水銀ランプなどがリフレクタとともに用いられており、このような光源からの光には光軸に対して傾いた光線束も多く含まれている。このような入射光に対しては、単にクロスニコル配置した一対の偏光板だけでは十分な光遮断機能をもたせることができない。
図18は、一般的な光源からの光をクロスニコル配置した一対の偏光板を通して観察したときの光遮断特性を表し、出射側の偏光板を通過してきた光の相対輝度値が等しくなる点を結んでグラフ化している。グラフの中心が視野角0°に相当し、同心円で表した角度が視野角を、外縁に沿って表した角度は観察の方位角を示す。このグラフから、視野角が大きくなるほど相対輝度値が高くなり、視野角が60°を越えると10%以上の光が漏れて観察されることがわかる。また、一対の偏光板の吸収軸が方位角0°と90°で直交していることから、吸収軸に対して方位角45°の位置で光漏れしやすく、光遮断特性には方位角に関して90°の回転対称性が認められる。
クロスニコル配置した一対の偏光板の光遮断特性、特に視野角特性を改善するために、光路中に種々の位相差補償素子を配置することが知られている。非特許文献1には、C−plateとA−plateとを組み合わせた位相差補償素子が開示され、特に正のC−plateと四分の一波長板とを組み合わせた位相差補償素子及び、負のC−plateと四分の三波長板とを組み合わせた位相差補償素子が、クロスニコル配置した一対の偏光板の視野角特性を改善する上で効果的であることが記載されている。
非特許文献1にも記載のように、クロスニコル配置した偏光板の視野角特性を改善するには、C−plateとA−plateとを組み合わせた位相差補償素子が有効であるが、これまでは、このような位相差補償素子は一軸性の延伸した高分子フイルムを用いなければ作成することができなかった。こうした有機性材料は、温度依存性や吸湿性の点で問題があり、光学特性が使用環境や長時間の使用によって変化しやすいという欠点がある。また、視野角が改善されるとは言え、視野角が60°を越えると10%程度の光漏れを防ぐことは難しいのが実情である。なお、原理的には二軸性位相差板を二枚組み合わせた位相差補償素子も知られているが、二軸性位相差板は高分子フイルムでしか作成することができず、その作成自体も非常に困難である。
本発明は上記背景のもとでなされたもので、クロスニコル配置された一対の偏光板による光遮断機能をより向上させ、しかも視野角依存性についても改善できるようにした位相差補償素子を提供し、またこの位相差補償素子を効果的に用いた光変調システム及び液晶プロジェクタを提供することを目的とする。さらに、本発明の位相差補償素子は、その独特の構成から無機材料で作成することも容易であり、耐熱性や耐久性の面でも格段に有利となる。
本発明の位相差補償素子は、一対の偏光板に垂直な光軸に対して垂直に配置される透明基板に第一位相差補償層と第二位相差補償層とを形成したもので、一対の偏光素子の相互間に挿入して用いられる。第一位相差補償層は、光学的に等方性を示す光学軸(常光線と異常光線に対する屈折率が等しくなる入射光の入射方向に相当)が透明基板に垂直となるように形成され、他方の第二位相差補償層は光学軸の方向が異なる三層以上の多層膜で構成され、そのうちの少なくとも二層の光学軸を透明基板上に正射影したときの方位が互いに略対向をなすように形成される。さらに、本発明で用いられる第一及び第二位相差補償層はそれぞれ無機材料で作成することができ、使用環境の変化や経年変化にあまり影響されることなく、光学性能を安定に保つことができる。
第一及び第二位相差補償層は、好ましくは蒸着やスパッタリングによる蒸着薄膜で効率的に製造される。第一位相差補償層は、高屈折率物質と低屈折率物質とを交互に積層した蒸着膜で構成され、高・低二種類の蒸着膜の光学膜厚は基準波長の100分の1以上5分の1以下の範囲であり、いわゆる光の干渉作用を利用した一般の光学薄膜の膜厚と比較して充分に薄いことが特徴の一つとなっている。
本発明の位相差補償素子は、第二位相差補償層を構成している多層膜のうちのいずれかの層の光学軸の方位が、入射側の偏光素子の透過軸と一致するように配置して用いるのがより効果的である。また、本発明の位相差補償素子の光入射面側または光出射面側の少なくともいずれかに、蒸着膜による反射防止層を設けることも可能である。液晶セルを含む光変調システムに本発明の位相差補償素子を用いるにあたっては、位相差補償素子を液晶セルの光入射面側に配置する方が好ましく、また液晶セルとしては透過型だけでなく反射型のものでもよい。反射型の液晶セルを用いる際には、液晶セルからの変調光をオフアクシスで投影レンズに入射させてスクリーンに投影すればよい。
本発明の位相差補償素子によれば、光学軸を透明基板に対して垂直にした第一位相差補償層は、斜め入射光に対してその入射角に応じた位相差補償を行うC−plateとして作用し、また、それぞれの光学軸が様々な方位に向けられた多層膜からなる第二位相差補償層は、入射光の傾きに応じて直線偏光の偏光方向を回転させる複合型のO−plateとして作用すると考えられ、これらの位相差補償層の相互作用により、クロスニコル配置された一対の偏光素子を含む光変調光学系の視野角特性を改善することが可能となる。そして、第二位相差補償層を構成する多層膜のうちの少なくとも二層については、その光学軸の方位が略対向となる関係をもたせたとき、視野角特性がより効果的に改善されることが経験的に検証された。ここで、光学軸の方位が略対向であるとは、注目する2つの光学軸の方位が略180°となるように配置されることであり、好ましくは180°±5°以内であり、より好ましくは180°±2°であり、特に好ましくは180°である。
