JP2006113525A - 中間転写体、及び画像形成装置 - Google Patents

中間転写体、及び画像形成装置 Download PDF

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剛男 山口
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充 成瀬
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Abstract

【課題】 表面特性、及び機械特性に優れ、かつ、所定の時定数及び比誘電率を規定した中間転写体、該中間転写体を用いることにより、転写チリ及び中抜けによる異常画像の発生を防止し、高画質な画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写体であって、表面電位の絶対値及び該絶対値の減衰時間により決定される表面電位の減衰特性から下記式(1)を用いて得られる誘電緩和過程の時定数τが、1.5秒未満であることを特徴とする中間転写体。
V=Aexp(−t/τ)・・・式(1)
但し、前記式(1)において、Vは中間転写体の表面電位の絶対値、Aは定数をそれぞれ表す。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成方法における中間転写体、及び画像形成装置に関する。
近年、フルカラー画像の複写やプリントが可能な電子写真方式の画像形成装置が実用化されている。該画像形成装置としては、中間転写体ダブル転写方式(感光体等の像担持体上に色毎に形成されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色画像を、中間転写体上に順次重ね合わせて一次転写し、該一次転写されたフルカラーのトナー像を一括して転写材に二次転写する方式(以下、「中間転写方式」という。))が、紙種を問わないペーパーフリーであり、全面コピーが可能である等の点から好適に用いられている。
前記中間転写方式の画像形成装置は、前記中間転写体の表面に感光体、2次転写ローラ、クリーニングブレードなどの様々な画像形成部品が当接され、前記中間転写体表面が摺擦される。このため、前記画像形成部品との摺擦作用や電気的作用により、前記中間転写体には機械的、電気的な外力への耐久性が要求される。特に、前記中間転写体としては、該中間転写体表面の耐摩耗性、トナー等に対する離型性、及び中間転写体表面の前記画像形成部品との摩擦係数等に代表される表面特性、並びに引っ張り弾性率、伸び率等に代表される機械特性が重要である。
従来より、トナー等に対する離型性が良好な中間転写体の材料として、シリコーン系の樹脂やエラストマー(例えば、特許文献1〜5等参照)、ポリオレフィン系の材料(例えば、特許文献6、7等参照)等が知られている。
しかしながら、この場合、中間転写体表面の摩耗や耐傷性等を防止することができないという問題がある。
また、従来より、離型性に優れた中間転写体の材料として、フッ素系の樹脂やエラストマーが知られている(例えば、特許文献8〜12等参照)。
しかしながら、この場合、中間転写体の表層材料として用いた場合、基材との接着性に劣り、前記表層材料が基材から剥離してしまうという問題がある。
また、従来より、機械特性に優れる中間転写体の材料として、ポリカーボネート系材料(例えば、特許文献13〜17等参照)、ポリエステル系材料(例えば、特許文献18、19等参照)、ポリウレタン系材料(例えば、特許文献20、21等参照)、ポリイミド系材料(特許文献22〜26等参照)、ポリイミド中にフッ素樹脂系微粒子やフッ素系有機化合物を分散した材料(例えば、特許文献27〜29等参照)等が知られている。
しかしながら、この場合、トナー等に対する離型性が十分ではなく、中間転写体表面にトナー粒子やその添加剤等が付着してしまう問題がある。
一方、中間転写方式の画像形成装置においては、感光体から中間転写体へトナー像を転写する一次転写時、及び中間転写体から紙等の転写材へ転写する2次転写時に、トナーの転写率に起因して異常画像が発生するという問題がある。
即ち、前記異常画像の一つとしては、いわゆる“転写時トナー散り”(以下、「転写チリ」という。)が知られている。
前記転写チリは、一次転写時に感光体上に形成されたトナー像が、中間転写体の本来転写されるべき位置に転写されず、その周辺部に拡散して転写されることにより、結果として、画像がぼやけてしまう現象であり、特に、細線部分での画像のシャープさを損なわせる原因となる。
従来、前記転写チリによる異常画像の発生を防止するために、高抵抗トナーを中間転写媒体に非静電的に転写後、記録シートを介在させて加熱ロールにて押圧転写定着する複写方法が知られている(特許文献30参照)。
また、導電性トナーを中間転写媒体に非静電的に転写後、記録シートを介在させて加熱ロールにて押圧転写定着する複写方法が知られている(特許文献31参照)。
しかしながら、この場合、加熱ロールにより押圧転写定着し得る耐熱性を有する特殊な記録シートが必要となり、中間転写体転写方式の利点であるところのペーパーフリー性を活かすことができないという問題がある。
従来、前記転写チリによる異常画像の発生を防止するために、トナー像を中間転写媒体に転写する毎に、用紙剥離チャージャーで転写されたトナー像の除電を行うカラー電子写真装置が知られている(特許文献32参照)。
また、最終転写段階の転写電位を直前の転写電位よりも大きくし、かつ各転写段階へ移る間に中間転写媒体に所定電圧を印加するフルカラー複写装置が知られている(特許文献33参照)。
また、中間転写体から用紙に可視像を転写する手段に至る前の中間転写体上の電荷を除電する手段を設けた画像形成装置が知られている(特許文献34参照)。
しかしながら、これらの場合、除電手段や電圧印加手段、これらの制御手段等を設ける必要性が有り、装置全体が複雑になり小型化の妨げになるという問題がある。
他の異常画像としては、いわゆる“中抜け”が知られている。
前記中抜けは、感光体から本来中間転写体に転写されるべきトナーがピンポイントで転写されずに残ってしまい、トナーが一部抜けた状態として画像上に見られる現象である。
従来、前記中抜けによる異常画像の発生を防止するために、有機フッ素系化合物を中間転写体表面に供給するトナー像転写装置が知られている(特許文献35参照)。
また、中間転写体材料に濡れ性制御剤を添加した画像形成装置が知られている(特許文献36参照)。
また、中間転写体表面にステアリン酸亜鉛等の潤滑性を有する保護膜を形成した電子写真装置が知られている(特許文献37参照)。
また、中間転写材料としてシリコーンゴムを用い、その表面粗さを制御した記録装置が知られている(特許文献38参照)。
また、中間転写体の当接部材に周速差を設け、中間転写体表面を研磨するように構成した画像形成装置が知られている(特許文献39参照)。
また、中間転写体表面にトナーフィルミングが発生した時点で表面を研磨するように構成した画像形成装置が知られている(特許文献40参照)。
また、中間転写体表面粗さを検知後研磨するように構成した画像形成装置が知られている(特許文献41参照)。
また、一定コピー枚数毎に中間転写体を研磨するように構成した画像形成装置が知られている(特許文献42参照)。
しかしながら、これらの場合、前記中抜けを十分に防止することができないという問題がある。
その他にも、電位減衰時定数を0.01〜1000秒に規定した画像形成装置が知られている(特許文献43参照)。
しかしながら、該電位減衰時定数を規定したのみでは、中間転写体の表面層に用いる樹脂によっては、該中間転写体の比誘電率が高くなってしまうため、静電容量が増大し、異常画像の発生を充分に防止することができないという問題がある。ここで、前記画像形成装置では、静電容量の増大を防ぐために、抵抗値を規定することも提案しているが、時定数が測定周波数に依存した動的な特性であるのに対し、抵抗値は通常、静的特性としての直流抵抗値で議論しており、実際には充放電を繰り返して動的な状態である、画像形成装置の使用時を考慮すると、該抵抗値では静電容量を制御することはできないという問題がある。
特開平5−46035号公報 特開平8−30117号公報 特開平9−269676号公報 特開平10−20538号公報 特開平11−231678号公報 特開平5−311016号公報 特開平7−24912号公報 特開平5−40417号公報 特開平6−234903号公報 特開平7−92825号公報 特開平8−267605号公報 特開平10−166508号公報 特開平6−93175号公報 特開平6−149081号公報 特開平6−149083号公報 特開平10−10880号公報 特開平13−31849号公報 特開平13−13801号公報 特開平13−18284号公報 特開平10−319727号公報 特開平11−30915号公報 特開平7−156287号公報 特開平8−176319号公報 特開平11−24427号公報 特開平11−170389号公報 特開平12−172085号公報 特開平11−156971号公報 特開平11−119560号公報 特開平7−156287号公報 特開昭63−34570号公報 特開昭63−34571号公報 特開平1−282571号公報 特開平2−183276号公報 特開平4−147170号公報 特開昭58−187968号公報 特開平2−198476号公報 特開平2−213881号公報 特開平3−242667号公報 特開平4−305666号公報 特開平5−307344号公報 特開平5−313526号公報 特開平5−323802号公報 特開2003−177610号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、表面特性、及び機械特性に優れ、かつ、所定の時定数及び比誘電率を規定した中間転写体、該中間転写体を用いることにより、転写チリ及び中抜け等による異常画像の発生を防止し、高画質な画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写体であって、
表面電位の絶対値及び該絶対値の減衰時間により決定される表面電位の減衰特性から下記式(1)を用いて得られる誘電緩和過程の時定数τが、1.5秒未満であることを特徴とする中間転写体である。
V=Aexp(−t/τ)・・・式(1)
但し、前記式(1)において、Vは中間転写体の表面電位の絶対値、Aは定数、tは時間をそれぞれ表す。
<2> 比誘電率が6.0以下である前記<1>に記載の中間転写体である。
<3> 比誘電率が5.5以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載の中間転写体である。
<4> 帯電過程における帯電電荷量Q及び表面電位の絶対値Vから下記式(2)を用いて得られる電位変移過程における静電容量Cが、30〜180pF/cmである前記<1>から<3>のいずれかに記載の中間転写体である。
C=Q/V・・・・・・・・・・式(2)
<5> 少なくとも上記中間転写体の作像時の表面線速が80〜400mm/sの範囲であることを特徴とする前記<1>から<4>のいずれかに記載の中間転写体である。
<6> 少なくともポリイミドを含む前記<1>から<5>のいずれかに記載の中間転写体である。
<7> 抵抗制御剤を含む前記<6>に記載の中間転写体である。
<8> 前記抵抗制御剤がカーボンブラックであり、かつ分散剤としてノニオン系界面活性剤を含む前記<7>に記載の中間転写体である。
<9> ポリイミドが、1つ又は直接結合する2つ以上のフェニル基を含有する剛直性ポリアミド酸と、他の官能基を挟んで直接結合しない2つ以上のフェニル基を含有する屈曲性ポリアミド酸とを少なくとも反応させて得られるポリイミドである前記<6>から<8>のいずれかに記載の中間転写体である。
<10> 剛直性ポリアミド酸と、屈曲性ポリアミド酸との重量比(剛直性ポリアミド酸:屈曲性ポリアミド酸)が、7:3〜5:5である前記<9>に記載の中間転写体である。
<11> 剛直性ポリアミド酸及び屈曲性ポリアミド酸を含む混合ポリアミド酸溶液を塗膜形成過程又は塗膜形成後において少なくとも反応させて得られる前記<9>から<10>のいずれかに記載の中間転写体である。
<12> シームレスベルトである前記<1>から<11>のいずれかに記載の中間転写体である。
<13> 端部に補強部材を貼付した<1>から<12>のいずれかに記載の中間転写体である。該補強部材の貼付によって、中間転写体の端部における亀裂の発生を抑制し、中間転写体の耐久性を向上させることができる。
<14> 転写されるトナー像を形成するトナーの平均円形度が、0.98〜1.00である前記<1>から<13>のいずれかに記載の中間転写体である。
<15> 転写されるトナー像を形成するトナーの体積平均粒径が、1.0〜8.0μmである前記<1>から<14>のいずれかに記載の中間転写体である。
<16> 転写されるトナー像を形成するトナーが、活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を反応させて水系媒体中で接着性基材を生成しつつ粒子状に得られる前記<1>から<15>のいずれかに記載の中間転写体である。
<17> 潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を転写材に二次転写する転写手段とを備え、前記中間転写体が前記<1>から<16>のいずれかに記載の中間転写体であることを特徴とする画像形成装置である。
<18> トナーの平均円形度が、0.98〜1.00である前記<17>に記載の画像形成装置である。
<19> トナーの体積平均粒径が、1.0〜5.0μmである前記<17>から<18>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<20> トナーが、活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を反応させて水系媒体中で接着性基材を生成しつつ粒子状に得られる前記<17>から<19>のいずれかに記載の画像形成装置である。
本発明の中間転写体は、前記構成を有するために、表面特性、及び機械特性に優れ、転写チリ及び中抜け等による異常画像の発生を防止することが可能となる。
本発明の画像形成装置は、転写チリ及び中抜け等による異常画像の発生を防止し、高画質な画像を得ることが可能となる。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、表面特性、及び機械特性に優れ、かつ、所定の時定数及び比誘電率を規定した中間転写体、該中間転写体を用いることにより、転写チリ及び中抜け等による異常画像の発生を防止し、高画質な画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。
(中間転写体)
本発明の中間転写体としては、特に制限はなく、例えば、表面層、必要に応じて適宜選択されるその他の構成を備えてなるものが好適に挙げられる。中でも、表面層を備えてなるものがより好ましい。
前記中間転写体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドラム状(円筒状)、無端ベルト状などが挙げられる。
前記中間転写体の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記表面層のみによる単層構造、基材上に前記表面層を有する複層構造、あるいは前記単層構造の表面又は裏面に研磨等の加工を施し表裏面の性質を調整した構造等が挙げられる。
[誘電緩和過程の時定数]
本発明者らが、前記転写チリの発生メカニズムを解析した結果、中間転写体の電気的特性において過渡的特性を制御することにより、前記転写チリの問題を解決できることが判った。
前記過渡的特性としては、中間転写体の電位が変動する過程での特性をいい、具体的には、中間転写体における誘電緩和過程の時定数などが挙げられる。
本発明の中間転写体における前記誘電緩和過程の時定数としては、表面電位の絶対値及び該絶対値の減衰時間により決定される表面電位の減衰特性から下記式(1)を用いて得られる誘電緩和過程の時定数τが、1.5秒未満である必要がある。
V=Aexp(−t/τ)・・・式(1)
但し、前記式(1)において、Vは中間転写体の表面電位の絶対値、Aは定数をそれぞれ表す。
前記誘電緩和過程の時定数が1.5秒以上であると、感光体と中間転写体とのニップ部における転写電界が不安定になり、その結果、異常放電等が発生して転写チリが増加する。
中間転写体における誘電緩和過程の時定数の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、静電紙試験機EPA−8200型(川口電気製)を用い、ダイナミックモードにてスコロトロン帯電により、帯電電流18μAのコロナ放電を10秒間行なった後に、ベルト表面電位(−V)の絶対値が減衰する過程を測定し、その減衰曲線を前記式(1)より時定数τを算出する方法が挙げられる。
