JP2006150439A - 鉄鋼−アルミニウム溶接継手およびその溶接方法 - Google Patents

鉄鋼−アルミニウム溶接継手およびその溶接方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 施工が容易で、接合強度が高い高い鉄鋼−アルミニウム溶接継手およびそれを容易に製作することができるアーク溶接法を提供する。
【解決手段】 鉄鋼板2は溶接線に沿って複数の貫通穴4が設けられ、前記貫通穴4にはアルミニウム溶接材が溶融充填され凝固したアルミニウム接合部7が形成される。前記アルミニウム接合部7は、その下端部がアルミニウム板3の表面に溶け込み、その上端部が前記鉄鋼板2の表面に被覆形成された溶接ビード5に溶融接合している。前記アルミニウム板3の板厚をTa、前記アルミニウム接合部7の最大溶け込み深さをD、前記溶接ビード5の溶接線における平均厚さをTb、前記貫通穴4の円相当半径をRとしたとき、D/Taを0.10以上、Tb/Rを0.50以上とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、主として屋根,インテリア,カーテンウォール等の建築、器物、電機部品、光学機器、自動車,鉄道車両及び航空機等の輸送機器、一般機械部品等の構造物における鉄鋼材とアルミニウム材とを溶接接合した溶接継手、その溶接方法に関する。
各種構造物の軽量化を図るために、鉄鋼板と純アルミニウムや各種アルミニウム合金の板材(以下、本発明において、単に「アルミニウム板」という。)とを接合することが必要とされる場合がある。
このような接合を行う場合、接合部に継手強度を劣化させる脆い金属間化合物が生成しやすいために、そのような金属間化合物を生成させないように真空圧延接合や鉄鋼板とアルミニウム板との間にこれらの材料を接合した2層クラッド板を介在させてシーム溶接する方法などが提案されているが、概ね、作業が複雑で、新たな設備を導入する必要があり、汎用性に欠ける欠点がある。
これに対して、汎用性のある溶接方法を利用するものとして、下記非特許文献1、2には、接合する鋼板側に予め一個の貫通穴を設け、この穴に溶融アルミニウム材を充填することによって鋼板とアルミニウム板とを接合する方法が提案されている。また、下記特許文献1には、Cu合金、Ni合金あるいはSi青銅系Cu合金のワイヤを用いて鋼板とアルミニウム板とを直接MIGろう付けする方法が提案されている。
特開2003-33865号公報 WELDING JOURNAL,(1963),p.302 軽金属溶接:Vol.16(1978)No.12,p.8
前記非特許文献1、2や特許文献1の技術は、施工性に優れており、また特殊な設備が必要でないため、汎用性に富むものであるが、非特許文献1、2は技術的に確立したものとは言い難く、またいずれの技術についても十分な接合強度が得られておらず、なお改善の余地がある。
本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、施工が容易で、接合強度が高い高い鉄鋼−アルミニウム溶接継手及びその溶接継手を製作するアーク溶接法を提供することを目的とする。
本発明者は、鉄鋼板の貫通穴にアルミニウム溶接材が溶融充填され、凝固したアルミニウム接合部がアルミニウム板に溶融接合した部分を子細に観察した結果、単にアルミニウム接合部がアルミニウム板に溶着しているだけでは十分な接合強度を発現しない場合があり、また前記アルミニウム接合部に溶融接合し、鉄鋼板の表面に被覆形成された溶接ビードの厚さが貫通穴の径に比して小さ過ぎると、溶接ビードが厚さ方向(板厚方向)に破断し、やはり十分な接合強度が得られないことを知見した。本発明者はこれらの知見を基に、前記貫通穴に充填形成されたアルミニウム接合部が本来のリベットとしての機能を発揮させるべく、アルミニウム接合部がアルミニウム板の表面に溶け込んだ最大溶け込み深さD、前記鉄鋼板表面に被覆された溶接ビードの平均厚さTbと、アルミニウム板の板厚Ta、前記貫通穴の円相当半径Rとの関係を明らかにして、前記アルミニウム接合部がリベット機能を十分に発揮させるようにすることで、優れた接合強度を実現したものである。
