JP2006108734A - 分波器、高周波モジュール及び無線通信装置 - Google Patents

分波器、高周波モジュール及び無線通信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】マルチバンドに対応した無線通信装置に使用され、周波数帯又は通信方式の異なる複数の系を分ける分波器において、1つの設計で、規定数の系の中から任意の系の組み合わせを選ぶことができる分波器を提供する。
【解決手段】アンテナ端子から分岐して表層まで延長した表層パターンL1〜L3と、これに対向して表層に設けられた表層GNDパターンL7〜L9と、各系のフィルタの入力を表層まで延長した表層パターンL4〜L6とを設け、これらの表層パターンに搭載するチップ抵抗のインピーダンスと取り付け位置を選択することにより、ひとつの分波器にて、複数の系の組み合わせに対応する。
【選択図】図2

Description

本発明は無線通信装置に使用され、周波数帯又は通信方式の異なる複数の系を分ける分波器に関するものである。また、本発明はこの分波器を一体構成した高周波モジュール、及びそれを搭載した携帯電話機、無線LAN、WLL(Wireless Local Loop)等の無線通信装置に関するものである。
1台の無線通信装置内に複数の送受信系を搭載したマルチバンド方式の無線通信装置が提案されている。マルチバンド方式の無線通信装置は、地域性や使用目的等に合った送受信系を選択して送受信することができるようにした利便性の高い機器として期待されている。
以下、3つの送受信系GSM(Global System for Mobile communication)800MHz帯と、DCS(Digital Cellular System)1.8GHz帯と、PCS(Personal Communication Services)1.9GHz帯とを併用するマルチバンド方式の携帯電話機を例にとって説明する。
この携帯電話機の高周波信号処理回路には、通過帯域の異なる複数の送受信系を、それぞれの送受信系GSM,DCS,PCSに分波する分波器が設けられている。さらに、各送受信系PCS、DCS、GSMにおいてそれぞれ送信系TXと受信系RXとの分離を行うデュプレクサが設けられる。
前記分波器は、通常、分布定線路やLC素子からなる受動フィルタ回路である。
前記デュプレクサは、SAWフィルタ素子等の急峻な周波数遮断特性を有する受動素子を採用した回路である。なお、デュプレクサに代えて、GaAs等の半導体スイッチング素子を備える能動型のスイッチ回路が使用されることもある。
アンテナから入ってきた無線高周波信号は、前記分波器で周波数帯別に分波され、前記デュプレクサに入力され、ここで受信高周波信号が選択的に通過される。受信高周波信号は、低雑音増幅器で増幅され、高周波信号処理回路に供給される。
一方、送信高周波信号は、所定の周波数帯域を通過させる高周波フィルタを通って電力増幅器に伝えられる。電力増幅器は、この送信高周波信号を電力増幅し、出力整合回路を通して前記デュプレクサに供給する。前記デュプレクサを通過した送信高周波信号は、前記分波器を通ってアンテナから放射される。
従来、前記分波器、電力増幅器、デュプレクサなどは、それぞれ個別部品として製造され、基板の上面にディスクリートに搭載されていた。
しかし、それぞれ個別の部品を用いて基板に搭載すると、機器の大型化、高コスト化を招来することとなる。
そこで、電力増幅器、分波器、デュプレクサなどを誘電体多層基板の上部に搭載したり、誘電体多層基板の内部に形成して、高周波モジュールに一体構成することが行われている。これにより、通信機器の小型軽量化、低コスト化を有利に展開することができる。
特開2003−115748号公報 特開平9−260908号公報
従来の高周波モジュールでは、使用する送受信系に応じて、周波数帯、分波数が特定された分波器が設計され、実装されてきた。
例えば、携帯電話機のセルラー系にGPS系を加えて使用する場合、800MHz帯と1575MHzとを分波する2分波器が用いられ、さらに、これにPCS系を加えて使用する場合、800MHz帯と1575MHzと1900MHz帯とを分波する3分波器が用いられる。
あるいは、PCS系にGPS系を加えて使用する場合、1900MHz帯 と1575MHzとを分波する2分波器が用いられ、GPS系は使用せず、セルラー系とPCS系を使用する場合、800MHz帯 と1900MHz帯とを分波する2分波器が用いられる。
このように、対応する系に応じて、個々の分波器を使い分けていた。
