JP2001303142A - 高温性状の優れた焼結鉱の製造方法 - Google Patents
高温性状の優れた焼結鉱の製造方法Info
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Abstract
製造する。 【解決手段】 鉄含有原科、副原料、炭材及び水分を混
合または造粒した後、焼結機に装入して焼成する高炉用
焼結鉱の製造方法において、返鉱以外の鉄含有原料中
に、1200℃以上に加熱した際に平均気孔径が10μ
m以下の微細気孔を0.035cc/g以上含有する鉄
鉱石を40〜80質量%配合し、且つ1200℃以上に
加熱した際に平均気孔径が10μm以下の微細気孔を
0.025cc/g未満含有する鉄鉱石を40質量%未
満配合する。
Description
焼結鉱の製造方法に関し、特に焼結原料の配合により多
量の微細気孔を含有する焼結鉱を製造する方法に関す
る。
石、スケール、転炉等で発生する鉄含有ダスト、返鉱等
の鉄含有原料と石灰石、生石灰、蛇紋岩、珪石等の副原
料に粉コークス、無煙炭、CDQ粉等の炭材を配合して
混合し、さらに造粒機で造粒したのち焼結機に装入し、
焼結層の通気性を良好に保ちながら焼結鉱を製造してい
る。
に、従来から通気性または燃焼性の向上のためのコーク
スの粒度調整や、融液生成に重要な役割をもつ石灰石の
粒度調整等を行ってきたが、これらの方法は耐還元粉化
性や高炉シャフト中部までの低温還元性を改善するため
の手段でしかなく、高炉炉下部(シャフト下部)におけ
る反応で最も重要である高温還元性及び軟化溶融性を改
善する手段ではなかった。
での低温還元性は焼結鉱のJIS還元率が62%以上で
あれば良好であるが、高炉内熱保存帯以降(シャフト下
部)の高温還元性は、JIS還元率と気孔率で整理され
ることが知られている(鉄と鋼、72(1986)4、
S3)。この焼結鉱の高温還元性及び軟化溶融性は、近
年の低燃料比・多量微粉炭吹き込み高炉操業において、
焼結鉱の重要な品質管理項目となってきており、これま
でにも従来からのJIS還元率の向上だけでなくミクロ
気孔率を向上して焼結鉱の高温性状を改善する技術が開
示されている。
は、高炉の羽口から150kg/tp以上の多量の微粉
炭を吹き込む際に、低SiO2(=4.2〜4.9ma
ss%)化及び低MgO(=0.5〜1.2mass
%)化により微細気孔を増加させ高温性状及び軟化溶融
性を改善した焼結鉱を高炉に装入し、高温還元を促進し
軟化融着帯の通気性を改善する高炉の微粉炭多量吹き込
み操業方法が開示されている。
の低下により高炉スラグのAl2O3が相対的に上昇する
ことによるスラグ流動性の悪化や焼結鉱中のMgOの低
下による溶銑脱硫率の悪化があり、別途その対策が必要
であった。また、焼結の主原料である鉄鉱石の配合方法
については開示されていない。
は、焼結原料においてコークス及び石灰石がそれぞれ単
独で存在するか、または疑似粒子の核になるような粒径
(コークス=0.5〜1.5mm、石灰石=1.0〜
3.0mm)に調整または造粒した後、それぞれ所定量
(=50〜100wt%)を焼結原料に配合・焼成し、
コークスの燃焼効率の向上(=酸素分圧の低下)により
高粘性のシリケートスラグの生成促進と共に低粘性のカ
ルシウムフェライト融液の生成抑制を行い、コークスの
燃焼後及び石灰石反応・消滅後に生成する直径50μm
未満のミクロ気孔を焼結鉱中に均一に分散させることで
高温還元・軟化溶融性状に優れた焼結鉱を製造する方法
が開示されている。しかし、この技術は、コークスや石
灰石等の副原料の配合による焼結鉱の製造方法であり、
焼結の主原料である鉄鉱石の配合方法については触れら
れていない。
は、焼結鉱の気孔径分布を水銀ポロシメーターで測定す
ることにより300μm以下の開気孔の平均気孔径が
0.05〜0.15μmの範囲になるように焼結操業条
