JP2006117777A - 電気・電子部品封止・シール用シリコーンゴム組成物および電気・電子機器 - Google Patents

電気・電子部品封止・シール用シリコーンゴム組成物および電気・電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 電気・電子部品の硫黄含有ガスによる腐蝕およびマイグレーションによる電蝕を抑制するためのシリコーンゴム組成物、および電気・電子部品の硫黄含有ガスによる腐蝕およびマイグレーションによる電蝕が抑制された電気・電子機器を提供する。
【解決手段】 活性炭粉末を0.1重量%以上、40重量%未満含有する電気・電子部品封止・シール用シリコーンゴム組成物、および電気・電子部品が上記組成物により封止またはシールされてなる電気・電子機器。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電気・電子部品封止・シール用シリコーンゴム組成物および電気・電子機器に関し、詳しくは、電気・電子部品の硫黄含有ガスによる腐蝕およびマイグレーションによる電蝕を抑制するためのシリコーンゴム組成物、および電気・電子部品の硫黄含有ガスによる腐蝕およびマイグレーションによる電蝕が抑制された電気・電子機器に関する。
電気・電子機器中の電気・電子部品の硫黄含有ガスによる腐蝕を抑制するため、例えば、特許文献1には、ベンゾトリアゾールまたはその誘導体を重量単位で1ppm〜30%含有する室温硬化性のシリコーンゴム組成物が提案されており、また、特許文献2には、モレキュラシーブ、活性炭、活性アルミナ等の吸着剤を含有するワニスが提案されており、そのワニス中の液状樹脂として、シリコン系樹脂が開示されている。
しかし、特許文献1で提案されているシリコーンゴム組成物では、電気・電子部品の硫黄含有ガスによる腐蝕を長期間にわたって十分に抑制できないという問題があった。また、特許文献2で提案されているワニスでは、電気・電子部品の硫黄含有ガスによる腐蝕を十分に抑制するためには、吸着剤の充填率が30重量%程度では効果がなく、40重量%以上でなければ顕著な効果が得られないという問題があった。このため、シリコン系ワニスのように可撓性の乏しい硬化樹脂を形成する組成物において、多量の吸着剤を配合した場合には、得られる硬化樹脂には十分な強度が得られず、湿気により促進される金属製部品のマイグレーションによる電蝕を十分に抑制できないという問題があった。
特開2004−149611号公報 特開平11―12501号公報
本発明の目的は、電気・電子部品の硫黄含有ガスによる腐蝕およびマイグレーションによる電蝕を抑制するためのシリコーンゴム組成物、および電気・電子部品の硫黄含有ガスによる腐蝕およびマイグレーションによる電蝕が抑制された電気・電子機器を提供することにある。
本発明の電気・電子部品封止・シール用シリコーンゴム組成物は、活性炭粉末を0.1重量%以上、40重量%未満含有することを特徴とする。
また、本発明の電気・電子機器は、電気・電子部品が上記組成物により封止またはシールされてなることを特徴とする。
本発明の電気・電子部品封止・シール用シリコーンゴム組成物は、電気・電子機器中の電気・電子部品の硫黄含有ガスによる腐蝕およびマイグレーションによる電蝕を抑制することができ、また、本発明の電気・電子機器は、電気・電子部品の硫黄含有ガスによる腐蝕およびマイグレーションによる電蝕が抑制され、信頼性が優れるという特徴がある。
はじめに、本発明の電気・電子部品封止・シール用シリコーンゴム組成物について詳細に説明する。
本組成物は、活性炭粉末を0.1重量%以上、40重量%未満含有することを特徴とする。この活性炭粉末は、硫黄含有ガスを吸着・吸収し、電気・電子部品への硫黄含有ガスの到達を遅延させ、実質上、電気・電子部品の腐蝕を防止するための成分である。この活性炭粉末の粒径は特に限定されないが、その平均粒径が0.1〜500μmの範囲内であることが好ましく、特に、1〜200μmの範囲内であることが好ましい。これは、活性炭粉末の平均粒径が上記範囲の下限未満であると、得られるシリコーンゴム組成物の粘度が著しく高くなり、電気・電子部品の封止あるいはシールが困難となる傾向があり、一方、上記範囲の上限を超えると、得られるシリコーンゴム組成物中で活性炭粉末が沈降分離したり、また、この組成物を塗布した際の平坦性が損なわれる傾向があるからである。
本組成物において、市販の活性炭粉末をそのまま使用してもよいが、活性炭粉末中には不純物として、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属が含まれており、それが電気・電子部品の腐蝕を促進したり、また湿気によるマイグレーションを促進する傾向があることから、活性炭粉末中のナトリウム、カリウムの含有量がいずれも0.1重量%以下であることが好ましく、特に、0.05重量%以下であることが好ましい。このような活性炭粉末を調製する方法としては、市販の活性炭粉末を水洗する方法が挙げられる。