したがって、分波器を製造する場合、それぞれが個別の設計、個別の製造となるため、コストの上昇や製造期間の長期化等の不具合が生じる問題があった。
本発明の目的は、1つの設計で製造でき、規定数の系の中から任意の系の組み合わせを選ぶことができる分波器を提供することにある。
また本発明は、前記分波器を含む低コストな高周波モジュール及びそれを搭載した無線通信装置を提供することを目的とする。
本発明の分波器は、複数の誘電体層が積層されてなる誘電体多層基板に実装され、アンテナ端子に接続され、周波数帯又は通信方式の異なる複数の系を分ける分波器であって、前記誘電体多層基板の表層に、アンテナ端子につながる第1の表層パターンと、周波数帯又は通信方式の異なる複数の系にそれぞれつながる第2の表層パターンと、接地された第3の表層パターンとが形成され、使用される系は、前記第1の表層パターンと、当該系につながる第2の表層パターンとが、インピーダンスを有する素子で接続され、使用されない系は、当該系につながる第2の表層パターンが開放され、前記第1の表層パターンと、第3の表層パターンとがインピーダンスを有する素子で接続されていることを特徴とする。
この構成によれば、前記3種類の表層パターンの所定の位置に、インピーダンスを有する素子を取り付けることにより、ひとつの分波器にて、複数の系の組み合わせに対応することができる。
前記インピーダンスを有する素子は、前記誘電体多層基板の表層にマウント可能なチップ素子であることが望ましい。
前記第1の表層パターンと第2の表層パターンとを接続する前記インピーダンスを有する素子のインピーダンス値は、抵抗値が小さい方が信号伝送の損失が少ないので、ほぼ0Ωであることが望ましい。
前記第1の表層パターンと第3の表層パターンとを接続する前記インピーダンスを有する素子のインピーダンス値は、アンテナ入力信号の反射などを防止するためには、信号線路の特性インピーダンスに一致していることが望ましい。
前記インピーダンスを有する素子として、インダクタンス成分を有するものであってもよい。これにより、静電気対策用のフィルタを構成することができる。
前記各系には、SAW(表面弾性波)フィルタを用いてもよい。減衰特性が急峻でかつ、小型なSAWフィルタを用いることで分波器の性能を上げることができる。
また、上記分波器の構造を備え、かつ、少なくともデュープレクサ、パワーアンプ、方向性結合器、SAW帯域通過フィルタのいずれかを含む高周波モジュールを構成することにより、無線通信装置の小型化を促進できる。
また、本発明によれば、前記高周波モジュールを搭載することにより、通過帯域の異なる複数の送受信系の間で干渉の少ない、小型、低コストな無線通信装置を実現することができる。
以上のように、本発明によれば、ひとつの基板で、数種類の系に対応した分波器を実現することができる。これにより、量産効果を利用でき、低価格化を実現できるメリットがある。また、設計の時間も削減できる。
このような分波器を有する高周波モジュールを用いることにより、装置の小型化、低価格化を促進できる。また、携帯端末機などの無線通信装置において、前記、分波器、又は高周波モジュールを搭載することにより、新機種のタイムリーな市場投入と低価格化を実現できる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、携帯電話機等の移動体無線通信装置に用いられる、CDMAデュアルバンド方式の高周波モジュールの高周波信号処理部のブロック構成図である。
このCDMAデュアルバンド方式では、高周波信号処理部は、セルラー方式800MHz帯及びPCS(Personal Communication Services)方式1.9GHz帯の周波数バンドを持った2つの送受信系と、GPS(Global Positioning System)による測位機能を利用するためGPSの受信バンド1.5GHz帯を持った1つの受信系とから構成される。
このような複数のバンド構成の高周波信号処理部を搭載した移動体無線通信装置においては、各部に対する小型化、軽量化の要求が強く、これらの要求を考慮して、高周波信号処理回路は、所望の特性が達成できる単位でモジュール化されている。
すなわち、図1で実線100で示したように、高域通過フィルタ11,帯域通過フィルタ12,低域通過フィルタ13、デュプレクサ201,202などを含む分波系回路、送信用フィルタ207,208、電力増幅器203,204、方向性結合器205,206などを含む送信系回路が、1つの基板に配置され1つの高周波モジュール100を形成している。