件または焼結鉱中成分を調整して製造した高温性状の良
好な焼結鉱を用いて高炉等の竪型炉の操業を行う方法が
開示されている。しかし、この技術は、微細気孔が増加
するような具体的な焼結鉱製造方法及び鉄鉱石の配合方
法については記載されていない。
主要原料である鉄鉱石の配合によってこれまで制御する
手段が確立されていなかった焼結鉱中の微細気孔を制御
し、多量の微細気孔を含有した高温性状の優れた焼結鉱
の製造方法を提供することを目的とする。
た焼結鉱の製造方法は以下の(1)〜(4)の通りであ
る。
を混合または造粒した後、焼結機に装入して焼成する高
炉用焼結鉱の製造方法において、返鉱以外の鉄含有原料
中に、1200℃以上に加熱した際に平均気孔径が10
μm以下の微細気孔を0.035cc/g以上含有する
鉄鉱石を40〜80質量%配合し、且つ1200℃以上
に加熱した際に平均気孔径が10μm以下の微細気孔を
0.025cc/g未満含有する鉄鉱石を40質量%未
満配合することを特徴とする高温性状の優れた焼結鉱の
製造方法。
気孔径が10μm以下の微細気孔を0.035cc/g
以上含有する鉄鉱石と、平均粒径が0.25mm以下の
Al2O3を2質量%以上含有する平均粒径が3mm以下
の鉄鉱石とを予め造粒した後、それ以外の焼結原料に配
合することを特徴とする上記(1)の高温性状の優れた
焼結鉱の製造方法。
気孔径が10μm以下の微細気孔を0.035cc/g
以上含有する鉄鉱石と、MgOを30質量%以上含有す
る平均粒径が3mm以下の副原料とを予め造粒した後、
それ以外の焼結原料に配合することを特徴とする上記
(1)または(2)の高温性状の優れた焼結鉱の製造方
法。
は研磨試料の画像解析法の何れかにより焼結鉱に含有す
る平均気孔径が10μm以下の微細気孔の気孔量を測定
することを特徴とする上記(1)〜(3)のうちの何れ
かの高温性状の優れた焼結鉱の製造方法。
いて詳述する。
と石灰石等の副原料に粉コークス等の炭材を配合し、混
合・造粒後、焼結機により焼成して得られる焼結鉱中に
は、溶融せずに生鉱石の原型を保って残留する残留元鉱
が2〜3割含有されることが知られている。
微細気孔量に着目し、高温時において微細気孔量が異な
る銘柄の鉄鉱石の焼成時における溶解または残留を制御
して、焼成後に得られる焼結鉱中に多量の微細気孔を含
有させる焼結鉱の製造方法を鋭意検討した。
原料として用いる各銘柄の鉄鉱石の高温時の微細気孔量
について詳細に調べた。
ヒートパターンを模擬した条件である1200℃以上の
温度に加熱した際の各鉄鉱石中に含まれる微細気孔量を
水銀圧入ポロシメーター測定法で測定した結果を示す。
ここで、水銀圧入ポロシメーター測定法とは、水銀がほ
とんどの物質の細孔壁を濡らさず、強制的に加圧しない
と細孔中に侵入していかないという性質を利用し、試料
を水銀中に浸した後に圧力をかけて、圧入された水銀の
容積から圧力または細孔半径に対する水銀の侵入量を求
める一般に知られた焼結鉱中の気孔量の測定方法であ
る。また、表1中に示した平均気孔径が400μm以下
の気孔量は、水銀圧入ポロシメーター測定法での測定限
界である平均気孔径の気孔量であり、高温時の鉄鉱石の
総気孔量を知るための参考として示した。
加熱後の鉄鉱石中の平均気孔径が10μm以下の微細気
孔量が大きく異なることが分かる。例えば、平均気孔径
が10μm以下の微細気孔量が最も多い鉱石銘柄Aは、
最も少ない鉱石銘柄Hの3倍にもなる。
孔径が400μm以下の気孔量は、鉱石中に含有する結
晶水の含有量とともに増加する傾向があることがわか
る。
種類の鉱石銘柄を焼結原料に配合して鍋試験により焼成
して得られた焼結鉱中の微細気孔を調査した。図1は、
鉱石銘柄A,D,E,G,Hの各鉱石銘柄の配合割合と
焼結鉱中の平均気孔径が10μm以下の微細気孔量及び
製品歩留との関係を示す。図1から、1200℃以上に
