JP2006133496A - 光ファイバおよびそれに用いる光ファイバ母材の製造方法 - Google Patents

光ファイバおよびそれに用いる光ファイバ母材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、曲げ損失と分散特性を両立し、低密度波長多重(CWDM)伝送の線路用およびファイバー・トゥー・ザ・ホーム(FTTH)における宅内配線用として好適な光ファイバおよび、その光ファイバを高い歩留まりにて容易に製造できる光ファイバ母材の製造方法を提供することにある。
【解決手段】 本発明の光ファイバは、波長1310nmにおけるモードフィールド径が8.2μm以上9.0μm以下であり、ケーブルカットオフ波長λccが1260nm以下であり、波長1285nmにおける分散値の絶対値が3.5ps/nm/km以下であり、零分散波長が1300nm〜1320nmであり、零分散波長における分散スロープが0.090ps/nm/km以下であり、直径30mmの円筒に光ファイバを100回巻きつけたときの波長1625nmにおける損失増加が2dB以下であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主に低密度波長多重(CWDM)伝送の線路用およびファイバー・トゥー・ザ・ホーム(FTTH)における宅内配線用として好適な光ファイバおよびにそれを製造するのに用いる光ファイバ母材の製造方法に関するものである。
近年のインターネットの急速な普及に伴い、通信の情報量が飛躍的に増大しており、光ファイバ線路網の拡充が進んでいる。その一例として地方公共団体による地域情報化ネットワークの構築も急ピッチで進められており、これらのネットワーク構築には将来の伝送容量増大に対応できるシステム設計が求められている。特に光ファイバに対してはCWDM伝送への適応を考慮した長波長範囲での曲げ損失の低減や、FTTHにおける宅内配線の作業効率化のために許容曲げ半径の小径化へのニーズが高まりを見せている。
しかしながら、従来のシングルモード光ファイバ(SMF)の屈折率プロファイルである単純ステップ型を維持したまま曲げ損失を小さくしていくと、
1)モードフィールド径(MFD)が小さくなり、従来のSMFとの接続損失が大きくなる。
2)カットオフ波長が長波長側へシフトし、所望する波長におけるシングルモード伝送ができなくなる。
3)分散特性が悪化し信号波形の劣化が大きくなる。
などの問題が生じる。
これらの問題を解決する手段として、光ファイバの屈折率プロファイルを従来の単純ステップ型から若干変更し、コアの外周部にクラッドより屈折率の低い領域を設ける方法が知られている。
この手法を用いた光ファイバとして、コアの外周部にその屈折率がクラッド部の屈折率よりも1×10-5〜3×10-4だけ低い低屈折率部を有することを特徴とする光ファイバ用プリフォームの製造方法が特許文献1に示されている。特許文献1によれば、このような屈折率プロファイルとすることで、零分散波長、MFD、カットオフ波長の全てを所望の数値範囲内にすることができ、極めて優れた分散特性を有する光ファイバが実現できるとされている。
特開2002−047027号公報
しかしながら、CWDM伝送ならびにFTTHなどに用いる光ファイバには、一般の光ファイバと比較して2倍以上小さい許容曲げ半径が要求されており、特許文献1に規定された屈折率プロファイルではこれを満たすことができないという問題がある。より具体的には、特許文献1に規定された屈折率プロファイルを維持したまま曲げ損失の小さい光ファイバを製造しようとした場合、低屈折率部とクラッド部の屈折率差が1×10-5〜3×10-4と小さいため、零分散波長の長波長側へのシフトが顕在化する問題がある。さらに、外径aを有するコアと外径bを有する低屈折率部の径比であるa/bが小さ過ぎると零分散波長における分散スロープが大きくなってしまうという問題もある。これらにより、広い波長範囲でのCWDM伝送を行う場合、特許文献1に規定された屈折率プロファイルでは所望する波長における分散値が大きくなって信号波形の劣化が大きくなってしまうため、曲げ損失と分散特性を両立させることができない。
本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであり、本発明の請求項1記載の光ファイバは、中心部に位置し、クラッドに対する比屈折率差がΔ1であり、直径がaである第1コアと、該第1コアの外周を覆い、クラッドに対する比屈折率差がΔ2であり、直径がbである第2コアと、該第2コアの外周を覆い、純石英に対する比屈折率差がΔCであるクラッドから成る光ファイバにおいて、それぞれの領域における比屈折率差ならびに直径比が、
