JP2006137326A - 車体前部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】前面衝突時に相手車両の構造部材等が侵入するのを抑制するのみならず、前面衝突時に効率良くエネルギー吸収することでキャビンの変形を抑制することができる車体前部構造を得る。
【解決手段】フロントサイドメンバ12の下方側には、サブフレーム40と連続するかたちでロアメンバ38が車両前後方向に沿って配置されている。ラジエータサポートロア34の車両幅方向の端部34Aとロアメンバ38の前端部との間には、側面視で階段形状の干渉構造部24が設定されている。干渉構造部24の上部24Bはラジエータ22の下部背面に当接状態又は近接状態で配置されている。従って、ラジエータ22に入力された衝突荷重は干渉構造部24の上部24Bへ伝達された後、干渉構造部24の下部24Aからロアメンバ38、サブフレーム40、フロントサイドメンバ12の下部12Cへと順次伝達される。よって、キャビン15の変形を抑制することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車体前部の両サイドに車両前後方向を長手方向として配置された左右一対のフロントサイドメンバと、車体の前端部に車両幅方向を長手方向として配置され、左右一対のフロントサイドメンバの前端部同士を連結するフロントバンパリインフォースと、このフロントバンパリインフォースの車両後方側に近接して配置されると共に略垂直面を構成し、前面衝突時に衝突荷重が入力される壁体と、を含んで構成された車体前部構造に関する。
下記特許文献1には、車体前部の下部に正面視で扁平なU字形の枠状構造を設けることで、前面衝突時における相手車両の構造部材や動力装置部の貫入を防ぐ技術が開示されている。
簡単に説明すると、フロントサイドメンバの前端部間は、衝撃吸収部材を介してフロントバンパリインフォースと連結されている。また、フロントサイドメンバの下方には、車両前後方向を長手方向とする下部縦樋部材が連結支持部材及び繋ぎ材によって吊り下げ状態で平行に配置されている。さらに、左右の連結支持部材の下端部同士は、フロントバンパリインフォースと略平行に配置された横梁によって連結されている。
これにより、フロントサイドメンバの前端部下側に横梁と左右一対の垂直部材である連結支持部材とから成る扁平なU字形の枠状部を形成し、前面衝突時に相手車両の構造部材等の車体前部への貫入を防止するというものである。
特表2003‐513856号公報
しかしながら、上記先行技術による場合、フロントバンパリインフォースとU字形の枠状部との間に隙間が形成されることになり、相手車両の構造部材等が貫入してくるのを受け止める構造物が存在しないため、所期の目的を達成することが難しい。
本発明は上記事実を考慮し、前面衝突時に相手車両の構造部材等が侵入するのを抑制するのみならず、前面衝突時に効率良くエネルギー吸収することでキャビンの変形を抑制することができる車体前部構造を得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係る車体前部構造は、車体前部の両サイドに車両前後方向を長手方向として配置された左右一対のフロントサイドメンバと、車体の前端部に車両幅方向を長手方向として配置され、左右一対のフロントサイドメンバの前端部同士を連結するフロントバンパリインフォースと、このフロントバンパリインフォースの車両後方側に近接して配置されると共に略垂直面を構成し、前面衝突時に衝突荷重が入力される壁体と、を含んで構成された車体前部構造であって、前記フロントサイドメンバの下方側に車両前後方向に沿って配置され、後端側が車体構成部材に結合された左右一対の前後方向部材を有し、前面衝突時の前記壁体への荷重入力により、当該壁体の車両幅方向の両端下部が前記前後方向部材の前端部に干渉し当該前後方向部材に前後方向荷重が伝達されるように干渉構造部を設定した、ことを特徴としている。
請求項2記載の本発明に係る車体前部構造は、請求項1記載の発明において、前記壁体はラジエータであり、当該ラジエータへの荷重入力により、当該ラジエータの下縁側に車両幅方向を長手方向として配置されたラジエータサポートロアの両端部が直接又は部材を介して前記前後方向部材の前端部に干渉する、ことを特徴としている。