加熱した際に平均気孔径が10μm以下の微細気孔量が
多い鉄鉱石銘柄A,Dの配合量を40質量%以上に増加
させると、その鉄鉱石の焼結鉱中の残留元鉱の増加に起
因して焼結鉱中の平均気孔径が10μm以下の微細気孔
量が増加することがわかる。しかしながら、これらの平
均気孔径10μm以下の微細気孔量が多い銘柄の鉄鉱石
A,Dの配合量が80質量%を超えると、製品歩留が低
下することがわかる。
気孔径が10μm以下の微細気孔量が少ない鉄鉱石銘柄
G,Hの配合量を40質量%以上に増加させると、その
鉄鉱石の焼結鉱中の残留元鉱の増加に起因して焼結鉱中
の平均気孔径が10μm以下の微細気孔量が減少した。
本発明では、焼結鉱中の平均気孔径が10μm以下の微
細気孔量を増加させるために、1200℃以上に加熱し
た際に平均気孔径が10μm以下の微細気孔を0.03
5cc/g以上含有する鉄鉱石を40質量%以上の配合
割合で返鉱以外の鉄含有原料中に配合する必要がある
が、その配合割合が80質量%を超えると、気孔量が多
い鉄鉱石に含有する結晶水の含有量が増加して、焼結鉱
製造時の製品歩留が低下するため、その配合割合の上限
を80質量%に規定する。また、焼結鉱中の平均気孔径
が10μm以下の微細気孔量の増加を阻害することまた
はその微細気孔量が低下することを防止するために、1
200℃以上に加熱した際に平均気孔径が10μm以下
の微細気孔を0.025cc/g未満含有する鉄鉱石の
配合割合を40質量%未満とする。
℃以上に加熱した際に平均気孔径が10μm以下の微細
気孔を0.025〜0.035cc/gの範囲で含有す
る鉄鉱石の配合割合を増加させても、焼結鉱中の平均気
孔径が10μm以下の微細気孔量は増加しないことを確
認している。
した際に平均気孔径が10μm以下の微細気孔を多く含
有する銘柄の鉄鉱石を残留元鉱として焼結鉱中に多量に
残存させるために、焼成時におけるこの鉄鉱石の溶融反
応を抑制する方法を鋭意検討した。
1200℃以上に加熱した際に平均気孔径が10μm以
下の微細気孔を多く含有する銘柄の鉄鉱石1の周囲に融
液を生成しにくいAl2O3含有量が高い銘柄の鉄鉱石の
微粉2を付着させることにより、前記微細気孔を多く含
有する銘柄の鉄鉱石1の溶融反応は抑制され、焼結鉱中
に残留元鉱として多量に残存するため、結果的に得られ
た焼結鉱中の平均気孔径が10μm以下の微細気孔量を
増加できることがわかった。
鉱石2の代わりに、MgO含有量が高い副原料の微粉3
を上記微細気孔を多く含有する銘柄の鉄鉱石1の周囲に
付着させても、MgOが上記微細気孔を多く含有する銘
柄の鉄鉱石1と石灰石との溶液生成反応を阻害する作用
が働き、同様に焼結鉱中の平均気孔径が10μm以下の
微細気孔量を増加できる。
と石灰石との融液生成反応により鉄鉱石が溶融し、その
鉄鉱石に含有していた微細気孔が凝集し粗大化すること
を防止し、上記平均気孔径が10μm以下の微細気孔を
多く含有する銘柄の鉄鉱石1を溶融させずに残留元鉱5
として焼結鉱中に多く残存させることができ、その結
果、焼結鉱中に含有する平均気孔径が10μm以下の微
細気孔量を増加できる。
気孔径が10μm以下の微細気孔量が少ない銘柄の鉄鉱
石4は、焼成過程で石灰石との融液生成反応で鉄鉱石の
微細気孔内に侵入する融液量が少ないため、鉄鉱石の周
囲の融液中のCaO濃度が高くなるために、この高Ca
O濃度の融液と鉄鉱石との反応により、鉄鉱石の周囲に
カルシウムフェライト主体の組織6、特に低温で焼成し
た場合には微針状カルシウムフェライトが生成する。こ
の微針状カルシウムフェライトは被還元性が良好である
とともに微細気孔を多く含有するため、上記平均気孔径
が10μm以下の微細気孔が少ない銘柄の鉄鉱石4は、
上記メカニズムで積極的に石灰石と反応させることによ
り、焼結鉱中に含有する平均気孔径が10μm以下の微
細気孔量を増加させることができる。
1に示された内の数種類の銘柄の鉄鉱石A、B、Hの周