0.4%≦Δ1≦0.5%
−0.08%<Δ2<−0.02%
0%<ΔC≦0.05%
4.7≦b/a≦4.9
を満たし、
波長1310nmにおけるモードフィールド径が8.2μm以上9.0μm以下であり、ケーブルカットオフ波長λccが1260nm以下であり、波長1285nmにおける分散値の絶対値が3.5ps/nm/km以下であり、零分散波長が1300nm〜1320nmであり、零分散波長における分散スロープが0.090ps/nm/km以下であり、直径30mmの円筒に光ファイバを100回巻きつけたときの波長1625nmにおける損失増加が2dB以下であることを特徴とする。
このようにしてなる本発明の請求項1記載の光ファイバによれば、MFDを8.2μm以上9.0μm以下とすることにより、従来のSMFとの接続損失を小さくすることができる。
また、ケーブルカットオフ波長λccを1260nm以下とすることにより、1260nmより長波長の波長領域においてシングルモード動作が保障される。すなわち、1260nmより長波長の波長領域におけるCWDMに適用可能である。
また、波長1285nmにおける分散値の絶対値を3.5ps/nm/km以下、零分散波長を1300nm〜1320nm、零分散波長における分散スロープを0.090ps/nm/km以下とすることにより、広い波長範囲の所望する波長における分散値を小さく抑えることができ、広い波長範囲において信号波形の劣化を抑制できる。
さらに、光ファイバの曲げ損失は長波長ほど大きくなることが知られているが、本発明の光ファイバはCWDM伝送の最長波長として想定されている波長1625nmにおいて、直径30mmの円筒に100回巻きつけたときの損失増加を2dB以下とすることにより、CWDM伝送の全波長範囲において曲げ損失が小さいことが保障される。
また、このように曲げ損失を小さくすることにより、FTTHの宅内配線用光ファイバとしても好適な光ファイバとすることができる。
本発明の請求項2記載の光ファイバ母材の製造方法は、請求項1の光ファイバを製造するために用いる光ファイバ母材の製造方法であって、VAD法でコアスートを合成する工程において、中心部に位置する第1コアとなるスートを合成する第1コアバーナーに隣接して、酸素ならびに水素ガスを主体とする燃焼ガスを流す第1焼き締めバーナーを配し、該第1焼き締めバーナーに隣接して第2コアとなるスートを合成する第2コアバーナーを配し、該第2コアバーナーに隣接して酸素ならびに水素ガスを主体とする燃焼ガスを流す第2焼き締めバーナーを配し、コアスートを合成することを特徴とする。
このようにしてなる本発明の請求項2記載の光ファイバ母材の製造方法によれば、第1コアバーナーに隣接して焼き締めバーナーを設けることにより第1コアとなるスートの密度を高めることができ、その結果クラックの発生が防止され、スート形成率を向上させることができる。また、第2コアバーナーに隣接して焼き締めバーナーを設けることにより第2コアとなるスートの密度も大きくなり、クラックの発生が抑えられるばかりでなく、みだりにスート外径が大きくなることをも防止できるので、結果としてコアスートの形成率が向上する。
また、本発明の請求項3記載の光ファイバ用スートの合成方法は、請求項2記載の光ファイバ母材の製造方法において、前記第2コアバーナーにフッ素を含むガスを流すことを特徴とする。
このようにしてなる本発明の請求項3記載の光ファイバ母材の製造方法によれば、第2コアバーナーにフッ素を含むガスを流すことにより、第2コアにスートの段階でフッ素を添加することができ、微小な屈折率制御が可能となってプロファイルの制御性が向上する。
これにより、従来のSMFの製造方法からそれほど大きな変更をすることなく、歩留まりよく光ファイバ母材を製造することができる。
以上に述べたように本発明によれば、曲げ損失と分散特性を両立し、CWDM伝送の線路用およびFTTHにおける宅内配線用として好適な光ファイバおよび、その光ファイバを高い歩留まりにて容易に製造できる光ファイバ母材の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の光ファイバにおける屈折率プロファイルの模式図である。
本発明の光ファイバは、中心部に位置し、クラッド30に対する比屈折率差がΔ1であり、直径がaである第1コア10と、この第1コア10の外周を覆い、クラッド30に対する比屈折率差がΔ2であり、直径がbである第2コア20とさらにその外周を覆い、純石英に対する比屈折率差がΔCであるクラッド30から成る。
