JP4690956B2 - 光ファイバ母材の製造方法 - Google Patents

光ファイバ母材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4690956B2
JP4690956B2 JP2006187290A JP2006187290A JP4690956B2 JP 4690956 B2 JP4690956 B2 JP 4690956B2 JP 2006187290 A JP2006187290 A JP 2006187290A JP 2006187290 A JP2006187290 A JP 2006187290A JP 4690956 B2 JP4690956 B2 JP 4690956B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
core
optical fiber
burner
fluorine
cladding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006187290A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008013410A (ja
Inventor
正 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Original Assignee
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD. filed Critical THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority to JP2006187290A priority Critical patent/JP4690956B2/ja
Publication of JP2008013410A publication Critical patent/JP2008013410A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4690956B2 publication Critical patent/JP4690956B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/014Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments made entirely or partially by chemical means, e.g. vapour phase deposition of bulk porous glass either by outside vapour deposition [OVD], or by outside vapour phase oxidation [OVPO] or by vapour axial deposition [VAD]
    • C03B37/01413Reactant delivery systems
    • C03B37/0142Reactant deposition burners
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/014Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments made entirely or partially by chemical means, e.g. vapour phase deposition of bulk porous glass either by outside vapour deposition [OVD], or by outside vapour phase oxidation [OVPO] or by vapour axial deposition [VAD]
    • C03B37/01413Reactant delivery systems
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2201/00Type of glass produced
    • C03B2201/06Doped silica-based glasses
    • C03B2201/08Doped silica-based glasses doped with boron or fluorine or other refractive index decreasing dopant
    • C03B2201/12Doped silica-based glasses doped with boron or fluorine or other refractive index decreasing dopant doped with fluorine
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2207/00Glass deposition burners
    • C03B2207/04Multi-nested ports
    • C03B2207/06Concentric circular ports
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2207/00Glass deposition burners
    • C03B2207/04Multi-nested ports
    • C03B2207/16Non-circular ports, e.g. square or oval
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2207/00Glass deposition burners
    • C03B2207/20Specific substances in specified ports, e.g. all gas flows specified
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2207/00Glass deposition burners
    • C03B2207/50Multiple burner arrangements

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacture, Treatment Of Glass Fibers (AREA)