請求項3記載の本発明に係る車体前部構造は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記前後方向部材は、サブフレームの一部を成す後部部材と、この後部部材と前記壁体との間に配置された前部部材と、を含んで構成されている、ことを特徴としている。
請求項4記載の本発明に係る車体前部構造は、請求項3記載の発明において、前記前部部材の前端部に前記干渉構造部が設定されている、ことを特徴としている。
請求項5記載の本発明に係る車体前部構造は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発明において、干渉構造部は、側面視で前記壁体と車両上下方向にオーバーラップするように車両上方側へ延出された延出部を含んで構成されている、ことを特徴としている。
請求項1記載の本発明によれば、前面衝突時、フロントバンパリインフォースの車両後方側に近接して配置された壁体に車両後方側へ荷重が入力されると、壁体の車両幅方向の両端下部とフロントサイドメンバの下方側に配置された前後方向部材の前端部との間には干渉構造部が設定されているため、壁体に車両後方側への荷重が入力されると、壁体の車両幅方向の両端下部が左右一対の前後方向部材の前端部に干渉し、前後方向部材に前後方向荷重(この場合、車両後方側への荷重)が伝達される(流れる)。前後方向部材の後端部は車体構成部材に結合されているため、最終的には衝突荷重は車体構成部材に伝達される(流される)。
従って、前面衝突時の初期から衝突荷重の伝達(エネルギー吸収)が開始されるので、車両減速特性が改善される。すなわち、早期にエネルギー吸収が開始される車両減速特性となり、その結果、キャビンへの入力荷重を低減させることができ、キャビンの変形を抑制することができる。
なお、壁体はフロントバンパリインフォースの車両後方側に近接して配置されかつ略垂直面を構成しているため、車両と前面衝突した際に相手車両の構造部材等が車体前部に侵入するのを抑制できる。
請求項2記載の本発明によれば、壁体としてラジエータを利用する。このため、前面衝突時の相手車両の構造部材等の侵入はラジエータで堰き止められる。この場合、ラジエータに車両後方側への荷重が入力されるが、本発明ではラジエータの下縁側に車両幅方向を長手方向として配置されたラジエータサポートロアの両端部が直接又は部材を介して前後方向部材の前端部に干渉するため、ラジエータ、ラジエータサポートロア、左右一対の前後方向部材、車体構成部材の順に荷重が伝達され流れていく。つまり、本発明の場合、ラジエータサポートロアの両端部又は(当該両端部と前後方向部材の前端部との間に介在される)部材が前述した干渉構造部として機能する。
さらに、上記の如く、壁体として既存のラジエータを用い、ラジエータから前後方向部材への荷重伝達に既存のラジエータサポートロアを用いる構成であるため、既存部品を有効に活用して荷重伝達経路を確保することができる。
請求項3記載の本発明によれば、前後方向部材は、サブフレームの一部を成す後部部材と、この後部部材と壁体との間に配置された前部部材と、を含んで構成されているため、前後方向部材に関しては前部部材のみを本発明用に新設すればよい。換言すれば、既存のサブフレームを有効活用することにより、新設する部分(前部部材)の部材長を短くすることができる。
請求項4記載の本発明によれば、前後方向部材の前部部材の前端部に干渉構造部が設定されているので、新設する一部品(即ち、前部部材)に新規に付加する部品・構造がすべて集約化される。従って、既存部品を最大限有効活用することができる。
請求項5記載の本発明によれば、干渉構造部は側面視で壁体と車両上下方向にオーバーラップするように車両上方側へ延出された延出部を含んで構成されているため、壁体へ荷重が入力されると、壁体が延出部に干渉することにより荷重が壁体から延出部に伝達され、前後方向部材へと伝達されていく。従って、壁体への入力荷重を確実に前後方向部材に伝達することができる。