さらに、第二位相差補償層を構成する多層膜のいずれかの層の光学軸、あるいは互いに略対向をなす前記二層の光学軸を前記透過軸と一致させたときに良好な光遮断効果が得られる。第一及び第二位相差補償層をそれぞれ無機材料、特に蒸着膜で構成すれば、単に耐熱性や耐久性の点で有利となるほか効率的な製造も可能となり量産性にも優れる。
本発明の位相差補償素子は、クロスニコル配置した一対の偏光素子を含む様々な光変調システムに適用可能で、代表的には、直視型の液晶モニターのような液晶表示装置、さらには液晶セルに投影画像を表示し、これにより光変調を行って画像投影を行う液晶プロジェクタに好適に利用することができる。液晶セルとしては透過型のものだけでなく、オフアクシスで用いることを前提とすれば反射型の液晶セルを用いることも可能で、プロジェクタの形態としてはフロントプロジェクションタイプだけでなくリアプロジェクションタイプのいずれであってもよい。
図1に示すように、本発明の位相差補償素子2は、光軸5に垂直に配置された一対の偏光板3,4の相互間に光軸5に垂直に配置して用いられる。偏光板3,4は各々の透過軸が直交したクロスニコル配置となっており、入射光7が全て光軸5に平行な平行光束であれば位相差補償素子2がなくても出射側の偏光板4から光が出射することはないが、この位相子補償素子2を用いることによって、入射光7に光軸5に対して傾いた光線束が含まれていたとしても偏光板4からの出射光8を大幅に低減させることができる。
位相差補償素子2は概略的に図2に示す断面構造となっている。支持体となるガラス基板10の一方の面に、第一位相差補償層12、第二位相差補償層14が蒸着によって層設され、最上層とガラス基板10の裏面には蒸着による反射防止層15,16が形成されている。反射防止層15,16はそれぞれ表面反射を防ぐためのもので、たとえば低屈折率材料であるMgF2を光学膜厚λ/4で形成した単層膜、あるいは異種の蒸着材料を組み合わせた多層の反射防止膜を用いることができる。なお、蒸着膜からなる第1,第二位相差補償膜12,14及び反射防止膜15,16は、抵抗加熱や電子ビーム加熱による真空蒸着法のほか、スパッタリング成膜法で形成することもできる。また、第一の位相差補償層12と第二位相差補償層14は、この上下関係を逆にしても同等の作用をさせることが可能で、さらにガラス基板10の表裏いずれの面に形成してもよい。
第一位相差補償層12は、図3に示すように、ガラス基板10に互いに屈折率が異なる二種類の蒸着膜L1,L2を交互に積層した多層膜で構成され、それぞれの蒸着方向は蒸着面に対して垂直である。各層の光学膜厚(物理的膜厚と屈折率との積)は基準となる光波長(たとえば550nm)よりも充分に小さく、好ましくはλ/100〜λ/5、より好ましくはλ/50〜λ/5、実際的にはλ/30〜λ/10が適切であり、一般の光干渉を利用した光学薄膜と比べて充分に薄いものとなっている。こうして形成された多層膜は一軸性の複屈折体である負のC−plateの作用を示し、その光学軸はガラス基板10に対して垂直(光軸5に平行)である。なお、第一位相差補償層12には正または負のC−plateの作用をもつものであれば上記多層膜以外のものを用いてもよい。
この第一位相差補償層12の設計手順は次のとおりである。第一位相差補償層12の複屈折Δnは、「光学 第27巻第1号(1998)p.12−17」に記載のように、屈折率の異なる2種類の蒸着膜L1,L2の光学膜厚の比で決まり、それぞれの屈折率に差があるほど大きい値となる。また、第一位相差補償層12で得られる位相差(レターデーション)は複屈折Δn1と第一位相差補償層12の物理的な合計膜厚d1との積「d1Δn1」で与えられる。したがって、所望のレターデーションを得るためには、それらの材料から得られる複屈折Δn1の値が大きくなるような膜厚比を求め、その複屈折Δn1に基づいて第一位相差補償層12全体の合計膜厚d1を決定すればよい。
実際に、ガラス基板10に物理的膜厚15nmのTiO2 層と、物理的膜厚15nmのSiO2 層とを交互に40層ずつ積層した薄膜多層蒸着サンプルを作成し、分光エリプソメータを用いて測定したところ、208nmの位相差を与える負の複屈折体であること、そして入射した光線に光学的等方性を示すようになるときの光線の入射方向、すなわち光学軸の向きがガラス基板10の法線と一致し、負のC−plateとして機能することが確認された。
蒸着膜L1,L2の蒸着材料としては、高屈折材料としてTiO2 (n=2.2〜2.4),ZrO2 (n=2.20)など、低屈折率材料としてSiO2 (n=1.40〜1.48)やMgF2 (n=1.39),CaF2 (n=1.30)などを用いることができ、さらに、以下に挙げる種々の材料も蒸着膜L1,L2の蒸着材料として利用することができる。なお、( )内の値は屈折率の概略値である。CeO2 (2.45),Nb25(2.31),SnO2 (2.30),Ta25 (2.12),In23 (2.00),ZrTiO4 (2.01),HfO2 (1.91),Al23 (1.59〜1.70),MgO(1.7),ALF3 ,ダイヤモンド薄膜,LaTiOX ,酸化サマリウムなど。また、高屈折率薄膜層用材料と低屈折率薄膜層材料の組み合わせとしては、TiO2 /SiO2 が好ましいが、その他にTa25 /Al23 、HfO2 /SiO2 、MgO/MgF2 、ZrTiO4 /Al23 、CeO2 /CaF2 、ZrO2 /SiO2 、ZrO2 /Al23 等も挙げられる。