囲にAl2O3含有量の高い銘柄の鉄鉱石微粉、またはM
gOの含有量の高い副原料微粉を付着させて焼結した後
に得られた焼結鉱中の鉄鉱石の残留元鉱面積率と平均気
孔径が10μm以下の微細気孔量との関係を示した。
試料を画像解析して、マクロ気孔を除く焼結鉱面積に対
する残留元鉱部面積の割合で評価した。このとき、焼結
鉱中で鉄鉱石が溶解せずに明確に生鉱石の原型を保って
いる部分を残留元鉱部と見なした。
平均気孔径が10μm以下の微細気孔を多く含有する鉱
石銘柄A、Bを上述の方法で残留元鉱として多く焼結鉱
中に残留させるほど、焼結鉱中の平均気孔径が10μm
以下の微細気孔量が増加する。
気孔径が10μm以下の微細気孔が少ない鉱石銘柄H
は、上述の方法で石灰石と反応させて溶解し残留元鉱と
して焼結鉱中に残さない方が、結果的に焼結鉱中に含有
する平均気孔径が10μm以下の微細気孔量を増加する
ことができることがわかる。
均気孔径が10μm以下の微細気孔量の増加効果を促進
させるために、予め造粒して、1200℃以上に加熱し
た際に平均気孔径が10μm以下の微細気孔を0.03
5cc/g以上含有する鉄鉱石の周囲にAl2O3含有量
の高い銘柄の鉄鉱石の微粉あるいはMgO含有量の高い
副原料の微粉を付着させた後、焼成することが好まし
い。
が10μm以下の微細気孔を多く含有する鉄鉱石の周囲
に付着させるAl2O3含有量の高い銘柄の鉄鉱石の微粉
としては、鉱石の平均粒径が3mm以下であり、鉱石中
に粒径が0.25mm以下のAl2O3を2質量%以上含
有するものを用いる。鉱石中に含有する粒径が0.25
mm以下のAl2O3の含有量が2質量%よりも低いと、
上述のような鉱石と石灰石との融液生成反応を抑制させ
る効果が小さくなり、1200℃以上に加熱した際に平
均気孔径が10μm以下の微細気孔を多く含有する鉄鉱
石を残留元鉱として焼結鉱中に残留させることができな
いためである。また、このAl2O3含有鉄鉱石の粒径は
小さいほど、上記の鉄鉱石と石灰石との反応を抑制する
効果が発揮できるが、粒径が小さくなるほどこの鉄鉱石
の篩い分け効率が低下するため、この点を充分考慮する
必要がある。
された鉱石銘柄Aの周囲に粒径0.25mm以下のAl
2O3を2質量%以上含有した銘柄の鉄鉱石を付着させた
後、焼成して焼結鉱を製造した時の試験結果を示す。図
5に示された粒径0.25mm以下のAl2O3を2質量
%以上含有する鉄鉱石の粒径と焼成して得られた焼結鉱
中の残留元鉱面積率及び平均気孔径が10μm以下の微
細気孔量の関係から、Al2O3含有鉄鉱石の粒度が小さ
くなるほど、焼結鉱中の鉱石銘柄Aの残留元鉱面積率が
高くなるとともに、焼結鉱中の平均気孔径が10μm以
下の微細気孔量も増加する。一方、図5に示された粒径
0.25mm以下のAl2O3を2質量%以上含有する鉄
鉱石の粒径とその篩い分け効率の関係から、Al2O3含
有鉄鉱石の粒度が小さいほどその篩い分け効率が低下す
ることがわかる。
灰石との反応抑制効果及び篩い分けの効率の低下抑制の
観点から、上記の粒径0.25mm以下のAl2O3を2
質量%以上含有する鉄鉱石の粒径を3mm以下に規定す
る。
1200℃以上に加熱した際に平均気孔径が10μm以
下の微細気孔を0.035cc/g以上含有する鉄鉱石
の周囲にMgOを30質量%以上含有する粒径3mm以
下の副原料の微粉を付着させた後、焼成しても、上記鉄
鉱石の周囲に高Al2O3含有鉄鉱石の微粉を付着させた
ときと同様な効果が得られる。
未満になると上記鉄鉱石の溶融を十分に抑制できず、焼
結鉱中に含有する平均気孔径が10μm以下の微細気孔
の気孔量を増加する効果が見られなくなるため、MgO
含有量の下限を30質量%とする。また、この高MgO
含有副原料の粒径は、上述の高Al2O3含有鉄鉱石と同
様に上記鉄鉱石の溶融抑制効果及びその篩い分け効率の
