JP2006104508A - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 原料鉱石の種類に関わりなく高品質の焼結鉱を高い生産性と成品歩留りで製造する。
【解決手段】 原料鉱石の少なくとも一部として、水銀圧入測定法によって測定される平均気孔量が0.03〜0.05cm/gの鉱石A、同じく平均気孔量が0.10〜0.12cm/gの鉱石B、同じく平均気孔量が0.07〜0.09cm/gの鉱石Cの中から選ばれる2種以上の鉱石と、P含有量が0.10mass%以上で且つAl含有量が2.0mass%以上の鉱石Dとを配合した焼結原料から焼結鉱を製造するに際し、平均気孔量X=0.04×[%鉱石A]+0.11×[%鉱石B]+0.08×[%鉱石C]+2.0×0.06×[%鉱石D] で定義される鉱石の平均気孔量Xが0.09cm/g以下となるように鉱石を配合する。
【選択図】 図21

Description

本発明は、高炉等の主原料として用いられる焼結鉱の製造方法に関する。
高炉の主原料である焼結鉱は、一般に以下のようにして製造される。まず、粉鉄鉱石に、石灰粉等のCaO含有副原料、珪石や蛇紋岩等のSiO含有副原料及びコークス粉等の炭材を配合し、これに適量の水を加えて混合・造粒する。この造粒された配合原料(焼結原料)を、ドワイトロイド式焼結機のパレット上に所定の厚さに充填し、この充填ベッド表層部の炭材に着火後、下方に向けて空気を吸引しながら充填ベッド内部の炭材を燃焼させ、その燃焼熱により配合原料を焼結させて焼結ケーキとする。そして、この焼結ケーキを粉砕・整粒することにより、粒径が数mm以上の成品焼結鉱が得られる。
安定した高炉操業を行うためには、高品質の焼結鉱が求められる。一般に、焼結鉱の品質はシャッター強度(冷間強度)、還元粉化指数(RDI)、被還元性(RI)などが指標とされるが、これらが指標となる成品焼結鉱の品質は、高炉操業における炉内荷下がり状態の安定性、炉内通気性や通液性、鉱石の還元効率、高温性状等に対して大きな影響を及ぼす。このため焼結鉱の製造プロセスでは厳しい品質管理が行なわれている。また、焼結鉱の製造コストを低減させるために焼結鉱の成品歩留まりの向上が求められ、さらに焼結鉱製造ラインの効率化と生産性の向上が求められる。
ところで、焼結鉱の原料鉄鉱石としては、従来、主としてヘマタイト鉱石(赤鉄鉱)やマグネタイト鉱石(磁鉄鉱)が用いられてきたが、最近このような良質な鉄鉱石の供給量が減少しつつあることに伴い、リモナイト鉱石やマラマンバ鉱石(いずれも豪州産鉄鉱石)などのような結晶水の含有量が高い鉄鉱石を用いる必要に迫られており、将来的にその使用量は益々増大するものと思われる。ここで、マラマンバ鉱石とは、豪州のマラマンバ鉱床から産出される鉄鉱石の総称であって、一般にはゲーサイト(Fe・HO)とマータイト(マグネタイト構造を有するFe)を主要鉱物とし、かつ結晶水を5%前後の高い含有率で含む鉱石である。銘柄名では、ウェストアンジェラス鉱、MAC鉱などが代表的な鉄鉱石である。また、リモナイト鉱石の代表例としては、ピソライト鉱石がある。このピソライト鉱石は、一般には、魚卵状のへマタイト(Fe)の隙間をゲーサイト(Fe・HO)が埋めた内部構造を有し、かつ結晶水を8%前後の高い含有率で含む鉱石である。銘柄名では、ローブリバー鉱、ヤンディクージナ鉱などが代表的な鉄鉱石である。
また、上述した各種の鉄鉱石のようにP含有量が0.10mass%未満(通常、0.06mass%以下)の鉄鉱石に対して、一般にPを0.10mass%以上含有するような鉄鉱石は高燐鉱石と呼ばれる。このようなP含有量の高い鉄鉱石を高炉原料として使用することは、製造される溶銑のP濃度を高め、脱燐処理の負荷を増大させることになるため、従来ではほとんど使用されていなかった。しかし、上述したように良質な鉄鉱石の供給量が減少しつつあることから、この高燐鉱石についても、焼結原料として相当量配合することが検討されつつある。
高結晶水鉱石を焼結原料として使用した場合、(1)焼結における結晶水離脱時の熱分解反応に対して熱補償が必要であるため、その分、配合する炭材(粉コークスなど)を増量する必要がある、(2)結晶水の離脱に起因して、溶融反応過程で生成する融液により局部的過溶融反応が引き起こされる結果、生産性や成品歩留まりが低下する、などの問題が指摘されている。
また、特にマラマンバ鉱石については、微粉分が多く造粒性が劣るため、焼結ベッド(焼結原料層)内の通気性の悪化に起因して成品強度が低下し、これに伴って生産率や成品歩留まりも低下する、などの問題が指摘されている。
