JP2006131426A - 石英ガラスチューブまたはロッドの製造装置および製造方法ならびに石英ガラスチューブおよびロッド - Google Patents
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Abstract
【解決手段】大型の円筒状または円柱状石英ガラス母材から所定サイズの石英ガラスチューブまたはロッドに延伸するための、縦型管状発熱体を有する加熱炉を備えた石英ガラスチューブまたはロッドの製造装置において、円形である加熱炉上部の大型石英ガラス母材投入口の全周に渡って不活性ガス吹き出し口を不活性ガスが炉内部下方に向かって吹き出すように周方向に均等な間隔で複数設け、全ての不活性ガス吹き出し口からの不活性ガス流量の平均値を基準導入量とした各不活性ガス吹き出し口からの不活性ガスの流量と基準導入量との差を基準導入量の±10%以内としたことを特徴とするものである。
【選択図】図1
Description
本発明はこの知見に基づくものであり、上記の課題は、下記の(1)〜(7)のいずれかの構成により達成される。
(1)
大型の円筒状または円柱状石英ガラス母材を所定サイズの石英ガラスチューブまたはロッドに延伸するための、縦型管状発熱体を有する加熱炉を備えた石英ガラスチューブまたはロッドの製造装置において、円形である加熱炉上部の大型石英ガラス母材投入口の全周に渡って不活性ガスが炉内部下方に向かって吹き出すように不活性ガス吹き出し口を周方向に均等な間隔で複数設け、全ての不活性ガス吹き出し口からの不活性ガス流量の平均値を基準導入量とした場合の各不活性ガス吹き出し口からの不活性ガスの流量と基準導入量との差を基準導入量の±10%以内としたことを特徴とする石英ガラスチューブまたはロッドの製造装置。
(2)
円形である加熱炉上部の大型石英ガラス母材投入口の全周に渡って、周方向に均等な間隔で4つ以上の不活性ガス吹き出し口を設けたことを特徴とする(1)に記載された石英ガラスチューブまたはロッドの製造装置。
(3)
各不活性ガス吹き出し口の形状は円形、長円形、楕円形または角形とし、さらに大型ガラス石英母材投入口の全周に渡って複数設けられている不活性ガス吹き出し口の形状を同一形状とし、かつ各吹き出し口の断面積と設定断面積との差を設定断面積の±3%以内としたことを特徴とする(1)または(2)に記載された石英ガラスチューブまたはロッドの製造装置。
(4)
各不活性ガス吹き出し口からの不活性ガスの吹き出しを斜め吹き出しとし、全ての不活性ガス吹き出し口の中心軸の垂直方向の傾きの平均角度と各不活性ガス吹き出し口の中心軸の垂直方向の傾き角度とのズレ角度を±5゜の範囲内とし、かつ加熱炉縦方向中心軸に対する各々の不活性ガス吹き出し口の中心軸の水平方向のズレを±5゜の範囲内としたことを特徴とする(1),(2)または(3)に記載された石英ガラスチューブまたはロッドの製造装置。
(5)
(1),(2),(3)または(4)に記載された石英ガラスチューブまたはロッドの製造装置を用いた石英ガラスチューブまたはロッドの製造方法。
(6)
大型円筒状石英ガラス母材から延伸された楕円度が0.11%以下であることを特徴とする石英ガラスチューブ。
(7)
大型円柱状石英ガラス母材から延伸された楕円度が0.11%以下であることを特徴とする石英ガラスロッド。
なお、特開平02−6344号公報には、上下に分割してなる石英管を炉芯管の内壁面に沿って同心円状に挿入し、上記石英管と上記炉芯管壁面との間に不活性ガスを流して石英管分割部スリットより噴出させる様に構成したことを特徴とする光ファイバプリフォームの延伸装置が記載されているが、この装置では、石英ガラス母材溶融部付近に直接不活性ガスが当てられるので、母材溶融部は不活性ガスの影響を大きく受けて、周方向の温度差が大きくなることが予想される。また、本装置では、母材の全周に亘る上記スリットから均一な流量の不活性ガスを吹き出すという思想が全く開示されておらず、教示すらされていない。
本製造装置は、例えば、図1に示したような管状のカーボン製発熱体を持つ加熱炉10を備えている。
円環部22には、炉内に石英ガラス母材を挿入するための円形の挿入口24が設けられていると共に、内部には不活性ガス配管26が形成されており、底面に開口した不活性ガス吹き出し口28が設けられている。この不活性ガス吹き出し口28は、不活性ガスを炉内部斜め下方に向かって吹き出すように、周方向に均等な間隔で複数設けられている。符号fは吹き出し方向を示す。不活性ガス配管26には、図示していないパイプライン等を介して不活性ガス供給源が接続される。
前記楕円度とは、石英ガラスチューブまたはロッドを円周方向に回転させ、一つの断面の外径を連続的に測定し、その最大値と最小値を求め、(最大値−最小値)をOV(mm)とし、数式1を用いて楕円度(%)として算出する。
楕円度(%)=[OV(mm)/石英ガラスチューブまたはロッドの平均外径(mm)] ×100
本発明の製造方法で製造する石英ガラスチューブやロッドの外径は種々であり、絶対値であるOVをそのまま比較することができないが、上記数式1を用いて楕円度とすることで石英ガラスチューブまたはロッドの外径に関係なく比較する事が出来る。