低下抑制の観点から3mm以下とする。
の鉄鉱石の周囲に付着させる上記高Al2O3含有鉄鉱石
の微粉あるいは高MgO含有副原料の微粉の成分調整、
および、上記の微細気孔を多く含有する銘柄の鉄鉱石の
粒度調整は、篩い分け装置で篩い分けた後、任意の造粒
機で予め造粒することが望ましい。また、この造粒する
際に、生石灰などのバインダーを配合すれば、より強固
な造粒物が製造できて焼成して得られる焼結鉱中の平均
気孔径が10μm以下の微細気孔の気孔量はさらに増加
するので、好ましい。
10μm以下の微細気孔を多量に含有する残留元鉱を焼
結鉱中に分散して残留させた焼結鉱が製造でき、この焼
結鉱を高炉に装入し、昇温・還元すると焼結鉱中の微細
気孔内に還元ガスが十分浸透するため、特に高炉シャフ
ト下部における還元が著しく促進される。その結果、最
大圧損値が低下(改善)して軟化開始温度と溶融滴下開
始の温度差も縮小し、融着帯幅が縮小する。図4に示す
荷重軟化装置による焼結鉱の高温性状測定試験の結果で
も、1000℃以上の高温還元性と高温軟化溶融性状が
大幅に改善される結果を得た。
ように、画像解析装置で測定した焼結鉱中の平均気孔径
が10μm以下の気孔率は、水銀圧入ポロシメーターの
測定結果と良い一致を示すことが判っている。このとき
の画像解析で測定した焼結鉱中の平均気孔径が10μm
以下の気孔率は、焼結鉱の研磨試料10個の測定値を平
均化したものである。
気孔径が10μm以下の気孔率の測定法として、水銀圧
入ポロシーメーター測定法の代用として、焼結鉱の研磨
試料の画像解析法を用いても構わない。その場合、水銀
圧入ポロシメータ測定法での気孔量0.035cc/g
は気孔率15%に相当し、気孔量0.010cc/gは
気孔率5%に相当する。
粉部分のAl2O3成分が多い鉄鉱石の粒度とMgOを多
く含有する副原料の粒度は篩い分け法で調整した。ま
た、これらと1200℃以上に加熱した際に平均気孔径
が10μm以下の微細気孔を多く含有する鉄鉱石とを予
め混合・造粒する際には、ディスクペレタイザーを用い
た。
原料の配合割合、表3に鍋試験の各試験水準、表4に試
験結果を示した。
細気孔の多い鉱石)の配合割合が高く、銘柄G、H(微
細気孔の少ない鉱石)の配合割合が低い配合焼結原料を
事前造粒なしで混合・造粒した例である。比較例II
は、銘柄A(微細気孔の多い鉱石)と粒径3mm以下の
銘柄G(粒径0.25mm以下のAl2O3含有量が本発
明範囲より低い鉱石)を事前造粒後、その他の焼結原料
に配合し、混合・造粒した例である。発明例IIは、銘
柄A(微細気孔の多い鉱石)と粒径3mm以下の銘柄E
(粒径0.25mm以下のAl2O3含有量が高い鉱石)
を事前造粒後、その他の焼結原料に配合し、混合・造粒
した例である。発明例IIIは銘柄A(微細気孔の多い
鉱石)と3mm以下の蛇紋岩(MgO=39質量%)を
事前造粒後、その他の焼結原料に配合し、混合・造粒し
た例である。発明例IVは銘柄B(微細気孔の多い鉱
石)と粒径3mm以下の銘柄F(粒径0.25mm以下
のAl 2O3含有量が高い鉱石)を事前造粒後、その他の
焼結原料に配合し、混合・造粒した例である。発明例V
は銘柄B(微細気孔の多い鉱石)と3mm以下の蛇紋岩
(MgO=39質量%)を事前造粒後、その他の焼結原
料に配合し、混合・造粒した例である。発明例VIは銘
柄B(微細気孔の多い鉱石)と粒径3mm以下の銘柄E
(粒径0.25mm以下のAl2O3含有量が高い鉱
石)、および3mm以下の蛇紋岩(MgO=39質量
%)を事前造粒後、その他の焼結原料に配合し、混合・
造粒した例である。
を調整することにより、比較例Iに比べて微細気孔が多
く、S値(圧力損失値の温度積分値)が低下した。
石銘柄Aの溶融が微粉部のAl2O3含有量が高い鉱石銘
柄Eにより抑制されて、発明例Iよりも更に微細気孔が
増加し、S値が低下した。
り、鉱石銘柄Eの代わりに鉱石銘柄Fや蛇紋岩、もしく