この第一位相差補償層12は、高・低い二種類の屈折率をもつ蒸着膜L1,L2を交互に成膜すればよい。したがって、ガラス基板10に対して各々の蒸発源を遮蔽することができるようにそれぞれシャッタを設け、これらのシャッタを交互に開閉して2種類の蒸着膜L1,L2を交互に積層させたり、あるいはガラス基板10を一定の速さで循環移動する基板ホルダに保持させ、基板を循環移動させる過程でそれぞれの蒸発源の上を通過させることによって順次に2種類の蒸着膜L1,L2を交互に積層させるなどの手法を取ることができる。これにより、多層薄膜を得るに際して真空槽を一回だけ真空引きすればよいので、効率的な製造が可能となる。
第二位相差補償層14は、図4に示すように、四種類の斜方蒸着膜S1,S2,S3,S4を積層した四層構造となっている。図2に示されるように、第一層の斜方蒸着膜S1は第一位相差補償層12の上に積層されているが、第一位相差補償層12と第二位相差補償層14とを入れ替え、第一層の斜方蒸着膜S1をガラス基板10に形成し、その上に順次に第二,第三層,第四層の斜方蒸着膜S2,S3,S4を積層してから第一位相差補償層12を形成し、あるいはガラス基板10の表裏に第一位相差補償層12と第二位相差補償層14とを形成し、その各々の最上層に反射防止層15,16を積層することも可能である。
斜方蒸着膜S1〜S4のそれぞれは、第一位相差補償層12を構成する蒸着膜L1,L2と異なり、蒸着面S0に対して斜め方向から蒸着され、各層ごとにその蒸着方向に向かって斜めに成長した微細な柱状要素M1〜M4の集合体構造となっている。このような斜方蒸着膜は、それぞれ単層でも構造性の複屈折作用を示す正のO−plateの性質をもつが、柱状要素M1〜M4の成長方向と平行に進む光線に対しては光学等方性を示す。したがってその光学軸は、屈折率が1である媒質(例えば空気)との界面で屈折して入射した後に柱状要素の成長方向と進む光線の入射方向と一致し、柱状要素の成長方向から斜方蒸着膜の屈折率に応じた角度だけ傾いた方向となる。そして、斜方蒸着膜S1〜S4を成膜するときの蒸着の方向はいずれも蒸着面S0に対して垂直ではなく、しかも各層ごとに蒸着の方向を変更して柱状要素M1〜M4の成長の方向を変えているため、各層の光学軸を蒸着面S0に正射影したときの方位は互いに異なっている。
斜方蒸着膜S1〜S4は、たとえば図5に示す蒸着装置を用いて作製することができる。図5において、ベースプレート20にターレット式に回転する材料ホルダ21が設けられ、その中に蒸着材料22,23が収容される。真空槽24を真空引きした後、電子銃25からの電子ビーム27を蒸着材料22に照射し、蒸着材料22を蒸散させて真空蒸着を行うことができる。なお、シャッタ29の開閉によって真空蒸着の開始および中止を制御することができ、材料ホルダ21を回転させることによって、蒸着材料22,23を選択して用いることも可能となる。基本的に、第二位相差補償層14は一種類の蒸着材料を用いて多層膜となるように成膜されるが、このような材料ホルダ21を用いることによって、必要に応じて異種の蒸着材料を用いることも可能となる。
材料ホルダ21の上方に斜めに配置された基板ホルダ30が設けられ、透明なサンプル基板26が保持される。基板ホルダ30の支持面の法線は蒸着材料22から垂直に伸ばした線分Pに対して角度βだけ傾斜し、したがってサンプル基板26の蒸着面も線分Pに対して角度βだけ傾く。この角度βは、基板ホルダ30を紙面と垂直な軸を中心に回転させることによって調節することができる。また、軸30aを中心に基板ホルダ30を回転させることによって、蒸着面内における線分Pの方位角に相当する角度αを調節することができる。線分Pは蒸着面に対する蒸着方向に相当するから、上記角度α,βを変えることによって、結果的に蒸着面に対する蒸着方向を二通りに調節することが可能となる。前述のように、角度αは蒸着面内における蒸着方向の方位角に相当し、角度βは蒸着面に対する蒸着方向の傾きを表す極角に相当するから、以後はこれらをそれぞれ蒸着方向の方位角α,極角βで表す。
同図中の符号31は水晶式の膜厚監視モニタを表し、測定面上で蒸着膜の膜厚を監視し、基板ホルダ30で保持されたサンプル基板26にどの程度の膜厚まで蒸着が進行しているかを相対的に測定するためのものである。また、符号32はエリプソメータを表し、モニタ基板28を通して投光器33からの測定光を受光し、サンプル基板26に斜方蒸着膜の成膜を行いながら相対的に複屈折に伴う位相差を測定することができる。これらの膜厚監視モニタ31の測定面および、モニタ基板28を含む複屈折Δnの測定系は、基板ホルダ30の極角βと一致するように回転させることができる。そして、斜方蒸着膜の成膜を一層分終えるごとに、マスクプレートの変位により新たな測定面,モニタ基板面を露呈させることによって、一層ごとに位相差を監視することが可能となっている。斜方蒸着膜のレターデーションはエリプソメータ32で測定される位相差のデータから推定できるから、エリプソメータ32と膜厚監視モニタ31とから得られる測定データを監視しながら蒸着を行えば、各層ごとに所望のレターデーションをもつ斜方蒸着膜を得ることが可能となる。
以上の作業により、一層ごとの位相差を監視しながら、多層構成の斜方蒸着膜からなる第二位相差補償層をサンプル基板26上に形成することができる。また、図2に示すように、ガラス基板10に第一位相差補償層12を形成した後でも、このガラス基板10を基板ホルダ30に保持させ、各層ごとに予め設定した複屈折および膜厚となるように斜方蒸着を行って、第一位相差補償層12の上に多層の第二位相差補償層14を形成することができる。