Description

本発明は、光ファイバ母材、特に、1310nm付近に零分散波長を有するシングルモード光ファイバを製造するために用いる光ファイバ母材の製造方法に関するものである。
近年のインターネットの急速な普及に伴い、光ファイバ線路網の拡充が急速に進んでいる。この光ファイバ線路網において、最も多く用いられている光ファイバは1310nm付近に零分散波長を有するシングルモード光ファイバ(SMF)である。このシングルモード光ファイバは低価格、低損失で、しかも大容量化を実現できる、優れた特性を有している光ファイバである。
また、シングルモード光ファイバ(SMF)は、低OH化を図ることで低密度波長分割多重(CWDM)伝送用光ファイバとしての適用も可能である。そのため、さらなる特性の向上が求められている。
ところで、このシングルモード光ファイバ(SMF)の屈折率分布形状は、いわゆる単純ステップ型の屈折率分布であって、その理想はコアとクラッドの界面においてコアの屈折率が矩形状に高くなっているのがよい、と考えられている。このような屈折率分布になっていると、所望のモードフィールド径(MFD)とカットオフ波長λcを維持しながら、しかも分散特性が向上し、信号波形の劣化が小さい光ファイバが得られることが知られている。
しかしながら、VAD法のような気相合成法を用いてコアとクラッドの一部を含む多孔質母材(以下、コアスート体と称する)を形成し、これを脱水、焼結(透明ガラス化)してコア用ガラスロッドを製造する場合、コアに含まれるゲルマニウムが脱水、焼結時にコア周辺のクラッドに拡散し、コアとクラッドの境界面に屈折率分布の裾が形成される。
この屈折率分布の裾(以下単に裾と称す)が大きくなると、光ファイバの分散特性が悪化する。すなわち、モードフィールド径(MFD)とカットオフ波長λcを所望の値に維持しようとすると、零分散波長を所望の範囲内に納められない、という問題がある。
この問題を解決する方法として、特許文献1に記載されているように、透明ガラス化後の光ファイバ母材のコア領域とクラッド領域の境界部における比屈折率差が0.8×△n(△nはコア領域の比屈折率差)から0.3×△nまで変化する光ファイバの径方向の厚さをdとして、0.5×△nのコア半径rで規格化した比屈折率変化率(0.5×△n)/(d/r)が0.4%以上4.0%以下の範囲に入る光ファイバ母材だけを選別して、光ファイバにする方法が提案されている。
特許文献1によれば、この方法を採用すると、光ファイバ母材から光ファイバを線引きした後、光ファイバの良否を判断するのではなく、線引き前の段階で判断が可能になるので、無駄が少なく、所望する特性、具体的にはコアとクラッドの境界部における屈折率分布の裾の小さい光ファイバを確実に得ることができる、と謳っている。
特再2000−026709号公報
しかしながら、この方法はあくまでも既に透明ガラス化されている光ファイバ母材の選別方法でしかなく、根本的な解決策ではない。
もちろん特許文献1にも、透明ガラス化後の光ファイバ母材を評価した結果を、光ファイバ母材合成条件に反映させる旨の開示もあるが、単に汎用の合成方法における合成条件を微調整する程度では、コアとクラッドの境界部における裾を小さくする根本的な解決には到底なり得ない。
上記問題に鑑み本発明の目的は、所望のモードフィールド径(MFD)とカットオフ波長λcを維持しながら、しかも分散特性にも優れ、信号波形の劣化が小さい光ファイバを容易、かつ確実に得ることができる光ファイバ母材の製造方法、すなわち、コアとクラッドの境界部における屈折率分布の裾の広がりの小さい光ファイバを確実に得ることができる光ファイバ母材の製造方法を提供することにある。
前記目的を達成すべく本発明の請求項1記載の光ファイバの製造方法は、気相合成法によりコア部と該コア部の外側にクラッド部の一部を有するコアスート体を合成する工程と、前記コアスート体を脱水雰囲気で脱水した後、不活性ガス雰囲気中で透明ガラス化する工程と、を有する光ファイバ母材の製造方法において、得られる光ファイバのコアとクラッドの境界部における屈折率分布の裾を小さくするために、前記クラッド部の一部を合成するクラッド用バーナにはフッ素含有ガスが供給され、前記コア部との境界部にフッ素を含むコアスート体を形成し、前記フッ素含有ガスに含まれるフッ素の濃度分布を、前記コア部に近いほど濃度が高い裾形状の傾斜分布とすることを特徴とするものである。
また、前記クラッド用バーナへのフッ素含有ガスの単位時間当りの供給量を、前記コア部を合成するコア用バーナに近い側ほど、合成されるスートのフッ素濃度が高くなるように傾斜分布供給することも特徴とする。
さらにまた、前記クラッド用バーナは複数本からなり、各クラッド用バーナへのフッ素含有ガスの単位時間当りの供給量を、前記コア部を合成するコア用バーナに近いクラッド用バーナほど合成されるスートのフッ素濃度が高くなるように傾斜分布供給している点も特徴である。
このようにしてなる本発明によれば、所望のモードフィールド径(MFD)とカットオフ波長λcを維持しながら、しかも分散特性にも優れ、信号波形の劣化が小さい光ファイバを容易、かつ確実に得ることができる光ファイバ母材、すなわち、コアとクラッドの境界部における屈折率分布の裾の広がりの小さい光ファイバを確実に得ることができる光ファイバ母材の製造方法が提供される。