従来、微粉分の多いマラマンバ鉱石を使用して焼結鉱を製造する際に、混合撹拌による造粒を強化することを狙いとして、マラマンバ鉱石が配合された焼結原料を高速撹拌して混合・造粒する技術が提案されている(特許文献1)。
特開平7−331342号公報
しかし、特許文献1の技術は特別な撹拌手段を必要とするため、設備コストや処理コストが増大するという問題がある。また、本発明者らが検討したところによれば、特許文献1のようにマラマンバ鉱石を配合した焼結原料の造粒を強化したとしても、必ずしも生産性や成品歩留りは向上しないこと、また、特にマラマンバ鉱石を多量配合した場合には、冷間強度(シャッター強度)が非常に低い焼結鉱しか得られないことが判った。
また、高燐鉱石については、従来では焼結原料としての使用実績があまりないことから、焼結原料中に相当量を配合した場合の焼結鉱の品質や生産性、成品歩留りに及ぼす影響についての検討は殆どなされていない。そこで、本発明者らが高燐鉱石の配合が焼結鉱の品質等に及ぼす影響について調査・検討したところ、高燐鉱石の配合量が増加すると焼結鉱の冷間強度や生産性が低下する傾向があることが判明した。
したがって本発明の目的は、焼結原料に配合する原料鉱石の種類に関わりなく高品質の焼結鉱を製造することができ、とりわけ、高燐鉱石やマラマンバ鉱石を相当量配合した場合でも冷間強度が高い高品質の焼結鉱を高い生産性と成品歩留りで製造することができる焼結鉱の製造方法を提供することにある。
上述したようにマラマンバ鉱石を焼結原料に多量配合した場合に、特許文献1に示されるような焼結原料の造粒を強化する方法では、成品焼結鉱の冷間強度や生産性、成品歩留まりの改善について必ずしも十分な効果が挙げられないということは、本質的な問題が原料の造粒性ではなく別の点にあることを示唆している。そこで本発明者らは、その点を解明すべく種々の実験と検討を行い、同時に、高燐鉱石の配合が成品焼結鉱の品質等に及ぼす影響とその改善策についても種々の実験と検討を行い、それらの結果、次のような事実を知見した。
(1) 焼結原料となる鉄鉱石は、その種類を問わず元々の鉱石粒子内部に微細気孔(微細な空隙)を有しているが、マラマンバ鉱石はその微細気孔量が他の鉱石に較べて格段に多い。このため焼結過程で生成した融液が元々あった微細気孔に浸透してしまうため、鉱石粒子間を結合する融液が不足し、その結果、成品焼結鉱の冷間強度が大きく低下してしまう。
(2) 上記のような鉱石粒子内部の微細気孔と融液の挙動との関係から、成品焼結鉱の冷間強度は焼結原料中に配合される原料鉱石の平均気孔量に大きく依存しており、したがって、鉱石の種類に関わりなく、焼結原料に配合する原料鉱石の平均気孔量を所定の水準以下とすることにより、成品焼結鉱の冷間強度を効果的に高めることができる。
(3) したがって、マラマンバ鉱石を多量配合した場合でも、配合する他の鉄鉱石の種類やその配合率を適宜選択・調整することで、焼結原料に配合する原料鉱石の平均気孔量を所定の水準以下とすることにより、冷間強度が高い高品質の焼結鉱を高い生産性と成品歩留りで製造することができる。
(4) 一方、焼結原料中に高燐鉱石を配合する場合、高燐鉱石の配合が成品焼結鉱の品質等に及ぼす影響は同鉱石の気孔量だけでは整理できない。すなわち、高燐鉱石の平均気孔量はヘマタイト鉱石とマラマンバ鉱石との略中間程度であるが、そのような平均気孔量に基づいて高燐鉱石を上記(3)のような基準に従い配合したとしても、十分な冷間強度を得ることができない。
(5) その理由としては、高燐鉱石は微粉の割合が多いことに加えて、他の鉱石に較べて微粉中のAl含有量がかなり高く、このことに起因して焼結ベッド内で通気性が悪化し、焼結鉱の冷間強度が劣化するものと考えられる。したがって、高燐鉱石を配合する場合には、その気孔量の影響に加えて、上記の点の影響を加味する必要がある。
本発明は、以上のような知見に基づきなされたもので、その特徴は以下のとおりである。
[1] 原料鉱石の少なくとも一部として、水銀圧入測定法によって測定される平均気孔量が0.03〜0.05cm/gの鉄鉱石A(但し、ペレットフィードを除く)、同じく平均気孔量が0.10〜0.12cm/gの鉄鉱石B、同じく平均気孔量が0.07〜0.09cm/gの鉄鉱石Cの中から選ばれる2種以上の鉄鉱石(但し、鉄鉱石A,B,Cは、P含有量が0.10mass%以上で且つAl含有量が2.0mass%以上であるものを除く)と、P含有量が0.10mass%以上、Al含有量が2.0mass%以上の鉄鉱石Dとを配合した焼結原料から焼結鉱を製造する方法であって、
下記(1)式で定義される鉄鉱石の平均気孔量Xが0.09cm/g以下となるように、鉄鉱石を配合した焼結原料から焼結鉱を製造することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
