JP3820132B2 - 焼結原料の事前処理方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼結鉱製造工程の造粒工程における焼結原料の事前処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄鉱石焼結鉱の製造に際しては、まず鉄鉱石、石灰石、蛇紋岩、粉コークス等の焼結原料を所定の割合に配合してから、この焼結原料に必要量の水分を加えて造粒し、焼結パレットに装入して焼結原料充填層を形成する。次に、点火炉において、この焼結原料充填層の表面(表層部)に火を着けると共に、ウインドボックスを介して排風機によって装入原料(焼結原料充填)層の上方の空気を吸引する。これにより、焼結原料中に配合されたコークスが燃焼し、その熱で順次焼成が行われた後、排鉱部において焼成物(焼結ケーキとも言う)がパレットより排出される。排出された焼成物は、破砕冷却された後、ある一定粒径以上の産物を焼結鉱として高炉用原料に供給する。なお、一定粒径未満の粉粒体(以下、返鉱と言う)は、再び焼結原料として使用される。
この焼結鉱製造工程において、焼結原料の造粒は焼成時の充填層の通気性を左右するものであり、焼結鉱の生産性に大きく影響を及ぼす。従って、造粒工程の改善については従来から多くの検討がなされてきた。
【0003】
前記した焼結原料を製造する造粒装置としては、世界的に普及しているドラムミキサーが一般的であったが、近年では、例えばパンペレタイザーや高速撹拌羽根を内蔵したミキサー(以後、高速撹拌ミキサーと略す)等の混合造粒機も実用化されている。
特許第2790008号では、0.5mm以下の微粉を30wt%以上含む焼結原料の事前処理方法として、高速撹拌ミキサーを使用して焼結原料の水分を6.5〜10.0%にして混合する方法が開示されている。これは、高速撹拌ミキサー独特のねっか処理効果(剪断力を与えつつ混合する効果)を引き出すために造粒水分量を規定したものであり、造粒水分を鉄鉱石毎の遠心分離法で計測される吸水性指数よりも1.0〜3.0%高くする方法である。
また、近年、焼結原料に使用する鉄鉱石原料として、従来から使用されているヘマタイト鉱石に比べて安価な、例えばピソライト鉱石、マラマンバ鉱石等のゲーサイト鉱石の使用が多くなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した焼結原料の事前処理方法を用いて、ヘマタイト鉱石の処理方法と同様にゲーサイト鉱石を処理しようとする場合、ゲーサイト鉱石はヘマタイト鉱石と吸水機構が異なるため、高速撹拌ミキサーで混合造粒すると水分が不足して、鉄鉱石原料の造粒性が悪化するので、焼成時の通気悪化を引き起こす等の問題が生じる場合がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、ゲーサイト鉱石を多量に配合した鉄鉱石原料の造粒性を向上させる焼結原料の事前処理方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る焼結原料の事前処理方法は、結晶水を4質量%以上含有するゲーサイト鉱石を70質量%以上配合した鉄鉱石原料に水分を添加し、これを高速撹拌羽根を内蔵した混合機を使用して混合造粒するに際して、前記鉄鉱石原料の含水率が10.0質量%を超え12.5質量%以下となるように前記水分を添加し、前記高速撹拌羽根の回転数を100〜300rpmとする。
【0006】
焼結原料として使用する鉄鉱石の種類は多岐に亘っており、鉱石種毎に吸水機構が異なることから、単純な吸水機構に基づく評価試験結果のみだけでは、最適な水分量(含水率)を決定することができない。即ち、良好な造粒を行う場合には、この鉄鉱石の種類の影響を考慮した適正水分量を設定することが求められる。本発明者らは、近年その使用量が増加しつつある例えばピソライト鉱石、マラマンバ鉱石等のゲーサイト鉱石の造粒性特性について、詳細に検討を進めた。その結果、ゲーサイト鉱石は、4質量%以上の結晶水(ゲーサイト鉱物由来)を含有しているため、ヘマタイト鉱石よりも濡れ性が高く、かつ気孔率が高いことが判明した。これらの濡れ性及び気孔率の高いゲーサイト鉱石を例えば高速撹拌ミキサーで混合造粒する場合には、ヘマタイト鉱石を通常のドラムミキサー等で造粒する場合より高水分レベルで混合を行うことにより、著しい造粒性の改善効果が得られる現象を見出した。