すなわち、本発明の鉄鋼−アルミニウム溶接継手は、鉄鋼板とアルミニウム板とを重ね合わせた重ね合わせ部を有し、前記重ね合わせ部を溶接線に沿ってアーク溶接により接合した溶接継手であって、前記鉄鋼板は溶接線に沿って複数の貫通穴が設けられ、前記貫通穴にはアルミニウム溶接材が溶融充填され凝固したアルミニウム接合部が形成され、前記アルミニウム接合部は、その下端部が前記貫通穴に露呈したアルミニウム板の表面に溶け込み、その上端部が前記鉄鋼板の表面に被覆形成された溶接ビードに溶融接合し、前記アルミニウム板の板厚をTa、前記アルミニウム接合部がアルミニウム板の表面に溶け込んだ最大溶け込み深さをD、前記溶接ビードの溶接線における平均厚さをTb、前記貫通穴の円相当半径をRとしたとき、D/Taを0.10以上、Tb/Rを0.50以上としたものである。
前記鉄鋼板としては、溶融亜鉛めっき鋼板を用いてもよく、この場合、アルミニウム溶接材はMgを2.0〜6.0mass%含有するものが好ましい。溶融亜鉛めっき鋼板をアルミニウム板の相手材として用いる場合、溶接の際に亜鉛蒸気が発生し、これが貫通穴の開口から噴出するためアルミニウム接合部の充填形成が難しい。Mgを所定量含むアルミニウム溶接材を用いることにより、アルミニウム溶接材の強度が向上するのみならず、アークが短く安定化して前記亜鉛蒸気の悪影響を防止することができる。このため、貫通穴におけるアルミニウム接合部の充填形成が容易になり、接合強度を確保し易くなる。
本発明の鉄鋼−アルミニウム溶接方法は、溶接線に沿って貫通穴が複数形成された鉄鋼板に前記貫通穴を塞ぐようにアルミニウム板を重ね合わせ、前記溶接線に沿って前記貫通穴にアルミニウム溶接ワイヤを溶融充填しつつ前記鉄鋼板の表面に前記溶接線に沿って溶接ビードを交流電源あるいは直流電源によるアーク溶接により被覆形成する鉄鋼−アルミニウム溶接方法であって、アーク溶接の入熱量を下記式で規定したQ(kJ/cm)、アルミニウム板の板厚をTa(mm)としたとき、下記式を満足するように溶接するものである。
Q(kJ/cm)=60(s/min)×溶接電流(A)×溶接電圧(V)/溶接速度(cm/min)/1000
Ta/3.5≦Q≦Ta/1.4(交流電源の場合)
Ta/1.5≦Q≦Ta/0.7(直流電源の場合)
この溶接方法によって、前記鉄鋼−アルミニウム溶接継手を容易に製作することができる。この溶接方法において、前記鉄鋼板として溶融亜鉛めっき鋼板を用いる場合、前記アルミニウム溶接ワイヤはMgを2.0〜6.0mass%含有するものを用いることが好ましい。これによって、アークが短く安定し、貫通穴の開口から吹き出す亜鉛蒸気によるアークの乱れを抑制することができ、貫通穴にアルミニウム接合部を容易に充填形成することができる。
本発明の鉄鋼−アルミニウム溶接継手によれば、鉄鋼板の貫通穴に溶融充填して形成されたアルミニウム接合部のアルミニウム板への最大溶け込み深さD、および前記アルミニウム接合部に溶融接合し、鉄鋼板の表面に形成した溶接ビードの平均厚さTbを、アルミニウム板の板厚Ta、貫通穴の円相当半径Rに対して、D/Taを0.10以上、Tb/Rを0.50以上としたので、アルミニウム接合部が本来のリベット機能を果たすようになり、優れた接合強度が得られる。また、本発明の溶接方法によると、前記溶接継手を容易に製作することができる。
図1(A)、(B)は、本発明の実施形態を示す鉄鋼−アルミニウム溶接継手(以下、単に「溶接継手」という場合がある。)1の平面図及び溶接線に沿った断面側面図を示す。この溶接継手は、上板である鉄鋼板2と、下板であるアルミニウム板3とを重ね合わせて、溶接線6に沿ってアーク溶接により接合されている。前記鋼板2の接合部表面には、溶接線6に沿ってアルミニウム溶接ワイヤなどから供給されるアルミニウム溶接材が溶融凝固して形成された溶接ビード5が形成されている。