[比誘電率]
前記中間転写体の比誘電率としては、6.0以下である必要があり、5.5以下であることが好ましい。
前記比誘電率が、6.0を超えると、中間転写体への転写電界印加時に静電容量の増大に基づく、電位のムラが生じ易く、異常放電が発生し、転写チリが増加する。一方、前記比誘電率が、5.5以下であると、そのような事態が完全に防止できる。
前記比誘電率の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、静電紙試験機EPA−8200型(川口電気製)を用い、該試験機に内蔵している電流計及び表面電位計により帯電過程の通過電荷量Qとベルト表面電位(−V)の絶対値との関係を調べ、その帯電開始域の傾きより静電容量Cを次式C=Q/Vから算出し、該静電容量Cと中間転写体における表面層の膜厚から、下記式(3)により比誘電率を得る方法が挙げられる。
C=(εr・ε0・S)/d・・・・式(3)
但し、ε0は、真空の誘電率:8.854×10−12(A・s/V・m)であり、Sは、中間転写体における測定部面積,dは、表面層の膜厚を表す。
[静電容量]
前記中間転写体の静電容量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、帯電過程における帯電電荷量Q及び表面電位の絶対値Vから下記式(2)を用いて得られる電位変移過程における静電容量Cが、30〜180pF/cmであることが好ましい。
C=Q/V・・・・・・・・・・式(2)
前記静電容量Cが、30pF/cm未満であると、絶縁破壊し易く転写チリが増加することがあり、180pF/cmを超えると、静電容量の増大による電位ムラによって、転写チリが増加することがある。
前記静電容量Cの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、静電紙試験機EPA−8200型(川口電気製)を用い、該試験機に内蔵している電流計及び表面電位計により帯電過程の通過電荷量Qとベルト表面電位(−V)の絶対値との関係を調べ、その帯電開始域の傾きより静電容量Cを前記式(2)から得る方法が挙げられる。
[表面線速]
前記中間転写体の作像時の表面線速としては、特に制限はないが、例えば、80〜400mm/sが好ましい。表面線速が、400mm/sを超えると、転写電界が鈍り歪みを生じて転写チリ等の異常画像の増加を招くことがあり、80mm/s未満では、放電が発生し易くなり、白抜け画像等放電による画像劣化が生じ易くなると共に、高速対応しにくいことがある。
<表面層>
前記表面層としては、上記電気的特性を有するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、表面特性、機械特性等の観点から、ポリイミドを含み、更に、必要に応じて適宜選択されるその他の成分を含むものが好ましい。
[ポリイミド]
前記ポリイミドとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記構造式(1)に示す、芳香族多価カルボン酸無水物、その誘導体と芳香族ジアミンとの縮合反応により得られるものが挙げられ、1つ又は直接結合する2つ以上のフェニル基を含有する剛直性ポリアミド酸と、他の官能基を挟んで直接結合しない2つ以上のフェニル基を含有する屈曲性ポリアミド酸とを少なくとも反応させて得られるものが好適に挙げられる。
前記剛直性ポリアミド酸を反応させて得られるポリイミドは、高い強度(剛性)を有するものの、同時に脆性を有する傾向にあり、耐屈曲性に劣ることがある。
一方、前記屈曲性ポリアミド酸を反応させて得られるポリイミドは、強度(剛性)はあまり高くはないが、耐屈曲性に富むという長所がある。
前記剛直性ポリアミド酸及び屈曲性ポリアミド酸を反応させて得られるポリイミドを中間転写体に用いることにより、剛性が高く、耐屈曲性に富む中間転写体を得ることが可能となる。
前記剛直性ポリアミド酸としては、前記芳香族多価カルボン酸無水物と、1つ又は直接結合する2つ以上のフェニル基を含有する芳香族ジアミンとの、下記構造式(1)で示される縮合反応により得られるものが挙げられる。
前記屈曲性ポリアミド酸としては、前記芳香族多価カルボン酸無水物と、他の官能基を挟んで直接結合しない2つ以上のフェニル基を含有する芳香族ジアミンとの縮合反応により得られるものが挙げられる。
前記芳香族多価カルボン酸無水物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
これらは、1種単独あるいは2種以上を混合して用いることも可能である。
Figure 2006113525
前記芳香族ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記1つ又は直接結合する2つ以上のフェニル基を含有する芳香族ジアミンとしては、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノビスフェニル、3,3’−ジアミノビスフェニル等が挙げられる。
また、他の官能基を挟んで直接結合しない2つ以上のフェニル基を含有する芳香族ジアミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、4,4’−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ベンゾフェノン、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、ビス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル〕スルホン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ〕−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン等が挙げられる。
前記芳香族ジアミンとしては、これらの前記1つ又は直接結合する2つ以上のフェニル基を含有する芳香族ジアミン及び他の官能基を挟んで直接結合しない2つ以上のフェニル基を含有する芳香族ジアミンのそれぞれを1種以上、前記芳香族多価カルボン酸無水物に混合してポリアミド酸とした後に、使用することが好適である。
前記剛直性ポリアミド酸及び前記屈曲性ポリアミド酸の重量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、7:3〜2:8であることが好ましく、7:3〜5:5であることがより好ましい。
前記重量比2:8よりも前記屈曲性ポリアミド酸が多いと、白抜け画像が発生し易くなることがあり、前記重量比7:3よりも剛直性ポリアミド酸を多くすると、転写チリ等による異常画像の増加を招くことがある。
また、前記剛直性ポリアミド酸及び前記屈曲性ポリアミド酸の重量比を、上述の範囲に規定することにより、中間転写体の時定数及び比誘電率が、本発明で規定する範囲内に入り易くなることがある。この理由としては、ポリアミド酸の比誘電率は剛直性のものよりも屈曲性の方がやや大きいことが関連すると推定されるが、その差は比誘電率の数値差で1以下と微小であるため、導電剤であるカーボンに対する分散性にも関連すると推測される。つまり、剛直性成分を多く含み、かつある程度の耐屈曲性を有するポリイミド樹脂の場合に、本発明に規定した時定数や比誘電率を有するカーボン分散状態を実現し易くなると考える。
前記ポリイミドの調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下の調製方法が挙げられる。
前記ポリアミド酸と前記その他の成分とを前記N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルイミダゾリン、ヘキサメチルホスホルアミド等の非プロトン性極性溶媒に溶解させ、次いで、室温、40〜80℃で、加熱攪拌することによりポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を得る。
次いで、該ポリアミド酸を、NMP(N−メチルピロリドン)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)等のアミド系溶媒、γ−ブチロラクトン等のポリアミック酸系溶媒、双極子溶媒、乳酸エチル、メトキシメチルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の溶媒に溶解し、必要な固形分、粘度を有するポリイミド形成ワニスを得る。
前記ポリアミド酸に対する前記溶媒の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリイミド形成ワニスの粘度や使い勝手のバランスの観点から、ポリイミド形成ワニス100重量部に対して、250〜2000重量部(固形分濃度約5〜30重量%)であることが好ましい。
次いで、前記ポリイミド形成ワニスを加熱反応させて、脱水、イミド化して前記ポリイミドが調製される。
前記ポリイミド形成ワニスの加熱条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、十分にイミド化を行うためには、100〜400℃が好ましく、250〜350℃がより好ましい。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、抵抗制御剤、有機材料、無機材料などが挙げられる。
前記抵抗制御剤としては、前記所定の電気特性を得られるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、Niパウダー等の金属微粉末、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物、アンチモン等の異原子、ドープ金属酸化物、第4級アンモニウム塩基、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基等の有機化合物、若しくはそれらの重合体、エーテルエステルアミド重合体、エーテルアミドイミド重合体、エチレンオキサイド−エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコールアクリレート等の導電性ユニットを有する化合物、若しくはそれらの高分子化合物等の有機帯電防止剤などが挙げられる。
前記カーボンブラック、前記金属微粉末、前記金属酸化物などは、転写チリを改善することを目的として、界面活性剤により表面処理されることが好ましい。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ノニオン性、アニオン性、カチオン性等の公知の界面活性剤が挙げられる。
前記ノニオン性の界面活性剤としては、長鎖アルキル基,アルケン基,アルコシキ基等親油性含有オリゴマー、長鎖アルキル基,アルケン基,アルコシキ基等親水性基含有オリゴマー、アルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
前記カチオン性界面活性剤としては、アルキル基含有第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
前記アニオン性界面活性剤としては、長鎖アルキル,アルケン,アルコシキ等を含有するスルホン酸、カルボン酸の一価金属塩やリン酸エステルなどが挙げられる。
前記界面活性剤により表面処理されることで分散剤としての機能も附与され、前記ポリイミドとの親和性が向上し、前記表面層において、安定した転写電流経路が形成された中間転写体が得られる。
そこで、前記抵抗制御剤の中でもその機能性とコストからカーボンブラックを用いることが好ましい。特に前記抵抗制御材としてカーボンブラックを用いた場合には、分散剤として前記ノニオン性界面活性剤を添加することにより、さらに安定した転写電流経路が形成され、転写チリが少ない中間転写体が得られる。前記カチオン性界面活性剤や前記アニオン性界面活性剤を用いた場合には、これらの界面活性剤中のイオンが空間電荷となり、前記中間転写体に転写電界を印加すると局所的な異常電流が生じやすくなるために転写チリを誘引すると推定している。
本発明の中間転写体は、前記空間電荷や局所的な異常電流が転写過程の異常放電を誘引し、その結果として生じる異常電界がチリや虫喰い現象等の異常画像の要因になると推定しており、その対策として該中間転写体の時定数を制御し、かつ前記中間転写体の比誘電率が所望の範囲に入るような構成を実現するものだが、そのためには、前記分散剤の種類による効果も大きく、分散剤として適切なものを選択することにより、安定した転写電流経路が形成され易くなると推定している。
前記ノニオン性界面活性剤としては、特に制限はないが、例えば、高級アルコール系ノニオン界面活性剤、ポリオキシアルキレングリコール系ノニオン界面活性剤、脂肪酸エステル系ノニオン界面活性剤、脂肪酸エチレンオキサイド系ノニオン界面活性剤、エチレンオキサイド付加脂肪酸メチルエステル系ノニオン界面活性剤、アルキルアミン系ノニオン界面活性剤、アルキルジアミン系ノニオン界面活性剤、アルキルアミドエチレノキサイド付加体系ノニオン界面活性剤、アルキルアミンオキサイド系ノニオン界面活性剤等が挙げられる。
前記有機材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキド樹脂、塩素化ポリエーテル、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、メタクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン樹脂等が挙げられる。
前記無機材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、補強効果を目的とするガラス,チタン,シリコーン等のフィラーの添加などが挙げられる。
前記その他の成分の前記ポリイミドへの添加方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ポリイミド形成ワニスに対して、溶剤に溶解して添加してもよく、微粒子の状態で添加してもよい。
<その他の構成>
前記その他の構成としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記中間転写体が複層構造である場合には、前記表面層を支持する基材が好適に挙げられる。
前記基材の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円筒状、無端ベルト状などが挙げられる。
前記基材の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、円筒状の基材としては、SUS、アルミニウムなどの金属が好適に挙げられ、無端ベルト状の基材としては、導電性ゴム、ウレタンゴム、非結晶性ポリエステル樹脂等の弾性体が挙げられる。
前記基材として、弾性体を用いた場合には、前記中間転写体に柔軟性を付与することができ、OHPシート等の硬質な転写材に対しても安定して前記中間転写体が当接されるので、トナーの中抜け現象を防止することが可能となる。
前記中間転写体の端部に補強材を貼付することにより、中間体の耐久性を向上させることができる。これによって、特に端部からの亀裂発生及び破断を抑制できる。前記補強部材としては金属板やセラミック板等の無機系補強剤、板状もしくはテープ状の樹脂に粘着層を設けた樹脂系補強部材、などが好適に用いられる。とりわけ、セルロース、塩化ビニル、PTFE等公知の粘着テープ類を前記中間転写体端部に貼付することにより簡易でかつ良好な耐久性を向上せしめることが可能である。
−中間転写体の作製方法−
前記中間転写体の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記中間転写体が複層構造である場合には、基材上に表面層を形成する方法、前記中間転写体が単層構造である場合には、表面層を無端ベルト状に形成することによりシームレスベルトを得る方法などが挙げられる。
前記中間転写体の作製方法としては、具体的には、前記剛直性ポリアミド酸及び前記屈曲性ポリアミド酸を含む混合ポリアミド酸溶液を基材上又は成形型内に塗工して、塗膜形成過程と同時に又は塗膜形成後において少なくとも加熱して、イミド化することにより中間転写体を得る方法が好適に挙げられる。
−−複層構造中間転写体の作製方法−−
複層構造中間転写体の作製方法としては、以下の作製方法が好適に挙げられる。
まず、前記ポリイミド形成ワニスを溶剤に溶解又は分散させた液状組成物を調製する。