【0007】
即ち、ゲーサイト鉱石をドラムミキサーで造粒した場合、このゲーサイト鉱石の気孔内に水分が侵入することなく鉱石表面に水分が付着するので、高水分(含水率:10.0質量%超〜12.5質量%)状態にすることで造粒時は水分過剰状態となって良好な造粒ができなくなる。また、ヘマタイト鉱石と同等の低含水量とすることで造粒を良好に行うことができるが、濡れ性が良好である理由から、時間が経過するにつれて気孔内に水分が順次侵入するので、焼結パレット上に装入する時点では、ゲーサイト鉱石表面の水分が不足した状態となって造粒物が粉化して通気性を悪化する。
一方、ゲーサイト鉱石を高速撹拌ミキサーで造粒した場合、造粒中に水分が気孔内に侵入して、このゲーサイト鉱石の気孔内及び表面に水分がまんべんなく付着することから、前記高水分状態にすると造粒が適正に行われ、しかも時間が経過してもゲーサイト鉱石の気孔内に水分が侵入することがないので、焼結パレット上に装入する時点においても、その造粒性は維持されて通気性の悪化を招くことはない。
【0008】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1(A)、(B)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係る焼結原料の事前処理方法を適用した造粒法の説明図、図2は同焼結原料の事前処理方法に使用するゲーサイト鉱石が含有する結晶水と湿潤熱との関係を示す説明図、図3は同焼結原料の事前処理方法に使用する鉱石原料の含水率の影響を示す説明図である。
【0009】
図1(A)に示すように、本発明の一実施の形態に係る焼結原料の事前処理方法は、結晶水を4質量%以上含有するゲーサイト鉱石(例えば、ピソライト鉱石、マラマンバ鉱石等)を70質量%以上配合した鉄鉱石原料に水分を添加し、これを高速撹拌羽根を内蔵した混合機の一例である高速撹拌ミキサー(アイリッヒミキサー)を使用して混合造粒する方法である。以下、詳しく説明する。
【0010】
まず、粒径が例えば10mm以下(乾燥状態で平均粒径が2mm)程度のピソライト鉱石及びマラマンバ鉱石を70質量%以上配合した鉄鉱石原料に、鉄鉱石原料の含水率が10.0質量%を超え12.5質量%以下となるように水分を添加し、これを高速撹拌ミキサーで例えば0.5〜2分程度混合造粒して、鉄鉱石原料を造粒する。なお、高速撹拌ミキサーの高速撹拌羽根(アジテータ)の回転数を100〜300rpmとし、パンの回転数を10〜70rpmとしている(以上、事前処理工程)。
【0011】
このようにして混合造粒した鉄鉱石原料に、結晶水が4質量%未満の鉄鉱石(例えば、ヘマタイト鉱石)、雑原料(例えば、粒径が所定の粒径より小さい焼結鉱、高炉に投入できない粒径が小さい鉱石等)、副原料(例えば、粒径が7mm以下の石灰石、5mm以下の蛇紋岩等)、1mm以下の生石灰等を加えることで、鉄鉱石原料を例えば20〜50質量%程度含有する焼結原料とする。なお、この焼結原料には、焼結原料100質量%に対して外枠で、例えば10〜20質量%程度の前記返鉱(その他、鉄鉱石)や、例えば2〜5質量%程度の粉コークスが更に添加されているが、返鉱の量を、雑原料の量に含めることも可能である。
この焼結原料をドラムミキサーを用いて、回転数を例えば5〜50rpm、滞留時間を例えば2〜5分程度として転動造粒して造粒物とした(以上、造粒工程)後、この造粒物を焼結機にて焼成することで焼結鉱とする。ここで、ドラムミキサーには、水分を加えることなく、又は図1に示すように1〜2質量%の水分(添加水)を加えて転動造粒する。なお、このドラムミキサーで、焼結原料に水分を添加する場合、前記した鉄鉱石原料の含水率を考慮して添加を行う。
【0012】