次に本発明の実施例について述べるがこれによって本発明はなんら限定されるものではない。
不活性ガス導入装置に22.5゜の均等間隔で16箇所設けられている不活性ガス吹き出し口からの窒素流量が基準導入量の+15%,−15%となる吹き出し口をそれぞれ4箇所ずつ、計8箇所を任意の位置に設けた。残り8箇所の吹き出し口は基準導入量との差を±10%以内とした。その他の不活性ガス導入条件は実施例1と同じ条件で、外径140mmの円筒状石英ガラス母材から外径34mmの石英ガラスチューブを延伸した。その結果、得られたチューブの楕円量は0.070mmとなり、その楕円度は0.21%であった。
不活性ガス導入装置に22.5゜の均等間隔で16箇所設けられている不活性ガス吹き出し口からの窒素流量が基準導入量の+15%,−15%となる吹き出し口をそれぞれ4箇所ずつ、計8箇所を任意の位置に設け、残りの8箇所の吹き出し口については加熱炉の縦方向中心軸からの不活性ガス吹き出し口中心軸の水平方向ズレ角度が10゜となるように調整した。その他の不活性ガス導入条件は実施例2と同じ条件で、外径200mmの円筒型石英ガラス母材から外径90mmの石英ガラスチューブを延伸した。その結果、得られたチューブの楕円量は0.233mmとなり、その楕円度は0.26%と非常に大きくなった。
12 ケーシング
14 カーボン製発熱体
16 不活性ガス導入機構
18 不活性ガス導入機構ケーシング
20 立ち上がり部
22 円環部
24 挿入口
26 不活性ガス配管
28 不活性ガス吹き出し口
30 シーリング機構
f 不活性ガスの流れ
M0 円筒形石英ガラス母材
M1 石英ガラスチューブ
Claims (7)
- 大型の円筒状または円柱状石英ガラス母材を所定サイズの石英ガラスチューブまたはロッドに延伸するための、縦型管状発熱体を有する加熱炉を備えた石英ガラスチューブまたはロッドの製造装置において、円形である加熱炉上部の大型石英ガラス母材投入口の全周に渡って不活性ガスが炉内部下方に向かって吹き出すように不活性ガス吹き出し口を周方向に均等な間隔で複数設け、全ての不活性ガス吹き出し口からの不活性ガス流量の平均値を基準導入量とした場合の各不活性ガス吹き出し口からの不活性ガスの流量と基準導入量との差を基準導入量の±10%以内としたことを特徴とする石英ガラスチューブまたはロッドの製造装置。
- 円形である加熱炉上部の大型石英ガラス母材投入口の全周に渡って、周方向に均等な間隔で4つ以上の不活性ガス吹き出し口を設けたことを特徴とする請求項1に記載された石英ガラスチューブまたはロッドの製造装置。
- 各不活性ガス吹き出し口の形状は円形、長円形、楕円形または角形とし、さらに大型ガラス石英母材投入口の全周に渡って複数設けられている不活性ガス吹き出し口の形状を同一形状とし、かつ各吹き出し口の断面積と設定断面積との差を設定断面積の±3%以内としたことを特徴とする請求項1または2に記載された石英ガラスチューブまたはロッドの製造装置。
- 各不活性ガス吹き出し口からの不活性ガスの吹き出しを斜め吹き出しとし、全ての不活性ガス吹き出し口の中心軸の垂直方向の傾きの平均角度と各不活性ガス吹き出し口の中心軸の垂直方向の傾き角度とのズレ角度を±5゜の範囲内とし、かつ加熱炉縦方向中心軸に対する各々の不活性ガス吹き出し口の中心軸の水平方向のズレを±5゜の範囲内としたことを特徴とする請求項1,2または3に記載された石英ガラスチューブまたはロッドの製造装置。
- 請求項1,2,3または4に記載された石英ガラスチューブまたはロッドの製造装置を用いた石英ガラスチューブまたはロッドの製造方法。
- 大型円筒状石英ガラス母材から延伸された楕円度が0.11%以下であることを特徴とする石英ガラスチューブ。
- 大型円柱状石英ガラス母材から延伸された楕円度が0.11%以下であることを特徴とする石英ガラスロッド。
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JP2009096680A (ja) * | 2007-10-18 | 2009-05-07 | Sumitomo Electric Ind Ltd | ガラス物品の加熱方法及び誘導炉 |
JP2017171549A (ja) * | 2016-03-25 | 2017-09-28 | 信越化学工業株式会社 | 光ファイバプリフォームの絞り加工方法及び加工装置 |
CN111995231A (zh) * | 2020-09-03 | 2020-11-27 | 江苏亨通光纤科技有限公司 | 一种合束器用深掺氟毛细管拉制设备及方法 |
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2004
- 2004-11-02 JP JP2004318749A patent/JP2006131426A/ja active Pending
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