平均気孔量X=0.04×[A%]+0.11×[B%]+0.08×[C%]+2.0×0.06×[D%] … (1)
但し [A%]:[鉄鉱石A量]/[鉄鉱石A,B,C,Dの合計量]
[B%]:[鉄鉱石B量]/[鉄鉱石A,B,C,Dの合計量]
[C%]:[鉄鉱石C量]/[鉄鉱石A,B,C,Dの合計量]
[D%]:[鉄鉱石D量]/[鉄鉱石A,B,C,Dの合計量]
[2] 上記[1]の製造方法において、焼結原料に鉄鉱石Bが配合されることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
[3] 上記[1]の製造方法において、焼結原料に鉄鉱石A、鉄鉱石B及び鉄鉱石Cが配合されることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
[4] 上記[2]又は[3]の製造方法において、鉄鉱石A、鉄鉱石B、鉄鉱石C及び鉄鉱石Dの合計量に対する鉄鉱石Bの割合が20mass%以上であることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
[5] 上記[2]〜[4]のいずれかの製造方法において、鉄鉱石A、鉄鉱石B、鉄鉱石C及び鉄鉱石Dの合計量に対する鉄鉱石Dの割合が20mass%以上であることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
ここで、本発明が規定する鉄鉱石の平均気孔量は、粒径4〜7mmの鉱石について、水銀圧入式細孔分布測定装置を用いた水銀圧入測定法(押込み圧力:0.007〜412MPa)により測定した微細気孔量の平均値(N=10の平均値)である。なお、上記押込み圧力範囲は、細孔径0.035〜200μmの気孔量を測定可能な圧力であり、このような圧力範囲で測定することにより、一般的な水銀圧入式細孔分布測定装置を用いて、本発明が対象とする鉄鉱石A〜C及び鉄鉱石Dの微細気孔量を正確に測定することができる。
本発明によれば、焼結原料に配合される原料鉱石の平均気孔量であって且つ高燐鉱石の特殊性を考慮して定義された特定の平均気孔量を調整することにより、原料鉱石の種類に関わりなく高品質の焼結鉱を製造することができ、とりわけ、高燐鉱石やマラマンバ鉱石を相当量配合する場合でも、冷間強度が高い高品質の焼結鉱を高い生産性と成品歩留りで製造することができる。
以下、本発明の詳細と好ましい実施形態を説明する。
まず、高燐鉱石以外の鉄鉱石(鉄鉱石A〜C)の配合条件について説明する。
図1は、実機による焼結鉱の製造試験において、原料鉱石中のマラマンバ鉱石の配合率を変化させ、焼結鉱の生産率と成品歩留まりを調べた結果を示している。この操業(全3日間)では、原料鉱石中でのマラマンバ鉱石と普通鉱石であるヘマタイト鉱石の配合比を、図2に示すように、(a)へマタイト鉱石:100mass%、(b)へマタイト鉱石:約80mass%、マラマンバ鉱石:約20mass%、(c)へマタイト鉱石:約60mass%、マラマンバ鉱石:約40mass%、という3水準に変化させ、標準的な造粒方法及び造粒条件で焼結原料を擬似粒子に造粒し、これをドワイトロイド式焼結機に装入して焼成し、焼結鉱を製造した。マラマンバ鉱石としてはMAC鉱を、またへマタイト鉱石としてはマウントニューマン鉱をそれぞれ用いた。その他の製造・操業条件としては、新原料中の生石灰比率:2.0mass%、焼結機内原料装入厚:580mmとし、また、焼結鉱の化学組成がSiO:5.1mass%、CaO:10.2mass%、MgO:1.0mass%になるように、焼結原料中の石灰石、珪石、Niスラグ、ドロマイトの配合率を調整した。
図1によれば、原料鉱石中でのマラマンバ鉱石の配合率が増加するに従い、成品焼結鉱の生産率と歩留まりが低下している。この理由を調べた結果、マラマンバ鉱石の配合率が増加すると焼結鉱の冷間強度が低下し、その結果、成品歩留まりと生産率の低下を招くことが確認できた。
図3は、実機による焼結鉱の製造において、原料鉱石中の鉱石の配合を、(a)微粉のへマタイト鉱石:約10mass%、その他鉱石(へマタイト鉱石主体の普通鉱石):約90mass%、(b)マラマンバ鉱石:約10mass%、その他鉱石(へマタイト鉱石主体の普通鉱石):約90mass%、という2水準とした操業を行い、成品焼結鉱の冷間強度(タンブラー強度)や生産率等の変化を調べた結果を示している。この操業では、原料鉱石中の微粉鉱(ペレットフィード)の配合率が約10mass%の焼結原料を、途中で原料鉱石中のマラマンバ鉱石の配合率が約10mass%の焼結原料に切り替え、その影響を調査したものであり、原料の造粒性を強化した造粒法(所謂HPS法)を適用して焼結原料の造粒を行い、焼結鉱を製造した。