なお、高周波モジュールを、800MHz帯の高周波モジュールと、1.9GHz帯の2つの高周波モジュールに分けるという実装方法も可能である。さらにPCS受信系の受信端子PCS Rx、セルラー受信系の受信端子CELL Rxに接続される低雑音増幅器と受信用高周波フィルタ(いずれも図示せず)を含んだ高周波モジュールとしてもよい。
以下、800MHz帯と、1.9GHz帯の2つの周波数帯を含む高周波モジュール100に基づいて説明する。
図1において、1はアンテナ端子、11はPCS系の1.9GHz周波数帯を通過させるための高域通過フィルタ、12はGPS系の1.5GHz周波数帯を通過させるための帯域通過フィルタ、13はセルラー系の800MHz周波数帯を通過させるための低域通過フィルタである。前記高域通過フィルタ11は、セルラー系とGPS系の周波数帯の信号を減衰させ、PCS系で使用される信号のみを通過させる。同様に、帯域通過フィルタ12は、PCS系とセルラー系の周波数帯の信号を減衰させ、GPS系で使用される信号のみを通過させる。低域通過フィルタ13は、PCS系とGPS系の周波数帯の信号を減衰させ、セルラー系で使用される信号のみを通過させるものである。
201,202は受信と送信の周波数帯を分けるためのデュプレクサである。デュプレクサ201は、1.9GHz帯の送信系を分離する送信用フィルタ、同受信系を分離する受信用フィルタを含み、デュプレクサ202は、800MHz帯の送信系を分離する送信用フィルタ、同受信系を分離する受信用フィルタを含んでいる。
なお、図1の回路例では、800MHz帯と、1.5GHz帯と、1.9GHz帯とを分離するのに高域通過フィルタ11、帯域通過フィルタ12及び低域通過フィルタ14を使い、送信系/受信系を分離するのにデュプレクサ201,202を使っているが、送信系/受信系を分離するのに半導体素子を用いたスイッチ回路を使うこともでき、800MHz帯と、1.5GHz帯と、1.9GHz帯とを分離するのに半導体素子を用いたスイッチ回路を使うこともできる。
205,206は、送信電力をモニターするための方向性結合器である。203,204は、それぞれ1.9GHz帯、800MHz帯の送信信号を電力増幅する電力増幅器である。電力増幅器203,204は、送信信号を増幅する電力増幅用半導体素子と、電力増幅用半導体素子の出力側でインピーダンスマッチングをとる出力整合回路とを含んでいる。前記電力増幅用半導体素子と出力整合回路とによって電力増幅器203,204を構成している。
207,208は送信信号の1.9GHz帯、800MHz帯の周波数帯のみ通過させる帯域通過フィルタである。
前記デュプレクサ201,202の送信用フィルタ及び受信用フィルタ、並びに帯域通過フィルタ207,208は、誘電体上に形成された弾性表面波(Surface Acoustic Wave)フィルタ素子により構成することもできる。SAWは減衰特性が急峻でかつ、小型という特徴があるので、SAWを用いることで分波器の性能が上がる。SAWフィルタ素子の構造は限定されないが、好ましくは、36°Yカット−X伝搬のLiTaO3結晶、64°Yカット−X伝搬のLiNbO3結晶、45°Xカット−Z伝搬のLiB47結晶などからなる基板上に、櫛歯状のIDT(Inter Digital Transducer)電極が形成されたものである。
以下、セルラー/PCS送信系における信号の流れを説明する。送信信号処理回路(図示せず)から出力されるセルラー送信信号は、高周波フィルタBPF208でノイズが削減され、電力増幅器204に入力される。送信信号処理回路(図示せず)から出力されるPCS送信信号は、高周波フィルタBPF208でノイズが削減され、電力増幅器204に入力される。
電力増幅器203,204は、それぞれ1.9GHz帯、800MHz帯の周波数帯の送信信号を電力増幅する。増幅された送信信号は、方向性結合器205,206を通り、前記デュプレクサ201,202の送信用フィルタに入力される。
方向性結合器205,206は、電力増幅器203,204からの出力信号のレベルをモニタして、そのモニタ信号に基づいて、電力増幅器203,204をオートパワーコントロールするためのものである。
一方、受信系は、デュープレクサ201,202で分離された受信信号を低雑音増幅器(図示せず)に入力するための端子を備えている。
本発明では、アンテナ端子1と、高域通過フィルタ11,帯域通過フィルタ12,低域通過フィルタ13との間に、スイッチ回路SW1,SW2,SW3が設置されている。スイッチ回路SW1,SW2,SW3は、それぞれ1つの共通端子2,3,4と2つの切り替え端子5,8;6,9;7,10とを有している。共通端子2,3,4は、アンテナ端子1に接続され、2つの切り替え端子のうち8,9,10は、それぞれ高域通過フィルタ11,帯域通過フィルタ12,低域通過フィルタ13に接続されている。切り替え端子のうち他の5,6,7は、接地されている。
