JP2006125034A - 複合横架材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 木製横架材と同等の加工性を従来品以上に確保しやすく、現場での補強加工を行うこともできる複合横架材を提供すること。
【解決手段】 複合横架材は、木材または木質材料製の横架材本体1と、横架材本体1に対して取り付けられる補強材2とで構成される。補強材2が備える板状挿込部22は、上記横架材本体1の下面に形成された溝12に挿し込まれ、板状基部21は横架材本体1の下面に重なるように配置される。このとき、横架材本体1に形成されたドリフトピン穴14と補強材2に形成されたドリフトピン穴24が重なるので、この重なったドリフトピン穴14,24に、ドリフトピン31が打ち込まれ、また、補強材2に形成されたビス穴23には、ビス32がねじ込まれ、これにより、横架材本体1に対して補強材2が固定される。
【選択図】 図1
【解決手段】 複合横架材は、木材または木質材料製の横架材本体1と、横架材本体1に対して取り付けられる補強材2とで構成される。補強材2が備える板状挿込部22は、上記横架材本体1の下面に形成された溝12に挿し込まれ、板状基部21は横架材本体1の下面に重なるように配置される。このとき、横架材本体1に形成されたドリフトピン穴14と補強材2に形成されたドリフトピン穴24が重なるので、この重なったドリフトピン穴14,24に、ドリフトピン31が打ち込まれ、また、補強材2に形成されたビス穴23には、ビス32がねじ込まれ、これにより、横架材本体1に対して補強材2が固定される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、木材または木質材料製の横架材本体と、この横架材本体に対して取り付けられた補強材とで構成される複合横架材に関する。
従来、木造住宅の設計、施工において、荷重のかかる部位と荷重のかからない部位とでは、横架材(=梁、桁、その他これらに類するもの)に要求される強度が変わるため、一般的には、材寸の異なる何種類もの横架材が使用されている。
しかし、このように材寸の異なる何種類もの横架材を使用する場合、設計の段階においては、各部位で使用する材寸法を割り出すのに多くの労力と時間がかかるという問題があり、また、横架材を製造する工場においては、多種類の寸法のものを製造しなくてはならず、これにも労力と時間がかかるという問題があった。
こうした問題に対し、例えば、下記特許文献1においては、木製梁材の四隅に断面L字型の金属製アングル材を取り付けた構造の梁部材や、木製梁材の下面を包むように断面コ字型の金属材を取り付けた構造の梁部材などが提案されている。そして、このような梁部材であれば、木製梁よりも強度が増し、その分、材寸を小さくでき、荷重のかかる部位と荷重のかからない部位とで同じ材寸を利用できるようにもなるので、材寸の選定も容易になるとされている。
また、下記特許文献1以外にも、木材と金属材とを組み合わせた横架材は提案されている。例えば、下記特許文献2では、H形鋼の上端(あるいはH形鋼の上端および下端)に、木材を取り付けた構造の複合梁材が提案されており、また、下記特許文献3では、木質板材を積層してなる梁材の一部に、棒状の鋼材もしくは板状の鋼板を埋め込んだ構造の複合集成梁材が提案されている。
特開平8−4202号公報
特開平8−284310号公報
特開平10−34612号公報
ところで、上記特許文献1〜3において、上面側に金属部分が存在しない複合横架材は既に提案されており、このような複合横架材を利用すれば、複合横架材の上面側に他の部材(例えば柱等)を接合するための加工(仕口加工)を施したい場合に、木製の梁材とまったく同等の加工性を確保できるものと期待できる。
しかしながら、上記特許文献1に記載の梁部材の場合、梁部材の側面には金属部分が存在する構造になっているため(特許文献1の図1,2参照)、梁部材の側方に他の部材を接合するための加工を施したい場合には、木製の梁材とまったく同等の加工性を確保することが難しい、という欠点があった。