前記鉄鋼板2には、溶接線6に沿って予め所定間隔をおいて複数の貫通穴4が設けられており、その貫通穴4には、溶接接合の際に、アルミニウム溶接ワイヤなどから供給されたアルミニウム溶接材が溶融充填されて凝固したアルミニウム接合部7が形成されている。
前記鉄鋼板2としては、普通鋼、高張力鋼(ハイテン)などの鋼板や鉄板を用いることができ、さらにはこれらの鉄鋼板に溶融亜鉛めっきを施した溶融亜鉛めっき鋼板を用いることもできる。なお、鉄鋼板は平坦状のものに限らず、適宜のアールを有する曲面状のものでもよい。前記アルミニウム板3は、純アルミニウムあるいはアルミニウム合金で形成された板材であり、鉄鋼板形状と同様、平坦状に限らず、曲面状でもよい。
また、前記アルミニウム接合部、溶接ビードを形成する元になるアルミニウム溶接ワイヤとしては、公知のAl−Si系ワイヤやAl−Mg系ワイヤを用いることができる。具体的には、JISで規定される各種のものを用いることができる。例えば、Al−Si系ワイヤとしてA4043−WY、A4047−WYを、Al−Mg系ワイヤとしてA5554−WY、A5356−WY、A5183−WYを挙げることができる。
もっとも、前記Al−Mg系ワイヤはAl−Si系ワイヤに比べて、アルミニウム材の強度が高く、またアークを短く、安定化する作用が強いため好ましい。このため、鉄鋼板として溶融亜鉛めっき鋼板を使用する場合でも好適に使用することができる。溶融亜鉛めっき鋼板を用いて溶接すると、溶接の際に亜鉛蒸気が貫通穴4の開口から噴出して、Al−Si系ワイヤを用いた場合、アークが不安定になりやすく、貫通穴4にアルミニウム接合部7が充填形成され難いが、前記Mgを含むAl−Mg系ワイヤではアークが短く安定化するので、上記のような不都合がなく好適である。
また、前記Al−Mg系ワイヤは、溶接ビード5に割れが発生し難いので好ましい。アルミニウムと鉄鋼とでは、溶接、冷却時の熱収縮量が異なるため、溶接の際に溶接ビードに引張応力が発生する。このため、溶接ビードを形成するアルミニウム溶接材の強度が低く、またその熱収縮量が大きいほどビード割れが発生し易くなる。前記Al−Mg系ワイヤは、Al−Si系ワイヤに比べて、材料強度が高いので、溶接ビード5に割れが発生し難い。このため、溶接継手の外観を損なうことなく、またビード割れによる溶接継手の疲労強度の低下を防止することができるという利点がある。
前記Al−Mg系ワイヤにおけるMg量は、2.0%未満では上記の各作用が不足し、一方6.0%を超えるとワイヤの溶接性が劣化(スマットの発生)し、また耐食性も低下するようになる。このため、Mg量の下限を2.0%、好ましくは2.5%とするのがよく、またその上限を6.0%、好ましくは5.5%とするのがよい。
図2に示すように、前記鉄鋼板2の貫通穴4にはアルミニウム接合部7が充填形成されているが、その下端部はアルミニウム板3が前記貫通穴4に露呈した表面に溶け込んだ状態となって溶融接合されており、その溶け込み部は貫通穴4の内面下端縁からその中央部の最大深さ部(その最大溶け込み深さをDとする。)に渡って形成されている。また、前記アルミニウム接合部7の上端部は鉄鋼板2の表面に溶接線に沿って被覆形成された溶接ビード5に溶着一体化している。溶接線6に沿って鉄鋼板1の上面から溶接ビード5の上面までの距離をビード厚さといい、その平均厚さをTbで表す。前記溶接ビード5、アルミニウム接合部7および溶け込み部は、溶接ワイヤの溶融により、供給されたアルミニウム溶接材によって一体的に形成された部分である。