ここで、前記液状組成物としては、剛直性を示す主鎖構造からなるポリイミドを構成する芳香族ジアミンを含むポリイミド形成ワニス、及び、屈曲性を示す主鎖構造からなるポリイミドを構成する芳香族ジアミンを含むポリイミド形成ワニスをそれぞれ調製した後に、両者を混合し、溶剤に溶解して前記液状組成物を調製することも可能である。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシメタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルセロソルブ、セロソルブアセテート、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロエタン、トリクロロエタン等が挙げられる。
前記溶剤中の前記ポリイミド形成ワニスの濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1〜60重量%が好ましく、1〜50重量%がより好ましく、5〜45重量%が特に好ましい。
次いで、前記基材上に該液状組成物を流延、塗工する。
前記液状組成物の前記基材上への流延、塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記流延方法としては、例えば、ドクターナイフ、ドクターブレード、メイア・バー、ロール・コートなどを用いて行う方法が挙げられ、前記塗布方法としては、例えば、スプレー、ハケ、ロール、スピンコート、ディッピングなどを用いて行う方法が挙げられる。
また、1回の流延、塗布により表面層が所望の膜厚を得られない場合には、繰り返し塗布することで所望の膜厚を得ることが可能である。
次いで、前記液状組成物を所定の温度に加熱してイミド化する事により前記基材上にポリイミド膜を成膜する。
前記ポリイミド膜の加熱条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、十分にイミド化を行うためには、100〜400℃が好ましく、250〜350℃がより好ましい。
−−単層構造中間転写体の作製方法−−
単層構造中間転写体の作製方法としては、例えば、以下の遠心成型法などにより前記ポリイミドを無端ベルト状に形成する方法が好適に挙げられる。
まず、前記ポリイミド形成ワニスを溶剤に溶解又は分散させた液状組成物を調製する。
前記溶剤の種類、含有量としては、前記複層構造中間転写体の場合と同様とすることが可能である。
得られた、ベルト素材としての前記液状組成物を、回転される円筒形状の成形型内部に、流し込んで、前記成形型を高速回転させて、その遠心力により塗布液を拡げ、均一な膜を成膜する。
次いで、前記液状組成物を所定の温度に加熱してイミド化する事により前記基材上にポリイミド膜を成膜して、無端ベルト状の中間転写体を得ることが出来る。
前記加熱条件としては、前記複層構造中間転写体の場合と同様とすることが可能である。
前記遠心成型法によれば、塗布された前記液状組成物は遠心力により拡げられるので、均一な厚みのポリイミド無端ベルトを得ることが可能となる。
前記中間転写体に転写されるトナー像は、像担持体上に形成された潜像を現像剤により現像して得られる。前記現像剤は、トナーと、キャリア等の適宜選択されるその他の成分とを含有してなる。
<トナー>
前記トナーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高画質トナー像において、中抜けによる異常画像の発生を防止するためには、球形形状のトナーであって、体積平均粒径が小さいトナーが好適に挙げられる。
一方、球形形状のトナーであって、体積平均粒径の小さいトナーを、従来の中間転写体に用いた場合には、転写チリによる異常画像が発生するという問題があった。
前記本発明の中間転写体によれば、球形形状のトナーであって、体積平均粒径の小さいトナーであっても、前記本発明の中間転写体に転写された後に、該転写体上でのトナーの移動が防止され、中抜け及び転写チリによる異常画像の発生を防止して、高画質な画像が得られる。
前記球形形状のトナーとしては、例えば、トナーの平均円形度が、0.98〜1.00であるトナーが挙げられる。
前記平均円形度は、前記トナーの形状と投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値であり、例えば、0.90〜1.00が好ましく、0.98〜1.00がより好ましい。なお、前記平均円形度が0.90未満の粒子が30%以下であることが好ましい。
前記平均円形度が、0.90未満であると、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがあり、1.00を超えると、ブレードクリーニングなどを採用している画像形成システムでは、感光体上及び転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れ、例えば、写真画像等の画像面積率の高い画像形成の場合において、給紙不良等で未転写の画像を形成したトナーが感光体上に転写残トナーとなって蓄積した画像の地汚れが発生してしまうことがあり、あるいは、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまうことがある。
前記平均円形度としては、例えば、平均円形度=トナー粒子と同面積の円の周囲長/トナー粒子の周囲長から求められ、該平均円形度が1.00に近い程、球形な粒子であることを示す。
前記平均円形度は、具体的には、トナー粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法などにより計測することができ、例えば、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100(シスメックス社製)等を用いて計測することができる。
体積平均粒径の小さいトナーとしては、例えば、該体積平均粒径が1.0〜8.0μmであることが好ましく、1.0〜5.0μmであることがより好ましい。
前記体積平均粒径が、1μm未満であると、二成分現像剤では、現像装置における長期間の撹拌によって、キャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーが薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、8μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記トナーにおける体積平均粒径と個数平均粒子径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)としては、例えば、1.00〜1.25が好ましく、1.10〜1.25がより好ましい。
前記体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)が、1.00未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、1.25を超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記体積平均粒径、及び、前記体積平均粒径と個数平均粒子径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)は、例えば、ベックマン・コールター社製の粒度測定器「マルチサイザーII」を用いて測定することができる。
前記トナーにおけるBET比表面積としては、例えば、0.5〜8.0m/gが好ましく、0.5〜7.5m/gがより好ましい。
前記BET比表面積が、0.5m/g未満であると、トナー表面上に残存する有機微粒子が皮膜化又はトナー表面全体を密に覆う状態となり、樹脂微粒子がトナー内部のバインダー樹脂成分と定着紙との接着性を阻害し、定着下限温度の上昇が見られることがある一方、8.0m/gを超えると、樹脂微粒子がワックスのしみ出しを阻害し、ワックスの離型性効果が得られず、オフセットの発生が見られることがある。
前記トナーの比表面積は、BET法に従って測定することができ、例えば、比表面積測定装置トライスター3000(島津製作所製)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて測定することができる。
前記球形形状のトナーであって、体積平均粒径の小さいトナーとしては、活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を反応させて水系媒体中で接着性基材を生成しつつ粒子状に得られ、更に必要に応じてその他の成分を含んでなるトナーが好適に挙げられる。
−−接着性基材−−
前記接着性基材としては、紙等の記録媒体に対し接着性を示し、前記活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を前記水系媒体中で反応させてなるバインダーを少なくとも含み、更に必要に応じて公知のバインダー樹脂から適宜選択した他のバインダーを含んでいてもよい。
前記接着性基材の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,000以上が好ましく、2,000〜10,000,000がより好ましく、3,000〜1,000,000が特に好ましい。
前記重量平均分子量が、1,000未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記接着性基材のガラス転移温度(Tg)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、30〜70℃が好ましく、40〜65℃がより好ましい。本発明のトナーでは、架橋反応及び/又は伸長反応したポリエステル樹脂が共存していることにより、従来のポリエステル系トナーと比較してガラス転移温度が低くても良好な保存性を示すものである。
前記ガラス転移温度(Tg)が、30℃未満であると、トナーの耐熱保存性が悪化することがあり、70℃を超えると、低温定着性が十分でないことがある。
前記ガラス転移温度は、例えば、TG−DSCシステムTAS−100(理学電機社製)を用いて、以下の方法により測定することができる。まず、トナー約10mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットにのせ、電気炉中にセットする。室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置し、室温まで試料を冷却して10min放置する。その後、窒素雰囲気下、150℃まで昇温速度10℃/minで加熱して示差走査熱量計(DSC)によりDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、TG−DSCシステムTAS−100システム中の解析システムを用いて、ガラス転移温度(Tg)近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点からガラス転移温度(Tg)を算出することができる。
前記接着性基材の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ポリエステル系樹脂、などが特に好適に挙げられる。
前記ポリエステル系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレア変性ポリエステル系樹脂、などが特に好適に挙げられる。
前記ウレア変性ポリエステル系樹脂は、前記活性水素基含有化合物としてのアミン類(B)と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体としてのイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)とを前記水系媒体中で反応させて得られる。
前記ウレア変性ポリエステル系樹脂は、ウレア結合のほかに、ウレタン結合を含んでいてもよく、この場合、該ウレア結合と該ウレタン結合との含有モル比(ウレア結合/ウレタン結合)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100/0〜10/90が好ましく、80/20〜20/80がより好ましく、60/40〜30/70が特に好ましい。
前記ウレア結合が10未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記ウレア変性ポリエステル樹脂の好ましい具体例としては、以下(1)から(10)、即ち、(1)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物、(2)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(3)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(4)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(5)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーを、ヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(6)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(7)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをエチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(8)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物、(9)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸/ドデセニルコハク酸無水物の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(10)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をトルエンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物、などが好適に挙げられる。
−−活性水素基含有化合物−−
前記活性水素基含有化合物は、前記水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
前記活性水素基含有化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)である場合には、該イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)と伸長反応、架橋反応等の反応により高分子量化可能な点で、前記アミン類(B)が好適である。
前記活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基又はフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルコール性水酸基、が特に好ましい。
前記アミン類(B)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)など、が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジアミン(B1)、ジアミン(B1)と少量の3価以上のポリアミン(B2)との混合物、が特に好ましい。
前記ジアミン(B1)としては、例えば、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジアミン、などが挙げられる。該芳香族ジアミンとしては、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。該脂環式ジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等が挙げられる。該脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
前記3価以上のポリアミン(B2)としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、などが挙げられる。
前記アミノアルコール(B3)としては、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、などが挙げられる。
前記アミノメルカプタン(B4)としては、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、などが挙げられる。