図3の結果によれば、原料鉱石中に10mass%の微粉鉱石(ペレットフィード)を配合した(a)の原料配合に対して、その微粉鉱石分をマラマンバ鉱石に置き換えた(b)の原料配合の場合には、成品焼結鉱の冷間強度(タンブラー強度)は大きく低下し、ほとんど管理限界に近づいている。
以上の図1及び図3の結果から、造粒方法や造粒条件の如何に関わりなく、或る程度の配合率でマラマンバ鉱石を配合した場合には、成品焼結鉱の冷間強度が低下してしまうことが確認できた。ここで、マラマンバ鉱石は、他の鉄鉱石に比べて鉱石粒子内部の微細気孔が非常に多いことが知られており、このような鉱石粒子内部に存在する微細気孔が、焼結過程で生成する融液の挙動に影響を及ぼし、成品焼結鉱の冷間強度に悪影響を与えていることが考えられた。そこで、試験鍋(φ100mm×100mm)とX線CT装置とを備えた図4に示すような試験装置を用い、表1に示す原料鉱石を配合した焼結原料を焼成し(焼結中風速:0.29Nm/s、コークス比:5.5%、混合原料中CaO比:9.0%、混合原料中SiO比:5.0%、原料粒度:−3mm)、焼結過程での原料鉱石及び焼結ケーキの気孔構造と融液流動状況の解析を行った。
この試験では、表1のNo.1〜No.3の各原料鉱石を配合した焼結原料について、焼結開始から焼結が完了して一定時間経過後までの一連の過程における原料鉱石及び焼結ケーキのX線CT画像を得た。図5に、各焼結ケーキのX線CT画像の一例(焼成完了後のもの)を示す。これらのX線CT画像に基づき、以下のような手法で焼結中の各原料鉱石及び焼結ケーキの気孔構造の解析と融液流動状況の解析を行った。
気孔構造の解析では、図6に示すようにX線CT画像を固体部と気孔部に二値化し、これをさらに細線化処理し、この細線化処理画像からブランチ(気孔)の総面積Ap(mm)と総長さLbt(mm)を求め、ブランチ幅=Ap/Lbtによりブランチ幅を求めた。このブランチ幅は焼結ケーキ内部に存在する空洞の太さに相当するものである。
また、融液流動状況の解析では、図7に示すように時間間隔をおいた2つのX線CT画像(X線CT画像1=t1秒、X線CT画像2=t2秒)を固体部と気孔部に二値化し、この二値化画像に基づき、「t2−t1秒」間に固体部から気孔部に変化した面積S1と、同じく気孔部から固体部に変化した面積S2を求め、融液流動指数=(S1+S2)/(t2−t1)により融液流動指数を求めた。この融液流動指数は原料鉱石粒子間での融液の移動量(単位時間当たりの移動量)の指標となるものである。
図8は、焼結過程における原料鉱石及び焼結ケーキの気孔構造の解析結果を示すものである。これによれば、No.2(へマタイト鉱石:40mass%、マラマンバ鉱石:60mass%)やNo.3(へマタイト鉱石:40mass%、リモナイト鉱石:60mass%)の試験例は、No.1(へマタイト鉱石:100mass%)の試験例に比べてブランチ幅の成長速度と焼結ケーキのブランチ幅がかなり小さい。すなわち、これらNo.2とNo.3の場合には、No.1に比べて気孔の成長速度が遅く、かつ気孔そのものもの太くなり難いことを示している。また、No.2(へマタイト鉱石:40mass%、マラマンバ鉱石:60%)とNo.3(へマタイト鉱石:40mass%、リモナイト鉱石:60mass%)を比べると、No.3の方がNo.2よりも焼結ケーキのブランチ幅は大きくなっている。
焼結過程で生成する気孔は、主として鉱石粒子間での融液の移動により形成される(すなわち、融液が他所に移動した後の部分が気孔となる)ものであり、したがって、ブランチ幅の成長速度が大きくかつ焼結ケーキのブランチ幅が大きい(気孔が太い)ということは、鉱石粒子間での融液の移動量が大きいことを意味している。図9は、融液流動指数と図8の結果に基づくブランチ幅の成長速度との関係を示したものであるが、そのことが端的に示されている。
上記のように、配合する鉱石の種類とその配合率の違いによって鉱石粒子間での融液の移動量が大きく異なる理由について検討した結果、鉱石粒子間での融液の移動量が、鉱石粒子が元々有する微細気孔の多寡に大きく依存していることが判明した。これをマラマンバ鉱石とへマタイト鉱石を例に、図10の模式図に基づいて説明すると、図10(a)に示すマラマンバ鉱石の場合には、へマタイト鉱石に比べて鉱石粒子内部に微細気孔が非常に多く存在するため、鉱石粒子の周囲で生成した融液の相当量がその微細気孔内に吸収され、その結果、鉱石粒子間での融液の移動量が少なくなる。そして、焼結過程で生成した融液は鉱石粒子間を結合するボンドとなるため、融液の相当量が微細気孔内に吸収されてしまうと、鉱石粒子間を結合するボンド量が不足し、この結果として焼結鉱の冷間強度が低下してしまう。これに対して図10(b)に示すヘマタイト鉱石の場合には、鉱石粒子内部の微細気孔が少ないため、鉱石粒子の周囲で生成した融液の大部分が、微細気孔内に吸収されることなく鉱石粒子間に留まるため、鉱石粒子間での融液の移動量が多くなり、その結果として気孔も太くなる。そして、この鉱石粒子間に留まった多量の融液が鉱石粒子間を結合するボンドとなるため、高い冷間強度を有する焼結鉱が得られるものである。