図6に示すように、蒸着面S0に対する蒸着方向Pは、蒸着面S0上のxy座標平面に正射影したときにx軸から反時計回りに測定される方位角αと、z軸から測定される極角βで表すことができる。極角βは、z軸からの傾きとして正負の方向性をもたない角であるが、方位角αはx軸を基準に方向性をもつ。x軸の方向は、偏光板3,4の透過軸3a,4aに対してδ=45°となる向きに設定され、斜方蒸着膜S1〜S4について共通である。なお、図18にみられるように、クロスニコル配置された一対の偏光板3,4の視野角特性は略90°の回転対称性をもつので、x軸の方向は斜方蒸着膜S1〜S4について共通であれば任意であってよい。
斜方蒸着膜S1〜S4の光学軸は各々の蒸着膜の蒸着方向Pとほぼ一致する。斜方蒸着膜S1〜S4はそれぞれ単独で構造性の複屈折作用を示す正のO−plateの性質をもつが、それぞれの柱状要素M1〜M4の成長方向と平行に進む光線に対しては光学等方性を示す。したがって、斜方蒸着膜S1〜S4のそれぞれの光学軸は、屈折率が1である媒質(例えば空気)との界面で屈折して入射した後に柱状要素M1の成長方向と進む光線の入射方向と一致し、柱状要素M1〜M4の成長方向から各々の斜方蒸着膜の屈折率に応じた角度だけ傾き厳密には蒸着方向Pからわずかにずれた方向になるが、実用上はこのずれによる作用効果上の相違はほとんど無視できるから、光学軸の方向は方位角αと極角βで近似することができる。
第二位相差補償層14を形成する際には、図5に示す蒸着装置を用いて方位角αと極角βを斜方蒸着膜S1〜S4の各層ごとに任意に決めることができる。そして、斜方蒸着膜S1〜S4の蒸着材料の屈折率は既知であり、斜方蒸着膜S1〜S4の光学軸の方向はそれぞれの蒸着方向とほぼ一致するものとみなせるから、結果的に斜方蒸着膜S1〜S4の光学軸は斜方蒸着の方向として任意に設定することができる。そこで本発明者らは、四層構成の第二位相差補償層14を成膜する際に、それぞれの斜方蒸着膜S1〜S4の方位角α及び極角βを調節しながら様々なサンプルを作成して視野角依存性を評価した。その結果、特に第二位相差補償層14を三層以上の斜方蒸着膜で構成し、そのうちの二層については蒸着面上に投影した各々の光学軸の向きを互いに180°の関係にしたときに視野角特性が改善できることを確認した。
なお、視野角特性の改善には、方位角αのほかに極角βの値、各斜方蒸着膜の膜厚、レターデーションの値など様々なパラメータが存在し、これらのパラメータと視野角特性との相関について網羅的に検証することは非常に困難であるが、後述する実施例は実用的に優れた特性を示すことが検証されている。また、第二位相差補償層14の斜方蒸着膜の蒸着材料としては、第一位相差補償層12と同様、TiO2,SiO2,ZrO2,Ta23など、斜方蒸着膜にしたときに波長によらず充分な光透過特性を有するものであれば種々のものを用いることができる。
以下、本発明を用いた位相差補償素子6の具体的な実施例について説明する。ガラス基板10としてコーニング1737(50mm×50mm)を用い、アセトンで洗浄してから充分に乾燥させた後、通常の正面蒸着(β=0°)を行う蒸着装置にセットした。真空槽を1×10-4Paまで排気し、ガラス基板を300°Cに加熱した状態にして三層構成の反射防止膜(図2の反射防止層16に相当)を形成した。この反射防止膜は、ガラス基板側から順に、SiO2を光学膜厚でλ/4、TiO2をλ/2、SiO2をλ/4で積層したもので、基準波長λは550nmである。
反射防止層を形成した後、ガラス基板を真空層内で表裏反転させ、図2に示す第一位相差補償層12の成膜を行った。第一位相差補償層は、図3に示すように二種類の蒸着膜L1,L2を交互に積層した負のC−plateであり、そのレターデーション(d1Δn1)は負の値となる。そして、全体の物理的膜厚d1と複屈折Δn1とを調節することによって、レターデーション(d1Δn1)の大きさはある程度任意に決めることができるので、この値が「−341」となる第一位相差補償層12をガラス基板の裏面に成膜した。
なお、この第一位相差補償層について補足すれば以下のとおりである。屈折率n1,n2で物理的膜厚がa,bである薄膜を、波長よりも充分に短いピッチ(a+b)で交互に積層したものは、負の複屈折Δnをもつ構造性複屈折体となることが知られている。この構造性複屈折体に電磁波が垂直に入射した場合には、電場が各層の平面に平行に振動する波(TE波)だけになるため、複屈折性を示さない。ところが、電磁波が各層の積層面に斜めに入射した場合には、電場が各層に平行に振動する波(TE波成分)と、電場が各層に垂直に振動する波(TM波成分)とで有効屈折率NTE,NTMが異なり、それぞれ次式で表されることが知られている。
TE=√{(an1 2+bn2 2)/(a+b)}
TM=√〔(a+b)/{(a/n1 2)+(b/n2 2)}〕
これらの有効屈折率NTE,NTMの相違が複屈折性を生じさせる要因であり、その複屈折Δnは「Δn=NTM−NTE」で与えられる。
上式からわかるように、蒸着層L1,L2の屈折率n1,n2と、それぞれの物理的膜厚a,bを選択することによって複屈折Δn1を決めることができ、さらに蒸着層L1,L2の繰り返し積層数で全体の物理的膜厚d1を決めることができる。したがって、光透過特性を有し蒸着適性に優れた蒸着材料の中から適宜のものを選択して膜設計を行うことによって、第一位相差補償層のレターデーション(d1Δn1)の値を任意の値に近づけることが可能となる。