次に、前記高周波モジュール100の素子構造を説明する。高周波モジュール100は、同一寸法形状の複数の誘電体層が積層された誘電体多層基板構造を有している。
誘電体層は、ガラスエポキシ樹脂などの有機系誘電体基板に対して、銅箔などの導体によって配線導体層が形成されたもの、又は、セラミック材料などの無機系誘電体基板に種々の配線導体層を誘電体基板と同時に焼成して形成されたものが用いられる。
前記セラミック材料としては、(1)Al23、AlN、Si34、SiCを主成分とする焼成温度が1100℃以上のセラミック材料、(2)金属酸化物による混合物からなる1100℃以下、特に1050℃以下で焼成される低温焼成セラミック材料、(3)ガラス粉末、あるいはガラス粉末とセラミックフィラー粉末との混合物からなる1100℃以下、特に1050℃以下で焼成される低温焼成セラミック材料の群から選ばれる少なくとも1種が選択される。
前記(2)の混合物としては、BaO−TiO2系、Ca−TiO2系、MgO−TiO2系等のセラミック材料が用いられ、これらのセラミック材料に、SiO2、Bi23、CuO、Li2O、B23等の助剤を適宜添加したものが用いられる。(3)のガラス組成物としては、少なくともSiO2を含み、Al23、B23、ZnO、PbO、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属酸化物のうちの少なくとも1種以上を含有したものであって、具体的には、SiO2−B23−RO系、SiO2−BaO−Al23−RO系、SiO2−B23−Al23−RO系、SiO2−Al23−RO系、さらにはこれらの系にZnO、PbO、Pb、ZrO2、TiO2等を配合した組成物が挙げられる。また、ガラスとしては、焼成処理することによっても非晶質ガラスであるもの、また焼成処理によって、アルカリ金属シリケート、クォーツ、クリストバライト、コージェライト、ムライト、エンスタタイト、アノーサイト、セルジアン、スピネル、ガーナイト、ディオプサイド、イルメナイト、ウイレマイト、ドロマイト、ペタライトやその置換誘導体の結晶を少なくとも1種を析出する結晶化ガラスなどが用いられる。
また、前記(3)におけるセラミックフィラーとしては、Al23、SiO2(クォーツ、クリストバライト)、フォルステライト、コージェライト、ムライト、ZrO2、ムライト、フォルステライト、エンスタタイト、スピネル、マグネシア、AlN、Si34、SiC、MgTiO3、CaTiO3などのチタン酸塩の群から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、ガラス20〜80質量%、フィラー20〜80質量%の割合で混合されることが望ましい。
一方、配線導体層は、誘電体基板と同時焼成して形成するために、誘電体基板を形成するセラミック材料の焼成温度に応じて種々組み合わせられ、例えば、セラミック材料が前記(1)の場合、タングステン、モリブデン、マンガン、銅の群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする導体材料が好適に用いられる。また、低抵抗化のために、銅などとの混合物としてもよい。セラミック材料が前記(2)(3)の低温焼成セラミック材料を用いる場合、銅、銀、金、アルミニウムの群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする低抵抗導体材料が用いられる。
誘電体基板は、誘電率を高くすることで、小さな面積でも充分な静電容量を得ることができるため、ストリップライン長を短縮して、全体構造の小型化に供することができる。また、配線や線路などを低損失の低抵抗導体によって形成できることから、前記(1)(2)の低温焼成セラミック材料によって形成することが望ましい。
この誘電体多層基板の具体的な製造方法を説明する。アルミナ、ムライト、フォルステライト、窒化アルミニウム、窒化珪素、ガラスなどをベースとして、公知の焼結助剤や高誘電率化に寄与するチタン酸塩などの化合物をこれに添加混合してセラミックグリーンシートを作成する。
セラミックグリーンシートの表面に導体層を形成する。導体層の形成方法は、前記金属を含有する導体ペーストをセラミックグリーンシートの表面に塗布したり、金属箔を貼付したりする。