以上の検討結果から、成品焼結鉱の冷間強度を高めるには、焼結原料中に配合される原料鉱石の平均気孔量を規制することが有効であり、これにより鉱石の種類に関わりなく、所定の水準以上の冷間強度を有する成品焼結鉱が得られることが判った。したがって、マラマンバ鉱石を多量配合した場合でも、配合される他の鉱石の種類やその配合率を適宜調整・選択することで、原料鉱石の平均気孔量を規制することにより、冷間強度が高い高品質の成品焼結鉱を得ることができる。
図11は、水銀圧入測定法(水銀圧入式細孔分布測定装置を用い、押込み圧力:0.007〜412MPaで測定)で測定したヘマタイト鉱石、マラマンバ鉱石及びリモナイト鉱石(いずれも粒径4〜7mmの鉱石)の気孔径分布の一例を示したものである。同様の気孔径分布を各種の鉄鉱石について調査し、その気孔径分布に基づく加重平均気孔量を求めた結果、現在知られている焼結用鉄鉱石(但し、後述する高燐鉱石は除く)を融液の挙動に関係するような微細気孔量の多寡で分類すると、以下のような3種類に大別できることが判った。
鉄鉱石A 平均気孔量:0.03〜0.05cm/g
鉄鉱石B 平均気孔量:0.10〜0.12cm/g
鉄鉱石C 平均気孔量:0.07〜0.09cm/g
ここで、鉄鉱石Aに含まれる主要な鉱石としてはヘマタイト鉱石、マグネタイト鉱石等が挙げられ、また、鉄鉱石Bに含まれる主要な鉱石としてはマラマンバ鉱石等が挙げられ、鉄鉱石Cに含まれる主要な鉱石としてはピソライト鉱石に代表されるリモナイト鉱石等が挙げられる。
このような3種類の鉄鉱石A〜Cを用いて焼結試験を繰り返し、それらの微細気孔量と成品焼結鉱の冷間強度との関係について整理した結果、焼結原料に配合される鉄鉱石において、融液の挙動と関係する鉄鉱石の平均気孔量は下記(a)式で定義することができ、かつこの平均気孔量Xを0.09cm/g以下とすることにより、成品焼結鉱の冷間強度を効果的に高めることができることが判明した。なお、上記平均気孔量は、粒径4〜7mmの鉱石について、水銀圧入式細孔分布測定装置を用いた水銀圧入測定法(押込み圧力:0.007〜412MPa)により測定した微細気孔量の平均値(N=10の平均値)である。
平均気孔量X=0.04×[A%]+0.11×[B%]+0.08×[C%] … (a)
但し [A%]:[鉄鉱石A量]/[鉄鉱石A,B,Cの合計量]
[B%]:[鉄鉱石B量]/[鉄鉱石A,B,Cの合計量]
[C%]:[鉄鉱石C量]/[鉄鉱石A,B,Cの合計量]
なお、微粉鉱石であるペレットフィードが焼結用の原料鉱石の一部として用いられており、このペレットフィードは鉱物組成上はヘマタイト鉱石及びマグネタイト鉱石に属するが、ペレットフィードは微粉であるために、その微細気孔は融液の挙動に大きな影響を与えないことが判った。このため本発明では、ペレットフィードは鉄鉱石Aの対象から除外する。
以上が鉄鉱石A,B,Cを配合する場合に妥当する条件であるが、以下に述べるように、高燐鉱石を配合する場合には多少事情が異なる。
高燐鉱石、リモナイト鉱石、ヘマタイト鉱石、マラマンバ鉱石について、それらの代表的な化学組成とLOI(結晶水含有量と高い相関がある加熱後質量減少割合)を表2に、同じく代表的な粒度構成(粒度分布、算術平均径)を表3に示す。これによれば、高燐鉱石はP含有量が他の鉱石よりも突出して高く、一般に他の鉱石のP含有量は0.06mass%以下であるのに対して、0.10mass%以上のPを含有する。また、高燐鉱石はAl含有量が2.0mass%以上と比較的高く、LOIもリモナイト鉱石よりは低いものの、ヘマタイト鉱石の約2倍である。また、高燐鉱石の粒度構成については、粒径0.25mm以下の微粉の割合は33mass%とマラマンバ鉱石に並みに高く、算術平均径も1.86mmであってマラマンバ鉱石並みに細粒であることが特徴である。
以上のような、いわゆる高燐鉱石の特徴からして、高燐鉱石はP含有量とAl含有量とにより他の鉱石(先に挙げた鉄鉱石A〜C)から区別することができ、このため本発明では、P含有量:0.10mass%以上、Al含有量:2.0mass%以上の鉱石を「高燐鉱石」と定義する。