このような欠点は、上記特許文献2に記載の複合梁材にも、同様に存在する欠点であり、例えば、特許文献2の図7には、複合梁材の側方に複合梁材を接合する例が示してあるが、図示されている通り、鋼材同士の接合が必須となるため、複合梁材の側面に関しては、現場での手工具による加工は容易ではない。また、この種のH形鋼はきわめて重いのが普通で、現場においてそもそも木製の梁材と同等に扱うこともできない。
さらに、上記特許文献3に記載の複合集成梁材のうち、板状の鋼板を挟み込んだ構造としたもの(特許文献3の図3参照)も、側面に鋼板の端面が存在するので、側面側の加工性は劣るものとなる。この点、上記特許文献3に記載の複合集成梁材のうち、梁材の内部に棒状の鋼材を埋め込んだ構造としたものは、横架材の側面には金属部分が存在しないので、横架材の側方に他の部材を接合するための加工を施したい場合に、木製の梁材とまったく同等の加工性を確保できる可能性はある。
しかし、上記特許文献3に記載の複合集成梁材は、いずれも梁材の内部に鋼材を埋め込む構造であることから、集成梁材を製造する段階で鋼材を埋め込む必要があり、木材部分に対して後付で金属部分を取り付けるような工法は採用できないので、複合集成梁材の製造に手間がかかる、建築現場での補強加工を行うことはできない、といった欠点があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、木製横架材と同等の加工性を従来品以上に確保しやすく、現場での補強加工を行うこともできる複合横架材を提供することにある。
以下、本発明において採用した特徴的構成について説明する。
本発明の複合横架材は、木材または木質材料製の横架材本体と、前記横架材本体に対して取り付けられた補強材とで構成される複合横架材であって、前記横架材本体には、長手方向に延びる溝が形成され、前記補強材は、長尺な板状基部の片方の面に前記板状基部と同一方向に長尺な板状挿込部が突設された構造の長尺材で、前記板状挿込部が前記溝に挿し込まれるとともに、前記板状基部が前記横架材本体の表面に重なるように配置された状態で、前記横架材本体に対して固定されていることを特徴とする。
本発明の複合横架材は、木材または木質材料製の横架材本体と、前記横架材本体に対して取り付けられた補強材とで構成される複合横架材であって、前記横架材本体には、長手方向に延びる溝が形成され、前記補強材は、長尺な板状基部の片方の面に前記板状基部と同一方向に長尺な板状挿込部が突設された構造の長尺材で、前記板状挿込部が前記溝に挿し込まれるとともに、前記板状基部が前記横架材本体の表面に重なるように配置された状態で、前記横架材本体に対して固定されていることを特徴とする。
この複合横架材において、横架材本体は、いわゆる無垢の木材か、木材の板、小片、繊維束などを主要素として接着・集成した木質材料によって形成される。また、補強材は、横架材本体の強度、特に曲げ剛性を向上させることができるような材料で形成され、例えば、鋼材、アルミ材などの金属材料などで形成すると好適であるが、この他にも、公知の各種金属代替材料(例えば、繊維強化プラスチック系材料、セラミックス系材料)で補強材を形成しても構わない。
また、横架材本体に形成される溝の幅および深さは、補強材の板状挿込部を挿し込むために十分な幅および深さであればよいが、過剰に深くしても横架材本体の強度を損ねる要因となるので、通常は溝の幅5mm〜15mm、溝の深さ2cm〜10cm程度とし、その程度の溝に収まる板状挿込部を有する部材を対象にして、十分な補強性能を持つ補強材を選定するとよい。
補強材は、長尺な板状基部の片方の面に前記板状基部と同一方向に長尺な板状挿込部が突設された構造の長尺材である。このような長尺材のより具体的な例としては、断面L字状となる部分が長手方向に連続する形状となるように構成された長尺材(いわゆるアングル材)、断面T字状となる部分が長手方向に連続する形状となるように構成された長尺材、断面コ字状となる部分が長手方向に連続する形状となるように構成された長尺材などを挙げることができる。このような補強材を1本だけ単独で用いる場合、強度的には、断面L字状の補強材よりも断面コ字状または断面T字状の補強材の方が望ましい。ただし、断面L字状となる補強材の場合でも、2本の補強材を背中合わせに配置することで、見かけ上断面T字状の補強材の如く使用することができ、その場合、断面L字状の補強材が2本となる分だけ断面L字状の補強材を1本だけ単独で用いる場合より補強効果も高くなり、さらに、それら2本の断面L字状の補強材を背中合わせに配置した状態で接合してしまえば、実質的に断面T字状の補強材と同等に使用することもできる。