このようにして第一位相差補償層12を成膜したガラス基板を真空槽から取り出し、再度アセトンで洗浄して充分に乾燥させてから、図5に示す蒸着装置にセットした。蒸着面を第一位相差補償層12の最上層として四層構成の第二位相差補償層の蒸着を行った。一層目の斜方蒸着膜S1は、方位角αを−46.5°、極角βを14°とし、レターデーション(dΔn)S1の値は「106nm」に設定した。また、二層目の斜方蒸着膜S2の方位角αは135°、極角βは45°、レターデーション(dΔn)S2は「111nm」である。さらに三層目,四層目の斜方蒸着膜S3,S4については、それぞれ方位角αを−42°,−45°、極角βを10°,12.5°、レターデーションを「87nm」,「88nm」とし、これらの斜方蒸着膜S1〜S4からなる第二位相差補償層の成膜後にサンプルを取り出し、通常の正面蒸着用の蒸着装置に再セットして同様の三層反射防止膜(図2の反射防止膜15に相当)を成膜した。
第二位相差補償層14を構成する斜方蒸着膜S1〜S4の蒸着材料としては、ZrO2に10重量%でTiO2を混合したものを用いた。第二位相差補償層14の成膜に際しては、真空槽を1×10-4Paまで真空引きした後、酸素ガスを1×10-2Paになるまで導入して成膜中に充分な酸化が行われるようにした。こうして得た位相差補償素子2の第一,第二位相差補償層の層構成及びこれらのパラメータを表にまとめると次のとおりである。
Figure 2006171328
上記第二位相差補償層14を構成する斜方蒸着膜Si(i=1〜4)のそれぞれについて、方位角αと極角βで規定される蒸着方向Piと、この斜方蒸着膜Siの複屈折と膜厚とから決まるレターデーション(dΔn)Siの値とから光学軸ベクトルPiを定義する。これらの光学軸ベクトルPiは、一般に各々のレターデーションの値(dΔn)Siと、方位角αi,極角βiとの組み合わせにより、
Pi(x,y,z) =((dΔn)Si×cosαi×tanβi
(dΔn)Si×sinαi×tanβi,(dΔn)Si
と表すことができる。
これらの光学軸ベクトルPiを図6のxy平面に正射影した射影ベクトルAiは、
1(x,y)=(18.29,−19.35)
2(x,y)=(−78.49,78.49)
3(x,y)=(11.64,−10.48)
4(x,y)=(13.69,−13.69)
と算出され、これらを図示すると図7に示すとおりである。
前掲の第1表及び図7からわかるように、これらの射影ベクトルA1〜A4について特徴的なことは、射影ベクトルA2及び射影ベクトルA4のそれぞれの方位角α(各々の斜方蒸着膜の光学軸の方位角にほぼ等しい)が互いに180°の関係をもつことである。第二位相差補償層14を構成するにあたっては、斜方蒸着膜の層数、各層の膜厚,光学軸の方位角などのパラメータを様々に変えることが可能であるが、実験や膜計算を行って種々検討した結果、上記のように、第一位相差補償層12と併用する第二位相差層14については、これを三層膜以上の層構成とし、しかもその中の少なくとも二層については、斜方蒸着時の蒸着の方位角で近似できる光学軸の方位角を互いに180°の関係にすればよいことが確認された。また、この実施例では斜方蒸着膜S2,S4の方位角αの方向を入射側の偏光板3の透過軸3aの方位と一致させている。
上記実施例の位相差補償素子2を図1に示すように偏光板3,4の間に配置したときの光遮断特性を図8に示す。視野角依存性は残ってはいるものの、出射側偏光板4からの漏れ光の輝度が全体的に低下していることがわかる。なお、図9は比較例サンプルの光遮断特性を示す。この比較例サンプルは、第一位相差補償層12のレターデーションが「−220nm」、第二位相差補償層14として単層の斜方蒸着膜を形成したもので、その蒸着の方位角は「135°」、レターデーションは「413nm」となっている。この比較例サンプルのように、負のC−plateとなる第一位相差補償層と、正のO−plateとなる第二位相差補償層とを組み合わせた位相差補償素子を用いることによって、クロスニコル配置された一対の偏光板の光遮断特性を改善できることは知られているが、本発明実施例の位相差補償素子の方が比較例サンプルよりも光遮断特性がさらに改善されていることがわかる。
なお、第一位相差補償層12及び第二位相差補償層14を有する本発明の位相差補償素子を作製するにあたっては、第一位相差補償層12の複屈折と膜厚によるレターデーションの値、第二位相差補償層14の層数、各層の複屈折及び膜厚、各層の光学軸の方位角(斜方蒸着膜の蒸着方位角)など、最適な光遮断特性を得るためのパラメータの組み合わせは膨大なものとなるが、第二位相差補償層を三層以上の斜方蒸着膜で構成するとともに、少なくともそのうちの二層については、各々の光学軸の方位角、すなわち斜方蒸着を行うときの方位角が互いに180°の関係となるように設定すれば、光遮断特性を向上させ得る上で有効である。
本発明の位相差補償素子2を液晶表示装置に組み合わせて用いる例を図10に示す。画像表示用の液晶素子としてTN液晶6が用いられ、本発明の位相差補償素子2は入射側の偏光板3とTN液晶6との間に挿入される。出射側の偏光板4は、入射側の偏光板3に対して透過軸の方位が90°で交差するようにクロスニコル配置され、この液晶表示装置はノーマリホワイトモードで用いられる。照明光34は偏光板3によって直線偏光となり、位相差補償素子2、TN液晶6、偏光板4を通って画像光35となって出射する。TN液晶6を暗黒表示にしたときには、照明光34が必ずしも光軸5と平行な光線束のみでなくても、位相差補償素子2の作用により画像光35に含まれる漏れ光が抑えられ、良好な光遮断特性が得られ、また視野角特性も改善されるようになる。
さらに、この実施形態の場合、TN液晶6の一対の透明基板の間に充填されている液晶分子が複屈折性を示すため、これを考慮して位相差補償素子2の第一位相差補償層12によるレターデーションの値を調節する必要がある。すなわち第一位相差補償層12には、偏光板3に斜め入射する光線束に対する位相差補償作用のほかに、TN液晶6の液晶分子で複屈折した常光と異常光との間の位相差補償作用が必要となる。この位相差補償は、TN液晶6の液晶セル厚に応じて第一位相差補償層12の膜厚を調節することによって調節が可能である。