図12に、高燐鉱石とブレンド鉱石(鉄鉱石A:50mass%、鉄鉱石B:10mass%、鉄鉱石C:40mass%)の粒度毎の質量割合と化学組成の比較を示す。これによれば、高燐鉱石は粒径0.063mm以下の微粉の割合が24mass%と多く、且つその微粉中でのAl含有量がブレンド鉱石に較べて非常に高く、微粉部分にAlが濃化していることが判る。
表4にNo.1〜No.3として示した、リモナイト鉱石100mass%の原料鉱石と、その一部を高燐鉱石に置き換えた原料鉱石を、それぞれ焼結原料に配合し、焼結試験鍋(試験鍋サイズ:300mmφ×400mmH)を用いて焼結鉱を製造した。その際の原料装入密度、擬似粒子径、焼結中風速及び焼結時間を図13に示す。その他の焼結条件としては、吸引圧力:1000mmHO、コークス比:5.3%、混合原料中CaO比:9%、混合原料中SiO比:5%、原料粒度:−10mmとした。得られた成品焼結鉱の品質、生産率及び歩留まりを図14に示す。
図13によれば、No.1のリモナイト鉱石100mass%に対して高燐鉱石の配合量(置換量)が増加するに従い(No.2→No.3)、比重が小さく粗粒であるリモナイト鉱石との置換であるため、装入嵩密度が増加するとともに、擬似粒子径は低下する。また、高燐鉱石の配合量の増加に伴い、焼結中の風速(通気性)が低下し、焼結時間が長くなっている。また、図14によれば、高燐鉱石の配合量の増加に伴い、劣質といわれているリモナイト鉱石と置換したにも拘わらず、成品焼結鉱の生産率と歩留まりは低下している。具体的には、高燐鉱石をリモナイト鉱石と10mass%置換する毎に、生産率は0.01t/hr・m低下している。この理由を調べた結果、高燐鉱石の配合量が増加すると焼結鉱の冷間強度が低下し、その結果、成品歩留まりと生産率の低下を招くことが確認できた。さらに、高燐鉱石の配合量の増加に伴い、被還元性はそれほど変化しないものの、還元粉化性が悪化している。
図15は、リモナイト鉱石100mass%を配合した焼結原料(表4のNo.1)と、高燐鉱石60mass%、リモナイト鉱石40mass%を配合した焼結原料(表4のNo.3)の上記焼結試験において、焼結中の通気性の変化を調べたものである。これによれば、No.1のリモナイト鉱石100mass%を配合した焼結原料に対し、高燐鉱石を相当量配合したNo.3の焼結原料では焼結時間が長くなり、通気性が悪化していることが判る。
ここで、焼結過程における通気性(ガス風速)の変化に注目すると、高燐鉱石を配合した焼結原料は、主に湿潤帯での通気抵抗が支配的な焼結前半部においても通気性は悪化しているものの、特に、主に溶融帯での通気抵抗が支配的な焼結後半部における通気性の悪化が著しい。つまり、高燐鉱石の配合が通気性の悪化に及ぼす影響としては、同鉱石が細粒であるために造粒性が低下し(造粒による擬似粒子径が大きくならない)、これに起因した湿潤帯での通気性悪化は認められるものの、その影響は小さく、一方、主に高燐鉱石が溶融している状態(溶融帯)での通気性の悪化が顕著であり、これが冷間強度や生産性に大きな悪影響を与えるものと考えられる。
図16は、図15と同様の焼結原料を焼成した際の排ガス組成を調べた結果を示している。これによれば、No.1のリモナイト鉱石100mass%を配合した焼結原料に対し、高燐鉱石を相当量配合したNo.3の焼結原料では排ガス中のCO濃度が上昇し、CO濃度が低下している。これは、高燐鉱石の配合に伴いコークスの燃焼性が阻害されたことによるものと考えられる。ここで、稲角らにより、融液の流動性が悪化するとコークスが融液に包まれて燃焼する比率が高まり、その結果、コークスの燃焼性が阻害されることが報告(鉄と鋼 vol.78 (1992), p1053)されている。
以上述べた通気性の悪化(図15)やコークス燃焼性の悪化(図16)の原因は、高燐鉱石の配合によって焼成時の融液の流動性が低下したためであると推察される。本発明者らは、先に挙げた高燐鉱石の成分組成及び粒度構成上の特徴、すなわち、微粉の割合が多く且つこの微粉中でのAl含有量が非常に高いという特徴に着目し、融液生成の基点であり且つ融液生成源の主要部でもある微粉中にAlが多く含まれることが、高燐鉱石を配合した場合の融液流動性の悪化の原因であると推定し、これを確認すべく、以下のような実験を行った。
CaO:20mass%、Fe:80mass%のCaO−Fe系融液に、それぞれ0.5mass%、1mass%、2mass%、6mass%、8mass%の割合でAl試薬を添加し、1300℃、1350℃、1400℃の各温度における各融液の粘度を測定した。なお、一般に1300℃は焼結ベッド上層の焼成温度に、1400℃は焼結ベッド下層の焼成温度に、それぞれ相当する。この融液の粘度測定では、図17に示すような球引き上げ法を採用した。この測定方法は、融液中に吊り下げられた球を引き上げる際に、天秤指示針の一定区間での移動速度を基に融液の粘度を算出するものである。図18は、その結果を示すものであり、融液の温度に拘わりなくAl添加量の増大に従い、融液の粘度が上昇することが判る。