以下、図面を用いて本発明の光ファイバ母材の製造方法を詳細に説明する。
本発明の光ファイバ母材の製造方法の特徴は、例えば、図1に示す装置を用いて、気相合成法、具体的にはVAD法でコアとクラッドの一部を含むコアスート体1を製造する方法を改良する点にある。
より具体的には、回転しながら一定速度で上昇する出発母材2の先端部に、この出発母材2の先端に開口部を向けるようにして筒状の多重導入孔を有する、いわゆる多重管タイプのコア用バーナ3を配置する。
また、このコア用バーナ3に隣接して第1クラッド用バーナ4を配置し、さらに第1クラッド用バーナ4に隣接して第2クラッド用バーナ5を、このクラッド用バーナ5に隣接して第3クラッド用バーナ6をそれぞれ配置する。尚、クラッド用バーナ4、5及び6も基本的にはコア用バーナ3と同様に多重管型のバーナである。
これら各クラッド用バーナ4、5及び6に、Ar等の不活性ガスを含み、酸素ガス、水素ガス等からなる燃焼ガス、四塩化珪素(SiCl)といったガラス原料ガスからなる原料ガス、さらには本発明の方法の特徴であるフッ素含有ガスをそれぞれの多重管の所定層に供給する。これらのガスをすべてガス状態で各バーナに供給し、火炎加水分解反応によりガラス微粒子を形成し、これを出発母材2に向かって吹き付けることにより、コアスート体1を製造する。
ここで例えば、コア用バーナ3としては、図2に示すような多重管バーナを使用する。
具体的には図2に示すコア用バーナ3の中心層31に四塩化珪素ガスを、2層目32には四塩化ゲルマニウムガスと水素ガスを、3層目33にはアルゴンガスを、そして4層目34には酸素ガスを各々所定量供給した。
また、クラッド用バーナ4、5及び6としては、図3に示すような多重管バーナを使用した。
具体的には、第1クラッド用バーナ4の中心層41に四塩化珪素ガスとSiFガスを、2層目42には水素ガスを、3層目43にはアルゴンガスを、4層目44には酸素ガスを、5層目45にはアルゴンガスを、6層目46には水素ガスを、7層目47にはアルゴンガスを、そして8層目48には酸素ガスを各々所定量供給した。
第2クラッド用バーナ5及び第3クラッド用バーナ6にも前述した第1クラッド用バーナ4と同様に、各層毎に第1クラッド用バーナ4と同種のガスを供給した。
但し、ここでもっとも重要なことは、各クラッド用バーナへのフッ素含有ガスの単位時間当りの供給量は、コア部を合成するコア用バーナ3に近いクラッド用バーナほど合成されるスートのフッ素濃度が高くなるように傾斜分布供給する点である。
コア用バーナ3に近いクラッド用バーナほど、合成されるスートのフッ素濃度が高くなるようにするためには、例えば、第2クラッド用バーナ5の中心層に供給するSiFガスの単位時間当りの供給量を、第1クラッド用バーナ4の中心層41に供給するものより少ない量にし、第3クラッド用バーナ6の中心層に供給するSiFガスの量を、第2クラッド用バーナ5の中心層に供給したSiFガスの量よりも少量にする。もしくは、第2クラッド用バーナ5の中心層に供給する単位時間当りのSiFガスの供給量とSiClガスの供給量の比を、第1クラッド用バーナ4の中心層41に供給するものより小さくし、第3クラッド用バーナ6の中心層に供給する単位時間当りのSiFガスの供給量とSiClガスの供給量の比を、第2クラッド用バーナ5の中心層に供給するものより小さくすればよい。
すなわち、第1クラッド用バーナ4により合成されるスートのSiF濃度>第2クラッド用バーナ5により合成されるスートのSiF濃度>第3クラッド用バーナ6により合成されるスートのSiF濃度、となるようにする。
このように本発明の特徴は、コア用バーナ3に近いクラッド用バーナで合成されるスートほど、SiFの濃度を高くする、いわゆる傾斜分布供給する点にある。
上記のようにしてコアスート体1を形成したら、これを公知の技術、すなわち脱水雰囲気中で脱水した後、不活性ガスを含む雰囲気で透明ガラス化した。しかる後、必要ならこれを延伸して外径を細くした後、例えばOVD法で残りのクラッド部を合成する。所定量のクラッド部を合成したら、これを公知の技術で脱水、透明ガラス化した後、最終的に線引きし、光ファイバを得た。
得られた光ファイバはコアとクラッドの境界部に形成される裾が従来法で得られたものより確実に小さくなっていた。これは前述したクラッド用バーナ4、5及び6に供給したフッ素含有ガスにより、コアとクラッドの境界部の屈折率がフッ素により低められ、その結果として裾の部分が小さくなったものである。換言すると、裾の部分に酸化ゲルマニウムの他にフッ素が添加され、両者がコドープされた状態になっている。その結果、この部分の屈折率が従来のものに比して低くなっている。
このようにコアとクラッドの境界部における屈折率分布の裾を小さくしたことにより、得られた光ファイバは、所望のモードフィールド径(MFD)とカットオフ波長λcを維持しながら、しかも分散特性にも優れ、信号波形の劣化も小さいものになっていた。
ところでフッ素含有ガスとしては、前述したSiFに限らず、例えばSF、CFなどのガスも用いることができる。
以下に本発明の実施例および比較例を示す。
コア用バーナ3及びクラッド用バーナ4、5及び6を図1のように配置してコアスート体1を製造した。