請求項1記載の本発明に係る車体前部構造は、車体前部の両サイドに車両前後方向を長手方向として配置された左右一対のフロントサイドメンバと、車体の前端部に車両幅方向を長手方向として配置され、左右一対のフロントサイドメンバの前端部同士を連結するフロントバンパリインフォースと、このフロントバンパリインフォースの車両後方側に近接して配置されると共に略垂直面を構成し、前面衝突時に衝突荷重が入力される壁体と、を含んで構成された車体前部構造において、フロントサイドメンバの下方側に車両前後方向に沿って配置され、後端側が車体構成部材に結合された左右一対の前後方向部材を有し、前面衝突時の前記壁体への荷重入力により、当該壁体の車両幅方向の両端下部が前後方向部材の前端部に干渉し当該前後方向部材に前後方向荷重が伝達されるように干渉構造部を設定したので、前面衝突時に相手車両の構造部材等が侵入するのを抑制するのみならず、前面衝突時に効率良くエネルギー吸収することでキャビンの変形を抑制することができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る車体前部構造は、壁体としてラジエータを用い、当該ラジエータへの荷重入力により、当該ラジエータの下縁側に車両幅方向を長手方向として配置されたラジエータサポートロアの両端部が直接又は部材を介して前後方向部材の前端部に干渉する構造としたので、既存部品を有効に活用して荷重伝達経路を確保することができ、その結果、低コストで所期の目的を達成することができるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係る車体前部構造は、請求項1又は請求項2記載の発明において、サブフレームの一部を成す後部部材と、この後部部材と壁体との間に配置された前部部材と、を含んで上述した前後方向部材を構成したので、前後方向部材に関しては前部部材のみを本発明用に新設すればよくなり、その結果、請求項2記載の発明と同様に、低コストで所期の目的を達成することができるという優れた効果を有する。
請求項4記載の本発明に係る車体前部構造は、請求項3記載の発明において、前部部材の前端部に干渉構造部を設定したので、既存部品を最大限有効活用することができ、その結果、最小限のコストで所期の目的を達成することができるという優れた効果を有する。
請求項5記載の本発明に係る車体前部構造は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発明において、干渉構造部は側面視で壁体と車両上下方向にオーバーラップするように車両上方側へ延出された延出部を含んで構成したので、壁体への入力荷重を確実に前後方向部材に伝達することができ、その結果、前面衝突初期のエネルギー吸収に対する信頼性を高めることができるという優れた効果を有する。
以下、図1〜図4を用いて、本発明に係る車体前部構造の一実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。
図1には、本実施形態に係る車体前部構造の側面図が示されている。この図に示されるように、車体前部10の両サイドには、車両前後方向を長手方向として左右一対のフロントサイドメンバ12が配設されている。フロントサイドメンバ12は、車両前後方向に沿って直線状に延びる本体部12Aと、この本体部12Aの後端部から斜め下方へ屈曲するように設定されたキックアップ部12Bと、このキックアップ部12Bの下端部から図示しない車体フロアの下面側へ延出される後部12Cと、によって構成されている。キックアップ部12Bの後端部は、エンジンルーム14とキャビン15とを隔成するダッシュパネル16に結合されている。なお、フロントサイドメンバ12は、フロントサイドメンバアウタパネルとフロントサイドメンバインナパネルとを結合させることにより略筒状(閉断面構造)に形成されている。
上記左右一対のフロントサイドメンバ12の前端部には、所定値以上の衝突荷重が入力されることにより軸圧縮塑性変形する略筒体形状のクラッシュボックス18がボルト17A及びナット17Bでそれぞれ取り付けられている。さらに、左右のクラッシュボックス18の前端部同士は、車両幅方向を長手方向として配置された長尺状のフロントバンパリインフォース20によって相互に連結されている。これにより、前面衝突時にフロントバンパに入力された荷重が、左右のクラッシュボックス18及びフロントサイドメンバ12に効率良く伝達されるようになっている。なお、フロントサイドメンバ12及びクラッシュボックス18の双方を合わせた構造体が、本発明における「フロントサイドメンバ」に相当する。
なお、フロントバンパリインフォース20はフロントバンパの一部を構成する強度部材であり、その前方側には図示しないアブソーバ及びフロントバンパカバーが配設されている。
また、車体前部10の前端部(フロントバンパリインフォース20の車両後方側)には、壁体としてのラジエータ22がフロントバンパリインフォース20に近接して配置されている。ラジエータ22はフロントバンパリインフォース20の長手方向に沿って配置された薄型構造体であり、正面視で略矩形状を成しており、車両水平面に対して略垂直に立設されている。