本発明ではアルミニウム板3の板厚をTaとしたとき、D/Taが0.10以上とされる。後述の実施例から明らかなとおり、0.10未満では、アルミニウム溶接材のアルミニウム板3への溶け込みが少なく、溶け込み部の界面に沿ってアルミニウム接合部7が破断し易く、十分な接合強度が得られない。このため、D/Taの下限を0.10、好ましくは0.40とする。
また、前記貫通穴4の平面形状は図例では円形としているが、特に限定されない。もっとも、応力集中端になり易い鋭角や直角の角を有する三角形や四角形よりも、角が鈍角である多角形の方が好ましく、さらに角のない円形や楕円形などの丸みの帯びた形状がもっとも好ましい。これらの穴形状の内径サイズを統一的に表すため、貫通穴の横断面の面積と等しい面積を有する円形の半径を「円相当半径」Rとする。
本発明では、Tb/Rが0.50以上とされる。0.50未満では溶接ビード5の部分で破断が生じるようになり、溶接ビード5やアルミニウム接合部7がリベットとして機能しないようになる。このため、Tb/Rの下限を0.50、好ましくは0.70とする。なお、溶け込み部が大きくなると、溶融したアルミニウム溶接材がアルミニウム板3を突き抜けて裏面に広がり、溶接ビード5が形成されないようになる。このため、前記D/Taの上限を特に規定する必要はなく、Tb/Rの下限を規定することによって足りる。
また、前記貫通穴4の配置については、前記溶接線6に沿った前記貫通穴4の間の鉄鋼板部の長さをLとするとき(図2参照)、2R/Lの値が0.5〜7、好ましくは1〜5程度となるように配置するのがよい。これによってアルミニウム溶接材への鉄鋼板からのFeの溶け込みを抑制することができ、アルミニウム接合部、溶接ビードの延性劣化を防止することができる。なお、溶接線6は直線であっても、曲線であってもよい。
次に、上記溶接継手の製作方法について、図3を参照して説明する。
上記溶接継手は、上板である鉄鋼板2と、下板であるアルミニウム板3とを重ね合わせた部分を、溶接線6に沿って、矢印方向へ溶接トーチ11をアルミニウム溶接ワイヤ10と共に移動しつつ、溶接ビード5を形成しながらアーク溶接することによって製作される。
前記溶接線6に沿って、前記鉄鋼板2には貫通穴4が所定の間隔で設けられており、図2では左側の2個の貫通穴4は、アルミニウム溶接材がまだ溶融充填されておらず、それより右側のものは、アルミニウム溶接ワイヤから供給されたアルミニウム溶接材が溶融充填され、凝固したアルミニウム接合部7が形成されている。前記貫通穴4にアルミニウム溶接材を溶融凝固して充填させるためには、鉄鋼板2を上側、アルミニウム板を下側として、アーク溶接することが必要である。
上記溶接継手を製作するための溶接条件は、アーク溶接の入熱量を下記式で規定したQ(kJ/cm)、アルミニウム板の板厚をTa(mm)としたとき、下記式を満足するように溶接電流、溶接電圧、溶接速度を制御すればよい。
Q(kJ/cm)=60(s/min)×溶接電流(A)×溶接電圧(V)/溶接速度(cm/min)/1000
Ta/3.5≦Q≦Ta/1.4(交流電源の場合)
Ta/1.5≦Q≦Ta/0.7(直流電源の場合)
後述の実施例から明らかなように、QがTa/3.5未満(交流電源の場合)あるいはTa/1.5未満(直流電源の場合)では、アルミニウム接合部のアルミニウム板への溶け込みが不十分となり、またTa/1.4(交流電源の場合)あるいはTa/0.7(直流電源の場合)を超えると溶け込みが過大になり、著しい場合はアルミニウム板を突き破って流出するため、必要なビード厚さを確保できないようになる。入熱量を上記範囲に制御することで、前記D/Taが0.10以上で、かつTb/Rが0.50以上の条件が満足されるようになり、アルミニウム接合部が本来のリベット機能を発揮するようになり、優れた接合強度得られる。
本発明を実施する際の好ましいアーク溶接条件としては、上記入熱量の規定を満足することを前提として、以下の通りである。