因みに、コア用バーナ3において中心層31に四塩化珪素を360cc/min供給し、2層目32には四塩化ゲルマニウム86cc/minと共に水素ガスを加えて供給した。3層目33にはアルゴンガスを、4層目34には酸素ガスをそれぞれ所定量供給した。
また第1クラッド用バーナ4と第2クラッド用バーナ5の各中心層には四塩化珪素を0.4l/min供給し、第1クラッド用バーナ4の中心層にはこれに加えてSiFを300cc/min、第2クラッド用バーナ5の中心層には、SiFを75cc/min供給した。また、第3クラッド用バーナ6の中心層には四塩化珪素を0.5l/minのみ供給し、SiFは供給しなかった。
各クラッド用バーナ4、5及び6の中心層以外の供給口からは前述した各ガス、すなわち酸素ガス、水素ガス及び不活性ガスであるアルゴンガスを所定量供給した。
このような条件で得られたコアスート体1に、前述したように残りのクラッド部分を外付けした後、脱水、透明ガラス化して光ファイバ母材とし、これを線引きして光ファイバを得た。得られた光ファイバの屈折率分布を図4に示す。
図4でコア10とクラッド20の境界部分にある点線で示す部分が、従来の方法で得られていた光ファイバの裾11を示している。実線は前述した実施例1で示す方法で得られたコアスート体1を用いて得た光ファイバの屈折率分布を示している。
図4が示すように本発明の方法で得られた光ファイバでは、明らかに裾11が小さくなっていることがわかる。
その理由は、コア10とクラッド20の境界部においては、コア10とクラッド20の界面近傍において形成される屈折率分布の裾11の部分、すなわちGeOが添加されている部分に、第1クラッドバーナー4、第2クラッド用バーナ5により屈折率を低下させるフッ素が添加されたため、このフッ素の影響で、点線で示す従来の光ファイバ(SMF)と比較して、裾11が小さくなっている。
この光ファイバの特性を測定したところ、カットオフ波長λcは1250nm、モードフィールド径(MFD)は9.2μm、零分散波長は1312nmであった。尚、コア10のクラッド20に対する最大屈折率差△1は0.4%、コア径は7.9μmであった。
因みに、従来方法で得た光ファイバにおいては、カットオフ波長λcは1250nm、モードフィールド径(MFD)は9.3μm、零分散波長は1317nmである。
このように、実施例1で得られた光ファイバでは、カットオフ波長λc及びモードフィールド径(MFD)の値を劣化させることなく、すなわち従来のものとほとんど変えることなく、零分散波長を大きく改善することができた。このようにモードフィールド径(MFD)とカットオフ波長λcを所望の範囲に維持しながら、しかも分散特性にも優れ、信号波形の劣化が小さい光ファイバを得ることができた。
図1においてコア用バーナ3に隣接して、図5に示すような多重管構造の第1クラッド用バーナ4を1本のみ配置せしめた。このバーナ4の特徴は、中心層41が図5に示すように上下に4段に分割されている点にある。
因みに、コア用バーナ3に関しては実施例1と全く同じ条件にした。また第1クラッド用バーナ4については中心層41aに四塩化珪素のみを0.65l/min供給し、中心層41bには四塩化珪素0.15l/minにSiFを23cc/minを加えて供給した。さらに中心層41cには、四塩化珪素0.25l/minにSiFを76cc/minを加えて供給し、最下段の中心層41dに四塩化珪素0.3l/minにSiFを230cc/minを加えて供給した。このように上段から下段、すなわちコア用バーナ3に近いほど、合成されるスートのSiF濃度が高くなるように、つまり傾斜分布になるようにガスを供給した。
尚、図5で上と記載されている方がコア用バーナ3から距離的に遠くなる方で、下と書かれている側が図1においてコア用バーナ3に近い側になるように位置決めされる。
このような条件で得られた光ファイバ母材、すなわちコアスート体1に脱水、透明ガラス化等公知の処理を施した後、前述したように残りのクラッド部分を外付けし、これをさらに脱水、透明ガラス化して得られた光ファイバ母材を線引きして光ファイバを得た。得られた光ファイバの屈折率分布を図6に示す。
図6でコア10とクラッド20の境界部分にある点線で示す部分が、図4同様に従来の方法で得られていた光ファイバの裾11を示している。実線は実施例2で示す条件で得られたコアスート体1を用いて得た光ファイバの屈折率分布を示している。
図6が示すように実施例2の条件で得られた光ファイバでも、明らかに裾11が小さくなっていることがわかる。
またこの光ファイバの特性を測定したが、ほぼ実施例1と同様なものが得られた。
具体的には、カットオフ波長λcは1250nm、モードフィールド径(MFD)は9.1μm、零分散波長は1311nmであった。尚、コア10のクラッド20に対する最大屈折率差△1は0.4%、コア径は7.8μmであった。
因みに、従来方法で得た光ファイバにおいては、前述したように、カットオフ波長λcは1250nm、モードフィールド径(MFD)は9.3μm、零分散波長は1317nmである。
このように、実施例2で得られた光ファイバでも、カットオフ波長λc及びモードフィールド径(MFD)の値を劣化させることなく、すなわち従来のものとほとんど変えることなく、零分散波長だけを大きく改善することができた。