このような断面形状を持つ補強材は、一次元的な形状(例えば円棒状)の補強材や二次元的な形状(例えば平板状)の補強材よりも曲げ剛性が高いものとなるので、このような補強材の板状挿込部を横架材本体の溝に挿し込むとともに、横架材本体の溝が形成された面に補強材の板状基部を重ね、その状態で補強材を横架材本体に対して固定すれば、きわめて曲げ剛性の高い複合横架材を構成することができる。
以上のように構成された本発明の複合横架材によれば、横架材本体の溝が形成された1つの面のみ、補強材の板状基部が重ねられるものの、その他の面には補強材が重ならないので、溝が形成された1つの面以外の面を加工する際には、木製の横架材と同等の加工性を確保することができる。
したがって、本発明の複合横架材において、横架材本体の下面に溝を形成してあり、補強材の板状挿込部が板状基部の上面から上方へ突出する向きにして補強材を横架材本体の下面に取り付けてあれば、複合横架材の上面および両側面において、木製の横架材と同等の加工性を確保することができる。また、補強材を横架材本体の下面に取り付けてあれば、横架材本体を下方へたわませるような方向へ応力が作用した場合に、補強材が横架材本体の下面側における伸長を抑制することで、横架材本体の下方へのたわみが発生しにくくなるので、この点でも好ましい。なお、複合横架材の上面および一方の側面において、木製の横架材と同等の加工性を確保することができればよい場合は、横架材本体の側面に溝を形成し、補強材の板状挿込部が板状基部から側方へ突出する向きにして補強材を横架材本体の側面に取り付けてあってもよい。この場合でも、複合横架材の上面における加工性を確保したまま、複合横架材の一方の側面における加工性をも確保できるので、複合横架材の両側面における加工性が確保されていなかった従来品よりも優れた効果がある。
また、本発明の複合横架材であれば、構造的には、複合横架材の外側から補強材を取り付けてあるだけなので、建築現場において横架材本体に対して補強材を取り付けるような工法を採用することができ、集成材の製造段階で補強材を集成材の内部に埋め込まざるを得ないものに比べ、製造コストや製造後の製品の保管にかかるコストなどを抑制することができる。
さらに、本発明の複合横架材において、複合横架材の寸法は、使用目的に応じて任意であるが、通常は、長手方向寸法が3m〜6m程度の長尺材(=同一断面形状の部分が長手方向に連続する材)として形成される。また、従来の横架材には、材幅10cm〜45cm程度のものがあり、中でも材幅18cm〜36cm程度のものが多用され、しかも、強度を確保できる範囲内でなるべく材幅を小さくしたいとの要求に応えるため、僅かな材幅の違いしかないものがきわめて多種類用いられてきたが、本発明の複合横架材の場合は、材幅18cmにて材幅30cmの従来品と同等以上の強度を確保できるので、従来品における何種類もの材幅を、1種類の材幅で代替することができる。
したがって、本発明の複合横架材によれば、横架材の材寸を従来品よりも削減することができるようになり、その結果、本発明の複合横架材と組み合わせて使用される柱の高さについても、横架材の材寸の僅かな違いに合わせて高さを変える必要が無くなるので、横架材の材幅に加えて柱の高さも種類を削減できることになり、材寸の割り出しにかかる労力は大幅に削減される。また、複合横架材や柱の寸法について種類が減れば、工場でプレカットした材を製造する場合でも、多種類の在庫をかかえる必要がないので経済的である。
加えて、本発明の複合横架材であれば、横架材の材寸を小さくできるので、その分だけ天井高を確保でき、建築物内にゆとりのあるスペースを確保することもできるようになる。
ところで、本発明の複合横架材において、前記溝および前記補強材は、前記横架材本体よりも長手方向の寸法が短く形成されており、前記横架材本体の長手方向両端部に、前記溝の形成されていない部分が設けられていると好ましい。