本組成物中の活性炭粉末の含有量は、本組成物に対して0.1重量%以上、40重量%未満の量であり、好ましくは、1〜30重量%の範囲内の量である。これは、活性炭粉末の含有量が上記範囲の下限未満であると、電気・電子部品の硫黄含有ガスによる腐蝕やマイグレーションによる電蝕を十分に抑制できなくなる傾向があり、一方、上記範囲の上限を超えると、得られるシリコーンゴム組成物中で活性炭粉末が沈降分離したり、得られるシリコーンゴム組成物の取扱作業性が低下したり、得られるシリコーンゴムの機械的特性が低下する傾向があるからである。
本組成物の硬化機構は特に限定されないが、本組成物を室温あるいは比較的低温での加熱により硬化することができることから縮合反応硬化型または付加反応硬化型であることが好ましい。特に、本組成物を室温で硬化することができ、電気・電子部品への密着性が良好であることから、縮合反応硬化型であることが好ましい。この縮合反応硬化型としては、縮合反応によりアルコール、アセトン、あるいは水素を脱離して硬化するものが例示され、好ましくは、アルコールを脱離して硬化する縮合反応硬化型のものである。
この縮合反応硬化型のシリコーンゴム組成物として、好ましくは、
(A)25℃における粘度が100〜1,000,000mPa・sであり、分子鎖中のケイ素原子に結合した一般式:
−X−Si(OR1)3
(式中、R1はアルキル基またはアルコキシアルキル基であり、Xは酸素原子またはアルキレン基である。)
で表されるトリアルコキシシリル含有基を一分子中に2個以上有するオルガノポリシロキサン 100重量部、
(B)一般式:
2 Si(OR3)4-n
(式中、R2は置換または非置換の一価炭化水素基であり、R3はアルキル基またはアルコキシアルキル基であり、nは0〜2の整数である。)
で表されるアルコキシシランまたはその部分加水分解縮合物 0.5〜30重量部、
(C)活性炭粉末 本組成物中、0.1重量%以上、40重量%未満となる量、および
(D)縮合反応用触媒 0.1〜10重量部
から少なくともなるものである。
(A)成分は上記組成物の主成分であり、分子鎖中のケイ素原子に結合した一般式:
−X−Si(OR1)3
で表されるトリアルコキシシリル含有基を一分子中に2個以上有するオルガノポリシロキサンである。上式中、R1はアルキル基またはアルコキシアルキル基であり、R1のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が例示され、R1のアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基が例示される。また、上式中、Xは酸素原子またはアルキレン基であり、Xのアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基が例示される。このようなトリアルコキシシリル含有基としては、トリメトキシシリルエチル基、トリメトキシシリルプロピル基、トリエトキシシリルエチル基、トリ(メトキシエトキシ)シリルエチル基等のトリアルコキシシリルアルキル基;トリメトキシシロキシ基、トリエトキシシロキシ基、トリ(メトキシエトキシ)シロキシ基等のトリアルコキシシロキシ基が例示される。このようなトリアルコキシシリル含有基の結合位置は限定されず、分子鎖末端および/または分子鎖側鎖が挙げられ、好ましくは分子鎖末端である。また、(A)成分中のトリアルコキシシリル含有基以外のケイ素原子に結合している基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;3,3,3−トリフロロプロピル基、3−クロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等の置換もしくは非置換の一価炭化水素基が例示される。(A)成分の分子構造は限定されず、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、分岐鎖状、樹枝状が例示され、好ましくは、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状である。特に、分子鎖両末端のケイ素原子に結合したトリアルコキシシリル含有基を有する直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好ましい。(A)成分の25℃における粘度は100〜1,000,000mPa・sの範囲内であり、好ましくは、100〜100,000mPa・sの範囲内である。これは、(A)成分の粘度が上記範囲の下限未満であると、得られるシリコーンゴムの機械的強度が低下する傾向があり、一方、上記範囲の上限を超えると、得られるシリコーンゴム組成物の取扱作業性や塗布作業性が低下する傾向があるからである。