はその両方で事前造粒した発明例III〜VIでも、発
明例Iと同様かそれ以上の微細気孔量及びS値の改善が
見られた。一方、鉱石銘柄Aと微粉部のAl2O3含有量
が低い鉱石銘柄Gで事前造粒した比較例IIでは、銘柄
Aの溶融が十分抑制されずに、微細気孔の増加とS値の
低下が見られなかった。
細気孔量の異なる鉄鉱石銘柄に応じて、その銘柄鉄鉱石
の配合割合または焼結過程でのその鉄鉱石と石灰石との
反応を制御または促進させることで、焼成後に得られる
焼結鉱中の微細気孔量を増加し、高炉下部反応にとって
最も重要な焼結鉱の高温性状を大幅に向上できるので、
高炉安定操業に寄与する効果は多大である。
鍋試験における成品歩留と焼結鉱中の10μm以下の気
孔量の測定結果を示す図である。
造、および、焼結後の組織の特徴を模式的に示す図であ
る。
測定した残留元鉱面積率と水銀圧入式ポロシメーターで
測定した焼結鉱中の10μm以下の微細気孔量との関係
を各鉱石銘柄について示す図である。
高温性状測定結果を示す図である。
を2質量%以上含有する鉄鉱石の事前造粒において、A
l2O3含有鉄鉱石の粒度と篩い分け効率、および、鉱石
銘柄Aの残留元鉱面積率と焼結鉱中の平均気孔径10μ
m以下の気孔量を示す図である。
の気孔に対して、水銀圧入ポロシメーターで測定した平
均気孔径が10μm以下の気孔量と画像解析で測定した
平均気孔径が10μm以下の気孔面積率との関係を示す
図である。
m以下の微細気孔を多く含有する銘柄の鉄鉱石 2 Al2O3含有量が高い銘柄の鉄鉱石の微粉 3 MgO含有量が高い副原料の微粉 4 1200℃以上に加熱した際に平均気孔径が10μ
m以下の微細気孔量が少ない銘柄の鉄鉱石 5 残留元鉱 6 カルシウムフェライト主体の組織
Claims (4)
- 【請求項1】 鉄含有原科、副原料、炭材及び水分を混
合または造粒した後、焼結機に装入して焼成する高炉用
焼結鉱の製造方法において、返鉱以外の鉄含有原料中
に、1200℃以上に加熱した際に平均気孔径が10μ
m以下の微細気孔を0.035cc/g以上含有する鉄
鉱石を40〜80質量%配合し、且つ1200℃以上に
加熱した際に平均気孔径が10μm以下の微細気孔を
0.025cc/g未満含有する鉄鉱石を40質量%未
満配合することを特徴とする高温性状の優れた焼結鉱の
製造方法。 - 【請求項2】 1200℃以上に加熱した際に平均気孔
径が10μm以下の微細気孔を0.035cc/g以上
含有する鉄鉱石と、平均粒径が0.25mm以下のAl
2O3を2質量%以上含有する平均粒径が3mm以下の鉄
鉱石とを予め造粒した後、それ以外の焼結原料に配合す
ることを特徴とする請求項1に記載の高温性状の優れた
焼結鉱の製造方法。 - 【請求項3】 1200℃以上に加熱した際に平均気孔
径が10μm以下の微細気孔を0.035cc/g以上
含有する鉄鉱石と、MgOを30質量%以上含有する平
均粒径が3mm以下の副原料とを予め造粒した後、それ
以外の焼結原料に配合することを特徴とする請求項1ま
たは2に記載の高温性状の優れた焼結鉱の製造方法。 - 【請求項4】 水銀圧入ポロシメーター測定法または研
磨試料の画像解析法の何れかにより焼結鉱に含有する平
均気孔径が10μm以下の微細気孔の気孔量を測定する
ことを特徴とする請求項1〜3のうちの何れか1項に記
載の高温性状の優れた焼結鉱の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000125973A JP4767388B2 (ja) | 2000-04-26 | 2000-04-26 | 高温性状の優れた焼結鉱の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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