次に、上記試験において様々な粘度を示した融液を用い、これら融液の充填層中での浸透速度を測定し、融液の粘度と充填層中における融液の浸透速度との関係を調べた。この浸透速度の測定では、図19に示すような浸透試験装置を用いた。この試験装置は、縦長のシリンダ容器内にガラスビーズの充填層を形成し、この充填層の上部から融液を滴下させ、充填層内での融液の浸透速度を測定するものである。図20は、測定された融液の浸透速度に基づき、融液の粘度と浸透速度との関係を示したもので、融液粘度の上昇とともに、融液の浸透速度(流動性)が低下することが判る。
以上の結果から、高燐鉱石の場合には、Al含有量が濃化した多量の微粉により生じる融液の粘度が大きいため、融液の流動性が低下し(すなわち、鉱石粒子間での融液の移動量が少なくなる)、焼結ケーキ中での気孔の成長が阻害され、これらによって通気性の悪化やコークス燃焼性の悪化が引き起こされ、成品焼結鉱の冷間強度の低下と生産率、歩留まりの低下につながるものと考えられる。
したがって、高燐鉱石を配合する場合の配合条件については、先に述べた鉄鉱石A〜Cと同様の平均気孔量による冷間強度への影響に加えて、微粉(Alが濃化した微粉)により生じる融液の流動性低下に起因した冷間強度の低下等を考慮する必要がある。
まず、図11と同様の水銀圧入測定法(水銀圧入式細孔分布測定装置を用い、押込み圧力:0.007〜412MPaで測定)により高燐鉱石の気孔径分布を調査し、その気孔径分布に基づく加重平均気孔量を求めた結果、高燐鉱石(鉄鉱石D)の平均気孔量(融液の挙動に関係するような微細気孔量)は、以下のような範囲になることが判った。
鉄鉱石D 平均気孔量:0.05〜0.07cm/g
そして、この高燐鉱石(鉄鉱石D)と上述した3種類の鉄鉱石A〜Cを用いて焼結試験を繰り返し、上述したような高燐鉱石(鉄鉱石D)の特殊性を加味した上で、それらの微細気孔量と成品焼結鉱の冷間強度との関係について整理した結果、高燐鉱石(鉄鉱石D)を配合する場合には、融液の挙動と関係する鉄鉱石の平均気孔量は下記(1)式で定義することができ、かつこの平均気孔量Xを0.09cm/g以下とすることにより、成品焼結鉱の冷間強度を効果的に高めることができることが判明した。なお、上記平均気孔量は、粒径4〜7mmの鉱石について、水銀圧入式細孔分布測定装置を用いた水銀圧入測定法(押込み圧力:0.007〜412MPa)により測定した微細気孔量の平均値(N=10の平均値)である。
平均気孔量X=0.04×[A%]+0.11×[B%]+0.08×[C%]+2.0×0.06×[D%] … (1)
但し [A%]:[鉄鉱石A量]/[鉄鉱石A,B,C,Dの合計量]
[B%]:[鉄鉱石B量]/[鉄鉱石A,B,C,Dの合計量]
[C%]:[鉄鉱石C量]/[鉄鉱石A,B,C,Dの合計量]
[D%]:[鉄鉱石D量]/[鉄鉱石A,B,C,Dの合計量]
図21は、上述した試験の結果を整理したもので、焼結原料に配合される鉄鉱石(高燐鉱石を含む鉄鉱石)の平均気孔量X(上記(1)式で定義される平均気孔量X)と成品焼結鉱の冷間強度(シャッター強度)との関係を示している。同図に示されるように、焼結原料に配合される鉄鉱石の平均気孔量Xを0.09cm/g以下とすることにより、成品焼結鉱の冷間強度(シャッター強度)を管理値である89.5%以上の水準にできることが判る。
したがって、本発明では、原料鉱石の少なくとも一部として、上記鉄鉱石A〜Cの中から選ばれる2種以上の鉄鉱石と、鉄鉱石D(高燐鉱石)とを配合した焼結原料から焼結鉱を製造する際に、焼結原料中に上記(1)式で定義される鉄鉱石の平均気孔量Xが0.09cm/g以下となるように鉄鉱石を配合し、この焼結原料から焼結鉱を製造するものである。
このような本発明の焼結鉱の製造方法は、マラマンバ鉱石が属する鉄鉱石Bや高燐鉱石である鉄鉱石Dを相当量配合する場合に特に有用であり、例えば、(1)鉄鉱石A、鉄鉱石B、鉄鉱石C及び鉄鉱石Dの合計量(但し、鉄鉱石A〜Cの中のいずれかが配合されない場合を含む)に対する鉄鉱石Bの配合割合が20mass%以上であるような鉄鉱石B高配合の場合、(2)鉄鉱石A、鉄鉱石B、鉄鉱石C及び鉄鉱石Dの合計量(但し、鉄鉱石A〜Cの中のいずれかが配合されない場合を含む)に対する鉄鉱石Dの配合割合が20mass%以上であるような鉄鉱石D高配合の場合、(3) 鉄鉱石A、鉄鉱石B、鉄鉱石C及び鉄鉱石Dの合計量(但し、鉄鉱石A〜Cの中のいずれかが配合されない場合を含む)に対する鉄鉱石Bの配合割合が20mass%以上、鉄鉱石Dの配合割合が20mass%以上であるような鉄鉱石B・鉄鉱石D高配合の場合、などにおいても冷間強度が高い高品質の焼結鉱を高い成品歩留まりと生産率で製造することができる。