このような(A)成分のオルガノポリシロキサンとしては、分子鎖両末端トリメトキシシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメトキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメトキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメトキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチル(3,3,3−トリフロロプロピル)シロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメトキシシリルエチル基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメトキシシリルエチル基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメトキシシリルエチル基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメトキシシリルエチル基封鎖ジメチルシロキサン・メチル(3,3,3−トリフロロプロピル)シロキサン共重合体、およびこれらの2種以上の混合物が例示される。
(B)成分は本組成物の硬化剤であり、一般式:
2 Si(OR3)4-n
で表されるアルコキシシランまたはその部分加水分解縮合物である。上式中、R2は置換または非置換の一価炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;3,3,3−トリフロロプロピル基、3−クロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が例示される。また、上式中、R3はアルキル基またはアルコキシアルキル基であり、R3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が例示され、R3のアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基が例示される。また、上式中、nは0〜2の整数であり、好ましくは、0または1である。
このような(B)成分としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルセロソルブオルソシリケート等のテトラアルコキシシラン;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等のトリアルコキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のジアルコキシシラン;およびこれらのアルコキシシランの部分加水分解縮合物が例示される。上記組成物では、(B)成分として、これらを2種以上混合して用いてもよい。
上記組成物において、(B)成分の含有量は、(A)成分100重量部に対して0.5〜15重量部の範囲内の量である。これは、(B)成分の含有量が上記範囲の下限未満であると、得られるシリコーンゴム組成物の貯蔵安定性が低下する傾向があり、一方、上記範囲の上限を超えると、得られるシリコーンゴム組成物の硬化速度が著しく遅くなる傾向があるからである。
(C)成分の活性炭粉末は、硫黄含有ガスを吸着・吸収し、電気・電子部品への硫黄含有ガスの到達を遅延させ、実質上、電気・電子部品の腐蝕を防止するための成分である。このような活性炭粉末については前記の通りである。上記組成物において、(C)成分の含有量は、本組成物に対して0.1重量%以上、40重量%未満の量であり、好ましくは、1〜30重量%の範囲内の量である。これは、(C)成分の含有量が上記範囲の下限未満であると、電気・電子部品の硫黄含有ガスによる腐蝕やマイグレーションによる電蝕を十分に抑制できなくなる傾向があり、一方、上記範囲の上限を超えると、得られるシリコーンゴム組成物中で活性炭粉末が沈降分離したり、得られるシリコーンゴム組成物の取扱作業性が低下したり、得られるシリコーンゴムの機械的特性が低下する傾向があるからである。
(D)成分は上記組成物の硬化を促進するための縮合反応用触媒である。このような(D)成分としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレートエステル、スタナスオクトエート等の錫化合物;テトラブチルチタネート、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)チタン、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン等のチタン化合物が例示され、特に、チタン化合物であることが好ましい。
上記組成物において、(C)成分の含有量は、(A)成分100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲内の量であり、好ましくは、0.3〜6重量部の範囲内の量である。これは、(D)成分の含有量が上記範囲の下限未満であると、得られるシリコーンゴム組成物の硬化が促進されない傾向があり、一方、上記範囲の上限を超えると、得られるシリコーンゴム組成物の保存安定性が低下する傾向があるからである。