また、図1(B)に示すように、鉄鉱石原料に、鉄鉱石原料の含水率を10.0質量%を超え12.5質量%以下となるように水分を加えて、これを高速撹拌ミキサーで混合造粒した後、更に例えばパンペレタイザーを用いて転動造粒した鉄鉱石原料を、前記した他の焼結原料と共にドラムミキサーに投入して転動造粒することも可能である。
【0013】
図2に示すように、前記したゲーサイト鉱石(Fe23 ・nH2 O)は、結晶水が4質量%以上になると、鉱石表面上に濡れ性の良いゲーサイトが増加し湿潤熱が上昇するようになり、一方、それを下回ると濡れ性の悪いヘマタイトが増加し湿潤熱が低下することが判明した。なお、湿潤熱とは、鉱石表面を乾燥状態から湿潤状態へと変化させたときに発生する熱量であり、市販の双子型微少熱量計を用いて測定した値である。
また、本発明が対象とするゲーサイト鉱石の代表的なものである豪州産のピソライト鉱石A、豪州産のマラマンバ鉱石Bの化学成分と鉱石性状を、従来から使用されている豪州産、又はブラジル産のヘマタイト鉱石C、Dと共に表1に示す。
【0014】
【表1】
Figure 0003820132
【0015】
表1からも解るように、ピソライト鉱石A、マラマンバ鉱石Bは、結晶水を4〜9質量%程度含有しており、湿潤熱もヘマタイト鉱石C、Dに比して高い値を示し、鉱石表面の濡れ性が良い事を示している。また、表1中のBET比表面積は、実質的な気孔率を表す指標の1つであり、これも高い値を示している。このため、ピソライト鉱石A、マラマンバ鉱石B等のゲーサイト鉱石は、高速撹拌ミキサーにより混合造粒を行った場合に、該鉱石の気孔内に水分が急速に侵入して、気孔内の内壁面及び鉱石の表面にまんべんなく水分が付着する。
なお、比表面積とは、BET法で測定した値である。このBET法は、窒素の吸着量から比表面積を求める一般的な測定方法である(例えば、久保輝一郎、水渡英二、中川有三、早川宗八郎共編「粉体理論と応用」丸善、P134(S37年発行))。
【0016】
続いて、ゲーサイト鉱石の鉄鉱石原料への配合率、鉄鉱石原料の含水率、高速撹拌羽根の回転数を前記した数値に限定した理由について説明する。
ゲーサイト鉱石の鉄鉱石原料への配合率を70質量%以上としたのは、70質量%未満の配合率では、ゲーサイト鉱石の鉄鉱石原料に対する影響が支配的とならず、その他の鉱石の特性に強く影響されるためである。一方、上限値については規定していないが、鉄鉱石原料の全てがゲーサイト鉱石の場合でも可能である。従って、鉄鉱石原料に対するゲーサイト鉱石の影響を更に顕著に現すため、また経済性を考慮することで、今後更にゲーサイト鉱石の使用量が増加することを考慮すれば、ゲーサイト鉱石の鉄鉱石原料への配合率を75質量%以上、更には80質量%以上とすることが好ましい。
【0017】
また、ピソライト鉱石Aの鉄鉱石原料中の配合量を変化させると共に、鉄鉱石原料の含水率(水分量)を種々調整した後、この鉄鉱石原料を高速撹拌ミキサーに装入し撹拌して、鉄鉱石原料の造粒性について検討した。なお、この高速撹拌ミキサーの高速撹拌羽根の回転数を200rpmとした。
図3に示すように、鉄鉱石原料の含水率を10質量%を超え12.5質量%以下とすると、鉄鉱石原料の造粒性を改善できることが確認できた。なお、マラマンバ鉱石Bは、曲線のピークがピソライト鉱石Aと比較して水分量の低い方向へ僅かに移動するが、ピソライト鉱石Aと類似した傾向を示すことが分かる。
【0018】
ここで、鉄鉱石原料の含水率が10質量%以下になると、水分がゲーサイト鉱石の気孔内部に侵入するため、造粒に必要な表面水が不足するので、鉄鉱石原料の造粒性が悪化する。一方、鉄鉱石原料の含水率が12.5質量%を超えると、過剰水分により微粉粒子が流れるため、団子状の強度のない造粒物となってしまい、適正な粒度の造粒物はむしろ減少する。従って、造粒に必要な表面水を確保し、適正な粒度の造粒物を得るためには、鉄鉱石原料の含水率を10.5質量%以上12.5質量%以下、更には10.5質量%以上12.0質量%以下とすることが好ましい。なお、この鉄鉱石原料の含水率、即ち10質量%を超え12.5質量%以下は、前記特許第2790008号における吸水性指数から求めた最適水分の範囲を逸脱するものであり、ピソライト鉱石気孔内への高い浸水性を加味しても、過剰水分と見なせる範囲に相当するものである。