前記アミノ酸(B5)としては、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸、などが挙げられる。
前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば、前記(B1)から(B5)のいずれかのアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物、などが挙げられる。
なお、前記活性水素基含有化合物と前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体との伸長反応、架橋反応等を停止させるには、反応停止剤を用いることができる。該反応停止剤を用いると、前記接着性基材の分子量等を所望の範囲に制御することができる点で好ましい。該反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、又はこれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)、などが挙げられる。
前記アミン類(B)と、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)との混合比率としては、前記イソシアネート基含有プレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、前記アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3〜3/1であるのが好ましく、1/2〜2/1であるのがより好ましく、1/1.5〜1.5/1であるのが特に好ましい。
前記イソシアネート基[NCO]が、1/2未満であると又は2/1を超えると、前記ウレア変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
−−活性水素基含有化合物と反応可能な重合体−−
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(以下「プレポリマー」と称することがある。)としては、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体樹脂、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、未変性ポリエステル樹脂との相溶性が良好である点で、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
前記プレポリマーにおける前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位としては、特に制限はなく、公知の置換基等の中から適宜選択することができるが、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基、などが挙げられる。
これらは、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。これらの中でも、イソシアネート基が特に好ましい。
前記プレポリマーの中でも、高分子成分の分子量を調節し易く、乾式トナーにおけるオイルレス低温定着特性、特に定着用加熱媒体への離型オイル塗布機構のない場合でも良好な離型性及び定着性を確保できる点で、ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)であるのが特に好ましい。
前記ウレア結合生成基としては、例えば、イソシアネート基、などが挙げられる。前記ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)における該ウレア結合生成基が該イソシアネート基である場合、該ポリエステル樹脂(RMPE)としては、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)などが特に好適に挙げられる。
前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物であり、かつ前記活性水素基含有ポリエステル樹脂をポリイソシアネート(PIC)と反応させてなるもの、などが挙げられる。
前記ポリオール(PO)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール(DIO)、3価以上のポリオール(TO)、ジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記ジオール(DIO)単独、又は前記ジオール(DIO)と少量の前記3価以上のポリオール(TO)との混合物、などが好ましい。
前記ジオール(DIO)としては、例えば、アルキレングリコール、アルキレンエーテルグリコール、脂環式ジオール、脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、などが挙げられる。
前記アルキレングリコールとしては、炭素数2〜12のものが好ましく、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。前記アルキレンエーテルグリコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。前記脂環式ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記脂環式ジオールに対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。前記ビスフェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等が挙げられる。前記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記ビスフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物と炭素数2〜12のアルキレングリコールとの混合物が特に好ましい。
前記3価以上のポリオール(TO)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、3価以上の多価脂肪族アルコール、3価以上のポリフェノール類、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、などが挙げられる。
前記3価以上の多価脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。前記3価以上のポリフェノール類としては、例えば、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。前記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記3価以上のポリフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加したもの等が挙げられる。
前記ジオール(DIO)と前記3価以上のポリオール(TO)との混合物における、前記ジオール(DIO)と前記3価以上のポリオール(TO)との混合質量比(DIO:TO)としては、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
前記ポリカルボン酸(PC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジカルボン酸(DIC)、3価以上のポリカルボン酸(TC)、ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸との混合物、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジカルボン酸(DIC)単独、又はDICと少量の3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物が好ましい。
前記ジカルボン酸としては、例えば、アルキレンジカルボン酸、アルケニレンジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、などが挙げられる。
前記アルキレンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。前記アルケニレンジカルボン酸としては、炭素数4〜20のものが好ましく、例えば、マレイン酸、フマール酸等が挙げられる。前記芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜20のものが好ましく、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
前記3価以上のポリカルボン酸(TO)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、芳香族ポリカルボン酸、などが挙げられる。
前記芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20のものが好ましく、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
前記ポリカルボン酸(PC)としては、前記ジカルボン酸(DIC)、前記3価以上のポリカルボン酸(TC)、及び、前記ジカルボン酸(DIC)と前記3価以上のポリカルボン酸との混合物、から選択されるいずれかの酸無水物又は低級アルキルエステル物を用いることもできる。前記低級アルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等が挙げられる。
前記ジカルボン酸(DIC)と前記3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物における前記ジカルボン酸(DIC)と前記3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合質量比(DIC:TC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
前記ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)とを重縮合反応させる際の混合比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記ポリオール(PO)における水酸基[OH]と、前記ポリカルボン酸(PC)におけるカルボキシル基[COOH]との当量比([OH]/[COOH])が、通常、2/1〜1/1であるのが好ましく、1.5/1〜1/1であるのがより好ましく、1.3/1〜1.02/1であるのが特に好ましい。
前記当量比([OH]/[COOH])が、2/1を超えると又は1/1未満であると、重縮合反応が完全に進まないことがある。
前記ポリオール(PO)の前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、トナーの耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記ポリイソシアネート(PIC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらのフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの、などが挙げられる。
前記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。前記脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。前記芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルジフェニル、3−メチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート等が挙げられる。前記芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。前記イソシアヌレート類としては、例えば、トリス−イソシアナトアルキル−イソシアヌレート、トリイソシアナトシクロアルキル−イソシアヌレート等が挙げられる。
これらは、1種単独でも使用することができ、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、イソホロンジイソシアネートが好ましい。
前記ポリイソシアネート(PIC)と、前記活性水素基含有ポリエステル樹脂(例えば水酸基含有ポリエステル樹脂)とを反応させる際の混合比率としては、該ポリイソシアネート(PIC)におけるイソシアネート基[NCO]と、該水酸基含有ポリエステル樹脂における水酸基[OH]との混合当量比([NCO]/[OH])が、通常、5/1〜1/1であるのが好ましく、4/1〜1.2/1であるのがより好ましく、3/1〜1.5/1であるのが特に好ましい。
前記イソシアネート基[NCO]が、5を超えると、低温定着性が悪化することがあり、1未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記ポリイソシアネート(PIC)の前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%が更に好ましい。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)の1分子当たりに含まれるイソシアネート基の平均数としては、1以上が好ましく、1.2〜5がより好ましく、1.5〜4がより好ましい。
前記イソシアネート基の平均数が、1未満であると、前記ウレア結合生成基で変性されているポリエステル樹脂(RMPE)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
−−水系媒体−−
前記水系媒体としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、水、該水と混和可能な溶剤、これらの混合物、などが挙げられる。
前記水と混和可能な溶剤としては、前記水と混和可能であれば特に制限はなく、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類、などが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等が挙げられる。前記セルソルブ類としては、例えば、メチルセルソルブ等が挙げられる。前記低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、着色剤、外添剤、離型剤、未変性ポリエステル樹脂、帯電制御剤、無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、などが挙げられる。
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーから選択される少なくとも1種とすることができ、各色のトナーは公知の着色剤の種類を適宜選択することにより得ることができる。
前記外添剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高画質トナー像を形成する場合において、中抜けによる異常画像の発生を防止するために、トナー粒子と中間転写体等の像担持体の表面との非静電的付着力が所定の値を超えて増大することを防止する必要があり、このためには、前記外添剤の材料、粒径、外添剤被覆率(被覆面積比率)を適宜選択することが必要である。
前記外添剤の材料としては、例えば、有機微粒子、無機微粒子などがあげられ、前記無機微粒子としては、具体的には、シリカ、チタン、アルミナなどが好適に挙げられる。前記外添剤としては、これらの一種、2種以上の併用とすることも可能である。
前記外添剤の粒径としては、一次粒子径の平均値が30〜300nmであることが好ましく、80〜200nmであることがより好ましい。外添剤の一次粒子径の平均値が、300nmを超えると、外添剤がトナーから分離しやすくなり、分離した外添剤によって感光体等の画像形成装置の構成部材が損傷することがある。また、一次粒子径の平均値が30nm未満であると、前記トナー粒子中に外添剤が埋没し、トナー粒子表面の曲率半径が大きくなり、非静電的付着力が増大して中抜けが発生することがある。
尚、前記一次粒子径の外添剤と、該一次粒子径の外添剤よりも小粒径の外添剤を併用することも可能である。この場合には、一次粒子径が大きい外添剤がスペーサとして機能し、小粒径の外添剤の埋没を抑制することが可能となる。