このようにモードフィールド径(MFD)、カットオフ波長λcも全く問題なく、しかも分散特性にも優れ、信号波形の劣化が小さい光ファイバを得ることができた。
(比較例1)
図1において図2に示すコア用バーナ3に隣接して、図3に示すような第1クラッド用バーナ4を1本のみ配置した。
コア用バーナ3の各層に供給するガスの条件は実施例1及び実施例2と同一にした。但し、第1クラッド用バーナ4の中心層41には四塩化珪素を1.35l/minと共にSiFを350cc/min加えて供給した。それ以外の層からは実施例1と同様なガスを供給した。但し、その供給量は上記原料ガスの供給量に合わせて多少調節した上で同様なガス、すなわち、酸素ガス、水素ガスそしてアルゴンガスを供給した。
このような条件で得られた光ファイバ母材、すなわちコアスート体1に脱水、透明ガラス化等公知の処理を施した後、前述したように残りのクラッド部分を外付けし、これをさらに脱水、透明ガラス化して得られた光ファイバ母材を線引きして光ファイバを得た。得られた光ファイバの屈折率分布を図7に示す。
図7でコア10とクラッド20の境界部分にある点線で示す部分が、従来の方法で得られていた光ファイバの裾11を示している。実線は比較例1で示す条件で得られたコアスート体1を用いて得た光ファイバの屈折率分布を示している。
図7が示すように、比較例1の条件で得られた光ファイバは、コア10とクラッド20の境界部だけでなく、クラッド20そのものの屈折率が下がっており、クラッド20を基準とした場合、裾11は小さくなっていない。
またその特性を測定したところ、カットオフ波長λcは1250nm、モードフィールド径(MFD)は9.1μm、零分散波長は1315nmであった。尚、コア10のクラッド20に対する最大屈折率差△1は0.4%、コア径は7.9μmであった。
因みに、従来方法で得た光ファイバにおいては、前述したように、カットオフ波長λcは1250nm、モードフィールド径(MFD)は9.3μm、零分散波長は1317nmであり、零分散波長の改善幅は小さかった。
実施例1及び実施例2と比較例1の条件の大きな相違点は、前者ではクラッド用バーナから供給するフッ素含有ガスの供給量はコア用バーナに近い程、合成されるスートのフッ素濃度が高くなる、いわゆる傾斜分布供給していたが、比較例1においてはフッ素含有ガスの供給層が中心層41、1箇所であるため、傾斜分布供給ができなかった点にある。
これに対して実施例1では、クラッド用バーナを複数設けることで、フッ素含有ガスの供給量をコア用バーナ3に近いほど、合成されるスートのフッ素濃度を高くすることができるようになっており、実施例2では、第1クラッド用バーナ4の中心層41を上下に仕切り、コア用バーナ3側に近い下段側ほど合成されるスートのフッ素濃度を高くできるようにしている。
このようにフッ素含有ガスの供給量を、コア用バーナ3に近い程、合成されるスートのフッ素濃度が高くなるように供給する傾斜分布供給することで、コアとクラッドの境界部における屈折率分布の裾の広がりを小さくでき、しかもクラッド側の屈折率分布への影響を少なくすることもできる。
尚、実施例1では第3クラッド用バーナ6においてはSiFを全く供給していないが、第1クラッド用バーナ4や第2クラッド用バーナ5の各中心層に供給するSiFの供給量を実施例と異なる値、例えばより少なくして、第3クラッド用バーナ6の中心層からもSiFを供給してもよい。これらの条件は形成される裾の大きさを考慮して決定すればよく、裾がより小さくなるようにフッ素の供給量及び供給位置を決定すればよい。
すなわち、供給するSiFの量は、第1クラッド用バーナ4により合成されるスートのSiF濃度>第2クラッド用バーナ5により合成されるスートのSiF濃度>第3クラッド用バーナ6により合成されるスートのSiF濃度、の条件となる。
以上述べたように、本発明によれば、所望のモードフィールド径(MFD)とカットオフ波長λcを維持しながら、しかも分散特性にも優れ、信号波形の劣化が小さい光ファイバを容易、かつ確実に得ることができる光ファイバ母材の製造方法、すなわち、コアとクラッドの境界部における屈折率分布の裾の小さい光ファイバを、確実に得ることができる光ファイバ母材の製造方法を提供することができる。
本発明の光ファイバ母材の製造方法の一実施例であるコア用バーナ及びクラッド用バーナの各配置を示す模式図である。 本発明の光ファイバ母材の製造方法に用いるコア用バーナの一例を示す平面図である。 本発明の光ファイバ母材の製造方法に用いるクラッド用バーナの一例を示す平面図である。 本発明の実施例1で得られた光ファイバ母材を用いて得られた光ファイバの屈折率分布を示すグラフである。 本発明の光ファイバ母材の製造方法に用いるクラッド用バーナの別の例を示す平面図である。 本発明の実施例2で得られた光ファイバ母材を用いて得られた光ファイバの屈折率分布を示すグラフである。 比較例1で得られた光ファイバ母材を用いて得られた光ファイバの屈折率分布を示すグラフである。
符号の説明
1 コアスート体
2 出発母材
3 コア用バーナ
4 第1クラッド用バーナ
5 第2クラッド用バーナ
6 第3クラッド用バーナ
10 コア
11 裾
20 クラッド