上述した各回路を構成する導体パターンをそれぞれ形成した後、導体パターンが形成されたセラミックグリーンシートを積層し、所要の圧力と温度の下で熱圧着し、焼成する。この場合、各誘電体層には、複数の層にわたって形成された回路を厚み方向に接続するために、貫通孔に導体ペーストが充填してなるビアホール導体が適宣形成される。そして、セラミックグリーンシートを、これらの導体層と同時焼結する。
本発明では、前記高域通過フィルタ11,帯域通過フィルタ12,低域通過フィルタ13は、セラミックグリーンシートに電極パターンを印刷し、それらを積層した、いわゆるストリップラインフィルタで形成される。
前記高域通過フィルタ11,帯域通過フィルタ12,低域通過フィルタ13のアンテナ側線路はそれぞれ誘電体多層基板の表層まで延長されている。これらの表層パターンを、それぞれL4,L5,L6で表す。
また、アンテナ端子1から3つに分岐された線路は、表層パターンL1,L2,L3を形成している。さらに、誘電体多層基板の表層には表層GNDパターンL7,L8,L9が形成されている。
そして、前記スイッチ回路SW1,SW2,SW3は誘電体多層基板の表層に設置され、それらの共通端子2,3,4は、前記表層パターンL1,L2,L3に接続されている。また、スイッチ回路SW1,SW2,SW3の切り替え端子8,9,10は、前記表層パターンL4,L5,L6に接続されている。
そして、前記スイッチ回路SW1の共通端子2と、切り替え端子8又は切り替え端子5との間に、系を選択するためのチップ抵抗が実装され、前記スイッチ回路SW2の共通端子3と、切り替え端子6又は切り替え端子7との間に、系を選択するためのチップ抵抗が実装され、前記スイッチ回路SW3の共通端子4と、切り替え端子7又は切り替え端子10との間に、系を選択するためのチップ抵抗が実装される。
スイッチ回路SW1における表層パターンL1、L4と表層GNDパターンL7は、PCS系を使用するか否かを選択するためのものである。PCS系を使用する場合は、表層パターンL1と表層パターンL4間に抵抗値がほぼ0Ωのチップ抵抗R0を取り付ける。PCS系を使用しない場合は、表層パターンL1と表層GNDパターンL7間に特性インピーダンスに応じたチップ抵抗R50を取り付ける。なお、特性インピーダンスは、50Ωで設計されるのが一般的である。
同様にスイッチ回路SW2における、表層パターンL2,L5と表層GNDパターンL8は、GPS系を使用するか否かを選択するためのものである。GPS系を使用する場合は、表層パターンL2と表層パターンL5間に抵抗値がほぼ0Ωのチップ抵抗R0を取り付ける。GPS系を使用しない場合は、表層パターンL2と表層GNDパターンL8間に特性インピーダンスに応じたチップ抵抗R50を取り付ける。
スイッチ回路SW3における表層パターンL3、L6と表層GNDパターンL9は、セルラー系を使用するか否かを選択するためのものである。セルラー系を使用する場合は、表層パターンL3と表層パターンL6間に抵抗値がほぼ0Ωのチップ抵抗R0を取り付ける。セルラー系を使用しない場合は、表層パターンL3と表層GNDパターンL9間に特性インピーダンスに応じたチップ抵抗R50を取り付ける。
図2(a)は、PCS系、GPS系、セルラー系をすべて使用する場合の、チップ抵抗の配置状態を示す。この場合、3つの信号が通る経路に、それぞれチップ抵抗R0が挿入されている。
図3は、セルラー系のみをすべて使用する場合の、チップ抵抗R50、R0の配置状態を示す。この場合、セルラー系の信号が通る経路にチップ抵抗R0が挿入され、PCS系、GPS系の回路は、それぞれチップ抵抗R50で終端されている。
以上に述べた、対応する系ごとの、SW1〜SW3におけるチップ抵抗の設定方法をまとめて、表1に示す。
Figure 2006108734
以上に述べたチップ抵抗を誘電体多層基板の表層に設置する方法は、次の通りである。複数個取りになった誘電体多層基板を用意し、所定の表層パターンにクリーム半田を印刷し、チップ抵抗を基板の所定の表層パターンの上にマウントし、半田を硬化させるためのリフローを行って冷却し、ダイシング又はスナップにより誘電体多層基板を個片にする。
なお、ダイシングの前に樹脂封止工程を入れれば、表面を平らにでき、ユーザーでの搭載が容易になるので、部品として望ましい形状となる。
以上のように本発明によれば、PCS系、GPS系、セルラー系の選択は、チップ抵抗を誘電体多層基板の表層にチップマウントする時のマウントデータを、表1に基づいて変更することのみで、容易に実現できる。