上記組成物には、その他任意の成分として、フュームドシリカ、沈降性シリカ、焼成シリカ、石英微粉末、炭酸カルシウム、煙霧質二酸化チタン、けいそう土、水酸化アルミニウム、微粒子状アルミナ、マグネシア、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、金属微粉末等の無機質充填剤;およびこれらの充填剤をシラン類、シラザン類、低重合度シロキサン類、有機化合物等で表面処理した充填剤;シラトラン誘導体、カルバシラトラン誘導体等の接着促進剤;防カビ剤、難燃剤、耐熱剤、可塑剤、チクソ性付与剤、顔料等を本発明の目的を阻害しない限り含有してもよい。
また、上記組成物には、電気・電子部品の硫黄含有ガスによる電気・電子部品の腐蝕やマイグレーションによる電蝕をさらに抑制するため、ベンゾトリアゾールまたはその誘導体を含有しても良い。このような成分としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、ナトリウムベンゾトリアゾール、ナトリウムトリルトリアゾール、ベンゾトリアゾールブチルエステル、ナフトトリアゾール、クロロベンゾトリアゾールが例示される。上記組成物には、これらのベンゾトリアゾールまたはその誘導体を2種以上を混合してもよい。ベンゾトリアゾールまたはその誘導体の含有量は、上記組成物中に重量単位で1ppm〜30%の範囲内となる量であり、好ましくは、10ppm〜1%の範囲内となる量である。これは、ベンゾトリアゾールまたはその誘導体の含有量が上記範囲の下限未満であると、電気・電子部品の硫黄含有ガスによる腐蝕やマイグレーションによる電蝕を十分に抑制できなくなる傾向があり、一方、上記範囲の上限をこえると、得られるシリコーンゴムの機械的特性が低下する傾向があるからである。
上記組成物を調製する方法は限定されないが、上記組成物は湿気により硬化が進行するため、湿気遮断下で調製することが必要である。また、上記組成物は湿気遮断下では1液型として貯蔵可能であり、また、これを2液型とすることもできる。
上記組成物は、湿気により室温でも硬化し、硬化途上で接触する電気・電子部品に対して十分に密着するので、加熱を避けなければならない電気・電子部品を湿気あるいは汚染から保護するための封止剤あるいはシール剤として好適である。
次に、本発明の電気・電子機器について詳細に説明する。
本電気・電子機器は、その中の電気回路、電極等の電気・電子部品が上記のシリコーンゴム組成物により封止またはシールされていることを特徴とする。このような電気・電子機器としては、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイが例示される。また、この電気・電子部品としては、ガラス、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、セラミック等の基材上に、銀、銅、アルミニウム、金等の金属電極;ITO(Indium Tin Oxide)等の金属酸化膜電極が形成された電気回路または電極が例示される。
本電気・電子機器中の電気回路または電極等の電気・電子部品を上記組成物により封止またはシールする方法は特に限定されないが、例えば、電気回路または電極に上記組成物をディスペンサー塗布したり、スクレーパ塗布したり、はけ塗りする方法が挙げられる。この際、予め電気回路または電極、さらにはこれらの周囲を洗浄してもよい。また、電気回路または電極に塗布する上記組成物の厚さは限定されないが、10μm〜5mmの範囲内であることが好ましい。これは、電気回路または電極に塗布する上記組成物の厚さが上記下限未満であると、電気回路または電極を湿気もしくは汚染から十分に保護できなくなる傾向があり、一方、上記範囲の上限を超えても、電気回路または電極を湿気もしくは汚染から保護する効果に著しい向上は見られないからである。次に、上記組成物を硬化させるが、その硬化条件は限定されない。上記組成物を室温で硬化させる場合には、数分間〜1週間程度静置することが好ましい。
本発明の電気・電子部品封止・シール用シリコーンゴム組成物および電気・電子機器について、実施例、比較例により詳細に説明する。なお、粘度は25℃における値である。また、電気・電子部品の硫黄ガス腐蝕試験およびマイグレーション試験は次の通りである。
[硫黄ガス腐蝕試験]
図1で示した、導電部の間隔が0.318mm、導電部の幅が0.318mm、導電部の重なりしろが15.75mmであるJIS Z 3197に準拠して作製した銀製櫛型電極ガラス基板に、シリコーンゴム組成物を1mm厚に塗布した後、25℃、50%RHの条件下で1週間静置することにより硬化させて試験体を作製した。この試験体を硫黄0.6gの入った450mlの密栓できるガラス容器に入れ、80℃で所定時間放置した後、この試験体をガラス容器から取り出し、シリコーンゴムを取り除き、試験体の銀電極の腐蝕状況を観察した。
[マイグレーション試験]