上記ラジエータ22はラジエータサポート30によって車体側に支持されている。このラジエータサポート30は正面視で略矩形枠状に構成されており、車両幅方向を長手方向として配置されラジエータ22の上縁側を支持する図示しないラジエータサポートアッパと、車両幅方向を長手方向として配置されラジエータ22の下縁側を支持するラジエータサポートロア34と、ラジエータ22の両側部を支持する図示しない左右一対の縦柱と、を含んで構成されている。
ここで、上述した左右一対のフロントサイドメンバ12の下方側には、略車両前後方向を長手方向とする前後方向部材としての長尺状のロアメンバ38がそれぞれ配設されている。ロアメンバ38は、閉断面構造とされている。ロアメンバ38の後端部は、車体下部に配置された後部部材としてのサブフレーム(フロントサスペンションメンバ)40の前端部に結合されている。サブフレーム40の後端部は、フロントサイドメンバ12の後部12Cに結合されている。なお、本実施形態の場合、サブフレーム40の後端部の結合相手となるフロントサイドメンバ12の後部12Cが本発明における車体構成部材に相当する。
上記ロアメンバ38の前端部は、ラジエータサポートロア34の車両幅方向の端部34A(以下、この部分を「干渉構造部24」と称す)に結合されている。より詳細に説明すると、干渉構造部24は側面視の断面形状が中空の階段形状とされており、下部24A及び延出部としての上部24Bから成る。下部24Aは、ラジエータサポートロア34の車両幅方向の端部34Aそのもの又はラジエータサポートロア34を延長した部分である。また、上部24Bは、下部24Aの後端部から車両上方側へ一体に延出されてラジエータ22の背面に当接状態、結合状態、又は近接状態のいずれかで配置されている。すなわち、干渉構造部24の上部24Bは、側面視でラジエータ22の下部と車両上下方向にオーバーラップするようになっている。なお、上部24Bとラジエータ22とを結合するか否かは任意である。また、下部24Aの後端壁とロアメンバ38の前端部とはボルト・ナット等の固定手段によって結合されている。
(本実施形態の作用・効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
図1に示される状態が前面衝突前の車体前部10の状態である。この状態から相手車両と前面衝突すると、前面衝突時の衝突荷重がフロントバンパリインフォース20に入力される。このため、フロントバンパリインフォース20の長手方向の両端部に結合された左右一対のクラッシュボックス18が車両前後方向に軸圧縮塑性変形し、所定のエネルギー吸収を行う。
クラッシュボックス18の変形量が所定量に達すると、フロントバンパリインフォース20の車両後方側に近接して配置されたラジエータ22に車両後方側への衝突荷重Fが入力される。ラジエータ22が車両後方側へ押圧されて押圧方向へ変位すると、当該ラジエータ22の下部とラジエータサポートロア34の車両幅方向の端部34Aに設けられた干渉構造部24の上部24Bとが相互に干渉し、衝突荷重Fは左右に分配されて衝突荷重f1となり、当該上部24Bに入力される。そして、干渉構造部24の上部24Bに入力された衝突荷重f1はラジエータサポートロア34の干渉構造部24の下部24Aからロアメンバ38に入力される(荷重f2)。その後、ロアメンバ38に入力された荷重f2はサブフレーム40を通って(荷重f3)、フロントサイドメンバ12の後部12Cに荷重f4として伝達される(流される)。
従って、前面衝突時の初期から衝突荷重f1の伝達(エネルギー吸収)が開始されるので、車両減速特性が改善される。すなわち、早期に前面衝突時のエネルギー吸収が開始される車両減速特性となり、その結果、キャビン15への入力荷重を低減させることができ、キャビン15の変形を抑制することができる。
なお、ラジエータ22はフロントバンパリインフォース20の車両後方側に近接して配置されかつ略垂直面を構成しているため、前面衝突した際に相手車両の構造部材等が車体前部10に侵入するのを抑制することができる。
以上を総括すると、本実施形態に係る車体前部構造によれば、前面衝突時に相手車両の構造部材等が侵入するのを抑制するのみならず、前面衝突時に効率良くエネルギー吸収することでキャビン15の変形を抑制することができる。