このような構造を採用すると、横架材本体の長手方向両端部に、補強材が存在しない部分を設けることができるので、横架材本体の長手方向両端部付近における加工性はさらに良好になる。したがって、横架材本体の長手方向両端部付近に他の部材を接合したい場合に、付加的に金物等を取り付けても、それらの金物等と補強材とのぶつかり合いが生じるおそれがない。なお、このような補強材が存在しない部分は、横架材本体の長手方向両端部それぞれに30cm〜50cm程度確保するとよい。
また、本発明の複合横架材において、横架材本体と補強材との固定方法は任意であるが、前記横架材本体の表面から打ち込まれたドリフトピンが、前記横架材本体の内部で前記板状挿込部を貫通することにより、前記板状挿込部が前記溝から抜けるのを阻止する構造になっていると、横架材本体をたわませるような応力が作用した場合に、補強材を溝から押し出そうとする力が補強材に伝わったとしても、横架材本体の表面から打ち込まれて板状挿込部を貫通するドリフトピンが抜止となり、板状挿込部が溝から抜けるのを阻止するので、例えば、板状基部を溝の付近にビス止めしてあるだけの構造に比べ、強度の高い構造となる。
次に、本発明の実施形態について一例を挙げて説明する。
(1)複合横架材の構造
図1は、本発明の複合横架材の分解斜視図であり、斜め下方より見上げた状態を示している。
(1)複合横架材の構造
図1は、本発明の複合横架材の分解斜視図であり、斜め下方より見上げた状態を示している。
この複合横架材は、木材または木質材料製(本実施形態では、レッドウッド集成材製)の横架材本体1と、横架材本体1に対して取り付けられる補強材2とで構成される。
横架材本体1は、下面11に長手方向に延びる溝12が形成されていて、さらに溝12の周囲に凹部13が形成されている。また、横架材本体1の側面には、ドリフトピン穴14が穿設されている。
横架材本体1は、下面11に長手方向に延びる溝12が形成されていて、さらに溝12の周囲に凹部13が形成されている。また、横架材本体1の側面には、ドリフトピン穴14が穿設されている。
補強材2は、長尺な板状基部21の片方の面に長尺な板状挿込部22が突設された構造の長尺材で、より具体的には、板状基部21に板状挿込部22を垂直に突設することにより、断面T字状となる部分が長手方向に連続する形状となるように構成された鋼製の長尺材である。板状基部21には、ビス穴23が穿設され、また、板状挿込部22には、図2(a)に示すように、ドリフトピン穴24が穿設されている。
補強材2が備える板状挿込部22は、横架材本体1の下面に形成された溝12に挿し込まれ、板状基部21が横架材本体1の下面に重なるように配置される。このとき、板状基部21は、横架材本体1の下面に形成された凹部13の内側に収まる。また、横架材本体1に形成されたドリフトピン穴14と補強材2に形成されたドリフトピン穴24は、板状挿込部22を溝12に挿し込んだときに重なるような位置関係にあり、この重なったドリフトピン穴14,24に、ドリフトピン31が打ち込まれる。また、補強材2に形成されたビス穴23には、ビス32がねじ込まれる。これらドリフトピン31およびビス32により、補強材2が横架材本体1に対して固定されることになる。
このような構造の複合横架材は、横架材本体1に補強材2を取り付けても、横架材本体1の上面および両側面には補強材2がまったく重ならない状態にある。したがって、この複合横架材であれば、複合横架材の上面および両側面において、木製の横架材と同等の加工性を確保することができる。
また、この複合横架材においては、補強材2を横架材本体1の下面に取り付けてあるので、横架材本体1を下方へたわませるような方向へ応力が作用した場合に、補強材2が横架材本体1の下面側における伸長を抑制する効果も発揮する。したがって、この複合横架材であれば、横架材本体1の下方へのたわみが発生しにくくなる点でも好ましい。
さらに、本実施形態の複合横架材は、構造的には、横架材本体1の外側から補強材2を取り付けてあるだけなので、建築現場において横架材本体1に対して補強材2を取り付けるような工法を採用することができる。したがって、例えば、集成材の製造段階で補強材を集成材の内部に埋め込まざるを得ないものとは異なり、事前に横架材を製造してストックしておかなくても、必要となった時点で複合横架材を構成すればよいので、製造コストや製造後の製品の保管にかかるコストなどを抑制することができる。