図1で示した、導電部の間隔が0.318mm、導電部の幅が0.318mm、導電部の重なりしろが15.75mmである銀製櫛型電極ガラス基板にシリコーンゴム組成物を1mm厚に塗布した後、25℃、50%RHの条件下で1週間静置することにより硬化させて試験体を作製した。この試験体の電極間に電圧100Vを印加した状態で、85℃、85%RHの条件下で放置し、電極が短絡するまでの時間を測定した。
[実施例1]
平均粒径が15μmである活性炭粉末(日本エンバイロケミカル株式会社製の白鷺DO―2)を純水で洗浄した後、乾燥して、ナトリウム、カリウムの濃度がいずれも0.05重量%以下である活性炭粉末を調製した。
次に、この活性炭粉末10重量部と粘度が1,000mPa・sであり、分子鎖両末端のケイ素原子に結合した、式:
(CH3)3SiO−
で表されるトリメトキシシロキシ基を有する直鎖状ジメチルポリシロキサン100重量部を40mmHgの減圧下、室温で30分間混合し、湿気遮断下、この混合物にメチルトリメトキシシラン2重量部、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン2重量部を均一に混合して縮合反応硬化型シリコーンゴム組成物を調製した。このシリコーンゴム組成物を用いて硫黄ガス腐蝕試験およびマイグレーション試験を実施した。それらの結果を表1に示した。
[実施例2]
実施例1において、活性炭粉末の配合量を15重量部とした以外は実施例1と同様にしてシリコーンゴム組成物を調製した。このシリコーンゴム組成物を用いて硫黄ガス腐蝕試験およびマイグレーション試験を実施した。それらの結果を表1に示した。
[比較例1]
実施例1において、活性炭粉末を配合しない以外は実施例1と同様にしてシリコーンゴム組成物を調製した。このシリコーンゴム組成物を用いて硫黄ガス腐蝕試験およびマイグレーション試験を実施した。それらの結果を表1に示した。
[比較例2]
実施例1において、活性炭粉末の配合量を50重量部とした以外は実施例1と同様にしてシリコーンゴム組成物を調製した。しかし、このシリコーンゴム組成物は粘度が高く、硫黄ガス腐蝕試験およびマイグレーション試験を実施することはできなかった。
[比較例3]
実施例1で調製した活性炭粉末15重量部、フェニル基含有シリコーンレジン70重量部、トルエン30重量部、およびテトラブトキシチタン0.3重量部を混合してシリコーンワニス組成物を調製した。このシリコーンワニス組成物を用いて硫黄ガス腐蝕試験およびマイグレーション試験を実施した。それらの結果を表1に示した。
Figure 2006117777
本発明の電気・電子部品封止・シール用シリコーンゴム組成物は、硫黄含有ガスに曝される可能性のある電気・電子機器における、電気・電子部品の硫黄含有ガスによる腐蝕やマイグレーションによる電蝕を十分に抑制でき、また、電気・電子部品をシリコーンゴムで封止またはシールすることにより、電気・電子部品が温度変化により膨張収縮したり、また、衝撃を受けた場合にも、電気・電子部品を十分に保護することができるので、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の電気・電子機器の信頼性を向上することができる。
実施例、比較例において、硫黄ガス腐蝕性試験およびマイグレーション試験で使用した銀製櫛型電極ガラス基板の上面図である。

Claims (6)

  1. 活性炭粉末を0.1重量%以上、40重量%未満含有する電気・電子部品封止・シール用シリコーンゴム組成物。
  2. 活性炭粉末中のナトリウム、カリウムの含有量がいずれも0.1重量%以下である、請求項1記載の組成物。
  3. 縮合反応硬化型または付加反応硬化型である、請求項1記載の組成物。
  4. 縮合反応硬化型のシリコーンゴム組成物が、
    (A)25℃における粘度が100〜1,000,000mPa・sであり、分子鎖中のケイ素原子に結合した一般式:
    −X−Si(OR1)3
    (式中、R1はアルキル基またはアルコキシアルキル基であり、Xは酸素原子またはアルキレン基である。)
    で表されるトリアルコキシシリル含有基を一分子中に2個以上有するオルガノポリシロキサン 100重量部、
    (B)一般式:
    2 Si(OR3)4-n
    (式中、R2は置換または非置換の一価炭化水素基であり、R3はアルキル基またはアルコキシアルキル基であり、nは0〜2の整数である。)
    で表されるアルコキシシランまたはその部分加水分解縮合物 0.5〜30重量部、
    (C)活性炭粉末 本組成物中、0.1重量%以上、40重量%未満となる量、および
    (D)縮合反応用触媒 0.1〜10重量部
    から少なくともなる、請求項3記載の組成物。
  5. (A)成分が、分子鎖両末端のケイ素原子に結合したトリアルコキシシリル含有基を有するジオルガノポリシロキサンである、請求項4記載の組成物。
  6. 電気・電子部品が請求項1乃至5のいずれか1項に記載の組成物により封止またはシールされてなる電気・電子機器。

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