このように本発明の分波器を用いれば、ひとつの基板で、数種類の分波器を兼ねることができる。これにより、量産効果を利用でき、低価格化と短納期化を実現できるメリットがある。また、設計の時間も削減できるというメリットも有する。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施は、前記の形態に限定されるものではない。例えば、当該系を使用しない場合に用いられる終端するチップ抵抗R50の代わりにチップインダクタを接続すると、このチップインダクタが高域通過フィルタとなり、静電気の300MHz以下の成分は、GNDへ放電される。したがって、静電気対策用のフィルタを構成することができる。特に、前記デュプレクサ201,202の送信用フィルタ及び受信用フィルタにSAWフィルタを使用した場合、SAWの電極は、静電気に対して弱いので、効果的である。ただし、チップインダクタを接続した部分は、設計のインピーダンスからずれるので、使用系の通過帯域のロスが増加するおそれもある。
以上、セルラー系(800MHz帯)、PCS系(1900MHz帯)、GPS系(1575MHz)に対応する、最大系数が3の場合について説明してきたが、通過帯域や通信方式はこれらに限定されるわけではない。例えばGSM方式(Global System for Mobile communication)800MHzと、DCS方式(Digital Cellular System)1.8GHzとを含むデュアルバンドモジュールであってもよい。また、GSM/DCS/PCDなどトリプル又はそれ以上のバンド数を扱う高周波モジュールであってもよい。
本発明の分波器を用いた高周波モジュールの高周波信号処理部を示すブロック構成図である。 (a)は、誘電体多層基板の表層上に配置された、表層パターンL1,L2,L3、表層パターンL1,L2,L3、表層GNDパターンL7,L8,L9を示す斜視図であり、(b)は、同回路図である。 (a)は、誘電体多層基板の表層上に配置された、表層パターンL1,L2,L3、表層パターンL1,L2,L3、表層GNDパターンL7,L8,L9を示す斜視図であり、 (b)は、同回路図である。
符号の説明
1 アンテナ端子
L1〜L3,L4〜L6 表層パターン
L7〜L9 表層GNDパターン
11 高域通過フィルタ
12 帯域通過フィルタ
13 低域通過フィルタ
20 分波器
100 高周波モジュール
201,202 デュープレクサ
203,204 パワーアンプ
205,206 方向性結合器
207,208 SAW帯域通過フィルタ
R0,R50 チップ抵抗 又は チップインダクタ

Claims (8)

  1. 複数の誘電体層が積層されてなる誘電体多層基板に実装され、アンテナ端子に接続され、周波数帯又は通信方式の異なる複数の系を分ける分波器であって、
    前記誘電体多層基板の表層に、アンテナ端子につながる第1の表層パターンと、周波数帯又は通信方式の異なる複数の系にそれぞれつながる第2の表層パターンと、接地された第3の表層パターンとが形成され、
    使用される系は、前記第1の表層パターンと、当該系につながる第2の表層パターンとが、インピーダンスを有する素子で接続され、
    使用されない系は、当該系につながる第2の表層パターンが開放され、前記第1の表層パターンと、第3の表層パターンとがインピーダンスを有する素子で接続されていることを特徴とする分波器。
  2. 前記インピーダンスを有する素子は、前記誘電体多層基板の表層にマウント可能なチップ素子である請求項1記載の分波器。
  3. 前記第1の表層パターンと第2の表層パターンとを接続する前記インピーダンスを有する素子のインピーダンス値は、0Ωである請求項1又は請求項2記載の分波器。
  4. 前記第1の表層パターンと第3の表層パターンとを接続する前記インピーダンスを有する素子のインピーダンス値は、信号線路の特性インピーダンスである請求項1又は請求項2記載の分波器。
  5. 前記インピーダンスを有する素子は、インダクタ成分を有する請求項4記載の分波器。
  6. 前記周波数帯又は通信方式の異なる複数の系には、誘電体上に形成されたSAW(表面弾性波)フィルタが用いられている請求項1から請求項5のいずれかに記載分波器。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の分波器の構造を備え、且つ少なくともデュープレクサ、パワーアンプ、方向性結合器、SAW帯域通過フィルタのいずれかを含むことを特徴とする高周波モジュール。
  8. 請求項7に記載の高周波回路モジュールを搭載した携帯電話機などの無線通信装置。
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