また、本実施形態に係る車体前部構造では、壁体としてラジエータ22を利用し、当該ラジエータ22で前面衝突時の相手車両の構造部材等の侵入を堰き止めると共に、ラジエータ22からロアメンバ38への荷重伝達に既存のラジエータサポートロア34を用いる構成としたので、既存部品を有効に活用して荷重伝達経路を確保することができる。その結果、本実施形態によれば、低コストで所期の目的を達成することができる。
さらに、本実施形態に係る車体前部構造では、サブフレーム40の一部を前後方向部材の後部部材として利用することとしたので、既存の部材を有効活用することがきる。このため、新設する部分(ロアメンバ38)の部材長を短くすることができる。その結果、本実施形態によれば、低コストで所期の目的を達成することができる。
加えて、本実施形態に係る車体前部構造では、ラジエータサポートロア34の車両幅方向の端部34Aに設けられた干渉構造部24を設定し、当該干渉構造部24は側面視でラジエータ22と車両上下方向にオーバーラップするように車両上方側へ延出された上部24Bを含んで構成されているため、ラジエータ22へ衝突荷重Fが入力されると、ラジエータ22が上部24Bに干渉することにより衝突荷重f1がラジエータ22から当該上部24Bに伝達され、ロアメンバ38及びサブフレーム40へと伝達されていく。従って、ラジエータ22への入力荷重を確実に前後方向部材であるロアメンバ38及びサブフレーム40に伝達することができる。その結果、本実施形態によれば、前面衝突初期のエネルギー吸収に対する信頼性を高めることができる。
(実施形態の補足説明)
なお、上述した本実施形態では、干渉構造部24として中空の階段形状のものを採用したが、具体的な構成例を挙げると、図2(A)に示されるように、二枚の板材(階段形状に屈曲された前部板材50とL字形状に屈曲された後部板材52)の両端部を溶接等により結合して構成した干渉構造部54や、図2(B)に示されるように、ハイドロフォーム等を利用して中空一体形状にした干渉構造部56等を用いることができる。
また、上述した本実施形態では、ラジエータサポートロア34の車両幅方向の端部34Aに干渉構造部24を一体に設定したが、これに限らず、図3に示されるように、ロアメンバ38側のみに干渉構造部58を設定してもよい。
具体的に説明すると、この実施形態では、ラジエータサポートロア34の車両幅方向の端部34Aについてはそのままの形状を残し、ロアメンバ38の前端部にラジエータ22の下部に対して車両上下方向へのラップ代を有する中空矩形断面の干渉構造部58が設定されている。見方を変えると、この実施形態の干渉構造部58では、前述した干渉構造部24を前後に分割した構成になっており、その場合において前側の部分が既存のラジエータサポートロア34の車両幅方向の端部34Aと等価であれば、干渉構造部は実質的にロアメンバ38側のみに集約して設定されていることになる。なお、ラジエータサポートロア34の車両幅方向の端部34Aと干渉構造部58はいずれも補強しておくのが好ましい。また、ロアメンバ38の前端部に設定された干渉構造部58はフロントサイドメンバ12の前端部から吊り下げるか、左右のロアメンバ38の前端部同士に掛け渡される構造とするのが好ましい。
この構成によれば、新設する一部品(即ち、ロアメンバ38)に新規に付加する部品・構造(即ち、干渉構造部58)がすべて集約化される。従って、既存部品を最大限有効活用することができる。その結果、本実施形態によれば、最小限のコストで所期の目的を達成することができる。
さらに、上述した本実施形態では、壁体としてラジエータ22を利用したが、これに限らず、ラジエータ22と同様程度の荷重受け面を有するパネル状の部材(構造体)であってもよい。
また、上述した本実施形態では、既存の部材を活用する観点からラジエータサポートロア34を利用したが、これに限らず、別途、車両幅方向を長手方向として配置された横方向部材を設定する構成を採ってもよい。
さらに、上述した本実施形態では、フロントサイドメンバ12の下方側にロアメンバ38をサブフレーム40とは別体で配設したが、これに限らず、サブフレームにロアメンバに相当する部分が予め形成されているのであれば、ロアメンバ38を新設する必要はない。
さらに、上述した本実施形態では、ラジエータサポートロア34の車両幅方向の端部34Aに干渉構造部24を設定したが、これに限らず、請求項1記載の本発明との関係では、「前面衝突時の壁体への荷重入力により、当該壁体の車両幅方向の両端下部が前後方向部材の前端部に干渉し当該前後方向部材に前後方向荷重が伝達されるような干渉構造部」であればよい。従って、干渉構造部としては、車両幅方向を長手方向とする長尺状の部材である必要は必ずしもなく、ラジエータ22の側部の下端に直接取り付けられた(高強度の)ブラケット状の部材でもよいし、ラジエータ22そのものに予め車両下方側かつ車両幅方向外側へ延長された(張出された)高剛性の干渉部を設ける構成であってもよい。その場合、車両上下方向のラップ代は不要である。