【0019】
このように高水分を加えた場合には、高速撹拌ミキサーの回転羽根の回転数は100〜300rpm程度が好ましい。ここで、回転数が100rpm未満になると高速撹拌ミキサー特有の剪断力が不足し、通常の転動造粒に近い造粒条件となり、水分と鉱石を効果的に接触させる作用が失われ、水分をゲーサイト鉱石の気孔内に十分に侵入させることができなくなる。また、このような高水分条件で300rpmを超える強撹拌を行うと、造粒作用よりも混合作用が強化され擬似粒子の崩壊作用が促進されるため、望ましくない。従って、鉄鉱石原料に十分な剪断力を与えると共に、擬似粒子の崩壊を抑制するには、回転数を150〜300rpm、更には150〜250rpmとすることが好ましい。
【0020】
【実施例】
本発明に係る焼結原料の事前処理方法を適用した造粒法を用いて試験を行った結果について説明する。
鉄鉱石原料の配合構成及び鉄鉱石原料の含水率を種々変えた鉄鉱石原料を調製し、前記した図1(A)、(B)の方法をそれぞれ使用して鉄鉱石原料を転動造粒し、造粒法の効果を焼結機を用いた操業試験によって確認した。
ここで、結晶水を4質量%以上含有するゲーサイト鉱石、即ちピソライト鉱石及びマラマンバ鉱石と、結晶水が4質量%未満のヘマタイト鉱石C、ヘマタイト鉱石Dの配合条件、更にその試験結果を表2、表3にそれぞれ示す。なお、ピソライト鉱石、マラマンバ鉱石、ヘマタイト鉱石C、ヘマタイト鉱石Dは、それぞれ表1中の鉱石を意味する。
【0021】
【表2】
Figure 0003820132
【0022】
【表3】
Figure 0003820132
【0023】
また、操業試験の前提条件、即ち事前処理工程鉄及び造粒工程で使用する混合機の種類(アイリッヒミキサー(A)、パンペレタイザー(B)、ドラムミキサー(C))、及び各混合機の運転条件、更に鉄鉱石原料を焼結する焼結機について表4に示す。
【0024】
【表4】
Figure 0003820132
【0025】
表2に示すように、本発明例1の鉄鉱石原料はピソライト鉱石が100質量%の原料であり、発明例2の鉄鉱石原料はピソライト鉱石が40質量%、マラマンバ鉱石が60質量%(ゲーサイト鉱石が100質量%)の原料、そして発明例3及び4の鉄鉱石原料はピソライト鉱石が40質量%、マラマンバ鉱石が30質量%(ゲーサイト鉱石が70質量%)、ヘマタイト鉱石Cが30質量%の原料である。ここで、本発明例1〜3は前記した図1(A)の方法、本発明例4は前記した図1(B)の方法をそれぞれ使用している。
【0026】
なお、造粒に必要な添加水分については、混合造粒前の原料水分、即ちゲーサイト鉱石が含有する水分4.0質量%程度、及び例えば鉱石の放置時に鉱石の気孔内に侵入した水分(表1中の含水率)を考慮して、混合機における混合造粒時において更に全量加えることとし、その添加水分(3.7〜4.1質量%)を調整することによって、アイリッヒミキサー(撹拌羽根回転数が150rpm又は250rpm)での混合造粒後の水分、即ち鉄鉱石原料の含水率(造粒物水分)を11.2〜12.2質量%の範囲内で変化させた。
この鉄鉱石原料に、前記雑原料(その他雑原料)、副原料(石灰石、蛇紋岩)、生石灰等を加えることで、鉄鉱石原料を30〜45質量%含有する焼結原料を作製した。この焼結原料には、焼結原料100質量%に対して外分で、前記返鉱、粉コークスを更に添加し、添加水分(0.6〜1.2質量%)を調整して、パンペレタイザー又はドラムミキサーを用いて、造粒物水分を6.7質量%に調整した。
【0027】
一方、表2に示すように、比較例1〜3の鉄鉱石原料は、鉄鉱石原料の配合構成、及び造粒工程の操業条件がいずれも本発明例1と略同じものであり、比較例1の鉄鉱石原料は事前処理工程で使用する混合機の種類(ドラムミキサー)が異なった場合、比較例2の鉄鉱石原料は鉄鉱石原料の含水率が本発明の下限値、即ち10質量%を下回った(9.2質量%)場合、比較例3の鉄鉱石原料はアイリッヒミキサーの撹拌羽根回転数が本発明の下限値、即ち100rpmを下回った(90rpm)場合をそれぞれ示している。
上記した方法で製造した造粒物を、それぞれ焼結機によって焼成し焼結鉱を製造した。