前記外添剤被覆率(被覆面積比率)としては、15%〜100%であることが好ましい。外添剤被覆率が15%未満であると、前記非静電的付着力を所定の値とするのができないことがあり、前記外添剤被覆率が100%を超えると、外添剤がトナーから分離し易く、感光体等の画像形成装置の構成部材が損傷することがある。
また、前記外添剤としては、環境安定性等の観点から、疎水処理されたものが好適に挙げられる。前記疎水処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の疎水処理剤と前記有機又は無機微粒子とを高温度下で反応させてなるものが挙げられる。前記疎水処理剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイルなどが好適に挙げられる。
前記外添剤の外添方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、メカノフージョン等の混合装置を用いた公知の外添方法が挙げられる。
前記トナーは、公知の方法により製造することができるが、中でも、後述するトナーの製造方法が、好ましい。
−トナーの製造方法−
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中でも、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体と、少なくとも2種の樹脂微粒子と、を水系媒体中で分散させかつ反応させて接着性基材を生成させつつトナーを得る工程を含む製造方法が好ましい。更に必要に応じて適宜選択したその他の工程を含んでもよい。
前記工程においては、例えば、水系媒体相の調製、有機溶媒相の調製、乳化・分散、その他(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)の合成、前記活性水素基含有化合物の合成など)を行う。
前記水系媒体相の調製は、例えば、前記少なくとも2種の樹脂微粒子を前記水系媒体に分散させることにより行うことができる。該樹脂微粒子の該水系媒体中の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5〜10質量%が好ましい。
前記有機溶媒相の調製は、前記有機溶媒中に、前記活性水素基含有化合物、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体、前記着色剤、前記離型剤、前記帯電制御剤、前記未変性ポリエステル樹脂等のトナー原料を、溶解乃至分散させることにより行うことができる。
なお、前記トナー原料の中で、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)以外の成分は、前記水系媒体相調製において、前記樹脂微粒子を前記水系媒体に分散させる際に該水系媒体中に添加混合してもよいし、あるいは、前記有機溶媒相を前記水系媒体相に添加する際に、該有機溶媒相と共に前記水系媒体相に添加してもよい。
前記有機溶媒としては、前記トナー原料を溶解乃至分散可能な溶媒であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、除去の容易性の点で沸点が150℃未満の揮発性のものが好ましく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、などが挙げられる。これらの中でも、酢酸エチル、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、などが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記トナー原料100質量部に対し、40〜300質量部が好ましく、60〜140質量部がより好ましく、80〜120質量部が更に好ましい。
前記乳化・分散は、先に調製した前記有機溶媒相を、先に調製した前記水系媒体相中に乳化・分散させることにより行うことができる。そして、該乳化・分散の際、前記活性水素基含有化合物と前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを伸長反応乃至架橋反応させると、前記接着性基材が生成する。
前記接着性基材(例えば、前記ウレア変性ポリエステル樹脂)は、例えば、(1)前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含む前記有機溶媒相を、前記活性水素基含有化合物(例えば、前記アミン類(B))と共に、前記水系媒体相中に乳化・分散させ、分散体を形成し、該水系媒体相中で両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよく、(2)前記有機溶媒相を、予め前記活性水素基含有化合物を添加した前記水系媒体中に乳化・分散させ、分散体を形成し、該水系媒体相中で両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよく、あるいは(3)前記有機溶媒相を、前記水系媒体中に添加混合させた後で、前記活性水素基含有化合物を添加し、分散体を形成し、該水系媒体相中で粒子界面から両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよい。なお、前記(3)の場合、生成するトナー表面に優先的に変性ポリエステル樹脂が生成され、該トナー粒子において濃度勾配を設けることもできる。
前記乳化・分散により、前記接着性基材を生成させるための反応条件としては、特に制限はなく、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と前記活性水素基含有化合物との組合せに応じて適宜選択することができ、反応時間としては、10分間〜40時間が好ましく、2時間〜24時間がより好ましく、反応温度としては、0〜150℃が好ましく、40〜98℃がより好ましい。
前記水系媒体相中において、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含む前記分散体を安定に形成する方法としては、例えば、前記水系媒体相中に、前記有機溶媒に溶解乃至分散させた前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))、前記着色剤、前記離型剤、前記帯電制御剤、前記未変性ポリエステル樹脂などの前記トナー原料を加えて、せん断力により分散させる方法、などが挙げられる。
前記分散は、その方法としては特に制限はなく、公知の分散機等を用いて適宜選択することができ、該分散機としては、例えば、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機、などが挙げられる。これらの中でも、前記分散体の粒径を2〜20μmに制御することができる点で、高速せん断式分散機が好ましい。
前記高速せん断式分散機を用いた場合、回転数、分散時間、分散温度などの条件については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記回転数としては、1000〜30000rpmが好ましく、5000〜20000rpmがより好ましく、前記分散時間としては、バッチ方式の場合は、0.1〜5分が好ましく、前記分散温度としては、加圧下において0〜150℃が好ましく、40〜98℃がより好ましい。なお、前記分散温度は高温である方が一般に分散が容易である。
前記乳化・分散において、前記水系媒体の使用量としては、前記トナー原料100質量部に対し、50〜2,000質量部が好ましく、100〜1,000質量部がより好ましい。
前記使用量が、50質量部未満であると、前記トナー原料の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られないことがあり、2,000質量部を超えると、生産コストが高くなることがある。
前記乳化・分散においては、必要に応じて、粒度分布をシャープにし、安定に分散を行う観点から、分散剤を用いることが好ましい。
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
前記界面活性剤としては、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、などが挙げられる。
前記陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられ、フルオロアルキル基を有するものが好適に挙げられる。該フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(炭素数6〜11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。該フルオロアルキル基を有する界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製);フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製);ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製);メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製);エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−100、F150(ネオス社製)等が挙げられる。
前記陽イオン界面活性剤としては、例えば、アミン塩型界面活性剤、四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤等が挙げられる。前記アミン塩型界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等が挙げられる。前記四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。該陽イオン界面活性剤の中でも、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級又は三級アミン酸、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10個)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、などが挙げられる。該カチオン界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−121(旭硝子社製);フロラードFC−135(住友3M社製);ユニダインDS−202(ダイキン工業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製);エクトップEF−132(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−300(ネオス社製)等が挙げられる。
前記非イオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等が挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等が挙げられる。
前記難水溶性の無機化合物分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト、などが挙げられる。
前記高分子系保護コロイドとしては、例えば、酸類、水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、アミド化合物又はこれらのメチロール化合物、クロライド類、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン系、セルロース類、などが挙げられる。
前記酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。前記水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。前記ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類としては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等が挙げられる。前記ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。前記アミド化合物又はこれらのメチロール化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド酸、又はこれらのメチロール化合物、などが挙げられる。前記クロライド類としては、例えば、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等が挙げられる。前記窒素原子若しくはその複素環を有するもの等ホモポリマー又は共重合体としては、例えば、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等が挙げられる。前記ポリオキシエチレン系としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等が挙げられる。前記セルロース類としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
前記乳化・分散においては、必要に応じて分散安定剤を用いることができる。
該分散安定剤としては、例えば、リン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能なものなどが挙げられる。
該分散安定剤を用いた場合は、塩酸等の酸によりリン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する方法、酵素により分解する方法などによって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去することができる。
前記乳化・分散においては、前記伸長反応乃至前記架橋反応の触媒を用いることができる。該触媒としては、例えば、ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート、などが挙げられる。
前記乳化・分散において得られた乳化スラリーから、有機溶媒を除去する。該有機溶媒の除去は、(1)反応系全体を徐々に昇温させて、液滴中の前記有機溶媒を完全に蒸発除去する方法、(2)乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去する方法、などが挙げられる。
前記有機溶媒の除去が行われると、トナー粒子が形成される。該トナー粒子に対し、洗浄、乾燥等を行うことができ、更にその後、所望により分級等を行うことができる。該分級は、例えば、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができ、乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよい。
こうして、得られたトナー粒子を、前記着色剤、離型剤、前記帯電制御剤等の粒子と共に混合したり、更に機械的衝撃力を印加することにより、該トナー粒子の表面から該離型剤等の粒子が脱離するのを防止することができる。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、例えば、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し加速させて粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法、などが挙げられる。この方法に用いる装置としては、例えば、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢、などが挙げられる。
<現像剤>
前記現像剤としては、前記トナーを含むものであれば、特に制限はなく、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好適に挙げられる。
前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。
また、前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
前記現像剤に含まれるその他の成分としてのキャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の粒径としては、体積平均粒径で、10〜150μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。