溶接電流:交流電源の場合、60A以上、より好ましくは70A以上で、100A以下、より好ましくは90A以下である。一方、直流電源の場合、60A以上、より好ましくは70A以上で、140A以下、より好ましくは130A以下である。
溶接電圧:交流電源の場合、10V以上、より好ましくは11V以上で、15V以下、より好ましくは14V以下である。一方、直流電源の場合、13V以上、より好ましくは14V以上で、19V以下、より好ましくは18V以下である。
溶接速度:交流電源あるいは直流電源のいずれの場合も、20cm/min以上、より好ましくは30cm/min以上で、120cm/min以下、より好ましくは100cm/min以下である。
シールドガス:Arなど汎用されるガスが適宜使用でき、ガス流量も、汎用流量が選択でき、特に制限は無い。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はかかる実施例によって限定的に解釈されるものではない。
下記表1に示す鋼板(種類中の「GA」は溶融亜鉛めっき鋼板を意味する。)、アルミニウム板を接合対象とし、種々のアルミニウム溶接ワイヤを用いて、種々の入熱条件で交流電源によるアーク溶接を行い、溶接継手を製作した。前記鋼板には、予め同表に示す直径(2R、R:円相当半径)の丸穴形状の貫通穴を、同表に示す間隔(穴中心間隔)で開設したものを用いた。また、アーク溶接に際し、シールドガスとしてAr(流量は20〜25L/min )を使用した。また溶接トーチの角度は80°とした。
なお、使用したアルミニウム溶接ワイヤのMg量は以下のとおりである。
A4043WY:0.05%以下、A5183WY:4.3〜5.2%、A5356WY:4.5〜5.5%、A5554WY:2.4〜3.2%
得られた溶接継手に対して、ビード割れの有無を目視観察すると共に接合強度を調べた。ビード割れの評価は、割れが全くないものを◎、溶接線100mmあたりの割れが2個以下のものを○、同3個以上のものを×とした。割れ数が2個以下の場合、実用上問題がない。
接合強度は、各試料(試験片)の引張試験後の破断片のリベット(アルミニウム接合部)の個数を数え、試料毎の接合面積を計算し、その値で破断荷重を除して求めた。その結果を表2に示す。なお、表2には、接合対象も併せて表示した。
表1及び表2から明らかなように、交流電源の場合、溶接条件(入熱量Q)がTa/3.5≦Q≦Ta/1.4(Ta:アルミニウム板の板厚mm)を満足する試料No. 1〜20(発明例)は、全てTb/Rが0.50以上で、D/Taが0.10以上であり、90MPa以上の優れた接合強度を有しており、ビード割れもほとんど無く、優れた溶接継手が得られている。
これに対して、入熱量Qが所定の条件を満足していない試料No. 21〜26、29及び30は、Tb/R又はD/Taが本発明条件を外れており、接合強度がせいぜい80MPa程度に止まった。また、対象鋼板として溶融亜鉛めっき鋼板を用いた試料No. 27及び28は、溶接ワイヤがMgを殆ど含まないAl−Si系のA4043WYを用いたため、アーク溶接の際に、貫通穴の開口から亜鉛蒸気が噴き出して貫通穴へのアルミニウム溶接材の充填や溶接ビード形成が不十分であり、接合強度も低レベルであった。
Figure 2006150439
Figure 2006150439
下記表3に示す鋼板(種類中の「GA」は溶融亜鉛めっき鋼板を意味する。)、アルミニウム板を接合対象とし、種々のアルミニウム溶接ワイヤを用いて、種々の入熱条件で直流電源によるアーク溶接を行い、溶接継手を製作した。前記鋼板には、予め同表に示す直径(2R、R:円相当半径)の丸穴形状の貫通穴を、同表に示す間隔(穴中心間隔)で開設したものを用いた。また、アーク溶接に際し、シールドガスとしてAr(流量は20〜25L/min )を使用した。また溶接トーチの角度は80°とした。
得られた溶接継手に対して、実施例1と同様、ビード割れの有無を目視観察して評価すると共に接合強度を調べた。その結果を表4に示す。