【0028】
焼結機には、表4に示すようなDL型の焼結機を使用し、パレット速度3.6m/分、パレット焼結面積600m2 で、焼結原料の装入層(充填層)の厚さを600mmとした操業条件によって造粒物を焼成した。
表3に示す操業結果から解るように、発明例1〜4の造粒物を使用した場合、焼結鉱の生産量は17800〜18200(t/日)程度、焼成時の充填層の通気性は31〜32程度、そしてこの操業における歩留は78.5〜78.9%であった。
一方、比較例1〜3の造粒物を使用した場合、焼結鉱の生産量は15200〜16000(t/日)程度、通気性は28〜30程度、そしてこの操業における歩留は74.1〜75.1%であった。
このことから分かるように、比較例においては、混合機の選択、鉄鉱石原料の含水率、アイリッヒミキサーの撹拌羽根回転数を適切にできなかったため、焼結原料の造粒が不良となり、焼成時の充填層の通気性を悪化させ、焼結鉱の生産性を本発明と比較して大きく低下させ、更に歩留も低下させたと考えられる。
【0029】
以上、本発明を、一実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
例えば、前記実施の形態において、石灰石、蛇紋岩、生石灰の粒径、及び粉コークスの量をそれぞれ示したが、前記した数値に限定されることなく、他の数値であっても本発明は適用される。
【0030】
【発明の効果】
請求項記載の焼結原料の事前処理方法においては、高速撹拌羽根を内蔵した混合機を使用するので、造粒中に水分がゲーサイト鉱石の気孔内に侵入して、ゲーサイト鉱石の気孔内及び表面に水分をまんべんなく付着させることができる。このため、混合機によって造粒が適正に行われ、しかも時間が経過してもゲーサイト鉱石の気孔内に水分が侵入することがないので、鉄鉱石原料を基に作製した造粒物を、焼結パレット上に装入する時点においても、その造粒性は維持されて、焼結時における充填層の通気性の悪化を招く可能性がない。従って、造粒性を良好にし、これにより焼結鉱の生産性を向上させることができるので、経済的である。
【0031】
特に、請求項記載の焼結原料の事前処理方法においては、鉄鉱石原料の含水率を所定の範囲に限定することで、鉄鉱石原料の表面に付着する水分量を、適正な量に調整することが可能となる。従って、従来から使用されてきたヘマタイト鉱石と吸水機構が異なるゲーサイト鉱石を用いた場合においても、造粒性を良好にできるので、鉄鉱石原料中により多くのゲーサイト鉱石を配合でき、これにより鉄鉱石原料の原料コストを抑えることができ経済的である。
請求項記載の焼結原料の事前処理方法においては、高速撹拌羽根の回転によって発生する剪断力を、鉄鉱石原料に対して十分に与えることができると共に、鉄鉱石原料中で大きな粒径を有する鉱石の周囲に、小さな粒径を有する鉱石を付着させた擬似粒子を形成することが可能となる。従って、従来から使用されてきたヘマタイト鉱石と吸水機構が異なるゲーサイト鉱石を用いた場合においても、ゲーサイト鉱石の気孔内及び表面に水分をまんべんなく付着させることができるので、鉄鉱石原料中により多くのゲーサイト鉱石を配合でき、これにより鉄鉱石原料の原料コストを抑えることができ経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係る焼結原料の事前処理方法を適用した造粒法の説明図である。
【図2】同焼結原料の事前処理方法に使用するゲーサイト鉱石が含有する結晶水と湿潤熱との関係を示す説明図である。
【図3】同焼結原料の事前処理方法に使用する鉱石原料の含水率の影響を示す説明図である。

Claims (1)

  1. 結晶水を4質量%以上含有するゲーサイト鉱石を70質量%以上配合した鉄鉱石原料に水分を添加し、これを高速撹拌羽根を内蔵した混合機を使用して混合造粒するに際して、前記鉄鉱石原料の含水率が10.0質量%を超え12.5質量%以下となるように前記水分を添加し、前記高速撹拌羽根の回転数を100〜300rpmとすることを特徴とする焼結原料の事前処理方法。
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