JP2006117777A - 電気・電子部品封止・シール用シリコーンゴム組成物および電気・電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 活性炭粉末を0.1重量%以上、40重量%未満含有する電気・電子部品封止・シール用シリコーンゴム組成物、および電気・電子部品が上記組成物により封止またはシールされてなる電気・電子機器。
【選択図】 なし
Description
また、本発明の電気・電子機器は、電気・電子部品が上記組成物により封止またはシールされてなることを特徴とする。
本組成物は、活性炭粉末を0.1重量%以上、40重量%未満含有することを特徴とする。この活性炭粉末は、硫黄含有ガスを吸着・吸収し、電気・電子部品への硫黄含有ガスの到達を遅延させ、実質上、電気・電子部品の腐蝕を防止するための成分である。この活性炭粉末の粒径は特に限定されないが、その平均粒径が0.1〜500μmの範囲内であることが好ましく、特に、1〜200μmの範囲内であることが好ましい。これは、活性炭粉末の平均粒径が上記範囲の下限未満であると、得られるシリコーンゴム組成物の粘度が著しく高くなり、電気・電子部品の封止あるいはシールが困難となる傾向があり、一方、上記範囲の上限を超えると、得られるシリコーンゴム組成物中で活性炭粉末が沈降分離したり、また、この組成物を塗布した際の平坦性が損なわれる傾向があるからである。
(A)25℃における粘度が100〜1,000,000mPa・sであり、分子鎖中のケイ素原子に結合した一般式:
−X−Si(OR1)3
(式中、R1はアルキル基またはアルコキシアルキル基であり、Xは酸素原子またはアルキレン基である。)
で表されるトリアルコキシシリル含有基を一分子中に2個以上有するオルガノポリシロキサン 100重量部、
(B)一般式:
R2 nSi(OR3)4-n
(式中、R2は置換または非置換の一価炭化水素基であり、R3はアルキル基またはアルコキシアルキル基であり、nは0〜2の整数である。)
で表されるアルコキシシランまたはその部分加水分解縮合物 0.5〜30重量部、
(C)活性炭粉末 本組成物中、0.1重量%以上、40重量%未満となる量、および
(D)縮合反応用触媒 0.1〜10重量部
から少なくともなるものである。
−X−Si(OR1)3
で表されるトリアルコキシシリル含有基を一分子中に2個以上有するオルガノポリシロキサンである。上式中、R1はアルキル基またはアルコキシアルキル基であり、R1のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が例示され、R1のアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基が例示される。また、上式中、Xは酸素原子またはアルキレン基であり、Xのアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基が例示される。このようなトリアルコキシシリル含有基としては、トリメトキシシリルエチル基、トリメトキシシリルプロピル基、トリエトキシシリルエチル基、トリ(メトキシエトキシ)シリルエチル基等のトリアルコキシシリルアルキル基;トリメトキシシロキシ基、トリエトキシシロキシ基、トリ(メトキシエトキシ)シロキシ基等のトリアルコキシシロキシ基が例示される。このようなトリアルコキシシリル含有基の結合位置は限定されず、分子鎖末端および/または分子鎖側鎖が挙げられ、好ましくは分子鎖末端である。また、(A)成分中のトリアルコキシシリル含有基以外のケイ素原子に結合している基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;3,3,3−トリフロロプロピル基、3−クロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等の置換もしくは非置換の一価炭化水素基が例示される。(A)成分の分子構造は限定されず、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、分岐鎖状、樹枝状が例示され、好ましくは、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状である。特に、分子鎖両末端のケイ素原子に結合したトリアルコキシシリル含有基を有する直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好ましい。(A)成分の25℃における粘度は100〜1,000,000mPa・sの範囲内であり、好ましくは、100〜100,000mPa・sの範囲内である。これは、(A)成分の粘度が上記範囲の下限未満であると、得られるシリコーンゴムの機械的強度が低下する傾向があり、一方、上記範囲の上限を超えると、得られるシリコーンゴム組成物の取扱作業性や塗布作業性が低下する傾向があるからである。
R2 nSi(OR3)4-n
で表されるアルコキシシランまたはその部分加水分解縮合物である。上式中、R2は置換または非置換の一価炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;3,3,3−トリフロロプロピル基、3−クロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が例示される。また、上式中、R3はアルキル基またはアルコキシアルキル基であり、R3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が例示され、R3のアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基が例示される。また、上式中、nは0〜2の整数であり、好ましくは、0または1である。