Claims (3)

  1. 気相合成法によりコア部と該コア部の外側にクラッド部の一部を有するコアスート体を合成する工程と、前記コアスート体を脱水雰囲気で脱水した後、不活性ガス雰囲気中で透明ガラス化する工程と、を有する光ファイバ母材の製造方法において、
    得られる光ファイバのコアとクラッドの境界部における屈折率分布の裾を小さくするために、前記クラッド部の一部を合成するクラッド用バーナにはフッ素含有ガスが供給され、前記コア部との境界部にフッ素を含むコアスート体を形成し、
    前記フッ素含有ガスに含まれるフッ素の濃度分布を、前記コア部に近いほど濃度が高い裾形状の傾斜分布とすることを特徴とする光ファイバ母材の製造方法。
  2. 前記クラッド用バーナへのフッ素含有ガスの単位時間当りの供給量は、前記コア部を合成するコア用バーナに近い側ほど、合成されるスートのフッ素濃度が高くなるように傾斜分布供給されていることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ母材の製造方法。
  3. 前記クラッド用バーナは複数本からなり、各クラッド用バーナへのフッ素含有ガスの単位時間当りの供給量は、前記コア部を合成するコア用バーナに近いクラッド用バーナほど、合成されるスートのフッ素濃度が高くなるように傾斜分布供給されていることを特徴とする請求項1または請求項2いずれかに記載の光ファイバ母材の製造方法。
JP2006187290A 2006-07-07 2006-07-07 光ファイバ母材の製造方法 Active JP4690956B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006187290A JP4690956B2 (ja) 2006-07-07 2006-07-07 光ファイバ母材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006187290A JP4690956B2 (ja) 2006-07-07 2006-07-07 光ファイバ母材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008013410A JP2008013410A (ja) 2008-01-24
JP4690956B2 true JP4690956B2 (ja) 2011-06-01