また、画像表示用に反射型TN液晶36を用いたオフアクシス型の液晶表示装置に本発明の位相差補償素子2を適用した例を図11に示す。反射型TN液晶35は液晶セルの背面側が反射面となっており、入射光軸5aと出射光軸5bとは別光軸となっている。偏光板3を通った照明光34は直線偏光の入射光として液晶セルを通過し、反射面で反射して再び液晶セルを通過して出射光となる。ノーマリホワイトモードでの使用を考慮し、反射型TN液晶35を暗黒表示の状態にしたとき、入射光と出射光との偏光方向が90°回転するように液晶セルの厚みが決められ、また出射側の偏光板4は偏光板3に対してクロスニコル配置となっている。
このようなオフアクシス型の液晶表示装置においても、本発明の位相差補償素子2を用いることによって、反射型TN液晶36を暗黒表示状態下にしたときに偏光板4から出射する画像光35に含まれる漏れ光を抑えることができ、同時に視野角特性も改善することが可能である。そして図10の実施形態と同様、反射型TN液晶36の液晶分子が複屈折性を示すから、これを考慮して位相差補償素子2の第一位相差補償層12によるレターデーションの値を調節する必要がある。なお、反射型TN液晶36を用いていることから、液晶セル内の光路長は現実のセル厚の2倍となることを考慮して第一位相差補償層12の厚みを調節することになる。
本発明の位相差補償素子は、第一,第二位相差補償層を作製するときの基準波長をたとえば550nmに設定すれば、単板のTN液晶を表示素子として用いたフルカラーの直視型ディスプレイに用いることができる。ただし、波長が異なると液晶分子,位相差補償素子それぞれの複屈折作用に相違がでてくるので、成分色光の基準波長ごとに位相差補償素子の膜構成を変えることが望ましい。この場合、TN液晶には一般に成分色光となる赤色,緑色,青色をそれぞれ透過するマイクロカラーフィルタが組み込まれているので、これらのフィルタエレメントに対応して膜構成を変えた3種類の位相差補償素子を用いるのがよい。
成分色光の基準波長に応じて位相差補償素子の膜構成を変えることは、特に成分色光ごとに三枚のTN液晶を利用した三板式のカラー液晶プロジェクタでは効果的に行うことができる。図12に三板式カラー液晶プロジェクタの構成を概略的に示す。
図12において、三枚の液晶素子50R,50G,50Bには、それぞれ赤色,緑色,青色の各成分色光の画像に対応して透過濃度が異なる白黒画像が表示される。光源52からの放射光は、紫外線及び赤外線をカットするフィルタ53を透過することにより赤色光,緑色光,青色光を含む白色光となり、光源から液晶素子に至る照明光軸にしたがってガラスロッドからなるインテグレータ54に入射する。インテグレータ54の光入射面は、光源52に用いられている放物面鏡の焦点位置近傍に位置し、光源52からの光は高効率でガラスロッド54に入射する。
ガラスロッド54の出射面に対峙してリレーレンズ55が配設され、ガラスロッド54からの白色光は、リレーレンズ55及び後段のコリメートレンズ56により平行光となってミラー57に入射する。ミラー57で反射された白色光は、赤色光だけを透過するダイクロイックミラー58Rで2光束に分けられ、透過した赤色光はミラー59で反射して液晶素子50Rを背面から照明する。また、ダイクロイックミラー58Rで反射された緑色光と青色光は、緑色光だけを反射するダイクロイックミラー58Gでさらに2光束に分割される。ダイクロイックミラー58Gで反射された緑色光は液晶素子50Gを背面側から照明する。ダイクロイックミラー58Gを透過した青色光は、ミラー58B,60で反射され、液晶素子50Bを背面から照明する。
液晶素子50R,50G,50BはそれぞれTN液晶で構成され、これらの液晶素子50R,50G,501Bから光学的に等距離となる位置に中心がくるように合成プリズム64が配置され、合成プリズム64の出射面に対面して投影レンズ65が設けられている。合成プリズム64は、その内部に2面のダイクロイック面64a,64bを有し、液晶素子50Rを透過してきた赤色光、液晶素子50Gを透過してきた緑色光、液晶素子50Bを透過してきた青色光を合成して投影レンズ65に入射させる。投影レンズ65は、その物体側焦点面が液晶素子50R,50G,50Bの出射面に一致し、像面側焦点面がスクリーン70に一致するようにしてあるから、合成プリズム64で合成されたフルカラー画像はスクリーン70に結像されることになる。
液晶素子50R,50G,50Bの光入射面側には、それぞれ偏光板66R,66G,66Bと本発明の位相差補償素子67R,67G,67Bとが設けられ、また光出射面側には偏光板68R,68G,68Bが設けられている。光入射面側の偏光板66R,66G,66Bと、光出射面側の偏光板68R,68G,68Bはクロスニコル配置となっており、光入射面側の偏光板は偏光子、光出射面側の偏光板は検光子として作用する。また、位相差補償素子67R,67G,67Bは、これまでに説明のように第一位相差補償層と第二位相差補償層とを備え、色チャンネルごとに設けられた液晶素子50R,50G,50Bによって生じる位相差を個別に補償し、同時にクロスニコル配置された偏光板66R,66G,66Bと、偏光板68R,68G,68Bによる光遮断機能をより向上させる作用をもつ。