前記平均粒径(体積平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミノ系樹脂としては、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。前記ポリビニル系樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。前記ポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂等が挙げられる。前記ハロゲン化オレフィン樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。前記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。
前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、などが挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。前記平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01〜5.0質量%が好ましい。
前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記現像剤が前記二成分現像剤である場合、前記キャリアの該二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90〜98質量%が好ましく、93〜97質量%がより好ましい。
前記現像剤は、前記トナーを含有しているので、画像形成時における帯電性と定着性とをバランス良く両立することができ、高画質な画像を安定に形成することができる。
前記現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができる。
(画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を転写材に二次転写する転写手段と、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる中間転写方式の画像形成装置である。
<画像形成方法>
また、前記本発明の画像形成装置における画像形成方法としては、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
前記画像形成方法は、前記画像形成装置により好適に実施することができ、前記静電潜像形成工程は前記静電潜像形成手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
−静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段―
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(「光導電性絶縁体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン無機感光体やフタロシアニン系ポリメチン顔料を用いた有機感光体が好適に用いられる。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
−現像工程及び現像手段−
前記現像工程は、前記静電潜像を、前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記現像剤を収容し、前記静電潜像に該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、前記現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記電子写真用カラートナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
前記画像形成装置の具体的な構造としては、前記構造を有するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、以下に示す第1から第2の構造の画像形成装置が好適に挙げられる。
図1は、本発明の第1の構造に係る画像形成装置を示す構成図である。
図1に示すように、第1の構造に係る画像形成装置Aは、静電潜像担持体としての感光体ベルト1と、該感光体ベルト1の周囲に配置されるブラック現像ユニットK、シアン現像ユニットC、マゼンタ現像ユニットM、イエロー現像ユニットYを有する現像手段と、感光体ベルト1に所定にニップ部をもって当接される中間転写ドラム3と、該中間転写ドラム3に対して、感光体ベルト1と中間転写ドラム3とのニップ部よりも中間転写ドラム3の回転方向下流側で該中間転写ドラム3に当接する2次転写ローラ4と、該2次転写ローラ4よりも転写材5の搬送方向下流側に配置される用紙徐電手段6と、中間転写ドラム3に対向配置されるクリーニング手段7とを備えている。
第1の構造に係る画像形成装置Aとしては、中間転写ドラム3が、円筒状のドラム基材上に表面層を有する複層構造の中間転写体であり、該中間転写体が前記本発明の中間転写体を用いてなる。
図1に示す第1の構造に係る画像形成装置Aにおいて、適宜選択された一の前記現像ユニットY、M、C、Kによって、感光体ベルト1上に現像されたトナー像Tは、感光体ベルト1と中間転写ドラム3とのニップ部である一次転写部で、所定のバイアス電位が付与されるとともに、感光体ベルト1に対して同期回転される中間転写ドラム3上に転写される。
そして、現像ユニットY、M、C、Kによって現像された各色(黒、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像は、中間転写ドラム3上に逐次転写され、該カラートナー像が中間転写ドラム3上に重ね合わされ一次転写される。
二次転写ローラ4は、非転写時には、中間転写ドラム3から離れているが、以下に説明する二次転写時には、中間転写ドラム3に接触するように移動される。
中間転写ドラム3の回転に同期して搬送される転写材5が中間転写ドラム3と二次転写ローラ4の間を通過する。この時、二次転写ローラ4には、前記トナー像の帯電極性と反対の極性のバイアス電圧が印加されている。そして、前記中間転写ドラム3上に一次転写されたカラートナー像が、中間転写ドラム3と二次転写ローラ4との間を通過する転写材5に二次転写される。
転写材5は、その後、用紙除電手段6で所定の電荷が与えられて、滞留する電荷が除去される。転写材5は、その後、図示しない定着手段に搬送されて、定着工程へと移動する。
一方、中間転写ドラム3上に残留した転写残トナーは、中間転写ドラム3に対向配置されるクリーニング手段7(ブラシ、ローラ等)で除去される。
その後、中間転写ドラム3は、図示しない徐電手段により除電されて初期化される。
図2は、本発明の第2の構造に係る画像形成装置を示す構成図である。
図2に示すように、第2の構造に係る画像形成装置Bは、静電潜像担持体としての感光体ドラム9と、該感光体ドラム9の周囲に配置されるブラック現像ユニットK、シアン現像ユニットC、マゼンタ現像ユニットM、イエロー現像ユニットYを有する現像手段16と、感光体ドラム9に、図示しない所定にニップ部をもって当接される中間転写ベルト18と、該中間転写ベルト18に対して、感光体ドラム9と中間転写ベルト18との前記図示しないニップ部よりも中間転写ベルト18の回転方向下流側で該中間転写ベルト18に当接する2次転写ローラ23と、中間転写ベルト18が張架される各ローラ19、20、21、22と、中間転写ベルト18に対向配置されるクリーニング手段25とを備えている。
前記第2の構造に係る画像形成装置Bとしては、中間転写ベルト18が、無端ベルト状の前記表面層のみによる単層構造又は基材上に前記表面層を有する複層構造の中間転写体であり、該中間転写体が前記本発明の中間転写体を用いてなる。
図2に示す第2の構造に係る画像形成装置Bにおいて、適宜選択される現像手段16に備えられた一の前記現像ユニットY、M、C、Kによって、感光体ドラム9上に現像されたトナー像は、感光体ドラム9と中間転写ベルト18とのニップ部である一次転写部で、所定のバイアス電位が付与されるとともに、感光体ドラム9に対して同期回転される中間転写ベルト18上に転写される。
そして、各現像ユニットY、M、C、Kによって現像された各色(黒、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像は、中間転写ベルト18上に逐次転写され、カラートナー像が中間転写ベルト18上に重ね合わされ一次転写される。
二次転写ローラ23は、非転写時には、中間転写ベルト18から離れているが、以下に説明する二次転写時には、中間転写ベルト18に接触するように移動される。
中間転写ベルト18の回転に同期して搬送される転写材24が中間転写ベルト18と二次転写ローラ23との間を通過する。この時、二次転写ローラ23には、前記トナー像の帯電極性と反対の極性のバイアス電圧が印加されている。そして、前記中間転写ベルト18上に一次転写されたカラートナー像が、中間転写ベルト18と二次転写ローラ23との間を通過する転写材24に二次転写される。
転写材24は、その後、図示しない定着手段に搬送されて、定着工程へと移動する。
一方、中間転写ベルト18上に残留した転写残トナーは、中間転写ベルト18に対向配置されるクリーニング手段25に備えられたクリーニングブレード27により除去される。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は、下記実施例のみに何ら限定されるものではない。
(実施例1)
−中間転写体形成用ワニスの調製−
剛直性ポリアミド酸を適量のアミド系の溶媒であるNMP(N−メチルピロリドン)に溶解されてなる下記構造式(2)で表される剛直性ポリイミド形成ワニス:UワニスS(商品名:宇部興産社製)と、屈曲性ポリアミド酸を適量のアミド系の溶媒であるNMP(N−メチルピロリドン)に溶解されてなる下記構造式(3)で表される屈曲性ポリイミド形成ワニス:UワニスA(商品名:宇部興産社製)を各々重量比で、剛直性ポリイミド形成ワニス:屈曲性ポリイミド形成ワニスが、5:5となるように混合し、混合ワニスを得た。
Figure 2006113525
得られた、前記混合ワニスに対して、抵抗抑制剤としてカーボンブラックを分散させたマスターバッチ液を重量比で、8:2となるように混合して、中間転写体形成用ワニスを調製した。
−中間転写体の作製−
以下の方法により本発明のシームレスベルト状の中間転写体を作製した。
図6は、遠心成形装置を示す図である。
図6において、円筒形の成形型43を有する遠心成形装置42の回転軸を、水平方向に配置し、該成形型43を500rpmで高速回転させて、該成形型43内のキャビティ44の全面に離型液を塗布し、約50μmの均一な厚みの離型液膜層を形成した。
次に、成形型43の回転速度を100rpmに減速し、ベルト素材液としての前記中間転写体形成用ワニスを、キャビティ内に挿入されるスプレー45のノズル46より噴出させて、キャビティ44の全面に前記中間転写体形成用ワニスを塗布した。
その後、成形型43の回転数を500rpmに上げて、前記中間転写体形成用ワニスの塗布液膜を均一化して、ベルト素材層を形成した。
更に、約100℃のドライエアーをスプレー45側からキャビティ44内に導入して、前記ベルト素材層を乾燥させた。
次いで、成形型43内からベルト素材層を取り出し、該ベルト素材層を別の成形型内に配置して、約120℃、20分の条件で加熱して、溶媒の乾燥と、予備的にイミド化を行った。
更に、前記ベルト素材層を320℃、120分の条件で加熱してイミド化を行い、実施例1の平滑なシームレスベルト状の中間転写体を作製した。
−各特性の測定−
得られた実施例1の中間転写体について、各特性を以下のように測定した。
<膜厚測定>
ミツトヨ社製マイクロメータを用い、実施例1の中間転写体についてベルトの膜厚を求めた。結果を表1に示す。
<時定数および静電容量測定>
川口電気製静電紙試験機EPA−8200型を用い、ダイナミックモードにて、スコロトロン帯電により、帯電電流18μAのコロナ放電を実施例1の中間転写体表面に10秒間行なった後に、表面電位(−V)の絶対値が減衰する過程を測定し、その減衰曲線を下記式(1)を用いて時定数τを得た。
V=Aexp(−t/τ) ・・・・式(1)
但し、Aは定数を表す。
同時に、試験機に内蔵している電流計及び表面電位計により帯電過程の通過電荷量Qと実施例1の中間転写体の表面電位(−V)の絶対値との関係を調べ、その帯電開始域の傾きから、1cmあたりの静電容量Cを下記式(2)から算出した。
C=Q/V・・・・・・・・・・式(2)
また、上記静電容量とベルト膜厚から、下記式(3)から比誘電率を算出した。
C=(εr・ε0・S)/d・・式(3)
但し、ε0は、真空の誘電率[8.854×10−12A・s/V・m]を表し、Sは、中間転写体であるベルト測定部面積,dは、中間転写体であるベルトの膜厚をそれぞれ表す。
結果を表1に示す。
<粒径測定>
トナーとして、リコー製カラー複写機Imagio Color 5100用トナーを用い、該トナーと同カラー複写機用シリコーン樹脂コート磁性キャリア(体積平均粒径80μm)とをトナー含有量が約6wt%となるように混合し、ターブラ−ミキサーにて攪拌して二成分現像剤を作製した。
コールターエレクトロニクス社製粒径測定器を用い、上記トナーの体積平均粒径を求めた。結果を表1に示す。
<円形度測定>
シスメチック社製フロー式粒子像分析装置(Flow Particle Image Analyzer)FPIA−1000を用い、上記トナーの円形度を測定した。
前記フロー式粒子像分析装置による測定は、フィルターを通して微細なごみを取り除き、10−3cmの水中に測定範囲(例えば、円相当径0.60μm以上159.21μm未満)の粒子数が20個以下である水10ml中に、ノニオン系界面活性剤(好ましくは和光純薬社製コンタミノンN)を数滴加え、更に、測定試料を5mg加えて、超音波分散器STM社製UH−50で、20kHz,50W/10cm3の条件下で1分間分散処理を行い、更に、5分間の分散処理を行い、測定試料の粒子濃度が4000〜8000個/10−3cmである試料分散液を用い、0.60μm以上、159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布を測定した。
前記試料分散液は、フラットで偏平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がる流路)を通過される。
また、該フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するように、フローセルに対して相互に反対側に位置するようにストロボとCCDカメラとが配置される。
そして、フローセル中を試料分散液が通過している間に、ストロボ光が1/30秒間隔で照射され、該ストロボ光をCCDカメラで受光して、それぞれの粒子が、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元画像として撮影される。
そして、前記2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出した。
前記フロー式粒子像分析装置によれば、約1分間で、1200個以上の粒子の円相当径を測定することができ、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)を測定できる。
得られた測定結果頻度%及び累積%は、0.06〜400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに対し30チャンネルに分割)に分割して得ることができる。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上、159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行った。結果を表1に示す。
<外添剤被覆率測定>
前記トナーについて、以下の方法で、外添剤被覆率を測定した。
前記外添剤被覆率の測定は、電子顕微鏡用観察基板にトナーを付着させ、トナーが付着した前記観察基板を金でコーティングして、トナー表面を電子顕微鏡(日立製作所製走査電子顕微鏡S−4500)で観察し、トナー表面を3万倍に拡大した画像をパーソナルコンピュータに取り込んで、画像処理ソフト(Media Cybernetics製Image−Pro Plus)を用いて、外添剤の面積及びトナー表面の面積を計測し、前記画像処理ソフトから得られた、トナー表面の面積に対する外添剤の面積の比を計算して外添剤被覆率を求めた。