原料鉱石中のマラマンバ鉱石の配合率と成品焼結鉱の生産率及び歩留まりとの関係を示すグラフ 図1の試験における原料鉱石の配合率を示す説明図 焼結原料中に微粉鉱石+普通鉱石を配合した操業例と、マラマンバ鉱石+普通鉱石を配合した操業例について、コークス比及び焼結鉱の冷間強度の推移を示すグラフ 焼成中の原料鉱石及び焼結ケーキの気孔構造と融液流動状況の解析を行うために用いた試験装置を示す説明図 図4の試験装置で得られた焼結ケーキのX線CT画像の一例を示す図面 焼成中の原料鉱石及び焼結ケーキの気孔構造の解析を行うために採られた手法を示す説明図 焼結中の原料鉱石及び焼結ケーキの融液流動状況の解析を行うために採られた手法を示す説明図 焼成中の原料鉱石及び焼結ケーキのブランチ(気孔)幅の推移を示すグラフ 図8で得られたブランチ幅の成長速度と融液流動指数との関係を示すグラフ 焼結過程で生成する融液の挙動をマラマンバ鉱石とへマタイト鉱石を例に示した説明図 水銀圧入法で測定したヘマタイト鉱石、マラマンバ鉱石及びリモナイト鉱石の気孔径分布の一例を示すグラフ 高燐鉱石とブレンド鉱石の粒度毎の質量割合と化学組成を示すグラフ 表4のNo.1〜No.3の原料鉱石をそれぞれ焼結原料に配合し、焼結試験鍋を用いて焼結鉱を製造した際の原料装入密度、擬似粒子径、焼結中風速及び焼結時間を示すグラフ 表4のNo.1〜No.3の原料鉱石をそれぞれ焼結原料に配合し、焼結試験鍋を用いて製造された焼結鉱の品質、生産率及び歩留まりを示すグラフ 表4のNo.1とNo.3の原料鉱石をそれぞれ配合した焼結原料について、焼結中の通気性の変化を示すグラフ 表4のNo.1とNo.3の原料鉱石をそれぞれ配合した焼結原料を焼成した際の排ガス組成を示すグラフ 融液の粘度測定に用いた球引き上げ法を示す説明図 Al試薬を添加したCaO−Fe系融液の粘度を示すグラフ 融液の充填層中での浸透速度を測定するための装置を示す説明図 融液の粘度と充填層中での浸透速度との関係を示すグラフ 焼結原料に配合される鉄鉱石の平均気孔量Xと成品焼結鉱の冷間強度(シャッター強度)との関係を示すグラフ

Claims (5)

  1. 原料鉱石の少なくとも一部として、水銀圧入測定法によって測定される平均気孔量が0.03〜0.05cm/gの鉄鉱石A(但し、ペレットフィードを除く)、同じく平均気孔量が0.10〜0.12cm/gの鉄鉱石B、同じく平均気孔量が0.07〜0.09cm/gの鉄鉱石Cの中から選ばれる2種以上の鉄鉱石(但し、鉄鉱石A,B,Cは、P含有量が0.10mass%以上で且つAl含有量が2.0mass%以上であるものを除く)と、P含有量が0.10mass%以上、Al含有量が2.0mass%以上の鉄鉱石Dとを配合した焼結原料から焼結鉱を製造する方法であって、
    下記(1)式で定義される鉄鉱石の平均気孔量Xが0.09cm/g以下となるように、鉄鉱石を配合した焼結原料から焼結鉱を製造することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
    平均気孔量X=0.04×[A%]+0.11×[B%]+0.08×[C%]+2.0×0.06×[D%] … (1)
    但し [A%]:[鉄鉱石A量]/[鉄鉱石A,B,C,Dの合計量]
    [B%]:[鉄鉱石B量]/[鉄鉱石A,B,C,Dの合計量]
    [C%]:[鉄鉱石C量]/[鉄鉱石A,B,C,Dの合計量]
    [D%]:[鉄鉱石D量]/[鉄鉱石A,B,C,Dの合計量]
  2. 焼結原料に鉄鉱石Bが配合されることを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
  3. 焼結原料に鉄鉱石A、鉄鉱石B及び鉄鉱石Cが配合されることを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
  4. 鉄鉱石A、鉄鉱石B、鉄鉱石C及び鉄鉱石Dの合計量に対する鉄鉱石Bの割合が20mass%以上であることを特徴とする請求項2又は3に記載の焼結鉱の製造方法。
  5. 鉄鉱石A、鉄鉱石B、鉄鉱石C及び鉄鉱石Dの合計量に対する鉄鉱石Dの割合が20mass%以上であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の焼結鉱の製造方法。
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