各々の液晶素子50R,50G,50Bは全く共通のTN液晶からなるが、一般に液晶素子のレターデーション(dΔn)LCは波長に依存して変化することが知られている。図13は液晶層の厚みが4.5μmのTN液晶についてその一例を示すもので、複屈折Δnが波長に応じて変化し、これに応じてレターデーション(dΔn)LCも変わる。図中、Reは液晶に電圧を印加したときに垂直配向姿勢となる液晶分子の割合を70%にしたときの実効レターデーションを示し、前述した第一位相差補償層はこの実効レターデーションReによる正の位相差を補償するためのものとなる。もちろん、垂直姿勢となる液晶分子の割合は、TN液晶の構造や液晶厚み,密度,飽和電圧値などのファクターによって変わり、70%一律に限られるものではない。
図14は、上記TN液晶の実効レターデーションReを効果的に補償するために、物理的膜厚30nm,20nmのTiO2膜とSiO2膜とを交互に40層ずつ、合計80層積層した第一位相差補償層の負のレターデーション(d1Δn1)を絶対値で表している。蒸着材料となっているTiO2膜とSiO2膜の屈折率自体に波長依存性があるため、当然にレターデーションにも波長依存性が現れる。この第一位相差補償層は、可視光領域で視感度が高い550nmで良好な位相差補償を行うように設計されているが、図15に示すように、短波長側ではあまり良好な位相差補償ができないことがわかる。
そこで、波長に比べて充分に膜厚の薄い蒸着膜からなる第一位相差補償層の特長、すなわち、負の複屈折Δn1は二種類の蒸着膜の屈折率と膜厚比で決まること、そしてこの複屈折Δn1に乗ずる全体の膜厚(各層の積層数)を調節すればレターデーションの値が調節できることを利用し、本発明では色チャンネルごとに位相差補償素子67R,67G,67Bの第一位相差補償層の厚みを変えている。図16にその一例を示す。
図16は青色光用,緑色光用,青色光用にそれぞれの第一位相差補償層の厚みを変えたもので、全チャンネルとも積層する蒸着膜は物理的膜厚30nm,20nmのTiO2膜とSiO2膜との二種類で全て共通している。ただし、青色光用のものは青色成分色光のほぼ中心の基準波長λ=450nmでのTN液晶のレターデーション413nmに合わせ、全体の積層数を72層にして総膜厚d1=1.8μmにしている。同様に、緑色光用では基準波長λ=550nmのもとで合計積層数80層にして総膜厚d1=2.0μm、赤色色光用では基準波長λ=650nmのもとで合計積層数82層にして総膜厚d1=2.1μmにしている。
この結果、図17に示すように、それぞれの色チャンネルの液晶素子50R,50G,50Bのレターデーションをそれぞれの成分色光の波長域ごとに良好に補正できることがわかる。したがって、たとえばスクリーン70全体に青色一色の背景を投影する場合、液晶素子50B全体を明状態表示とし、残りの液晶素子50R,50G全体を暗状態表示にすることになるが、このとき、飽和電圧の印加により液晶素子50R,50Gで垂直配向している液晶分子の複屈折作用による正の位相差は、それぞれの位相差補償素子67R,67Gに設けられている赤色光用,緑色光用の第一位相差補償層がもつ負のレターデーションによって良好に補償され、検光子となる偏光板68R,68Gからはほとんど出射光がなくなるので、色のにじみがない鮮明な青色一色の背景を投影することができる。
同様の理由で、スクリーン70全体に白色光を投影したときと全暗黒にしたときとのコントラスト比も従来の500:1から700:1まで改善され、一般のフルカラー画像の投影時においても、黒を引き締めて画像の鮮明度を向上させることができる。なお、図17からわかるように、青色光用の第一位相差補償層と比較して、緑色光用と赤色光用のものはレターデーションの波長依存性が弱い。このことから、緑色光用と赤色光用の第一位相差補償層としては合計膜厚を等しくした共通のものを適用することも可能である。この場合には、600nmを基準にして合計膜厚を決めるのが有利である。
上述のように、三板式カラー液晶プロジェクタに本発明の位相差補償素子を適用する場合には、第一位相差補償層の合計膜厚を少なくとも二種類の色チャンネルごとに調節するのが効果的である。以上の説明は、液晶素子50R,50G,50Bのレターデーション(dΔn)LCの波長依存性のみを考慮したものであるが、各位相差補償素子67R,67G,67Bにはそれぞれ第二位相差補償層も形成されている。これらの第二位相差補償層も色チャンネルごとに基準波長が異なるため、それに応じた膜設計が行われることになるが、この第二位相差補償層は液晶分子と同様に正のレターデーションをもつ。したがって、第一位相差補償層の合計膜厚はさらに増やす方向への調整を行うことが望ましい。
各色チャンネルの基準波長に対応して第一,第二位相差補償層とも最適化した位相差補償素子67R,67G,67Bを使用すれば、スクリーン70上でのコントラスト比を1000:1以上にすることが期待できる。しかも、無機材料のみで構成されているので耐熱性・耐光性の点で全く問題がなく、たとえば家庭用のリアプロジェクショテレビジョンのように長時間の使用が見込まれる製品にも効果的に利用することが可能である。
以上、図示の実施の形態に基づいて本発明について説明してきたが、直線偏光を生成するための偏光子、その偏光方向に応じて光遮断作用を得る検光子としては、偏光板のほかにワイヤグリッド偏光素子を用いることも可能である。また、第一位相差補償層には上述した多層蒸着膜によるものだけでなく、例えば短ピッチのコレステリック液晶から生成した重合体を用いることも可能である。すなわち、液晶分子のらせん構造のピッチが光波長の10分の1〜5分の1程度であって、らせん軸が基板に垂直であるようなコレステリック液晶と同等の構造をもつ層は、負のC−plateとして作用することが知られている。そこで、基板の表面に液晶分子がその長軸を平行にするような配向処理を施しておき、重合性の分子構造のコレステリック液晶をその基板上に塗布して上述のコレステリック構造を形成した後に光重合などの処理を施してその構造のまま流動性をなくした膜にすれば、これを第一位相差補償層に適用することが可能となる。