さらに、本実施形態の複合横架材において、溝12および補強材2は、図2(b)に示すように、横架材本体1の全長L1よりも長手方向の寸法L2が短く形成されており、横架材本体1の長手方向両端部には、溝12の形成されていない部分(寸法L3,L4の部分)が設けられている。このような構造を採用すると、横架材本体1の長手方向両端部に補強材2が存在しない部分を設けることができるので、横架材本体1の両端部付近では、さらに良好な加工性を確保できる。したがって、横架材本体1の両端部付近に他の部材を接合したい場合に、付加的な金物等を取り付けても、それらの金物等と補強材とのぶつかり合いが生じるおそれがなく好適である。なお、このような溝12の形成されていない部分は、望ましくは、横架材本体1の長手方向両端部それぞれに30cm〜50cm程度確保するとよい。
(2)強度試験
次に、この複合横架材の強度を調べるため、以下のような試験を実施した。
(2)強度試験
次に、この複合横架材の強度を調べるため、以下のような試験を実施した。
試験体としては、2350mm×105mm×150mmの横架材本体1に対し、板状基部21の幅60mm、板状挿込部22の高さ30mm、各板状部の厚さ3mmの補強材2(全長2000mm)を取り付けたものを使用した(実施例)。また、比較のため、横架材本体1に対して補強材2を取り付けていないものも用意した(比較例)。
試験方法は、構造用集成材の日本農林規格曲げ試験に準じて実施した。ただし、試験体の形状を考慮して、試験体の厚さ方向を150mmとし、支持点間距離は2160mm、荷重点間距離は480mmとして試験を行った。
試験結果を表1に示す。
以上の結果から、同じ横架材本体1でも、補強材2を設けてある場合(実施例)と補強材2を設けてない場合(比較例)とでは、その曲げ強さに格段の違いが生じることがわかる。この程度まで曲げ強さを向上させることができると、従来品における何種類もの材幅を、1種類の材幅で代替することができる。
例えば、上記複合横架材の材幅を18cm程度確保すれば、材幅30cmの従来品と同等以上の強度を確保できるので、この場合であれば、材幅18cmの複合横架材のみで、材幅18cm〜30cmの従来品すべてを代替することができることになる。
したがって、横架材の材寸を従来品よりも削減することができるようになり、その結果、この複合横架材と組み合わせて使用される柱の高さについても、横架材の材寸の僅かな違いに合わせて高さを変える必要が無くなる。その結果、横架材の材幅に加えて柱の高さも種類を削減できることになり、材寸の割り出しにかかる労力は大幅に削減される。また、複合横架材や柱の寸法について種類が減れば、工場でプレカットした材を製造する場合でも、多種類の在庫をかかえる必要がないので経済的である。
加えて、本実施形態の複合横架材であれば、横架材の材寸を小さくできるので、その分だけ天井高を確保でき、建築物内にゆとりのあるスペースを確保することもできるようになる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な一実施形態に限定されず、この他にも種々の形態で実施することができる。
例えば、上記実施形態では、断面T字状の補強材2を使用したが、図3(a)に示すように、横架材本体51に対して断面L字状の補強材52を取り付けても、横架材本体51の上面および側面の加工性を損ねることなく、相応の強度向上を期待することができる。
例えば、上記実施形態では、断面T字状の補強材2を使用したが、図3(a)に示すように、横架材本体51に対して断面L字状の補強材52を取り付けても、横架材本体51の上面および側面の加工性を損ねることなく、相応の強度向上を期待することができる。
また、断面L字状の補強材を用いるのであれば、例えば、図3(b)に示すように、横架材本体61に対して断面L字状の補強材62を背中合わせに2つ取り付けてもよく、この場合も、横架材本体51の上面および側面の加工性を損ねることなく、相応の強度向上を期待することができる。なお、このように断面L字状の補強材62を背中合わせに2つ取り付ける場合は、2つの補強材62を互いに接合することなく横架材本体61に対して取り付けてもよいし、2つの補強材62をあらかじめ接合してから横架材本体61に対して取り付けてもよいが、事前に接合しておく方が強度が向上し、また、ドリフトピン穴の位置合わせの際に手間がかからない。