また、それぞれの領域における比屈折率差ならびに直径比が、下記式を満たすことを特徴とする。
0.4%≦Δ1≦0.5%
−0.08%<Δ2<−0.02%
0%<ΔC≦0.05%
4.7≦b/a≦4.9
ここで、本発明で使用する比屈折率差Δ1、Δ2、ΔCは以下の式(1)〜(3)により定義される。
Δ1=[(nC1−nC)/nC1]×100 % (1)
Δ2=[(nC2−nC)/nC2]×100 % (2)
ΔC=[(nC−ng)/nC]×100 % (3)
ここでnC1は第1コアの最大屈折率、nC2は第2コアの最小屈折率、nCはクラッドの屈折率、そしてngは純粋なシリカガラスの屈折率である。
また、本発明では、光ファイバの各部の直径を以下のように定義する。図1において、第1コア10の直径aは、第1コア10と第2コア20の境界でΔ1の1/2の比屈折率差を有する位置における径とする。第2コアの直径bは、第2コアとクラッドの境界でΔ2の1/2の比屈折率差を有する位置における径とする。
さらに、本明細書において、ケーブルカットオフ波長λccとは、ITU−T(国際電気通信連合)G.650.1で定義するケーブルカットオフ波長λccをいう。その他、本明細書で特に定義しない用語についてはITU−T G.650.1における定義、測定方法に従うものとする。
本発明の光ファイバ母材は、例えば図2に示す装置を用いてVAD法でコアスートを製造する。すなわち、第1コア10となるスートを合成する第1コアバーナー3に隣接して酸素ならびに水素ガスを主体とする燃焼ガスを流す第1焼き締めバーナー4を配し、第1焼き締めバーナー4に隣接して第2コア20となるスートを合成する第2コアバーナー5を配して、さらに第2コアバーナー5に隣接して酸素ならびに水素ガスを主体とする燃焼ガスを流す第2焼き締めバーナー6を配する。そして各バーナーにより原料ガスおよび燃焼ガスを出発母材1に向かって吹き付けることにより、スートを堆積させ、コアスート2を形成する。
また、第1コアバーナー3には屈折率を大きくするための添加剤としてGeを含むガスを、第2コアバーナー5には屈折率を小さくするための添加剤としてフッ素を含むガスを流すことが好ましい。添加するフッ素を含むガスとしてはSiF、SF、CFなどが用いられる。
ここで、第1コア10のクラッド30に対する比屈折率差Δ1は第1コアバーナー3に添加するGeを含むガスの量を増減させることで調整することができ、第2コア20のクラッド30に対する比屈折率差Δ2は第2コアバーナー5に添加するフッ素を含むガスの量を増減させることで調整することができる。また、Δ1、Δ2とも、Geとフッ素の両方を添加し、屈折率を適正な値に調整してもよい。
また、第2コア20の直径bと第1コア10の直径aの比b/aは各バーナーの位置や、ガス流量を調整することで増減させることができる。また、b/aはOH基に起因する損失増加および耐水素性の観点から4.6以上であることが好ましい。
次に得られたコアスート2を脱水ガス、例えば塩素を含むガスを用いて電気炉などで脱水した後、透明化し、コア用ガラスロッド(以降、コアロッドという)とする。
さらに得られたコアロッドを所定の径に加熱延伸し、延伸したコアロッドの外周にOVD法によってクラッド30となるスートを合成する。これを脱水ガスを用いて脱水した後に透明化することにより、光ファイバ母材が得られる。
このとき、OVD法により合成したスートを脱水、透明化する際、電気炉内のガス雰囲気中における塩素ガスの割合を3%〜4%とすることにより、クラッド30の純粋なシリカガラスに対する比屈折率差を0%<ΔC≦0.05%とすることができる。
さらに得られた光ファイバ母材を線引することにより、本発明の光ファイバを得ることができる。
表1に、本発明の特性を満たす光ファイバの屈折率プロファイルを伝送特性シミュレーションにより検討した結果を示す。
Figure 2006133496











表1において、波長分散は波長1285nmにおける分散値、MFDは波長1310nmにおけるモードフィールド径、λccはケーブルカットオフ波長、λ0は零分散波長、S0は零分散波長における分散スロープ、曲げ損失は光ファイバを直径30mmφの円筒に100回巻き付けた状態での波長1625nmにおける損失増加量をそれぞれ表している。
試料Aは従来のSMFである。これによると、従来のSMFは曲げ損失が大きく、CWDM伝送用光ファイバ、あるいはFTTHの宅内配線用ファイバとしては利用できないことがわかる。