該外添剤被覆率を100〜50個程度のトナーについて測定し、その平均値を算出した。結果を表1に示す。
<垂直付着力測定>
遠心分離法を用いて、未帯電の前記トナーと感光体との間の垂直付着力を測定した。
前記感光体としては、有機感光体材料をアルミ蒸着したPETフィルム上に塗布して有機感光体フィルムを形成し、得られた有機感光体フィルムから直径7.8mmの円盤状の感光体を切り出し、遠心分離に使用する試料基板上にプラスチック用接着剤を用いて貼り付けた。
次いで、前記トナーを自然落下させて前記円盤状の感光体表面に付着させ、遠心分離法を用いてトナーと感光体間との間の非静電的付着力を測定し、垂直付着力の平均値FVの値を求めた。結果を表1に示す。
ここで、前記遠心分離法としては、IS&T NIP7th p.200(1991)等に記載されている方法を用いることができる。
前記遠心分離法による垂直付着力の平均値の測定には、図3に示すトナー付着力測定装置の測定セル及び図4に示す遠心分離装置を用いる。
図3は、トナー付着力測定装置の測定セルを示す図である。
図3において、測定セル28は、トナーを付着させる試料面29を有する試料基板30と、試料基板30から分離したトナーを付着させる付着面31を有する受け基板32と、試料基板30の試料面29と受け基板32の付着面31の間に設けられたスペーサ33とを備えている。
図4は、遠心分離装置の一部断面図である。図4において、遠心分離装置34は、測定セル28を回転させるロータ35と、保持部材36とを備えている。ロータ35には、該ロータ35の垂直な断面において、回転中心軸Xに向かって上部が傾斜する試料設置部37が穿穴されている。
保持部材36は、棒状部38、該棒状部38に設けられ、測定セル28を保持するセル保持部39、測定セル28をセル保持部39から押し出すための穴部40、棒状部38を試料設置部37に固定する設置固定部41、を備えている。セル保持部39は、測定セル28を設置したときに、測定セル28の垂直方向がロータの回転中心軸Bに垂直となるように構成される。
次に、遠心分離装置34を用いてトナーと感光体間の付着力を測定する方法を説明する。
まず、測定セル28の試料基板30上に直接感光体層を形成するか、又は感光体の一部を切り出して試料基板30上に接着剤で貼り付ける。次に、トナーを試料基板30上の感光体(試料面29)上に付着させる。次に、試料基板30、受け基板32及びスペーサ33を組み合わせて測定セル28を形成する。該測定セル28が、保持部材36をロータ35の試料設置部37に設置したときに、試料基板30が、受け基板32とロータ35の回転中心軸Xとの間に配置されるように、設置される。次いで、遠心分離装置34を稼働してロータ35を一定の回転数で回転させる。試料基板30に付着したトナーは回転数に応じた遠心力を受け、トナーの受ける遠心力がトナーと試料面29間の付着力よりも大きい場合は、トナーが試料面29から分離し、付着面31に付着する。
トナーの受ける遠心力Fcは、トナーの重量m、ロータの回転数f(rpm)、ロータの中心軸から試料基板のトナー付着面までの距離rを用いて、式(10)より求められる。
Fc=m×r×(2πf/60)・・・・・・・・・・式(10)
トナーの重量mは、トナーの真比重ρ、円相当径dにより、式(20)から算出される。
m=(π/6)×ρ×d・・・・・・・・・・・・・・式(20)
式(10)と式(30)より、トナーの受ける遠心力Fcが算出される。
Fc=(π/5400)×ρ×d×r×f・・・・・式(30)
遠心分離終了後、保持部材36をロータ35の試料設置部37から取り出し、保持部材36のセル保持部39から測定セル28を取り出す。次いで、受け基板32を交換し、測定セル28を保持部材36に設置し、保持部材36をロータ35に設置し、ロータ35を前回よりも高回転数で回転させる。トナーの受ける遠心力が前回よりも大きくなり、付着力の大きなトナーが、トナーが試料面29から分離して付着面31に付着する。
遠心分離装置34の設定回転数を低回転数から高回転数へ変えて同様の操作を実施することにより、各回転数で受ける遠心力と付着力の大小関係に応じて、試料面29上のトナーが付着面31に移動する。
全ての設定回転数について遠心分離を実施後、各回転数の受け基板32の付着面31に付着したトナーの粒径を計測する。
前記トナー粒径の測定は、光学顕微鏡で付着面31上のトナーを観察し、CCDカメラを通して付着面の画像を画像処理装置に入力し、画像処理装置を用いて各トナーの粒径測定を行うことができる。ある回転数で分離したトナーの付着力は、トナーが分離した回転数における遠心力よりも小さく、分離する前の回転数における遠心力よりも大きいので、式(30)により両者の遠心力を計算し、その平均値を付着力とした。また、測定したトナー粒子全体の平均値Fは、各トナーの付着力の常用対数について算術平均値Aを算出し、次式F=10Aから算出した。
<水平付着力測定>
遠心分離法を用いて、未帯電の前記トナーを自然落下させて前記円盤状の感光体表面に付着させ、遠心分離法を用いて前記トナーと感光体間との間の非静電的付着力を測定し、水平付着力の平均値FHの値を求めた。結果を表1に示す。
ここで、前記感光体としては、前記垂直付着力の測定における感光体と同様のものとした。
前記遠心分離法による水平付着力の平均値の測定には、図5に示す遠心分離装置を用いる。
図5は、水平方向の粉体付着力測定装置である遠心分離装置の一部断面図である。
図5において、粉体付着力測定装置100は、粉体を付着させた試料面200aを有する試料基板200と、遠心分離装置300と、を備えている。試料基板200は、試料面200aが四角形である部材から構成されている。
遠心分離装置300は、ロータ500と、保持部材600と、を有する。
ロータ500は、回転軸Yまわりに回動自在に設けられ、試料基板200の試料面200aが鉛直上方を向くとともに回転軸400に対して垂直となるように内部に試料基板2を保持している。
また、ロータ500の周縁側には、保持部材600の形状に対応する凹形状有し、保持部材600を嵌合可能に支持する試料設置部500aを有する。ロータ500は、試料設置部500aの開口側が回転軸Yに対して傾斜するアングルロータである。
保持部材600は、棒状部700と棒状部700に設けられ試料基板200を保持する基板保持部800とを備えている。保持部材600の棒状部700は、先端に設けられた配置調節部700aと、ロータ500の試料設置部500aに嵌合したとき試料設置部500aの内周面に当接する配置固定部700bと、を有している。
保持部材600の先端側に設けられた基板保持部800は、試料基板200を保持部材600に対して固定する固定部材を備えるとともにガイド900を備えている。ガイド900は、基板保持部800に保持された試料基板200の試料面200aが基板保持部800の内周面に接触することがないように試料面200aの周辺部に対応する基板保持部800の内周面部分に設けられている。
また、ガイド900と試料基板200との間には、その上面に隙間が形成される。
基板保持部800に設けられた前記固定部材は、基板保持部800に試料面200aを鉛直上方に向けて試料基板200を挿入した後、ねじで試料基板200を保持部材600に固定して保持する。
試料基板200は、保持部材600の基板保持部800に保持された時に、設置方向が一定となる外形を有している。試料基板200及び保持部材600は、ロータ500が最大回転数で回転可能な重量以下の軽量の部材から構成される。保持部材600の配置調節部700aは、何等かの治具で保持部材の向きを調整することができる突起を有する凸部あるいはドライバーの先端に対応する形状である凹みを有する凹部から構成される。
保持部材の配置固定部700bは、ゴム等の弾力性を有する部材から構成される。
粉体付着力測定装置100による前記遠心分離法による水平付着力の平均値の測定としては、基板配置工程と、付着力導出工程と、を有する。
前記基板配置工程では、粉体付着力測定装置100を用いて、操作者が試料基板200を試料面200aが鉛直上方を向くようにして保持部材600の基板保持部800へ挿入し、ねじを用いて試料基板200を保持部材600に固定して、保持部材600の基板保持部800に試料基板200を保持させる。
次いで、操作者が保持部材600を試料設置部500aに嵌合して、配置調節部700aを保持部材600の棒状部700の軸線まわりに回転させるとともに、配置固定部700bを試料設置部500aの内周面に当接させることにより、基板保持部800に保持された試料基板200の試料面200aが鉛直上方を向くとともに、ロータ500の回転軸Yに対して垂直となるように、回転軸Yに対して垂直な方向に対する試料設置部500a内での保持部材600の向きが調節されて固定される。
このため、試料基板200の試料面200aに付着した粉体にロータ500の回転による遠心力が試料面200aに平行な方向に向って作用するよう保持部材600をロータ500内に配置することを容易に行うことができる。
また、ねじを用いて試料基板200を保持部材600に対して固定させているので、試料基板200の試料面200aが鉛直上方を向くとともにロータ500の回転軸400に対して垂直となる状態を容易に維持することができる。
前記付着力導出工程においては、内部に試料基板200を保持するロータ500を回転軸Yまわりに回動させることにより試料基板200上の前記粉体を移動させて、前記粉体の粒径、前記粉体の比重、回転軸400から前記粉体の測定領域の中心位置までの距離およびロータ500の回転数から前記粉体の試料面200aへの付着力が求められる。このため、ロータ500を用いて試料基板200に大きな遠心力を加えることにより、付着力が大きい粉体の付着力の測定を行うことができる。
尚、水平方向の粉体の付着力測定に関しては、特開平11−64212号公報に記載された方法により測定することも可能である。
但し、前記垂直及び水平付着力測定に使用した遠心分離装置及び測定条件は以下のとおりである。
遠心分離装置:日立工機製CP100α型
ロータ:日立工機製アングルロータP100AT
画像処理装置:インタークエスト製Hyper700
試料基板と受け基板:直径8mm、厚み1.5mmのアルミニウム製円板。
スペーサ:外径8mm、内径5.2mm、厚み1mmのアルミニウム製リング。
保持部材:直径13mm、長さ59mmのアルミニウム製円筒部材。
ロータの中心軸から試料基板のトナー付着面までの距離:64.5mm
設定回転数f:1000、1600、2200、2700、3200、5000、7100、8700、10000、15800、22400、31600、50000、70700、86600、100000(rpm)
<画質評価>
リコー製カラー複写機Imagio Color 5100改造機を用いて、転写ベルト上の画像評価を実施した。なおImagio Color 5100改造機は、現像は二成分現像方式、転写は中間転写ベルト方式で、外部信号によって任意のタイミングで作像動作を途中で止められるようにした。感光体ドラム上に複数のベタ画像及び細線画像の潜像を書き込み、一次転写の途中で作像プロセスを止め、感光体ドラムユニットと転写ベルトユニットを複写機から取り出し、感光体ドラム上のベタ画像部のパイルハイトを測定し、転写ベルト上の細線部の画像評価を実施した。なお、トナー層が2層以上となるように、単位面積当たりのトナー重量M/Aは約0.7mg/cmに設定した。また、本改造機における通常の上記転写ベルト及び感光体を始めとする各部材の表面線速は250mm/sとした。
<転写チリ評価方法>
前記実施例1の中間転写体を図2に示す画像形成装置Bに装着して、テスト画像を出力したときの1ドットラインを超深度形状測定顕微鏡(VK8500;キーエンス製)により観察し標準画像をデジタル出力した。この画像を画像編集ソフト(アドビ製フォトショップ)により、二値化画像に編集後、1ドットラインから遊離しているトナーの面積を画像解析ソフト(MediaCybernetics製ImagePro)を用いてカウントし、チリを以下のようにランク評価した。
<<チリランク>>
4 良好、チリ面積比<5%
3 許容範囲内、チリ面積比<10%
2 問題、10%≦チリ面積比<20%
1 劣悪、チリ面積比≧20%
但し、チリ面積比率の許容範囲は10%以下である。
(実施例2)
−トナーバインダーの調製−
前記実施例1で用いたトナーに代えて以下の方法により調整したトナーを用いた。
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、イソフタル酸276部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃、8時間反応させた後、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させた。これを160℃まで冷却して、32部の無水フタル酸を加え2時間反応させた。
更に、これを80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート188部と2時間反応を行いイソシアネート含有プレポリマーを得た。得られたプレポリマー267部と、イソホロンジアミン14部とを50℃で2時間反応させ、重量平均分子量64000のウレア変性ポリエステルを得た。
同様にビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量5000の変性されていないポリエステルを得た。
前記ウレア変性ポリエステル200部と、前記変性されていないポリエステル800部とを、酢酸エチル/エチルメチルケトン(MEK)(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダーの酢酸エチル/MEK溶液を得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダーを単離した。Tgは62℃であった。
<トナーの作製>
ビーカー内に前記トナーバインダーの酢酸エチル/MEK溶液240部、ペンタエリスリトールテトラベヘネート(融点81℃、溶融粘度25cps)20部、銅フタロシアニンブルー顔料4部を入れ、TK式ホモミキサーで60℃、12000rpmで攪拌し、均一に溶解、分散させた。次いで、ビーカー内にイオン交換水706部、ハイドロキシアパタイト10%懸濁液(日本化学工業(株)製スーパタイト10)294部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ均一に溶解した後に、60℃に昇温し、TK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、前記トナー材料溶液を投入し10分間攪拌した。
次いで、これらの混合液を98℃まで昇温して溶剤を除去し、濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級し、体積平均粒径が4.8μmの着色粉体を得た。
得られた着色粉体100部と、帯電制御剤(オリエント化学社製 ボントロンE−84)0.2部とをQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、体積が容器内容積の1/2以下のタービン型羽根を周速を50m/sに設定し、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とし、最終的に重合粒子Aが得られた。
上記重合粒子Aに、疎水化処理した小粒径シリカ(一次粒子径平均値14nm、以下シリカAと略)をトナー量の0.8重量%、疎水化処理した大粒径シリカ(一次粒子径平均値120nm、以下シリカBと略)をトナー量の0.6重量%、疎水化処理した酸化チタン(一次粒子径平均値15nm)をトナー量の0.6重量%、となるようにそれぞれ配合し、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理して実施例2で用いるトナーを作製した。
−各特性の測定−