さらに、第一位相差補償層に正のC−plateを適用することも可能で、この場合には、基板の表面に液晶分子がその長軸を垂直にするような配向処理を施して、重合性の分子構造の棒状液晶モノマーをその基板上に塗布し、モノドメイン配向膜を形成した後に光重合などの処理を施してその構造のまま流動性をなくした膜を作製すれば、この高分子膜を第一位相差補償層として用いることができる。
また、本発明の位相差補償素子を形成する基板としては、ガラス基板以外にも種々の透明な無機材料を用いることができ、特に液晶プロジェクタへの適用を考慮するなら熱伝導性の高いサファイヤ基板,水晶基板などを用いることができる。また、第一位相差補償層と第二位相差補償層とをそれぞれ個別の透明基板に形成したり、第一,第二位相差補償層を形成した透明基板を偏光板に貼り付けて一体化したり、さらにはこれらの透明基板として、光学系中に組み込まれているレンズ,プリズム,各種のフィルタ類,液晶素子の基板を併用することも可能である。
本発明を用いた位相差補償素子の機能確認用光学系の概念図である。 本発明の位相差補償素子の概略断面図である。 第一位相差補償層の層構成を示す概念図である。 第二位相差補償層の層構成を示す概念図である。 斜方蒸着膜の成膜に用いられる蒸着装置を示す概略図である。 斜方蒸着膜の方位角と極角とを示す説明図である。 斜方蒸着膜の光学軸ベクトルをxy平面に正射影した射影ベクトルの説明図である。 本発明の位相差補償素子による光遮断特性を表す等輝度曲線図である。 比較例の位相差補償素子の光遮断特性を表す等輝度曲線図である。 透過型のTN液晶を用いた液晶表示装置に本発明の位相差補償素子を適用した概略図である。 反射型TN液晶を用いた液晶表示装置に本発明の位相差補償素子を適用した概略図である。 本発明を用いた三板式カラー液晶プロジェクタの概略図である。 TN液晶のレターデーションの波長依存性を示す図表である。 第一位相差補償層の波長依存性を示す図表である。 TN液晶と第一位相差補償層のレターデーション特性を示すグラフである。 改善された第一位相差補償層の波長依存性を示す図表である。 改善された第一位相差補償層のレターデーション特性を示すグラフである。 クロスニコル配置された一対の偏光板の光遮断特性を示す等輝度曲線図である。
符号の説明
2 位相差補償素子
3,4 偏光板
10 ガラス基板
12 第一位相差補償層
14 第二位相差補償層
15,16 反射防止層
22,23 蒸着材料
25 電子銃
30 基板ホルダ
31 膜厚監視モニタ
32 エリプソメータ
50R,50G,50B 液晶素子
58R,58G,58B ダイクロイックミラー
65 投影レンズ
67R,67G,67B 位相差補償素子
70 スクリーン

Claims (11)

  1. クロスニコル配置された一対の偏光素子の相互間に配置して用いられる位相差補償素子において、
    前記一対の偏光素子に垂直な光軸に対して垂直に配置される透明基板と、この透明基板で支持され、光学軸が透明基板に垂直な第一位相差補償層と、光学軸が透明基板の法線に対してそれぞれ傾斜した三層以上の多層膜からなる第二位相差補償層とからなり、
    前記第二位相差補償層を構成する多層膜の少なくとも二層の光学軸を透明基板上に正射影したときの方位が略対向をなすことを特徴とする位相差補償素子。
  2. 前記第一及び第二位相差補償層がそれぞれ無機材料で構成されていることを特徴とする請求項1記載の位相差補償素子。
  3. 前記第二位相差補償層を構成する各層が斜方蒸着膜であることを特徴とする請求項2記載の位相差補償素子。
  4. 前記第二位相差補償層を構成する各層のうち少なくとも一層の光学軸が他の層の光学軸と異なることを特徴とする請求項3記載の位相差補償素子。
  5. 前記第一位相差補償層は、高屈折率物質と低屈折率物質とを交互に積層した蒸着膜で構成され、それぞれの光学膜厚が基準波長の100分の1以上5分の1以下であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか記載の位相差補償素子。
  6. 第二位相差補償層を構成する多層膜のいずれかの層の光学軸を透明基板に正射影したときの方位が、入射側の偏光素子の透過軸の方位と一致するように配置されることを特徴とする請求項2〜5のいずれか記載の位相差補償素子。
  7. 光入射面側と光出射面側の少なくともいずれかに反射防止層を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の位相差補償素子。
  8. 請求項6または7記載の位相差補償素子の出射面側に液晶セルを配置したことを特徴とする光変調システム。
  9. 請求項6または7記載の位相差補償素子の出射面側に透過型の液晶セルを配置したことを特徴とする液晶表示装置。
  10. 請求項6または7記載の位相差補償素子の出射面側に透過型の液晶セルを配置し、この液晶セルによる変調光を投影レンズを通してスクリーンに向けて投影することを特徴とする液晶プロジェクタ。
  11. 請求項6または7記載の位相差補償素子の出射面側に反射型の液晶セルを配置し、この液晶セルによる変調光をオフアクシス型の投影レンズを通してスクリーンに向けて投影することを特徴とする液晶プロジェクタ。
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