本電気・電子機器は、その中の電気回路、電極等の電気・電子部品が上記のシリコーンゴム組成物により封止またはシールされていることを特徴とする。このような電気・電子機器としては、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイが例示される。また、この電気・電子部品としては、ガラス、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、セラミック等の基材上に、銀、銅、アルミニウム、金等の金属電極;ITO(Indium Tin Oxide)等の金属酸化膜電極が形成された電気回路または電極が例示される。
図1で示した、導電部の間隔が0.318mm、導電部の幅が0.318mm、導電部の重なりしろが15.75mmであるJIS Z 3197に準拠して作製した銀製櫛型電極ガラス基板に、シリコーンゴム組成物を1mm厚に塗布した後、25℃、50%RHの条件下で1週間静置することにより硬化させて試験体を作製した。この試験体を硫黄0.6gの入った450mlの密栓できるガラス容器に入れ、80℃で所定時間放置した後、この試験体をガラス容器から取り出し、シリコーンゴムを取り除き、試験体の銀電極の腐蝕状況を観察した。
図1で示した、導電部の間隔が0.318mm、導電部の幅が0.318mm、導電部の重なりしろが15.75mmである銀製櫛型電極ガラス基板にシリコーンゴム組成物を1mm厚に塗布した後、25℃、50%RHの条件下で1週間静置することにより硬化させて試験体を作製した。この試験体の電極間に電圧100Vを印加した状態で、85℃、85%RHの条件下で放置し、電極が短絡するまでの時間を測定した。
平均粒径が15μmである活性炭粉末(日本エンバイロケミカル株式会社製の白鷺DO―2)を純水で洗浄した後、乾燥して、ナトリウム、カリウムの濃度がいずれも0.05重量%以下である活性炭粉末を調製した。
(CH3)3SiO−
で表されるトリメトキシシロキシ基を有する直鎖状ジメチルポリシロキサン100重量部を40mmHgの減圧下、室温で30分間混合し、湿気遮断下、この混合物にメチルトリメトキシシラン2重量部、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン2重量部を均一に混合して縮合反応硬化型シリコーンゴム組成物を調製した。このシリコーンゴム組成物を用いて硫黄ガス腐蝕試験およびマイグレーション試験を実施した。それらの結果を表1に示した。
実施例1において、活性炭粉末の配合量を15重量部とした以外は実施例1と同様にしてシリコーンゴム組成物を調製した。このシリコーンゴム組成物を用いて硫黄ガス腐蝕試験およびマイグレーション試験を実施した。それらの結果を表1に示した。
実施例1において、活性炭粉末を配合しない以外は実施例1と同様にしてシリコーンゴム組成物を調製した。このシリコーンゴム組成物を用いて硫黄ガス腐蝕試験およびマイグレーション試験を実施した。それらの結果を表1に示した。
実施例1において、活性炭粉末の配合量を50重量部とした以外は実施例1と同様にしてシリコーンゴム組成物を調製した。しかし、このシリコーンゴム組成物は粘度が高く、硫黄ガス腐蝕試験およびマイグレーション試験を実施することはできなかった。
実施例1で調製した活性炭粉末15重量部、フェニル基含有シリコーンレジン70重量部、トルエン30重量部、およびテトラブトキシチタン0.3重量部を混合してシリコーンワニス組成物を調製した。このシリコーンワニス組成物を用いて硫黄ガス腐蝕試験およびマイグレーション試験を実施した。それらの結果を表1に示した。
Claims (6)
- 活性炭粉末を0.1重量%以上、40重量%未満含有する電気・電子部品封止・シール用シリコーンゴム組成物。
- 活性炭粉末中のナトリウム、カリウムの含有量がいずれも0.1重量%以下である、請求項1記載の組成物。
- 縮合反応硬化型または付加反応硬化型である、請求項1記載の組成物。
- 縮合反応硬化型のシリコーンゴム組成物が、
(A)25℃における粘度が100〜1,000,000mPa・sであり、分子鎖中のケイ素原子に結合した一般式:
−X−Si(OR1)3
(式中、R1はアルキル基またはアルコキシアルキル基であり、Xは酸素原子またはアルキレン基である。)
で表されるトリアルコキシシリル含有基を一分子中に2個以上有するオルガノポリシロキサン 100重量部、
(B)一般式:
R2 nSi(OR3)4-n
(式中、R2は置換または非置換の一価炭化水素基であり、R3はアルキル基またはアルコキシアルキル基であり、nは0〜2の整数である。)
で表されるアルコキシシランまたはその部分加水分解縮合物 0.5〜30重量部、
(C)活性炭粉末 本組成物中、0.1重量%以上、40重量%未満となる量、および
(D)縮合反応用触媒 0.1〜10重量部
から少なくともなる、請求項3記載の組成物。 - (A)成分が、分子鎖両末端のケイ素原子に結合したトリアルコキシシリル含有基を有するジオルガノポリシロキサンである、請求項4記載の組成物。
- 電気・電子部品が請求項1乃至5のいずれか1項に記載の組成物により封止またはシールされてなる電気・電子機器。
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