実施例2におけるトナー以外は、実施例1と同様の中間転写体に用い、実施例1と同様にして、各物性の測定及び画像評価等を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1における前記構造式(2)で表される剛直性ポリイミド形成ワニス:UワニスS(商品名:宇部興産社製)と、前記構造式(3)で表される屈曲性ポリイミド形成ワニス:UワニスA(商品名:宇部興産社製)を各々重量比で、剛直性ポリイミド形成ワニス:屈曲性ポリイミド形成ワニスが、7:3となるように混合し、混合ワニスを得たこと以外は、実施例2と同様にして、実施例3の中間転写体を作製し、実施例1と同様にして、各物性の測定及び画像評価等を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1における前記構造式(2)で表される剛直性ポリイミド形成ワニス:UワニスS(商品名:宇部興産社製)と、前記構造式(3)で表される屈曲性ポリイミド形成ワニス:UワニスA(商品名:宇部興産社製)を各々重量比で、剛直性ポリイミド形成ワニス:屈曲性ポリイミド形成ワニスが、2:8となるように混合し、混合ワニスを得たこと以外は、実施例2と同様にして、実施例4の中間転写体を作製し、実施例1と同様にして、各物性の測定及び画像評価等を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1における前記構造式(2)で表される剛直性ポリイミド形成ワニス:UワニスS(商品名:宇部興産社製)と、前記構造式(3)で表される屈曲性ポリイミド形成ワニス:UワニスA(商品名:宇部興産社製)を各々重量比で、剛直性ポリイミド形成ワニス:屈曲性ポリイミド形成ワニスが、実施例1と同様に5:5となるように混合し、混合ワニスを得た。得られた、前記混合ワニスに対して、抵抗抑制剤としてカーボンブラックを分散させたマスターバッチ液を重量比で、6:4となるように混合して、中間転写体形成用ワニスを調製したこと以外は、実施例2と同様にして、実施例5の中間転写体を作製し、実施例1と同様にして、各物性の測定及び画像評価等を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1における前記構造式(2)で表される剛直性ポリイミド形成ワニス:UワニスS(商品名:宇部興産社製)と、前記構造式(3)で表される屈曲性ポリイミド形成ワニス:UワニスA(商品名:宇部興産社製)を各々重量比で、剛直性ポリイミド形成ワニス:屈曲性ポリイミド形成ワニスが、実施例1と同様に5:5となるように混合し、混合ワニスを得た。
得られた、前記混合ワニスに対して、ノニオン系界面活性剤(日信化学製サーフィノール465)をカーボン量の2%相当量を予め添加した後、抵抗抑制剤としてカーボンブラックを分散させたマスターバッチ液を重量比で、8:2となるように混合して、中間転写体形成用ワニスを調製した。以下、実施例2と同様にして、実施例6の中間転写体を作製し、実施例1と同様にして、各物性の測定及び画像評価等を行った。結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例6で分散させたマスターバッチ液を用い、さらに実施例6で用いた混合ワニスと重量比で6:4となるように混合して、中間転写体形成用ワニスを調製した。以下、実施例6と同様にして、実施例7の中間転写体を作製し、実施例1と同様にして、各物性の測定及び画像評価等を行った。結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例2における中間転写体に対して、実施例1で実施した画像評価を行う際に実験機であるImagio Color 5100改造機の線速を2倍に上げ、500mm/sで画像評価等を行った。結果を表1に示す。
(実施例9)
実施例2における中間転写体に対して、実施例1で実施した画像評価を行う際に実験機であるImagio Color 5100改造機の線速を約1/4に落とし、60mm/sで画像評価等を行った。結果を表1に示す。
(実施例10)
実施例1における前記構造式(2)で表される剛直性ポリイミド形成ワニス:Uワニス
S(商品名:宇部興産社製)と、前記構造式(3)で表される屈曲性ポリイミド形成ワニ
ス:UワニスA(商品名:宇部興産社製)を各々重量比で、剛直性ポリイミド形成ワニス
:屈曲性ポリイミド形成ワニスが、3:7となるように混合し、混合ワニスを得たこと以
外は、実施例2と同様にして、実施例10の中間転写体を作製し、実施例1と同様にして、
各物性の測定及び画像評価等を行った。結果を表1に示す。
(実施例11)
実施例1における前記構造式(2)で表される剛直性ポリイミド形成ワニス:Uワニス
S(商品名:宇部興産社製)と、前記構造式(3)で表される屈曲性ポリイミド形成ワニ
ス:UワニスA(商品名:宇部興産社製)を各々重量比で、剛直性ポリイミド形成ワニス
:屈曲性ポリイミド形成ワニスが、4:6となるように混合し、混合ワニスを得たこと以
外は、実施例2と同様にして、実施例10の中間転写体を作製し、実施例1と同様にして、
各物性の測定及び画像評価等を行った。結果を表1に示す。
(実施例12)
実施例1における前記構造式(2)で表される剛直性ポリイミド形成ワニス:UワニスS(商品名:宇部興産社製)と、前記構造式(3)で表される屈曲性ポリイミド形成ワニス:UワニスA(商品名:宇部興産社製)を各々重量比で、剛直性ポリイミド形成ワニス:屈曲性ポリイミド形成ワニスが、実施例1と同様に8:2となるように混合し、混合ワニスを得た。
得られた、前記混合ワニスに対して、ノニオン系界面活性剤(日信化学製サーフィノール465)をカーボン量の2%相当量を予め添加した後、抵抗抑制剤としてカーボンブラックを分散させたマスターバッチ液を重量比で、8:2となるように混合して、中間転写体形成用ワニスを調製した。以下、実施例2と同様にして、実施例12の中間転写体を作製し、実施例1と同様にして、各物性の測定及び画像評価等を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1における前記構造式(2)で表される剛直性ポリイミド形成ワニス:UワニスS(商品名:宇部興産社製)と、前記構造式(3)で表される屈曲性ポリイミド形成ワニス:UワニスA(商品名:宇部興産社製)を各々重量比で、剛直性ポリイミド形成ワニス:屈曲性ポリイミド形成ワニスが、6:4となるように混合し、混合ワニスを得たこと以外は、実施例2と同様にして、比較例1の中間転写体を作製し、実施例1と同様にして、各物性の測定及び画像評価等を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1における前記構造式(2)で表される剛直性ポリイミド形成ワニス:UワニスS(商品名:宇部興産社製)と、前記構造式(3)で表される屈曲性ポリイミド形成ワニス:UワニスA(商品名:宇部興産社製)を各々重量比で、剛直性ポリイミド形成ワニス:屈曲性ポリイミド形成ワニスが、1:9となるように混合し、混合ワニスを得たこと以外は、実施例2と同様にして、比較例2の中間転写体を作製し、実施例1と同様にして、各物性の測定及び画像評価等を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1における前記構造式(2)で表される剛直性ポリイミド形成ワニス:UワニスS(商品名:宇部興産社製)と、前記構造式(3)で表される屈曲性ポリイミド形成ワニス:UワニスA(商品名:宇部興産社製)を各々重量比で、剛直性ポリイミド形成ワニス:屈曲性ポリイミド形成ワニスが、実施例3と同様に7:3となるように混合し、混合ワニスを得た。得られた、前記混合ワニスに対して、抵抗制御剤としてカーボンブラックを分散させたマスターバッチ液を重量比で、1:9となるように混合して、中間転写体形成用ワニスを調製したこと以外は、実施例2と同様にして、比較例3の中間転写体を作製し、実施例1と同様にして、各物性の測定及び画像評価等を行った。結果を表1に示す。
(比較例4)
実施例1における前記構造式(2)で表される剛直性ポリイミド形成ワニス:UワニスS(商品名:宇部興産社製)と、前記構造式(3)で表される屈曲性ポリイミド形成ワニス:UワニスA(商品名:宇部興産社製)を各々重量比で、剛直性ポリイミド形成ワニス:屈曲性ポリイミド形成ワニスが、実施例3と同様に7:3となるように混合し、混合ワニスを得た。得られた、前記混合ワニスに対して、抵抗抑制剤としてカーボンブラックを分散させたマスターバッチ液を重量比で、3:7となるように混合して、中間転写体形成用ワニスを調製したこと以外は、実施例2と同様にして、比較例4の中間転写体を作製し、実施例1と同様にして、各物性の測定及び画像評価等を行った。結果を表1に示す。
(比較例5)
実施例1における前記構造式(2)で表される剛直性ポリイミド形成ワニス:UワニスS(商品名:宇部興産社製)と、前記構造式(3)で表される屈曲性ポリイミド形成ワニス:UワニスA(商品名:宇部興産社製)を各々重量比で、剛直性ポリイミド形成ワニス:屈曲性ポリイミド形成ワニスが、実施例3と同様に7:3となるように混合し、混合ワニスを得た。得られた、前記混合ワニスに対して、抵抗抑制剤としてカーボンブラックを分散させたマスターバッチ液を重量比で、9:1となるように混合して、中間転写体形成用ワニスを調製したこと以外は、実施例2と同様にして、比較例5の中間転写体を作製し、実施例1と同様にして、各物性の測定及び画像評価等を行った。結果を表1に示す。
(比較例6)
実施例1で用いたポリイミド樹脂に代えて、フッ素系樹脂の1つであるポリフッ化ビニリデン系樹脂(ダイキン工業(株)製ネオフロンPVDF)を、N−メチルピロリジノンに、含有量が10質量%となるように溶解させて得られた溶液をワニスとして使用し、抵抗抑制剤としてカーボンブラックを分散させたマスターバッチ液を重量比で、8:2となるように混合して、中間転写体形成用ワニスを調製したこと以外は、実施例2と同様にして、比較例6の中間転写体を作製し、実施例1と同様にして、各物性の測定及び画像評価等を行った。結果を表1に示す。
Figure 2006113525
表1の結果から、実施例1〜12の中間転写体によれば、球形状のトナーであって、体積平均粒径の小さいトナーであっても、中抜け及び転写チリによる異常画像の発生を防止して、高画質な画像が得られる。特に、上記中間転写体の作像時の表面線速が80〜400mm/sであり、剛直性ポリアミド酸と、屈曲性ポリアミド酸との重量比(剛直性ポリアミド酸:屈曲性ポリアミド酸)が、7:3〜5:5である実施例1〜3及び実施例5〜7では、より確実に異常画像の発生を防止して、高画質な画像が得られる。
一方、比較例1〜6の中間転写体によれば、中抜け及び転写チリによる異常画像の発生を防止することができないことが判る。
(実施例13)
実施例2で用いた中間転写体に対して繰り返しの折り曲げ試験を行った。端部に3M社製PTFEテープ(#5490)を補強部材として前記中間転写体端部から1cmずつ貼付したものを用い、未貼付のものと比較した。未貼付のものが200回の折り曲げにより端部に明らかな亀裂が発生したのに対して、補強部材を貼付したものは2000回の折り曲げ試験を行っても亀裂発生が確認できなかった。
(実施例14)
実施例3で用いた中間転写体に対して繰り返しの折り曲げ試験を行った。端部に日東電工製ポリイミド粘着テープNo.360Aを補強部材として前記中間転写体端部から1cmずつ貼付したものを用い、未貼付のものと比較した。未貼付のものが200回の折り曲げにより端部に明らかな亀裂が発生したのに対して、補強部材を貼付したものは2000回の折り曲げ試験を行っても亀裂発生が確認できなかった。
−白抜け画像の有無の評価−
実施例1〜12及び比較例1〜6で出力した画像サンプルを用い、以下の方法により白抜け画像の有無を評価した。結果を表2に示す。
<白抜け画像評価法>
前記実施例及び比較例で出力したテスト画像のハーフトーン部(原稿画像面積率40%)を超深度形状測定顕微鏡(VK8500;キーエンス製)により観察し標準画像をデジタル出力した。この画像を画像編集ソフト(アドビ製フォトショップ)によりに二値化画像に編集後、実際の画像面積率を画像解析ソフト(メディアサイバネティックス製イメージプロ)を用いて測定し原稿面積率との比較を求め、以下のように分類した。
<<白抜け画像ランク>>
3 良好、画像面積比率≧100%
2 許容範囲、97%≦画像面積比率<100%
1 問題、画像面積比率<97%
Figure 2006113525
表2に示した通り、上記中間転写体の作像時の表面線速が80〜400mm/sの範囲外であると、放電等が生じ、その結果白抜けを有する画像が形成されることがある。また、剛直性ポリアミド酸と、屈曲性ポリアミド酸との重量比(剛直性ポリアミド酸:屈曲性ポリアミド酸)が、7:3〜5:5の範囲外であるときにも、白抜けを有する画像が形成されることがある。
本発明の中間転写体及び画像形成装置は、複写機、プリンタ装置、ファクシミリ等の電子写真記録装置に好適に用いられる。
図1は、本発明の第1の構造に係る画像形成装置を示す構成図である。 図2は、本発明の第2の構造に係る画像形成装置を示す構成図である。 図3は、トナー付着力測定装置の測定セルを示す図である。 図4は、遠心分離装置の一部断面図である。 図5は、遠心分離装置の一部断面図である。 図6は、遠心成形装置を示す図である。
符号の説明
1、9・・・・・・・・・・・・・・・・像担持体(感光ベルト体、感光ドラム)
16・・・・・・・・・・・・・・・・・現像手段
3、18・・・・・・・・・・・・・・・中間転写体(中間転写ドラム、中間転写ベルト)
4、23・・・・・・・・・・・・・・・転写手段(2次転写ローラ)
A、B・・・・・・・・・・・・・・・・画像形成装置

Claims (20)

  1. 像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写体であって、
    表面電位の絶対値及び該絶対値の減衰時間により決定される表面電位の減衰特性から下記式(1)を用いて得られる誘電緩和過程の時定数τが、1.5秒未満であることを特徴とする中間転写体。
    V=Aexp(−t/τ)・・・式(1)
    但し、前記式(1)において、Vは中間転写体の表面電位の絶対値、Aは定数、tは時間をそれぞれ表す。
  2. 比誘電率が6.0以下である請求項1に記載の中間転写体。
  3. 比誘電率が5.5以下である請求項1から2のいずれかに記載の中間転写体。
  4. 帯電過程における帯電電荷量Q及び表面電位の絶対値Vから下記式(2)を用いて得られる電位変移過程における静電容量Cが、30〜180pF/cmである請求項1から3のいずれかに記載の中間転写体。
    C=Q/V・・・・・・・・・・式(2)
  5. 少なくとも上記中間転写体の作像時の表面線速が80〜400mm/sであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の中間転写体。
  6. 少なくともポリイミドを含む請求項1から5のいずれかに記載の中間転写体。
  7. 抵抗制御剤を含む請求項6に記載の中間転写体。
  8. 抵抗制御剤がカーボンブラックであり、かつ分散剤としてノニオン系界面活性剤を含む請求項7に記載の中間転写体。
  9. ポリイミドが、1つ又は直接結合する2つ以上のフェニル基を含有する剛直性ポリアミド酸と、他の官能基を挟んで直接結合しない2つ以上のフェニル基を含有する屈曲性ポリアミド酸とを少なくとも反応させて得られるポリイミドである請求項6から8のいずれかに記載の中間転写体。
  10. 剛直性ポリアミド酸と、屈曲性ポリアミド酸との重量比(剛直性ポリアミド酸:屈曲性ポリアミド酸)が、7:3〜5:5である請求項9に記載の中間転写体。
  11. 剛直性ポリアミド酸及び屈曲性ポリアミド酸を含む混合ポリアミド酸溶液を塗膜形成過程又は塗膜形成後において少なくとも反応させて得られる請求項9から10のいずれかに記載の中間転写体。
  12. シームレスベルトである請求項1から11のいずれかに記載の中間転写体。
  13. 端部に補強部材を貼付した請求項1から12のいずれかに記載の中間転写体。
  14. 転写されるトナー像を形成するトナーの平均円形度が、0.98〜1.00である請求項1から13のいずれかに記載の中間転写体。
  15. 転写されるトナー像を形成するトナーの体積平均粒径が、1.0〜8.0μmである請求項1から14のいずれかに記載の中間転写体。
  16. 転写されるトナー像を形成するトナーが、活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を反応させて水系媒体中で接着性基材を生成しつつ粒子状に得られる請求項1から15のいずれかに記載の中間転写体。
  17. 潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を転写材に二次転写する転写手段とを備え、前記中間転写体が請求項1から16のいずれかに記載の中間転写体であることを特徴とする画像形成装置。
  18. トナーの平均円形度が、0.98〜1.00である請求項17に記載の画像形成装置。
  19. トナーの体積平均粒径が、1.0〜5.0μmである請求項17から18のいずれかに記載の画像形成装置。
  20. トナーが、活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を反応させて水系媒体中で接着性基材を生成しつつ粒子状に得られる請求項17から19のいずれかに記載の画像形成装置。
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