また、上記実施形態では、断面T字状の補強材2の一例を示したが、断面T字状の補強材自体の具体的な構造は任意であり、例えば、図3(c)に示す横架材本体71および補強材72のように、一枚の板材を折り曲げ加工して断面T字状となるように形成した補強材72を用いてもよい。
また、上記実施形態では、補強材2の板状基部21が、横架材本体1に形成された凹部13に収まるように構成してあったが、板状基部の厚みが問題にならないような部位で使用される横架材であれば、図3(d)に示す横架材本体81および補強材82のように、補強材82の一部が横架材本体81表面の面位置から僅かに突出していても構わない。
さらに、以上説明した実施形態においては、断面T字状の補強材、断面L字状の補強材など、1本の補強材が1枚の板状挿入部を有する構造になっているものについて説明したが、補強材は、複数枚の板状挿入部を有する構造になっていてもよい。例えば、2枚の板状挿込部を有する断面コの字型ないしF字型の補強材、3枚の板状挿込部を有する断面E字型の補強材などを採用してもよく、この場合、横架材本体には、板状挿込部と同数の溝が形成される。
より具体的には、例えば、図4(a)および同図(b)に示すように、平行に2本のスリット(溝)を入れた横架材本体91に対して、2枚の板状挿込部を有する断面コの字型の補強材92を取り付けるようにしてもよい。図4(a)および同図(b)に示した例では、横架材本体91(材寸105mm×180mmの平角)に対して、40mm間隔を保って長手方向に平行に延びる2本のスリット(深さ90mm)を形成しておいて、それら2本のスリットに補強材92(断面コの字型の金物;厚3.2mm、幅40mm、高90mm)を挿し込み、先に説明した実施形態と同様、ドリフトピンおよびビスを使って補強材92を横架材本体91に固定してある。このような構造にすれば、断面T字状の補強材や断面L字状の補強材を用いた場合以上に剛性の高い複合横架材を得ることができる。
加えて、上記実施形態では、補強材について鋼製である旨を説明したが、鋼材以外の金属材、例えばアルミ材などで補強材を製造してもよく、あるいは、公知の各種金属代替材料(例えば、繊維強化プラスチック系材料、セラミックス系材料)で補強材を形成しても構わない。
1,51,61,71,81・・・横架材本体、2,52,62,72,82・・・補強材、12・・・溝、13・・・凹部、14,24・・・ドリフトピン穴、21・・・板状基部、22・・・板状挿込部、23・・・ビス穴、31・・・ドリフトピン、32・・・ビス。
Claims (4)
- 木材または木質材料製の横架材本体と、前記横架材本体に対して取り付けられた補強材とで構成される複合横架材であって、
前記横架材本体には、長手方向に延びる溝が形成され、
前記補強材は、長尺な板状基部の片方の面に前記板状基部と同一方向に長尺な板状挿込部が突設された構造の長尺材で、前記板状挿込部が前記溝に挿し込まれるとともに、前記板状基部が前記横架材本体の表面に重なるように配置された状態で、前記横架材本体に対して固定されている
ことを特徴とする複合横架材。 - 前記横架材本体の下面に溝を形成してあり、
前記補強材の前記板状挿込部が前記板状基部の上面から上方へ突出する向きにして、前記補強材を前記横架材本体の下面に取り付けてある
ことを特徴とする請求項1に記載の複合横架材。 - 前記溝および前記補強材は、前記横架材本体よりも長手方向の寸法が短く形成されており、前記横架材本体の長手方向両端部に、前記溝の形成されていない部分が設けられている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の複合横架材。 - 前記横架材本体の表面から打ち込まれたドリフトピンが、前記横架材本体の内部で前記板状挿込部を貫通することにより、前記板状挿込部が前記溝から抜けるのを阻止する構造になっている
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の複合横架材。
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