また、上述した図1に示される実施形態では、干渉構造部24の下部24Aとロアメンバ38の前端部とを結合する構成を採ったが、これに限らず、図4(A)に示されるように、干渉構造部24の下部24Aとロアメンバ38の前端部との間に隙間60が存在する構成であってもよい。
同様に、図3に示される実施形態では、ラジエータサポートロア34の車両幅方向の端部34Aとロアメンバ38の前端部に結合された干渉構造部58とを当接状態で配置したが、これに限らず、図4(B)に示されるように、両者の間に隙間60が存在する構成であってもよい。さらに、図3に示される実施形態では、干渉構造部58をロアメンバ38とは別個に製作してロアメンバ38の前端部に結合させる構成を採ったが、これに限らず、図4(C)に示されるように、干渉構造部58とロアメンバ38とを一体にしてもよい。両者を
本実施形態に係る車体前部構造の全体構成を示す側面図である。 (A)、(B)は干渉構造部の構成例を示す縦断面図である。 別の実施形態に係る車体前部構造の全体構成を示す図1に対応する側面図である。 (A)は図1に示される構成においてロアメンバの前端部と干渉構造部との間に隙間を設けた実施形態を示す図1のA線矢視部に相当する部分の断面図であり、(B)は図3に示される構成においてラジエータサポートロアの車両幅方向の端部と干渉構造部との間に隙間を設けた実施形態を示す図3のB線矢視部に相当する部分の断面図であり、(C)は図4(B)に示される実施形態において干渉構造部をロアメンバの前端部と一体化した実施形態を示す図4(B)に対応する断面図である。
符号の説明
10 車体前部
12 フロントサイドメンバ
12C 後部(車体構成部材)
18 クラッシュボックス(フロントサイドメンバ)
20 フロントバンパリインフォース
22 ラジエータ(壁体)
24 干渉構造部
24B 上部(延出部)
30 ラジエータサポート
34 ラジエータサポートロア
34A 端部
38 ロアメンバ(前後方向部材)
40 サブフレーム
54 干渉構造部
56 干渉構造部
58 干渉構造部

Claims (5)

  1. 車体前部の両サイドに車両前後方向を長手方向として配置された左右一対のフロントサイドメンバと、
    車体の前端部に車両幅方向を長手方向として配置され、左右一対のフロントサイドメンバの前端部同士を連結するフロントバンパリインフォースと、
    このフロントバンパリインフォースの車両後方側に近接して配置されると共に略垂直面を構成し、前面衝突時に衝突荷重が入力される壁体と、
    を含んで構成された車体前部構造であって、
    前記フロントサイドメンバの下方側に車両前後方向に沿って配置され、後端側が車体構成部材に結合された左右一対の前後方向部材を有し、
    前面衝突時の前記壁体への荷重入力により、当該壁体の車両幅方向の両端下部が前記前後方向部材の前端部に干渉し当該前後方向部材に前後方向荷重が伝達されるように干渉構造部を設定した、
    ことを特徴とする車体前部構造。
  2. 前記壁体はラジエータであり、当該ラジエータへの荷重入力により、当該ラジエータの下縁側に車両幅方向を長手方向として配置されたラジエータサポートロアの両端部が直接又は部材を介して前記前後方向部材の前端部に干渉する、
    ことを特徴とする請求項1記載の車体前部構造。
  3. 前記前後方向部材は、サブフレームの一部を成す後部部材と、この後部部材と前記壁体との間に配置された前部部材と、を含んで構成されている、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車体前部構造。
  4. 前記前部部材の前端部に前記干渉構造部が設定されている、
    ことを特徴とする請求項3記載の車体前部構造。
  5. 前記干渉構造部は、側面視で前記壁体と車両上下方向にオーバーラップするように車両上方側へ延出された延出部を含んで構成されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の車体前部構造。
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