そこで、従来のSMFを出発点として、最初に曲げ損失の低減のため試料Bに示す通りΔ1を大きくした。その結果、従来と同等のMFDではケーブルカットオフ波長λccが大きくなり過ぎて所望する波長領域でのシングルモード伝送ができないことがわかった。これを受けて、MFDの中心値を従来のシングルモード光ファイバとの接続を問題なく行うことができる8.6μmとした試料Cを検討した。結果、曲げ損失と分散(分散値と零分散波長)を両立させることができないことが判明した。
ここまでの結果を受けて、従来の単純なステップ型を維持したまま、各屈折率プロファイルのパラメータを調整するだけでは曲げ損失の低減が困難であると判断し、中心部に位置するコアの周囲にクラッドと比較して屈折率の低いコア、すなわち第2コアを設けた図1に示す屈折率プロファイルとすることを検討した。
図1に示す屈折率プロファイルを有する試料Dを検討した結果、零分散スロープを除き、ほぼ所望する伝送特性が得られることがわかった。そこで、第2コア20の屈折率ならびに第2コア20と第1コア10の直径比b/aを最適化することにより全ての特性を所望の値とする光ファイバを得ることができた(試料E)。なお、b/aを小さくしていくと曲げ損失が大きくなる(許容曲げ半径が大きくなる)ことがわかった(試料F)。また、b/aが小さすぎる資料Fは、前述の通りOH基に起因する損失増加および耐水素性の観点からも望ましくない。シミュレーションにより得られた、第2コア20のクラッド30に対する比屈折率差Δ2と零分散波長λ0、零分散波長における分散スロープS0の関係を図3に、第2コアと第1コアの直径比b/aと零分散波長λ0、零分散波長における分散スロープS0の関係を図4に示す。
図3、図4の結果から、零分散波長を1300nm〜1320nm、零分散波長における分散スロープを0.090ps/nm/km以下、直径30mmの円筒に光ファイバを100回巻きつけたときの波長1625nmにおける損失増加が2dB以下の全てを満たすためには、Δ2を−0.08%<Δ2<−0.02%、かつ、b/aを4.7≦b/a≦4.9とする必要があることがわかった。
さらにΔ1の許容範囲を検討するために、Δ2を−0.08%<Δ2<−0.02%、かつ、b/aを4.7≦b/a≦4.9の範囲とした上でΔ1を変更し、シミュレーションを行った。表2にその結果を示す。
Figure 2006133496











表2より得られたΔ1とケーブルカットオフ波長λcc、および曲げ損失の関係を図5に示す。前述した通り、ケーブルカットオフ波長λccと曲げ損失の間にはトレードオフの関係があり、Δ1の許容範囲は主にこの関係によって支配される。すなわち、図5に示すようにΔ1が小さい場合はケーブルカットオフ波長λccは小さいが曲げ損失が大きくなってしまう。表2ならびに図5から、Δ1の範囲として0.4%≦Δ1≦0.5%が許容されることが明らかとなった。
本シミュレーションの結果を元に、実際に試料E、試料Iに相当する光ファイバの製造を行った。
まず図2に示すVAD装置を用いて、コアスートを製造した。このとき4本のバーナーを用いて合成を行い、第1コアバーナー3に原料ガスである四塩化ケイ素を0.37リットル/分、屈折率を高める添加剤として四塩化ゲルマニウムを0.02リットル/分、第2コアバーナー5に四塩化ケイ素を1.75リットル/分、屈折率を下げる添加剤として四フッ化ケイ素を0.10リットル/分供給し、火炎加水分解反応で生成したガラス微粒子(スート)を出発母材に堆積させた。なお、堆積したスートの密度調整および取り扱い性向上のために第1コアバーナー3に隣接する第1焼き締めバーナー4に水素ガスを9リットル/分、酸素ガスを4リットル/分、第2コアバーナー5に隣接する第2焼き締めバーナー6に水素ガスを3リットル/分、酸素ガスを4リットル/分供給した。
得られたコアスートを電気炉で脱水・透明化し、コアロッドを作製した。このとき、電気炉内のガス雰囲気中における塩素ガスの割合を1.2%とし、電気炉内の最高温度を1215℃として5時間脱水し、続いてヘリウム雰囲気中で電気炉内の最高温度を1540℃として5時間熱処理して透明化し、その後電気炉にて加熱延伸して外径40mm、長さ1400mmのコアロッドを得た。
この後、延伸したコアロッドの外周にOVD法によってクラッドとなるスートを合成した。
さらにこれを脱水・透明化することにより、光ファイバ母材を得た。
OVD法により合成したスートを脱水・透明化する際、電気炉内のガス雰囲気中における塩素ガスの割合を3%〜4%とした。これにより、クラッド30の屈折率を純粋なシリカガラスよりも0%〜0.05%大きくすることができた。
得られた光ファイバ母材を線引することにより、本発明の光ファイバを得た。得られた光ファイバの特性を表3に示す。なお、試料Eに相当する光ファイバをファイバE、試料Iに相当する光ファイバをファイバIと呼ぶ。