Family

ID=39070806

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006187290A Active JP4690956B2 (ja) 2006-07-07 2006-07-07 光ファイバ母材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4690956B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110221383B (zh) * 2019-07-12 2023-07-07 杭州金星通光纤科技有限公司 一种单模光纤及其制造方法
JP7286587B2 (ja) * 2020-06-10 2023-06-05 信越化学工業株式会社 光ファイバ母材

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06122527A (ja) * 1992-10-09 1994-05-06 Sumitomo Electric Ind Ltd 光ファイバ用母材の製造方法
JP2000109335A (ja) * 1998-10-06 2000-04-18 Sumitomo Electric Ind Ltd 光ファイバ用母材の製造方法
WO2000026709A1 (fr) * 1998-11-02 2000-05-11 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Fibre optique a mode unique et procede de production de ladite fibre
JP2000143274A (ja) * 1998-11-05 2000-05-23 Sumitomo Electric Ind Ltd 光ファイバ用母材の製造方法
JP2002047027A (ja) * 2000-08-02 2002-02-12 Shin Etsu Chem Co Ltd 光ファイバ用プリフォーム及びシングルモード光ファイバ
JP2005200255A (ja) * 2004-01-14 2005-07-28 Shin Etsu Chem Co Ltd 光ファイバプリフォームの製造方法及び光ファイバ

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06122527A (ja) * 1992-10-09 1994-05-06 Sumitomo Electric Ind Ltd 光ファイバ用母材の製造方法
JP2000109335A (ja) * 1998-10-06 2000-04-18 Sumitomo Electric Ind Ltd 光ファイバ用母材の製造方法
WO2000026709A1 (fr) * 1998-11-02 2000-05-11 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Fibre optique a mode unique et procede de production de ladite fibre
JP2000143274A (ja) * 1998-11-05 2000-05-23 Sumitomo Electric Ind Ltd 光ファイバ用母材の製造方法
JP2002047027A (ja) * 2000-08-02 2002-02-12 Shin Etsu Chem Co Ltd 光ファイバ用プリフォーム及びシングルモード光ファイバ
JP2005200255A (ja) * 2004-01-14 2005-07-28 Shin Etsu Chem Co Ltd 光ファイバプリフォームの製造方法及び光ファイバ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008013410A (ja) 2008-01-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9250386B2 (en) Optical fiber containing an alkali metal oxide and methods and apparatus for manufacturing same
JP6008575B2 (ja) シングルモード光ファイバ
KR101908735B1 (ko) 단일 모드 광 섬유
JP5636151B2 (ja) 多波長、多モード光ファイバ
JP2018516217A (ja) 応力緩和層を有する低減衰シングルモード光ファイバ、そのプリフォーム、及びその製造方法
MXPA01011017A (es) Fibra de compresacion de dispersion.
JP2959877B2 (ja) 光ファイバの製造方法
KR20140043134A (ko) 낮은 인덱스 트랜치를 갖는 광섬유 프리폼을 제조하는 방법
JP2017510532A (ja) 損失低下を示す、台形コアを有するシングルモードファイバ
JP2019191297A (ja) 光ファイバ
JP2013109350A (ja) マルチモード光ファイバ
JP2012078804A (ja) 光ファイバ、光ファイバプリフォームおよびその製造方法
JP2014238526A (ja) 光ファイバ
JP6079114B2 (ja) マルチモード光ファイバ
JP5799903B2 (ja) シングルモード光ファイバ
JPWO2019172197A1 (ja) 光ファイバ
KR20130121008A (ko) 광섬유
JP4690956B2 (ja) 光ファイバ母材の製造方法
JP4101227B2 (ja) 光ファイバおよびそれに用いる光ファイバの製造方法
JP2012171802A (ja) 光ファイバ母材の製造方法
JP4434172B2 (ja) 分散補償光ファイバ
JP2002053344A (ja) 光ファイバ用ガラス母材及び光ファイバ
JP2014222269A (ja) 光ファイバ及びその製造方法
WO2022181614A1 (ja) 光ファイバ
WO2023042769A1 (ja) 光ファイバ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090601

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100308

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100308

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100308

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110208

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110218

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4690956

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140225

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350