表3及び表4から明らかなように、直流電源の場合、溶接条件(入熱量Q)がTa/1.5≦Q≦Ta/0.7(Ta:アルミニウム板の板厚mm)を満足する試料No. 31〜41(発明例)は、全てTb/Rが0.50以上で、D/Taが0.10以上であり、90MPa以上の優れた接合強度を有しており、ビード割れも無く、優れた溶接継手が得られている。
これに対して、入熱量Qが所定の条件を満足していない試料No. 42〜47は、Tb/R又はD/Taが本発明条件を外れており、接合強度がせいぜい74MPa程度に止まり、溶接ビードにも若干の割れが認められた。
Figure 2006150439
Figure 2006150439
本発明の実施形態にかかる鉄鋼−アルミニウム溶接継手の(A)平面図及び(B)断面側面図である。 図1の溶接線に沿った断面における要部断面拡大図である。 本発明の溶接継手のアーク溶接要領を示す断面説明図である。
符号の説明
1:鉄鋼−アルミニウム溶接継手
2:鉄鋼板
3:アルミニウム板
4:貫通穴
5:溶接ビード
6:溶接線
7:アルミニウム接合部

Claims (5)

  1. 鉄鋼板とアルミニウム板とを重ね合わせた重ね合わせ部を有し、前記重ね合わせ部を溶接線に沿ってアーク溶接により接合した鉄鋼−アルミニウム溶接継手であって、
    前記鉄鋼板は溶接線に沿って複数の貫通穴が設けられ、
    前記貫通穴にはアルミニウム溶接材が溶融充填され凝固したアルミニウム接合部が形成され、
    前記アルミニウム接合部は、その下端部が前記貫通穴に露呈したアルミニウム板の表面に溶け込み、その上端部が前記鉄鋼板の表面に被覆形成された溶接ビードに溶融接合し、
    前記アルミニウム板の板厚をTa、前記アルミニウム接合部がアルミニウム板の表面に溶け込んだ最大溶け込み深さをD、前記溶接ビードの溶接線における平均厚さをTb、前記貫通穴の円相当半径をRとしたとき、D/Taを0.10以上、Tb/Rを0.50以上とする、鉄鋼−アルミニウム溶接継手。
  2. 前記鉄鋼板は溶融亜鉛めっき鋼板であり、前記アルミニウム溶接材はMgを2.0〜6.0mass%含有する、請求項1に記載した鉄鋼−アルミニウム溶接継手。
  3. 溶接線に沿って貫通穴が複数形成された鉄鋼板に前記貫通穴を塞ぐようにアルミニウム板を重ね合わせ、前記溶接線に沿って前記貫通穴にアルミニウム溶接ワイヤを溶融充填しつつ前記鉄鋼板の表面に前記溶接線に沿って溶接ビードを交流電源によるアーク溶接により被覆形成する鉄鋼−アルミニウム溶接方法であって、
    アーク溶接の入熱量を下記式で規定したQ(kJ/cm)、アルミニウム板の板厚をTa(mm)としたとき、Ta/3.5≦Q≦Ta/1.4を満足するように溶接する、鉄鋼−アルミニウム溶接方法。
    Q(kJ/cm)=60(s/min)×溶接電流(A)×溶接電圧(V)/溶接速度(cm/min)/1000
  4. 溶接線に沿って貫通穴が複数形成された鉄鋼板に前記貫通穴を塞ぐようにアルミニウム板を重ね合わせ、前記溶接線に沿って前記貫通穴にアルミニウム溶接ワイヤを溶融充填しつつ前記鉄鋼板の表面に前記溶接線に沿って溶接ビードを直流電源によるアーク溶接により被覆形成する鉄鋼−アルミニウム溶接方法であって、
    アーク溶接の入熱量を下記式で規定したQ(kJ/cm)、アルミニウム板の板厚をTa(mm)としたとき、Ta/1.5≦Q≦Ta/0.7を満足するように溶接する、鉄鋼−アルミニウム溶接方法。
    Q(kJ/cm)=60(s/min)×溶接電流(A)×溶接電圧(V)/溶接速度(cm/min)/1000
  5. 前記鉄鋼板は溶融亜鉛めっき鋼板であり、前記アルミニウム溶接ワイヤはMgを2.0〜6.0mass%含有する、請求項3又は4に記載した鉄鋼−アルミニウム溶接方法。
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