Figure 2006133496

















各光ファイバの伝送特性はシミュレーションにより得られた結果とほぼ一致している。
また、得られた光ファイバに対し、波長1260nmから1625nmにおけるロススペクトルを測定したところ全波長範囲において伝送損失が0.39dB/km以下であった。また、1383nmにおける伝送損失は0.29dB/km以下であった。代表として資料Iのロススペクトルを図6に示す。
さらに得られた光ファイバを20%重水素雰囲気で4時間処理したのち、水素試験を行った。水素試験条件はIEC60793−2−50 C.3.1に従うものとし、下記に示す条件とする。
光ファイバを、室温下において水素濃度が0.01気圧の雰囲気中にて水素に曝露し、波長1240nmにおける伝送損失が水素曝露前の伝送損失(初期値)に比べて0.03dB/km以上増加するまでその状態を維持する。その後、大気中に取出して14日間以上放置し、伝送損失の測定を行う。
水素試験後、波長1383nmでの伝送損失を測定したところ、全て0.29dB/km以下であった。すなわち、水素の拡散により伝送損失がほとんど増加しなかった。したがって、本発明の光ファイバは1380nm付近を含む1260nm〜1625nmの広い波長帯域において長期間安定した低伝送損失を保つことができ、CWDM伝送の線路用およびFTTHにおける宅内配線用として好適な光ファイバとして用いることができる。
本発明の光ファイバの屈折率プロファイルの一例を示す模式図である。 本発明の光ファイバ母材の製造装置(VAD法)の概略図である。 第2コアのクラッドに対する比屈折率差Δ2と零分散波長λ0、および零分散波長における分散スロープS0の関係を示したグラフである。 第2コアの第1コアに対する直径比b/aと曲げ損失、および零分散波長における分散スロープS0の関係を示したグラフである。 第1コアのクラッドに対する比屈折率差Δ1とケーブルカットオフ波長λcc、および曲げ損失の関係を示したグラフである。 本発明の光ファイバのモノクロロスのスペクトルを示すグラフである。
符号の説明
1 出発母材
2 コアスート
3 第1コアバーナー
4 第1焼き締めバーナー
5 第2コアバーナー
6 第2焼き締めバーナー
10 第1コア
20 第2コア
30 クラッド

Claims (3)

  1. 中心部に位置し、クラッドに対する比屈折率差がΔ1であり、直径がaである第1コアと、該第1コアの外周を覆い、クラッドに対する比屈折率差がΔ2であり、直径がbである第2コアと、該第2コアの外周を覆い、純石英に対する比屈折率差がΔCであるクラッドから成る光ファイバにおいて、それぞれの領域における比屈折率差ならびに直径比が、
    0.4%≦Δ1≦0.5%
    −0.08%<Δ2<−0.02%
    0%<ΔC≦0.05%
    4.7≦b/a≦4.9
    を満たし、
    波長1310nmにおけるモードフィールド径が8.2μm以上9.0μm以下であり、
    ケーブルカットオフ波長λccが1260nm以下であり、
    波長1285nmにおける分散値の絶対値が3.5ps/nm/km以下であり、
    零分散波長が1300nm〜1320nmであり、
    零分散波長における分散スロープが0.090ps/nm/km以下であり、
    直径30mmの円筒に光ファイバを100回巻きつけたときの波長1625nmにおける損失増加が2dB以下であることを特徴とする光ファイバ。
  2. 請求項1の光ファイバを製造するために用いる光ファイバ母材の製造方法であって、
    VAD法でコアスートを合成する工程において、中心部に位置する第1コアとなるスートを合成する第1コアバーナーに隣接して、酸素ならびに水素ガスを主体とする燃焼ガスを流す第1焼き締めバーナーを配し、該第1焼き締めバーナーに隣接して第2コアとなるスートを合成する第2コアバーナーを配し、該第2コアバーナーに隣接して酸素ならびに水素ガスを主体とする燃焼ガスを流す第2焼き締めバーナーを配し、コアスートを合成することを特徴とする光ファイバ母材の製造方法。
  3. 前記第2コアバーナーにフッ素を含むガスを流すことを特徴とする請求項2記載の光ファイバ母材の製造方法。
JP2004322246A 2004-11-05 2004-11-05 光ファイバおよびそれに用いる光ファイバの製造方法 Active JP4101227B2 (ja)

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